JP2014066440A - 機能性フィルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

機能性フィルムの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
乾燥ムラを抑制することで品質の向上が図れる機能性フィルムの製造装置及び製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
搬送される基材の一方の面に、有機溶剤を含む液体組成物の塗布膜を形成する塗布部と、前記塗布膜を乾燥する乾燥部を具備する機能性フィルムの製造装置であって、
前記乾燥部が基材の搬送方向に沿って並べられた複数の乾燥ゾーンで構成され、且つ、それぞれの前記乾燥ゾーンが少なくとも給気口と排気口を具備してこの給気口から排気口に向けて乾燥風を送ることができるように構成されており、各前記乾燥ゾーンの給気量と排気量を個別に調整できることを特徴とする機能性フィルムの製造装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム等の機能性フィルムの製造装置及び製造方法に関する。
近年ウェットコーティング技術を利用して製造される光学フィルム等の機能性フィルムは、膜厚精度として誤差1%以下を要求されるような製品が増えてきている。以下、光学フィルムを例に説明する。光学フィルムの製造では、一般的に塗布液の溶媒として有機溶剤を使用することが多い。このような液体組成物を塗布する場合、有機溶剤は水に比べると蒸発速度が速く、塗布後の乾燥過程において精密に乾燥しなければ風紋のような乾燥ムラが生じ、欠陥となることが知られている。
特に、乾燥初期は塗膜中に有機溶剤が多く含まれており、塗膜の流動性が高く乾燥ムラが発生しやすいことから、これまでに、乾燥初期における乾燥ムラの発生の源になる外乱を取り除くための手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、塗布直後の乾燥部内では乾燥風を使わずに無風乾燥を行い、塗布膜の塗布液粘度が高くなって乾燥ムラが発生しにくくなってから乾燥風による乾燥を行うことで、乾燥初期に発生しやすい乾燥ムラを低減できるとしている。
しかしながら特許文献1の乾燥装置構成では、塗布液の溶剤比率や粘度特性、また、塗布速度によっては塗布液粘度が高くなるまでに長い時間を要したり、長い乾燥部を要したりするといった生産効率の低下につながる問題が生じる。
また、特許文献2では基材に対して平行な風向きでかつ層流として熱風を送り、その熱風の風速を基材の搬送速度に対して0.1〜5m/sの相対速度に制御することで、塗工面の乾燥ムラを起こさずに効率よく塗膜を乾燥させることができるとしている。
しかしながら、特許文献2の乾燥風では、風速は制御しているが熱風を使用していることから、塗布直後の溶剤含有量が多い塗膜では、温度差によるマランゴニ対流が起こり、乾燥ムラが生じる恐れがある。
特開2005−81256号公報 特開2002−340479号公報
本発明は、乾燥ムラを抑制することで品質の向上が図れる機能性フィルムの製造装置及び製造方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る発明は、搬送される基材の一方の面に、有機溶剤を含む液体組成物の塗布膜を形成する塗布部と、前記塗布膜を乾燥する乾燥部を具備する機能性フィルムの製造装置であって、
前記乾燥部が基材の搬送方向に沿って並べられた複数の乾燥ゾーンで構成され、且つ、それぞれの前記乾燥ゾーンが少なくとも給気口と排気口を具備してこの給気口から排気口
に向けて乾燥風を送ることができるように構成されており、各前記乾燥ゾーンの給気量と排気量を個別に調整できることを特徴とする機能性フィルムの製造装置である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記各乾燥ゾーンが、搬送される前記基材と対向する上部に、パンチング加工またはメッシュ加工された多孔板を具備することを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造装置である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の機能性フィルムの製造装置を用いて、前記基材の搬送速度に対する、前記乾燥部の最初の乾燥ゾーンでの乾燥風の相対速度を、前記基材の搬送方向を正の値として−0.1〜0.1m/sの範囲とし、且つ、二番目以降の乾燥ゾーンでの相対速度を0.3〜1.0m/sの範囲とすることを特徴とする機能性フィルムの製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記乾燥風と前記基材の温度差が、5℃以内であることを特徴とする請求項3に記載の機能性フィルムの製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記基材に前記塗布部で塗布膜が形成されてから1秒以内に、前記乾燥部の最初の乾燥ゾーンに搬送することを特徴とする請求項3または4に記載の機能性フィルムの製造方法である。
本発明の請求項1によれば、前記乾燥部が基材の搬送方向に沿って並びられた複数の乾燥ゾーンで構成され、且つ、それぞれの前記乾燥ゾーンが少なくとも給気口と排気口を具備してこの給気口から排気口に向けて乾燥風を送ることができるように構成されており、各前記乾燥ゾーンの給気量と排気量を個別に調整できることで、塗布膜の乾燥ゾーン搬送直後及びそれ以降の乾燥ゾーン搬送中も乾燥風を所望の風速に設定でき、塗布膜の表面張力流動による、マランゴニ対流による乾燥ムラを抑制する作用効果が得られる。
また、本発明の請求項2によれば、前記各乾燥ゾーンが、搬送される前記基材と対向する上部に、パンチング加工またはメッシュ加工された多孔板を具備することで、乾燥部内の気流を均一に制御することができ、乾燥ムラを抑制することができる。
また、本発明の請求項3によれば、前記基材の搬送速度に対する、前記乾燥部の最初の乾燥ゾーンでの乾燥風の相対速度を、前記基材の搬送方向を正の値として−0.1〜0.1m/sの範囲とし、且つ、二番目以降の乾燥ゾーンでの相対速度を0.3〜1.0m/sの範囲とすることで、乾燥部入口では空気の出入りがほとんどなく、基材搬送による同伴風の影響を軽減し安定した気流を確保することができる。また乾燥部内では、乾燥ムラが発生しにくい低風速でありながら、蒸発する溶剤ガスを除去できる程度の乾燥風を流すことで、塗布直後の溶剤含有量が多い塗布膜でも乾燥ムラを発生させずに効率的に乾燥させ、乾燥ムラのない塗布物を得ることができる。
また、本発明の請求項4によれば、前記乾燥風と前記基材の温度差が、5℃以内であることで、塗膜中での温度差による対流現象から乾燥ムラが発生することを防ぐことができる。
また、本発明の請求項5によれば、前記基材に前記塗布部で塗布膜が形成されてから1秒以内に、前記乾燥部の最初の乾燥ゾーンに搬送することで、塗布膜が乾燥部4外の空気に晒されて自然に乾燥していく領域を狭めることができ、その結果、乾燥ムラの発生を抑制することができる。
上記のように、本発明の塗布物の製造装置および製造方法によれば、基材搬送による同伴風の影響を軽減し安定した気流を確保することができる。また乾燥部内では、乾燥ムラが発生しにくい低風速でありながら、蒸発する溶剤ガスを除去できる程度の乾燥風を流すことで、塗布直後の溶剤含有量が多い塗布膜でも乾燥ムラを発生させずに効率的に乾燥させ、乾燥ムラのない機能性フィルムを得ることができる。
本発明に係る一実施形態の製造装置を側面から見た概略図である。 本発明に係る一実施形態の乾燥ゾーンの側面から見た概略図である。 本発明に係る一実施形態の最初(第一)の乾燥ゾーンの斜視概略図である。
以下、本発明の第一実施形態について、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の製造装置を側面から見た概略図である。塗布部2において帯状の基材3上に塗布膜(図示せず)が塗布される。塗布膜が形成された基材3は、乾燥部4に搬送される。乾燥部4はトンネル状に上下及び左右を壁で囲まれており、かつ、基材3の搬送方向に沿って並べられた、複数の乾燥ゾーンから成り、基材入口5を有する最初(第一)の乾燥ゾーン4a、および基材出口6を有する最終乾燥ゾーン4c、および中間に位置する二番目(第二)の乾燥ゾーン4bで構成され、隣接する乾燥部間は連結部20で接続されている。塗布膜が形成された帯状の基材3は、基材入口5から乾燥部4内へ搬入され、基材出口6から乾燥部4外へ搬出される。乾燥ゾーンの数は2つ以上であればよく、特に限定するものではない。
図2は、図1に示した本発明に係る一実施形態の二番目の乾燥ゾーン4bを側面から見た概略図である。二番目の乾燥ゾーン4bの上部には給気口7と排気口8が設けられており、乾燥ゾーン中に乾燥風を流せるようになっている。基材3の上部には、基材3と対向する(平行な)パンチング加工またはメッシュ加工が施された多孔板10が設置され、給気口7から出た乾燥風は多孔板10で整流され、基材3に沿って流れる。
ここで、多孔板10は、長径が7mm以下の開口部を有し、開口率が50%以上80%以下のメッシュ板またはパンチング板である。多孔板10の開口率が50%より低いと、乾燥部4内の気流に対する抵抗が大きく、塗布膜から蒸発した有機溶剤ガスを排気するために必要十分な気流が得られなくなる恐れがある。また、開口部の長径が7mmより大きい場合や開口率が80%より高い場合では、乾燥部4内の気流に対する抵抗が小さく、気流を均一に制御することが難しくなるため、乾燥ムラが発生する恐れがある。気流を均一なものとするためには、多孔板の開口部の長径は小さければ小さいほど好ましい。しかしながら、開口率等を考慮すると多孔板の開口部の長径は2mm以上であることが好ましい。
また、多孔板10と基材3の間の距離は、乾燥風が層流となる5〜20mmが望ましい。20mmより大きいと、乾燥風が乱流になる可能性が高く塗布膜の表面を乱す恐れがあり、5mmより小さいと基材3を搬送中に多孔板10と基材3が接触する恐れがある。
図2では給気口7および排気口8を使って給気および排気を行っているが、最初(第一)の乾燥ゾーン4aでは給気のみを行い排気せず、それ以外の乾燥ゾーンでは、給気せず排気のみを行う方法で乾燥風Aの風速を制御することも可能である。
最初(第一)の乾燥ゾーン4a以外の乾燥ゾーンでの乾燥風Aは、基材3の搬送速度に対する相対速度で、0.3〜1.0m/sである。1.0m/sより大きいと乾燥ムラが
発生する可能性が高くなり、0.3m/sより小さいと、塗布膜から蒸発する溶剤を除去する能力が低下し、乾燥速度が著しく遅くなるため、乾燥風Aの相対速度を0.3〜1.0m/sの範囲とした。さらに、乾燥風Aと基材3の温度差を5℃以内にすることにより、塗膜中での温度差による対流現象から乾燥ムラが発生することを防ぐ。
風速計を乾燥ゾーンの入口または出口付近に設置し、塗布膜から上方5mmの位置で風速を測定する。測定した風速が所望の範囲に入るように給気量または排気量を自動制御する手段(図示せず)が乾燥部4外に備えることで、基材3の搬送速度を変化させた場合にも、基材3近傍の風速の相対速度は変化することなく一定の範囲内に制御することができる。
また、図3の最初(第一)の乾燥ゾーン4aの斜視図に示すように、基材入口5の上辺と基材3との距離L1は、5〜20mmが好ましい。これは、20mmより大きいと基材入口5から最初(第一)の乾燥ゾーン4a内に乾燥部4外の空気が乱流として流れ込む恐れがあり、5mmより小さいと基材3を搬送中に基材入口5の上辺と基材3が接触する可能性があるためである。
基材入口5近傍での乾燥風の風速は、基材の搬送速度に対する相対速度で−0.1〜0.1m/sである。風速をこの範囲内にするために、基材3の同伴風を相殺するように最初(第一)の乾燥ゾーン4aの給気口7から乾燥風を送り、風速がこの範囲外とならないように、排気口8から適切な風量を排気する。相対風速−0.1〜0.1m/sでは基材入口5からの空気の出入りはほとんどなく、最初(第一)の乾燥ゾーン4a内の乾燥風が乱れることはない。最初(第一)の乾燥ゾーン4aでは排気を行わず、給気のみを行い、二番目(第二)の乾燥ゾーン4b以降の乾燥ゾーンで給気を行うことで風速を制御することも可能である。
さらに、図1に示す塗布部2から基材入口5までの距離L2は、基材3に塗布液が塗布されてから1秒以内に基材入口5に到達する距離である。塗布されてから基材入口5に到達するまでの時間が長いと、塗布膜が乾燥部4外の空気に晒されることで自然に乾燥していく領域が無視できなくなり、自然乾燥による乾燥ムラが生じる可能性があり好ましくない。L2は基材3の搬送速度に依存し、基材3の搬送速度は制約事項ではないが、20〜100m/min程度の一般的な速度を有する機能性フィルムの製造装置を用いているため、搬送速度が20m/minの場合、L2は約30cmとなる。L2は自然乾燥による乾燥ムラを考慮するとできるだけ短いほうが好ましいが、装置構成を考慮すると下限は5cm以上である。
本発明に係る機能性フィルムの製造装置および製造方法は、様々な製品に対して用いることができるが、特に有機溶剤を溶媒とする分散物の塗布に対して効果がある。その中でも近年需要が伸びている光学フィルムのようなこれまで以上に乾燥ムラに対する許容余地の少ない製品に効果的である。ここで、光学フィルムとは主に液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの表示装置の最表面またはその内側に使用されるフィルムであり、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルム、帯電防止フィルムなどが挙げられる。
本発明に用いられる帯状の基材3としては、用途によって様々なものを使用することができる。基材3を構成する成分としては、例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フルイム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、基材3は、単層からなっていても複数層からなっていてもよい。なお、基材3の厚さは一般的に10〜500μmの
ものが用いられる。
また、本発明に係る機能性フィルムの製造装置および製造方法にあっては、ここで示した塗布部や乾燥部以外の装置を備えていても良い。例えば、塗布液に紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、それぞれ、紫外線照射装置、電子線照射装置が設けられる。また、熱硬化性樹脂をバインダーとして塗布液に用いた場合には、加熱装置を設けることもできる。
本発明の一実施例について、図を参照しながら説明する。
<実施例1>
エクストルージョン方式のダイヘッドを備える塗布部と、長さ0.8mの乾燥ゾーンを10個接続した乾燥部とからなる製造装置を用いて、トリアセチルセルロース(TAC)の基材の一方の面に、下記組成の液体組成物を塗布して塗布膜を形成した。なお、このときの搬送速度は、40m/min、乾燥後の膜厚は4.5μmであった。
(液体組成物)
平均粒子径3.0μmのシリカ粒子 4.2wt%
バインダー 36.0wt%
(ペンタエリスリトールトリアクリレート:共栄社化学社製)
光重合開始剤 1.8wt%
(イルガキュア184:チバスペシャリティケミカルズ社製)
溶媒:トルエン 34.8wt%
:ジオキソラン 23.2wt%
なお、粘度は3.0mPasであった。
次に上記で得られたと塗布膜を超高圧水銀ランプの紫外線照射装置を用いて紫外線照射して硬化させ、防眩性フィルムを作製した。なお、乾燥部について以下に詳細に記す。
(乾燥部)
上記乾燥部は各乾燥ゾーン間に、長さ0.2mの連結部およびガイドロールを備えた全長9.8mであり、塗布部から最初の乾燥ゾーンに基材入口までの距離は0.4mとした。各乾燥ゾーンの上面には給気口および排気口が設けられ、給気口は排気口よりも上流側に位置する。
また、各乾燥ゾーン内の基材の上方には、乾燥風を整流させるために、厚み1mmのステンレス製のパンチング加工された多孔板を設置した。なお、多孔板には直径5mmの円形が打ち抜かれており、開口率は75%である。また、基材と多孔板の距離は10mmである。
また、基材と最初(第一)の乾燥ゾーンの基材入口の上辺との距離は10mmとした。乾燥風の風速の調整を簡単にするため、第一の乾燥ゾーンでは給気のみを行い排気は行わず、二番目以降の乾燥ゾーンまでは給気を行わず排気のみを行った。このときの最初(第一)の乾燥ゾーンでの乾燥風の相対速度は0m/s、二番目以降の乾燥ゾーンでの相対速度は0.6m/sであった。また、基材の温度は25℃、乾燥風の温度は23℃、その温度差は2℃であった。
また、塗布部から基材に塗布された塗布膜が最初の乾燥ゾーンに到達するまでに要する時間は約0.6秒であった。
<比較例1>
乾燥ゾーン内の乾燥風の相対速度を制御しなかった以外は、実施例1と同様にして防眩性フィルムを作製した。なお、このときの最初(第一)の乾燥ゾーンでの乾燥風の相対速度は0.8m/s、二番目以降の乾燥ゾーンから最終乾燥ゾーンまでの乾燥ゾーン内の相対速度は1.2m/sであった。
<評価>
実施例1及び比較例1で得られた防眩性フィルムを幅方向に切り出し、乾燥ムラの有無を、三波長形蛍光灯を映りこませながら確認した。
<比較評価>
実施例1で得られた防眩性フィルムでは、乾燥ムラが確認されなかった。これは最初(第一)の乾燥ゾーン内がほぼ無風状態で、且つ、二番目以降の乾燥ゾーンでの穏やかな乾燥風により、塗布膜内の流動性が低下することで、乾燥ムラの発生が抑制された効果と判断できた。一方、比較例1で得られた防眩性フィルムは、幅方向において蛍光灯の映りこみ具合が異なり、基材の搬送方向に伸びるスジ状の欠陥が確認された。これは、乾燥過程で幅方向における溶剤の蒸発速度が異なるため、塗布膜の表面張力流動が起こり、粒子の分布にムラが生じたためであると判断できた。したがって、本発明に係る機能性フィルムの製造装置および製造方法によれば、わずかな乾燥ムラも発生させることなく、防眩性フィルムを作製することができると確認できた。
本発明の塗布物の製造装置および製造方法は、有機溶剤を溶媒とする分散物の塗布に対して広く利用でき、その中でも光学フィルムのような、これまで以上に乾燥ムラに対する許容余地の小さい機能性フィルムを製造することができる。
1・・・塗布物の製造装置
2・・・塗布部
3・・・基材
4・・・乾燥部
4a・・最初(第一)の乾燥ゾーン
4b・・二番目(第二)の乾燥ゾーン
4c・・最終乾燥ゾーン
5・・・基材入口
6・・・基材出口
7・・・給気口
8・・・排気口
10・・多孔板
20・・連結部
21・・ガイドロール
L1・・基材から基材入口上辺までの距離
L2・・塗布部から基材入口までの距離
A・・・乾燥風

Claims (5)

  1. 搬送される基材の一方の面に、有機溶剤を含む液体組成物の塗布膜を形成する塗布部と、前記塗布膜を乾燥する乾燥部を具備する機能性フィルムの製造装置であって、
    前記乾燥部が基材の搬送方向に沿って並べられた複数の乾燥ゾーンで構成され、且つ、それぞれの前記乾燥ゾーンが少なくとも給気口と排気口を具備してこの給気口から排気口に向けて乾燥風を送ることができるように構成されており、各前記乾燥ゾーンの給気量と排気量を個別に調整できることを特徴とする機能性フィルムの製造装置。
  2. 前記各乾燥ゾーンが、搬送される前記基材と対向する上部に、パンチング加工またはメッシュ加工された多孔板を具備することを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造装置。
  3. 請求項1または2に記載の機能性フィルムの製造装置を用いて、前記基材の搬送速度に対する、前記乾燥部の最初の乾燥ゾーンでの乾燥風の相対速度を、前記基材の搬送方向を正の値として−0.1〜0.1m/sの範囲とし、且つ、二番目以降の乾燥ゾーンでの相対速度を0.3〜1.0m/sの範囲とすることを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
  4. 前記乾燥風と前記基材の温度差が、5℃以内であることを特徴とする請求項3に記載の機能性フィルムの製造方法。
  5. 前記基材に前記塗布部で塗布膜が形成されてから1秒以内に、前記乾燥部の最初の乾燥ゾーンに搬送することを特徴とする請求項3または4に記載の機能性フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017139208A (ja) * 2015-09-30 2017-08-10 住友化学株式会社 フィルムの製造方法、電池用セパレータフィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池
JP2018143901A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 東洋紡株式会社 セラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法

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