JP2002331267A - 塗布膜の乾燥方法 - Google Patents

塗布膜の乾燥方法

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JP2002331267A
JP2002331267A JP2001138783A JP2001138783A JP2002331267A JP 2002331267 A JP2002331267 A JP 2002331267A JP 2001138783 A JP2001138783 A JP 2001138783A JP 2001138783 A JP2001138783 A JP 2001138783A JP 2002331267 A JP2002331267 A JP 2002331267A
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drying
coating film
coating
bulb temperature
dry
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JP2001138783A
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Shotaro Ogawa
正太郎 小川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリビニルアルコールをバインダーの主成分と
する塗布液をウエブに塗布して形成される塗布膜を乾燥
する際に、高速乾燥しても塗布膜の厚みが乱れたり、表
面平滑性や表面光沢が低下したりすることがない。 【解決手段】ポリビニルアルコールをバインダーの主成
分とする塗布液a,bをウエブ12に塗布して得られる
PVA塗布膜を、乾燥装置18で乾燥する際に乾燥風の
乾球温度の平均値が30〜50℃の範囲、乾燥風の湿球
温度の平均値が25℃以下になるように乾球温度と湿球
温度との関係を設定することにより、塗布膜面からの水
分の蒸発速度が速すぎたり遅すぎたりしないようにでき
るので、均一な表面を有する膜面形成が可能になり、し
かも高速乾燥にも対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布膜の乾燥方法に
係り、特に、写真材料、感熱・感圧記録材料、印刷版材
等の画像記録材料の製造において、連続走行している帯
状支持体(以下「ウエブ」と称す)に、ポリビニルアル
コール(以下「PVA」と称す)を含有したPVA塗布
液を塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を乾燥する
乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PVAは、塗布液をウエブに塗布する際
の親水性バインダーとして用いられ、塗布形成された塗
布膜にバリヤー性や表面強度を持たせるために使用され
る。
【0003】PVAを含む塗布膜の乾燥に関する従来の
技術としては、特開2000−27093号公報に、P
VAとホウ酸を含む塗布液を35〜50℃で塗布した
後、塗布膜温度を20℃以下に冷却してから、20℃以
上の温度で乾燥することにより、高速塗布、急速乾燥に
適した空隙層を有するインクジェット記録用紙を製造す
ることが開示されている。また、特開2000−158
807号公報には、カチオン性ポリマーとPVAを含む
塗布液を塗布した後、塗布膜温度を20℃以下に冷却し
てから、20〜70℃の温度で乾燥することにより、光
沢性に優れ、ひび割れを改善し、且つ耐水性の良好なイ
ンクジェット記録用紙を製造することが開示されてい
る。
【0004】しかし、PVAを含有する塗布膜を迅速に
安定乾燥して一定の厚み、及び良好な表面状態を有する
塗布膜を形成すること(以下「均質乾燥」という)は極
めて難しい技術である。その理由は、PVA含有塗布液
は、ゼラチン溶液の塗布液のように低温でゲル化して塗
布膜を安定させる所謂「セット性」を有していないため
に、乾燥時に乾燥風によりウエブの塗布膜面が乱れ、均
質乾燥ができにくいためである。また、PVA含有塗布
液の多層同時塗布の場合には、乾燥風により各層の界面
が乱れて層同士が混合し易いために均質乾燥ができにく
い。これにより、塗布・乾燥された製品の品質や性能が
著しく低下してしまうという問題がある。
【0005】特に、本発明の主たる対象製品である写真
材料、感熱・感圧記録材料、印刷版材等の画像記録材料
は、上記した従来技術の対象製品であるインクジェット
記録用紙よりも高機能な品質が要求されるために、高精
度な乾燥を必要する。
【0006】このため、PVA含有塗布膜を乾燥する場
合、製品によっては、低温でゆっくり乾燥する方が品質
が高められる傾向がある。特に、低温でゆっくり乾燥す
ると高温で高速乾燥する場合に比べて、乾燥後の塗布膜
の厚みが乱れたり、表面平滑性や表面光沢が低下するの
を抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低温で
ゆっくり乾燥することは生産性の点で好ましくなく、生
産性を上げるために、製品の品質や性能を確保しつつで
きるだけ高速乾燥する必要がある。従って、高速乾燥し
ても塗布膜の厚みが乱れたり、表面平滑性や表面光沢が
低下したりすることのないPVA含有塗布膜の乾燥方法
が要望されている。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ポリビニルアルコールをバインダーの主成分と
する塗布液をウエブに塗布して形成される塗布膜を乾燥
する際に、高速乾燥しても塗布膜の厚みが乱れたり、表
面平滑性や表面光沢が低下したりすることのない塗布膜
の乾燥方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、前
記目的を達成するために、ポリビニルアルコールをバイ
ンダーの主成分とする塗布液を、走行するウエブに塗布
して得られる塗布膜を、乾燥する塗布膜の乾燥方法にお
いて、前記乾燥条件は、前記塗布膜を乾燥風で乾燥する
と共に、該乾燥風の乾球温度の平均値が30〜50℃の
範囲、湿球温度の平均値が25℃以下になるように乾球
温度と湿球温度との関係を設定し、且つ前記塗布後20
秒以内までは前記塗布膜の面に当たる乾燥風の風速を1
0m/秒以下に抑えることを特徴とする。
【0010】本発明は、ポリビニルアルコールをバイン
ダーの主成分とする塗布液をウエブに塗布して得られる
PVA塗布膜は、前記したように「セット性」がないこ
とから、乾燥時、特に高速乾燥時に塗布膜の厚みの乱れ
や塗布膜表面の平滑性や表面光沢性が低下しやすいが、
乾燥風の乾球温度と湿球温度との関係、及び塗布後20
秒以内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速を適切に設
定することにより解消できるとの知見に基づいてなされ
たものである。
【0011】即ち、乾燥風の乾球温度の平均値が30〜
50℃の範囲、乾燥風の湿球温度の平均値が25℃以下
になるように乾球温度と湿球温度との関係を設定するこ
とにより、塗布膜面からの水分の蒸発速度が速すぎたり
遅すぎたりしないようにできるので、均一な表面を有す
る膜面形成が可能になり、しかも乾燥を従来よりも高速
化することができる。ここで、乾球又は湿球での温度の
平均値とは、乾燥風の温度と乾燥時間の平均値である。
また、乾燥開始から60秒までの初期乾燥期間は、PV
A含有の塗布膜面が不安定な状態にあるが、初期乾燥期
間のうちでも塗布後20秒まではPVA塗布膜面が最も
不安定な状態にある。しかし、本発明のように、乾燥風
の風速を10m/秒以下に抑えることにより塗布膜面に
乱れが生じないようにできる。
【0012】本発明の請求項2は、請求項1において、
前記乾燥条件による乾燥を、乾燥開始から60秒までの
初期乾燥期間に行うようにしたので、乾燥後に一層良好
な塗布膜面を得ることができる。
【0013】本発明の請求項3は、請求項1又は2にお
いて、バインダー重量に対する前記塗布液中の固形分散
粒子重量の比(PB比)が、2以上20以下になるよう
に設定することにより、乾燥後の塗布膜面がザラついた
り、分散粒子が剥離する等の問題が生じないようにした
ものである。
【0014】本発明の請求項4は、請求項1〜3の何れ
か1において、塗布された塗布膜を冷却ゾーン(セット
ゾーンともいう)を通さずに本発明の乾燥条件の乾燥装
置で直接に乾燥するようにしたもので、これにより乾燥
時間を短縮でき、且つ冷却ゾーンに関するコストも必要
ない。
【0015】本発明の請求項5は、請求項1〜4の何れ
か1において、塗布が多層塗布の場合には、少なくとも
多層塗布膜の最上層がポリビニルアルコールをバインダ
ーの主成分とする塗布膜であるようにしたもので、本発
明は乾燥に最も影響され易い最上層がPVAを含有する
塗布膜の場合に特に効果を発揮するためである。
【0016】本発明の請求項6は、請求項1〜5の何れ
か1において、PVA塗布膜が、画像記録材料を製造す
るための塗布膜であることを限定したもので、本発明の
乾燥方法は高精度の乾燥が要求される画像処理材料にお
いて特に有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る塗布膜の乾燥方法の好ましい実施の形態について詳説
する。
【0018】図1は、本発明の塗布膜の乾燥方法を適用
する乾燥装置を組み込んだ塗布・乾燥ラインの1例を示
した概念図である。また、塗布装置はスライドホッパ方
式の2層同時塗布の例で説明するが、スライドホッパ方
式及び2層同時塗布に限定するものではない。
【0019】図1に示すように、塗布・乾燥ライン10
は、主として、ロール状に巻回されたウエブ12を送り
出す送出し装置14、ウエブ12にポリビニルアルコー
ルをバインダーの主成分とする塗布液を塗布する塗布装
置16、ウエブ12に塗布形成された塗布膜を乾燥する
乾燥装置18、及び塗布・乾燥により製造された画像記
録材料等の製品を巻き取る巻取り装置20と、ウエブ1
2が走行する搬送経路を形成する多数のガイドローラ2
2、22…とで構成される。
【0020】塗布装置16は、スライドホッパ方式のも
のを使用して2層同時塗布する場合の一例であり、ウエ
ブ12面に塗布される2種類の塗布液a,bは、図1に
示すそれぞれの塗布液タンク24、26からそれぞれの
供給ライン28、30及び供給ポンプ32、34を介し
て、図2に示すスライドホッパー36内の各マニホール
ド38、40に供給される。マニホールド38、40に
供給された各塗布液a,bは塗布幅方向に拡流された
後、スリット状に形成された各スロットル42、44を
介してスライドホッパー36上面の下方傾斜したスライ
ド面46に押し出される。スライド面46に押し出され
た各塗布液a,bは、互いに混ざり合うことなく多層塗
布膜状の塗布液となってスライド面46を流下し、スラ
イド面46下端のリップ先端48に達する。リップ先端
48に達した塗布液a,bは、リップ先端48と、バッ
クアップローラ50に巻き掛けられて走行するウエブ1
2面との間隙にビード部52を形成する。このビード部
52の下方には、ウエブ12とスライドホッパー36と
の間の空間を閉鎖するように減圧ボックス54が設けら
れ、真空ポンプ56により減圧ボックス54内の減圧度
が調整される。これにより、空間内の真空度を上げてビ
ード部52の下側を減圧(ビード背圧)することにより
ビード部52を安定化する。このビード部52では、ウ
エブ12はバックアップローラ50の周面に沿って下方
から上方に走行する。これにより、ビード部52におけ
る塗布液a,bは、ウエブ12面の上に引き上げられる
作用を受けて引き伸ばされて薄層化する。この結果、走
行するウエブ12面に薄層化した多層塗布膜を形成する
ことができる。また、スライドホッパー36を形成する
各ブロック36a,36b,36cには、スライドホッ
パー36を保温するための保温水の流路58、58…が
設けられる。尚、図2における塗布液aは多層塗布膜の
うちの上層を形成するPVA含有塗布液で、塗布液bは
下層を形成するPVA含有塗布液である。このように塗
布が多層同時塗布の場合に、本発明を有効なものとする
ためには、少なくとも多層塗布膜の最上層を形成する塗
布液がポリビニルアルコールをバインダーの主成分とす
るPVA含有塗布膜であることが好ましく、塗布液の1
%(重量比)以上がPVAであることが好ましい。ま
た、本発明の乾燥方法は塗布膜を高精度に乾燥すること
で高機能な製品を得ることが必要な写真材料、感熱・感
圧記録材料、印刷版材等の画像記録材料の製造において
特に有効である乾燥装置18は、図1に示すように、冷
却ゾーンを介さずに塗布装置16の直ぐ後段に設けら
れ、第1乾燥ゾーン60、第2乾燥ゾーン62、第3乾
燥ゾーン64の複数段の乾燥ゾーンで構成される。かか
る乾燥ゾーン60、62、64の乾燥方式としては、ロ
ーラ搬送ドライヤ方式、或いはエアフローティングドラ
イヤ方式の乾燥装置を好適に使用することができる。
【0021】ローラ搬送ドライヤ方式の乾燥ゾーンは、
図3の概念図に示すように、両端にウエブ12の入口6
6と出口68が開口されたトンネル状の装置本体70内
にウエブ12の搬送ラインに沿って複数のパスローラ7
2、72…が配置される。このように配置されたパスロ
ーラ72上を、塗布膜面を上にしてウエブ12が搬送さ
れる。また、装置本体70の上面には、エアを装置本体
70内に供給する複数の供給口74、74…が形成さ
れ、装置本体70の下面には、装置本体70内のエアを
吸引する複数の吸引口76、76…が形成される。そし
て、供給口74から後記する乾燥条件の乾燥風を供給し
ながら、吸引口76から装置本体70内のエアを吸引す
ることにより、ウエブ12面に塗布形成された塗布膜面
を乾燥する。
【0022】エアフローティングドライヤ方式の乾燥ゾ
ーンは、図4の概念図に示すように、両端にウエブ12
の入口78と出口80が開口されたトンネル状の装置本
体82内にウエブ12の搬送ラインに沿って乾燥風を吐
出する複数のエアヘッダ84、84…を配置して構成さ
れる。この複数のエアヘッダ84は、ウエブ12を挟ん
だ上方側と下方側の両方に、ウエブ12の搬送ラインに
沿って互い違いに位置するように配置される。そして、
これら互い違いに配置された複数のエアヘッダ84から
後記する乾燥条件の乾燥風をウエブ12の塗布膜面に向
けて吹き出すことにより、ウエブ12を浮上搬送させな
がら塗布膜面を乾燥する。
【0023】かかる乾燥装置18の乾燥条件としては、
乾燥風の乾球温度の平均値が30〜50℃の範囲、湿球
温度の平均値が25℃以下になるように乾球温度と湿球
温度との関係を設定し、且つ塗布後20秒以内までは塗
布膜の面に当たる乾燥風の風速を10m/秒以下に抑え
るように設定される。これは、乾燥風の乾球温度の平均
値が50℃を超えて高くなると、塗布膜表面からの水分
蒸発が速すぎるために均一な表面を有する膜形成が困難
になるためである。また、乾燥風の乾球温度の平均値が
30℃未満で、乾燥風の湿球温度の平均値が25℃を超
えて高くなると、塗布膜表面からの水分蒸発が遅すぎて
乾燥時間がかかりすぎるために生産性の低下を招くため
である。従って、乾球温度と湿球温度との関係を本発明
の乾燥条件に設定することにより、均一な表面を有する
膜形成を行うことができる。ちなみに、湿球温度の平均
値の下限を設けなかったのは、湿球温度が低くなり過ぎ
るとPVA塗布膜面に結露が発生して乾燥できなくなる
ので、下限を設ける必要がないためであるが、あえて設
けると10℃以上であることが好ましい。
【0024】ここで、乾球又は湿球での温度の平均値と
は、乾燥風の温度と乾燥時間の平均値である。例えば、
本発明の乾燥条件を乾燥装置18の第1乾燥ゾーン60
と第2乾燥ゾーン62の2段で行う場合、第1乾燥ゾー
ン60において温度30℃の乾燥風で20秒乾燥し、第
2乾燥ゾーン62において温度45℃の乾燥風で40秒
乾燥した場合には、
【0025】
【数1】(30℃×20秒+45℃×40秒)/(20
秒+40秒)=40℃が平均温度 となる。
【0026】ところで、乾燥開始から60秒までの初期
乾燥期間は、PVAを含有する塗布膜面が不安定な状態
にあるが、この初期乾燥期間のうちでも塗布後20秒ま
ではPVA塗布膜面が最も不安定な状態にあることか
ら、乾燥風の風速を10m/秒以下、好ましくは6m/
秒以下に抑えないとPVA塗布膜面に大きな乱れが生じ
易くなる。また、本発明の乾燥条件による乾燥を、乾燥
開始から60秒までの初期乾燥期間に行うことが好まし
い。これにより、乾燥後の塗布膜面に大きな乱れが生じ
にくくできるだけでなく細かい乱れも生じにくくでき
る。
【0027】また、バインダー重量に対する塗布液中の
固形分散粒子重量の比(PB比)を、2以上20以下、
好ましくは3以上10以下になるように設定することが
好ましい。これは、PB比の大小が、乾燥後の塗布膜の
膜面性状の良し悪しに影響を及ぼすとの知見に基づいて
なされたもので、PB比が2未満ではバインダーの比率
が高すぎて乾燥後の塗布膜面の滑り性や保護性の機能が
不足し、PB比が20を超えると、バインダーの比率が
低すぎて乾燥後の塗布膜面がザラついたり、分散粒子が
剥離する等の問題が生じるためである。
【0028】このように、本発明の塗布膜の乾燥方法に
よれば、乾燥風の乾球温度の平均値と湿球温度の平均値
との関係、及び乾燥開始から20秒までの乾燥風の風速
を適切に設定することにより、平滑性、光沢性、外観面
状に優れたPVA塗布膜面を有する製品を製造すること
ができる。
【0029】尚、本発明に使用するウエブとしては、
紙、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム、金属箔等
を使用することができる。
【0030】
【実施例】厚み100μmのPET(ポリエチレンテレ
フタレート)製のウエブに、図1の塗布・乾燥ラインを
使用して、表1に示す2種類の塗布液を塗布装置で2層
同時塗布し、乾燥装置で乾燥して感熱記録フィルムを製
造した。ウエブの走行速度を100m/分として従来よ
りも高速での乾燥を行った。
【0031】乾燥装置は、第1乾燥ゾーン(乾燥I)と
第2乾燥ゾーン(乾燥II)との合計乾燥時間が初期乾燥
期間である60秒になるようにし、その後は第3乾燥ゾ
ーンにおいて乾球温度30℃、湿球温度20℃の条件で
乾燥させた。尚、塗布後20秒以降に位置する第2乾燥
ゾーン、第3乾燥ゾーンの乾燥風の風速は、第1乾燥ゾ
ーンの風速よりも大きな20m/秒とした。
【0032】そして、本発明の塗布膜の乾燥方法の乾燥
条件を満足する実施例を2試験区、条件を満足しない比
較例を4試験区について感熱記録フィルムを製造し、そ
れぞれの感熱記録フィルムの塗布膜面の平滑度をJIS P8
119 に準じて測定し、光沢度をJIS P8142(75度法) に準
じて測定した。更には、表面粗さを測定すると共に、発
色後の外観面状を目視にて観察した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例及び比較例における第1乾燥装置
(乾燥I)と第2乾燥装置(乾燥II)の乾燥条件、及び
製造された感熱記録フィルムの評価を表図5に示す。
【0035】実施例1は、乾燥風の乾球温度の平均値が
34℃、湿球温度の平均値が20℃で、塗布後20秒以
内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速が8m/秒であ
り、本発明の乾燥条件を全て満足する場合である。
【0036】実施例2は、乾燥風の乾球温度の平均値が
48℃、湿球温度の平均値が24℃で、塗布後20秒以
内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速が8m/秒であ
り、本発明の乾燥条件を全て満足する場合である。
【0037】比較例1は、乾燥風の乾球温度の平均値が
28℃、湿球温度の平均値が21℃で、塗布後20秒以
内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速が8m/秒であ
り、乾球温度の平均値が本発明の下限を2℃下回る場合
である。
【0038】比較例2は、乾燥風の乾球温度の平均値が
52℃、湿球温度の平均値が24℃で、塗布後20秒以
内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速が8m/秒であ
り、乾球温度の平均値が本発明の上限を2℃上回る場合
である。
【0039】比較例3は、乾燥風の乾球温度の平均値が
42℃、湿球温度の平均値が27℃で、塗布後20秒以
内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速が8m/秒であ
り、湿球温度の平均値が本発明の条件を2℃上回る場合
である。
【0040】比較例4は、乾燥風の乾球温度の平均値が
48℃、湿球温度の平均値が24℃で、塗布後20秒以
内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速が12m/秒で
あり、乾燥風の風速が本発明の風速を2m/秒上回る場
合である。
【0041】その結果、本発明の乾燥条件を満足する実
施例1及び2により製造された感熱記録フィルムの塗布
膜面は、平滑度、光沢度、平均表面粗さ、目視による外
観面状の全て良好な結果であった。
【0042】また、比較例1及び2は、乾球温度の平均
値が本発明の上限又は下限よりも僅かに高すぎたり低す
ぎたりしたために、製造された感熱記録フィルムの塗布
膜面の評価結果、特に平滑度と平均表面粗さにおいて劣
っていた。比較例1は外観面状も悪かった。
【0043】また、比較例3は、湿球温度の平均値が本
発明の条件よりも僅かに高いために、製造された感熱記
録フィルムの塗布膜面の評価結果が劣っていた。
【0044】また、比較例4は、初期乾燥期間における
乾燥風の風速が本発明の条件よりも僅かに大きかったた
めに、製造された感熱記録フィルムの塗布膜面に大きな
乱れが認められ、特に外観面状が劣っていた。
【0045】この結果から分かるように、ポリビニルア
ルコールをバインダーの主成分とする塗布液をウエブに
塗布して得られるPVA塗布膜は、「セット性」がない
ことから、乾燥時に特に高速乾燥時に塗布膜の厚みの乱
れや塗布膜表面の平滑性や表面光沢が低下しやすいが、
乾燥風の乾球温度と湿球温度との関係、及び塗布後20
秒以内までの塗布膜面に当たる乾燥風の風速の全ての条
件を、本発明の条件に満足させることにより、平滑度、
光沢度、平均表面粗さ、目視による外観面状の全て良好
な感熱記録フィルムを製造することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗布膜の
乾燥方法によれば、ポリビニルアルコールをバインダー
の主成分とする塗布液をウエブに塗布して形成される塗
布膜を乾燥する際に、塗布膜の厚みが乱れたり、塗布膜
表面の平滑性や表面光沢性が低下することがなく、高速
乾燥にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の塗布膜の乾燥方法を適用する
乾燥装置を組み込んだ塗布・乾燥ラインの概念図
【図2】図2は、塗布・乾燥ラインで使用した塗布装置
の断面図
【図3】図3は、塗布・乾燥ラインに組み込んだ乾燥装
置でローラ搬送ドライヤ方式の例を示した概念図
【図4】図4は、塗布・乾燥ラインに組み込んだ乾燥装
置で乾燥装置でエアフローティングドライヤ方式の例を
示した概念図
【図5】図5は、本発明の実施例の条件及び結果を表に
した表図
【符号の説明】
10…塗布・乾燥ライン、12…ウエブ、14…送出し
装置、16…塗布装置、18…乾燥装置、20…巻取り
装置、22…ガイドローラ、24、26…塗布液タン
ク、32、34…供給ポンプ、36…スライドホッパ
ー、38、40…マニホールド、42、44…スロット
ル、46…スライド面、50…バックアップローラ、5
2…ビード部、66、78…入口、68、80…出口、
70、82…装置本体、74…乾燥風の供給口、76…
乾燥風の吸引口、84…エアヘッダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 13/10 G03C 1/74 13/20 B41M 5/18 111 G03C 1/74 5/12 111 Fターム(参考) 2H023 EA05 2H026 AA07 CC05 HH03 HH07 2H085 AA07 CC05 HH03 HH07 3L113 AA02 AA07 AB02 AB04 AC01 AC31 AC48 AC50 AC63 AC67 BA28 CA08 CA09 CB01 CB21 CB23 CB34 DA10 DA24 4D075 BB24Z BB33Z BB93Z BB95Z CA48 DA04 DC27 EA45

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコールをバインダーの主成
    分とする塗布液を、走行するウエブに塗布して得られる
    塗布膜を、乾燥する塗布膜の乾燥方法において、 前記乾燥条件は、 前記塗布膜を乾燥風で乾燥すると共に、該乾燥風の乾球
    温度の平均値が30〜50℃の範囲、湿球温度の平均値
    が25℃以下になるように乾球温度と湿球温度との関係
    を設定し、且つ前記塗布後20秒以内までは前記塗布膜
    の面に当たる乾燥風の風速を10m/秒以下に抑えるこ
    とを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
  2. 【請求項2】前記乾燥条件による乾燥を、乾燥開始から
    60秒までの初期乾燥期間に行うことを特徴とする請求
    項1の塗布膜の乾燥方法。
  3. 【請求項3】前記塗布液のバインダー重量に対する前記
    塗布液中の固形分散粒子重量の比(PB比)が、2以上
    20以下になるように設定することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の塗布膜の乾燥方法。
  4. 【請求項4】前記塗布された塗布膜を冷却ゾーンを通さ
    ずに前記乾燥条件の乾燥装置で直接に乾燥することを特
    徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の塗布膜の乾燥
    方法。
  5. 【請求項5】前記塗布が多層塗布の場合には、少なくと
    も多層塗布膜の最上層がポリビニルアルコールをバイン
    ダーの主成分とする塗布膜であることを特徴とする請求
    項1〜4の何れか1に記載の塗布膜の乾燥方法。
  6. 【請求項6】前記塗布膜は、画像記録材料を製造するた
    めの塗布膜であることを特徴とする請求項1〜5の何れ
    か1に記載の塗布膜の乾燥方法。
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