JP2004019958A - 乾燥装置および乾燥方法、ならびに磁気記録媒体の製造装置および製造方法 - Google Patents

乾燥装置および乾燥方法、ならびに磁気記録媒体の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウエットなコート層を均一に乾燥し、乾燥後のコート層におけるムラの発生を防止する。
【解決手段】乾燥ゾーンを2以上含み、被処理物を搬送して各乾燥ゾーン内で乾燥させる乾燥装置において、最も上流に位置する乾燥ゾーンを、低温かつ低湿のガスを吹き出す低温ガス吹出ノズルを有する低温乾燥ゾーンとし、低温乾燥ゾーンより下流に位置する乾燥ゾーンを、低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスよりも高温のガスを吹き出す高温ガス吹出ノズルを有する高温乾燥ゾーンとする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状支持体に塗布したウエットなコート層を乾燥させるのに適した乾燥装置および乾燥方法、ならびに当該乾燥装置および乾燥方法を利用した磁気記録媒体の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シート状支持体に、金属または樹脂等の不揮発成分を溶媒に溶解または分散させた塗布液を塗布してウエットなコート層(即ち、未乾燥塗膜)を形成し、このウエットなコート層を乾燥させて(即ち、ウエットなコート層に含まれる溶媒を蒸発させて)、不揮発成分から成るコート層を形成する工程は、種々の製品の製造において採用されている。かかる工程は、例えば、非磁性支持体とその上に形成された磁性層とを有する磁気記録媒体の製造において採用されている。塗布型の磁気記録媒体の製造においては、上記工程は、磁性層を形成するために採用されている。磁性層を金属の蒸着により形成する蒸着型の磁気記録媒体においては、上記工程は、磁性層の上に形成された保護層の表面に潤滑剤層を形成するために採用され、また、磁性層が形成された面とは反対側の面にバックコート層を形成するために採用されている。さらに、上記工程は、液晶パネル、太陽電池、およびプラズマディスプレイパネルの製造においても採用されている。
【0003】
ウエットなコート層を乾燥させる方法としては、ノズルから吹き出した高温の風を利用する方法が知られている。そのような方法は、例えば、特許第3207580号公報に開示されている。特許第3207580号は、コーティング部と乾燥部とを備えた原反コーティング装置に関し、乾燥部において、原反の両面に温風吹出ノズルが配設されており、非コート面側の温風吹出ノズルがコート面側の温風吹出ノズルよりも高温の温風を吹き出すことを特徴とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
いずれの製品を製造する場合においても、ウエットなコート層中の溶媒は、その残存量ができるだけ少なくなる(好ましくは実質的にゼロとなる)ように、十分に除去する必要があるとともに、コート層の全面から一様に蒸発させて、乾燥後のコート層においてムラを生じさせないことが好ましい。乾燥後のコート層のムラは、製品の品質を低下させる一因となるためである。しかしながら、従来の乾燥装置では、乾燥後のコート層にムラが発生することがあった。そのため、ムラのより少ない均一なコート層が最終的に得られるような乾燥装置が望まれていた。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、乾燥後のコート層においてムラの発生が抑制され、かつ溶媒を十分に除去し得る乾燥装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、乾燥ゾーンを2以上含み、被処理物を搬送して各乾燥ゾーン内で乾燥させる乾燥装置であって、最も上流に位置する乾燥ゾーンが、低温かつ低湿のガスを吹き出す低温ガス吹出ノズルを有する低温乾燥ゾーンであり、低温乾燥ゾーンより下流に位置する乾燥ゾーンが、低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスよりも高温のガスを吹き出す高温ガス吹出ノズルを有する高温乾燥ゾーンである乾燥装置を提供する。
【0007】
本発明の乾燥装置は、2以上の乾燥ゾーンを含み、被処理物を搬送して、これらのゾーン内を順次通過させる間に、被処理物を乾燥させるものである。この乾燥装置は、最も上流に位置する乾燥ゾーンが低温乾燥ゾーンであることを特徴とする。即ち、この装置は、被処理物が最初に低温乾燥ゾーン内を通過し、それから高温乾燥ゾーン内を通過するように、被処理物を搬送することを特徴とする。この特徴を有する本発明の乾燥装置は、低温乾燥ゾーンが設けられていない乾燥装置と比較して、被処理物をより均一にムラ無く乾燥させる。
【0008】
本発明の乾燥装置において、各乾燥ゾーンは少なくとも1つのガス吹出ノズルを有する。「複数の乾燥ゾーン」を有するとは、ガスの吹出条件が異なる乾燥ゾーンを2以上有することをいう。ガスの吹出条件は、具体的には、ガスの温度、湿度、速度(風速)、流量(風量)およびガスの流れの向き(風向)等である。1つのノズルから吹き出されるガスの吹出条件のいずれか1つが、別のノズルから吹き出されるガスの吹出条件と異なっていれば、それらの2つのノズルは異なる乾燥ゾーンに属するものとして把握される。
【0009】
「上流」とは、被処理物が搬送される方向において、乾燥装置の被処理物の搬入口により近い方向をいい、「下流」とは乾燥装置の被処理物の搬出口により近い方向をいう。
【0010】
本発明の乾燥装置は、ウエットなコート層を有するシート状支持体を被処理物として、当該ウエットなコート層に含まれる溶媒を蒸発させる装置であることが好ましい。ウエットなコート層は、一般に、不揮発成分(樹脂、金属粉、無機充填剤等)が溶媒に溶解または分散した塗布液を塗布することにより形成される膜である。この膜から溶媒が蒸発して除去されると、不揮発成分から成るコート層が形成される。本明細書において、「コート層」は、溶媒が実質的に全て除去された不揮発成分から成る層を指し、溶媒が除去されていないコート層を、特に「『ウエットな』コート層」と呼ぶ。
【0011】
本発明の乾燥装置がそのようなウエットなコート層を乾燥させる装置である場合、ウエットなコート層に含まれる溶媒の沸点をVmとしたときに、低温ガス吹出ノズルは、温度が(Vm−30)℃以下であり、相対湿度が5〜20%であるガスを吹き出すものであることが好ましい。低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度が、(Vm−30)℃を越えると、乾燥後のコート層においてムラが生じることがある。また、ウエットなコート層を、塗布後、直ちに高温雰囲気に曝すことは、乾燥装置の防爆性の観点から好ましくない。低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの湿度が高いと、結露が発生することがあり、好ましくない。
【0012】
低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度の下限値は、本発明の効果を達成するうえで特に限定されない。しかし、ガスの温度を低くするために要するコスト等を考慮すれば、5℃以上のガスを低温ガス吹出ノズルから吹き出すことが好ましい。
【0013】
また、本発明の乾燥装置がウエットなコート層を乾燥させる装置である場合、高温ガス吹出ノズルは、温度が(Vm−30)℃〜(Vm+50)℃の範囲内にあるガスを吹き出すものであることが好ましい。高温乾燥ゾーンにおいて、ガスの温度が低いと、ウエットなコート層の表層のみが乾燥して皮膜が形成され、この皮膜がコート層内部の溶媒の蒸発を阻害して、コート層中の溶媒残留量が多くなることがある。ガスの温度が高いと、溶媒の蒸発速度は大きくなるが、被処理物の表面付近で溶媒ガスの濃度が高くなり、そのために溶媒の蒸発が却って阻害され、蒸発効率が低下することがある。
【0014】
本発明の乾燥装置によって乾燥させられるウエットなコート層は、好ましくは、磁気記録媒体の構成要素となる成分を不揮発成分として含むものである。即ち、本発明の乾燥装置は、乾燥した後に磁気記録媒体を構成する層となる、ウエットなコート層を乾燥させるものであることが好ましい。そのようなウエットなコート層は、具体的には、乾燥後、磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層を構成するものである。
【0015】
本発明の乾燥装置は、磁気記録媒体の製造装置を構成するために用いることができる。即ち、本発明は、別の要旨において、磁気記録媒体の構成要素となる成分を含む塗布液をシート状支持体に塗布してウエットなコート層を形成するコーティング装置、および当該ウエットなコート層を乾燥させる乾燥装置として本発明の乾燥装置を含む磁気記録媒体の製造装置を提供する。この製造装置によれば、磁気記録媒体を構成する層(好ましくは、潤滑剤層またはバックコート層)を、ムラ無く形成することができ、したがって、優れた品質を有する磁気記録媒体を製造できる。
【0016】
本発明はまた、別の要旨において、ウエットなコート層を有するシート状支持体を被処理物とし、ウエットなコート層を乾燥させる方法であって、当該ウエットなコート層を、低温かつ低湿のガスで乾燥させた後、それよりも高い温度のガスで乾燥させる乾燥方法を提供する。この乾燥方法によれば、シート状支持体の表面に、ムラの無い均一なコート層を形成することができる。この方法は、上記本発明の乾燥装置によって好ましく実施される。
【0017】
本発明はまた、別の要旨において、磁気記録媒体の構成要素となる成分を含む塗布液をシート状支持体に塗布してウエットなコート層を形成すること、および当該ウエットなコート層を、上記本発明の乾燥方法で乾燥させて、磁気記録媒体の構成要素を形成することを含む磁気記録媒体の製造方法を提供する。この方法は、上記本発明の磁気記録媒体の製造装置によって好ましく実施される。この方法において形成される磁気記録媒体の構成要素は、好ましくは潤滑剤層またはバックコート層である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の乾燥装置は、前述のように、低温かつ低湿のガスを吹き出す低温ガス吹出ノズルを有する低温乾燥ゾーン、および低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスよりも高温のガスを吹き出す高温ガス吹出ノズル有する高温乾燥ゾーンを含み、最も上流側に低温乾燥ゾーンが位置するものである。また、本発明の乾燥装置は、トンネル状に形成された各乾燥ゾーン内で被処理物を搬送するものであり、そのための搬送装置を有する。
【0019】
低温乾燥ゾーンは、通常1つで足りる。ガスの吹出条件が異なる複数の低温乾燥ゾーンを、上流側に複数配置してもよい。
【0020】
低温乾燥ゾーンに設けられる低温ガス吹出ノズルの形態は特に限定されない。例えば、低温ガス吹出ノズルは、被処理物の搬送面に対して垂直な方向(被処理物が長尺である場合には被処理物の幅方向、以下この方向を単に「幅方向」と呼ぶ場合がある)に、複数個の吹出口を一列に配置して成るものであってよい。あるいは、低温ガス吹出ノズルは、矩形の吹出口を1つ有するものであってよい。その場合、矩形の吹出口は、好ましくは被処理物の幅と同じ又はそれよりも大きい幅を有する。いずれの形態の低温ガス吹出ノズルも、所定の量のガスを供給できるような形状および寸法を有し、かつ均一にガスを供給できるものであることが好ましい。また、1つの低温乾燥ゾーンにおいて、低温ガス吹出ノズルは、被処理物の搬送方向において間隔をあけて複数個配置してよい。
【0021】
低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度は、本発明の乾燥装置がシート状支持体に形成されたウエットなコート層を乾燥させるものである場合には、ウエットなコート層に含まれる溶媒の沸点よりも低く設定し、好ましくは、5℃以上(Vm−30)℃以下(Vmは溶媒の沸点)に設定する。ウエットなコート層に含まれる溶媒が、例えば、イソプロピルアルコール(沸点67℃)、ノルマルへプタン(沸点100℃)、トルエン(沸点100℃)、またはシクロヘキサノン(沸点150℃)である場合、低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度は、15〜30℃程度とするとよい。溶媒が、混合溶媒である場合、低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度は、少なくとも1つの溶媒の沸点と上記関係を満たすように設定し、あるいは、好ましくは混合溶媒を構成する溶媒の沸点の平均値と上記関係を満たすように設定する。また、低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの相対湿度は、大気雰囲気の相対湿度よりも低いことが好ましく、具体的には5〜20%であることが好ましい。
【0022】
低温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスは、上記範囲の温度および湿度を有するガスである限りにおいて、その種類は特に限定されない。例えば、ガスは空気であってよい。その場合、空気は、乾燥装置の周囲から取り込まれ、適当な冷却装置および除湿器を用いて冷却および除湿された後、低温ガス吹出ノズルから吹き出される。あるいは、被処理物の種類によっては、ガスは、Nガス、Heガスのような不活性ガスであってよい。
【0023】
低温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスの向き、速度および流量は、被処理物の種類に応じて適宜選択される。例えば、後述のように、本発明の乾燥装置を、蒸着型の磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層の形成工程において使用する場合、低温乾燥ゾーンにおいては、ウエットなコート層(即ち、乾燥後に潤滑剤層またはバックコート層となる層)の露出表面から、裏面(シート状支持体と接する面)に向かう方向に、0.1m/sec〜1m/secの速度にて、単位面積あたりの流量が0.5m/sec〜1.0m/secとなるように、ガスを吹き出すことが好ましい。ここで、単位面積あたりの流量は、ガス吹出ノズルの吹出口における流量を吹出口の面積で除した値に相当する。
【0024】
また、低温乾燥ゾーンにおける被処理物と低温ガス吹出ノズルとの間の距離も、被処理物の種類等に応じて適宜選択される。被処理物とノズルとの間の距離が短い場合には、ガスが強く吹き付けられてコート層を乱すことがある。被処理物とノズルとの間の距離が長い場合には、ガスが被処理物に作用せず(即ち、ガスが被処理物に当たらず)、被処理物の乾燥が不十分となることがある。例えば、後述のように、本発明の乾燥装置を、蒸着型の磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層の形成工程において使用する場合、低温ガス吹出ノズルと被処理物との間の距離が0.2〜1.0mとなるように、低温乾燥ゾーンにおいて低温ガス吹出ノズルと被処理物の搬送装置とを配置することが好ましい。
【0025】
本発明の乾燥装置においては、低温乾燥ゾーンの下流側に高温乾燥ゾーンが設けられる。低温乾燥ゾーンの低温ガス吹出ノズルと、高温乾燥ゾーンの高温ガス吹出ノズルとの間の間隔は、0.05〜0.5m程度とすることが好ましい。両者の間隔が狭いと、被処理物が、低温乾燥ゾーンで乾燥されている間に、高温ガス吹出ノズルからのガスの影響を受けることがあり、好ましくない。また、低温乾燥ゾーンと高温ガスゾーンとの間には、被処理物の搬送を妨げない限りにおいて、両者を隔てる壁を配置してよい。
【0026】
高温乾燥ゾーンは、1つであってよい。あるいは、ガスの吹出条件が異なる複数の高温乾燥ゾーンを複数設けてよい。その場合、下流側の高温乾燥ゾーンほど、ガスの温度が高くなるように、高温乾燥ゾーンを配置することが好ましい。各高温乾燥ゾーンの間には、被処理物の搬送を妨げない限りにおいて、ゾーン間を隔てる壁を配置してよい。
【0027】
高温乾燥ゾーンにおける高温ガス吹出ノズルの形態も、低温ガス吹出ノズルと同様に特に限定されない。したがって、低温ガス吹出ノズルの形態として例示したものは、高温ガス吹出ノズルの形態としても例示される。
【0028】
高温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度は、本発明の乾燥装置がシート状支持体に形成されたウエットなコート層を乾燥させるものである場合には、コート層に含まれる溶媒が最終的に実質的に残存しないように、十分に高い温度に設定する。溶媒の蒸発は、ガスの温度だけでなく、ガスの速度および単位面積あたりの流量等による影響をも受けるから、ガスの温度は、必ずしも溶媒の沸点より高くする必要はない。好ましくは、(Vm−30)℃以上(Vm+50)℃以下(Vmは溶媒の沸点)に設定する。高温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度もまた、溶媒が混合溶媒である場合には、少なくとも1つの溶媒の沸点と上記関係を満たすように設定され、好ましくは混合溶媒を構成する溶媒の沸点の平均値と上記関係を満たすように設定される。例えば、ウエットなバックコート層に含まれる溶媒が、前述のイソプロピルアルコールとノルマルへプタンの混合溶媒である場合、高温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度は、100±10℃とするとよく、溶媒が前述のトルエンとシクロヘキサノンの混合溶媒である場合、110±10℃とするとよい。
【0029】
高温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスの種類もまた、特に限定されない。例えば、ガスは空気であってよい。高温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスもまた、低温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスと同程度に低い湿度を有することが好ましく、具体的には5〜20%の相対湿度を有することが好ましい。そのような高温かつ低湿のガスは、例えば、空気を適当な加熱装置および除湿器を用いて加熱および除湿した後、高温ガス吹出ノズルから吹き出される。
【0030】
高温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスの向き、速度および流量もまた、被処理物の種類に応じて適宜選択される。例えば、後述のように、本発明の乾燥装置を、蒸着型の磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層の形成工程において使用する場合、高温乾燥ゾーンにおいては、被処理物の表面と略平行な方向において上流側から下流側に向けてガスを吹き出すことが好ましい。搬送中の被処理物が乱れることを避けるためである。また、ガスの速度は、好ましくは1m/sec〜7m/secであり、単位面積あたりの流量は、好ましくは0.5m/sec〜3m/secである。なお、先に述べたように、高温乾燥ゾーンにて吹き出されるガスの温度が高いほど、被処理物表面での溶媒ガスの濃度がより高くなる傾向にある。そのため、ガスの温度を高くする場合には、ガスの速度を高くして、溶媒ガスを速やかに除去することが好ましい。
【0031】
高温乾燥ゾーンにおける被処理物と高温ガス吹出ノズルとの間の距離もまた、被処理物の種類等に応じて選択される。後述のように、本発明の乾燥装置を、蒸着型の磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層の形成工程において使用する場合、高温ガス吹出ノズルと被処理物との間の距離が0.2〜1.0mとなるように、高温乾燥ゾーンにおいて高温ガス吹出ノズルと被処理物の搬送装置とを配置することが好ましい。
【0032】
本発明の乾燥装置において、被処理物を搬送する装置は特に限定されず、常套的に採用されているものを任意に使用できる。また、搬送装置は、被処理物の種類に応じて、搬送速度を変化させ得るものであることが好ましい。被処理物が長尺物である場合には、1つのローラに巻き取った被処理物を、当該ローラから巻き出し、別のもう1つのローラで巻き取ることによって、乾燥装置内を搬送させてよい。巻き出しローラはアンワインダ、巻き取りローラはワインダとも称される。このように被処理物を搬送する場合、アンワインダおよびワインダが搬送装置を構成することとなる。その場合、乾燥装置で吹き出されるガスの向きを、被処理物の搬送方向と同じ方向にすれば、被処理物の搬送はよりスムーズになる。また、被処理物の搬送中、ワインダとアンワインダとの間で、搬送方向と平行な方向に被処理物にテンションをかけることが好ましい。さらに、必要に応じて被処理物を支持するローラを1または複数箇所に設けてよい。
【0033】
次に本発明の乾燥装置を組み込んだ磁気記録媒体の製造装置を説明する。製造装置を説明する前に、当該製造装置によって好ましく製造される蒸着型磁気記録媒体の一般的な構成を、図面を参照して説明する。図2に示す蒸着型磁気記録媒体(10)は、非磁性支持体(11)の上に、磁性層(12)、保護層(13)および潤滑剤層(14)がこの順に積層され、非磁性支持体(11)の磁性層(12)が形成されている面とは反対側の面に、バックコート層(15)が形成されているものである。
【0034】
非磁性支持体(11)はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、順にPET、PEN、PPTAと略する場合がある)等の非磁性体から成る。非磁性支持体(11)の厚さは一般に約2〜10μmである。
【0035】
磁性層(12)は、例えばCo、NiもしくはFeのような強磁性金属、またはこれらを主成分とする合金から成る。磁性層(12)は、例えば連続的に金属蒸気の入射角を変化させる斜方蒸着法等によって形成される。斜方蒸着を酸素雰囲気下で実施すると、磁性層は酸素を含むものとなる。磁性層(12)の厚さは一般に20〜300nmである。
【0036】
保護層(13)は、外から加えられる力によって磁性層(12)がダメージを受けることを防止するために形成される。保護層(13)を構成する材料は、例えばダイヤモンドライクカーボンのような硬度の大きい物質である。保護層(13)の厚さは一般に1〜30nmである。
【0037】
潤滑剤層(14)は、例えばパーフルオロポリエーテル等の潤滑剤から成る層であり、以下に説明するように、潤滑剤を溶媒に溶解した塗布液を塗布した後、乾燥させることにより形成される。潤滑剤層の厚さは、一般に0.5〜10nmである。
【0038】
バックコート層(15)は、カーボンブラック等の非磁性粉末と結合剤(樹脂)とから成る層であり、以下に説明するように、非磁性粉末と結合剤とを溶媒に溶解または分散させた塗布液を塗布した後、乾燥させることにより形成される。バックコート層の厚さは、一般に0.1〜1.0μmである。
【0039】
このように、蒸着型磁気記録媒体は、非磁性支持体、磁性層、保護層、潤滑剤層、およびバックコート層を構成要素として一般に含む。これらの要素のうち、潤滑剤層およびバックコート層が本発明の磁気記録媒体の製造装置によって形成され得る。
【0040】
本発明の磁気記録媒体の製造装置は、前述のようにコーティング装置と本発明の乾燥装置とを含む。コーティング装置は、磁気記録媒体の構成要素となる成分を含む塗布液をシート状支持体に塗布する。磁気記録媒体の構成要素となる成分は、蒸着型磁気記録媒体の潤滑剤層を形成する場合には、潤滑剤層および必要に応じて添加される極圧剤等であり、蒸着型磁気記録媒体のバックコート層を形成する場合には、非磁性粉末および結合剤(樹脂)等である。それらの成分は、乾燥後も残存して磁気記録媒体において層状の要素となる。塗布液が塗布されるシート状支持体は、非磁性支持体、または非磁性支持体に別の層が形成された積層体である。例えば、蒸着型磁気記録媒体の潤滑剤層を形成する場合、塗布液は、磁性層および保護層がこの順に非磁性支持体の表面に形成された積層体の保護層の表面に形成される。
【0041】
コーティング装置は、磁気記録媒体の製造において常套的に採用されているものを任意に使用でき、例えば、リバース方式、グラビア方式、またはダイ方式等のコータヘッド部を有するものを使用できる。乾燥装置は先に説明したとおりである。また、テープ状の磁気記録媒体を製造する場合、本発明の磁気記録媒体の製造装置は、長尺のシート状支持体へのコーティングおよび乾燥が連続的に実施されるような機構をさらに有することが好ましい。そのような機構は、具体的には、磁気記録媒体の原反(即ち、塗布液を塗布すべきシート状支持体)を、これを支持する前述のアンワインダ部から巻き出し、支持ロールを経由させた後、コーティング装置のコータヘッド部で塗布液を塗布し、支持ロールを通過させてから乾燥装置に搬入し、乾燥装置内で搬送して乾燥した後、支持ロールを経由させて、前述のワインダ部で巻き取るような機構である。
【0042】
図1に本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例を模式的に示す。図1に示す製造装置において、磁気記録媒体の原反(106a)は、アンワインダ部(101)から巻き出され、支持ロール(108a)を経て、コーティング装置に送られる。図示した態様において、コーティング装置は、リバース方式のコータヘッド部(102)を有し、潤滑剤層またはコーティング層の構成成分を含む塗布液を塗布する。乾燥装置(110)は、1つの低温乾燥ゾーン(103)と4つの高温乾燥ゾーン(104a〜d)を有する。4つの乾燥ゾーンにおいてガス吹出条件は、ガスの温度が下流側のゾーンほど高くなるように設定されている。乾燥されたコート層を有する磁気記録媒体の原反(106b)は、支持ロール(108b,108c)を経て、ワインダ部(105)で巻き取られる。この装置において、磁気記録媒体の原反は、アンワインダ部(101)、支持ロール(108a,108b,108c)、コータヘッド(102)、およびワインダ部(105)によって、乾燥装置内を搬送させられている。
【0043】
この製造装置は、他の種類の磁気記録媒体の製造にも好ましく用いられる。例えば、この製造装置は、塗布型磁気記録媒体の製造において使用してよい。その場合、この装置は、磁性層を形成するために用いられる。磁性層は、磁性層の構成成分として磁性金属および樹脂等を含む塗布液をコーティング装置で塗布し、それから乾燥装置で乾燥させることにより形成される。
【0044】
本発明はまた、前述のように、ウエットなコート層を有するシート状支持体を被処理物とし、ウエットなコート層を乾燥させる方法であって、当該ウエットなコート層を、低温かつ低湿のガスで乾燥させた後、それよりも高い温度のガスで乾燥させる乾燥方法を提供する。低温かつ低湿のガスの好ましい温度および湿度、ならびに高い温度のガスの好ましい温度等は、先に本発明の乾燥装置に関連して説明したとおりであるから、ここではその説明を省略する。
【0045】
この方法の1つの態様は、本発明の乾燥装置によって実施される態様である。その場合、被処理物は、搬送装置で一定の速度で搬送されて、複数の乾燥ゾーンを順に通過する間に乾燥させられる。搬送速度は、被処理物の種類およびガスの吹出条件等に応じて適宜設定される。例えば、ウエットなコート層が蒸着型磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層となるものである場合、被処理物の搬送速度は、5〜100m/min程度にすることが好ましい。
【0046】
この方法の別の態様は、例えば、1つの乾燥ゾーンのみを有する乾燥装置を使用して、ガス吹出ノズルから吹き出すガスの温度および湿度を切り替える態様である。被処理物は搬送されず、静止した状態で乾燥される。この態様によれば、乾燥装置を小型化することが可能である。したがって、この態様は、被処理物をバッチ式で乾燥する場合に、好ましく採用される。
【0047】
本発明の乾燥方法は、好ましくは磁気記録媒体の製造方法に組み込まれる。磁気記録媒体の製造方法において、本発明の乾燥方法は、磁気記録媒体の構成要素となる成分を含む塗布液をシート状支持体に塗布してウエットなコート層を形成した後、これを乾燥させるために実施される。この製造方法において、ウエットなコート層を形成し、これを乾燥させることは、2以上の異なる構成要素について実施してよい。即ち、本発明の乾燥方法は、1つの蒸着型磁気記録媒体の潤滑剤層およびバックコート層の形成工程の両方に適用してよい。それにより、ムラの少ない潤滑剤層およびバックコート層を有する、より質の高い磁気記録媒体を得ることができる。また、この製造方法は、塗布型磁気記録媒体の磁性層の形成にも適用できる。
【0048】
以上本発明の乾燥装置および乾燥方法を、特に磁気記録媒体の製造方法において実施する場合を想定して説明した。本発明の乾燥装置および乾燥方法は、磁気記録媒体だけでなく、ウエットなコート層の乾燥工程を必要とする他の製品、例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶および太陽電池等の製造にも好ましく適用される。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
図2に示す構成の磁気記録媒体を以下の手順で作製した。磁気記録媒体の非磁性支持体(11)として、厚さ4.5μm、幅200mm、長さ1000mのPETフィルムを用意した。このフィルムの磁性層形成面には、SiOから成る直径5〜50nmの微粒子が1μmあたり3〜150個、均一に分散し固着していた。このフィルムのバックコート層を形成する面はSiOから成る微粒子およびバインダー等により荒らされ、その中心線平均粗さ(Ra)は2.5〜3nmであった。
【0050】
このPETフィルム(11)に磁性層(12)を斜方蒸着法により連続的に形成した。磁性層は、Coを蒸発させ、蒸発したCoを、冷却回転支持体であるベルト状支持体上に沿って走行するPETフィルムの表面に付着させて形成した。磁性層の厚さは180nmとした。
【0051】
次に、PETフィルム(11)の磁性層(12)を形成した面とは反対側の面にバックコート層(15)を形成した。バックコート層(15)を形成するための塗布液として、下記に示す組成の塗布液を調製した。
・カーボンブラック(100重量部);
・ポリエステル樹脂(80重量部);
・トルエン(520重量部);
・シクロヘキサノン(550重量部)
【0052】
この塗布液を図1に示す装置を使用して塗布した後、乾燥させた。塗布液の塗布はリバース方式のコーターヘッド部(102)を使用し、塗布厚を乾燥後の厚さが0.4μmとなるようにして実施した。塗布後のシート状支持体を、乾燥装置の低温乾燥ゾーン(103)に導入し、次いで高温乾燥ゾーン(104)を通過させた。塗布および乾燥は、シート状支持体を20m/minで搬送して実施した。また、アンワインダ部(101)では、搬送方向と反対向きに被処理物が引っ張られるように力を作用させ、ワインダ部(105)では、搬送方向と同じ向きに被処理物が引っ張られるように力を作用させて、被処理物にテンションをかけた。
【0053】
低温乾燥ゾーン(102)では、低温ガス吹出ノズルとして、幅50cm、長さ(搬送方向の寸法)30cmの吹出口を有するものを使用し、20℃および10%RHに調整した空気を、速度が1m/sec、単位面積あたりの流量が1m/secとなるように、塗布したバックコート層の厚さ方向において上から下に向けてノズルから吹き出した。
【0054】
高温乾燥ゾーンとして、上流側から順に第1〜第4高温乾燥ゾーン(104a〜104d)を設けた。各高温乾燥ゾーンでは、高温ガス吹出ノズルとして、幅50cm、長さ20cmの吹出口を有するものを使用した。各高温乾燥ゾーンで吹き出されるガスの温度、湿度、速度、および単位面積あたりの流量は、いずれも105℃、10%RH、5m/sec、3m/secとした。したがって、ここでは、実質的に1つだけの高温乾燥ゾーンを使用したといえる。なお、いずれの高温乾燥ゾーンにおいても、ガスは被処理物の搬送面(即ち、バックコート層の表面)と略平行となるように、上流側から下流側に向けて吹き出した。乾燥後のバックコート層の厚さは、0.4μmであった。
【0055】
次に、磁性層(12)の上に、メタンをイオン化するプラズマCVD法によって厚さ10nmのダイヤモンドライクカーボンから成る保護層(13)を形成した。さらに、保護層(13)の上に潤滑剤層(14)を次の手順で形成した。
【0056】
まず、含フッ素カルボン酸系潤滑剤を、ノルマルへプタンとイソプロピルアルコールを1:1(重量比)の割合で混合した溶媒に濃度が750ppmとなるように溶解させて、塗布液を調製した。この塗布液を、バックコート層の形成に使用した装置と同じ装置を使用して、塗布した後、乾燥させた。塗布液は、塗布厚を乾燥後の厚さが4nmとなるようにして塗布した。塗布および乾燥は、シート状支持体を20m/minで搬送して実施した。
【0057】
低温乾燥ゾーンでは、20℃および15%RHに調整した空気を、速度が1m/sec、単位面積あたりの流量が1m/secとなるように、塗布した潤滑剤層の厚さ方向において上から下に向けてノズルから吹き出した。低温乾燥ゾーンを通過した後の乾燥状態を目視で観察したところ、塗布液中の溶媒は殆ど蒸発しているように見えた。
【0058】
4個の高温乾燥ゾーンで吹き出されるガスの温度、湿度、速度、および単位面積あたりの流量は、いずれも95、10%RH、5m/sec、3m/secとした。したがって、ここでもまた、実質的に1つだけの高温乾燥ゾーンを使用したといえる。なお、いずれの高温乾燥ゾーンにおいても、ガスは被処理物の搬送面(即ち、潤滑剤層の表面)と略平行となるように、上流側から下流側に向けて吹き出した。乾燥後の潤滑剤層の厚さは、4nmであった。
【0059】
潤滑剤層を形成した後、シートを1/4インチ幅にスリットして、テープ状の磁気記録媒体を得た。この磁気記録媒体において、両方の表面(即ち、潤滑剤層およびバックコート層の表面)は、目視および顕微鏡によっても、ムラが観察されず、優れた表面状態を有していた。
【0060】
(比較例1)
実施例1のバックコート層および潤滑剤層の形成工程において、低温乾燥ゾーンを有しない乾燥装置を使用したことを除いては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を得た。この磁気記録媒体の両方の表面を観察したところ、斑点が見られ塗布ムラが発生していることがわかった。また、比較例1の磁気記録媒体の走行性は、実施例1のそれよりも劣っていた。実施例1および比較例1の結果から、本発明の乾燥方法に従って、最初に低温かつ低湿のガスを吹き付けることにより、乾燥ムラを有効に防止でき、それにより良好な走行特性を有する磁気記録媒体が得られることがわかる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の乾燥方法は、被処理物を先に低温かつ低湿のガスで乾燥させた後、高温のガスで乾燥させることを特徴とする。この特徴により、被処理物は均一に乾燥される。したがって、本発明の乾燥方法によれば、シート状支持体の表面に形成されたウエットなコート層が、ムラ無く乾燥されるため、乾燥後のコート層は優れた均一性および表面状態を有する。そのようなコート層は、製品の品質向上に大きく寄与する。したがって、この乾燥方法は、塗布液の塗布と乾燥とにより形成される、磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層を形成するに際し、特に好ましく実施される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥装置の模式図である。
【図2】蒸着型磁気記録媒体の略断面図である。
【符号の説明】
101 アンワインダ部、102... コータヘッド部、103...低温乾燥ゾーン、104...高温乾燥ゾーン、105...ワインダ部、106a,106b...磁気記録媒体の原反、108a,108b,108c...支持ロール、110...乾燥装置、10...磁気記録媒体、11...非磁性支持体、12...磁性層(強磁性金属薄膜)、13...保護層、14...潤滑剤層、15...バックコート層。

Claims (13)

  1. 乾燥ゾーンを2以上含み、被処理物を搬送して各乾燥ゾーン内で乾燥させる乾燥装置であって、最も上流に位置する乾燥ゾーンが、低温かつ低湿のガスを吹き出す低温ガス吹出ノズルを有する低温乾燥ゾーンであり、低温乾燥ゾーンより下流に位置する乾燥ゾーンが、低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスよりも高温のガスを吹き出す高温ガス吹出ノズルを有する高温乾燥ゾーンである乾燥装置。
  2. 被処理物がウエットなコート層を有するシート状支持体であり、当該ウエットなコート層に含まれる溶媒を蒸発させるために用いられる請求項1に記載の乾燥装置。
  3. ウエットなコート層に含まれる溶媒の沸点をVmとしたときに、低温ガス吹出ノズルが、温度が(Vm−30)℃以下であり、相対湿度が5〜20%であるガスを吹き出す、請求項2に記載の乾燥装置。
  4. 低温ガス吹出ノズルから吹き出されるガスの温度が、5℃以上である請求項3に記載の乾燥装置。
  5. ウエットなコート層に含まれる溶媒の沸点をVmとしたときに、高温ガス吹出ノズルが、温度が(Vm−30)℃〜(Vm+50)℃の範囲内にあるガスを吹き出す、請求項2〜4のいずれか1項に記載の乾燥装置。
  6. 磁気記録媒体の構成要素となる成分を含む塗布液をシート状支持体に塗布してウエットなコート層を形成するコーティング装置、および当該ウエットなコート層を乾燥させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の乾燥装置を含む磁気記録媒体の製造装置。
  7. コーティング装置が、磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層を構成する成分を含む塗布液を塗布する装置である、請求項6に記載の磁気記録媒体の製造装置。
  8. ウエットなコート層を有するシート状支持体を被処理物とし、ウエットなコート層を乾燥させる方法であって、当該ウエットなコート層を、低温かつ低湿のガスで乾燥させた後、それよりも高い温度のガスで乾燥させる乾燥方法。
  9. ウエットなコート層に含まれる溶媒の沸点をVmとしたときに、低温かつ低湿のガスとして、温度が(Vm−30)℃以下であり、相対湿度が5〜20%であるガスを使用する、請求項8に記載の乾燥方法。
  10. 低温かつ低湿のガスとして、温度が5℃以上であるガスを使用する請求項9に記載の乾燥方法。
  11. ウエットなコート層に含まれる溶媒の沸点をVmとしたときに、低温かつ低湿のガスよりも高い温度のガスとして、温度が(Vm−30)℃〜(Vm+50)℃の範囲内にあるガスを使用する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の乾燥方法。
  12. 磁気記録媒体の構成要素となる成分を含む塗布液をシート状支持体に塗布してウエットなコート層を形成すること、および当該ウエットなコート層を、請求項8〜11のいずれか1項に記載の乾燥方法で乾燥させて、磁気記録媒体の構成要素を形成することを含む、磁気記録媒体の製造方法。
  13. ウエットなコート層が、乾燥後、磁気記録媒体の潤滑剤層またはバックコート層を構成するものである請求項12に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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