JP2006292327A - 乾燥装置 - Google Patents

乾燥装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006292327A
JP2006292327A JP2005116889A JP2005116889A JP2006292327A JP 2006292327 A JP2006292327 A JP 2006292327A JP 2005116889 A JP2005116889 A JP 2005116889A JP 2005116889 A JP2005116889 A JP 2005116889A JP 2006292327 A JP2006292327 A JP 2006292327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
heater
drying
temperature
far
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005116889A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Suzuki
雅教 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005116889A priority Critical patent/JP2006292327A/ja
Publication of JP2006292327A publication Critical patent/JP2006292327A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】基板に塗布されたペーストから溶剤成分を蒸発させる乾燥するに際して、大版の基板の基板端部と基板中央部との温度差を小さくして、基板の面内の蒸発速度を均一に乾燥し得る乾燥装置を提供する。
【解決手段】大版の基板20に塗布された厚膜ペーストの塗布膜を乾燥する乾燥装置25であって、加熱部26とペーストが塗布された基板20を搬送する搬送部27とを備え、加熱部26は複数の遠赤外線放射体のヒータユニットにより構成された基板20の少なくとも上面と下面とに配置された上ヒータ30と下ヒータ31とを設けて、大版の基板20を構成する複数の領域に、上ヒータ30と下ヒータ31の遠赤外線放射体からの遠赤外線放射強度を個別に制御して加熱乾燥する。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板に塗布されたペーストから溶剤成分を蒸発させる乾燥装置に関し、特に大版のガラス基板などに塗布されたペーストを乾燥させるための乾燥装置に関する。
基板が大版のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)などの電子デバイスにおいては、ガラスなどの無機材料基板上に、金属材料や無機材料よりなる構成要素が所定パターンで形成されている。例えば、PDPにおいては、ガラス基板上に放電空間を形成し、放電空間を区画するための隔壁や、電極、蛍光体層などが設けられている。また、厚膜配線基板や電子デバイス用基板などにおいては、導体配線や絶縁膜、抵抗体などが設けられている。これらの構成要素は、無機材料や金属材料粒子に有機材料や有機溶媒を混合させたペーストを厚膜印刷などによって塗布膜として基板上に形成し、この塗布膜を乾燥した後にパターン形成して設けられている。
このような大版の基板に塗布された塗布膜を乾燥する乾燥装置として、炉壁により囲まれたトンネル炉内に遠赤外線を放射するヒータを塗布膜上面に対向して設け、トンネル炉内を搬送させながら乾燥させる乾燥装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−82583号公報
しかしながら、このような従来の乾燥装置では、塗布膜上面、すなわち基板上部に設けられたヒータによってトンネル炉を構成する炉壁が加熱されて、その炉壁からの輻射熱によって基板の端部が加熱される。その結果、基板の端部温度が制御できないほどに加熱されて上昇し、基板面内の温度分布が不均一になるといった課題を有していた。また、このような乾燥装置で基板を搬送させながら乾燥する場合には、基板搬送方向の上流側と下流側の基板端部でも温度が上昇し、基板面内の不均一温度分布をさらに悪化させ、特に大型基板になるほどその不均一度合いが大きくなるといった課題を有していた。
このように、基板中央部に比べて基板端部の温度が高くなると、基板周縁部の有機溶媒の蒸発が先に進行し、塗布膜の面内方向に蒸発速度差が発生するという問題が生じる。塗布膜の蒸発速度の違いは、塗布膜の面方向、および厚み方向に厚膜構成要素の拡散や対流を生じさせ、乾燥後の塗布膜に材料成分の濃度分布を生じさせる。これらの結果、乾燥後の塗布膜にパターン形成を行う際などに、面方向および厚み方向にパターン形成の不均一性が発生し、結果として構成要素の寸法精度が悪化するという課題を有している。
本発明は、大版の基板に形成された塗布膜を乾燥する際に、基板端部と基板中央部とのの温度差を緩和して、基板面内での温度分布を均一にする乾燥装置を提供することを目的としている。
上記目的を実現するために、本発明の乾燥装置は、基板上に塗布されたペーストを乾燥する乾燥装置であって、ペーストが塗布された基板を搬送する搬送手段を備え、少なくとも2つ以上のヒータユニットにより構成したヒータを搬送手段に載置された基板の少なくとも上面と下面とに配置している。
このような構成によれば、基板が大版の場合でも、それぞれのヒータユニットが制御可能な状態で基板端部と基板中央部との温度差を小さくすることができ、基板を均一に加熱乾燥することができる。
さらに、ヒータユニットは遠赤外線放射体を備え、遠赤外線放射体からの遠赤外線放射強度をヒータユニット毎に個別に制御することが望ましい。このような構成にすれば、ヒータユニットの遠赤外線放射体の放射強度を個別に制御することにより、大版の基板を構成する複数の領域毎に各々の温度上昇特性に応じて遠赤外線を放射することができ、大版の基板を均一に加熱乾燥することが可能となる。
さらに、搬送手段がローラーハース式の搬送手段であり、基板を連続搬送させてもよい。
このような構成によれば、基板の下面からの加熱が容易になり、連続搬送状態においても基板端部と基板中央部との温度差を小さくすることができる。
本発明の乾燥装置によれば、基板が大版の場合でも、それぞれのヒータユニットが制御可能な状態で基板端部と基板中央部との温度差を小さくすることができ、基板を均一に加熱乾燥することができる。
以下、本発明の乾燥装置について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、大版の基板としてPDPを取り上げ、PDP構造物をガラス基板に形成する際の乾燥装置について説明する。
まず、PDPの構成について述べる。図1は面放電型PDPの構成を示す斜視図である。PDPは前面パネル5と背面パネル10とにより構成されている。前面パネル5は、ガラス基板1の片面にストライプ状に形成された表示電極対2と、表示電極対2を覆う誘電体膜3と、誘電体膜3上に設けた保護膜4とを備えている。背面パネル10は、ガラス基板6の片面にストライプ状に形成されたデータ電極7と、データ電極7を覆う下地誘電体膜8と、下地誘電体膜8上に設けた放電空間を区画するストライプ状の隔壁9と、隔壁9間の溝に塗布された蛍光体膜11とを備えている。前面パネル5と背面パネル10とを表示電極対2とデータ電極7とが対向するように配置され、隔壁9によって形成される放電空間に放電ガス(Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガス)が充填されている。表示電極対2とデータ電極7は交差してその交差部が放電セルになる。つまり、放電セルはマトリックス状に配列され、赤色、緑色、青色の蛍光体膜11を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
これらのPDPを構成する構成物は以下のようにして製造される。一例として、前面パネル5の誘電体膜3について説明する。誘電体膜3は厚膜プロセスを用いて形成される。厚膜プロセスでは、厚膜形成用のペーストをスクリーン印刷法やダイコート法などによって基板上に塗布して塗布膜を形成する。厚膜ペーストは、誘電体膜3を構成するガラス材料などの無機材料と、エチルセルロースやアクリルなどの熱分解性のよい樹脂成分と、塗布に適した所定の粘性を与えるためのテルピネオールやカルビトールアセテートなどの有機溶媒とを分散して混合している。誘電体膜3を形成する厚膜プロセスとしては、表示電極対2が形成されたガラス基板1上に表示電極対2を覆うようにペーストを塗布する。その後、ペースト中に含まれる有機溶媒を予め除去する乾燥処理が行われる。その後、所定のパターンを形成するパターン形成処理を行い、最後に樹脂成分を焼失させ、ガラス材料などを固化させる焼成処理によって完成する。したがって、乾燥処理はその後の露光処理、現像処理などのパターンニング処理の精度を高め、さらに焼成処理の際に焼成炉の溶媒蒸気濃度が高まることを防止するなど厚膜プロセスにとっては重要な処理プロセスである。
ガラス基板に塗布された塗布膜形状は、ペーストの乾燥処理の過程における有機溶媒の蒸発速度によって影響を受ける。塗布膜形状への影響の度合いは、温度、蒸気濃度により変化する蒸気圧分布による影響が強い。そのため、乾燥処理の過程においてガラス基板の面内で大きな温度分布、および大きな蒸気濃度分布が生じると塗布膜の厚みに不均一が生じる。特にPDPのような大型画面サイズの表示装置として、その基板サイズが大型化するとその不均一性が顕著になる。したがって、乾燥処理は、ガラス基板の面内の温度分布と蒸気濃度分布を均一に保ちつつ実施されることが望まれる。
図2は、従来の乾燥装置における基板とヒータユニットの構成を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、ガラス基板上に塗布膜が形成された基板20の上面に、遠赤外線放射体のヒータユニット21を複数個マトリックス状に配置することによって構成されたヒータ22が設けられている。また、基板20の下部には乾燥装置本体の筐体の一部に相当する床板23が配置されている。ヒータユニット21は複数のヒータユニット21でブロックを構成し、それらのブロックによって基板20の区分けされた領域を個別に制御して加熱するように構成されている。実際の乾燥装置はトンネル炉型であり、これらのヒータ22、基板20などがトンネル炉内に配置され、基板20が図2の矢印Fの方向に間欠的または連続的に搬送されて、その上面に複数設けたヒータ22によって加熱され塗布膜中の有機溶媒成分を蒸発させている。
図3は、従来の乾燥装置において基板20が受ける熱の状況を模式的に示す図である。図3(a)は基板20の進行方向と直角な方向の断面である図2におけるA―A線断面図であり、図3(b)は基板20の搬送方向と平行な方向の断面である図2におけるB―B線断面図である。なお、ここでは基板20は輻射エネルギのみによって加熱されるとし、対流や熱伝導の影響は小さいとして説明する。また、図2に示すように、基板20の各領域を中央部20c、幅方向の端部20s、搬送方向の下流側の端部20fと上流側の端部20rとして示す。さらに、図4は、乾燥処理工程での基板の搬送方向と直角な方向の基板20の温度分布を示す図であり、図5は連続搬送の乾燥処理工程での搬送方向と平行な方向の基板20の温度分布を示す図である。
図3に示すように、基板20に入射する輻射エネルギをα、β、γ、δで示す。ここで、輻射エネルギαはヒータ22から直接受ける輻射エネルギであり、輻射エネルギβは乾燥装置としてトンネル炉を構成する側壁24がヒータ22によって加熱された後に、その側壁24から基板20に入射する輻射エネルギである。さらに、輻射エネルギγは、側壁24の受けた熱が床板23を加熱し、その床板23から基板20の下面に入射する輻射エネルギである。また、輻射エネルギδは、ヒータ22によって床板23が直接加熱され、床板23から基板20の下面に直接入射する輻射エネルギである。
図3(a)に示す基板20の進行方向と直角な方向の断面であるA―A線断面図においては、基板20にはヒータユニット21からの輻射エネルギαが、基板20の上面と端部20sの基板厚み領域Bとに入射する。さらに、端部20sには、側壁24からの反射エネルギとなる輻射エネルギβと、床板23からの輻射エネルギγとが入射する。
したがって、基板20の中央部20cの任意の単位面積Aに入射する輻射熱はA×αとなる。一方、基板20の端部20sに入射する輻射熱は(A×α)+(B×α)+(A×β)+(B×β)+(A×γ)となる。したがって、基板20の中央部20cよりも端部20sの温度が高くなる。その結果、図4の乾燥処理工程での進行方向と直角な方向の基板20の温度分布の破線Cに示すように、基板20の端部20sの温度が中央部20cの温度よりも高く、さらに端面に行くにしたがって高くなる。
一方、図3(b)に示す基板20の搬送方向と平行な方向の乾燥装置の断面であるB―B線断面図においては、基板20にはヒータユニット21からの輻射エネルギαが、上面と端部20fの基板厚み領域Bとに入射する。さらに、端部20fには、床板23からの反射エネルギとなる輻射エネルギδが入射する。
したがって、基板20の中央部20cの任意の単位面積Aに入射する輻射熱はA×αとなる。一方、基板20の端部20fに入射する輻射熱は(A×α)+(B×α)+(A×δ)+(B×δ)となる。したがって、基板20の中央部20cよりも端部20fの温度が高くなる。その結果、図5の乾燥処理工程での進行方向と平行な方向の基板20の温度分布の破線Dに示すように、基板20の端部20fの温度が中央部20cの温度よりも高く、さらに端面に行くにしたがって高くなる。さらに、基板20を連続搬送する場合には、基板20の搬送に伴い、トンネル炉内の昇温域では、搬送方向Fの搬送下流側の端部20fの温度が高く、搬送上流側の端部20rが低くなる。これらの結果、図5の破線Dに示すように搬送方向下流側の温度が高い温度分布となる。
したがって、図4、図5の結果から、従来の基板20の上面のみにヒータ22を設けた例では、基板20のトンネル炉の側壁24に隣接する端部20sと、搬送方向の下流部の端部20fと上流部の端部20rとが、中央部20c領域よりも基板温度が高い状態で加熱されることになる。さらに、基板20の搬送方向では、トンネル炉の昇温領域の区間では搬送方向の下流側が上流側よりも温度が高くなる。
このような、基板20の上面のみにヒータ22を設けた例では、乾燥処理工程の基板温度の上限値と下限値とを設定し、ヒータユニット21を個別に制御しても制御不可能の状態となり、許容上限温度を超える温度分布となるものであった。
このように、乾燥処理工程において、基板に温度分布が生じると、塗布膜の面方向および厚み方向に無機材料などの拡散や対流が生じ、乾燥された塗布膜に無機材料や樹脂成分の不均一性が生じる。
本発明は基板の温度分布を均一にすることを目的に、基板の上面と下面とにヒータを配置し、端部の影響を低減しようとするものである。
図6は、本発明の実施の形態における乾燥装置を示す図であり、乾燥装置を側面から見た断面図である。図6において図2、図3と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
図6に示すように、乾燥装置25は、トンネル炉を形成する加熱部26と搬送部27とを備えている。乾燥装置25は、例えば、ガラスやセラミックスなどから構成される、例えば2400mm×2000mm程度の大版の基板20に塗布された厚膜ペーストを乾燥する目的で用いられるものである。基板20は、搬送部27によって図面の左方から右方の矢印Fに連続的、あるいは間欠的搬送される。その過程において、基板20が加熱部26によって所定温度に加熱され、基板20上に形成された塗布膜を乾燥する。
加熱部26には、基板20から、例えば200mm程度の所定距離を隔て、基板20と平行となるように、基板20の上面のトンネル炉室28内に備えた遠赤外線を放射する、例えば3つの上ヒータ30a、30b、30c(以下、特に区別しないときは単に上ヒータ30という)が設けられている。また、基板20から、例えば200mm程度の所定距離を隔て、且つ、搬送部27のローラ29を隔てて基板20と平行となるように、基板20の下面のトンネル炉室28内に備えた遠赤外線を放射する、例えば3つの下ヒータ31a、31b、31c(以下、特に区別しないときは単に下ヒータ31という)が設けられている。さらに、上ヒータ30a、30b、30cの上側にはトンネル炉室28内に冷気あるいは熱気を供給するための給気ユニット40a、40b、40c(以下、特に区別しないときは単に給気ユニット40という)が設けられている。
給気ユニット40は、空気供給源(図示せず)に接続されているダクト41と、そのダクト41を介して供給される空気を必要に応じて加熱するための加熱ヒータ42と、その空気から塵埃を除去するためのフィルタ43と、体積流量を調整する流量調整弁44(例えば、ダンパー)と、基板20上の風速を均一化する流速調整板45(例えば、パンチングメタル、ハニカム材、多孔質材)とをそれぞれ備えており、トンネル炉室28内に清浄な空気を供給する。給気ユニット40の開口面積は、乾燥装置25内で乾燥される最大の基板(例えば2400mm×2000mm×2.8mm程度)よりも各辺で250mm程度以上大きな面積となるように設定されている。
給気ユニット40は、図6に示されるように上ヒータ30の背面に向かって空気を供給するように配置されている。供給された空気は、上ヒータ30を構成するマトリックス状に配置された複数の遠赤外線放射体のヒータユニット21の相互間の隙間を通って、上ヒータ30の下面に位置する基板20の中央に吹き付けられる。供給された空気は基板20の中央部から端部へ流れ、その後基板20とトンネル炉を構成する筺体との間隙、および下ヒータ31とトンネル炉を構成する筺体との間隙とを通過する。その後、下ヒータ31を構成するマトリックス状に複数の遠赤外線放射体のヒータユニット21の相互間の隙間を通って、トンネル炉室28の床板23に流れる。その後、床板23に設けられている排気口37とそれに続く排気管38を介して外部に排出される。
搬送部27は、基板20を載置し搬送するローラ29を備えたローラーハースによる搬送方式を用いている。ローラーハースは下ヒータ31からの輻射エネルギをローラ29の間隙を通して基板20に与えることができる。なお、ウォーキングビーム方式でも、基板20へ下ヒータ31から輻射エネルギを与えることができれば搬送方式として採用することは可能である。
図7は本発明の実施の形態における乾燥装置の、基板とヒータユニットとの構成を示す斜視図である。図7に示すように、基板20を挟んで上面に上ヒータ30と下面に下ヒータ31とが対面するように設置されている。上ヒータ30と下ヒータ31は遠赤外線放射体の複数個のヒータユニット21により構成されている。隣接する複数のヒータユニット21を組み合わせてブロックを構成し、これらのブロックを基板20を区画した領域に対応させ、ブロックのヒータユニット21を個別に制御して加熱するように構成されている。複数のヒータユニット21によって構成される上ヒータ30および下ヒータ31の面積は、乾燥装置25内で乾燥される最大の基板(例えば2400mm×2000mm程度)よりも大きな面積となるように設定されて取り付けられている。
また、基板20はトンネル炉室28内を矢印F方向に搬送されながら加熱されている。なお、トンネル炉室28内をゾーン35a、35b、35cの3つの領域に区画し、それぞれ昇温領域、保持領域、降温領域の各温度領域に区画しているが、ゾーン数を任意に設定することが可能である。したがって、各ゾーンにおいて上ヒータ30が各ゾーン35a、35b、35cの上部に、下ヒータ31が各ゾーンの下部に設けられている。ヒータユニット21は遠赤外線を放射して、それぞれの昇温領域、保持領域、降温領域の各温度領域に対応して、100℃〜180℃の範囲の基板温度が得られるように、搬送方向、および搬送方向に直角な方向にそれぞれ異なる温度に設定される。また、個々のヒータユニット21は支持部材(図示せず)により、10mm程度の隙間が設けられて配列されている。
図8は本発明の実施の形態における乾燥装置において、基板20が受ける熱の状況を模式的に示す図である。図8(a)は基板20の進行方向と直角な方向の断面である図7におけるE―E線断面図であり、図8(b)は基板20の搬送方向と平行な方向の断面である図7におけるG―G線断面図である。なお、基板20は輻射エネルギのみによって加熱されて対流や熱伝導の影響は小さいとして説明する。
また、図8において、基板20に入射する輻射エネルギをα、β、ζ、ηで示す。ここで、輻射エネルギαは上ヒータ30から直接受ける輻射エネルギであり、輻射エネルギβは乾燥装置25を構成する側壁24が上ヒータ30によって加熱された後に、その側壁24から基板20に入射する輻射エネルギである。さらに、輻射エネルギζは下ヒータ31から直接受ける輻射エネルギであり、輻射エネルギηは乾燥装置25を構成する側壁24が下ヒータ31によって加熱された後に、その側壁24から基板20に入射する輻射エネルギである。
図8(a)に示す基板20の進行方向と直角な方向のE―E線断面においては、基板20には、上ヒータ30のヒータユニット21からの輻射エネルギαが基板20の上面に、下ヒータ31のヒータユニット21からの輻射エネルギζが基板20の下面に入射し、さらに輻射エネルギα、ζが基板20の端部20sの基板厚み領域Bに入射する。さらに、端部20sには、側壁24を反射するエネルギとなる輻射エネルギβと輻射エネルギηとが入射する。したがって、基板20の中央部20cの任意の単位面積Aに入射する輻射熱は(A×α)+(A×ζ)となる。一方、基板20の端部20sの輻射熱は(A×α)+(B×α)+(A×ζ)+(B×ζ)となる。したがって、基板20の中央部20cで低く基板20の端部20sで高く上昇する。
一方、図8(b)に示す基板20の搬送方向と平行な方向の乾燥装置25の断面であるG―G線断面においては、基板20には、上ヒータ30のヒータユニット21からの輻射エネルギαが基板20の上面に、下ヒータ31のヒータユニット21からの輻射エネルギζが基板20の下面に入射し、さらに輻射エネルギα、ζが基板20の端部20fの基板厚み領域Bに入射する。したがって、基板20の中央部20cの任意の単位面積Aに入射する輻射熱は(A×α)+(A×ζ)となる。一方、基板20の端部20fの輻射熱は(A×α)+(B×α)+(A×ζ)+(B×ζ)となる。したがって、基板20の中央部20cで低く基板20の端部20fで高く上昇する。
ここで、本発明の実施の形態と前述のヒータが基板の上面にしかない場合との比較について説明する。基板20の搬送方向と直角な方向の端部20sと中央部20cとが受ける熱エネルギの比は、従来例では〔(A+B)×α+(A+B)×δ〕÷(A×α)であり、本発明の実施の形態では〔(A+B)×α+(A+B)×ζ〕÷(A×α+A×ζ)である。また、基板20の搬送方向と平行な方向の端部20fあるいは端部20rと中央部20cとが受ける熱エネルギの比は、従来例では〔(A+B)×α+(A+B)×δ〕÷(A×α)であり、本発明の実施の形態では〔(A+B)×α+(A+B)×ζ〕÷(A×α+A×ζ)である。したがって、いずれにおいても本発明の実施の形態では、基板20の中央部20cと端部20s、20r、20fとの比を小さくでき、結果として基板温度を同一に設定した場合に、基板の端部の温度上昇を小さくすることができる。
したがって、図4の実線Hに示すように、基板20の端部20sの温度を従来例と比較して低くすることができ、さらに中央部20cの温度が若干高くなる。
また、図5の搬送方向の温度分布でも、実線Jに示すように従来例と比較して基板20の中央部20cで温度が若干高くなり、端部20fおよび端部20rで温度上昇が軽減できている。
この結果、実線Hおよび実線Jに示す温度は、各ヒータユニット21によって制御が可能な温度範囲のTmaxとTminの温度範囲内となり、遠赤外線放射体のヒータユニット21の温度制御によって、さらに温度分布を均一に制御することが可能となる。したがって、基板20の中央部20cの領域に対応するヒータユニット21の遠赤外線放射のエネルギを高め、端部20s、20f、20rの領域に対応するヒータユニットの遠赤外線放射のエネルギを低めて、さらに温度分布を均一にすることが可能となる。
本発明の実施の形態における乾燥装置によれば、従来例における基板20の上部の片面のみにヒータを設置した場合に比べ、個々の遠赤外線放射体のヒータユニット21の設定温度を、例えば10℃〜50℃程度低くすることができる。また、基板20内の最高温度と最低温度との差ΔTnは最大5℃程度とすることが可能であり、従来例の場合の10℃の半分程度とすることができる。
以上より明らかなように、基板の上面と下面とに上ヒータと下ヒータを配置することにより、基板の大版化に伴う熱容量の増加分を上面と下面のヒータで分担し、個々のヒータユニットの設定温度を低くすることができる。このため、大版基板の周縁部での温度上昇、あるいは、大版基板の中央部での温度低下を軽減することができる。したがって、大版基板を均一に加熱することが可能となり、全領域において厚膜ペーストの均一な乾燥状態が得られる。
また、本発明は特に大型基板を多面取りする場合のように、処理する基板がさらに大版となる場合などに特に顕著な効果を発現して厚膜ペーストの均一な乾燥状態が得られる。
本発明は、基板に塗布されたペーストから溶剤成分を蒸発させる乾燥装置として、特に大版のガラス基板などに塗布されたペーストを乾燥させるための乾燥装置に有用である。
面放電型PDPの構成を示す斜視図 従来の乾燥装置における基板とヒータユニットの構成を模式的に示す斜視図 従来の乾燥装置において基板が受ける熱の状況を模式的に示す図 乾燥処理工程での基板の搬送方向と直角な方向の基板の温度分布を示す図 連続搬送の乾燥処理工程での搬送方向と平行な方向の基板の温度分布を示す図 本発明の実施の形態における乾燥装置を示す図 本発明の実施の形態における乾燥装置の基板とヒータユニットとの構成を示す斜視図 本発明の実施の形態における乾燥装置において基板が受ける熱の状況を模式的に示す図
符号の説明
1,6 ガラス基板
2 表示電極対
3 誘電体膜
4 保護膜
5 前面パネル
7 データ電極
8 下地誘電体膜
9 隔壁
10 背面パネル
11 蛍光体膜
20 基板
20c 中央部
20f,20r,20s 端部
21 ヒータユニット
22 ヒータ
23 床板
24 側壁
25 乾燥装置
26 加熱部
27 搬送部
28 トンネル炉室
29 ローラ
30,30a,30b,30c 上ヒータ
31,31a,31b,31c 下ヒータ
35a,35b,35c ゾーン
37 排気口
38 排気管
40,40a,40b,40c 給気ユニット
41 ダクト
42 加熱ヒータ
43 フィルタ
44 流量調整弁
45 流速調整板

Claims (3)

  1. 基板上に塗布されたペーストを乾燥する乾燥装置であって、
    前記ペーストが塗布された前記基板を搬送する搬送手段を備え、少なくとも2つ以上のヒータユニットにより構成したヒータを前記搬送手段に載置された前記基板の少なくとも上面と下面とに配置したことを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記ヒータユニットは遠赤外線放射体を備え、前記遠赤外線放射体からの遠赤外線放射強度を前記ヒータユニット毎に個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記搬送手段がローラーハース式の搬送手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥装置。
JP2005116889A 2005-04-14 2005-04-14 乾燥装置 Pending JP2006292327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005116889A JP2006292327A (ja) 2005-04-14 2005-04-14 乾燥装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005116889A JP2006292327A (ja) 2005-04-14 2005-04-14 乾燥装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006292327A true JP2006292327A (ja) 2006-10-26

Family

ID=37413071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005116889A Pending JP2006292327A (ja) 2005-04-14 2005-04-14 乾燥装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006292327A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228990A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Panasonic Corp 溶媒乾燥装置およびその方法
RU2493516C1 (ru) * 2012-03-15 2013-09-20 Открытое акционерное общество "Научно-производственное объединение "Прибор" Установка для сушки насыпного растительного сырья
KR101726379B1 (ko) * 2016-06-29 2017-04-13 원도희 온도 균일도 보정을 위한 상하 반사판 및 측면 반사판이 구비된 원적외선 면상히터와 이를 이용한 온도 균일도 보정방법
CN111981823A (zh) * 2020-09-02 2020-11-24 江苏梵翠环保材料有限公司 一种石膏板生产线用烘干装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0716529A (ja) * 1993-06-22 1995-01-20 Ciba Geigy Ag 厚板状に成形された片状部材のための連続乾燥機及び該連続乾燥機を含む塗装装置
JPH07225080A (ja) * 1994-02-10 1995-08-22 Hitachi Ltd 洗浄装置の加熱乾燥装置
JP2991864B2 (ja) * 1992-07-13 1999-12-20 富士通株式会社 両面非接触保持乾燥炉
JP2003279245A (ja) * 2002-03-19 2003-10-02 Seiko Epson Corp 塗布膜の乾燥方法及びその装置、デバイスの製造方法、デバイス
JP2004044985A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Noritake Co Ltd 連続乾燥装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2991864B2 (ja) * 1992-07-13 1999-12-20 富士通株式会社 両面非接触保持乾燥炉
JPH0716529A (ja) * 1993-06-22 1995-01-20 Ciba Geigy Ag 厚板状に成形された片状部材のための連続乾燥機及び該連続乾燥機を含む塗装装置
JPH07225080A (ja) * 1994-02-10 1995-08-22 Hitachi Ltd 洗浄装置の加熱乾燥装置
JP2003279245A (ja) * 2002-03-19 2003-10-02 Seiko Epson Corp 塗布膜の乾燥方法及びその装置、デバイスの製造方法、デバイス
JP2004044985A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Noritake Co Ltd 連続乾燥装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228990A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Panasonic Corp 溶媒乾燥装置およびその方法
RU2493516C1 (ru) * 2012-03-15 2013-09-20 Открытое акционерное общество "Научно-производственное объединение "Прибор" Установка для сушки насыпного растительного сырья
KR101726379B1 (ko) * 2016-06-29 2017-04-13 원도희 온도 균일도 보정을 위한 상하 반사판 및 측면 반사판이 구비된 원적외선 면상히터와 이를 이용한 온도 균일도 보정방법
CN111981823A (zh) * 2020-09-02 2020-11-24 江苏梵翠环保材料有限公司 一种石膏板生产线用烘干装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3833439B2 (ja) 大型基板用多段加熱炉、及び両面加熱式遠赤外線パネルヒーター、並びに該加熱炉内の給排気方法
US20080014543A1 (en) Heating treatment method and apparatus
JP5436429B2 (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
US7943886B2 (en) Heat treatment apparatus
JP2006292327A (ja) 乾燥装置
US20030118966A1 (en) Thermal treatment apparatus
JP4090585B2 (ja) 対象物体の加熱処理方法およびそのための装置
JP5600885B2 (ja) 有機el用乾燥装置
JP2004218956A (ja) 基板の熱処理方法及び熱処理炉
JP2006292328A (ja) 乾燥装置
KR101464207B1 (ko) 평판 디스플레이 제조 장치 및 평판 디스플레이 제조에 사용되는 아이알 히터
JP2005049021A (ja) ペースト材料の乾燥方法および乾燥装置
JP2004044985A (ja) 連続乾燥装置
JP5428811B2 (ja) 基板乾燥方法、基板乾燥装置、基板の製造方法、及びフラットパネルディスプレイ
JP2007205592A (ja) 基板の焼成装置
JP2010236779A (ja) ローラハースキルンによるワークの焼成方法
JP4120521B2 (ja) ペースト材料の乾燥装置
JP2003077398A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法およびそのための炉設備
JP2009115381A (ja) 熱処理装置、および、ディスプレイパネルの製造方法
JPH10284831A (ja) リフローはんだ付け装置の熱風吹出板
JP2008145053A (ja) 熱処理方法、その装置、および、プラズマディスプレイパネル
JP2005114284A (ja) 焼成炉
JPH10267544A (ja) 連続式熱処理炉
JPWO2004083755A1 (ja) 大型基板用多段式加熱装置
JP2003166785A (ja) 乾燥装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080304

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091028

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100706