JP2005224658A - 塗布膜の乾燥方法及び光学機能性フィルム - Google Patents

塗布膜の乾燥方法及び光学機能性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】塗布膜の膜厚ムラを抑制できる。
【解決手段】帯状の支持体33を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体33の走行路にサクションローラ100が配置される乾燥方法において、支持体33がサクションローラ100を通過するときに塗布膜中の残留溶剤濃度が10%以上である条件においては、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、支持体33がサクションローラ100にラップしているラップ時間Δt(秒)と、塗布膜中の揮発性溶剤が蒸発する乾燥速度N(g/m2 ・秒)との積(Δt×N)が1.2(g/m2 )以下になるようにする。
【選択図】 図5

Description

本発明は塗布膜の乾燥方法、及び光学機能性フィルムに係り、特に、塗布直後から、塗布膜中の残留溶剤量が塗布直後の所定%以下に乾燥するまでの支持体の走行路にローラが配置されると共に、該ローラのローラ面が凸凹又は多孔であるために支持体がラップされるローラのラップ面において支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成される塗布膜の乾燥方法、及びその乾燥方法を用いて製造した光学機能性フィルムに関する。
支持体面に揮発性溶剤(例えば有機溶剤)を溶媒とする塗布液を塗布工程で塗布して形成した塗布膜は、乾燥工程において乾燥される。かかる乾燥工程には、支持体を走行させるための搬送ローラ(フィードローラ)、例えば支持体を吸着搬送するサクションローラが配置されているのが通常である。この場合、塗布開始前にはサクションローラのローラ温度はサクションローラや乾燥装置が配設されるクリーンルームの乾球温度に等しくなっているが、塗布工程で塗布膜が塗布され未乾燥状態の支持体がサクションローラに到達すると、サクションローラから支持体への熱移動が発生する。従って、サクションローラのように、ローラ面に支持体を吸引する吸引孔が多数形成されている場合には、支持体がラップされるローラのラップ面において支持体に接触する吸引孔以外の接触部分と支持体に接触しない吸引孔の非接触部分とが形成される。この為に、支持体がサクションローラを通過する際にローラから支持体には接触部分と非接触部分において不均一な熱移動分布が発生する。このサクションローラから支持体への熱移動は、塗布膜の乾燥速度全体に与える影響は小さいが、サクションローラのようにローラ径が大きいと伝熱量は大きくなり、サクションローラ上における塗布膜面温度に分布が生じる場合がある。この結果、塗布膜面で塗布液の流動が生じて膜厚ムラが発生するという問題がある。位相差膜や反射防止膜のような光学機能性フィルムを製造する場合には、膜厚ムラが僅かでも光学機能に悪影響を与えてしまう。特に、揮発性溶剤を溶媒とした塗布液を、ウエット厚み50μm以下で薄膜塗布する場合には乾燥速度が速いために、膜厚ムラが一旦発生するとその後のレベリングでは解消しきれずに膜厚ムラがそのまま製品に残ってしまうという問題がある。
この問題の対策としては、特許文献1に開示される無接触乾燥装置を用いれば、この問題は確実に解決することができる。
また、サクションローラによる熱移動分布に起因する塗布膜の膜厚ムラ対策に関する発明として特許文献2がある。この発明によれば、塗布機の立ち上がりにおいて、サクションローラが支持体の温度に近づくまでの間において生じる伝熱ムラ起因の膜厚ムラを抑制することができる。
特公昭43−20438号公報 特開2003−107663号公報
しかしながら、特許文献1のように無接触乾燥装置を採用する場合であっても、塗布速度が速く乾燥工程の路長が長くなると、塗布膜中の残留溶剤量が所定%以上ある条件において、支持体の走行路には、接触型の搬送ローラ、例えばサクションローラを少なくとも1基配設する必要がある。従って、このサクションローラによる熱移動分布に起因する塗布膜の膜厚ムラ対策は避けて通れない問題である。
また、特許文献2の対象は写真感光材料であり、本発明のように、沸点120°C以下の有機性溶剤を溶媒の主成分とする場合のように、溶媒の蒸発速度が速い塗布液までを対象としていない。蒸発速度が速い塗布液の場合には、サクションローラと支持体の温度をどこまで近づけても、サクションローラ上で溶剤が蒸発することによってサクションローラと支持体との間に温度差が生じ、結果として膜厚ムラが発生してしまう。
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、支持体の走行路に配置されたローラのローラ面が凸凹又は多孔であるために支持体がラップされるローラのラップ面において支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成される塗布膜の乾燥方法において、塗布液の蒸発速度が速く、サクションローラ上で溶剤が蒸発してローラと支持体との間に温度差が生じてしまうような塗布液を塗布する場合であっても、塗布膜の膜厚ムラを発生させないようにできる塗布膜の乾燥方法、及びその乾燥方法を用いて製造した光学機能性フィルムを提供する。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、帯状の支持体を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体の走行路に、ローラ面が凸凹又は多孔であるために前記支持体がラップされるローラ面のラップ部分において前記支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されるローラが配置される乾燥方法において、前記支持体が前記ローラを通過するときに前記塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、前記支持体が前記ローラを通過する際に、前記支持体が前記ローラにラップしているラップ時間Δt(秒)と、前記塗布膜中の揮発性溶剤が蒸発する乾燥速度N(g/m2 ・秒)との積(Δt×N)が1.2(g/m2 )以下になるようにすることを特徴とする。
本発明において、揮発性溶剤とは、沸点が120°C以下の比較的低沸点の有機溶剤であり、これらの混合溶剤を含むものとする。通常、有機溶剤はある程度含水しており、また放置することで吸水するので、この程度の含水、概ね10体積%以下程度まで水を含む場合も含まれる。また、「揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする」とは、特定の効果を狙って小量の水或いは120°C以上の高沸点有機溶剤を添加する場合でも、実質的に溶剤の大部分、概ね90体積%以上が120°C以下の低沸点有機溶剤である場合を言い、本発明の範囲に含まれる。以下、同様である。
また、残留溶剤量とは、塗布直後の溶剤量を100%としたときに、乾燥中の塗布膜に残留している溶剤量として表される。以下同様である。
請求項1は、ローラから支持体への熱移動に起因する膜厚ムラを防止するための1方法を示したものであり、支持体がローラを通過する際に、支持体がローラにラップしているラップ時間Δt(秒)と、塗布膜中の揮発性溶剤が蒸発する乾燥速度N(g/m2 ・秒)との積(Δt×N)が1.2(g/m2 )以下になるようにすることで膜厚ムラを防止できる。
ローラ面が凸凹又は多孔であるローラを支持体が通過する際に発生する膜厚ムラは、ローラから支持体への熱移動によって発生するが、これは塗布膜開始前のローラ温度と支持体温度との違いのみに起因するものではなく、塗布膜中の溶剤が蒸発する蒸発熱により支持体の温度が低下することにより促進される。即ち、溶剤の蒸発熱により支持体温度がローラ温度よりも低くなり、この支持体温度の低下に起因するローラから支持体への熱移動が塗布膜の膜厚ムラを促進する大きな要因になる。従って、これを解決するには、支持体がローラを通過する際に、支持体がローラにラップしているラップ時間Δtを短くすると共に、塗布膜が乾燥される乾燥速度Nを小さくして支持体の温度低下を抑制するこすることが重要であり、具体的には、Δt×Nが1.2(g/m2 )以下にすることで、ローラから支持体への熱移動に起因する塗布膜の膜厚ムラを防止することができる。また、ローラ面が凸凹又は多孔であるローラには、例えばサクションローラがある。
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、帯状の支持体を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体の走行路に、ローラ面が凸凹又は多孔であるために前記支持体がラップされるローラ面のラップ部分において前記支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されるローラが配置される乾燥方法において、前記支持体が前記ローラを通過するときに前記塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、前記支持体が前記ローラを通過する際に、前記支持体と前記ローラ面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における表面張力勾配が100(mN/m2 )以下になるようにすることを特徴とする。
ローラから支持体への熱移動に起因する膜厚ムラの発生は、支持体がラップされるローラ面のラップ部分において支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されることによる不均一な熱移動によって塗布膜面に温度分布が生じ、これにより塗布膜面が流動するためであり、この流動は接触部分と非接触部分との表面張力勾配として把握することができる。そして、この表面張力勾配を100(mN/m2 )以下にすることで膜厚ムラを防止できる。尚、塗布膜中の残留溶剤量が5%以上において請求項2の発明を適用すれば一層好ましく、更には表面張力勾配は70(mN/m2 )以下であればより好ましく、50(mN/m2 )以下であれば特に好ましい。
本発明の請求項3は前記目的を達成するために、帯状の支持体を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体の走行路に、ローラ面が凸凹又は多孔であるために前記支持体がラップされるローラ面のラップ部分において前記支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されるローラが配置される乾燥方法において、前記支持体が前記ローラを通過するときに前記塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、前記支持体が前記ローラを通過する際に、前記支持体と前記ローラ面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における温度差が1°C以下になるようにすることを特徴とする。
請求項3は、請求項2で説明した塗布膜面の流動を、接触部分と非接触部分との塗布膜面における温度差として把握するようにしたものであり、温度差を1°C以下にすることで膜厚ムラを防止できる。尚、塗布膜中の残留溶剤量が5%以上において請求項3の発明を適用すれば一層好ましく、更には塗布膜面における温度差が0.7°C以下であればより好ましく、0.5°C以下であれば特に好ましい。
請求項1〜3のΔt×N、表面張力勾配、温度差は何れも、支持体がローラを通過する際の塗布膜面の乾燥をどの程度まで抑制すれば膜厚ムラを効果的に抑制できるかを示す指標であり、Δt×N、表面張力勾配、温度差の条件を全て満足することが一番好ましい。
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記ローラにラップされる支持体の塗布膜面と両側面を少なくとも遮蔽部材で覆うことを特徴とする。
請求項4によれば、ローラの冷却は、ローラが設けられるクリーンルーム内の空調温度を変えることで行うことになる。また、塗布膜面上に形成される溶剤ガス雰囲気は、塗布膜から自然蒸発した溶剤ガスが遮蔽部材内に溜まって形成される。
請求項5は請求項4において、前記遮蔽部材内を空調する空調手段を設けて、前記ローラの温度及び前記塗布膜面の雰囲気を制御できるようにしたことを特徴とする。
請求項5のように、遮蔽部材内のローラの温度及び遮蔽部材内の雰囲気を独自に制御することにより、塗布膜における膜厚ムラを精度良く防止することができる。また、請求項5によれば、塗布開始直後におけるローラ温度が定常温度状態に達するまでの時間を短くすることができ、ローラと支持体の温度差に起因する膜厚ムラ等の故障による製品ロスを減少させることができる。
請求項6は請求項2において前記塗布液に界面活性剤を添加することを特徴とする。
塗布液に界面活性剤を添加することで、表面張力の温度依存性を小さくすることができるので、表面張力勾配を低減できる。好ましい界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤がある。界面活性剤の添加量としては、塗布液に対して0.01%〜0.50%の範囲が好ましい。添加量が0.01%未満では表面張力変化の抑制効果が不十分であり、0.50%を超えると相分離などの他の故障を併発する虞があるためである。
請求項7は請求項1〜6の何れか1において、前記ローラは、前記支持体を吸着搬送するサクションローラであることを特徴とする。
本発明はサクションローラだけでなく、ローラ径が大きくローラ面に凸凹又は多孔を有する全てのローラに適用することができるが、ローラ面に多数の吸引孔を有するサクションローラにおいて特に有効だからである。この場合、支持体をサクションローラで吸着搬送する際の支持体の搬送方向のテンションは通常100〜300N(1m幅支持体において)である。
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、請求項1から7の何れか1の塗布膜の乾燥方法を用いて製造されることを特徴とする光学機能性フィルム。
以上説明したように、本発明の塗布膜の乾燥方法によれば、支持体の走行路に配置されたローラのローラ面が凸凹又は多孔であるために支持体がラップされるローラのラップ面において支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成される塗布膜の乾燥方法において、塗布液の蒸発速度が速く、サクションローラ上で溶剤が蒸発してローラと支持体との間に温度差が生じてしまうような塗布液を塗布する場合であっても、塗布膜の膜厚ムラを発生させないようにできる。
また、本発明の乾燥方法を用いて製造した光学機能性フィルムは、塗布膜の膜厚ムラがないので、光学機能に優れている。
以下、添付図面に従って、本発明に係る塗布膜の塗布方法及び及び光学機能性フィルムの好ましい実施態様について説明する。
本発明に係る塗布膜の乾燥方法を適用する塗布・乾燥ラインとして、支持体33面に揮発性溶剤を溶媒とする塗布液を塗布装置34で塗布して形成した塗布膜を初期乾燥する乾燥装置10の出口近傍に、ローラ面が多孔であるサクションローラ100が配置され、支持体33がサクションローラ100を通過するときに塗布膜中の残留溶剤量が10%以上ある例で以下に説明する。
図1は、塗布装置34、乾燥装置10及びサクションローラ100の側面図であり、図2は上面図である。また、図3には、乾燥装置10の要部断面図を示す。尚、図2では、後述する上蓋25を取り外して示している。
図1に示すように乾燥装置10は、搬送ローラ31,32に支持され、サクションローラ100により吸着搬送されている帯状可撓性の支持体33にエクストルージョン型の塗布装置34で塗布液を塗布し、形成された塗布膜36の初期の乾燥操作を行うために用いられ、7つの乾燥ゾーン11,12,13,14,15,16,17に分割される。これら各乾燥ゾーン11〜17を支持体33が順次通過することにより、塗布膜中から溶媒ガスが蒸発して支持体33上の塗布膜36が初期乾燥される。尚、図1に示した乾燥装置10では、塗布膜36の初期乾燥を行い、図7に示す乾燥機83によって製品ベースの乾燥段階まで乾燥する。尚、符号30はバックアップローラである。
図2に示すように、それぞれの乾燥ゾーン11〜17における幅方向の一端側には給気口41,42,43,44,45,46,47が設けられ、他端側には排気口18,19,20,21,22,23,24が設けられる。各給気口41〜47には、外気に連通する給気ダクト41A〜47Aが接続されると共に、給気ダクト41A〜47Aにはヒーター41B〜47Bと、給気ファン41B〜47Bが設けられる。ヒーター41B〜47Bは各給気口41〜47に給気する乾燥エア12d(図3参照)の温度を個々に調整できると共に、給気ファン41C〜47Cは各給気口41〜47に給気する乾燥エア12dの風速(風量)を個々に調整できる。また、各排気口18〜24には排気ダクト18A〜24Aが接続されると共に、排気ダクト18A〜24Aには各乾燥ゾーン11〜17からの排気量を個々に調整する排気ボックス40と、排気ボックス40で合流して合流ダクト40Bを流れる排気ガスを排気する排気ファン40Aが設けられる。また、排気ボックス40と排気ファン40Aとの間から循環ダクト50が分岐され、各給気ファン41C〜47Cの吸引側に接続される。
図3は、7分割された乾燥ゾーン11〜17のうち乾燥ゾーン12の断面図を示したものである。図3に示すように、乾燥ゾーン12は、乾燥ゾーン本体12aと整風板26とが備えられている。乾燥ゾーン本体12aは、支持体33を通す通路室12bと、蒸発した溶媒ガスを排気する排気室12cとを備えており、通路室12bと排気室12cとは整風板26によって仕切られる。給気口42には給気ダクト42Aが接続されると共に、排気口12には排気ダクト19Aが接続される。給気口42と排気口12とは、支持体33幅方向における反対側位置に形成されており、支持体33の幅方向の一方向に乾燥エア12dが流れるように構成される。整風板26の開口率、材料などは特に限定されないが、50%以下の開口率である金網やパンチングメタルなどが好ましく、開口率が20%〜40%であることがより好ましい。具体的には、300メッシュで開口率30%の金網を用いることができる。また、支持体33に形成された塗布膜36の塗布膜面36aとのクリアランスCが10mmになるように整風板26は、取り付けられている。また、支持体33裏面(塗布膜36が形成されていない面)及びサイドからの不必要な風の流れを抑制するためにシール部材である上蓋25及びサイドシール48,49を取り付けている。なお、整風板26には、開口率を調整するために金網を用いているが、金網に限らずパンチメタル等で開口率を決定することも可能である。また、塗布膜36中の有機溶媒が蒸発した溶剤ガス(通常は、気化した溶媒が高濃度に含まれている)36bは、整風板26の穴26aを通過して、塗布膜面36aに対して整風板26の反対側を通る排気室12cの乾燥エア12dにより支持体33の幅方向に均一に排気ダクト19Aから排気される。このため、塗布膜面36aに乾燥エア12dが触れることが無く、塗布膜面36aに膜厚ムラが発生することが抑制される。なお、本発明に用いられる乾燥ゾーンは、図示した形態に限定されるものではない。
また、図1に示すように乾燥ゾーン11(以下、第1乾燥ゾーンと称する)は、支持体33にエクストルージョン型の塗布装置34で塗布液を塗布した直後に設置し、新鮮な塗布室の空調風が乾燥装置10に入り込まないように設置することが重要である。
上記の如く構成された乾燥装置10によれば、搬送ローラ31,32に支持され、サクションローラ100により吸着搬送された支持体33にエクストルージョン型の塗布装置34で塗布液を塗布した後、塗布装置34の直後より設けられた乾燥装置10によって初期の乾燥操作が行なわれる。この初期乾燥では、塗布直後の塗布膜面36aは溶媒過剰の状態にあり、特に沸点が120°C以下の揮発性の有機性溶媒を実質的に主成分とした塗布液を塗布した直後の初期乾燥では溶媒の蒸発の分布(ゆらぎ)によって塗布膜36の膜面温度の分布から表面張力勾配が発生する。その結果、塗布膜面内で表面張力勾配に起因する塗布液の流動が起き乾燥の遅い部分の塗布膜が薄くなり膜厚ムラとなる。そこで、塗布してから塗布膜面の流動が停止するまでの乾燥初期の間、即ち塗布膜中の残留溶剤量が塗布直後の60%以下に乾燥されるまでは、乾燥雰囲気を一定にすることが重要であり、外部からのランダムな風の流入を阻止すると共に、塗布膜面近傍の溶媒濃度を常に一定に保ち、蒸発してくる溶媒ガスを均一に排除することが必要である。そこで、支持体33に塗布装置34で塗布液を塗布した後、塗布装置34の直後に図3に示すように塗布された支持体33を囲うことで、外気からの空気の乱入を抑え、開口率が30%の300メッシュの金網を貼り付けた乾燥装置10が設けられ、7分割されたそれぞれの乾燥ゾーン11〜17で幅方向で均一に排気できるようにすることで、塗布膜面近傍の溶媒濃度を常に一定に保つようにした。
更に、塗布膜面36aと整風板26との隙間が広いと空気の渦が発生し、この渦に起因する表面張力勾配が生じて塗布膜面36aに膜厚ムラが生じる原因となる。そこで、風の流れをコントロールするために、塗布膜面36aと整風板26との隙間Cを3mm〜30mmとすることが好ましく、より好ましくは、5mm〜15mmである。また、7分割された乾燥ゾーン11〜17にそれぞれ取り付けられた排気口18〜24からの排気速度を排気ボックス40で個々に制御することで、排気精度が向上し塗布膜面を流れる溶媒を含んだ風の流れを一様にでき、塗布膜面の膜厚ムラの発生を抑制できる。
また、各乾燥ゾーン11〜17に給気される乾燥エア12dの温度が高過ぎたり風速(風量)が速すぎて乾燥速度が早過ぎると、特に揮発性溶剤を実質的に主成分とする塗布液を使用してウエット厚みで50μm以下の薄層塗布の場合に乾燥速度ムラが発生しやすいので、乾燥エア12dの温度と風速を適切に設定することが重要である。そこで、各乾燥ゾーン11〜17へ給気する乾燥エア12dの温度を、各ヒータ41B〜47Bにより個別に制御できるようにすると共に、各乾燥ゾーン11〜17へ給気する乾燥エア12dの給排気バランスを、各給気ファン41C〜47Cと排気ボックス40とにより個別に制御して、各乾燥ゾーン11〜17内の排気室12cを流れる乾燥エア12dの風速を個別に制御できるようにした。これにより、乾燥速度ムラにより塗布膜に温度分布や残量溶剤分布が生じ難くなるので、表面張力勾配の発生を抑制することができる。
また、乾燥エア12dは、塗布膜面から溶剤を蒸発させると共に蒸発した溶剤を伴って排気ボックス44から排気エアとして合流ダクト40Bに排気される。排気された排気エアの一部が循環ダクト50を介して各給気ダクト41A〜47Aに合流し、新鮮エアと混合されて再び各乾燥ゾーン11〜17に給気される。この場合、新鮮エアと排気エアの混合比は給気ファン41C〜47Cの給気風量と排気ファン40Aの排気風量を調整することによって個別に設定することができる。このように、乾燥ゾーン11〜17から排気される排気エアの一部を乾燥エア12dとして循環使用することにより、乾燥エア12d中に溶剤が含有されるので、塗布膜面上に形成される溶剤ガス層が対流現象を引き起すのを抑制することができる。即ち、塗布膜面上の雰囲気には、塗布面温度における飽和蒸気圧に対応する濃度の溶剤ガスが含まれており、この溶剤ガスを含む溶剤ガス層はある程度の厚みをもって存在している。従って、新鮮エアのみの乾燥エア12dを乾燥ゾーン11〜17内に給気すると、瞬間的に溶剤ガスの濃い雰囲気部分と薄い雰囲気部分が生じることにより乾燥ゾーン11〜17内に対流現象が生じ、塗布膜面を乱す要因になる。また、溶剤ガスの濃い雰囲気部分と薄い雰囲気部分が生じることにより塗布膜面に乾燥速度ムラが生じ、この乾燥速度ムラにより塗布膜に温度分布や残量溶剤分布が生じてしまい表面張力勾配が発生する要因になる。しかし、乾燥ゾーン11〜17から排気される排気エアの一部を乾燥エア12dとして循環使用することにより、乾燥エア12dの組成が乾燥ゾーン11〜17内の溶剤ガス層の組成に近くなるので、溶剤ガス層が対流現象を引き起すのを抑制することができる。
特に、第1乾燥ゾーン11では、蒸発した溶剤ガスを排気しないことが最も好ましい。そこで、第1乾燥ゾーン11は、排気ボックス40と接続せずに排気口18に排気ダクト18A、給気口41に給気ダクト41Aが取り付けられているだけの構成でもよい。また、排気口18と給気口41にそれぞれダクトを取り付けずにそれぞれの口が開いたままであっても良い。しかしながら、本発明に用いられる第1乾燥ゾーン11は、乾燥装置10外の気体(主に空気)が混入しないように、乾燥風の排気口18と給気口41とを設けずに又は排気口18と給気口41とに目張りをして、無風乾燥ゾーンとすることが最も良い。また、排気する際にもその他の乾燥ゾーン12〜17の排気速度と同じ速度以下で排気することが、塗布膜面の膜厚ムラの発生を抑制するために必要である。
図4に示すように、サクションローラ100は、ローラ表面にエアを吸引する多数の吸引孔100A,100A…が形成され、この吸引孔100Aによって支持体33を吸着して搬送する。サクションローラ100の吸引孔100Aは、丸孔の場合は直径が0.5mm〜10mm程度のものが一般的であり、溝状孔の場合には溝幅が0.5mm〜10mm程度のものが一般的である。また、サクションローラ100のローラ径は、通常、200mm以上の大径なものが使用される。
上記の乾燥装置10によれば、支持体33に形成された塗布膜面36aの初期乾燥時における膜厚ムラの発生を防止することは可能である。しかし、支持体33がサクションローラ100を通過するときに塗布膜中の残留溶剤量が10%以上ある場合には、サクションローラ100から支持体33への熱移動が大きいと、乾燥装置10でせっかく抑制した膜厚ムラがサクションローラ100の通過時に発生してしまう。即ち、サクションローラ100のローラ面に形成された多数の吸引孔100Aによって、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、支持体33がラップされるローラ面のラップ部分において、支持体33に接触する部分(吸引孔100A以外の部分)と接触しない部分(吸引孔100Aの部分)とが形成される。この結果、支持体33がサクションローラ100を通過する際にサクションローラ100から支持体33には接触部分と非接触部分において不均一な熱移動分布が発生するために塗布膜面36aに表面張力勾配が発生し、塗布液の流動が生じる。これにより、塗布膜面36aに膜厚ムラが発生する。従って、膜厚ムラが僅かでも光学機能に悪影響を与える、例えば光学機能性フィルム等を製造するには、乾燥装置10での初期乾燥時の膜厚ムラ防止のみならず、支持体33がサクションローラ100を通過する際の膜厚ムラをも確実に防止することが重要になる。
そこで、本発明では、図5に示すように、サクションローラ100にラップされる支持体33の塗布膜面36aと支持体33の両側面を少なくとも遮蔽部材102で覆うようにした。
図5は、サクションローラ100全体を遮蔽部材102で覆ったものであり、遮蔽部材102はサクションローラ100の直径よりも一回り大きな直径の円筒状の遮蔽本体104と、遮蔽本体104内に連通する支持体33の入口路106と、遮蔽本体104内に連通すると共に支持体33の出口路108とが一体的に形成される。そして、入口路106から出口路108に至る支持体33がサクションローラ100に所定のラップ角度でラップされる。このように、サクションローラ100にラップされる支持体33の塗布膜面36aと支持体33の両側面を少なくとも遮蔽部材102で覆うことにより、外部からのランダムな風により塗布膜面36aが乱れるのを防止できる。また、塗布膜36から自然蒸発した溶剤ガスが塗布膜面36a上に溜まり、塗布膜面36a近傍の溶媒濃度が高まるので、遮蔽部材102内においては塗布膜中の溶剤は殆ど蒸発しない。これにより、塗布膜中の溶剤が蒸発する際の蒸発熱により支持体33の温度が低下することによるサクションローラ100から支持体33への熱移動が発生しないので、支持体33がラップされるサクションローラ100のラップ部分において支持体33に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成される場合であっても、塗布膜36の膜厚ムラを防止することができる。この場合、塗布膜面36aと遮蔽部材102の壁面との隙間Lが広いと空気の渦が発生し、この渦に起因する表面張力勾配が生じて塗布膜面36aに膜厚ムラが生じる原因となる。そこで、風の流れをコントロールするために、塗布膜面36aと遮蔽部材102の壁面との隙間Lを3mm〜30mmとすることが好ましく、より好ましくは、5mm〜15mmである。
図6は、図5の遮蔽部材102に加えてサクションローラ100を独自に空調するための手段等を備えるようにしたものである。
図6に示すように、遮蔽部材102の内部にサクションローラ100が収納されると共に、遮蔽部材102内を空調する空調手段101が設けられる。空調手段101は、主として、遮蔽部材102内から吸気したエアを再び遮蔽部材102内に循環する空調ダクト103と、空調ダクト103に設けられた循環ファン105、温度調整器107、フィルタ109で構成される。これにより、遮蔽部材102内から吸気したエアは温度調整器107で温度調整された後、フィルタ109で濾過されて遮蔽部材102内に戻される。また、空調ダクト103の吹き出し口103Aは、サクションローラ100の軸方向に長いスリット状に形成されると共にサクションローラ100の近傍まで延設される。一方、塗布膜面36aの上方近傍には、支持体33の温度を測定する温度計111が設けられ、温度調整器107は温度計111で測定された温度に基づいて制御される。温度計111としては、放射温度計又は熱画像装置を好適に使用することができる。これにより、遮蔽部材102内から吸気したエアは温度調整器107で支持体33の温度よりも冷却された空調風となった後、フィルタ109で濾過されて遮蔽部材102に戻され、サクションローラ100に吹き付けられる。この場合、空調ダクト103の吹き出し口103Aはサクションローラ100に向けずに、遮蔽部材102内全体を冷却するようにしてもよいが、支持体33の塗布膜面36aには空調風が当たらないようにすることが重要である。これは、支持体33の塗布膜面36aに空調風が当たると、空調風によって乾燥速度を促進してしまうだけでなく、塗布膜面36aが乱されるからである。また、空調ダクト103の温度調整器107と循環ファン105との間には、塗布膜36に含有される溶剤と同じ溶剤ガスを注入するガス注入管113が設けられ、ガス注入管113が乾燥装置10の排気口に接続される。これにより、塗布膜面36aから自然蒸発した溶剤が遮蔽部材102内に溜まるだけでなく、空調ダクト103から遮蔽部材102内に溶剤ガスを含む空調風が供給され、遮蔽部材102内に溶剤ガス雰囲気を積極的に高めることができるので、塗布膜からの溶剤の蒸発を一層抑制できる。
次に、上記の如く遮蔽部材102で覆われたサクションローラ100を用いて、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、塗布膜面36aに膜厚ムラを発生させないための第1の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態は、支持体33がサクションローラ100を通過するときに塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、支持体33がサクションローラ100にラップしているラップ時間Δt(秒)と、塗布膜中の揮発性溶剤が蒸発する乾燥速度N(g/m2 ・秒)との積(Δt×N)が1.2(g/m2 )以下になるようにすることで、膜厚ムラを防止するようにしたものである。尚、Δt×Nが1.0(g/m2 )以下であれば更に良く、0.7(g/m2 )以下であれば特に良い。また、塗布膜中の残留溶剤量が5%以上において第1の実施の形態を適用すれば一層良い。これは、後記する第2の実施の形態や第3の実施の形態においても同様である。
ラップ時間Δtを小さくするには、支持体33のサクションローラ100へのラップ角度を小さくすればよい。また、乾燥速度Nを小さくするには、塗布膜面を流れる風の風速を小さくし、更には遮蔽部材102内の溶剤ガス濃度を高めて塗布膜面から揮発性溶剤が蒸発しにくい雰囲気を形成すると共にサクションローラ100の温度を支持体33の温度以下にすればよい。この場合、塗布膜面を流れる風の風速が0.2m/秒以下になるようにすることが好ましい。図5のように、遮蔽部材102のみの場合には塗布膜面36aを流れる風が速くなる要因は主として支持体33の走行速度が早い場合であり、支持体33の走行速度が早い場合には、搬送速度の減速が必要になることもある。図6の場合には、支持体33の搬送速度の他に空調風の影響があるので、空調ダクト103の吹き出し口103Aを支持体33の塗布膜面反対側の空間(図6の支持体33を挟んだ下方)に配置することで、空調風が塗布膜面36aに当たらないようにすることが必要である。また、遮蔽部材102内の溶剤ガス濃度を高めるには、図5の場合のように塗布膜面36aからの溶剤の自然蒸発でも可能であるが、図6のように、乾燥装置10から排出された溶剤ガスを空調ダクト103に混入させることにより、溶剤ガス濃度を積極的に高めることが好ましい。
また、サクションローラ100の温度を支持体33と同じ温度からそれよりも僅かに低い温度にすることによって、サクションローラ100から支持体33への伝熱を抑えることができ、膜厚ムラを低減することができるので、サクションローラ100に吹き付けるエアの温度を温度調整器107で冷却し、サクションローラ100自体の温度を管理することが好ましい。このときのサクションローラ100の温度は、支持体33と同じかそれよりも1〜2°C低く設定するとよい。
尚、厚ムラを防止するために、前述の遮蔽部材102による塗布膜面風速管理、溶剤ガス濃度管理、のいずれか1つの調整でも、Δt×Nが1.0(g/m2 )以下になるのであれば、それでもよい。サクションローラ100の温度管理は、Δt×Nにそれほど効果はないが、伝熱を抑える効果があり、さらなる膜厚ムラの低減や、塗布開始など非定常な環境における膜厚ムラを防ぐことができる。このことは後記する第2の実施の形態や第3の実施の形態でも同様である。
また、ラップ時間Δt×乾燥速度Nが1.2(g/m2 )以下になったかどうかは、次のようにして確認することができる。
即ち、サクションローラ100の回転周速と、サクションローラ100にラップされている支持体33の長さからラップ時間Δt(秒)を求める。また、遮蔽部材102内の雰囲気エアをサンプリングして、接触燃焼法、水素イオン化検出法、赤外線吸収法、吸着管法の何れかで溶剤量を定量し、予め空調風に混入させた溶剤量を差し引くことで、1m2 当たりの塗布膜面から1秒間に蒸発する溶剤の溶剤量g数を計算する。そして、求めたラップ時間Δtと乾燥速度Nとの積が1.2(g/m2 )以下になっているかを確認する。
次に、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、塗布膜面36aにおける膜厚ムラを発生させないための第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、支持体33とローラ100面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における表面張力勾配が100(mN/m2 )以下になるようにすることで、膜厚ムラを防止するようにしたものである。尚、表面張力勾配が70(mN/m2 )以下であれば更に良く、50(mN/m2 )以下であれば特に良い。
即ち、サクションローラ100から支持体33への熱移動に起因する膜厚ムラの発生は、支持体33がラップされるローラ100面のラップ部分において支持体33に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されることによる不均一な熱移動によって塗布膜面に温度分布が生じ、これにより塗布膜面が流動するためであり、この流動は接触部分と非接触部分との表面張力勾配として捉えることができる。従って、接触部分と非接触部分との表面張力勾配を制御することでも、膜厚ムラを防止できる。
また、塗布膜面における表面張力勾配が100(mN/m2 )以下になったかどうかは、次のようにして確認することができる。
塗布膜36の表面張力(σ)を直接測定することは難しいので、予め塗布液における表面張力の温度依存性(σT)[mN/m・°C]を測定しておいて、別の方法により塗布膜の膜面温度分布測定し、これから塗布膜36の表面張力勾配を計算する方法を採用するとよい。
先ず、表面張力の温度依存性(σT)は、プレート法又はリング法を用い、実際に塗布に使用する塗布液の温度を変えて表面張力を測定する。揮発性溶剤として一般的な有機溶剤を使用した塗布液の場合、温度が10°C変化したときの表面張力の変化は1mN/m程度である。通常の表面張力計の精度は高々0.2mN/mであるので、表面張力の測定は、最低10°Cの温度差を置いて測定することが好ましい。また、測定時に結露を生じないように測定雰囲気を管理する必要がある。
次に、遮蔽部材102内を走行する支持体33における塗布膜36の膜面温度分布を測定する。この測定は放射温度計又は熱画像装置を用いて測定できる。熱画像装置を使用する場合、動いている支持体33の表面温度を測定するには、測定サイクルを60Hz以上にすることが好ましい。もし、測定サイクルが60Hz以上の熱画像装置がない場合には、支持体33の走行を一時的に停止して直ちに測定してもよい。そして、得られた膜面温度分布から、支持体幅方向1mm幅(0.001m幅)当たりの膜面温度差ΔTを求め、次式(1)から温度依存性の表面張力勾配を得ることができる。
[数1]
ΔT(°C)
温度依存性の表面張力勾配=────────×σT(mN/m・°C)…(1) 0.001(m)
ここで、温度依存性の表面張力勾配を小さくするには、ΔT及びσTを小さくすればよいが、σTを小さくするには塗布液に界面活性剤を添加することも有効である。好ましい界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤がある。界面活性剤の添加量としては、塗布液に対して0.01%〜0.50%の範囲が好ましい。添加量が0.01%未満では表面張力変化の抑制効果が不十分であり、0.50%を超えると相分離などの他の故障を併発する虞があるためである。尚、サクションローラ100に支持体33が接触するときの組成に近い塗布液において温度依存性を測ることが望ましいが、多くの有機溶剤系塗布液の温度依存性は、溶剤がある程度蒸発してもそれほど変わるものではなく、塗布前に測定した塗布液の温度依存性を使用することができる。
次に、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、塗布膜面における膜厚ムラを発生させないための第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態は、支持体33がサクションローラ100を通過する際に、支持体33とローラ面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における温度差が1°C以下になるようにすることで、膜厚ムラを防止するようにしたものである。尚、温度差が0.7°C以下であれば更に良く、0.5°C以下であれば特に良い。
サクションローラ100から支持体33への熱移動に起因する膜厚ムラの発生は、塗布膜面36aが流動するためであり、第2の実施の形態では、流動を接触部分と非接触部分との表面張力勾配として捉えたが、流動を接触部分と非接触部分との温度差としても捉えることができる。従って、接触部分と非接触部分との温度差を制御することでも、膜厚ムラを防止できる。
また、支持体33とサクションローラ100のローラ面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における温度差が1°C以下になったかどうかは、塗布膜面36aの温度を放射温度計又は熱画像装置で測定することにより確認することができる。
本発明で使用される支持体33としては、一般に幅0.3m〜5m、長さ45m〜10000m、厚さ5μm〜200μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフイルムなどが挙げられる。また、紙および紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートしたものも挙げられる。さらに、アルミニウム、銅、錫等の金属箔等も挙げられる。そして、これら支持体33の表面に予備的な加工層を形成させたものを用いても良い。さらに支持体33には、光学補償シート塗布液、磁性塗布液、写真感光性塗布液、表面保護、帯電防止あるいは滑性用塗布液等がその表面に塗布され、乾燥された後、所望する長さ及び幅に裁断されるものも含まれ、これらの代表例としては、光学補償シート、各種写真フイルム、磁気テープ等が挙げられる。
本発明に用いることができる塗布液(溶液)は、支持体33上に塗布膜を形成するものであれば、公知のいずれの塗布液を用いることができる。しかしながら、本発明においては、防眩層を形成する塗布液を用いることが好ましい。なお、本発明の塗布膜のウエット膜厚は、1μm〜50μmが好ましく、より好ましくは1μm〜20μmであり、最も好ましくは1μm〜10μmである。さらに、本発明はウェット膜厚が1μm未満の薄膜形成にも適用することが可能である。
塗布液の溶媒である揮発性溶剤としては、例えば有機溶剤を一般的に使用することができ、有機溶剤としてはメチルエチルケトン(MEK)、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ノルマルプロピルアルコール(n−prOH)、N−メチルピロリドン(NMP)等を使用することができる。
上記塗布液の塗布方法としては、バーコーティング、カーテンコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、スプレーコーティング及びスライドコーティングを挙げることができる。特にバーコーティング、エクストルージョンコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティングが好ましい。
本発明において同時に塗布される塗布液の塗布層の数は単層に限定されるものではなく、必要に応じて同時多層塗布方法にも適用できる。
次に、本発明の乾燥装置を用いた製造ラインとして、光学機能性フィルム例えば光学補償フィルム、防眩性フィルム、反射防止フィルム等の製造ラインのように、揮発性溶媒を含む塗布液を支持体に薄層塗布した塗布膜を乾燥する工程を有する製造ラインについて説明する。
図7は、上記した乾燥装置10及びサクションローラ100を用いて構成された防眩性反射防止フィルムの製造ラインを示す。
図7に示すように、送り出し機80から支持体33が送り出され、搬送ローラ81によって支持されながら、除塵機82により、支持体33の表面に付着した塵が取り除かれる。そして、塗布装置34により防眩層を形成する塗布液が塗布された後に、乾燥装置10により初期乾燥がなされる。その後、さらに搬送ローラ81で支持されながら、支持体33は乾燥機83、加熱機84を通り防眩層が形成される。さらに、紫外線ランプ85を支持体33の表面に形成された防眩層に照射して、所望のポリマーを形成する。ポリマーが形成された支持体33は、巻き取り機86により巻き取られる。さらに、防眩層が形成された支持体33に低屈折率層を形成することも可能である。防眩層が形成された支持体33をもう一度送り出し機80に取り付け、塗布装置と乾燥装置とにより低屈折率層用塗布液を塗布して乾燥させて低屈折率層を防眩層の上に形成し、防眩性反射防止シートを得ることができる。なお、低屈折率層は、1層でも良いし、複数層を形成させても良い。
図8は、光学補償フィルムの製造ラインを示したものであり、図7にラビング処理を行うラビング処理装置を設け、更に乾燥装置として、無風乾燥ゾーン130と乾燥風ゾーン132を備えた乾燥装置118を組み込んだものである。また、塗布機としてはワイヤーバー型の塗布装置114を使用した。
図8に示すように、送り出し機155から支持体112が送り出され、複数の搬送ローラ156、156…に支持されながら、ラビング処理装置158のラビングローラ168によりラビング処理が成される。その後、除塵機169により、支持体112の表面に付着した塵が取り除かれる。そして、塗布装置114のワイヤーバー114Aにより光学補償層を形成する塗布液が塗布された後に、乾燥装置118により初期乾燥がなされた後、本乾燥機160、加熱機162、紫外線ランプ164を通過して巻き取り機166で巻き取られる。尚、符号122、124は乾燥装置118におけるガイドローラであり、符号132、134は、乾燥風により支持体112の塗布膜を乾燥する乾燥風乾燥ゾーンである。
以下にポリマー溶液を塗布した支持体がサクションローラを通過する際の塗布膜におけるローラ写りについての実施例1と光学補償フィルムを製造したときの膜厚ムラについて説明する。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)図8の光学補償フィルムの製造ラインを使用して、ローラー写りについての試験を行った。
支持体112としては、厚さ100 μm のトリアセチルセルロース(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を使用した。そして、支持体112の表面に、長鎖アルキル変性ポバール(MP−203、クラレ(株)製)の2重量パーセント溶液をフィルム1m2 当たり25mL塗布後、60°Cで1 分間乾燥させて作られた配向膜用樹脂層を形成した支持体112を18m/分で搬送走行させながら、樹脂層表面にラビング処理を行って配向膜を形成した。ラビング処理におけるラビングローラ168の押し付け圧力は、配向膜樹脂層の1cm 2 当たり98Pa (10kgf/cm2 ) とすると共に、回転周期を5.0m/ 秒とした。
次にラビング処理して得られた配向膜が形成された支持体112は、連続して塗布装置114に搬送した。塗布液としては、ディスコティック化合部TE−8のR(1)とTE−8のR(2)の重量比で4:1 の混合物に光重合開始剤であるイルガキュア907 (日本チバガイキー(株)製)を前記混合物に対して1 %添加した混合物の30%メチルエチルケトン溶液からなる液晶性化合物を含む塗布液を使用した。支持体112を搬送速度18m/分にて走行させながら、この塗布液を配向膜状に、塗布液量が支持体1m2 あたりウェット厚みで6 μm になるようにワイヤーバー114 Aで塗布した。そして、塗布直後に、乾燥装置118を使用して乾燥を行った。
Figure 2005224658
次に、支持体112は駆動するサクションローラ100を通過する。このサクションローラ100に遮蔽部材102が取り付けられた実施例と、取り付けられていない比較例の2つの場合について実験を行った。このサクションローラ100における支持体112のラップ長さは300mm であった。また、このサクションローラ100の溝幅は1.5mm 、溝の間隔は3.5mm であった。
次に、支持体112は、100 °Cに調整された本乾燥機160、及び130 °Cに調整された加熱機162を通過させてネマティック相を形成した後、この配向膜及び液晶性化合物が塗布された支持体112を連続搬送しながら、液晶層の表面に紫外線ランプ164により紫外線を照射し、被塗布物を重合、固定した。
この光学補償シートの面状評価は、ライトテーブルを用い、クロスニコル下の対角位にて観察して行った。本評価法によると、乾燥工程で発生するサクションローラ100に起因する膜厚ムラは、サクションローラ100の溝と同じ形状のスジとして視認することができる。本実施例では、スジの強度を官能評価により、1を最良、5を最悪として5段階評価を行った。同様に、乾燥ムラに関しても官能評価を行った。乾燥ムラは、クロスニコル下の対角位において、流れ状の黒いスジとして観察される。
次にサクションローラ100に実施例で取り付けられる遮蔽装置102について説明する。本装置は、サクションローラ100をラップして走行する支持体112にクリアランス10mmでステンレス板を対向させた構造を持っている。さらにその内部には、乾燥装置118で発生した溶剤ガスを希釈して送風する機能を持ち合わせており、遮蔽効果と溶剤ガス送風機能により、サクションローラ100上での蒸発を抑えるようになっている。
サクションローラ100上での溶剤ガスの蒸発量N× t[g/m 2 ] の測定は、ロール前後に膜厚計を設置して膜厚を測定することによって行った。膜厚計は、MEK による赤外吸収ピークを定量する方式のものを用いた。また、サクションロール出口における、塗布膜の温度分布の測定は、熱画像装置による観察により行った。熱画像装置は、センサーにマイクロボロメーターを使用したタイプのものを用い、60Hzのフレーム速度で観察した。
<実験1>
支持体112がサクションローラ100を通過(接触)する際の塗布膜面中の残留溶剤量を制御するため、乾燥装置118の設定風速条件を変化させた。そして、蒸発量と温度分布と膜厚の官能評価についてその関係を調べた。サクションローラ100には遮蔽部材102は取り付けずに行った。
尚、乾燥ムラの評価としては、面状が極めて高品位な場合を1、通常のレベルの場合を3、面状に問題がある場合を5として評価した。また、残留溶剤量とは、前述したように、塗布直後の溶剤量を100%としたときに、乾燥中の塗布膜に残留している溶剤量として表される。
[表1]
乾燥風速 残留溶剤量 蒸発量 温度分布 勾配 写り 乾燥ムラ
(m/s) (%) (g/m 2 ) (°C) (mN/m2 )
試験1 0.1 53% 1.4 1.6 160 5 1
試験2 0.2 34% 1.3 1.5 145 4 2
試験3 0.4 18% 0.4 0.8 75 3 3
試験4 1.0 9% 0.1 0.2 25 1 5
このように乾燥装置118にて乾燥する速度を早くしていくと、支持体112がサクションローラ100を通過(接触)する際の残留溶剤量が低下し、サクションローラ100上において蒸発する溶剤量が低下し、さらに粘度も増加するため、ローラ写りが良化することが明らかになった。特に試験4では、乾燥がほとんど終わっているため、ローラ写りは発生しなかった。その反面、乾燥速度が速過ぎたために乾燥ムラが悪化するという問題が発生した。
<実験2>
次に、遮蔽部材102を取り付けた場合、更には溶剤ガスを送風した場合について検討した。乾燥装置118の設定風速は乾燥ムラが2と良好である0.2m/sとした。また、サクションローラ100における風速は、熱線風速計により、支持体112より高さ5mm の位置にて測定した値を表示した。表2の写りとはローラ写りでる。
[表2]
遮蔽部材 冷却 風速 溶剤ガス風速 蒸発量 温度差 勾配 写り
(m/s) (m/s) (g/m2 ) ( °C)(mN/m 2)
試験1 なし なし 0.4 0 1.3 1.5 145 4
試験2 あり なし 0.2 0 0.7 1.2 115 3
試験3 あり なし 0.2 0.2 0.3 0.7 65 2
試験4 あり 0.4 ℃ 0.2 0.2 0.3 0.3 35 1
試験5 あり なし 0.2 0.2 0.3 0.7 40 1
実験2の試験1は、遮蔽部材102がない条件である。試験2は遮蔽部材102を取り付けた場合である。支持体112に当たる風の風速抑制と、溶剤ガス雰囲気による蒸発遅れの効果により、蒸発量が低下し、結果としてローラ写りが改良されるので、膜厚ムラが低減される。試験3ではさらに蒸発を遅らせるために、乾燥装置118で発生した溶剤ガスを給気した結果、さらに乾燥ムラの抑制につながった。試験4では、サクションローラ100からの伝熱を抑えるために、サクションローラ100に冷風を当て、0.4 °Cほど低下させた。蒸発量は変わらないが、伝熱を結果として抑制でき、乾燥ムラの低減につながった。試験5では、フッ素系の界面活性剤であるメガファックF-781-F (大日本インキ化学工業製)を塗布液に対し固形分で0.1 %添加した場合である。同じ温度差が生じても、表面張力の温度依存性を半減させる効果を持つため、最終的な面状は良化した。
本発明の塗布膜の乾燥方法を実施する乾燥装置及びサクションローラの側面概略図である。 図1の乾燥装置及びサクションローラの上面図である。 図1の乾燥装置の要部断面図である。 サクションローラの説明図 サクションローラを覆う遮蔽部材を説明する説明図 サクションローラを覆う遮蔽部材に加えてサクションローラを空調する手段等を設けた場合を説明する説明図 本発明の乾燥方法を行う乾燥装置を用いた防眩性反射防止フィルムの製造ラインの構成図 本発明の乾燥方法を行う乾燥装置を用いた光学補償フィルムの製造ラインの構成図
符号の説明
10…乾燥装置、11,12,13,14,15,16,17…乾燥ゾーン、12a…乾燥ゾーン本体、12b…通路室、12c…排気室、12d…乾燥エア、19a…排気ダクト、25…上蓋、26…整風板、33…支持体、34…塗布装置、36…塗布膜、36a…塗布膜面、36b…ガス、40…排気ボックス、40A…排気ファン、41〜47…給気口、41A〜47A…給気ダクト、41B〜47B…ヒーター、41C〜47C…給気ファン、18A〜24A…排気ダクト、50…循環ダクト、100…サクションローラ、101…空調手段、102…遮蔽部材、103…空調ダクト、103A…空調ダクトの吹き出し口、104…遮蔽本体、105…循環ファン、106…入口路、107…温度調整器、108…出口路、109…フィルタ

Claims (8)

  1. 帯状の支持体を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体の走行路に、ローラ面が凸凹又は多孔であるために前記支持体がラップされるローラ面のラップ部分において前記支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されるローラが配置される乾燥方法において、
    前記支持体が前記ローラを通過するときに前記塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、
    前記支持体が前記ローラを通過する際に、前記支持体が前記ローラにラップしているラップ時間Δt(秒)と、前記塗布膜中の揮発性溶剤が蒸発する乾燥速度N(g/m2 ・秒)との積(Δt×N)が1.2(g/m2 )以下になるようにすることを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
  2. 帯状の支持体を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体の走行路に、ローラ面が凸凹又は多孔であるために前記支持体がラップされるローラ面のラップ部分において前記支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されるローラが配置される乾燥方法において、
    前記支持体が前記ローラを通過するときに前記塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、
    前記支持体が前記ローラを通過する際に、前記支持体と前記ローラ面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における表面張力勾配が100(mN/m2 )以下になるようにすることを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
  3. 帯状の支持体を連続走行させながら、該支持体面に、揮発性溶剤を実質的に溶媒の主成分とする塗布液を塗布して形成した塗布膜を乾燥すると共に、前記支持体の走行路に、ローラ面が凸凹又は多孔であるために前記支持体がラップされるローラ面のラップ部分において前記支持体に接触する接触部分と接触しない非接触部分とが形成されるローラが配置される乾燥方法において、
    前記支持体が前記ローラを通過するときに前記塗布膜中の残留溶剤量が10%以上である条件においては、
    前記支持体が前記ローラを通過する際に、前記支持体と前記ローラ面との間に形成される接触部分と非接触部分との塗布膜面における温度差が1°C以下になるようにすることを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
  4. 前記ローラにラップされる支持体の塗布膜面と両側面を少なくとも遮蔽部材で覆うことを特徴とする請求項1〜3の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  5. 前記遮蔽部材内を空調する空調手段を設けて、前記ローラの温度及び前記塗布膜面の雰囲気を制御できるようにしたことを特徴とする請求項4の塗布膜の乾燥方法。
  6. 前記塗布液に界面活性剤を添加することを特徴とする請求項2の塗布膜の乾燥方法。
  7. 前記ローラは、前記支持体を吸着搬送するサクションローラであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1の塗布膜の乾燥方法。
  8. 請求項1から7の何れか1の塗布膜の乾燥方法を用いて製造されることを特徴とする光学機能性フィルム。
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