JP2006297321A - 塗膜乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 連続搬送される帯状プラスチックフィルム支持体上に、溶媒中に固形分を溶解又は分散した塗布液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を有する前記帯状プラスチックフィルム支持体を搬送しながら前記塗膜中の溶媒を蒸発させて機能性膜を得る塗膜乾燥方法において、前記塗膜中の固形分濃度が80体積%以下の間は、前記帯状プラスチックフィルム支持体の表面の幅手平滑度を前記機能性膜の塗膜の厚さの100%以下とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。
【選択図】 図1
Description
一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料、感熱材料、熱現像感光材料、フォトレジスト、LCDや有機EL等に代表される電機光学パネルのデバイス等はコータから有機溶剤系又は水系の塗布液を連続搬送する帯状支持体の上に塗布して塗膜面を形成し、その後、塗膜を有する帯状支持体を乾燥装置で乾燥することで製造されている。
支持体上に塗布した塗膜を乾燥する乾燥工程で、塗布後10秒以内はマイクロウェーブによる加熱により乾燥を行い、10秒から20秒までは温度を制御した乾燥風を風速が0.1〜10m/秒で塗布面へ吹き付けることにより吹かれムラを防止した乾燥を行う方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
例えば供給風の温度制御による方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。
連続搬送される帯状プラスチックフィルム支持体上に、溶媒中に固形分を溶解又は分散した塗布液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を有する前記帯状プラスチックフィルム支持体を搬送しながら前記塗膜中の溶媒を蒸発させて機能性膜を得る塗膜乾燥方法において、
前記塗膜中の固形分濃度が80体積%以下の間は、
前記帯状プラスチックフィルム支持体の表面の幅手平滑度を前記機能性膜の塗膜の厚さの100%以下とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。
連続搬送される帯状プラスチックフィルム支持体上に、溶媒中に固形分を溶解又は分散した塗布液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を有する前記帯状プラスチックフィルム支持体を搬送しながら前記塗膜中の溶媒を蒸発させて機能性膜を得る塗膜乾燥方法において、
前記塗膜中の固形分濃度が80体積%以下の間は、
前記帯状プラスチックフィルム支持体の表面の凹凸の隣接する極大点と極小点の距離が、前記塗膜の厚さ方向の変位量の50〜1×106倍とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。
請求項1に記載の塗膜乾燥方法において、帯状プラスチックフィルム支持体の表面の凹凸の隣接する極大点と極小点の距離が塗膜厚方向の変位量の50〜1×106倍とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。
前記塗膜中の溶媒を蒸発させる時、帯状プラスチックフィルム支持体の温度を30℃以上、該帯状プラスチックフィルム支持体のガラス転移点より20℃低い温度以下とし、該帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向の支持体単位断面積あたりの張力を2〜50mPaとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面からバックアップロールにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面からコンベアベルトにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面からプレートにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面から空気の吹き付けにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
前記塗膜中の溶媒を蒸発させる時、帯状プラスチックフィルム支持体の温度を30℃以上、該帯状プラスチックフィルム支持体のガラス転移点より20℃低い温度以下とし、該帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向の該帯状プラスチックフィルム支持体の単位断面積あたりの張力を0.2〜10mPaとすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向への張力を付加する手段がテンターであることを特徴とする請求項9に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向への張力を付加する手段がスパイラルロールであることを特徴とする請求項9に記載の塗膜乾燥方法。
前記帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向への張力を付加する手段がクラウンロールであることを特徴とする請求項9に記載の塗膜乾燥方法。
2)区間Tでの支持体表面の凹凸の隣接する極大点と極小点の距離は、塗膜厚方向の変位量の50〜1×106倍である。50倍未満の場合は、支持体上に塗布された塗膜は塗布時に均一に支持体上に形成しても塗膜中の溶媒を蒸発除去するまでに支持体表面に凹凸が発生すると重力や表面張力によるレベルングにより液表面が平滑となりこのまま乾燥固化すると塗膜の厚みが支持体内で異なってしまい、仕上がり機能性膜の塗膜厚のバラツキが発生し、機能性膜の均一性を得ることが出来ないため好ましくない。1×106倍を越える場合は、プラスチックフィルム支持体の温度を30℃未満に維持する必要があり、塗膜の乾燥時間が長くかかり生産効率が著しく低下するため好ましくない。
3)区間Tでの支持体表面の幅手平滑度は、機能性膜の塗膜厚の100%以下であり、且つ区間Tでの支持体表面の凹凸の隣接する極大点と極小点の距離は、塗膜厚方向の変位量の50〜1×106倍である。
(支持体の準備)
厚さ75μm、幅600mm、長さ1000mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。このPETフィルムのガラス転移点は140℃であった。
純水にポリビニルアルコールを固形分濃度として、1質量%となるように溶解して塗布液を調製した。この塗布液を、B型粘度計で25℃における粘度を測定したところ5.2mPa・sであった。
図1に示す塗布装置を使用した。バックアップロール上に支持された支持体上にエクストルージョンコータを用い、準備した塗布液を減圧押出し塗布により塗布した。支持体の搬送速度は10m/minとし、ウェット膜厚が10μmとなるようにプランジャーポンプによりエクストルージョンコータへ塗布液を供給した。その後塗膜を設けた支持体を連続的に搬送し、塗布工程の下流側に設けられた乾燥工程で表1に示すように、PETフィルムの平滑度を維持する区間の塗膜中の固形分濃度と、PETフィルムの平滑度を変化させ試料を作製しNo.101〜103とした。尚、平滑度の変化は塗膜中の溶媒を蒸発させる時のPETフィルムの温度とPETフィルムの搬送方向の支持体単位断面積あたりの張力を変化することで行った。
作製した試料No.101〜103に付き、以下に示す方法で塗膜厚のバラツキを測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。尚、表中のDはPETフィルムの表面の幅手平滑度を維持する区間終点での塗膜中の固形分濃度を示す。PETフィルムの表面の幅手平滑度は塗膜の厚さに対する%を示す。
塗布開始から100mの十分に安定して加工された試料より、幅方向に20cm角の試料を3枚切り取り、2mm間隔で大塚電子(株)製 光干渉膜厚計 FE−3000を用い、膜厚を測定し、次式により計算で求めた。
塗膜厚のバラツキの評価ランク
◎:A≦0.05
○:0.05<A≦0.1
×:0.1<A
(支持体の準備)
実施例1と同じPETフィルムを準備した。
実施例1と同じ塗布液を調製した。
図1に示す塗布装置を使用した。バックアップロール上に支持された支持体上にエクストルージョンコータを用い、準備した塗布液を減圧押出し塗布により塗布した。支持体の搬送速度は10m/minとし、ウェット膜厚が10μmとなるようにプランジャーポンプによりエクストルージョンコータコータへ塗布液を供給した。その後塗膜を設けた支持体を連続的に搬送し、塗布工程の下流側に設けられた乾燥工程で表2に示すように、PETフィルムの平面性を維持する区間の塗膜中の固形分濃度と、PETフィルムの平面性を変化させ試料を作製しNo.201〜203とした。尚、平面性の変化は塗膜中の溶媒を蒸発させる時のPETフィルムの温度とPETフィルムの搬送方向の支持体単位断面積あたりの張力を変化することで行った。
作製した試料No.201〜203に付き、塗膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。尚、表中のEはPETフィルムの表面の平面性を維持する区間の塗膜中の固形分濃度(体積%)を示す。表中のFは、PETフィルムの表面の隣接する凹凸の極大点と極小点の垂直方向の距離に対する水平方向の距離を示す。
実施例1で作製した試料No.101を作製する時、塗膜中の溶媒を蒸発する時のPETフィルムの温度と、PETフィルム搬送方向のPETフィルムの単位断面積あたりの張力を表3に示すように変化した他は同じ条件で試料を作製しNo.301〜310とした。
作製した試料No.301〜311に付き、塗膜厚のバラツキ、横段ムラに付き以下の方法により測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。塗膜厚のバラツキは実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した。横段ムラは、塗布先頭から100mの十分に安定して加工された試料を、目視により幅方向の段状のムラの有無を観察した。
○:横段ムラの発生がない
△:実技上問題とならない僅かな横段ムラの発生が認められる
×:横段ムラが多発している
実施例1で作製した試料No.101を作製する時、図2の(a)に示す様に乾燥ボックス中にPETフィルムの平滑度を維持する区間にPETフィルムの支持手段として、直径150mmのバックアップロールを160mm間隔で5本配設し、送方向のPETフィルムの単位断面積あたりの張力を表4に示すように変化した他は同じ条件で試料を作製しNo.401〜407とした。
作製した試料No.401〜407に付き、塗膜厚のバラツキ、横段ムラに付き評価をした結果を表4に示す。尚、塗膜厚のバラツキは実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価し、横段ムラは実施例3と同じ方法で測定し、実施例3と同じ評価ランクに従って評価した。
実施例1で作製した試料No.101を作製する時、図2の(b)に示す様に乾燥ボックス中にPETフィルムの平滑度を維持する区間にPETフィルムの支持手段として、ブチルゴム製のコンベアベルトを配設し、搬送方向のPETフィルムの単位断面積あたりの張力を表5に示すように変化した他は同じ条件で試料を作製しNo.501〜507とした。
作製した試料No.501〜507に付き、塗膜厚のバラツキ、横段ムラに付き評価をした結果を表5に示す。尚、塗膜厚のバラツキは実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価し、横段ムラは実施例3と同じ方法で測定し、実施例3と同じ評価ランクに従って評価した。
実施例1で作製した試料No.101を作製する時、図2の(c)に示す様に乾燥ボックス中にPETフィルムの平滑度を維持する区間にPETフィルムの支持手段として、表面をフッ素樹脂で加工したプレートを配設し、搬送方向のPETフィルムの単位断面積あたりの張力を表6に示すように変化した他は同じ条件で試料を作製しNo.601〜607とした。
作製した試料No.601〜607に付き、塗膜厚のバラツキ、横段ムラに付き評価をした結果を表6に示す。尚、塗膜厚のバラツキは実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価し、横段ムラは実施例3と同じ方法で測定し、実施例3と同じ評価ランクに従って評価した。
実施例1で作製した試料No.101を作製する時、図2の(d)に示す様に乾燥ボックス中にPETフィルムの平滑度を維持する区間にPETフィルムの支持手段として、3mm幅のスリットを3cm間隔で空気の吹き付装置を配設し、搬送方向のPETフィルムの単位断面積あたりの張力を表7に示すように変化した他は同じ条件で試料を作製しNo.801〜807とした。尚、空気の吹き付けは、吹き出し口位置での風速が5m/sとなるようにした。
作製した試料No.701〜707に付き、塗膜厚のバラツキ、横段ムラに付き評価をした結果を表7に示す。尚、塗膜厚のバラツキは実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価し、横段ムラは実施例3と同じ方法で測定し、実施例3と同じ評価ランクに従って評価した。
実施例1で作製した試料No.101を作製する時、塗膜中の溶媒を蒸発する時のPETフィルムの温度と、PETフィルムの搬送方向と直行する方向のPETフィルムの単位断面積あたりの張力を表8に示すように変化した他は同じ条件で試料を作製しNo.801〜814とした。尚、張力の変化は図3に示す様なテンターを使用して行った。
作製した試料No.801〜814に付き、塗膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
実施例8において、テンターの代わりに直径150mmのスパイラルロールを使用し、溝の本数と角度を変え搬送方向と直行する方向の張力を実施例8と同じに変えて試料を作製し、塗膜厚のバラツキを評価した結果、表8に示す結果と同じ結果を得た。
実施例8において、テンターに代わり、中央径170mm、両端径150mm、長さ1100mmのクラウンロール使用し、中央の径と端部の径を変え搬送方向と直行する方向の張力を実施例8と同じに変えて試料を作製し、塗膜厚のバラツキを評価した結果、表8に示す結果と同じ結果を得た。
101 ダイコータ
102、107 バックアップロール
103 支持体
104a 塗膜
104b 機能性膜
105 乾燥ボックス
108 コンベアベルト
109 プレート
110 吹き付け装置
111 テンター
T 区間
Claims (12)
- 連続搬送される帯状プラスチックフィルム支持体上に、溶媒中に固形分を溶解又は分散した塗布液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を有する前記帯状プラスチックフィルム支持体を搬送しながら前記塗膜中の溶媒を蒸発させて機能性膜を得る塗膜乾燥方法において、
前記塗膜中の固形分濃度が80体積%以下の間は、
前記帯状プラスチックフィルム支持体の表面の幅手平滑度を前記機能性膜の塗膜の厚さの100%以下とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。 - 連続搬送される帯状プラスチックフィルム支持体上に、溶媒中に固形分を溶解又は分散した塗布液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を有する前記帯状プラスチックフィルム支持体を搬送しながら前記塗膜中の溶媒を蒸発させて機能性膜を得る塗膜乾燥方法において、
前記塗膜中の固形分濃度が80体積%以下の間は、
前記帯状プラスチックフィルム支持体の表面の凹凸の隣接する極大点と極小点の距離が、前記塗膜の厚さ方向の変位量の50〜1×106倍とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。 - 請求項1に記載の塗膜乾燥方法において、帯状プラスチックフィルム支持体の表面の凹凸の隣接する極大点と極小点の距離が塗膜厚方向の変位量の50〜1×106倍とすることを特徴とする塗膜乾燥方法。
- 前記塗膜中の溶媒を蒸発させる時、帯状プラスチックフィルム支持体の温度を30℃以上、該帯状プラスチックフィルム支持体のガラス転移点より20℃低い温度以下とし、該帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向の支持体単位断面積あたりの張力を2〜50mPaとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面からバックアップロールにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面からコンベアベルトにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面からプレートにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体は、裏面から空気の吹き付けにより支持されていることを特徴とする請求項4に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記塗膜中の溶媒を蒸発させる時、帯状プラスチックフィルム支持体の温度を30℃以上、該帯状プラスチックフィルム支持体のガラス転移点より20℃低い温度以下とし、該帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向の該帯状プラスチックフィルム支持体の単位断面積あたりの張力を0.2〜10mPaとすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向への張力を付加する手段がテンターであることを特徴とする請求項9に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向への張力を付加する手段がスパイラルロールであることを特徴とする請求項9に記載の塗膜乾燥方法。
- 前記帯状プラスチックフィルム支持体の搬送方向と直行する方向への張力を付加する手段がクラウンロールであることを特徴とする請求項9に記載の塗膜乾燥方法。
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