JP2005254087A - 多層同時塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特別に塗布液の種類、数を規定することなく、特定な添加剤、バインダー等を使用することなく高粘度の塗布液を使用し、乾燥工程で発生する乾燥ムラを抑えた生産性が上がる多層同時塗布方法の提供。
【解決手段】 連続して走行する帯状支持体上に、多層同時ダイコータを用いて複数の塗布液を同時に塗布する多層同時塗布方法において、該塗布液は組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有する上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成されていることを特徴とする多層同時塗布方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続的に走行している支持体に複数の塗布液を同時に塗布する多層同時塗布方法に関する。更に詳しくは、乾燥時に発生する乾燥ムラを防止する多層同時塗布方法に関する。
従来より連続走行している帯状支持体に塗布液を塗布・乾燥する方法としては、各種提案されており、例えばこれらの各種塗布方式については、Edward Cohen、Edgar Gutoff著「Modern Coating and Drying Technology」に述べられている。又、単層塗布のみならず、スライドコータやエクストルージョンコータやカーテンコータなど複数のスリットを有する多層同時ダイコータを用いることにより、同時に多層塗布することも知られている。
近年、写真用フィルム・印画紙等の写真感光材料や写真製版材料、磁気記録材料、熱現像感光材料、感圧記録材料等の記録材料、易接着性、易滑性、ガス遮断性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する材料等の様に塗布膜に望まれる機能が多機能化により益々複雑となっていて多層化してきている。多層を形成する塗布方法としては多層同時塗布、逐次塗布があるが逐次塗布は生産効率が悪いため現在では複数の塗布液を同時に塗布し、多層を形成する多層同時塗布が主流となっている。
多層同時塗布においては、ダイコータから有機溶剤系又は水系の複数の塗布液を連続搬送する帯状支持体の上に同時に多層塗布して塗布膜面を形成し、その後、塗布膜を有する帯状支持体は、次工程である乾燥ボックスを有する乾燥装置で乾燥することで多層の塗布膜を形成することで製造されている。乾燥ボックスは1つでも良いが通常複数個のボックスを直列に配置し、段階的に乾燥条件を変更してゆくことでより効率的な乾燥を行うことが一般的である。
連続走行している支持体に塗布液を塗布した後、乾燥する最も一般的な方法は、乾燥ボックスに温風を供給し、その温風によって塗布膜を乾燥させ、気化した溶媒を気流とともに系外へ排出する方法である。また、可燃性有機溶剤を用いる場合にはエアーの代わりに不活性ガスを供給し、実質的に爆発のない安全な仕組みにする装置も知られている。本発明の適用は、温風によって乾燥させる方式、装置であれば、エアーであっても、不活性ガスであっても特に限定されない。
乾燥工程は、塗布直後の塗布膜面を加熱した雰囲気、温風が当たる雰囲気にさらすために、塗布膜面の性状に影響を与える重要な工程となっている。一般的に乾燥工程における塗布膜面に与える問題として、乾燥工程内の温度、温風の風量等のバラツキにより乾燥ムラが生じたりすることが知られている。この傾向は、塗布液の溶媒に有機溶剤を使用している場合は強いことが知られている。尚、本発明において溶媒とは、水、有機溶剤を含む。乾燥ムラが生じた場合、得られる塗布膜の外観にムラや欠陥を生じたり、塗布膜中の残留溶媒が適正量でなかったり、残留溶媒量にバラツキを生じたりして、最終的な塗布膜品質に影響を与えることが知られている。
従来、これらの乾燥ムラに対して乾燥方法の面から次の様な対策が取られて来たことが知られている。例えば、特開平10−68587号公報には、塗布膜面に吹き付ける風の角度を規定することにより乾燥ムラを防止した乾燥を行う方法が開示されている。特表2000−508050号公報には、支持体表面に塗設された塗布膜から塗布溶剤を蒸発させる時に発生するマダラの形成を最小限に抑えるために、複数の乾燥サブゾーンを有する乾燥ゾーンを用いて、複数の乾燥サブゾーンの内少なくとも2つは制御可能な異なった乾燥条件で乾燥を行う乾燥装置が開示されている。
しかしながら、この様な乾燥条件では乾燥ムラ対策は十分でないことから、使用する塗布液についても検討がなされている。
スライドコータやエクストルージョンコータやカーテンコータなど複数のスリットを有するダイコータを用いて複数の特性の塗布液を多層同時塗布する場合、高速塗布適性の観点から塗布時の塗布液の粘度を低くする必要があるが、液粘性が低いと塗布後支持体上での流れや、乾燥風による乾燥ムラなどの発生となり易いため、高速塗布適性の観点からは粘度を高くすることは望ましくないが、乾燥風による乾燥ムラ対策のために液粘度を許し得る範囲において高くすることが行われている。例えば、連続して走行する支持体上に3層を多層同時塗布する場合、上層の塗布液の低速剪断速度0.1sec-1と高速剪断速度10sec-1とにおける剪断粘度比を下層よりも高く設定して塗布することで乾燥ムラ、を防止する塗布方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)
特許文献1に開示されている技術は、使用する塗布液の非ニュートン性を利用して乾燥風に対する耐性を上げているが次の様な問題点を持っている。1)必要とする特性を持つ非ニュートン性の塗布液を選定しなければならないため、塗布液の組成成分が限定される。2)非ニュートン性を与えるために加える添加剤により原料コストが増加する。3)塗布液の組成成分により乾燥ムラに対する抑制度合が異なる。
又、塗布後の乾燥工程において、乾燥風により塗膜の流動が起こり乾燥ムラが発生するのを防止するためにバインダーとしてポリマーラテックスを用いた画像形成層用の塗布液と保護層用の塗布液の粘度を規定することで最適な塗布面を有する熱現像感光材料を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、バインダーとしてポリマーラテックスを用いた場合の技術であり、バインダーにポリマーラテックス以外のものを使用した場合は乾燥ムラ防止には必ずしも十分な対策となっていない。
又、特許文献1、特許文献2に記載の技術では、塗布可能な塗布液の粘度の上限が低いため、隣接する層間の粘度差が大きいと界面が乱れ安定した塗布が出来ない。最上層に持ってくる塗布液の粘度は用いる塗布液の種類や数によって決まってしまう。
塗布後の乾燥工程において、乾燥風、搬送に伴う振動等の外乱により発生する、乾燥ムラに対して十分な対策となっていない。
この様な状況から、特別に塗布液の種類、数を規定することなく、特定な添加剤、バインダー等を使用することなく高粘度の塗布液を使用し、乾燥工程で発生する乾燥ムラを抑えた生産性が上がる多層同時塗布方法の開発が望まれている。
特開平9−108615号公報 特開2001−75228号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、特別に塗布液の種類、数を規定することなく、特定な添加剤、バインダー等を使用することなく高粘度の塗布液を使用し、乾燥工程で発生する乾燥ムラを抑えた生産性が上がる多層同時塗布方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
連続して走行する帯状支持体上に、多層同時ダイコータを用いて複数の塗布液を同時に塗布する多層同時塗布方法において、該塗布液は組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有する上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成されていることを特徴とする多層同時塗布方法。
(請求項2)
前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度より高い粘度を有していることを特徴とする請求項1に記載の多層同時塗布方法。
(請求項3)
前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度に対し、粘度の比が1.2〜10であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層同時塗布方法。
(請求項4)
前記第1塗布液により形成された湿潤時の膜厚と第2塗布液により形成された湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項5)
連続して走行する帯状支持体上に、異なる組成成分を有する少なくとも2層を形成する複数の塗布液を多層同時ダイコータを用いて同時塗布する多層同時塗布方法において、少なくとも1組の組成成分が同じで異なった成分濃度を有する層の組を有し、該1組の層が少なくとも2種類の上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成されていることを特徴とする多層同時塗布方法。
(請求項6)
連続して走行する帯状支持体上に、異なる組成成分を有する少なくとも2層を形成する複数の塗布液を多層同時ダイコータを用いて同時塗布する多層同時塗布方法において、少なくとも1組の組成成分が同じで異なった成分濃度を有する層の組を有し、該1組の層が少なくとも2種類の上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成され、
更に、該上側用の第1塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成の成分を有する塗布液の粘度が、前記第1塗布液よりも高く、
該下側用の第2塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成の成分を有する塗布液の粘度が、前記第2塗布液よりも低いことを特徴とする多層同時塗布方法。
(請求項7)
前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度より高い粘度を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の多層同時塗布方法。
(請求項8)
前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度に対し、粘度の比が1.2〜10であることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項9)
前記第1塗布液により形成された湿潤時の膜厚と第2塗布液により形成された湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項10)
前記上側用の第1塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液の粘度と、該上側用の第1塗布液の粘度との比が1.2〜10であることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項11)
前記下側用の第2塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液の粘度と、該下側用の第2塗布液の粘度との比が1.2〜10であることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項12)
前記上側用の第1塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚と、該上側用の第1塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項5〜11の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項13)
前記下側用の第2塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚と、該下側用の第2塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項5〜12の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
(請求項14)
前記塗布液は、熱現像感光材料用であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、スライドコータやエクストルージョンコータやカーテンコータなど複数のスリットを有するダイコータを用いて複数の特性の塗布液を多層同時塗布する場合、乾燥ムラ対策のために塗布液の粘度を上げることが出来ない要因として、1)隣接する層間の粘度差が大きいと界面が乱れ安定した塗布が出来ないこと、2)そのために、最上層の塗布液の粘度は、下層に用いる塗布液の粘度によって決まってしまうことに着目した。
これらの対応として、発明者らは更に鋭意検討を加えた結果、最上層用の塗布液の粘度を出来るだけ高くし、塗布性を維持し複数の特性の塗布液を多層同時塗布するには、粘度差が大きい2種の塗布液の間に、下側になる塗布液の粘度より高く、上側になる塗布液の粘度より低い粘度緩衝用塗布液を塗布することで急激な粘度差の発生を抑え、塗布性を維持し、且つ、乾燥風による乾燥ムラを防止することが可能であることが判り本発明に至った次第である。
特別に塗布液の種類、数を規定することなく、また、特定な添加剤、バインダー等を使用することなく高粘度の塗布液を使用し、乾燥工程で発生する乾燥ムラを抑えた生産性が上がる多層同時塗布方法を提供することが出来、乾燥ムラを抑えた高速塗布が可能となり品質が安定し、且つ生産性の向上が可能となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図4を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の多層同時塗布方法の一例を熱現像感光材料の製造方法に適用した場合について説明する。
図1は多層同時塗布から乾燥工程を含む熱現像感光材料の製造方法の一例を示す概略図である。
図中、1はバックロール2で保持され、連続搬送する帯状支持体3に感光層を形成する感光層用塗布液と保護層を形成する保護層用塗布液と、最下層を形成する最下層用塗布液を同時に塗布する多層同時ダイコータを示す。多層同時ダイコータとしては特に制限はなく、例えばカーテンコータ、エクストルージョンコータ、スライドコータ等の公知のコータが挙げられる。本図は5層同時塗布用のスライドコータを使用した場合を示してる。又、多層同時塗布用のダイコータを用いた多層同時塗布方法に関しては、特開2000−15173号公報に詳細な記載がある。
4a〜4cは最下層を形成する塗布膜と、感光層を形成する塗布膜と、保護層を形成する塗布膜とを有する帯状支持体3aの搬送(搬送方向は図中の矢印方向)を支持する支持ロールを示す。5は帯状支持体3aを乾燥する乾燥装置を示す。乾燥装置5は加熱空気により乾燥するエアーモード乾燥方式の乾燥装置、加熱不活性ガスにより乾燥するイナート乾燥方式の乾燥装置のいずれでもかまわない。乾燥装置5は乾燥条件を個別に制御することが可能となっている乾燥ボックス501a、501bを連続的に繋げた乾燥ゾーンを有している。更に詳しくは、感光層を形成する塗布膜と保護層を形成する塗布膜とを有する帯状支持体3aの乾燥ボックス501aの入り口502から乾燥ボックス501bの出口503の間を乾燥ゾーンという。
乾燥ボックスの数は特に限定はなく、乾燥する塗布膜を有する帯状支持体3aの塗布膜厚、搬送速度、乾燥温度、乾燥風量等により適宜変更が可能である。本図では乾燥ボックスが2室の場合を示している。
504a、504bは帯状支持体3aに温風を供給するために、各乾燥ボックス501a、501bに配設された温風供給手段である温風供給ヘッダを示す。
505a、505bは各乾燥ボックス501a、501bに配設された温風の排気口を示す。506a、506bは各温風供給ヘッダ504a、504bに設けられた温風供給口を示す。507a、507bは各温風供給ヘッダ504a、504bに設けられた温風吹き出し口を示す。508a、508bは温風供給管6から送られてくる温風の制御ボックスを示し、ヒータとクーラを有している。509a、509bはフィルタを示す。510a、510bは各温風供給ヘッダ504a、504bに温風を送る温風供給ファンを示し、511a、511bは排気ファンを示す。
各温風供給ファン510a、510bにより温風供給管6から送られてくる温風は、各制御ボックスにより温度が調整され、各フィルタ509a、509bでゴミが除去され、各温風供給ヘッダ504a、504bに供給される。供給された温風は温風吹き出し口507a、507bから塗布膜を有する帯状支持体3a上に吹き付け塗布膜を乾燥させた後、溶媒蒸気を含んだ温風は排気口505a、505bから排気ファン511a、511bにより排気管7を介して乾燥装置5の外に排気される。
温風吹き出し口507a、507bは、幅方向に略均一な乾燥風を吹き出すために、パンチングプレートやスリットノズルにより形成されている。吹出し口507a、507bから塗布膜面に供給される温風は、常温から120度程度に加熱された温風を塗布膜の種類に応じて適宜選択して使用することが可能となっている。
8は塗布液供給部を示す。8aは下層に使用する下層用塗布液のタンクを示し、801a1はタンク8aに入っている下層用塗布液を示す。下層用塗布液は送液ポンプ801a1により送液管801a2を介して多層同時ダイコータ1に送られる。
本図では下層用塗布液は分割しない場合を示しているが、下層用塗布液801a1を2割し、使用している溶媒で必要に応じた粘度になるように調整した2種類の最下層用塗布液を使用してもかまわない。即ち、組成成分が同じで、異なった成分濃度を有する状態の2種類の最下層用塗布液を使用することも可能である。勿論、分割は必要に応じて多分割が可能となっている。
8b1、8b2は感光層用塗布液の各タンクを示し、802b1はタンク8b1に入っている第2感光層用塗布液を示し、802b2はタンク8b2に入っている第1感光層用塗布液を示す。第2感光層用塗布液802b1は送液ポンプ802b11により送液管802b12を介して多層同時ダイコータ1に送られる。第1感光層用塗布液802b2は送液ポンプ802b21により送液管802ba22を介して多層同時ダイコータ1に送られる。
感光層用塗布液は第2感光層用塗布液802b1と、第1感光層用塗布液802b2とから構成されており、一つの感光層用塗布液を2割し、使用している溶媒で必要に応じた粘度になるように調整した状態の感光層用塗布液となっている。即ち、組成成分が同じで、異なった成分濃度を有する状態の感光層用塗布液となっている。本図では2分割の場合を示しているが、分割は必要に応じて多分割が可能となっている。
8c1、8c2は保護層用塗布液の各タンクを示し、803c1はタンク8c1に入っている第2保護層用塗布液を示し、803c2はタンク8c2に入っている第1保護層用塗布液を示す。第2保護層用塗布液803c1は送液ポンプ803c11により送液管803c12を介して多層同時ダイコータ1に送られる。第1保護層用塗布液803c2は送液ポンプ803c21により送液管803ca22を介して多層同時ダイコータ1に送られる。
保護層用塗布液は第2保護層用塗布液803c1と、第1保護層用塗布液803c2とから構成されており、一つの保護層用塗布液を2割し、使用している溶媒で必要に応じた粘度になるように調整した状態の保護層用塗布液となっている。即ち、組成成分が同じで、異なった成分濃度を有する状態の保護層用塗布液となっている。本図では2分割の場合を示しているが、分割は必要に応じて多分割が可能となっている。
コータ1に送られた各塗布液は、順次積層された状態でスライド面101を流下し帯状支持体上に塗布され、乾燥装置5により溶媒が蒸発し、帯状支持体上に、最下層、感光層及び保護層が形成される。9は乾燥が終了し帯状支持体上に感光層及び保護層が形成された熱現像材料を巻き芯901にロール状に巻き取ったロール状熱現像材料を示す。
乾燥ゾーンでは、設定温度に制御された温風により、帯状支持体上に、最下層用塗布液、感光層用塗布液及び保護層用塗布液を塗布し形成された塗布膜中の溶媒を蒸発させ塗布膜を乾燥させる。この際、この温風によって塗布膜面が乱れ、塗布膜の厚みムラとなる現象が生じ、これにより乾燥ムラが発生することがある。この温風を弱めることによって乾燥ムラは抑制方向にあるが、弱めれば弱めるほど乾燥が遅れることになり、乾燥ゾーンの処理時間を長くする必要が生じてくる。その場合、乾燥ゾーンは長く必要となり設備コストの増大を招いたり、搬送速度を落とし生産性を低下させたりするという不具合が生じる。特に熱現像感光材料では通常では問題とならないような微細な膜厚ムラも現像によって顕在化することが多く、塗布膜均一性への要求精度は極めて高い。
本発明の多層同時塗布方法は、この温風による乾燥ムラを抑制するための方法であり、具体的手段に付き図2を参照しながら以下に述べる。
図2は図1で示される塗布装置により、図1で示される帯状支持体上に、図1に示される塗布液を塗布した直後の塗布膜の構成を示す帯状支持体の概略断面図である。
本図では、第1保護層用塗布膜3a32の形成に使用する第1保護層用塗布液803c2(図1を参照)及び第1感光層用塗布膜3a22の形成に使用する第1感光層用塗布液802ba2(図1を参照)が本発明に係る上側用の第1塗布液に該当する。又、第2保護層用塗布膜3a31の形成に使用する第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)及び第2感光層用塗布膜3a21の形成に使用する第2感光層用塗布液802b1(図1を参照)が本発明に係る下側用の第2塗布液に該当する。上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とは組成成分が同じで異なった成分濃度を有し、これらの塗布液で形成された塗布膜層は乾燥後は同一機能を有する層となる。
塗布直後の最下層3a1は、下層用塗布液801a(図1を参照)を帯状支持体3上に塗設し形成された最下層用塗布膜3a11を有している状態となっている。
塗布直後の感光層3a2は、第2感光層用塗布液802b1(図1を参照)を最下層用塗布膜3a11上に塗設し、形成された第2感光層用塗布膜3a21と、第2感光層用塗布膜3a21上に第1感光層用塗布液802ba2(図1を参照)を塗設し形成された第1感光層用塗布膜3a22とを有している状態となっている。
塗布直後の保護層3a3は、第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)を第1感光層用塗布膜3a22上に塗設し形成された第2保護層用塗布膜3a31と、第2保護層用塗布膜3a31上に第1保護層用塗布液803c2(図1を参照)を塗設し形成された第1保護層用塗布膜3a32とを有している状態となっている。
本図では、感光層、保護層とが各層を構成する各塗布液を2分割(上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液に分割する)し、各塗布液に使用している溶媒で必要に応じた粘度になるように調整し、多層同時ダイコータ1(図1を参照)により多層同時塗布した塗布直後の状態を示しているが、各層の分割は必要に応じて多分割が可能となっている。
次に各層を形成する塗布液の粘度につき説明する。最下層用塗布膜3a11を形成する最下層用塗布液801a(図1を参照)の粘度は、第2感光層用塗布膜3a21を形成する第2感光層用塗布液802b1(図1を参照)の粘度よりも低くなっており、最下層用塗布液801aの粘度と、第2感光層用塗布液802b1との粘度の比は1.2〜10であることが好ましい。第2感光層用塗布液802b1が第1感光層用塗布液802b2(図1を参照)の粘度緩衝用塗布液となっている。粘度緩衝用塗布液である第2感光層用塗布液802b2は第2感光層用塗布液802b1と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、乾燥後は同一機能を有する感光層を形成する。第2感光層用塗布液802b1を設けることで最下層用塗布液801aとの粘度差を小さくして塗布を安定にすると同時に第1感光層用塗布液802b2の粘度を高くすることが可能となる。
第2感光層用塗布膜3a21を形成する第2感光層用塗布液802b1(図1を参照)と、第1感光層用塗布膜3a22を形成する第1感光層用塗布液802b2(図1を参照)との粘度は、第1感光層用塗布液の粘度が第2感光層用塗布液の粘度よりも高くなっており、第1感光層用塗布液と第2感光層用塗布液との粘度の比は1.2〜10であることが好ましい。
第1感光層用塗布膜3a22を形成する第1感光層用塗布液802b2(図1を参照)と、第2保護層用塗布膜3a31を形成する第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)との粘度は、第2保護層用塗布膜3a31を形成する第2保護層用塗布液803c1の粘度が第1感光層用塗布液の粘度よりも高くなっており、第2保護層用塗布液803c1と第1感光層用塗布液との粘度の比は1.2〜10であることが好ましい。第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)が第1保護層用塗布液803c2(図1を参照)の粘度緩衝用塗布液となっている。粘度緩衝用塗布液の第2保護層用塗布液803c1は、第1保護層用塗布液803c2と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、乾燥後は同一機能を有する保護層を形成する。第2保護層用塗布液803c1を設けることで第1感光層用塗布液802b2との粘度差を小さくして塗布を安定にすると同時に第1保護層用塗布液803c2の粘度を高くすることが可能となる。
第2保護層用塗布膜3a31を形成する第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)と、第1保護層用塗布膜3a32を形成する第1保護層用塗布液803c2(図1を参照)との粘度は、第1保護層用塗布液の粘度が第2保護層用塗布液の粘度よりも高くなっており、第1保護層用塗布液と第2保護層用塗布液との粘度の比は1.2〜10であることが好ましい。
以上、説明した如く異なる組成成分を有する多層を形成する複数の塗布液を多層同時ダイコータを用いて同時塗布する多層同時塗布方法において、少なくとも1層を形成する塗布液を組成成分が同じで異なった成分濃度を有する上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液塗に分割し、且つ上側用の第1塗布液の粘度が下側用の第2塗布液塗の粘度より高くなるように調整し塗布を行う。この時、上側用の第1塗布液により形成された塗布膜層と接する塗布膜層を形成する異なる組成の成分を有する塗布液の粘度が第1塗布液の粘度よりも高く、下側用の第2塗布液により形成された塗布膜層と接する塗布膜層を形成する異なる組成の成分を有する塗布液の粘度が第2塗布液の粘度よりも低くなるように調整し塗布を行う。この様な方法で異なる組成成分を有する複数の塗布液を多層同時ダイコータを用いて塗布し異なる機能を有する塗布膜層を形成する場合、各塗布膜層を形成するのに使用する各塗布液間の粘度差を小さくすることができ、上層を形成する塗布液の粘度を高くすることが可能となることで、塗布性を維持し、乾燥における外乱に対する耐性が強くなり乾燥ムラを防止した塗布・乾燥が可能となった。
本図において、異なる組成成分を有する塗布液とは、最下層を形成する最下層用塗布液と、感光層を形成する感光層用塗布液と、最上層を形成する保護層用塗布液が挙げられる。最下層用塗布膜3a11〜第1保護層用塗布膜3a32を形成に使用される各塗布液間の粘度の比は1.2〜10であることが好ましい。更に2〜5がより好ましい。粘度の比が1.2未満の場合は、各塗布液により形成される塗布層の間に乱れが生じる危険があり、塗布ムラが発生する危険がある。又、最上層に使用する塗布液の粘度を上げることが出来なくなり、乾燥風等の外乱による耐性が劣り乾燥ムラが発生し易くなる危険がある。粘度の比が10.0を越えた場合は、各塗布液により形成される塗布層の間に乱れが生じる危険があり、塗布ムラが発生する危険がある。
次に各塗布液により形成される層を形成する塗布直後の湿潤時の膜厚につき説明する。最下層用塗布液801a(図1を参照)により形成される最下層用塗布膜3a11と、第2感光層用塗布液802b1(図1を参照)により形成される第2感光層用塗布膜3a21の塗布直後の湿潤時の膜厚の比は0.1〜10であることが好ましい。
第2感光層用塗布液802b1(図1を参照)により形成される第2感光層用塗布膜3a21と、第1感光層用塗布液802b2(図1を参照)により形成される第1感光層用塗布膜3a22の塗布直後の湿潤時の膜厚の比は0.1〜10であることが好ましい。
第1感光層用塗布液802b2(図1を参照)により形成される第1感光層用塗布膜3a22と、第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)により形成される第2保護層用塗布膜3a31の塗布直後の湿潤時の膜厚の比は0.1〜10であることが好ましい。
第2保護層用塗布液803c1(図1を参照)により形成される第2保護層用塗布膜3a31と、第1保護層用塗布液803c2(図1を参照)により形成される第1保護層用塗布膜3a32の塗布直後の湿潤時の膜厚の比は0.1〜10であることが好ましい。
以上、説明した如く各塗布液により形成された各塗布膜である最下層用塗布膜3a11〜第1保護層用塗布膜3a32の塗布膜間の塗布直後の湿潤時の膜厚の比は0.1〜10であることが好ましい。更には0.2〜5がより好ましい。塗布直後の湿潤時の膜厚の比が0.1未満の場合は、各塗布液により形成される各塗布膜間に乱れが生じる危険があり、塗布ムラが発生する危険がある。膜厚の比が10を越えた場合は、各塗布液により形成される各塗布膜の間に乱れが生じる危険があり、塗布ムラが発生する危険がある。
図3は図1で示される帯状支持体上に、最下層、感光層及び保護層とを形成する塗布膜を有する塗布直後の他の塗布膜層の構成を示す帯状支持体の概略断面図である。
本図では、第1最下層用塗布膜3a13の形成に使用する第1保護層用塗布液(不図示)が本発明に係る上側用の第1塗布液に該当する。又、第2最下層用塗布膜3a12の形成に使用する第2保護層用塗布液(不図示)が本発明に係る下側用の第2塗布液に該当する。上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とは組成成分が同じで異なった成分濃度を有し、これらの塗布液で形成された塗布膜層は乾燥後は同一機能を有する層となる。その他の各層用塗布膜を形成する各層用塗布液は図2と同じである。以下、(a)〜(c)に示される塗布膜層の構成につき説明する。
(a)は、最下層3a1を形成する最下層用塗布液を2分割し、第2最下層用塗布膜3a12と、第1最下層用塗布膜3a13とを形成するように塗布し、感光層3a2を形成する感光層用塗布液を2分割し第2感光層用塗布膜3a21と、第1感光層用塗布膜3a22とを形成するように塗布し、保護層3a3を分割しないで保護層用塗布膜3a33を形成するように保護層形成用塗布液を塗布した塗布直後の層構成を示す帯状支持体の概略断面図である。本図の場合、第2最下層用塗布膜3a12を形成する塗布液は第1最下層用塗布膜3a13を形成する塗布液と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、第1最下層用塗布膜3a13を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液は第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。
(b)は、最下層3a1を形成する最下層用塗布液を分割しないで最下層用塗布膜3a11を形成するように塗布し、感光層3a2を形成する感光層用塗布液を2分割し第2感光層用塗布膜3a21と、第1感光層用塗布膜3a22とを形成するように塗布し、保護層3a3を分割しないで保護層用塗布膜3a33を形成するように保護層形成用塗布液を塗布した塗布直後の層構成を示す帯状支持体の概略断面図である。本図の場合、第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液は第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。
(c)は、最下層3a1を形成する最下層用塗布液を2分割し、第2最下層用塗布膜3a12と、第1最下層用塗布膜3a13とを形成するように塗布し、感光層3a2を形成する感光層用塗布液を2分割し第2感光層用塗布膜3a21と、第1感光層用塗布膜3a22とを形成するように塗布し、保護層3a3を形成する保護層形成用塗布液を2分割し、第2保護層用塗布膜3a32と第1保護層用塗布膜3a33とを形成するように塗布した塗布直後の層構成を示す帯状支持体の概略断面図である。
本図の場合、第2最下層用塗布膜3a12を形成する塗布液は第1最下層用塗布膜3a13を形成する塗布液と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、第1最下層用塗布膜3a13を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液は第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。第2保護層用塗布膜3a32を形成する塗布液は第1保護層用塗布膜3a33を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。
本図で示される塗布直後の各塗布膜層を有する帯状支持体の場合でも、各塗布膜層を形成するのに使用する各塗布液の粘度比、塗布直後の膜厚も図2に示す場合と同じ関係を有している。
図4は組成成分が同じで異なった成分濃度を有する複数の塗布液を塗布した直後の塗布膜の構成を示す帯状支持体の概略断面図である。
図中、3bは単機能層を形成する塗布膜を示し、上側層を形成する上側層用塗布膜3b2と下側層を形成する下側層用塗布膜3b1とを有している。
本図では、上側層用塗布膜3b2を形成する塗布液が本発明に係る上側用の第1塗布液に該当し、下側層用塗布膜3b1を形成する塗布液が本発明に係る下側用の第2塗布液に該当する。上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とは組成成分が同じで異なった成分濃度を有し、これらの塗布液で形成された塗布膜層は乾燥後は同一機能を有する層となる。下側層用塗布膜3b1を形成する塗布液は上側層用塗布膜3b2を形成する塗布液と組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有しており、上側層用塗布膜3b2を形成する塗布液の粘度緩衝用塗布液となっている。上側層用塗布膜3b2を形成する塗布液の粘度は下側層用塗布膜3b1を形成する塗布液の粘度よりも高くなっており、上側層用塗布膜3b2を形成する塗布液の粘度と下側層用塗布膜3b1を形成する塗布液の粘度の比は1.2〜10であることが好ましい。更に2〜5がより好ましい。この関係は図2に示した各塗布液と関係と同じである。又、上側層用塗布膜3b2と下側層用塗布膜3b1の塗布直後の湿潤時の膜厚の比は0.1〜10であることが好ましい。更には0.2〜5がより好ましい。この関係は図2に示した各塗布膜と関係と同じである。
本図に示す様に、単機能層を形成する塗布膜の場合も使用する塗布液を分割することでより粘度の高い塗布液を塗布することが可能になり、この結果、乾燥工程で乾燥風、振動等の外乱に強い塗布膜が形成され乾燥ムラを防止することが可能となった。
図1〜図4に示す様に多層同時ダイコータを用いて複数の塗布液を同時に塗布する多層同時塗布方法に本発明の多層同時塗布方法を採用することにより次の効果が得られる。
1)従来は異なる組成成分の塗布液を使用して同時多層塗布を行う時、各塗布液間の粘度差が大きい場合、各塗布液により形成された各塗布膜間に乱れが生じ安定した塗布が出来なくなるため上層に高粘度の塗布液を使用することが出来なかったが、安定な塗布性を維持し、高粘度の塗布液の塗布が可能となった。
2)上側に用いる塗布液の粘度が下側の塗布液の粘度より高いため、上側に行くに従って高い粘度の塗布液となるので、乾燥工程での振動、乾燥風等の外乱による各層を形成する塗布膜の流動を防止し、乾燥ムラを防止し安定した塗布膜を得ることが可能となった。
3)単一機能層及び多機能層を有する場合でも同じように安定な塗布性を維持し、高粘度の塗布液の塗布が可能となり、乾燥ムラを防止し安定した塗布膜を得ることが可能となった。
本発明に係る塗布液は、特に限定されず、例えば写真感光材料、熱現像感光材料、アブレーション記録材料、印刷製版材料、磁気記録材料、感圧及び感熱記録材料、易接着性、易滑性、ガス遮断性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する材料に使用する塗布液が挙げられる。また、塗布液中の溶媒についても特に限定されず、水、有機溶剤を溶媒とする系に適用できる。
また、本発明に適用される支持体も特に限定されず、紙、プラスチック、金属などの支持体に適用できる。代表的支持体の材質としては、プラスチックではポリエチレンテレフタレート(PET)、金属ではアルミニウム等が挙げられる。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法に従って、有機銀成分を含有した感光層用塗布液、保護層用塗布液及び最下層用塗布液を調製した。
〈感光層用塗布液〉
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
水900L中にイナートゼラチン7.5kg及び臭化カリウム10gを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74kgを含む水溶液370Lと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10−6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10−6モルを含む水溶液370Lを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理を行った後、フェノキシエタノール100gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。さらに、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
上記単分散度及び投影直径面積の変動係数は、下式により算出した。
単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
投影直径面積の変動係数(%)=(投影直径面積の標準偏差)/(投影直径面積の平均値)×100
《ベヘン酸Na溶液の調製》
945Lの純水にベヘン酸32.4kg、アラキジン酸9.9kg、ステアリン酸5.6kgを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98Lを添加した。次に濃硝酸0.93Lを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
(プレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1kg添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147Lを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。出来たベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、次に、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液とトルエン107kgを徐々に添加して混合した後に、メディア分散機により27.6MPaで分散させプレフォーム乳剤を調製した。尚、メチルエチルケトン溶液は粘度を調整するために適宜必要量を使用した。
〈感光層用塗布液の調製〉
プレフォーム乳剤 240kg
増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7L
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3L
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7L
カブリ防止剤−1(10%メタノール溶液) 1.2L
2−(4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液))
9.2L
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11L
トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17L
現像剤−1(20%メタノール溶液) 29.5L
Figure 2005254087
〈保護層用塗布液〉
《保護層用塗布液の調製》
メチルエチルケトン 適宜
酢酸セルロース 2.3kg
メタノール 7L
フタラジン 250g
4−メチルフタル酸 180g
テトラクロロフタル酸 150g
テトラクロロフタル酸無水物 170g
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 70g
919−C64−SO3Na 10g
尚、メチルエチルケトンの量は粘度を合わせるため適宜必要量を使用した。
〈最下層用塗布液〉
《最下層用塗布液の調製》
ポリビニルブチラール 16kg
メチルエチルケトン 適宜
尚、メチルエチルケトンの量は粘度を合わせるため適宜必要量を使用した。
感光層塗布液及び保護層塗布液、最下層塗布液の調製量は上記の調製量を1単位とし、塗布量に応じて調製を行った。
〈塗布・乾燥〉
上記、調製した感光層用塗布液、保護層用塗布液及び最下層用塗布液をそれぞれの塗布液に使用している溶媒により粘度を調整し表1に示す様に組み合わせ、厚さ175μm、幅1000mmの帯状支持体(PETを使用)1000mを使用し、図1に示すスライド塗布装置により、バックロールに保持された帯状支持体に、塗布速度を30m/分、塗布幅960mmに図2に示す構成の多層同時塗布を行い、乾燥終了後に塗膜を有する帯状支持体の温度が30〜100℃の間に塗膜面と接触する搬送ロールにニッケルクロムメッキで作製した搬送ロールを用いて搬送し、巻き取り、熱現像感光材料を作製し試料101〜114とした。乾燥は、ドライヤにて、塗膜の裏面を搬送ロールに支持させ、塗膜面に段階的に温度を50〜100℃に上昇させた乾燥風を吹きつけることにより実施した。尚、感光層用塗布液、保護層用塗布液を分割しないで塗布した他は全て同じ条件で乾燥し比較試料とし作製し115、116とした。
湿潤時の膜厚は、乾燥後の膜厚が最下層が1μm、感光層が16μm、保護層が2μmとなるように、且つ次の各層の膜厚比の条件を満たす様に適宜調整した。又、感光層を形成する上側の感光層用塗布液(図2の第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、下側の感光層用塗布液(図2の第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は3.0とした。保護層を形成する上側の保護層用塗布液(図2の第1保護層用塗布膜3a32を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、下側の保護層用塗布液(図2の第2保護層用塗布膜3a31を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は3.0とした。
感光層を形成する下側の感光層用塗布液(図2の第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、最下層を形成する最下層用塗布液(図2の最下層用塗布膜3a11を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は7.0とした。
下側の保護層用塗布液(図2の第2保護層用塗布膜3a31を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、感光層を形成する上側の感光層用塗布液(図2の第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は0.5とした。
各塗布液の粘度の測定はB型粘度計を使用し、温度20℃で測定した値である。尚、表中の各塗布液粘度の単位はmPa・sを表す。
(評価)
作製した各試料101〜116につき、塗布開始から800mの箇所で評価用試料1mをサンプリングし、現像処理を行い、乾燥ムラを目視で観察し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
乾燥ムラの評価ランク
○:ムラがなく製品として問題ないレベル
△:ムラはあるが製品として問題ないレベル。
×:製品不可レベル
Figure 2005254087
本発明の有効性が確認された。
実施例2
〈感光層用塗布液の調製〉
実施例1で調製した感光層用塗布液を使用した。
〈保護層用塗布液の調製〉
実施例1で調製した保護層用塗布液を使用した。
〈最下層用塗布液の調製〉
実施例1で調製した最下層用塗布液を使用した。
〈塗布・乾燥〉
上記、感光層用塗布液、保護層用塗布液及び最下層用塗布液をそれぞれの塗布液に使用している溶媒により粘度を調整し、表2に示す粘度比になる様に組み合わせた他は全て実施例1と同じ条件で塗布・乾燥を行い試料を作製し201〜220とした。
尚、粘度の測定は実施例1と同じ方法にて行った。湿潤時の膜厚は、乾燥後の膜厚が最下層が1μm、感光層が16μm、保護層が2μmとなるように、且つ次の各層の膜厚比の条件を満たす様に適宜調整した。感光層を形成する上側の感光層用塗布液(図2の第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、下側の感光層用塗布液(図2の第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は3.0とした。保護層を形成する上側の保護層用塗布液(図2の第1保護層用塗布膜3a32を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、下側の保護層用塗布液(図2の第2保護層用塗布膜3a31を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は3.0とした。
感光層を形成する下側の感光層用塗布液(図2の第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、最下層を形成する最下層用塗布液(図2の最下層用塗布膜3a11を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は7.0とした。
下側の保護層用塗布液(図2の第2保護層用塗布膜3a31を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚の、感光層を形成する上側の感光層用塗布液(図2の第1感光層用塗布膜3a22を形成する塗布液に該当する)により形成される湿潤時の膜厚に対する比は0.5とした。
(評価)
作製した各試料201〜220につき、実施例1と同じ方法で評価用試料をサンプリングし、現像処理を行い、乾燥ムラ及び吹かれムラにつき、実施例1と同じ方法で観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
Figure 2005254087
本発明の有効性が確認された。
実施例3
〈感光層用塗布液の調製〉
実施例1で調製した感光層用塗布液を使用した。
〈保護層用塗布液の調製〉
実施例1で調製した保護層用塗布液を使用した。
〈最下層用塗布液の調製〉
実施例1で調製した最下層用塗布液を使用した。
〈塗布・乾燥〉
上記、感光層用塗布液、保護層用塗布液及び最下層用塗布液をそれぞれの塗布液に使用している溶媒により粘度を調整し、表3に示す湿潤時の膜厚になる様に組み合わせた他は全て実施例1と同じ条件で塗布・乾燥を行い試料を作製し301〜318とした。
尚、湿潤時の膜厚は、乾燥後の膜厚が最下層が1μm、感光層が16μm、保護層が2μmとなるように、且つ次の各層の粘度比の条件を満たす様に適宜調整した。
最下層を形成する最下層用塗布液(図2の最下層用塗布膜3a11を形成する塗布液に該当する)に対する下側の感光層を形成する感光層用塗布液(図2の第2感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液に該当する)の粘度比は8.0、下側の感光層を形成する感光層用塗布液に対する上側の感光層を形成する感光層用塗布液(図2の第1感光層用塗布膜3a21を形成する塗布液に該当する)の粘度比は3.0、上側の感光層を形成する感光層用塗布液に対する下側の保護層を形成する保護層用塗布液(図2の第2保護層用塗布膜3a31を形成する塗布液に該当する)の粘度比は5.0、下側の保護層を形成する保護層用塗布液に対する上側の保護層を形成する保護層用塗布液(図2の第1保護層用塗布膜3a32を形成する塗布液に該当する)の粘度比は3.0とした。
各塗布液の粘度調整はメチルエチルケトンの量により行い、粘度の測定は実施例1と同じ方法にて行った。
(評価)
作製した各試料301〜318につき、実施れい1と同じ方法で評価用試料をサンプリングし、現像処理を行い、乾燥ムラにつき、実施例1と同じ方法で観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 2005254087
本発明の有効性が確認された。
実施例4
(塗布液の調製)
組成成分としてポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製:エスレック BL−1)を粘度1500mPa.sとなるようにメチルエチルケトンに溶解して塗布液とした。塗布液の粘度の測定はB型粘度計を使用し、温度20℃で測定した値である。
〈塗布・乾燥〉
上記、調製した塗布液を表4に示す様にメチルエチルケトンの量を変えることで粘度を変え、これらの塗布液を組み合わせ、厚さ100μm、幅500mmの帯状支持体(PETを使用)1000mを使用し、図1に示すスライド塗布装置により、バックロールに保持された帯状支持体に、塗布速度を30m/分、塗布幅960mmに図4に示すような構成の多層同時塗布を行い、乾燥終了後に塗膜を有する帯状支持体の温度が30〜100℃の間に塗膜面と接触する搬送ロールにニッケルクロムメッキで作製した搬送ロールを用いて搬送し、巻き取り、塗布体を作製し試料401〜405とした。乾燥は、ドライヤにて、塗膜の裏面を搬送ロールに支持させ、塗膜面に段階的に温度を50〜100℃に上昇させた乾燥風を吹きつけることにより実施した。尚、調製した塗布液を分割しないで塗布した他は全て同じ条件で塗布し比較試料を作製し406とした。
尚、膜厚は乾燥時10μmとなるように塗布した。湿潤時の下側層用塗布膜の膜厚に対する中間層形成する中間層用塗布膜の塗布直後の湿潤時の膜厚比及び、上側層形成する上側層用塗布膜の塗布直後の湿潤時の膜厚比を2.0とした。塗布液の粘度の測定はB型粘度計を使用し、温度20℃で測定した値である。
(評価)
作製した各試料401〜406につき、実施例1と同じ方法で評価試料をサンプリングし、乾燥ムラを目視で観察し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
乾燥ムラの評価ランク
○:乾燥ムラの発生がない
△:実技上許容出来る程度の乾燥ムラの発生が認められる
×:実用不可のレベルの乾燥ムラの発生が認められる
Figure 2005254087
本発明の有効性が確認された。
実施例5
〈塗布液の調製〉
実施例4で調製した塗布液を使用した。
〈塗布・乾燥〉
上記、塗布液をメチルエチルケトンの量により粘度を調整し、表5に示す湿潤時の膜厚になる様に組み合わせた他は全て実施例4同じ条件で塗布・乾燥を行い試料を作製し501〜510とした。
尚、膜厚は乾燥時10μmとなるように塗布した。中間層用塗布液の粘度に対する上側層用塗布液の粘度比は5.0、下側層用塗布液の粘度に対する中間層用塗布液の粘度比は5.0となるようにした。粘度の測定は実施例1と同じ方法にて行った。
(評価)
作製した各試料501〜510につき、実施例1と同じ方法で評価用試料をサンプリングし、乾燥ムラを目視で観察し、実施例4と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
Figure 2005254087
本発明の有効性が確認された。
多層同時塗布から乾燥工程を含む熱現像感光材料の製造方法の一例を示す概略図である。 図1で示される塗布装置により、図1で示される帯状支持体上に、図1に示される塗布液を塗布した直後の塗布膜の構成を示す帯状支持体の概略断面図である。 図1で示される帯状支持体上に、最下層、感光層及び保護層とを形成する塗布膜を有する塗布直後の他の塗布膜層の構成を示す帯状支持体の概略断面図である。 組成成分が同じで異なった成分濃度を有する複数の塗布液を塗布した直後の塗布膜の構成を示す帯状支持体の概略断面図である。
符号の説明
1 多層同時ダイコータ
2 バックロール
3、3a 帯状支持体
3a1 最下層
3a11 最下層用塗布膜
3a12 第2最下層用塗布膜
3a13 第1最下層用塗布膜
3a2 感光層
3a21 第2感光層用塗布膜
3a22 第1感光層用塗布膜
3a3 保護層
3a31 第2保護層用塗布膜
3a32 第1保護層用塗布膜
3a33 保護層用塗布膜
5 乾燥装置
8 塗布液供給部
8a、8b1、8b2、8c1、8c2 タンク
801a最下層用塗布液
802b1 第2感光層用塗布液
802b2 第1感光層用塗布液
803c1 第2保護層用塗布液
803c2 第1保護層用塗布液
9 ロール状熱現像材料

Claims (14)

  1. 連続して走行する帯状支持体上に、多層同時ダイコータを用いて複数の塗布液を同時に塗布する多層同時塗布方法において、該塗布液は組成の成分が同じで、異なった成分濃度を有する上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成されていることを特徴とする多層同時塗布方法。
  2. 前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度より高い粘度を有していることを特徴とする請求項1に記載の多層同時塗布方法。
  3. 前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度に対し、粘度の比が1.2〜10であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層同時塗布方法。
  4. 前記第1塗布液により形成された湿潤時の膜厚と第2塗布液により形成された湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  5. 連続して走行する帯状支持体上に、異なる組成成分を有する少なくとも2層を形成する複数の塗布液を多層同時ダイコータを用いて同時塗布する多層同時塗布方法において、少なくとも1組の組成成分が同じで異なった成分濃度を有する層の組を有し、該1組の層が少なくとも2種類の上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成されていることを特徴とする多層同時塗布方法。
  6. 連続して走行する帯状支持体上に、異なる組成成分を有する少なくとも2層を形成する複数の塗布液を多層同時ダイコータを用いて同時塗布する多層同時塗布方法において、少なくとも1組の組成成分が同じで異なった成分濃度を有する層の組を有し、該1組の層が少なくとも2種類の上側用の第1塗布液と下側用の第2塗布液とから構成され、
    更に、該上側用の第1塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成の成分を有する塗布液の粘度が、前記第1塗布液よりも高く、
    該下側用の第2塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成の成分を有する塗布液の粘度が、前記第2塗布液よりも低いことを特徴とする多層同時塗布方法。
  7. 前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度より高い粘度を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の多層同時塗布方法。
  8. 前記第1塗布液は、第2塗布液の粘度に対し、粘度の比が1.2〜10であることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  9. 前記第1塗布液により形成された湿潤時の膜厚と第2塗布液により形成された湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  10. 前記上側用の第1塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液の粘度と、該上側用の第1塗布液の粘度との比が1.2〜10であることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  11. 前記下側用の第2塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液の粘度と、該下側用の第2塗布液の粘度との比が1.2〜10であることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  12. 前記上側用の第1塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚と、該上側用の第1塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項5〜11の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  13. 前記下側用の第2塗布液により形成される層と隣接する層を形成する異なる組成成分を有する塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚と、該下側用の第2塗布液により形成される塗布直後の湿潤時の膜厚との比が0.1〜10であることを特徴とする請求項5〜12の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
  14. 前記塗布液は、熱現像感光材料用であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の多層同時塗布方法。
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