JP6111060B2 - 初期乾燥装置および初期乾燥方法 - Google Patents

初期乾燥装置および初期乾燥方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6111060B2
JP6111060B2 JP2012268580A JP2012268580A JP6111060B2 JP 6111060 B2 JP6111060 B2 JP 6111060B2 JP 2012268580 A JP2012268580 A JP 2012268580A JP 2012268580 A JP2012268580 A JP 2012268580A JP 6111060 B2 JP6111060 B2 JP 6111060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
film
suction
discharge
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012268580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014114995A (ja
Inventor
正房 村上
正房 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP2012268580A priority Critical patent/JP6111060B2/ja
Publication of JP2014114995A publication Critical patent/JP2014114995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6111060B2 publication Critical patent/JP6111060B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、溶剤を含有する塗布液を乾燥させる初期乾燥装置および初期乾燥方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種デイスプレイには、特定の機能を付与するためのコート層をフィルムの一面に形成した積層フィルムが、ディスプレイの表面に貼り付けられているものがある。このコート層をフィルムの一面に形成する装置として、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に溶剤を含有する塗布液を塗布して塗膜を形成させ、その塗膜を乾燥および硬化させてコート層を形成する積層フィルム製造装置が知られている。なお、コート層によってフィルムに付与される機能としては、例えば、高屈折率微粒子を含有した高屈折率層に低屈折率層を積層し、低屈折率層の表面で反射する表面反射光と、高屈折率層と低屈折率層の界面で反射する界面反射光の位相を逆転させ打ち消し合うことで反射光を軽減する反射防止機能、コート層表面に微細な凹凸を形成することで外光(蛍光灯の光や太陽光等)の映り込みを抑える防眩機能、フィルムよりも高い硬度のコート層をフィルムに積層することで得られる傷付防止機能などがある。
積層フィルム製造装置には、フィルムの一面に塗布液を塗布する塗布装置が設けられているものがある。この塗布装置として、例えば、メイヤーバー等のバー塗工装置、グラビア式塗工装置、ダイコーティング装置、或いはスクリーン印刷装置などが用いられている。塗膜に含まれる溶剤は、時間の経過とともに徐徐に揮発して乾燥していく。その乾燥している途中で、風が塗布液に不規則に当たると、塗布液の乾燥速度に部分的な差異が生じてしまうことがある。また、フィルム近傍に吹く風の方向や風速にばらつきがあると、塗膜の表面にスジや模様が発生してしまうこともある。特に、フィルムの搬送速度を高速にすると、フィルムの周囲に乱流が発生して塗膜にスジや模様などが発生しやすい。塗膜にスジや模様など(いわゆる乾燥ムラ)が生じると、その乾燥ムラが生じた部分が積層フィルムの光学的な欠点になってしまう。
また、塗布装置によりフィルムに形成した直後の塗膜は、塗膜中の溶剤濃度が高いため沸騰しやすい。このため、形成直後の塗膜に熱を加えて乾燥させると、塗膜に含まれる溶剤が沸騰し、いわゆる突沸が生じてしまうことがある。突沸が生じると、コート層のうち、その突沸が生じた部分が白化してしまい光学的な欠点になるという問題がある。
この乾燥ムラ防止と突沸の発生抑制を目的として、塗布液に熱を加える本乾燥を行う前に塗布液の溶剤濃度をある程度低下させる初期乾燥を行う乾燥装置を設けている積層フィルム製造装置もある。この乾燥装置として、フィルムに塗膜を形成した直後に、フィルム幅方向の一方側からフィルム幅方向の他方側に向けて流れる乾燥風を発生させた乾燥ゾーンを有する乾燥装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この乾燥ゾーンでは、フィルム幅方向に一定の風速で吹く風を生じさせることで、意図しない風が塗布された塗布液近傍に吹くことを防止している。
特許第4147370号明細書
しかしながら、特許文献1に記載された乾燥装置を用いた積層フィルム製造装置によって形成されたコート層は、フィルムの搬送速度を速くするにつれスジや乾燥ムラが生じやすくなる問題がある。これは、乾燥装置内において、フィルムの幅方向の一方側で揮発した溶剤を含む気体が乾燥風によって他方側に流れていくため、フィルムの幅方向で圧力が異なることが原因と考えられる。特許文献1に記載された乾燥装置では、フィルムの幅方向に風を一方向に流すため、特にフィルムの幅方向の一方側においてスジや乾燥ムラが生じやすい問題があった。
本発明は上記事情に鑑み、スジや乾燥ムラのないコート層を有するフィルムを生産性よく提供することができる初期乾燥装置および初期乾燥方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の第1の初期乾燥装置は、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥装置であって、
前記塗膜が少なくとも前記フィルムの一面側に設けられ、
該塗膜に気体を吐出する複数の吐出部と、
前記塗膜側の気体を吸引する複数の吸引部とを備え、
前記吐出部と前記吸引部は、前記フィルムが搬送される搬送経路に沿って交互に配置された構成を有するものであり、
乾燥装置に近づくにつれて、吸引部から気体を排気する量が多くなることを特徴とする。
上記目的を解決する本発明の第2の初期乾燥装置は、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥装置であって、
前記塗膜が少なくとも前記フィルムの一面側に設けられ、
該塗膜に気体を吐出する複数の吐出部と、
前記塗膜側の気体を吸引する複数の吸引部とを備え、
前記吐出部と前記吸引部は、前記フィルムが搬送される搬送経路に沿って交互に配置された構成を有するものであり、
乾燥装置に近づくにつれて、吐出部に気体を供給する量が少なくなることを特徴とする。
発明の初期乾燥装置によれば、上記吐出部と上記吸引部とを搬送経路に沿って交互に配置しているので、一定の風速でフィルム長手方向に吹く風をフィルムの一面側に生じさせることができる。その結果、塗布液の乾燥速度を一定にでき、スジや乾燥ムラのないコート層を有するフィルムを生産性よく得ることができる。
また、本発明の初期乾燥装置において、前記吐出部は、該吐出部が気体を吐出する方向に貫通した複数の貫通孔を有する第1整流部材を備えたものであることが好ましい。
さらに、本発明の初期乾燥装置において、前記第1整流部材は、網状のものであることがより好ましい。
また、本発明の初期乾燥装置において、前記吸引部は、該吸引部が気体を吸引する方向に貫通した複数の貫通孔を有する第2整流部材を備えたものであることも好ましい。
さらに、本発明の初期乾燥装置において、前記第2整流部材は、貫通孔を有するものであることがより好ましい。
また、本発明の初期乾燥装置において、前記吐出部と前記吸引部が1つのチャンバーに含まれている態様であってもよい。
上記目的を解決する本発明の初期乾燥方法において、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥方法であって、
供給部から供給された気体を吐出部から前記塗膜に供給する給気工程と、
吸引部によって前記一面側の気体を吸引し、該気体を排出部から排気する排気工程とを備え、
前記給気工程および前記排気工程は前記フィルムの搬送方向に沿って交互に設けられてなる構成を有し、
前記給気工程は、前記吐出部から前記一面に対して略直交する方向に気体を吐出し、前記供給部が、該吐出部が気体を吐出する方向に沿った方向から該吐出部に気体を供給する工程であり、
前記排気工程は、前記吸引部が、前記一面側の気体を該一面に対して略直交する方向に吸引し、該気体を、前記排出部に向けて、気体を吸引する方向に沿った方向に排出する工程であり、さらに、乾燥装置に近づくにつれて、該吸引部から気体を排気する量が多くなる工程であることを特徴とする。
ここで、
長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、溶剤を含有する塗布液を乾燥させる乾燥装置において、
前記塗布液が塗布された前記フィルムの一面側に設けられ、該一面側に供給される気体を前記フィルムの幅方向と略直交する方向に吐出する複数の吐出部と、
前記塗布液が塗布された前記フィルムの一面側に設けられ、前記一面側の気体を前記フィルムの幅方向と略直交する方向に吸引する複数の吸引部とを備え、
前記吐出部と前記吸引部は、前記フィルムが搬送される搬送経路に沿って交互に配置されたものであってもよい。
この乾燥装置によれば、上記吐出部と上記吸引部とを搬送経路に沿って交互に配置しているので、一定の風速でフィルム長手方向に吹く風をフィルムの一面側に生じさせることができる。その結果、塗布液の乾燥速度を一定にでき、乾燥ムラのない、かつ均一な厚みのコート層を有するフィルムを得ることができる。
なお、前記吐出部は、前記一面に対して略直交する方向に気体を吐出するものであってもよい。
また、前記吸引部は、前記一面側の気体を前記一面に対して略直交する方向に吸引するものであってもよい。
また、前記吐出部は、該吐出部が気体を吐出する方向に貫通した複数の貫通孔を有する第1整流部材を備えたものであることが好ましい。
第1整流部材を設けることで、吐出部から吐出される気体に乱流が発生することを抑制しつつフィルムの一面側に気体を供給することができる。
また、前記第1整流部材は、網状のものであることがより好ましい。
第1整流部材を網状のものにすることで、簡単な構成で高い乱流防止効果が得られる。
また、前記吸引部は、該吸引部が気体を吸引する方向に貫通した複数の貫通孔を有する第2整流部材を備えたものであることが好ましい。
第2整流部材を設けることで、吸引部によって吸引される気体に乱流が発生することを抑制しつつフィルムの一面側の気体を吸引することができる。
また、前記第2整流部材は、網状のものであることがより好ましい。
第2整流部材を網状のものにすることで、簡単な構成で高い乱流防止効果が得られる。
また、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、溶剤を含有する塗布液を乾燥させる乾燥方法において、
前記フィルムの幅方向と直交する方向に気体を吐出して前記一面側に気体を供給する給気工程と、
前記一面側の気体を前記フィルムの幅方向と直交する方向に吸引し、該気体を排気する排気工程とを備え、
前記給気工程および前記排気工程は、該給気工程が実施される給気領域と該排気工程が実施される排気領域が前記フィルムの長手方向に沿って交互に設けられた搬送経路に沿って搬送されている前記フィルムに対して実施される工程であってもよい。
この乾燥方法によれば、塗布液の乾燥速度を一定にし、乾燥ムラの発生を防止しつつ、均一な厚みのコート層を有するフィルムを得ることができる。
本発明の乾燥装置および乾燥方法によれば、スジや乾燥ムラのないコート層を有するフィルムを生産性よく提供することができる。
本発明の一実施形態である乾燥装置が配置された積層フィルム製造装置を示す模式図である。 給気手段と排気手段とを示す分解斜視図である。 図1に示す積層フィルム製造装置による積層フィルム製造工程を示すフローチャートである。 乾燥装置の変形例を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。この実施形態の説明では、ハードコート性を有するコート層を樹脂フィルムに積層する積層フィルム製造装置において本発明の一実施形態である乾燥装置が用いられる例を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である乾燥装置が配置された積層フィルム製造装置を示す模式図である。
図1に示す積層フィルム製造装置1は、長尺の樹脂フィルムFを、搬送経路に沿ってその樹脂フィルムFの長手方向に搬送しながら樹脂フィルムF上にコート層を積層する装置である。なお、本実施形態では、樹脂フィルムFとして、フィルム厚5〜200μm、鉛筆強度がH程度のトリアセチルセルロース製のフィルムを用いている。以下、搬送経路上流側を単に上流側と称し、搬送経路下流側を単に下流側と称することがある。また、長尺の樹脂フィルムFの一部を、単に樹脂フィルムFと称することがある。
積層フィルム製造装置1は、上流側から順に、送出ロール2と、塗布装置3と、初期乾燥装置4と、加熱乾燥装置6と、光照射装置7と、巻取ロール8とを備えている。長尺の樹脂フィルムFは、上流側端に設けられた送出ロール2に巻回され、積層フィルム製造装置1にセットされる。一方、下流側端まで搬送されてきた樹脂フィルムFは、巻取ロール8で巻き取られる。この積層フィルム製造装置1において、長尺の樹脂フィルムFは所定の速度範囲内で、略一定の速度で搬送される。したがって、略一定の速度で積層フィルムを製造することができる。本実施形態では、樹脂フィルムFの搬送速度は、1m/min以上に設定されている。樹脂フィルムFの搬送速度の下限値は30m/min以上とすることが好ましく、40m/min以上とすることがより好ましく、50m/min以上とすることが特に好ましい。樹脂フィルムFの上限値は特に限定されないが、例えば、100m/minである。このように樹脂フィルムFの搬送速度を増しても乾燥ムラが生じないのは、給気手段と排気手段を交互に有する構成を有することで、初期乾燥の速度を向上させることができるからである。給気手段だけでは塗膜(コート層)の面状は好ましくなるが、塗膜に含まれる溶剤の揮発が進み難いため、初期乾燥の速度を向上させにくい問題がある。他方、排気手段だけでは、塗膜に含まれる溶剤の揮発が急速に進みやすくなるため、塗膜(コート層)の面状が荒れやすくなり、乾燥ムラが生じやすくなる問題がある。本発明においては、給気手段と排気手段を交互に有する構成を1つ以上有するものであればよい。この理由は、初期乾燥が進むにつれ塗膜に含まれる溶剤が少なくなるため、塗膜の面状がより安定したものとなるから、加熱乾燥装置に近づくにつれ給気手段と排気手段の両手段を設けずに、排気手段が連続して続く構成としても塗膜の面状が荒れた状態になりにくいためである。給気手段と排気手段を交互に有する構成を2つ以上有することも、より安定した塗膜の面状が得られやすくなるため好ましい。給気手段と排気手段は塗布直後に設けることが好ましい。
塗布装置3は、樹脂フィルムFに塗布液Wを塗布するグラビアロール31と、塗布前の塗布液Wが一定量入った液供給パン32と、2つのガイドロール33とを供えたグラビア式塗工装置である。塗布装置3によって樹脂フィルムFに塗布される塗布液Wは、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する液状の光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂である。以下、樹脂フィルムFの、塗布液Wが塗布された一面を、樹脂フィルムFの塗布面と称し、樹脂フィルムFの、塗布液Wが塗布された面とは反対側の面を樹脂フィルムFの裏面と称することがある。グラビアロール31は、そのロール表面に螺旋状の凹部が形成された円柱状のものである。このグラビアロール31は、樹脂フィルムFの搬送方向とは反対方向に一定角速度で回転している。液供給パン32は、グラビアロール31の下方に設けられている。グラビアロール31の下端部分は、液供給パン32内の塗布液Wに浸されている。ガイドロール33は、グラビアロール31の近傍であってグラビアロール31の上流側および下流側それぞれに1つづつ設けられている。樹脂フィルムFは、2つのガイドロール33によってグラビアロール31に押し付けられている。グラビアロール31は、表面の凹部によって液供給パン32から塗布液Wを掻き揚げ、搬送されている樹脂フィルムFの塗布面に塗布液Wを連続して一定量づつ塗布する。また、下流側のガイドロール33には、樹脂フィルムFが約150度巻き掛けられている。この下流側のガイドロール33によって、樹脂フィルムFの搬送方向は、略水平方向から斜め上方に向かう方向になっている。なお、塗布装置3として、メイヤーバー式等、樹脂フィルムF上に連続して塗布液Wを塗布できる他の塗布装置を用いることもできる。
加熱乾燥装置6は、塗布装置3によって樹脂フィルムF上の塗膜に直接熱風を吹きかける等して、その塗膜を加熱するものである。塗布液Wが塗布されて塗膜が形成された樹脂フィルムFが加熱乾燥装置6内を通過することで、塗膜に含まれていた溶剤の殆どが揮発する。なお、この加熱乾燥装置6は、塗膜に含まれる溶剤を揮発させることができるものであればよく、例えば、間接的に加熱する加熱装置を用いてもよい。塗膜に含有されていた溶剤が揮発することで、樹脂成分が樹脂フィルムFの塗布面に残り、樹脂フィルムFの塗布面に樹脂塗膜が形成される。また、樹脂塗膜の形成材料に微粒子を含有させることによって、樹脂塗膜の表面に微細な凹凸が形成され、防眩機能を付与することができる。なお、この加熱乾燥装置6と初期乾燥装置4の間には、樹脂フィルムFが約45度巻き掛けられたガイドロール5が設けられている。ガイドロール5によって、樹脂フィルムFの搬送方向は、斜め上方に向かう方向から略水平方向に変化している。
光照射装置7は、搬送されてくる樹脂フィルムFの上に形成された樹脂塗膜が光硬化型材料である場合に使用される。該樹脂塗膜が熱硬化型材料である場合には、光照射装置の代わりに加熱装置を使用すればよい。光照射装置7は光硬化型樹脂塗膜に光を照射し、その光硬化型樹脂塗膜を硬化させるものである。硬化した光硬化型樹脂塗膜がコート層(光硬化型樹脂層)になり、そのコート層が積層された樹脂フィルムFが積層フィルムになる。
光照射装置7は、一面が開口した箱状のチャンバー71と、紫外線ランプ72と、照射用ロール73と、樹脂フィルムFを案内するガイドロール74とを備えている。チャンバー71は、搬送されてくる樹脂フィルムFの塗布面側に配置されている。チャンバー71の開口部は、四つの縁により画定された矩形状をしている。チャンバー71は、開口部が樹脂フィルムFの搬送経路に近接するように配置されている。このため、樹脂フィルムFは、チャンバー71の開口部の近傍を通過することになる。
紫外線ランプ72は、樹脂フィルムFの上に形成された光硬化型樹脂塗膜に紫外線を主とする光を照射するものである。この紫外線ランプ72は、チャンバー71内に配置されている。また、紫外線ランプ72は、樹脂フィルムFの幅方向(図1における紙面直交方向、以下、単に「幅方向」と称することがある)に延在した一本のランプである。紫外線ランプ72の延在方向の長さは樹脂フィルムFの幅とほぼ等しい。なお、塗布液Wに含まれる光硬化型樹脂として、紫外線以外の光で硬化する樹脂を用いる場合、対応する光を照射するランプを使用すればよい。照射用ロール73は、搬送経路を挟んで紫外線ランプ72に対向し、樹脂フィルムFの裏面側に配置されている。なお、チャンバー71内に、窒素ガス等の不活性ガスを吐出する不活性ガス吐出手段を設けてもよい。不活性ガス吐出手段によって不活性ガスをチャンバー71内に充填することで、光硬化型樹脂塗膜がより硬化しやすくなる。
初期乾燥装置4は、塗布装置3の近傍から加熱乾燥装置6の近傍まで搬送経路に沿って延在している。この初期乾燥装置4は、塗膜に含まれる溶剤濃度をある程度低下させる初期乾燥を行うものである。図1においては、初期乾燥装置4は、5つの給気手段41と、5つの排気手段42とを備えている。給気手段41と排気手段42は一つずつ有するものであればよく、その数は制限されない。給気手段41と排気手段42の順番は重要な要素であり、給気手段41を設けた後に排気手段42を設けることで、乾燥ムラを発生させずに初期乾燥速度を向上させることができる。給気手段41の一つは塗布装置3の直後に設けることが好ましい。これによって、塗布直後の塗膜に含まれる溶剤の急激な揮発を抑えることができるため、安定した塗膜の面状を得ることができる。
各給気手段41は、樹脂フィルムFの塗布面側に気体を吐出する吐出部411と、4本の給気チューブ412と、吐出部411に気体を供給する供給部413とを備えている。また、各排気手段42は、塗布面(塗膜)側の気体を吸引する吸引部421と、4本の排気チューブ422と、吸引部421で吸引した気体を排出する排出部423とを備えている。各給気手段41それぞれに備えられた吐出部411は、樹脂フィルムFの塗布面側に配置されている。また、各排気手段42それぞれに備えられた吸引部421も、樹脂フィルムFの塗布面側に配置されている。この吐出部411と吸引部421は、樹脂フィルムFが搬送される搬送経路に沿って交互に配置されている構成を有する。本実施形態の吐出部411と吸引部421は、上流側から吐出部411、吸引部421の順に交互に配置されている。この順で配置することで、樹脂フィルムFの搬送方向と同じ方向に気体を供給することができる。上流側から吸引部421、吐出部411の順に交互に配置してもよく、この場合は搬送方向と逆方向に気体を供給することができる。すなわち、本願発明は樹脂フィルムFの搬送方向と同じ方向または逆方向に気体を供給する構成を有するものである。吐出部411、吸引部421の順に配置することで、乱流の発生を抑制しつつ気体の吐出と吸引とを行うことができる。また、本実施形態では、吐出部411と吸引部421とを対になるように近接して搬送方向に並べ、その対と対の間はやや間隔をあけて配置しているが、全ての吐出部411と吸引部421を搬送方向に均等の間隔で配置してもよい。吐出部411と吸引部421の間隔は短いほど乱流が発生し難くなるため、スジや乾燥ムラが少なくなり好ましい。吐出部411と吸引部421の間隔をゼロにするには、吐出部411と吸引部421のチャンバーを一つにすればよい。
吐出部411と吸引部421の搬送方向と同方向における長さはいずれも短くした方が好ましい。短くするにつれスジや乾燥ムラを減少させやすくなるが、吐出部411及び吸引部421で圧力損失が生じやすくなるため、多量の気体を供給することになり、エネルギー効率が減少しやすくなる。吐出部411と吸引部421の搬送方向と同方向における長さは、これらの観点を考慮し適宜設定することができる。
図2は、給気手段と排気手段とを示す分解斜視図である。なお、図2では5つの給気手段41のうちの1つと、5つの排気手段42のうちの1つが示されている。
図2に示すように、吐出部411は、給気カバー4111と、給気パンチング板4112と、網状の給気メッシュ部材4113とを備えている。給気カバー4111には、樹脂フィルムFの塗布面に対向する位置に長方形の吐出開口Dが設けられている。この吐出開口Dは、樹脂フィルムFから約10mm離間した位置に配置されている。また、吐出開口Dの幅は、樹脂フィルムFの幅よりもやや広く形成されている。給気パンチング板4112と給気メッシュ部材4113それぞれは、給気カバー4111の吐出開口Dを画定する縁部とほぼ同一の長方形の板状に形成されている。給気パンチング板4112と給気メッシュ部材4113は、給気パンチング板4112を給気カバー4111の内部側、給気メッシュ部材4113を給気カバー4111の外部側(樹脂フィルムF側)にして、吐出開口Dを画定する給気カバー4111の縁部に嵌め込まれている。つまり、給気カバー4111の吐出開口Dは、給気パンチング板4112と給気メッシュ部材4113によって覆われている。この給気メッシュ部材4113と、その給気メッシュ部材4113に対向している塗布面との間の空間が、給気領域Kになる。なお、図2は分解斜視図であるため給気領域Kと給気カバー4111とが離間して示されているが、実際には、給気領域Kは、給気カバー4111の吐出開口Dを含む領域である。
給気パンチング板4112は、吐出部411が気体を吐出する方向(板厚方向)に複数の貫通孔4112aが開けられた樹脂製や金属製の板である。給気パンチング板4112を設けることで、樹脂フィルムFの塗布面側に気体を吐出する際の整流効果が高まり、吐出部411から吐出される気体に乱流が発生することを抑制できる。また、給気カバー4111の吐出開口D全体からある程度均等に気体を吐出することができる。
給気メッシュ部材4113は、300メッシュのステンレス製の網状のものである。メッシュによって形成された給気メッシュ部材4113の孔は、吐出部411が気体を吐出する方向(板厚方向)に貫通している。給気メッシュ部材4113を設けることで、塗布面側に気体を吐出する際の整流効果がより高まり、吐出部411から吐出される気体に乱流が発生することを確実に抑制できる。また、吐出開口D全体からより均等に気体を吐出することができる。メッシュ部材の方がパンチング板よりも整流効果は高い。給気メッシュ部材4113のメッシュ数は、100メッシュ以上1000メッシュ以下とすることが好ましく、200メッシュ以上1000メッシュ以下とすることがより好ましく、300メッシュ以上1000メッシュ以下とすることが更に好ましい。このメッシュ数は、多い程整流効果が高まり、給気カバー4111の吐出開口D全体からより均等に気体を吐出することができる。ただし、メッシュ数が1000を超えると、メッシュ間の隙間が狭くなり過ぎて気体を吐出する際の抵抗が増大し、気体の吐出量が大きく低下するため、1000メッシュ以下とすることが好ましい。なお、メッシュ数は、1インチ(25.4mm)あたりの目の数である。
給気メッシュ部材4113は塗膜と略水平になるように設置される。供給部413から供給された気体は給気メッシュ部材4113を使用することで整流されるため、供給部413がどの位置にあったとしても塗膜に対して略垂直方向に気体が供給されることになる。したがって、供給部413の位置は任意である。
本実施形態の給気パンチング板4112と給気メッシュ部材4113それぞれは、本発明における第1整流部材の一例に相当する。これら給気パンチング板4112と給気メッシュ部材4113のうち、どちらか一方のみを使用してもよい。一方のみを使用する場合、整流効果の高い給気メッシュ部材4113を使用することが好ましい。
供給部413は、供給バッファ容器4131と、2つの供給ファン4132とを備えている。4本の給気チューブ412それぞれは、給気カバー4111と供給バッファ容器4131を繋いでいる。なお、給気チューブ412は何本であっても構わない。2つの供給ファン4132は供給バッファ容器4131に取り付けられている。これらの供給ファン4132は、供給バッファ容器4131内に気体を供給するものである。図2には、供給ファン4132によって生じる気流の方向が白抜きの矢印で示されている。供給ファン4132が動作することで、供給バッファ容器4131と給気チューブ412を経由した気体が給気カバー4111から吐出され、樹脂フィルムFの塗布面側にその気体が供給される。供給ファン4132は風量調整が可能なファンである。塗布直後または塗布装置3近傍においては、上流側に配置された吐出部411に気体を供給する供給ファン4132の風量を多くして吐出部411が吐出する気体の量を多くし、下流側に配置された吐出部411に気体を供給する供給ファン4132の風量を少なくして吐出部411が吐出する気体の量を少なくしている。他方、上流側に配置された吐出部411に気体を供給する供給ファン4132の風量を少なくして吐出部411が吐出する気体の量を少なくし、下流側に配置された吐出部411に気体を供給する供給ファン4132の風量を多くして吐出部411が吐出する気体の量を多くしている。加熱乾燥装置6近傍においては、吐出部411を設けないことも可能である。なお、風量の調整が不可能な給気ファンを用い、給気チューブ412に流量調整弁を設けることで吐出部411が吐出する気体の量を調整する構成にしてもよい。塗膜の溶剤濃度が高い上流側では、吐出部411が吐出する気体の量を多くすることで、塗膜に含まれる溶剤の揮発を抑制させ、塗膜からの揮発量を少なめにして塗膜の乾燥ムラを生じにくくさせている。下流側では吐出部411が吐出する気体の量を多くすることで溶剤の揮発量を多めにして乾燥を促進させている。全ての吐出部411で、吐出する気体の量を同一にしてもよいが、上流側ほど吐出部411が吐出する気体の量を増やすことで、よりスジや乾燥ムラの発生を抑制することができる。
本実施形態の給気手段41それぞれは、吐出部411から、樹脂フィルムFの塗布面に向かって、その塗布面に対して略直交する方向に気体を吐出している。このように気体を吐出または排気するには、第1整流部材を塗布面と略平行となるように配置すればよい。略直交する方向に気体を吐出することで、給気領域Kにおいて樹脂フィルムFの塗布面側に気体を均等に供給することができる。また、樹脂フィルムFの塗布面に対して略直交する方向に吐出することで、樹脂フィルムFの塗布面近傍に確実に気体を供給することができる。ただし、各給気手段41が吐出部411から気体を吐出する方向は、樹脂フィルムFの幅方向と略直交する方向(例えば、搬送方向と平行な方向)であればよい。この方向に気体を供給することで、樹脂フィルムFの幅方向における気体の供給量を均等の量にすることができる。供給ファン4132が動作すると、供給ファン4132の周囲には乱流が生じることがある。本実施形態では、供給バッファ容器4131、給気チューブ412を経由して、給気カバー4111から樹脂フィルムFの塗布面側に気体を供給しているので、その乱流が生じている気流が樹脂フィルムFの塗布面側に供給されることを防止できる。
図2に示すように、吸引部421は、吸引カバー4211と、網状の吸引メッシュ部材4212と、吸引パンチング板4213とを備えている。吸引カバー4211には、樹脂フィルムFの塗布面に対向する位置に長方形の吸引開口Sが設けられている。この吸引開口Sは、樹脂フィルムFから約10mm離間した位置に配置されている。また、吸引開口Sの幅は、樹脂フィルムFの幅よりもやや広く形成されている。吸引メッシュ部材4212と吸引パンチング板4213それぞれは、吸引カバー4211の吸引開口Sを画定する縁部とほぼ同一の長方形の板状に形成されている。また、吸引メッシュ部材4212と吸引パンチング板4213は、吸引パンチング板4213を吸引カバー4211の内部側、吸引メッシュ部材4212を吸引カバー4211の外部側(樹脂フィルムF側)にして、吸引開口Sを画定する縁部に嵌め込まれることで吸引カバー4211に固定されている。つまり、吸引カバー4211の吸引開口Sは、吸引パンチング板4213と吸引メッシュ部材4212によって覆われている。この吸引メッシュ部材4212と、その吸引メッシュ部材4212に対向している塗布面との間の空間が、排気領域Hになる。なお、図2は分解斜視図であるため排気領域Hと吸引カバー4211とが離間して示されているが、実際には、排気領域Hは、吸引カバー4211の吸引開口Sを含む領域である。
吸引パンチング板4213は、吸引部421が気体を吸引する方向(板厚方向)に複数の貫通孔4213aが開けられたアクリル製の板である。吸引パンチング板4213を設けることで、樹脂フィルムFの塗布面側の気体を吸引する際の整流効果が高まり、吸引部421によって吸引される気体に乱流が発生することを抑制できる。また、吸引カバー4211の吸引開口S全体でほぼ均等に気体を吸引することができる。
吸引メッシュ部材4212は、300メッシュのステンレス製の網状のものである。メッシュによって形成された吸引メッシュ部材4212の孔は、吸引部421が気体を吸引する方向(板厚方向)に貫通している。吸引メッシュ部材4212を設けることで、塗布面側の気体を吸引する際の整流効果がより高まり、吸引部421によって吸引される気体に乱流が発生することを確実に抑制できる。また、吸引開口S全体でより均等に気体を吸引することができる。吸引メッシュ部材4212のメッシュ数は、100メッシュ以上1000メッシュ以下とすることが好ましく、200メッシュ以上1000メッシュ以下とすることがより好ましく、300メッシュ以上1000メッシュ以下とすることが更に好ましい。このメッシュ数は、多い程整流効果が高まり、吸引カバー4211の吸引開口S全体でより均等に気体を吸引することができる。ただし、メッシュ数が1000を超えると、メッシュ間の隙間が狭くなり過ぎて気体を吸引する際の抵抗が増大し、気体の吸引量が大きく低下するため、1000メッシュ以下とすることが好ましい。なお、メッシュ数は、1インチ(25.4mm)あたりの目の数である。
本実施形態の吸引パンチング板4213と吸引メッシュ部材4212それぞれは、本発明における第2整流部材の一例に相当する。これら吸引メッシュ部材4212と吸引パンチング板4213のうち、どちらか一方のみを使用してもよい。一方のみを使用する場合、簡単な構成で比較的多くの孔を設けることができる吸引メッシュ部材4212を使用することが好ましい。
また、吸引メッシュ部材4212と吸引パンチング板4213の位置関係を図2に示す位置関係とは反対にしてもよい。すなわち、吸引メッシュ部材4212を吸引カバー4211の内部側、吸引パンチング板4213を吸引カバー4211の外部側(樹脂フィルムF側)にして、吸引開口Sを画定する縁部に嵌め込むことで吸引カバー4211に固定してもよい。ただし、この位置関係では、吸引パンチング板4213が外部側(樹脂フィルムF側)にあるため、図2に示す位置関係に比べて、貫通孔4213aが設けられた部分と設けられていない部分とで風速が変わりやすく、乾燥ムラが生じてしまう恐れが僅かながらに残る場合がある。
排出部423は、排出バッファ容器4231と、2つの排出ファン4232とを備えている。4本の排気チューブ422それぞれは、吸引カバー4211と排出バッファ容器4231を繋いでいる。なお、排気チューブ422は何本であっても構わない。2つの排出ファン4232は排出バッファ容器4231に取り付けられている。これらの排出ファン4232は、排出バッファ容器4231内の気体を排出バッファ容器4231外に排出するものである。図2には、排出ファン4232が気体を排出する方向が白抜きの矢印で示されている。排出ファン4232が動作することで、排出バッファ容器4231と排気チューブ422を介して、吸引カバー4211内の気圧が減圧される。これにより、樹脂フィルムFの塗布面側の気体が、吸引カバー4211内に吸引され、排気チューブ422、排出バッファ容器4231を通って排出バッファ容器4231の外部に排気される。排出ファン4232は風量調整が可能なファンである。本実施形態では、上流側に配置された吸引部421に接続された排出部423の排出ファン4232の風量を少なくして吸引部421が吸引する気体の量を少なくしている。また、下流側に配置された吸引部421に接続された排出部423の排出ファン4232の風量を多くして吸引部421が吸引する気体の量を多くしている。なお、風量の調整が不可能な排気ファンを用い、排気チューブ422に流量調整弁を設けることで吸引部421が吸引する気体の量を調整する構成にしてもよい。塗布された塗布液Wの溶剤濃度が高い上流側では、吸引部421が吸引する気体の量を少なくすることで溶剤の揮発量を少なめにして塗膜の乾燥ムラを生じにくくさせている。また、下流側では吸引する気体の量を多くすることで溶剤の揮発量を多めにして乾燥を促進させている。全ての吸引部421で、吸引する気体の量を同一にしてもよいが、上流側ほど吸引部421が吸引する気体の量を減らすことで、より乾燥ムラの発生を抑制することができる。なお、吐出部411が吐出する気体の量と、その吐出部411と隣り合う下流側に配置された吸引部421が吸引する気体の量はほぼ等しくてもよいが差を設けてもよい。
本実施形態の排気手段42それぞれは、樹脂フィルムFの塗布面近傍の気体を、樹脂フィルムFの塗布面に対して略直交する方向に吸引部421から吸引している。略直交する方向に吸引することで、排気領域Hにおいて樹脂フィルムFの塗布面側の気体を均等に吸引することができる。また、樹脂フィルムFの塗布面に対して略直交する方向に吸引すれば、樹脂フィルムFの塗布面近傍の気体を確実に吸引することができる。排出ファン4232が動作すると、排出ファン4232の周囲には乱流が生じることがある。本実施形態では、排出バッファ容器4231と排気チューブ422を介して、吸引カバー4211内の気圧を減圧しているので、その乱流が樹脂フィルムFの塗布面側の気体の流れに影響を及ぼしてしまうことを防止できる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図3は、図1に示す積層フィルム製造装置による積層フィルム製造工程を示すフローチャートである。図3のフローチャートには、積層フィルム製造装置1の運転中における樹脂フィルムFのうち幅方向に沿った特定ライン上に着目した工程が示されている。
積層フィルム製造装置1を起動すると、所定の初期動作後に、樹脂フィルムFの特定ラインが、送出ロール2から送り出される送出工程が行われる(ステップS1)。樹脂フィルムFの特定ラインがグラビアロール31に巻き掛けられる位置まで搬送されると、塗布装置3によって樹脂フィルムFの特定ラインに塗布液Wが塗布される塗布工程が実施される(ステップS2)。
塗布液Wが塗布された樹脂フィルムFの特定ラインは、塗布された直後に初期乾燥装置4の最も上流側の給気領域Kに搬送される。この給気領域Kでは、5つの吐出部411のうち最も上流側に配置された吐出部411から樹脂フィルムFの塗布面側に気体が供給される給気工程が実施される(ステップS3)。
次に、樹脂フィルムFの特定ラインは、初期乾燥装置4の最も上流側にある排気領域Hに搬送される。この排気領域Hでは、5つの吸引部421のうち最も上流側に配置された吸引部421によって樹脂フィルムFの塗布面側の気体が吸引され、その気体が塗布面から離れた位置に排気される排気工程が実施される(ステップS4)。先の給気工程における給気と、この排気工程による排気によって、給気領域Kおよび排気領域Hと、その間の空間には搬送方向に沿った気流が生じる。給気工程によって供給される気体は幅方向で均一な量であり、排気工程で吸引される気体も幅方向で均一な量であるため、その気流は幅方向において均一の気体が流れる気流になる。その結果、樹脂フィルムFの塗布面の近傍には樹枝フィルムFの長手方向に向かって一定の風速で吹く風のみが生じ、樹脂フィルムFの幅方向において塗布液Wを均等に乾燥させることができる。
引き続き、給気工程(ステップS5、S7、S9、S11)と排気工程(ステップS6、S8、S10、S12)が交互に繰り返されることで、塗布された塗布液Wの溶剤が揮発し、その塗膜中の溶剤濃度が低下する。本実施形態では、下流側に向かうに従って、排気工程で吸引される気体の量を増加させているので、塗膜に含まれる溶剤を搬送方向下流側に向かって段階的に促すようにして乾燥を促進している。このようにすることで、搬送速度が増しても乾燥ムラが生じることが少なくなる。なお、上流側から下流側に移動するに伴い、給気工程で吐出される気体の量は増加させてもよいし、減少させてもよい。上流側では排気量に比べて給気量を増すことが好ましく、下流側では給気量に比べて排気量を増すことが好ましい。上流側から下流側に移動するに伴い、給気量を漸減させるとともに、排気量を漸増させることも好ましい。複数の給気工程と排気工程を経て初期乾燥が完了した塗膜は、溶剤濃度がある程度低下して粘度が高まる。
その後、樹脂フィルムFの特定ラインは、加熱乾燥装置6に搬送され、加熱乾燥工程が行われる(ステップS13)。この加熱乾燥工程では、樹脂フィルムFの特定ラインに塗布されている塗布液Wが加熱乾燥装置6によって加熱される。塗布された塗布液W中の溶剤濃度は複数の給気行程と排気行程によってある程度低下しているので、この加熱乾燥装置6によってその塗布液Wを加熱しても突沸が生じることはない。加熱乾燥装置6によって加熱されることで、樹脂フィルムFの特定ライン上の塗布液W中の溶剤はほぼ全て揮発し、樹脂フィルムFの特定ライン上に光硬化型樹脂塗膜が形成される。
次いで、樹脂フィルムFの特定ラインは、光照射装置7まで搬送され、光照射工程が行われる(ステップS14)。この光照射工程は、樹脂フィルムF状に形成された光硬化型樹脂塗膜に紫外線ランプ72から紫外線を照射することで、その光硬化型樹脂塗膜を硬化させる工程である。なお、この光照射工程において、図示しない不活性ガス供給管から光硬化型樹脂塗膜の近傍に不活性ガスを吹きつけ酸素濃度を下げることで、光硬化型樹脂塗膜を効率的に硬化させることができる。光照射工程によって光硬化型樹脂塗膜が硬化することで樹脂フィルムFの表面にコート層が形成される。
最後に、表面にコート層が形成された樹脂フィルムFの特定ラインが巻取ロール8まで搬送され、巻取ロール8に巻き取られる巻取工程が行われる(ステップS15)。
続いて、本実施形態の変形例について説明する。以下の説明では、これまで説明した初期乾燥装置4との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略することがある。また、これまで説明した構成要素と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明することがある。なお、送出ロール2と、塗布装置3と、加熱乾燥装置6と、光照射装置7と、巻取ロール8は、先に説明した実施形態の積層フィルム製造装置1と同一であるため説明は省略する。
図4は、乾燥装置の変形例を示す模式図である。
この図4に示した変形例では、吐出部と吸引部の構成が図1に示した初期乾燥装置4とは異なる。この変形例では、給気カバーおよび吸引カバーとが一体に成形された5つの給排気カバー45が設けられている。これらの給排気カバー45は、樹脂フィルムFの搬送経路と平行に配置された天板45aと四方を囲む側板45bとを有し、樹脂フィルムFの搬送経路側の一面が開口した箱状のものである。
各給排気カバー45の内部には、給排気カバー45内部の空間を区切る仕切板451が設けられている。各給排気カバー45のうち、この仕切板451よりも上流側部分が吐出部に相当し、仕切板451よりも下流側部分が吸引部に相当する。仕切板451は、給排気カバー45の搬送方向中央部に配置され、天板45aから樹脂フィルムFの搬送経路側に向かって突出している。
最も上流側に配置された給排気カバー45に設けられた仕切板451は、他の給排気カバー45に設けられた仕切板451よりも突出高さが低い。また、下流側に配置された給排気カバー45に設けられた仕切板451は、突出高さが上流側のものよりも高い。突出高さが低い仕切板451が設けられた上流側の給排気カバー45では、供給部413から給排気カバー45に供給された気体の一部が給排気カバー45内部から外部に出ないまま吸引部側に流れて吸引される。これにより、吐出部から給排気カバー45外部に吐出されて樹脂フィルムF近傍に到達する気体の量が少なくなる。また、吸引部で吸引される樹脂フィルムF近傍の気体の量も少なくなる。このため、樹脂フィルムFに塗布された塗布液W中の溶剤の揮発量を抑制した状態で初期乾燥をすることができるため、乾燥ムラを生じさせにくくすることができる。一方、最も下流側の給排気カバー45では、仕切板451が給排気カバー45の開口を画定する側板45b端縁まで突出している。このため、供給部413から給排気カバー45に供給された全ての気体が給排気カバー45外部に吐出される。また、吸引部では樹脂フィルムF近傍の気体を多く吸引する。つまり、樹脂フィルムF近傍の気体の給排気量が多くなるため、溶剤の揮発量を多くすることができる。上記においては、仕切板451として貫通孔を有しない板状物を使用することを前提に記載しているが、仕切板451としてパンチング板のような貫通孔を有するものや、メッシュのような網状体を使用してもよい。
この変形例では、上流側から下流側に向かうに従って、突出高さの高い仕切板451を給排気カバー45に配置しているので、風量調整可能な供給ファン4132、排出ファン4232、及び流量調整弁を用いることなく、下流側に向かって段階的に溶剤の揮発量を増やすことができる。こうすることで、安価に、樹脂フィルムF近傍に生じさせる風の流量を調整することができる。
続いて、本実施形態で好ましく使用される材料について説明する。
樹脂フィルムFとしては、透光性と可撓性を有し連続生産に適した、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。なお、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶表示装置(LCD)に用いる積層フィルムを製造する場合は、PETフィルム、TACフィルムおよび含ノルボルネン樹脂フィルムから選ばれる1種を使用することがより好ましい。
これら樹脂フィルムの透明性は高いものほど良好であるが、光学用途では、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。
樹脂フィルムの表面に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理などのトリートメント処理、界面活性剤、シランカップリング剤などのプライマーコーティング、Si蒸着などの薄膜ドライコーティングなどを施すことで、樹脂フィルムとコート層との密着性を向上させ、該コート層の物理的強度、耐薬品性を向上させることができる。また、樹脂フィルムのコート層側に他の層を設けた樹脂フィルムを使用してもよい。その場合も、上記同様の方法で、各層界面の密着性を向上させ、当該コート層の物理的強度、耐薬品性を向上させることができる。
塗布液Wに含有される樹脂成分としては、特に限定されないが、紫外線照射による硬化処理にて、簡易な加工操作にて効率よく硬化することができる電離放射線硬化型樹脂が好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーを単独で、または適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。ポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等を挙げることができる。これらは単独、もしくは複数混合して使用することができる。
塗布液Wに増粘剤を添加していても構わない。また、塗布液Wに高沸点溶媒を添加しても構わないが、乾燥時間が増大することから、高沸点溶媒も含有していない塗布液が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は、紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。なお、用いられる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等のカチオン重合開始剤を単独または適宜組み合わせて使用することができる。
また、電離放射線硬化型樹脂にレベリング剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがある。
上記樹脂組成物は透光性の微粒子を含有してもよい。当該樹脂組成物に溶剤を加えた光硬化型樹脂を、樹脂フィルム上に塗布した後、当該光硬化型樹脂を硬化させてコート層を形成させることができる。樹脂組成物に透光性の微粒子を添加することにより、防眩性を有するコート層(防眩層)の表面凹凸の形状や数を調整しやすくなる。
透光性の微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等よりなる有機系の透光性の樹脂微粒子、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン等の無機系の透光性の微粒子を使用することができる。透光性の微粒子の屈折率は、1.40〜1.75が好ましく、屈折率が1.40未満または1.75より大きい場合は、樹脂フィルムあるいは樹脂マトリックスとの屈折率差が大きくなり過ぎ、全光線透過率が低下する。また、透光性の微粒子と樹脂との屈折率の差は、0.2以下が好ましい。透光性の微粒子の平均粒径は、0.3〜10μmの範囲のものが好ましく、1〜7μmがより好ましく、2〜6μmがさらに好ましい。
粒径が0.3μmより小さい場合は防眩性が低下するため、また10μmより大きい場合は、ギラツキを発生すると共に、表面凹凸の程度が大きくなり過ぎて表面が白っぽくなってしまうため好ましくない。また、上記樹脂中に含まれる透光性の微粒子の割合は特に限定されないが、樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜20質量部とするのが防眩機能、ギラツキ等の特性を満足する上で好ましく、ハードコート層表面の微細な凹凸形状とヘイズ値をコントロールし易い。ここで、「屈折率」は、JIS K−7142に従った測定値を指す。また、「平均粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。
溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;ジアセトンアルコール等のケトンアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、水等を使用することができる。これらは一種のみで溶剤としてもよいし、複数を混合して溶剤としてもよい。
以上説明したように、本実施形態の初期乾燥装置4によれば、一定の風速でフィルム長手方向に吹く風を樹脂フィルムFの一面側に生じさせることで、フィルム幅方向における塗布液の乾燥速度を一定にできる。その結果、乾燥ムラのないコート層を有するフィルムを得ることができる。
本発明は上述の実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形を行うことができる。例えば、上述の実施形態の初期乾燥装置4では、5つの吐出部411と5つの吸引部421を設けていたが、吐出部411と吸引部421の数はそれぞれ1つ以上であればいくつでも構わない。また、上述の実施形態の初期乾燥装置4は、吐出部411毎に供給部413を設けていたが、気体の供給能力の高い1つの供給部413と複数の吐出部411とを接続してもよい。同様に、気体の吸引能力の高い1つの排出部423と複数の吸引部421とを接続してもよい。また、本実施形態では、防眩機能を有するコート層を樹脂フィルムに積層する積層フィルム製造装置1に初期乾燥装置4を用いる例を説明したが、樹脂フィルムよりも硬いハードコート層を樹脂フィルムに積層させる積層フィルム製造装置や、反射防止機能を有するコート層を樹脂フィルムに積層する積層フィルム製造装置など、他の積層フィルム製造装置に本発明の乾燥装置を適用してもよい。
なお、以上説明した変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の変形例に適用してもよい。
以下、これまで説明したことを含めて付記する。
(付記1)他の初期乾燥装置は、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥装置であって、
前記塗膜が少なくとも前記フィルムの一面側に設けられ、
該塗膜に気体を吐出する複数の吐出部と、
前記吐出部に気体を供給する供給部と、
前記塗膜側の気体を吸引する複数の吸引部と、
前記吸引部で吸引した気体を排出する排出部とを備え、
前記吐出部と前記吸引部は、前記フィルムが搬送される搬送経路に沿って交互に配置された構成を有するものであり、
前記吐出部は、前記一面に対して略直交する方向に気体を吐出するものであり、
前記供給部は、前記吐出部が気体を吐出する方向に沿った方向から該吐出部に気体を供給するものであり、
前記吸引部は、前記塗膜側の気体を前記一面に対して略直交する方向に吸引し、該気体を、前記排出部に向けて、気体を吸引する方向に沿った方向に排出するものであることを特徴とする。
(付記2)他の初期乾燥方法において、長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥方法であって、
供給部から供給された気体を吐出部から前記塗膜に供給する給気工程と、
吸引部によって前記一面側の気体を吸引し、該気体を排出部から排気する排気工程とを備え、
前記給気工程と前記排気工程は、搬送される前記フィルムに対して交互に繰り返されるとともに、
前記給気工程は、前記吐出部から前記一面に対して略直交する方向に気体を吐出し、前記供給部が、該吐出部が気体を吐出する方向に沿った方向から該吐出部に気体を供給する工程であり、
前記排気工程は、前記吸引部が、前記一面側の気体を該一面に対して略直交する方向に吸引し、該気体を、前記排出部に向けて、気体を吸引する方向に沿った方向に排出する工程であることを特徴とする。
4 初期乾燥装置
411 吐出部
421 吸引部
4112 給気パンチング板
4113 給気メッシュ部材
4212 吸引メッシュ部材
4213 吸引パンチング板
F 樹脂フィルム
H 排気領域
K 給気領域
W 塗布液

Claims (8)

  1. 長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥装置であって、
    前記塗膜が少なくとも前記フィルムの一面側に設けられ、
    該塗膜に気体を吐出する複数の吐出部と、
    前記塗膜側の気体を吸引する複数の吸引部とを備え、
    前記吐出部と前記吸引部は、前記フィルムが搬送される搬送経路に沿って交互に配置された構成を有するものであり、
    乾燥装置に近づくにつれて、吸引部から気体を排気する量が多くなることを特徴とする初期乾燥装置。
  2. 長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥装置であって、
    前記塗膜が少なくとも前記フィルムの一面側に設けられ、
    該塗膜に気体を吐出する複数の吐出部と、
    前記塗膜側の気体を吸引する複数の吸引部とを備え、
    前記吐出部と前記吸引部は、前記フィルムが搬送される搬送経路に沿って交互に配置された構成を有するものであり、
    乾燥装置に近づくにつれて、吐出部に気体を供給する量が少なくなることを特徴とする初期乾燥装置。
  3. 前記吐出部は、該吐出部が気体を吐出する方向に貫通した複数の貫通孔を有する第1整流部材を備えたものであることを特徴とする請求項1または2記載の初期乾燥装置。
  4. 前記第1整流部材は、網状のものであることを特徴とする請求項3記載の初期乾燥装置。
  5. 前記吸引部は、該吸引部が気体を吸引する方向に貫通した複数の貫通孔を有する第2整流部材を備えたものであることを特徴とする請求項1または2記載の初期乾燥装置。
  6. 前記第2整流部材は、貫通孔を有するものであることを特徴とする請求項5記載の初期乾燥装置。
  7. 前記吐出部と前記吸引部が1つのチャンバーに含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の初期乾燥装置。
  8. 長手方向に搬送されている長尺状のフィルムの一面に塗布された、少なくとも樹脂成分と溶剤とを含有する塗膜を乾燥させる初期乾燥方法であって、
    供給部から供給された気体を吐出部から前記塗膜に供給する給気工程と、
    吸引部によって前記一面側の気体を吸引し、該気体を排出部から排気する排気工程とを備え、
    前記給気工程および前記排気工程は前記フィルムの搬送方向に沿って交互に設けられてなる構成を有し、
    前記給気工程は、前記吐出部から前記一面に対して略直交する方向に気体を吐出し、前記供給部が、該吐出部が気体を吐出する方向に沿った方向から該吐出部に気体を供給する工程であり、
    前記排気工程は、前記吸引部が、前記一面側の気体を該一面に対して略直交する方向に吸引し、該気体を、前記排出部に向けて、気体を吸引する方向に沿った方向に排出する工程であり、さらに、乾燥装置に近づくにつれて、該吸引部から気体を排気する量が多くなる工程であることを特徴とする初期乾燥方法。
JP2012268580A 2012-12-07 2012-12-07 初期乾燥装置および初期乾燥方法 Active JP6111060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012268580A JP6111060B2 (ja) 2012-12-07 2012-12-07 初期乾燥装置および初期乾燥方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012268580A JP6111060B2 (ja) 2012-12-07 2012-12-07 初期乾燥装置および初期乾燥方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014114995A JP2014114995A (ja) 2014-06-26
JP6111060B2 true JP6111060B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=51171195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012268580A Active JP6111060B2 (ja) 2012-12-07 2012-12-07 初期乾燥装置および初期乾燥方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6111060B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6208964B2 (ja) * 2013-03-27 2017-10-04 株式会社巴川製紙所 積層フィルムの製造方法
JP6303802B2 (ja) * 2014-05-19 2018-04-04 日産自動車株式会社 塗布膜製造装置
DE102014009945A1 (de) 2014-07-04 2016-01-07 Dürr Systems GmbH Lackierverfahren und Lackieranlage zur Dekorlackierung
JP6319666B2 (ja) * 2015-01-09 2018-05-09 新東工業株式会社 小型部品の乾燥装置及び乾燥方法
CN111672723A (zh) * 2020-07-01 2020-09-18 南通英泰机电设备有限公司 一种uv固化机
JP7242066B2 (ja) 2020-07-21 2023-03-20 トーキョーメンキ株式会社 ノンフライ麺製造用乾燥装置
CN111895762B (zh) * 2020-08-21 2022-04-12 安徽鑫泰药业有限公司 野菊花干燥工艺

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005114188A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 塗布膜乾燥装置及び塗布膜乾燥方法
JP2007271137A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Fujifilm Corp 塗布膜の乾燥方法及び装置並びに光学フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014114995A (ja) 2014-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6111060B2 (ja) 初期乾燥装置および初期乾燥方法
JP6297846B2 (ja) 両面透明導電性フィルム及びその巻回体、並びにタッチパネル
US8007874B2 (en) Method and apparatus for curing coated film
JP6419960B2 (ja) 組成物とポリマー成形用組成物、及びそれを用いて得られた波長変換体、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置
WO2015080195A1 (ja) 光学用シートおよび導電性シート、並びに前記光学用シートを備える表示装置
JP2005283628A (ja) 反射防止フィルム及びその製造方法、製造装置
WO2016076069A1 (ja) 機能性積層フィルム
JP2008229538A (ja) コーティングフィルムの製造方法
JP6968290B2 (ja) 積層体の製造方法
JP2015191635A (ja) 透明導電膜形成用積層体、透明導電性フィルム、タッチパネル、粘着剤層付き第2基材の選択方法、透明導電膜形成用積層体の製造方法及び透明導電性フィルムの製造方法
JP5752475B2 (ja) 塗工膜の乾燥方法及び積層体製造システム
JP6208964B2 (ja) 積層フィルムの製造方法
JP6542007B2 (ja) 異方性光学フィルム及びその製造方法
JP2003341006A (ja) ハードコート処理物品の裁断方法
JP2010066744A (ja) ディスプレー面板用透明多層シート
JP2008238089A (ja) 積層体の製造方法および光学フィルムの製造方法
JP2008246415A (ja) 塗布物の製造装置及び塗布物の製造方法
WO2016051247A1 (ja) アンチ二ュートンリング積層体およびそのアンチ二ュートンリング積層体を用いた静電容量式タッチパネル
JP7122108B2 (ja) 電離放射線硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたガスバリア層の保護膜、並びに、これらを用いた積層ガスバリア性フィルム
JP5802164B2 (ja) 光照射装置、ハードコートフィルム製造装置、および積層フィルムの製造方法
JP2016078245A (ja) 透明電極用ハードコートフィルム
JP5918419B2 (ja) 塗工膜の乾燥方法及び積層体製造システム
JP5267375B2 (ja) 光学フィルム
KR101839605B1 (ko) 코팅 필름의 제조 방법
JP2013186455A (ja) ハードコートフィルム製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6111060

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250