JP2001113216A - 塗布製造物、塗布製造装置および塗布製造方法 - Google Patents
塗布製造物、塗布製造装置および塗布製造方法Info
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Abstract
厚不均一の問題を解決する塗布製造物、塗布製造方法お
よび塗布製造装置。 【解決手段】 支持搬送手段は、支持体2の塗膜とは反
対側から支持する複数の棒状部材71〜77を有し、バ
ックロール1の頂点と棒状部材のうち最も前記バックロ
ールに近い上流側にある第1棒状部材とを結ぶ線と、水
平面との成す第1傾斜角が0.2〜10度の範囲であっ
て、前記第1棒状部材の下流側n番目に位置する第n棒
状部材と該第n棒状部材の一つ下流側に位置する第n+
1棒状部材とを結ぶ線と、水平面との成す第n傾斜角
が、前記第n傾斜角の直前に位置する第n−1傾斜角よ
りも小さく、前記複数の棒状部材のそれぞれ隣り合う棒
状部材との距離が2〜300mmである。
Description
有する塗布製造物、該塗布製造物の塗布製造方法および
塗布製造装置に関する。
μm以上もある塗布製造物では、塗布直後にウェットな
状態の塗膜が流動しやい問題がある。例えば、塗布直後
の搬送経路が急な傾斜を有していたりすると、塗布液が
自重で垂れてきて、塗膜の膜厚を不均一にするといった
問題である。
は、少なくとも塗布直後から乾燥工程に入って塗膜の流
動が停止するまでの間(=恒率乾燥が終了するまでの
間)、水平に搬送することが必要と考えられていた。
置である。図中、部材番号1はバックロール、2は支持
体、3はコータ、4は乾燥室、5は支持搬送手段であ
る。支持体2を支持し、搬送する支持搬送手段5とし
て、搬送方向に水平に並べた2つのプーリ5aにベルト
部材5bを巻き回してエンドレスに回転させ、このベル
ト部材の上にウェット塗膜を有する支持体を載せて搬送
するというものである。
すると、支持体にほとんど張力がかからないため、支持
体が撓んだり、ツレたりして支持体表面に凸凹が発生し
やすい。特に支持体の幅方向(支持体面上で搬送方向と
直行する方向)に波打ったような凸凹が発生しやすいこ
とがわかっている。ウェットな状態の塗膜表面は水平を
保とうとする力が働くので、ここで塗膜の流動が起きる
と、塗膜の凸凹な支持体側接面と、水平な塗膜表面とが
形成され、塗膜の厚みが不均一になってしまうのであ
る。
膜厚みの不均一の問題は、塗膜が厚いことのみならず、
塗布液が分散物を含有している場合には分散物の平均粒
径が小さかったり、塗膜の結着剤のガラス転移点Tgが
低かったりすると顕著に現れることがわかった。また、
支持体のガラス転移点Tgが低い樹脂フィルム支持体の
場合には、高温での乾燥工程で支持体が凸凹を発生し易
く、更に顕著に膜厚不均一の問題が起きやすいことがわ
かった。
塗布直後の塗膜流動と非平滑な支持体による膜厚不均一
の問題を解決する塗布製造物、塗布製造方法および塗布
製造装置を提供することである。
により達成された。
ス転移点が30℃〜180℃、且つ、線膨張係数が1×
10-5K-1以上の樹脂フィルム支持体上に、分散物と結
着剤を含有する塗膜を有する塗布製造物において、前記
塗膜の乾燥膜厚が20〜500μmであって、前記塗膜
の膜厚分布が6%以下であることを特徴とする塗布製造
物。
あって、前記結着剤がガラス転移点Tg90℃以下のポ
リエステル樹脂であることを特徴とする上記1に記載の
塗布製造物。
の間に、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂を含
有し、厚み5〜50μmの下引き層を有することを特徴
とする上記1または2に記載の塗布製造物。
とする上記1〜3のいずれか1項に記載の塗布製造物。
布製造物の塗布製造方法であって、連続搬送する長尺の
前記樹脂フィルム支持体をバックロールで反転する過程
において前記樹脂フィルム支持体に塗布液を接触させて
塗布する塗布工程と、前記塗布工程において塗布された
塗膜を乾燥する乾燥工程とを有し、前記塗布工程におけ
る前記塗布液が前記樹脂フィルム支持体と接触する位置
から前記乾燥工程における前記塗膜が流動停止するまで
の位置の前記樹脂フィルム支持体の幅方向の真直度を3
mm/500mm以下とすることを特徴とする塗布製造
方法。
ためのバックロールと、前記支持体が前記バックロール
によって反転する過程において前記支持体上に塗布液を
接触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥する
乾燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流から
前記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有す
る支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する塗
布製造装置において、前記支持搬送手段は、前記支持体
の前記塗膜とは反対側から支持する複数の棒状部材を有
し、前記バックロールの頂点と前記棒状部材のうち最も
前記バックロールに近い上流側にある第1棒状部材とを
結ぶ線と、水平面との成す第1傾斜角が0.2〜10度
の範囲であって、前記第1棒状部材の下流側n番目に位
置する第n棒状部材と該第n棒状部材の一つ下流側に位
置する第n+1棒状部材とを結ぶ線と、水平面との成す
第n傾斜角が、前記第n傾斜角の直前に位置する第n−
1傾斜角よりも小さく、前記複数の棒状部材のそれぞれ
隣り合う棒状部材との距離が2〜300mmであること
を特徴とする塗布製造装置。
ためのバックロールと、前記支持体が前記バックロール
によって反転する過程において前記支持体上に塗布液を
接触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥する
乾燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流から
前記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有す
る支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する塗
布製造装置において、前記支持搬送手段は、前記支持体
の前記塗膜とは反対側から支持する曲面を描く板状部材
であって、前記バックロールの頂点と前記板状部材の前
記バックロール側の端部とを結ぶ線と、水平面との成す
初期角が0.2〜10度を有し、前記板状部材の下流側
に行くに従って水平面と成す角が小さくなることを特徴
とする塗布製造装置。
に搬送するベルト部材を有することを特徴とする上記6
または7に記載の塗布製造装置。
を接触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥す
る乾燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流か
ら前記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有
する支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する
塗布製造装置において、前記支持搬送手段は、前記支持
体の前記塗膜とは反対側から支持し、前記支持体と共に
搬送するベルト部材であって、前記ベルト部材は吸引口
を有し、前記吸引口から1×104〜7.0×104Pa
の負圧を印加して、前記支持体を前記ベルト部材に吸引
密着させて搬送することを特徴とする塗布製造装置。
支持体または前記ベルト部材と接する部分が樹脂加工さ
れ、前記樹脂加工された部分の摩擦係数が0.5以下で
あって、前記支持搬送手段の熱伝導係数が0.42W/
(m・K)以下であることを特徴とする上記6〜9のい
ずれか1項に記載の塗布製造装置。
する表面の熱伝導係数を0.42W/(m・K)以下と
したことを特徴とする上記8〜10のいずれか1項に記
載の塗布製造装置。
であることを特徴とする上記8〜11のいずれか1項に
記載の塗布製造装置。
支持体の面上で10〜90度の角度方向で、前記支持体
に5〜50N/mの張力を与える張力付与手段を有する
ことを特徴とする上記6〜12のいずれか1項に記載の
塗布製造装置。
るためのバックロールと、前記支持体が前記バックロー
ルによって反転する過程において前記支持体上に塗布液
を接触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥す
る乾燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流か
ら前記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有
する支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する
塗布製造装置において、前記支持搬送手段が、前記支持
体の面上で10〜90度の角度方向で、前記支持体に5
〜50N/mの張力を与える張力付与手段を有すること
を特徴とする塗布製造装置。
の塗布製造装置を用いて、上記1〜5のいずれか1項に
記載の塗布製造物を塗布製造する塗布製造方法。
が、加熱風をノズルから吹き出して、前記塗膜に吹き付
けて乾燥させるものであり、前記加熱風の温度が前記ノ
ズルの吹き出し口において40〜100℃であり、前記
加熱風の風速が前記ノズルの吹き出し口において1m/
sec以下であることを特徴とする上記15に記載の塗
布製造方法。
の塗布製造装置によって塗布製造された樹脂フィルム支
持体上に塗膜を有する塗布製造物。
有し、前記分散物の平均粒径が1〜5μmであって、前
記結着剤がガラス転移点Tg90℃以下のポリエステル
樹脂であることを特徴とする上記17に記載の塗布製造
物。
との間に、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂を
含有し、厚み5〜50μmの下引き層を有することを特
徴とする上記17または18に記載の塗布製造物。
徴とする上記17〜19のいずれか1項に記載の塗布製
造物。
とも一層の塗膜を有するものである。本発明に使用され
る支持体としては、紙、プラスチックフィルム、金属、
レジンコーテッド紙、合成紙等がある。プラスチックフ
ィルムの材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレンなどのビニル重合体、6,6−ナイロ
ン、6−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポ
リエステル、ポリカーボネート、セルロースアセテー
ト、セルロースダイアセテート等のセルロースアセテー
ト等が使用される。また、レジンコーテッド紙に用いる
樹脂としては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフ
ィンが代表的であるが、必ずしもこれに限定されない。
また、金属支持体としては、例えばアルミニウム支持体
がある。
厚みは、30〜350μmであることが本発明の効果が
顕著である。さらに好ましい樹脂フィルム支持体の厚み
は100〜250μmである。
そのガラス転移点Tgは30〜180℃であることが本
発明の効果が顕著であり、その素材としてはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト等が挙げられる。
は、その線膨張係数が1×10-5K-1以下であることが
必要である。線膨張係数(coefficient o
f linear thermal expansio
n)は、固体の長さが単位当たりの温度変化に対して変
化する割合を示すもので、JIS D696にその測定
法が定義されている。
液組成のものが含まれ、例えば、セラミックスシートの
セラミックス層、感光材料における感光層、下塗層、保
護層、バックコート層等の塗布液、磁気記録媒体におけ
る磁性層、下塗層、潤滑層、保護層、バックコート層等
の塗布液、その他、接着層、着色層、防錆層等の塗布液
が挙げられ、それら塗布液は水溶性バインダまたは有機
バインダを含有している。
0(1/s)のときの粘度差(最大値−最小値)が20
Pa・S以上である非ニュートン性塗布液を、200μ
m以上の比較的高膜厚に塗布する場合に効果があり、塗
布膜厚が均一で、平滑な塗布液面状を得ることが出来
る。また、剪断速度範囲0.1〜50(1/s)のとき
の粘度差(最大値−最小値)が20Pa・S以上である
非ニュートン性塗布液の中でも、特に固体粒子分散液の
場合に本発明の効果が有効に奏される。固体粒子分散液
に分散されている固体粒子としては、蛍光体等が挙げら
れる。蛍光体である場合、その平均粒径は1〜5μmで
あることが本発明の効果が顕著である。ここで平均粒径
は、任意の蛍光体100個について、それぞれの体積を
球換算したときの直径の平均値のことである。
あり、好ましくは100μm〜400μm、さらに好ま
しくは200μm〜300μmである。複数層の塗膜を
有する場合には、支持体上の全ての塗膜の総乾燥膜厚を
指す。ここで乾燥膜厚とは、塗布製造を終えて包装され
ている状態の塗布製造物の膜厚のことである。
分布が6%以下である。膜厚分布は上述の乾燥膜厚で測
定を行う。塗布製造物の塗膜表面の任意の1直線上で膜
厚を測定し、その高低差が平均膜厚に対して3%以下で
あるものを指す。
いが、ガラス転移点が90℃以下のポリエステル樹脂で
あることが好ましい。
〜50μmの下引き層を有することが塗膜の流動を抑制
する上で好ましい。塗膜の溶媒を吸収し、早く流動停止
点に達することが可能となるからである。下引き層の素
材としては、ポリエステル樹脂もしくはポリウレタン樹
脂を含有することが好ましい。
す塗布製造装置による塗布製造方法により得ることが可
能である。
を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されな
い。
手段が、複数の棒状部材である場合の一形態を示す模式
図である。図1(a)は塗布工程から乾燥工程にかけて
の概略図、図1(b)は、バックロールと棒状部材との
位置関係の説明図である。図中、符合の1はバックロー
ル、2は支持体、3はコータ、4は乾燥室、6は搬送ロ
ール、71〜77は本発明の支持搬送手段である複数の
棒状部材である。
している長尺の支持体2をバックロール1によって反転
する過程において、コータ3から供給される塗布液3c
を支持体2の上に乗せて塗布を行い、塗膜を形成する。
バックロール1で支持体2に充分張力をかけて引っ張っ
ているので、支持体2の表面に撓みやツレが起こりにく
く、精度の高い塗布を行うことが出来る。支持体の撓み
やツレがないということは、支持体の幅方向における真
直度が優れているということであり、コータにより塗布
液が支持体に接触する位置から、乾燥工程における塗膜
の流動停止位置までの間において、真直度が3mm/5
00mm以下となるよう調整することである。ここで言
う「真直度3mm/500mm以下」とは、支持体の幅
方向の500mmに対し、撓みやツレによるうねりの極
大値(頂点)と極小値(谷底)の差が3mm以内である
ことを言う。
タである。分散物を含有する塗膜の厚い塗布の場合に
は、このコンマコータは好ましく用いることが出来る。
コータ3は、ドクターナイフ3bと、バックロール1と
の間に支持体2を通過させ、この連続走行する支持体2
とドクターナイフ3bと塗布液ダム3aにより塗布液溜
めを形成し、その中に保持される塗布液3cを連続走行
する支持体2に塗布するものである。
支持体2と共働して塗布液溜めを形成する図示しないサ
イドプレートを両側に有し、このサイドプレートによっ
て塗布幅を変更可能としている。塗布液ダム3aの材質
は金属またはプラスチック等を素材として十分な剛性を
有し、バックロール1の軸と平行に支持体2との間に均
一な隙間を有するように設置されている。このコータ3
による塗布液3cと支持体2が接触して、支持体2上に
塗膜が形成される工程が塗布工程である。
ンコータ、スライドホッパコータ、カーテンコータ等よ
く知られている技術を採用することが可能である。
乗った支持体2は、支持搬送手段である複数の棒状部材
71〜77の上を移送され、乾燥室4に突入する。乾燥
室4は、図示しない加熱風源から送り込まれる加熱風
を、複数のノズル4aから吹き出して塗膜に吹き付けて
乾燥を行う。複数のノズル4aは、乾燥室4内におい
て、支持体2の搬送方向に等間隔で配設され、塗膜に対
し垂直に加熱風を吹き付けるようになっている。乾燥室
4を、いくつかの部屋に区分し、それぞれの部屋におい
て加熱風の温度や、風速を変化させ、効率的に乾燥を行
うようにしてもよい。乾燥室4をいくつかの部屋に区分
する場合には、上流から下流へ進む程、加熱風の温度を
高くしていき、風速も強くしていくように設定すると、
塗膜が流動したり塗膜表面が荒れて故障となったりせず
に、効率よく乾燥することが出来る。
しやすく、塗膜表面が荒れやすいため、流動停止の状態
となるまでは、塗膜に搬送ローラ等を接触させない。よ
って、塗布工程直後の乾燥方法としては、本実施の形態
のごとく、塗膜に加熱風を吹き付ける乾燥室4による乾
燥であって、乾燥室4の途中で流動停止となるよう設定
することが好ましい。ここで流動停止とは、塗膜の恒率
乾燥が終了した時点のことである。流動停止点は、乾燥
室4の中であればどこでも問題ないが、全搬送長の2/
3までに存在すると好ましい。更に好ましくは1/3ま
でである。
膜の厚さ等と関連するが、乾燥膜厚が20μm以上と厚
く、塗布液に有機溶媒を含有する場合には、ノズル4a
の吹き出し口において40〜100℃であることが膜厚
の均一性やムラ等の欠陥の点で好ましく、更に好ましく
は60〜100℃程度である。また、加熱風の風速とし
ては、同様に塗布液の組成や塗膜の厚さ等と関連する
が、乾燥膜厚が20μm以上と厚く、塗布液に有機溶媒
を含有する場合には、ノズル4aの吹き出し口におい
て、1m/sec以下であると膜厚の均一性や傷等の欠
陥の点で好ましく、さらに好ましくは0.5m/sec
以下である。
バックロール1の頂点(支持体がバックロールから離れ
る位置)と最も前記バックロール1に近い上流側にある
第1棒状部材71(の支持体2が初めて接触する点)と
を結ぶ線と、バックロール1の頂点における水平面との
なす第1傾斜角θ1が0.2〜10度の範囲であって、
θ1よりも、その下流側の第2傾斜角θ2の方が、さらに
その下流側の第3傾斜角θ3の方が小さいことが必要で
ある。つまり、第1棒状部材71の下流側n番目に位置
する第n棒状部材と、そのすぐ下流に位置する第n+1
棒状部材とを結ぶ線と水平面の成す第n傾斜角は、その
一つ前の第n−1傾斜角よりも小さいという関係を満た
し、それは具体的には、以下の関係を満たすということ
である。
n-1>θn>θn+1...そして、上記関係を満たす複数
の棒状部材は、少なくとも塗膜の流動停止点まで配設さ
れなければならない。第1傾斜角の範囲0.2〜10度
は、塗膜が垂れないために許容される傾斜であり、第2
傾斜角以降の傾斜角がだんだん小さくなることで、支持
体2に搬送方向に適度な張力をかけることが可能とな
り、支持体2の撓みやツレを防止し、膜厚の不均一や塗
膜欠陥を防止することが出来るのである。
れないが、支持体2裏面(塗膜面の反対側)に不用な摩
擦を与えずスムーズに搬送可能である円筒形が好まし
い。また、棒状部材は、固定されてそれ自体は動かなく
てもよいし、フリーロールのように支持体2の搬送にあ
わせて回転自在であってもよい。円筒の直径は6〜15
0mm程度が支持体の撓みやツレの防止の観点で好まし
く、さらに好ましくは20〜50mm程度である。隣り
合う棒状部材と棒状部材の距離d(一番狭い間隙)は、
2〜300mmであり、さらに好ましくは2〜150m
mである。バックロール1の頂点と、第1棒状部材との
距離は、バックロール1による反転搬送に支障がない範
囲で短い方が好ましく、具体的には150mm程度以下
が好ましい。
擦が大きいと、搬送がスムーズとならず、塗膜流動を起
こしやすいので、棒状部材と支持体2との接触部分の摩
擦係数は0.5以下であることが好ましい。そのため
に、棒状部材の少なくとも支持体2と接触する部分に樹
脂加工を施すことも好ましい。さらに、乾燥効率を高め
るため、棒状部材の熱伝導係数は、15.0W/(m・
K)であることが好ましい。このようにするためには、
棒状部材にフッ素樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル等の
樹脂をライニングする加工、若しくは、フッ素樹脂加工
されたテープを貼付したりする樹脂加工を施す等で達成
可能である。
送方向に対し支持体2の面上で90度の方向)で水平な
(真っ直ぐな)棒状であってもよいが、支持体2の幅方
向でアーチ状に弧を描いていてもよい。アーチは支持体
2の幅方向の真ん中が高く、端に行く程下がっている形
状である。こうすることにより、支持体2の幅方向に張
力が働き、支持体の撓みやツレが解消可能である。
持搬送手段において、上記説明した棒状部材の上であっ
て、支持体2との間に、従来例の図3で説明したごとく
のベルト部材を設け、一緒に搬送するような機構とする
態様も支持体2のツレや撓みを防ぎ塗膜の膜厚均一性を
達成する上で好ましい。
W/(m・K)以下とすることでさらに乾燥ムラを防ぐ
ために効果がある。
製または金属製とすることが好ましい。ベルト部材が、
織物の布製である場合、織り(縦糸と横糸)の方向を搬
送方向に対して(a)角度を持たせること、(b)ベル
ト部材の織りを緻密な構成とすること、(c)表面に樹
脂を含浸させること、(d)表面を樹脂によりコーティ
ングすること、(e)ベルト部材を走行方向に対して直
角方向に揺動させる構成とすること等により乾燥ムラを
防止出来る。
材の搬送方向と織りの方向とが同じでは、ベルト部材と
支持体との間に速度差を持たせたとしても、縦糸が支持
体の同じ位置に当たるため、縦糸のない部分に対して伝
熱の状態が異なってしまうため乾燥ムラが生じる。織り
を斜めとすることにより、接触状態が常に変化するた
め、伝熱が均一となり、乾燥ムラが抑えられる。(b)
織りの目が広いと、縦糸と横糸との隙間が大きく、糸の
ある部分とない部分で放射熱や接触状態の違いにより伝
熱の状態が異なる。織りを密にすることにより、縦糸と
横糸の隙間が小さくなり、実質的に1枚のプレートと同
様に扱うことができる。(c)及び(d)樹脂で表面を
覆うことにより、熱伝導係数を0.4W/(m・K)以
下にすることで伝熱状態が均一化される。利用する樹脂
としては、フッ素樹脂、シリコンゴム、各種ゴムが挙げ
られる。(e)ベルト部材を動揺させることにより、ベ
ルト部材と支持体との接触状態が変化するため、ベルト
の織り目の影響を抑えることができる。
る発塵を防止するために、ベルト部材の裏面に発塵防止
加工を施すことが好ましい。
ては、乾燥ムラの発生防止のため、金属ベルト部材の表
面をフッ素樹脂、シリコンゴム、各種ゴム等でライニン
グし、熱伝達速度を緩慢にすることが好ましい。
示しないが支持体2の搬送方向に対し、支持体2の面上
で10〜90度の角度方向で、前記支持体に張力を与え
る張力付与手段を設けることも好ましい。支持体2の幅
方向の端部を引っ張ることで、支持体2の撓みやツレを
防止し、塗膜の膜厚均一性を高めることが可能となる。
張力付与手段としては、特に制限はないが、樹脂フィル
ムの製造時に幅方向に延伸するためのテンター等が挙げ
られる。張力付与手段で支持体の幅方向端部を引っ張る
方向としては、搬送方向に直角が好ましい。
手段が、曲面を描く板状部材である場合の一形態を示す
模式図である。図2(a)は塗布工程から乾燥工程にか
けての概略図、図2(b)は、バックロールと板状部材
との位置関係の説明図である。図中の符合で、図1と同
じものは、同じ部材を指し、よって説明は省略する。符
合8が板状部材である。
に図1で説明した棒状部材と概念的には同じ働きをする
ものである。
2がバックロール1から離れる点)と板状部材8の搬送
方向のバックロール1側の端部(支持体2が板状部材8
と初めて接触する点)とを結ぶ線と、水平面との成す初
期角θ1が0.2〜10度を有し、前記板状部材の下流
側に行くに従って水平面と成す角(図中のθ2、θ3等)
がだんだん小さくなるような曲率を描く。つまり、以下
の関係を満たす。
n-1>θn>θn+1...θnの基点は、板状部材の任意の
位置でよい。そして、上記関係を満たす複数の棒状部材
は、少なくとも塗膜の流動停止点まで配設されなければ
ならない。
可能な剛性を有していれば特に限定はないが、金属製の
板が好ましい。
は、上述の棒状部材に関するものをそのまま適用するこ
とが出来る。また、支持搬送手段として、板状部材の上
であって支持体2の下に位置させて、ベルト部材を設け
たり、張力付与手段を設けたりする方法についても、上
述の図1と同様である。
送手段に限らず、ベルト部材を用いて支持体を搬送する
場合において、ベルト部材に多数の吸引口を空け、支持
体の裏面側から負圧を印加して、支持体をベルト部材に
吸引密着させるようにすると、支持体の撓みやツレが減
少し、支持体の真直度が向上し、塗膜の膜厚不均一や傷
等の塗布故障を防止することが可能である。当然なが
ら、この吸引密着の支持搬送は、塗膜の流動停止点まで
の間に行うことが好ましい。負圧の大きさとしては1×
104〜7×104Paが好ましく、さらには1×104
〜4×104Paが好ましい。
これに限定されない。
点Tg70℃、線膨張係数8×10-5K-1のポリエチレ
ンテレフタレート支持体上に、塗布液を塗布した。塗布
液は、分散物として平均粒径3μmの輝尽性蛍光体Ba
FI:Eu2+を、結着剤としてポリエステル樹脂を含有
しており、輝尽性蛍光体:ポリエステル樹脂の容量%=
85:15であって、固形分濃度80質量%であった。
乾燥膜厚は350μmとなるよう調整した。
いて、上記塗布を行った。尚、乾燥室の加熱風の温度は
図4のグラフのように変化させ、風速は0.5m/se
cとした。棒状部材の摩擦係数は0.3、熱伝導係数は
15.0W/(m・K)であった。塗膜の膜厚分布を併
せて図4に示す。
て、上記塗布を行った。乾燥室の条件は上記本発明と同
様である。塗膜の膜厚分布を併せて図4に示す。
造装置を用いて、塗布製造を行ったところ、すぐれた膜
厚分布の塗膜製造物を得ることが出来た。
用いたもの、図1の塗布製造装置に更に吸引口を有する
ベルト部材を併用したもの、図1の塗布製造装置に張力
付与手段を併用したものにて同じく実験を行ったとこ
ろ、同等以上に優れた結果を得ることが出来た。
のポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂の下引き層
を設けたもので、同様な塗布製造を行ったところ、本発
明の塗布製造装置を用いた塗布製造では、さらに優れた
結果を得ることが出来た。
る膜厚不均一の問題を解決する塗布製造物、塗布製造方
法および塗布製造装置を提供することが出来た。
の棒状部材である場合の一形態を示す模式図である。
を描く板状部材である場合の一形態を示す模式図であ
る。
を示す模式図である。
熱風温度を変化させたときの塗膜の膜厚分布について示
したグラフである。
3)
としては、蛍光体が挙げられる。蛍光体である場合、そ
の平均粒径は1〜5μmであることが本発明の効果が顕
著である。ここで、平均粒径は、任意の蛍光体100個
について、それぞれの体積を球換算した時の直径の平均
値のことである。
Claims (20)
- 【請求項1】 厚みが30〜350μmであり、ガラス
転移点が30〜180℃、且つ、線膨張係数が1×10
-5K-1以上の樹脂フィルム支持体上に、分散物と結着剤
を含有する塗膜を有する塗布製造物において、前記塗膜
の乾燥膜厚が20〜500μmであって、前記塗膜の膜
厚分布が6%以下であることを特徴とする塗布製造物。 - 【請求項2】 前記分散物の平均粒径が1〜5μmであ
って、前記結着剤がガラス転移点Tg90℃以下のポリ
エステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の
塗布製造物。 - 【請求項3】 前記樹脂フィルム支持体と前記塗膜との
間に、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂を含有
し、厚み5〜50μmの下引き層を有することを特徴と
する請求項1または2に記載の塗布製造物。 - 【請求項4】 前記分散物が蛍光体であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布製造物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗
布製造物の塗布製造方法であって、連続搬送する長尺の
前記樹脂フィルム支持体をバックロールで反転する過程
において前記樹脂フィルム支持体に塗布液を接触させて
塗布する塗布工程と、前記塗布工程において塗布された
塗膜を乾燥する乾燥工程とを有し、前記塗布工程におけ
る前記塗布液が前記樹脂フィルム支持体と接触する位置
から前記乾燥工程における前記塗膜が流動停止するまで
の位置の前記樹脂フィルム支持体の幅方向の真直度を3
mm/500mm以下とすることを特徴とする塗布製造
方法。 - 【請求項6】 連続搬送する長尺の支持体を反転するた
めのバックロールと、前記支持体が前記バックロールに
よって反転する過程において前記支持体上に塗布液を接
触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥する乾
燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流から前
記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有する
支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する塗布
製造装置において、 前記支持搬送手段は、前記支持体の前記塗膜とは反対側
から支持する複数の棒状部材を有し、前記バックロール
の頂点と前記棒状部材のうち最も前記バックロールに近
い上流側にある第1棒状部材とを結ぶ線と、水平面との
成す第1傾斜角が0.2〜10度の範囲であって、 前記第1棒状部材の下流側n番目に位置する第n棒状部
材と該第n棒状部材の一つ下流側に位置する第n+1棒
状部材とを結ぶ線と、水平面との成す第n傾斜角が、前
記第n傾斜角の直前に位置する第n−1傾斜角よりも小
さく、 前記複数の棒状部材のそれぞれ隣り合う棒状部材との距
離が2〜300mmであることを特徴とする塗布製造装
置。 - 【請求項7】 連続搬送する長尺の支持体を反転するた
めのバックロールと、前記支持体が前記バックロールに
よって反転する過程において前記支持体上に塗布液を接
触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥する乾
燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流から前
記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有する
支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する塗布
製造装置において、 前記支持搬送手段は、前記支持体の前記塗膜とは反対側
から支持する曲面を描く板状部材であって、前記バック
ロールの頂点と前記板状部材の前記バックロール側の端
部とを結ぶ線と、水平面との成す初期角が0.2〜10
度を有し、 前記板状部材の下流側に行くに従って水平面と成す角が
小さくなることを特徴とする塗布製造装置。 - 【請求項8】 前記支持搬送手段上を前記支持体と共に
搬送するベルト部材を有することを特徴とする請求項6
または7に記載の塗布製造装置。 - 【請求項9】 連続搬送する長尺の支持体上に塗布液を
接触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥する
乾燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流から
前記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有す
る支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する塗
布製造装置において、 前記支持搬送手段は、前記支持体の前記塗膜とは反対側
から支持し、前記支持体と共に搬送するベルト部材であ
って、前記ベルト部材は吸引口を有し、前記吸引口から
1×104〜7.0×104Paの負圧を印加して、前記
支持体を前記ベルト部材に吸引密着させて搬送すること
を特徴とする塗布製造装置。 - 【請求項10】 前記支持搬送手段の少なくとも前記支
持体または前記ベルト部材と接する部分が樹脂加工さ
れ、前記樹脂加工された部分の摩擦係数が0.5以下で
あって、前記支持搬送手段の熱伝導係数が0.42W/
(m・K)以下であることを特徴とする請求項6〜9の
いずれか1項に記載の塗布製造装置。 - 【請求項11】 前記ベルト部材の前記支持体と接触す
る表面の熱伝導係数を0.42W/(m・K)以下とし
たことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記
載の塗布製造装置。 - 【請求項12】 前記ベルト部材が布製または金属製で
あることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に
記載の塗布製造装置。 - 【請求項13】 前記支持体の搬送方向に対し、前記支
持体の面上で10〜90度の角度方向で、前記支持体に
5〜50N/mの張力を与える張力付与手段を有するこ
とを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の
塗布製造装置。 - 【請求項14】 連続搬送する長尺の支持体を反転する
ためのバックロールと、前記支持体が前記バックロール
によって反転する過程において前記支持体上に塗布液を
接触させ塗膜を形成するコータと、前記塗膜を乾燥する
乾燥手段と、少なくとも前記コータの位置する上流から
前記乾燥手段の位置する下流にわたって前記塗膜を有す
る支持体を支持し、搬送する支持搬送手段とを有する塗
布製造装置において、前記支持搬送手段が、前記支持体
の面上で10〜90度の角度方向で、前記支持体に5〜
50N/mの張力を与える張力付与手段を有することを
特徴とする塗布製造装置。 - 【請求項15】 請求項6〜14のいずれか1項に記載
の塗布製造装置を用いて、請求項1〜5のいずれか1項
に記載の塗布製造物を塗布製造する塗布製造方法。 - 【請求項16】 前記塗布製造装置の前記乾燥手段が、
加熱風をノズルから吹き出して、前記塗膜に吹き付けて
乾燥させるものであり、前記加熱風の温度が前記ノズル
の吹き出し口において40〜100℃であり、前記加熱
風の風速が前記ノズルの吹き出し口において1m/se
c以下であることを特徴とする請求項15に記載の塗布
製造方法。 - 【請求項17】 請求項6〜14のいずれか1項に記載
の塗布製造装置によって塗布製造された樹脂フィルム支
持体上に塗膜を有する塗布製造物。 - 【請求項18】 前記塗膜は分散物および結合材を含有
し、前記分散物の平均粒径が1〜5μmであって、前記
結着剤がガラス転移点Tg90℃以下のポリエステル樹
脂であることを特徴とする請求項17に記載の塗布製造
物。 - 【請求項19】 前記樹脂フィルム支持体と前記塗膜と
の間に、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂を含
有し、厚み5〜50μmの下引き層を有することを特徴
とする請求項17または18に記載の塗布製造物。 - 【請求項20】 前記分散物が蛍光体であることを特徴
とする請求項17〜19のいずれか1項に記載の塗布製
造物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29359799A JP2001113216A (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 塗布製造物、塗布製造装置および塗布製造方法 |
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JP29359799A JP2001113216A (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 塗布製造物、塗布製造装置および塗布製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001113216A true JP2001113216A (ja) | 2001-04-24 |
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ID=17796785
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JP29359799A Pending JP2001113216A (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 塗布製造物、塗布製造装置および塗布製造方法 |
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-
1999
- 1999-10-15 JP JP29359799A patent/JP2001113216A/ja active Pending
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