JP2008302309A - 塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法 - Google Patents

塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥ムラの発生を抑制しながら少なくとも自然乾燥よりも乾燥速度を早く維持できる塗布物の製造装置を提供する。
【解決手段】乾燥装置内に、整風部材によって仕切られ搬送中の基材が搬送される搬送部と、上部排気部および下部排気部が設けられ、前記乾燥装置は基材を搬入する搬入口、および搬出する搬出口を有し、前記乾燥装置の搬入口から流入した空気とともに塗布膜から蒸発した有機溶剤のガスを整風部材の複数の穴を介して上部排気部と下部排気部の搬出口側に設けられた排気口から排気手段により排気する。
【選択図】図1

Description

本発明は塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。例えば、反射防止フィルムにおいては、膜厚の相違が光透過率に敏感に反映されることから、誤差1%の以下の膜厚ムラが製品上欠陥として認識される。本発明は、このように精度の厳しい塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。
近年ウェットコーティング技術を利用して製造される光学フィルム製品には、膜厚精度として誤差1%以下を要求されるような製品が増えてきている。そのような光学フィルムの製造では、一般的に塗布液の溶媒として有機溶剤を使用することが多いが、有機溶剤は水に比べると蒸発速度が速く、塗布後の乾燥過程において精密に乾燥しないと、風紋のようなムラを生じせしめることが知られている。
従来は塗布膜の乾燥効率を上げることを目的とする技術が多く、例えば特許文献1には走行する基材の両面に熱風を当てる方法が提案されているが、この方法では熱風を塗布膜面に当てるためムラが発生し、高い膜厚精度を要求される製品では用いることができない。
一方で、精密な塗膜の形成のために乾燥効率よりも精密に乾燥することに重きをおいた技術も提案されている。例えば、特許文献2では乾燥初期に膜面の乾燥風の風速を低くすることが提案されている。
また、特許文献3では乾燥時の雰囲気溶剤濃度を飽和状態にして極力乾燥速度を抑えることで結果的に精密な乾燥を行なうことも提案されている。
しかし、これらの方法は乾燥速度を遅くすることでムラのない面状を達成しようとするものであり、生産性が落ちるという欠点が存在する。
そこで、少しでも乾燥速度を上げるために蒸発した溶剤を効率的に除去しながら乾燥する方法として、特許文献4では走行する基材を囲み基材搬送部と溶剤除去部に分割して蒸発した溶剤を溶剤除去部の横風で常に除去しながら乾燥する方法が提案されている。この方法は基材搬送部を基材近傍に狭く区切っていることが特徴である。
また、特許文献5では横風で除去するのではなく、凝縮板に蒸発した溶剤を凝縮させて除去する方法が提案されている。
また、乾燥速度を上げるために乾燥風を整流化しながら横風を直接走行する基材に当てる方法も提案されている。しかし、例えば特許文献6に記載の方法では、特に乾燥初期の塗液粘度が1.5倍まで上昇するまでは風を当てないことを前提としており、乾燥速度を飛躍的に向上させることはできない。
これらの方法は、乾燥速度を大気中に放置したいわゆる自然乾燥の乾燥速度よりも上げることができず、飛躍的な生産性の向上ができないことが問題になる。
特開2002−59074号公報 特開2003−126768号公報 特開2002−320898号公報 特開2003−93954号公報 特表2002−515585号公報 特開2005−81256号公報
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、塗布膜面上の蒸発溶剤を均一に排気すること、つまり、整風部材を通過する塗布膜面鉛直方向の蒸発溶剤の流速を均一にすることで、塗布膜面に悪影響を与えず蒸発溶剤を取り除き、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
前記乾燥装置は、少なくとも
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、
前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、
前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、
前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、
前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、
を備えることを特徴とする塗布物の製造装置である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記乾燥装置の天板が、前記基材と天板との距離が搬入口側で長く搬出口側で短くなるように、湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記第1整風部材および第2整風部材が有する複数の穴について、各穴の大きさまたは穴の密度を変えることによって、前記第1整風部材および第2整風部材の開口率を調整し、その圧力損失分布が搬入口側から搬出口側に向かって単調的に、高くなっていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された第1整風部材と前記塗布膜との間の、第1整風部材側間隙の高さL1と、
前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された第2整風部材と前記基材との間の、第2整風部材側間隙の高さL2とにおいて
L1とL2が、L1≦L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記乾燥装置の基材搬送方向の長さが、基材幅方向の長さの1.5倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥装置が、基材の搬送方向に沿って複数配置されていることを特徴とした塗布物の製造装置である。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルムである。
本発明の請求項8に係る発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥装置内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布物の製造方法において、
前記乾燥装置は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥装置の搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
次に、前記乾燥装置の搬入口へ塗布膜を搬入する搬入工程と、
次に、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、を備えた乾燥装置内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
次に、前記乾燥装置の搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
を備えることを特徴とする塗布物の製造方法である。
本発明の請求項9に係る発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成し、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
少なくとも
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、
前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、
前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、
前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、
前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、
を備えることを特徴とする塗布膜の乾燥装置である。
本発明の請求項10に係る発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥装置内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布膜の乾燥方法において、
前記乾燥装置は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥装置の搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
次に、前記乾燥装置の搬入口へ塗布膜を搬入する搬入工程と、
次に、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、を備えた乾燥装置内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
次に、前記乾燥装置の搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
を備えることを特徴とする塗布膜の乾燥方法である。
本発明の請求項1、8、9、10に記載の塗布物の製造装置および製造方法、乾燥装置および乾燥方法は以上の構成からなり、搬入口から流入した乾燥空気は直接塗布膜上を流れるため、乾燥効率を良くすることが可能である。
また、乾燥の初期の段階では塗布膜の流動性が高いので、気流の乱れや基材の幅方向の流速分布を可能な限り抑えることが重要であるが、本発明では整風部材を介して有機溶剤ガスを吸引する力は、搬入口付近では弱く、排気口のある搬出口に近くなるほど強くなる。このため、塗布膜を穏やかに乾燥することが可能である。
さらに、本発明の請求項1、8、9、10に記載の乾燥装置および乾燥方法は、下部排気口を介して基材と底板の間の空間からも有機溶剤ガスが排気されるため、塗布膜の搬送経路付近に有機溶剤ガスが溜まることを防ぐことが可能である。また、下部排気口を介した排気によりの基材より下側の空間に圧力低下が起こり、塗布膜が第1整風部材に接触することを防ぐことが可能である。
また、本発明の請求項2および3に記載の乾燥装置では、第1整風部材および第2整風部材を通して塗布膜の搬送経路付近に空気が流入するが、その流入量は搬入口側よりも搬出口側の方が多くなっていて、気流は基材搬入口から下流に進むに従って次第に速度を増す。その一方で、塗布膜は塗布直後よりも搬出口側のほうが流動し難くなっているので、気流速度を増しても乾燥ムラが発生しにくい状態になっており、一定流速より乾燥を効率よく促進することができる。
また、本発明の請求項5に記載の乾燥装置では、乾燥装置の基材搬送方向の長さが基材幅方向の長さよりも長いために、搬送方向の層流状態が得やすい。さらに、排気口を設置した搬出口付近で過度の吸引力が生じるのを防ぎ、搬出口からの空気の流入量を適度な量に保つことができる。
また、本発明の請求項6に記載の塗布物の製造装置では、請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥装置が基材の搬送方向に沿って複数配置されているため、乾燥しにくい塗布膜を均一に乾燥させることができる。
また、本発明の請求項7に記載の光学フィルムは、請求項1〜6のいずれかに記載の製造装置を用いて形成しているので、乾燥ムラのない均一な膜厚の塗布膜を有する光学フィルムとなる。
本発明の塗布膜の乾燥装置を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。図1は本発明の塗布物の製造装置の一実施形態を説明するための断面概略図で、図2は図1中のA−A´断面を示す概略図である。
帯状の基材3は図1に示すように太い矢印の方向に搬送され、塗布装置21で塗布液が塗布された後、本発明における乾燥装置23、第二乾燥装置22の順で乾燥が行われる。
塗布装置21では、ダイヘッドによるコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、グラビアコーティング等の各種塗布方法を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
塗布装置21により有機溶剤を含む塗布液が塗布され塗布膜が形成された基材3は、搬入口13から本発明における乾燥装置23に搬入され、搬送ローラー5により乾燥装置23中を搬送される。乾燥装置23は天板7、底板8、右側板および左側板9からなり、搬送中の基材3を筒状に取り囲むような構成となっている。
乾燥装置23内には平板状で複数の穴を有する整風部材4が、搬送中の基材3の両面に対向するように1枚ずつ設置されている。この2枚の整風部材に挟まれた空間は、基材3が搬送される搬送部1となっている。また、塗布膜10と対向する整風部材4と天板7とに挟まれた空間が上部排気部2で、基材3の塗布膜のない面に対向する整風部材4と底板8とに挟まれた空間が下部排気部6である。
基材3上の塗布膜10から蒸発する有機溶剤は、基材3搬送の同伴流と上部排気部2および下部排気部6から整風部材4を通して流入した気流とともに搬送方向と平行に流される。
上部排気部2および下部排気部6は、搬出口14側にそれぞれ排気口12を有し、排気口12に接続された図示せぬ排気手段により強制排気が行われる。
上部排気部2および下部排気部6では、搬入口13の開口部から基材3搬送方向と平行な気流が流れ込み排気口12から排出されるが、塗布膜から蒸発した有機溶剤のガスが整風部材4を介して上部排気部2または下部排気部6に流入し、一緒に排出される。その際、本実施形態においては、上部排気部2で搬入口13側の開口部を広くし、搬出口14側の開口部を小さくしているため、上部排気部2は搬送部1より相対的に圧力が高く、整流部材4を通して搬送部1に空気が流入する。
このため、搬送部1の気流は搬入口13から下流に進むに従って次第に速度を増す。その一方で、塗布膜10は塗布直後よりも流動し難くなっているので、気流速度を増しても表面の乱れが発生しにくい状態になっている。このため、塗布膜全体の乾燥ムラを低減させつつ、搬送方向下流側に行くに従って積極的に塗布膜面に平行気流を与えて乾燥速度を上げることができる。
本発明の塗布物の乾燥装置23に使用される整風部材4は、基材3の塗布膜10近傍の空気の流れを整風させるために入れられるものであり、塗布膜10の乾燥ムラ発生を抑える目的を有する。整風部材としては、金網、パンチングメタル等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、整風部材4の開口部分の大きさや密度を変えて整風部材4の開口率を調整することにより、整風部材4の圧力損失分布に勾配をもたせることができる。整風部材4の圧力損失分布が搬入口側から搬出口側に向かって単調的に高くなるようにしておけば、搬送部1の気流が搬入口13から下流に進むに従って次第に速度を増す効果を得ることができる。
このとき、整風部材4と基材3に形成した塗布膜10の間の間隙の高さL1と、基材3と底板10との間にある整風部材4の間の間隙の高さL2が、L1≦L2の関係になっていることが好ましい。L1≦L2の関係を満たすとき、外乱となる風は基材3と底板側の整風部材4との間に流れ込むのが主流になるため、塗布膜10面に外乱となる風が当たり難く、面性と生産性を向上することができる。
本発明の乾燥装置23では、塗布膜10の乾燥ムラが抑えられた状態で、塗布膜10が半固定化されるまで乾燥が行われる。その後、第二乾燥装置22において急速な乾燥をさせても、塗布膜10には乾燥ムラが発生しない。第二乾燥装置22は、特定の乾燥機に限定されるものではなく従来から用いられている公知の乾燥装置が使用できる。
さらに、図1には本発明の乾燥装置23と公知の第二乾燥装置22をそれぞれの装置として独立させる場合を示しているが、一つの乾燥装置の中で、前半部が本発明の乾燥装置による方式をとり、後半部が公知の乾燥装置に基づく方式をとる場合でも本発明の効果は変わらない。
本発明の塗布物の製造装置は、様々な製品に対して用いることができるが、特に有機溶剤を溶媒とする分散物の塗布に対して効果がある。その中でも近年需要が伸びている光学フィルムのようなこれまで以上にムラに対する許容余地の少ない製品に効果的である。
ここで、光学フィルムとは主に液晶やプラズマディスプレイなどの表示装置の最表面またはその内側に使用されるフィルムであり、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルムなどが挙げられる。
また前記基材3として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフイルムなどが挙げられる。また、紙および紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートしたものも挙げられる。さらに、アルミニウム、銅、錫等の金属箔等も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、塗布液としては、有機溶剤を含むものであり、基材3上に塗布膜を形成するものであれば、公知のいずれの塗布液を用いることができる。例えば、酢酸メチル,トルエン,MEKなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示す本発明の塗布物の製造装置を用いて基材に塗布を行い乾燥後、塗布膜のムラの発生を確認した。基材、塗布液および塗布条件等は下記の通りである。
基材として、幅1400mm、厚さ70μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを用いて、トルエン有機溶剤50%、アクリル系樹脂50%の塗布液を速度40m/minでダイコーティングにより塗布した。
そして、乾燥装置23の搬送方向長さを6m、幅を1800mmとし、天板7と基材3の距離を搬入口13側で60mm、搬出口14側で30mmとし、底板と基材の距離を30mmとした。
また、基材3と整風部材4との間隙は天板側および底板側ともに10mmとし、整風部材4には孔径φ0.5mm、板厚1mm、開孔率約26%の金属板を用いた。そして、上部排気部2および下部排気部6の排気流量をともに0.72m/secとした。
〔比較例1〕
上部排気口および下部排気口を介した乾燥装置内の強制排気を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で乾燥を行った。
<評価結果>
実施例1の条件にて塗布および乾燥を行った塗布膜には問題となるようなムラは確認できなかったが、比較例1の条件にて塗布および乾燥を行った塗布膜は乾燥ムラが目立ち、製品として使用不可能な状態であった。
本発明の塗布物の製造装置の一実施形態を説明するための断面概略図である。 図1のA−A´断面を示す概略図である。
符号の説明
1…搬送部
2…上部排気部
3…基材
4…整風部材
5…搬送ローラー
6…下部排気部
7…天板
8…底版
9…側版
10…塗布膜
12…排気口
13…搬入口
14…搬出口
21…塗布装置
22…第二乾燥装置
23…乾燥装置

Claims (10)

  1. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
    前記乾燥装置は、少なくとも
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
    前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、
    前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、
    前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、
    前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、
    前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、
    を備えることを特徴とする塗布物の製造装置。
  2. 前記乾燥装置の天板が、前記基材と天板との距離が搬入口側で長く搬出口側で短くなるように、湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置。
  3. 前記第1整風部材および第2整風部材が有する複数の穴について、各穴の大きさまたは穴の密度を変えることによって、前記第1整風部材および第2整風部材の開口率を調整し、その圧力損失分布が搬入口側から搬出口側に向かって単調的に、高くなっていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  4. 前記基材の塗布膜を形成した側に設置された第1整風部材と前記塗布膜との間の、第1整風部材側間隙の高さL1と、
    前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された第2整風部材と前記基材との間の、第2整風部材側間隙の高さL2とにおいて
    L1とL2が、L1≦L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  5. 前記乾燥装置の基材搬送方向の長さが、基材幅方向の長さの1.5倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥装置が、基材の搬送方向に沿って複数配置されていることを特徴とした塗布物の製造装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルム。
  8. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥装置内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布物の製造方法において、
    前記乾燥装置は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
    前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
    次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥装置の搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
    次に、前記乾燥装置の搬入口へ塗布膜を搬入する搬入工程と、
    次に、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、を備えた乾燥装置内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
    次に、前記乾燥装置の搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
    を備えることを特徴とする塗布物の製造方法。
  9. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成し、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
    少なくとも
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
    前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、
    前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、
    前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、
    前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、
    前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、
    を備えることを特徴とする塗布膜の乾燥装置。
  10. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥装置内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布膜の乾燥方法において、
    前記乾燥装置は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、
    前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
    次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥装置の搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
    次に、前記乾燥装置の搬入口へ塗布膜を搬入する搬入工程と、
    次に、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜面に対向し、かつ基材と前記天板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第1整風部材と、前記乾燥装置内で前記基材の塗布膜のない面に対向し、かつ基材と前記底板との間に設置された複数の穴を有する平板状の第2整風部材と、前記乾燥装置の天板側の搬出口近くに設けられた上部排気口と、前記乾燥装置の底板側の搬出口近くに設けられた下部排気口と、前記上部排気口および下部排気口を介して前記乾燥装置内の空気を強制的に排気する排気手段と、を備えた乾燥装置内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
    次に、前記乾燥装置の搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
    を備えることを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
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