JP2018143901A - セラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法 - Google Patents

セラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗剤成分の乾燥時の凝集による離型層の表面粗さの悪化を抑制し、高い平滑性を有し、かつ剥離性に優れたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、直接もしくは他の層を介して、少なくとも離型剤を含有する離型層が積層されたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法であって、少なくとも離型剤を含有した塗液をポリエステルフィルムに塗布する塗布工程、塗布後にフィルムを初期乾燥炉で加熱する初期乾燥工程、及び離型層を硬化する硬化工程を順に有し、前記初期乾燥工程は、塗液を塗布後1.5秒以内に初期乾燥炉に入れ、初期乾燥炉で1.0秒以上3.0秒以下の時間乾燥するものであり、前記硬化工程は、加熱硬化工程および/または活性エネルギー線硬化工程であるセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックグリーンシート製造用離型フィルムに関するものであり、詳しくは超薄層のセラミックグリーンシート製造時にピンホール及び厚みムラによる工程不良の発生を抑制したものを製造し得る、超薄層のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法に関するものである。
近年、多層積層セラミックコンデンサ(略称MLCC)の小型化・大容量化に伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化が要求されている。多層積層セラミックコンデンサは離型フィルム上に、チタン酸バリウムなどのセラミック成分とバインダー樹脂を含有したスラリーを塗工し乾燥することでセラミックグリーンシートを成型し、得られたセラミックグリーンシートに電極を印刷した後、離型フィルムから剥離し、セラミックグリーンシートを積層、プレスし、脱脂・焼成後、外部電極を塗布することで製造される。
MLCCを小型で大容量化するためには、セラミックグリーンシートを薄膜化することが必要であり、その膜厚は1.0μm以下、さらには0.6μm以下の薄膜になってきており、さらなる薄膜化も進んでいる。しかし、セラミックグリーンシートを薄膜化していくと離型フィルム上の極めて微小な突起や離型フィルムから剥離するときの力によって、ピンホールや割れなどの欠点が生じやすくなるといった課題があった。
これら課題を解決するために、セラミックグリーンシートの成型に使用する離型フィルムとして、ポリエステルフィルムに離型層を設け、離型層表面を高平滑化したフィルムが提案されている。特許文献1では、ポリエステルフィルムの表面に平滑化層設け、その後平滑化層の上に離型層を設けることが開示されている。また、特許文献2には、(メタ)アクリル酸エステルおよびシリコーン系成分からなる離型層を0.3μm以上の膜厚で形成することが開示されている。特許文献1および特許文献2では、離型層表面の算術平均粗さRaが8nm以下かつ最大突起高さRpが50nm以下にすることができることが開示されている。
しかし、特許文献1および2では、ポリエステルフィルム上に積層する樹脂層(離型層および平滑化層)の厚みが厚いため、硬化に時間がかかり、使用する有機溶剤量も増えるため環境負荷が大きいなどの課題があった。また離型層の膜厚が厚いため得られた離型フィルムのカールなども課題となることがあった。
また、セラミックグリーンシート成型用離型フィルムの離型層としては、以下のような提案もされている。特許文献3では、離型層にシリコーンを含まないノンシリコーン系の離型層が提案されている。特許文献4では、シリコーン樹脂を離型層としたフィルムが提案されている。しかし、特許文献3のようにノンシリコーン系の離型層だとセラミックグリーンシートを剥離するときの剥離力が大きくなり薄膜化したセラミックグリーンシートではダメージを受ける課題がある。また、特許文献4のようなシリコーン系樹脂の離型層では、セラミックグリーンシートを剥離するときの剥離力は小さくなるが、一般的にシリコーン樹脂のガラス転移温度が室温以下のため、弾性率が低く、剥離時に離型層が変形するため剥離力が不安定になる課題があった。
一方、特許文献5では、メラミン樹脂とポリオルガノシロキサンを含有した離型層が提案されている。離型層のバインダーとしてメラミン樹脂を主に含有し、離型成分としてシリコーン系樹脂を添加したことで、離型層の弾性率を上げて変形性と剥離性を両立させることが提案されている。
しかし、バインダー樹脂とシリコーン系樹脂のような離型剤を含有する離型層だと、バインダー樹脂とシリコーン系樹脂の有機溶剤への溶解性や溶解液の表面張力が大きく異なるため、乾燥時に相溶性が悪くなり各樹脂が凝集し突起となり、離型層表面の表面粗さを悪化させる課題があった。厚み1.0μm以下、さらには0.6μm以下のセラミックグリーンシートを成型する場合、これら微小な表面粗さの悪化でもピンホールなどが発生し得られる積層セラミックコンデンサの不良率が悪化してしまうため、さらなる平滑性が求められていた。
特開2014−177093号公報 国際公開第2013/145864号 特開2010−144046号公報 特開2012−207126号公報 特開2017−7226号公報
本発明は、上記実情に鑑み、セラミックグリーンシート製造用離型フィルムの離型層として少なくともバインダー樹脂と離型剤を含むものとし、上記成分の乾燥時の凝集による離型層の表面粗さの悪化を抑制し、高い平滑性を有し、かつ剥離性に優れたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法を提供しようとするものである。
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、直接もしくは他の層を介して、少なくとも離型剤を含有する離型層が積層されたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法であって、少なくとも離型剤を含有した塗液をポリエステルフィルムに塗布する塗布工程、塗布後にフィルムを初期乾燥炉で加熱する初期乾燥工程、及び離型層を硬化する硬化工程を順に有し、前記初期乾燥工程は、塗液を塗布後1.5秒以内に初期乾燥炉に入れ、初期乾燥炉で1.0秒以上3.0秒以下の時間乾燥するものであり、前記硬化工程は、加熱硬化工程および/または活性エネルギー線硬化工程であることを特徴とするセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
2. ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面が、粒子を実質的に含有していない表面層Aであることを特徴とする上記第1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
3. ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面の最大突起高さ(P)が50nm以下であり、かつ、算術平均粗さ(Sa)が7nm以下であることを特徴とする上記第1または第2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
4. 上記第1〜第3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法を採用するセラミックグリーンシートの製造方法であって、製造されたセラミックグリーンシートが0.2μm〜1.0μmの厚みを有することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
5. 上記第4に記載のセラミックグリーンシートの製造方法を採用することを特徴とするセラミックコンデンサの製造方法。
本発明のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いることで、離型層の表面粗さの悪化を抑制し、高い平滑性を有し、かつ剥離性に優れたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法の提供が可能となるものであり、膜厚0.2〜1.0μmの超薄膜化したセラミックグリーンシートでも剥離性がよく、ピンホールなどの欠点を少なくすることができるセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法の提供が可能となる。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、離型剤を含む塗液をポリエステルフィルムに塗工・乾燥・硬化する工程において、ある一定の条件で塗工・乾燥したときに離型剤の凝集が起こりにくく離型層表面の平滑性が高いセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得られることを見出したものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ポリエステルフィルム)
本発明の基材として用いるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、特に限定されず、離型フィルム用基材として通常一般に使用されているポリエステルをフィルム形成したものを使用することが出来るが、好ましくは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体がさらに好適であり、とりわけポリエチレンテレフタレートから形成されたポリエステルフィルムが特に好適である。ポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位が好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、他のジカルボン酸成分、ジオール成分が少量共重合されていてもよいが、コストの点から、テレフタル酸とエチレングリコールのみから製造されたものが好ましい。また、本発明のフィルムの効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤などを添加してもよい。ポリエステルフィルムは双方向の弾性率の高さ等の理由から二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの固有粘度は0.50〜0.70dl/gが好ましく、0.52〜0.62dl/gがより好ましい。固有粘度が0.50dl/g以上の場合、延伸工程で破断が多く発生することがなく好ましい。逆に、0.70dl/g以下の場合、所定の製品幅に裁断するときの裁断性が良く、寸法不良が発生しないので好ましい。また、原料ペレットは十分に真空乾燥することが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されず、従来一般に用いられている方法を用いることが出来る。例えば、前記ポリエステルを押出機にて溶融して、フィルム状に押出し、回転冷却ドラムにて冷却することにより未延伸フィルムを得て、該未延伸フィルムを延伸することにより得ることが出来る。延伸は、二軸延伸であることが力学的特性などから好ましい。二軸延伸フィルムは、縦方向あるいは横方向の一軸延伸フィルムを横方向または縦方向に逐次二軸延伸する方法、或いは未延伸フィルムを縦方向と横方向に同時二軸延伸する方法で得ることが出来る。
本発明において、ポリエステルフィルム延伸時の延伸温度はポリエステルの二次転移点(Tg)以上とすることが好ましい。縦、横おのおのの方向に1〜8倍、特に2〜6倍の延伸をすることが好ましい。
上記ポリエステルフィルムは、厚みが12〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは15〜38μmであり、より好ましくは、19μm〜33μmである。フィルムの厚みが12μm以上であれば、フィルム生産時や離型層の加工工程、セラミックグリーンシートなどの成型の時に、熱により変形するおそれがなく好ましい。一方、フィルムの厚みが50μm以下であれば、使用後に廃棄するフィルムの量が極度に多くならず、環境負荷を小さくする上で好ましい。
上記ポリエステルフィルムは、単層であっても2層以上の多層であっても構わないが、少なくとも片面には実質的に粒子を含まない表面層Aを有することが好ましい。2層以上の多層構成からなる積層ポリエステルフィルムの場合は、実質的に粒子を含有しない表面層Aの反対面には、粒子などを含有することができる表面層Bを有することが好ましい。積層構成としては、離型層を塗布する側の層を表面層A、その反対面の層を表面層B、これら以外の芯層を層Cとすると、厚み方向の層構成は離型層/A/B、あるいは離型層/A/C/B等の積層構造が挙げられる。当然ながら層Cは複数の層構成であっても構わない。また、表面層Bには粒子を含まないこともできる。その場合、フィルムをロール状に巻き取るための滑り性付与するため、表面層B上には粒子とバインダーを含んだコート層を設けることが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいて、離型層を塗布する表面に位置している表面層Aは、実質的に粒子を含有しないことが好ましい。また、ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面は、領域表面平均粗さ(Sa)は、7nm以下であることが好ましい。このとき、表面層Aが、ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面であって、領域表面平均粗さ(Sa)は、7nm以下であることが特に好ましい。Saが7nm以下であると、離型層表面のSaを小さくしやすく、積層する超薄層セラミックグリーンシートの成型時にピンホールなどの発生が起こりにくく好ましい。ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面のSaは3nm以下であるとより好ましく、2nm以下であると更に好ましく、1.5nm以下であると特に好ましい。表面層Aの領域表面平均粗さ(Sa)は小さいほど好ましいと言えるが、0.1nm以上であって構わない。ここで、表面層A上に後述のアンカーコート層などを設ける場合は、コート層に実質的に粒子を含まないことが好ましく、コート層積層後の領域表面平均粗さ(Sa)が前記範囲に入ることが好ましい。本発明において、「粒子を実質的に含有しない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子をフィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面は、最大突起高さ(P)が50nm以下であることが好ましく、40nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。このとき、表面層Aが、ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面であることが特に好ましい。最大突起高さ(P)が50nm以下であれば、離型層のPを小さくし易く、セラミックグリーンシート形成時に、ピンホールなどの欠点の発生がなく、歩留まりが良好で好ましい。ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面のPは、小さいほど好ましいと言えるが、1nm以上でも構わず、3nm以上であっても構わない。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいて、離型層を塗布する面の反対面を形成する表面層Bは、フィルムの滑り性や空気の抜けやすさの観点から、粒子を含有することが好ましく、特にシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を用いることが好ましい。含有される粒子含有量は、表面層B中に粒子の合計で5000〜15000ppm含有することが好ましい。このとき、表面層Bのフィルムの領域表面平均粗さ(Sa)は、1〜40nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、5〜35nmの範囲である。シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子の合計が5000ppm以上、Saが1nm以上の場合には、フィルムをロール状に巻き上げるときに、空気を均一に逃がすことができ、巻き姿が良好で平面性良好により、超薄層セラミックグリーンシートの製造に好適なものとなる。また、シリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子の合計が15000ppm以下、Saが40nm以下の場合には、滑剤の凝集が生じにくく、粗大突起ができないため、超薄層のセラミックグリーンシート製造時に品質が安定し好ましい。
上記表面層Bに含有する粒子としては、シリカ及び/又は炭酸カルシウム以外に不活性な無機粒子及び/又は耐熱性有機粒子などを用いることができる。透明性やコストの観点からシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を用いることがより好ましいが、他に使用できる無機粒子としては、アルミナ−シリカ複合酸化物粒子、ヒドロキシアパタイト粒子などが挙げられる。また、耐熱性有機粒子としては、架橋ポリアクリル系粒子、架橋ポリスチレン粒子、ベンゾグアナミン系粒子などが挙げられる。またシリカ粒子を用いる場合、多孔質のコロイダルシリカが好ましく、炭酸カルシウム粒子を用いる場合は、ポリアクリル酸系の高分子化合物で表面処理を施した軽質炭酸カルシウムが、滑剤の脱落防止の観点から好ましい。
上記表面層Bに添加する粒子の平均粒子径は、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、0.5μm以上1.0μm以下が特に好ましい。粒子の平均粒子径が0.1μm以上であれば、離型フィルムの滑り性が良好であり好ましい。また、平均粒子径が2.0μm以下であれば、離型層表面の粗大粒子によるセラミックグリーンシートにピンホールが発生するおそれがなく好ましい。
上記表面層Bには素材の異なる粒子を2種類以上含有させてもよい。また、同種の粒子で平均粒径の異なるものを含有させてもよい。
表面層Bに粒子を含まない場合は、表面層B上に粒子を含んだコート層で易滑性を持たせることが好ましい。本コート層は、特に限定されないが、ポリエステルフィルムの製膜中に塗工するインラインコートで設けることが好ましい。表面層Bに粒子を含まず、表面層B上に粒子を含むコート層を有する場合、コート層の表面は、上述の表面層Bの領域表面平均粗さ(Sa)と同様の理由により、領域表面平均粗さ(Sa)が1〜40nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、5〜35nmの範囲である。
上記離型層を設ける側の層である表面層Aには、ピンホール低減の観点から、滑剤などの粒子の混入を防ぐため、再生原料などを使用しないことが好ましい。
上記離型層を設ける側の層である表面層Aの厚み比率は、基材フィルムの全層厚みの20%以上50%以下であることが好ましい。20%以上であれば、表面層Bなどに含まれる粒子の影響をフィルム内部から受けづらく、領域表面平均粗さSaが上記の範囲を満足することが容易であり好ましい。基材フィルムの全層の厚みの50%以下であると、表面層Bにおける再生原料の使用比率を増やすことができ、環境負荷が小さくなり好ましい。
また、経済性の観点から上記表面層A以外の層(表面層Bもしくは前述の中間層C)には、50〜90質量%のフィルム屑やペットボトルの再生原料を使用することができる。この場合でも、表面層Bに含まれる滑剤の種類や量、粒径ならびに領域表面平均粗さ(Sa)は、上記の範囲を満足することが好ましい。
また、後に塗布する離型層などの密着性を向上させたり、帯電を防止するなどのために表面層A及び/または表面層Bの表面に製膜工程内の延伸前または一軸延伸後のフィルムにコート層を設けてもよく、コロナ処理などを施すこともできる。表面層A上にコート層を設ける場合、当該コート層は、実質的に粒子を含有しないことが好ましい。
(離型層)
本発明において、離型層には、少なくとも離型剤を含むことが好ましい。離型剤以外には、バインダー成分などを含むことができる。本発明の効果を損なわない範囲で、前記樹脂や化合物以外にも他の成分を添加することができる。
(バインダー成分)
本発明において、離型層に含まれるバインダー成分としては、特に限定されないが、離型層の架橋密度を高め、離型層の耐久性や耐溶剤性などを向上させるために架橋できる成分が架橋されてなることが好ましい。そのため、バインダー成分には、反応性官能基を有する樹脂と架橋剤が反応してなることが好ましい。また、反応性官能基もしくは架橋剤のどちらか単独で自己架橋してなることも好ましい。しかしながら、前記は、バインダー成分が、反応性官能基を有する樹脂または架橋剤のいずれか一方のみを含有する態様を排除するものではない。
反応性官能基を有する樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂などを使用することができ、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを好適に使用することができる。これら樹脂には、反応性官能基として、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ、アミノ基、アクリレート基などから選ばれる少なくとも1種類以上を有していることが好ましい。
反応性官能基を有する樹脂は、長鎖アルキル成分もしくはシリコーン骨格を樹脂骨格の一部に有していることが好ましい。長鎖アルキル成分もしくはシリコーン骨格のような低表面自由エネルギーの部位を樹脂骨格の一部に有することで、後述するシリコーン系離型剤とバインダー成分との相溶性が高くなり乾燥時の凝集が起こりにくくなり平滑性が向上するため好ましい。
樹脂骨格に長鎖アルキル成分を有する反応性官能基含有樹脂の具体例としては、側鎖に長鎖アルキル基を有するアルキッド樹脂またはアクリル樹脂などが挙げられる。用いる長鎖アルキル基としては、炭素数が6〜20の直鎖状のアルキル基が好適である。前述の炭素数を有することで、得られる樹脂の表面自由エネルギーを低下させることができ、シリコーン系離型剤との相溶性が向上するため好ましい。
側鎖に長鎖アルキル基を有するアルキッド樹脂の場合は、前述の長鎖アルキル基を有する酸(例えば、オクチル酸やステアリル酸など)をフタル酸などの多塩基酸に混ぜ、多価アルコール成分(ペンタエリスリトールやジエチレングリコ―ルなど)と混合し、脱水縮合反応により得ることができる。
側鎖に長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂は、2種類以上のアクリルモノマーを共重合して得ることが好ましい。共重合するモノマーとして、長鎖アルキル基を有するモノマー(例えば、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソデシルアクリレートなど)を含むことが好ましく、反応性官能基部位として、ヒドロキシ基を有するモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなど)を含むことが好ましい。前述のほかに得られるポリマーのTg調整や架橋性、反応性などを付与するためにメチルメタクリレートやエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレートなど他の既知モノマーも含むことができる。
得られたアクリル樹脂の長鎖アルキル基を有するモノマーの含有量は、全モノマーに対し1モル%以上50モル%以下であることが好ましい。1モル%以上であると表面自由エネルギーを下げる効果があるため好ましい。50モル%以下であると反応性官能基を有するモノマーが相対的に高くなるため樹脂の架橋密度が高くなるため好ましい。
樹脂骨格にシリコーン骨格を有する反応性官能基含有樹脂の具体例としては、側鎖にポリジメチルシロキサン骨格を有するアルキッド樹脂もしくはアクリル樹脂などが挙げられる。市販品の具体例としては、サイマック(登録商標)US350、US352(東亜合成社製、反応性官能基:カルボキシル基)、サイマック(登録商標)US270(東亜合成社製、反応性官能基:ヒドロキシル基)などがある。
(架橋剤)
バインダー成分には、架橋剤を含有することも好ましい。架橋剤としては、特に限定されないが、メラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、エポキシ系などを使用することができ、1種類でも2種類以上を併用して用いても構わない。特に好ましくは、バインダー成分に導入された反応性官能基と反応する架橋剤が好ましい。
本発明に使用する架橋剤としては、反応性の観点からメラミン系化合物が好ましい。メラミン系化合物を使用することで、離型層の膜厚が0.4μm以下のような薄膜でも素早く硬化させることができ架橋密度が高くなるため好ましい。
本発明に用いるメラミン系化合物としては、一般的なものを使用でき特に限定されないが、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られ、1分子中にトリアジン環、及びメチロール基及び/又はアルコキシメチル基をそれぞれ1つ以上有していることが好ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に、低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等を脱水縮合反応させてエーテル化した化合物などが好ましい。メチロール化メラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。1種類を用いても2種類以上も用いても構わない。
メラミン系化合物としては、バインダー成分の架橋密度を高くすることができるため1分子中に多くの架橋点をもつヘキサメチロールメラミンや、ヘキサメトキシメチロールメラミンなどを用いることが好ましい。メチロールメラミン誘導体にアルコールを用いて脱水縮合反応したエーテル化合物を用いる場合は、反応性の観点から、メチルアルコールで脱水縮合して得られたヘキサメトキシメチルメチロールメラミンが特に好ましい。
本発明において、バインダー成分に含まれる架橋剤の量は、反応性官能基を有する樹脂に対して15質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%である。また、架橋剤が自己縮合して樹脂膜を形成できる場合は、架橋剤のみでバインダー成分が構成されても構わない。架橋剤を15質量%以上含むことで離型層の架橋密度を高めることができ、耐溶剤性、弾性率を向上させることができるため好ましい。
(触媒)
本発明において、離型層には架橋剤を硬化させるために触媒を使用することもできる。メラミン系化合物を使用する場合は酸触媒を使用することが好ましく、特に限定されないがカルボン酸系、金属塩系、リン酸エステル系、スルホン酸系のものを好適に使用することができる。また、酸部位がブロックされたブロックタイプの触媒も使用することができる。特に反応性の観点からパラトルエンスルホン酸が好適に使用することができる。イソシアネート系化合物を使用する場合は、一般的なものを使用することができ、有機錫やアミン化合物、トリアルキルホスフィン化合物などが好適に使用することができる。
触媒の添加量は、離型層に含まれる架橋剤に対して0.1〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜30質量%である。さらに好ましくは0.5〜20質量%である。0.1質量%以上であると、硬化反応が進みやすくなり好ましい。一方40質量%以下であると成型するセラミックグリーンシートへ酸触媒が移行するおそれがなく、悪影響を及ぼすおそれがないことから好ましい。
(離型剤)
本発明において、離型層に用いる離型剤(離型層の離型性を向上させる添加剤)としては、シリコーン系添加剤や、オレフィン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの非シリコーン系添加剤などを用いることができるが、剥離性の観点からシリコーン系添加剤(シリコーン系離型剤と記載することもある)を用いることが好ましい。
(シリコーン系離型剤)
本発明において、離型層に用いるシリコーン系離型剤としては、分子内にシリコーン構造を有する化合物のことであり、本発明の効果を得られる範囲であれば特に限定されないが、ポリオルガノシロキサンなどを好適に使用することができる。ポリオルガノシロキサンの中でもポリジメチルシロキサン(略称、PDMS)が好適に使用することができ、ポリジメチルシロキサンの一部に官能基を有するものも好ましい。官能基を有することでバインダー樹脂と水素結合などの分子間相互作用が発現しやすくなりセラミックグリーンシートへの移行がしにくくなるため好ましい。
ポリジメチルシロキサンに導入する官能基としては特に限定されないが、反応性官能基でも非反応性官能基でも構わない。また、官能基はポリジメチルシロキサンの片末端に導入されていてもよいし、両末端でも側鎖でも構わない。また、導入される位置は1つでもよいし、複数でも構わない。
ポリジメチルシロキサンに導入する反応性官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、メタクリル基、アクリル基などを使用することができる。非反応性官能基としては、ポリエーテル基、アラルキル基、フロロアルキル基、長鎖アルキル基、エステル基、アミド基、フェニル基などを使用することができる。特に理論で拘束されるわけではないが、上記のうちエポキシ基、カルボキシル基、ポリエーテル基、メタクリル基、アクリル基、エステル基を有するものが好ましい。
ポリジメチルシロキサンに導入する官能基は、バインダー成分とは反応しないものの方がより好ましい。例えばメラミン樹脂と反応するヒドロキシル基などで変性されたポリジメチルシロキサンは、乾燥工程でメラミンと反応するため、離型層表面に配向しにくく離型性が発現しにくい場合がある。そのため十分な離型性を持たせるために添加量を増やす必要があるが、その場合離型層の弾性率が低下し離型層の変形が起こりやすくなるおそれがある。
ポリジメチルシロキサンに導入する官能基としては、上述した理由からバインダー樹脂と反応せず、離型層表面に配向しやすく、セラミックグリーンシートへの移行性も少ない官能基としては、特にポリエーテル基、エステル基が好ましい。
本発明に用いるシリコーン系離型剤は、分子量が40000以下であることが好ましい。より好ましくは、30000以下である。分子量が40000以下であるとシリコーン系離型剤が離型層表面に偏析しやすく剥離性が良く好ましい。
長鎖アルキル系添加剤としては、長鎖アルキル変性された樹脂を使用することができ、ポリビニルアルコールやアクリル樹脂などの側鎖に炭素数が8〜20程度のアルキル基を有するものが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルを主な繰り返し単位とする重合体であり、エステル交換された部分に炭素数8〜20の長鎖アルキル基を含む共重合体も好適に使用することができる。市販されているものの例としては、ピーロイル(登録商標)1010、ピーロイル(登録商標)1050、ピーロイル(登録商標)1070など(以上、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社)などが挙げられる。
本発明において、離型層には、離型剤が離型層全体の固形分に対して0.1質量%以上、20質量%以下含まれることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上、10質量%以下、さらに好ましくは、0.1質量%以上、5質量%以下である。0.1質量%以上であると、離型性が向上し、セラミックグリーンシートの剥離性が向上するため好ましい。一方、20質量%以下であると、剥離時にセラミックグリーンシートへの離型剤の移行が少なく好ましい。このとき、離型層全体の固形分とは、溶媒や触媒は乾燥過程で相当部分蒸発してしまうか、そもそも含有量が極少量のため、実質的にバインダー成分と離型剤の固形分の合計した値とみなして差し支えない。
本発明において、離型層には、粒径が1μm以下の粒子などを含有することができるが、ピンホール発生の観点から粒子など突起を形成するものは含有しないほうが好ましい。
本発明において、離型層には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、密着向上剤や、帯電防止剤などの添加剤などを添加してもよい。また、基材との密着性を向上させるために、離型塗布層を設ける前にポリエステルフィルム表面に、アンカーコート、コロナ処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理等の前処理をすることも好ましい。
本発明において、離型層の厚みは、1.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜0.4μmであり、さらに好ましくは0.02〜0.2μmであり、0.02〜0.09μmであればより好ましい。離型層の厚みが0.01μm以上であると剥離性能が得られるため好ましい。1.0μm以下であると、離型層の硬化時間を短くできるため離型フィルムの平面性が保たれてセラミックグリーンシートの厚みムラを抑制できるため好ましい。また1.0μm以下であると得られたフィルムのカールも少なくなるためセラミックグリーンシート成型時に成型精度が向上するため好ましい。
本発明によって得られる離型フィルムの離型層表面の表面自由エネルギーは、18mJ/m以上35mJ/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mJ/m以上30mJ/m以下であり、さらに好ましくは21mJ/m以上28mJ/m以下である。18mJ/m以上であるとセラミックスラリーを塗工したときにハジキが発生しづらく均一に塗工することができ好ましい。また35mJ/m以下であるとセラミックグリーンシートの離型性が低下するおそれがなく好ましい。上記範囲とすることで塗工時にハジキがなく、離型性に優れた離型フィルムを提供できる。
本発明によって得られる離型フィルムは、セラミックグリーンシートを剥離するときの剥離力が0.5mN/mm以上、3mN/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.8mN/mm以上、2.5mN/mm以下である。さらに好ましくは、1.0mN/mm以上、1.8mN/mm以下である。剥離力が0.5mN/mm以上であると、剥離力が軽すぎず搬送時にセラミックグリーンシートが浮き上がるおそれがなく好ましい。剥離力が3mN/mm以下であると剥離時にセラミックグリーンシートがダメージを受けるおそれがなく好ましい。
本発明によって得られる離型フィルムは、カールが少ないことが好ましい。具体的にはフィルムに張力をかけずに90℃で10分加熱したあとのカールが2mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以下である。もちろん、全くカールしないことも好ましい。2mm以下にすることでセラミックグリーンシートを成型し電極を印刷するときにカールが少なく印刷精度を高めることができるため好ましい。
本発明によって得られる離型フィルムの離型層面は、その上で塗布・成型するセラミックグリーンシートに欠陥を発生させないために、平坦であることが望ましく、領域表面平均粗さ(Sa)が1.5nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.2nm以下であり、1.0nm以下がなお好ましい。また、離型層表面の最大突起高さ(P)が50nm以下であることが好ましく、40nm以下がさらに好ましく、30nm以下がなお好ましい。領域表面平均粗さ(Sa)が1.5nm以下、最大突起高さ(P)が50nm以下であれば、セラミックグリーンシート形成時に、ピンホールなどの欠点の発生がなく、歩留まりが良好で好ましい。領域表面平均粗さ(Sa)は小さいほど好ましいと言えるが、0.1nm以上であっても構わず、0.3nm以上であっても構わない。最大突起高さ(P)も小さいほど好ましいと言えるが、1nm以上でも構わず、3nm以上であっても構わない。
本発明によって得られる離型フィルムは、高度に平坦化された基材フィルムを用いているため、離型層の厚みが1.0μm、さらには0.4μm、よりさらには0.09μmより薄くしても離型層表面を平滑にすることができるため、使用する溶剤量や樹脂量を少なくすることができ環境にやさしく、安価に超薄層セラミックグリーンシート成型用の離型フィルムを作成することができる。
本発明によって得られる離型フィルムの離型層表面の最大突起高さ(P)が50nm以下かつ算術平均粗さ(Sa)が1.5nm以下にするためには、離型層の塗液を塗工し乾燥するまでにシリコーン系離型剤やバインダー成分の凝集を抑えることが好ましい。そのため、後述の製造方法にて述べるように塗工後から乾燥までの時間を一定の条件下で実施することで目標とする超高平滑な離型層表面を得ることができる。
(離型フィルムの製造方法)
本発明の離型フィルム製造方法は、少なくとも離型剤を含有した塗液をポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に塗布する塗布工程、塗布後にフィルムを初期乾燥炉で加熱する初期乾燥工程、及び離型層を硬化する硬化工程を順に有している。少なくとも離型剤を含有する塗液を基材のポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に塗布により積層する塗布工程と、塗布後、主に溶媒等を除去する初期乾燥工程と、主にバインダー樹脂や離型剤等の塗液中の固形分を硬化して離型層を得る加熱硬化工程および/または活性エネルギー線硬化工程(両者を合せて硬化工程と記載する)を順に行う方法を採用することが好ましい。
(塗布工程)
離型剤等を溶解もしくは分散させる溶媒としては特に限定されないが、有機溶剤を用いることが好ましい。離型剤の他、バインダー成分などが塗液中に存在することも好ましい態様である。有機溶剤を用いることで塗液の表面張力を低くすることができるため塗布後にハジキなどが発生しにくく、離型層表面の平滑性を高く保つことができるため好ましい。
本発明の離型フィルムの製造方法に用いる有機溶剤としては特に限定されず、既知のものを使用することができる。溶媒としては、通常、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪酸炭化水素、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、およびメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。基材フィルム表面に塗布する場合の塗布性を考慮すると、限定するものではないが実用上好ましくはトルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒である。
本発明において、離型層形成のための塗布に用いる塗液には、特に限定されないが、2種類以上の沸点が異なる有機溶剤を含むことが好ましい。少なくとも1種類の有機溶剤は沸点が100℃以上であることが好ましい。沸点が100℃以上の溶剤を添加することで、乾燥時の突沸を防ぎ、塗膜がレベリングさせることができ、乾燥後の塗膜表面の平滑性を向上させることができる。その添加量としては、塗液全体に対し、10〜50質量%程度添加することが好ましい。沸点100℃以上の溶剤の例としては、トルエン、キシレン、ヘオクタン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、酢酸n―プロピルなどが挙げられる。
本発明において、離型層形成用の塗液を塗布するときの塗液の表面張力(20℃)は、特に限定されないが30mN/m以下であることが好ましい。表面張力を前記のようにすることで、塗工後の塗れ性が向上し、乾燥後の塗膜表面の凹凸を低減することができる。塗液の表面張力を下げるためには、塗液を形成する有機溶剤は表面張力が低いものを用いることが好ましい。少なくとも1種類の有機溶剤の表面張力(20℃)が26mN/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは、23mN/m以下である。表面張力(20℃)が26mN/m以下の有機溶剤を含むことで塗布時にハジキなどの外観欠点を少なくすることができるため好ましい。その添加量としては、塗液全体に対し、20質量%以上添加することが好ましい。
塗液中に含まれる離型剤の固形分濃度は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは、0.2質量%以上8質量%以下である。固形分濃度が0.1質量%以上とすることで塗布後の乾燥が速いため、離型剤の中の成分の凝集などが起こりにくく好ましい。一方、固形分濃度が10質量%以下であると、塗工液の粘度が低くレベリング性が良好であるため、塗工後の平面性を向上させることができ好ましい。塗工液の粘度は、1mPa・s以上100mPa・s以下が塗工外観の面で好ましく、2mPa・s以上10mPa・s以下がより好ましい。この範囲になるように固形分濃度、有機溶剤等を調整することが好ましい。
本発明において、離型層形成用の塗液は塗布前に濾過することが好ましい。濾過方法については、特に限定されず既知の方法を使用することができるが、サーフェスタイプやデプスタイプ、吸着タイプのカートリッジフィルターを用いることが好ましい。カートリッジタイプのフィルターを使用することで塗液をタンクから塗工部に連続的に送液するときに使用することができるため、生産性がよく効率的に濾過できるため好ましい。フィルターの濾過精度としては、1μmの大きさのものを99%以上除去するものを用いることが好ましく、さらに好ましくは0.5μmの大きさのものを99%以上濾過できるものが好ましい。上記濾過精度のものを用いることで、離型剤に混入する異物を除去することができ、本発明のセラミックグリーンシート成型用離型フィルムの離型フィルムに付着する異物を大幅に減少することができる。そのため、本発明の離型フィルムを用いた成型したセラミックグリーンシートの欠点も少なくなりセラミックコンデンサの不良率も低減することができる。
上記塗液の塗布法としては、公知の任意の塗布法が適用出来、例えばグラビアコート法やリバースコート法などのロールコート法、ワイヤーバーなどのバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、等の従来から知られている方法が利用できる。
塗布時の塗液膜厚(Wet膜厚)は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。1μmよりも厚いと塗工が安定するためハジキやスジといった欠点が出にくく好ましい。また10μm以下であれば、乾燥が速く離型層に含まれる成分が凝集しにくく好ましい。
(初期乾燥工程)
塗布液を基材フィルム上に塗布し、乾燥する方法としては、公知の熱風乾燥、赤外線ヒーター等が挙げられるが、乾燥速度が早い熱風乾燥が好ましい。乾燥炉は、乾燥初期の恒率乾燥工程(以下、初期乾燥工程とよぶ)と減率乾燥および樹脂の硬化が進行する工程(以下、加熱硬化工程とよぶ)に分けることができる。初期乾燥工程と加熱硬化工程は、連続していても不連続でも構わないが、連続している方が生産性がよく好ましい。それぞれの工程は、乾燥炉のゾーンを分けることで区別することが好ましい。各工程のゾーン数は1つ以上あればいくつになっても構わない。また、塗剤が活性エネルギー線硬化型樹脂の場合には、加熱硬化工程を採用することなく活性エネルギー線硬化工程を採用することもある。
本発明の離型フィルムの製造方法においては、塗布後1.5秒以内に初期乾燥工程のための乾燥炉に入れることが好ましく、より好ましくは1.0秒以内であり、0.8秒以内がさらに好ましい。塗布後1.5秒以内に乾燥炉に入れ乾燥を始めることで離型層に含まれる成分の凝集が起こる前に乾燥させることができるため、凝集による離型層表面の平滑性悪化を防ぐことができるため好ましい。
初期乾燥工程は、特に限定されず既知の乾燥炉を用いることができる。乾燥炉の方式については、ロールサポート方式でもフローティング方式でもどちらでも構わないが、ロールサポート方式の方が乾燥時の風量を調整できる範囲が広いため、離型層の種類に合わせて風量などを調整できるため好ましい。
初期乾燥工程の温度は、60℃以上、140℃以下であることが好ましく、70℃以上、130℃以下がさらに好ましく、80℃以上、120℃以下がさらに好ましい。60℃以上、140℃以下とすることで、熱による平面性不良なく、塗布後の離型層に含まれる有機溶剤量を効果的に乾燥することができるため好ましい。
初期乾燥工程を通過する時間としては、1.0秒以上、3.0秒以下であることが好ましく、1.0秒以上、2.5秒以下より好ましく、1.2秒以上、2.5秒以下がさらに好ましい。1.0秒以上であると塗布後の離型層中に含まれる有機溶剤を十分乾燥させることができるため好ましい。また3.0秒以下であると離型層中の成分の凝集が起こりにくく好ましい。上記時間で乾燥できるように塗液の固形分濃度や有機溶剤種等を調整することで、凝集しやすい塗液を用いても凝集による平滑性の悪化を抑制することができる。
初期乾燥工程を通過後の離型層に含まれる有機溶剤量は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下である。有機溶剤量を5質量%以下にすることで、加熱工程で加熱されても突沸などによる外観悪化を防ぐことができるため好ましい。離型層中の有機溶剤量は、初期乾燥工程後のフィルムをサンプリングしガスクロマトグラフィーや熱重量分析などで測定することができるが、乾燥のシュミレーションを用いて推測する方法もとることができる。シュミレーションから求めた方が工程を止めることなく測定することができるため好ましい。シュミレーションについては特に限定されないが既知のシュミレーションソフトを使用することができる。
本発明において、離型フィルムは初期乾燥工程後、加熱硬化工程や活性エネルギー線硬化工程を経て離型層を硬化させることが好ましい。加熱硬化工程もしくは活性エネルギー線照射工程のどちらか一工程のみでも構わないし、両工程を経ても構わない。
(加熱硬化工程)
加熱硬化工程は、特に限定されず既知の乾燥炉を用いることができる。乾燥炉の方式については、ロールサポート方式でもフローティング方式でもどちらでも構わない。加熱硬化工程は、初期乾燥工程と連続した工程であっても、不連続な工程であっても構わないが、生産性の観点から連続した工程であることが好ましい。
加熱硬化工程の温度は、80℃以上、180℃以下であることが好ましく、90℃以上、160℃以下であることがより好ましく、90℃以上、140℃以下であることがもっとも好ましい。180℃以下の場合、フィルムの平面性が保たれ、セラミックグリーンシートの厚みムラを引き起こす恐れが小さく好ましい。140℃以下であるとフィルムの平面性を損なうことなく加工することができ、セラミックグリーンシートの厚みムラを引き起こす恐れが更に低下するので特に好ましい。80℃以上であると熱硬化系の樹脂の場合は硬化が十分進行するため好ましい。
加熱硬化工程を通過する時間は、2秒以上30秒以下が好ましく、2秒以上20秒以下がさらに好ましい。通過時間が2秒以上であると熱硬化系の樹脂の硬化が進行し好ましい。また30秒以下であると熱によるフィルムの平面性が低下せず好ましい。
加熱硬化工程の最終では、熱風温度を基材フィルムのガラス転移温度以下にし、フラットの状態で基材フィルムの実温をガラス転移温度以下にすることが好ましい。基材フィルムの実温がガラス転移温度以上のまま乾燥炉を出た場合には、ロール表面に接触した際に滑りが不良となり、キズ等が発生するだけでなく、カール等が発生する場合がある。
(活性エネルギー線照射工程)
本発明で使用する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線など既知の技術を使用することができる。活性エネルギー線に積算照射量は、照度と照射時間の積で表すことができる。例えば、紫外線の場合は、20〜500mJ/cmが好ましく、電子線の場合は、0.1〜40kGy程度が好ましい。前記下限以上にすることで、離型層を十分に硬化させることができるため好ましく、前記上限以下とすることで照射時の熱によるフィルムへの熱ダメージを抑制することができ平面性を維持することができるため好ましい。
フィルムに活性エネルギー線を照射するときは、フィルムの裏面をバックアップロールで保持することが好ましい。バックアップロールを設けることで活性エネルギー線源との距離を一定に保つことができるため均一に照射でき好ましい。また、バックアップロール表面を冷却しフィルムを冷却しながら活性エネルギー線を照射することが好ましい。冷却することで活性エネルギー線を照射した場合でもフィルムが熱によるダメージを受けにくく平面性が維持できるため好ましい。
本発明により得られる離型フィルムは、加熱硬化工程、および/または、活性エネルギー線硬化工程通過後、ロール状に巻き取られることが好ましい。加熱硬化工程、または活性エネルギー線硬化工程通過後、ロール状に巻き取るまでの時間は2秒以上とることが好ましく、3秒以上がさらに好ましい。2秒以上であると加熱硬化工程または活性エネルギー線照射工程で温度が上昇した離型フィルムが冷却されてロールに巻き取られるため平面性の悪化がなく好ましい。
本発明により得られる離型フィルムは、加熱硬化工程後ロール状に巻き取るまでの間に、各種処理をしてもよく、除電処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などを行うことができる。
(セラミックグリーンシートとセラミックコンデンサ)
一般に、積層セラミックコンデンサは、直方体状のセラミック素体を有する。セラミック素体の内部には、第1の内部電極と第2の内部電極とが厚み方向に沿って交互に設けられている。第1の内部電極は、セラミック素体の第1の端面に露出している。第1の端面の上には第1の外部電極が設けられている。第1の内部電極は、第1の端面において第1の外部電極と電気的に接続されている。第2の内部電極は、セラミック素体の第2の端面に露出している。第2の端面の上には第2の外部電極が設けられている。第2の内部電極は、第2の端面において第2の外部電極と電気的に接続されている。
本発明のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムは、このような積層セラミックコンデンサを製造するために用いられる。例えば、以下のようにして製造される。まず、本発明の離型フィルムをキャリアフィルムとして用い、セラミック素体を構成するためのセラミックスラリーを塗布、乾燥させる。塗布、乾燥したセラミックグリーンシートの上に、第1又は第2の内部電極を構成するための導電層を印刷する。セラミックグリーンシート、第1の内部電極を構成するための導電層が印刷されたセラミックグリーンシート及び第2の内部電極を構成するための導電層が印刷されたセラミックグリーンシートを適宜積層し、プレスすることにより、マザー積層体を得る。マザー積層体を複数に分断し、生のセラミック素体を作製する。生のセラミック素体を焼成することによりセラミック素体を得る。その後、第1及び第2の外部電極を形成することにより積層セラミックコンデンサを完成させることができる。
以下に、実施例を用いて本発明のさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。本発明で用いた特性値は下記の方法を用いて評価した。
(表面粗さ)
非接触表面形状計測システム(菱化システム社製、VertScan R550H−M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は7回測定し最大値と最小値を除いた5回の最大値を使用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:10倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 936μm×702μm
(解析条件)
・面補正: 4次補正
・補間処理: 完全補間
(離型層厚み)
切り出した離型フィルムを樹脂包埋し、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片化した。その後、日本電子製JEM2100透過電子顕微鏡を用いて、直接倍率20,000倍で観察を行い、観察したTEM画像から離型層の膜厚を測定した。
(表面自由エネルギー)
25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学株式会社製: 全自動接触角計 DM−701)を用いて離型フィルムの離型面に水(液滴量1.8μL)、ジヨードメタン(液適量0.9μL)、エチレングリコール(液適量0.9μL)の液滴を作成しその接触角を測定した。接触角は、各液を離型フィルムに滴下後10秒後の接触角を採用した。前記方法で得られた、水、ジヨードメタン、エチレングリコールの接触角データを「北崎−畑」理論より計算し離型フィルムの表面自由エネルギーの分散成分γsd、極性成分γsp、水素結合成分γshを求め、各成分を合計したものを表面自由エネルギーγsとした。本計算には、本接触角計ソフトウェア(FAMAS)内の計算ソフトを用いて行った。
(塗液の表面張力)
塗液の表面張力は、表面張力計(協和界面科学株式会社製:高機能表面張力計 DY−500)を用いて、20℃条件下、白金プレートを用いてWilhelmy法で測定を行った。3回測定し平均値を採用した。
(塗液の粘度)
塗液の粘度は、回転式粘度計(東機産業株式会社製:TVB−15M)を使用し20℃条件下で測定を行った。10mPa・s以下の低粘度液を測定する場合はオプションの低粘度アダプターを使用して測定を行った。3回測定を行い平均値を採用した。
(セラミックスラリーの塗工性評価)
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのガラスビーズを分散媒とするビーズミルを用いて30分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 76.3質量部
エタノール 76.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT−1) 35.0質量部
ポリビニルブチラール 3.5質量部
(積水化学社製 エスレック(登録商標)BM−S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 1.8質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが1μmになるように塗工し90℃で1分乾燥後、以下の基準で塗工性を評価した。
○:ハジキなどがなく全面に塗工できている。
△:塗工端部でややハジキがあるが、ほぼ全面に塗工できている。
×:ハジキが多く、塗工できていない。
(セラミックグリーンシートのピンホール評価)
前記セラミックスラリーの塗工性評価と同様にして離型フィルムの離型面に厚さ1μmのセラミックグリーンシートを成型した。
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが1μmの厚みになるように塗布し90℃で1分乾燥後、離型フィルムを剥離し、セラミックグリーンシートを得た。
得られたセラミックグリーンシートのフィルム幅方向の中央領域において25cmの範囲でセラミックスラリーの塗布面の反対面から光を当て、光が透過して見えるピンホールの発生状況を観察し、下記基準で目視判定した。
○:ピンホールの発生なし
△:ピンホールの発生がほぼなし
×:ピンホールの発生が多数あり
(セラミックグリーンシートの剥離性評価)
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのガラスビーズを分散媒とするビーズミルを用いて60分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 38.3質量部
エタノール 38.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT−1) 64.8質量部
ポリビニルブチラール 6.5質量部
(積水化学社製 エスレック(登録商標)BM−S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 3.3質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが10μmの厚みになるように塗布し90℃で1分乾燥しセラミックグリーンシートを離型フィルム上に成型した。得られたセラミックグリーンシート付き離型フィルムを除電機(キーエンス社製、SJ−F020)を用いて除電した後に30mmの幅で剥離角度90度、剥離速度10m/minで剥離した。剥離時にかかる応力を測定し剥離力とした。
(離型フィルムのカール評価)
離型フィルムサンプルを10cm×10cmサイズにカットし、離型フィルムに張力がかからないようにして熱風オーブンで90℃10分間熱処理を行った。その後、オーブンから取り出し室温まで冷却したのち、離型面が上になるようにガラス板の上に離型フィルムサンプルを置いて、ガラス板から浮いている部分の高さを測定した。このときガラス板から一番大きく浮いている部分の高さを測定値とした。以下の基準でカール性の評価を行った。
○:カールが1mm以下であり、ほとんどカールしていない。
△:カールが1mmよりも大きく、3mm以下であり、少しカールが見られた。
×:カールが3mmよりも大きくカールしていた。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET(I))の調製)
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口及び生成物取出口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用いた。TPA(テレフタル酸)を2トン/時とし、EG(エチレングリコール)をTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間、255℃で反応させた。次いで、第1エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるEGを生成PETに対して8質量%供給し、さらに、生成PETに対してMg原子が65ppmとなる量の酢酸マグネシウム四水塩を含むEG溶液と、生成PETに対してP原子が40ppmのとなる量のTMPA(リン酸トリメチル)を含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1時間、260℃で反応させた。次いで、第2エステル化反応缶の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、高圧分散機(日本精機社製)を用いて39MPa(400kg/cm)の圧力で平均処理回数5パスの分散処理をした平均粒径が0.9μmの多孔質コロイダルシリカ0.2質量%と、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を炭酸カルシウムあたり1質量%付着させた平均粒径が0.6μmの合成炭酸カルシウム0.4質量%とを、それぞれ10%のEGスラリーとして添加しながら、常圧にて平均滞留時間0.5時間、260℃で反応させた。第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、95%カット径が20μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターで濾過を行ってから、限外濾過を行って水中に押出し、冷却後にチップ状にカットして、固有粘度0.60dl/gのPETチップを得た(以後、PET(I)と略す)。PETチップ中の滑剤含有量は0.6質量%であった。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET(II))の調製)
一方、上記PETチップの製造において、炭酸カルシウム、シリカ等の粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのPETチップを得た(以後、PET(II)と略す。)。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET(III))の調製)
PET(I)の粒子の種類、含有量をポリアクリル酸のアンモニウム塩を炭酸カルシウムあたり1質量%付着させた平均粒径が0.9μmの合成炭酸カルシウム0.75質量%に変更した以外は、PET Iと同様にしてPETチップを得た(以後、PET(III)と略す)。PETチップ中の滑剤含有量は0.75質量%であった。
(積層フィルムX1の製造)
これらのPETチップを乾燥後、285℃で溶融し、別個の溶融押出し機押出機により290℃で溶融し、95%カット径が15μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターと、95%カット径が15μmのステンレススチール粒子を焼結したフィルターの2段の濾過を行って、フィードブロック内で合流して、PET(I)を表面層B(反離型面側層)、PET(II)を表面層A(離型面側層)となるように積層し、シート状に45m/分のスピードで押出(キャスティング)し、静電密着法により30℃のキャスティングドラム上に静電密着・冷却させ、固有粘度が0.59dl/gの未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。層比率は各押出機の吐出量計算でPET(I)/PET(II)=60%/40%となるように調整した。次いで、この未延伸シートを赤外線ヒーターで加熱した後、ロール温度80℃でロール間のスピード差により縦方向に3.5倍延伸した。その後、テンターに導き、140℃で横方向に4.2倍の延伸を行なった。次いで、熱固定ゾーンにおいて、210℃で熱処理した。その後、横方向に170℃で2.3%の緩和処理をして、厚さ31μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX1を得た。得られたフィルムX1の表面層AのSaは2nm、表面層BのSaは28nmであった。
(積層フィルムX2の製造)
積層フィルムX1と同様の層構成、延伸条件は変更せずに、キャスティング時の速度を変更することで厚みを調整し、25μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX2を得た。得られたフィルムX2の表面層AのSaは3nm、表面層BのSaは29nmであった。
(積層フィルムX3の製造)
積層フィルムX1と同様の層構成、延伸条件は変更せずに、キャスティング時の速度を変更することで厚みを調整し、19μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX3を得た。得られたフィルムX3の表面層AのSaは3nm、表面層BのSaは31nmであった。
(積層フィルムX4の製造)
積層フィルムX1と同様の層構成、延伸条件は変更せずに、キャスティング時の速度を変更することで厚みを調整し、50μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX4を得た。得られたフィルムX4の表面層AのSaは2nm、表面層BのSaは29nmであった。
(積層フィルムX5)
積層フィルムX5としては、厚み25μmのA4100(コスモシャイン(登録商標)、東洋紡社製)を使用した。A4100は、フィルム中に粒子を実質的に含有せず、表面層B側にインラインコートで粒子を含んだコート層を設けた構成をしている。積層フィルムX5の表面層AのSaは1nm、表面層BのSaは2nmであった。
(積層フィルムX6の製造)
PET(III)を表面層B(反離型面側層)、PET(II)を表面層A(離型面側層)となるように積層し、層比率を各押出機の吐出量計算でPET(III)/(II)=80%/20%にした以外は積層フィルムX1と同様の方法で厚さ31μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX6を得た。得られたフィルムX6の表面層AのSaは2nm、表面層BのSaは30nmであった。
(樹脂溶液A)長鎖アルキル基含有アクリルポリオール
ステアリル(メタ)アクリレート20モル%とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート40モル%、メチル(メタ)アクリレート40モル%の比になるように混合し、固形分濃度が40質量%になるようにトルエンで希釈し、窒素気流下でアゾビスイソブチロニトリルを0.5モル%添加し共重合させ、樹脂溶液Aを得た。このとき得られたポリマーの重量平均分子量は30000であった。
(実施例1)
積層フィルムX1の表面層A上に以下組成の塗液1を、0.5μm以上の異物を99%以上除去できるフィルターを通した後に、リバースグラビアを用いて塗布膜厚(wet膜厚)が5μmになるように塗工後、0.5秒で初期乾燥炉に入るように調整した。初期乾燥炉にて100℃で2秒乾燥後、連続して加熱硬化工程に入れ130℃で7秒加熱した。加熱硬化工程後、8秒後にロール状に巻き取り超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの膜厚、表面粗さ、表面自由エネルギー、カールを測定した結果を表1に記載した。また得られた離型フィルムにセラミックスラリーを塗工し塗工性、剥離性、ピンホールを評価したところ、良好な評価結果が得られた。
(塗液1) 固形分1.0質量%、表面張力:27mN/m、粘度5mPa・s
メチルエチルケトン 57.93質量部
トルエン 40.00質量部
樹脂溶液A 1.75質量部
(長鎖アルキル基含有アクリルポリオール、固形分40%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.05質量部
(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、TSF4446、固形分100%、モメンティブ製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
(実施例2〜4、比較例1)
塗液1の組成を表1に記載の比率になるように変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。得られた離型フィルムを評価したところ、シリコーン系離型剤が入っている実施例については剥離力も低く良好な結果が得られたが、シリコーン系離型剤を含まない比較例1では剥離力が高くなり離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離するときにピンホールなどの欠点が生じやすくなる結果となった。
(実施例5〜8)
塗液1の樹脂比率はそのままに固形分を表1記載に変更し離型層の膜厚を変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
得られた離型フィルムを評価したところ、どの水準でも剥離性が良好で、表面粗さも満足できるものであった。ただ、離型層の厚みが0.2μm以下の実施例についてはカールもなく良好な結果であったが、離型層の厚みが0.5μmの実施例8についてはカールがやや大きくなる傾向が見られた。
(実施例9)
塗液1を塗液9に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液9)
メチルエチルケトン 57.35質量部
トルエン 40.00質量部
サイマック(登録商標)US270 2.33質量部
(シリコーン基含有アクリルポリオール、東亞合成社製、固形分30%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.05質量部
(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、TSF4446、固形分100%、モメンティブ製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
(実施例10)
塗液1の樹脂溶液Aを塗液10の6AN−5000(長鎖アルキル基を含有しないアクリル樹脂)に変更した塗液10を用いる以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液10)
メチルエチルケトン 57.93質量部
トルエン 40.00質量部
6AN−5000 1.75質量部
(アクリルポリオール、大成ファインケミカル社製、固形分40%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.05質量部
(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、TSF4446、固形分100%、モメンティブ製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
(実施例11)
塗液1を塗液11に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液11)
メチルエチルケトン 58.95質量部
トルエン 40.00質量部
ヘキサメトキシメチロールメラミン 0.95質量部
(固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.05質量部
(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、TSF4446、固形分100%、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.05質量部
実施例9〜11のようにバインダー成分を変更しても良好な結果が得られた。バインダー成分に長鎖アルキル基もしくはシリコーン骨格を含む樹脂の方が同条件で加工しても表面突起がより低くなる傾向が見られた。
(実施例12)
塗液1を塗液12に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液12)
メチルエチルケトン 57.78質量部
トルエン 40.00質量部
樹脂溶液A 1.75質量部
(長鎖アルキル基含有アクリルポリオール、固形分40%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.20質量部
(ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、BYK‐310、固形分25%、ビックケミー・ジャパン社製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
(実施例13)
塗液1を塗液13に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液13)
メチルエチルケトン 57.93質量部
トルエン 40.00質量部
樹脂溶液A 1.75質量部
(長鎖アルキル基含有アクリルポリオール、固形分40%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.05質量部
(カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、X22−3710、固形分100%、信越化学社製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
(実施例14)
塗液1を塗液14に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液14)
メチルエチルケトン 57.78質量部
トルエン 40.00質量部
樹脂溶液A 1.75質量部
(長鎖アルキル基含有アクリルポリオール、固形分40%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
シリコーン系離型剤 0.20質量部
(ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、BYK‐370、固形分25%、ビックケミー・ジャパン社製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
(実施例15)
塗液1を塗液15に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(塗液15)
メチルエチルケトン 57.48質量部
トルエン 40.00質量部
樹脂溶液A 1.75質量部
(長鎖アルキル基含有アクリルポリオール、固形分40%)
架橋剤 0.25質量部
(ヘキサメトキシメチロールメラミン、固形分100%)
長鎖アルキル系離型剤 0.50質量部
(ピーロイル(登録商標)1050、固形分10%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 0.02質量部
離型剤の種類を変更した実施例12〜15では、いずれもよい評価結果を得られたが、架橋剤(本実施例ではメラミン)と反応する水酸基を含有していないものの方が同条件では剥離性がよくなる傾向が見られた。
(実施例16〜20)
実施例1の基材フィルムを表1記載の基材フィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。得られた離型フィルムを評価したところ、いずれの水準でも剥離性と離型層表面粗さは良好であった。
(実施例21〜24、比較例2、3)
実施例1の製造条件について、塗布後〜初期乾燥炉に入るまでの時間、または初期乾燥炉の温度、通過時間を表1に記載の条件に変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
(比較例4)
実施例10の製造条件を表1に記載の条件に変更した以外は、実施例10と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを作成した。
得られたフィルムを評価したところ、塗布後、初期乾燥炉に入るまでの時間を1.5秒以下にし、初期乾燥炉の通過時間を1.0秒以上3.0秒以下した実施例では離型層表面の表面粗さSaや最大突起高さPは低くピンホール評価が良好であったのに対し、前記条件外にした比較例では、離型層の凝集が見られ離型層の表面粗さSaや最大突起高さPが高くなる結果であった。
(実施例25)
積層フィルムX1の表面層A上に以下組成の塗液25を0.5μmを99%以上除去できるフィルターを通した後にリバースグラビアを用いて塗布膜厚(wet膜厚)が9μmになるように塗工後、0.5秒で初期乾燥炉に入るように調整した。初期乾燥炉にて100℃で2秒乾燥後、連続して加熱硬化工程に入れ80℃で10秒加熱した。その後、紫外線を積算光量200mJ/cmになるように照射し活性エネルギー線硬化工程通過後、8秒後にロール状に巻き取り超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
(塗液25) 固形分10.0質量%、表面張力:25mN/m、粘度9mPa・s
イソプロピルアルコール 59.50質量部
メチルエチルケトン 30.00質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 9.90質量部
(A−DPH、新中村工業社製、固形分100質量%)
ポリエーテル変性アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン 0.10質量部
(BYK−UV3500、ビックケミー・ジャパン社製、固形分100質量%)
光重合開始剤 0.50質量部
(IRGACURE(登録商標)907、BASF社製、固形分100質量%)
本発明の製造条件を用いることでバインダー成分として活性エネルギー線硬化樹脂を用いた場合でも剥離性、離型層の平滑性は良好なものになることが確認できた。
本発明のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法によれば、離型層の表面粗さの悪化を抑制し、高い平滑性を有し、かつ剥離性に優れたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法の提供が可能となるものであり、膜厚0.2〜1.0μmの超薄膜化したセラミックグリーンシートでも剥離性がよく、ピンホールなどの欠点を少なくすることができるセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法の提供が可能となった。

Claims (5)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、直接もしくは他の層を介して、少なくとも離型剤を含有する離型層が積層されたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法であって、少なくとも離型剤を含有した塗液をポリエステルフィルムに塗布する塗布工程、塗布後にフィルムを初期乾燥炉で加熱する初期乾燥工程、及び離型層を硬化する硬化工程を順に有し、前記初期乾燥工程は、塗液を塗布後1.5秒以内に初期乾燥炉に入れ、初期乾燥炉で1.0秒以上3.0秒以下の時間乾燥するものであり、前記硬化工程は、加熱硬化工程および/または活性エネルギー線硬化工程であることを特徴とするセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
  2. ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面が、粒子を実質的に含有していない表面層Aであることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
  3. ポリエステルフィルムの離型層を積層する表面の最大突起高さ(P)が50nm以下であり、かつ、算術平均粗さ(Sa)が7nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムの製造方法を採用するセラミックグリーンシートの製造方法であって、製造されたセラミックグリーンシートが0.2μm〜1.0μmの厚みを有することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  5. 請求項4に記載のセラミックグリーンシートの製造方法を採用することを特徴とするセラミックコンデンサの製造方法。
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