JP2005172351A - 乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乾燥装置内の溶媒濃度の管理が容易で、温風による塗布膜面の吹かれムラが無く、乾燥ボックス内の温度制御が容易な乾燥装置の提供。
【解決手段】 連続的に搬送する帯状支持体上に塗布液を塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を有する帯状支持体を搬送しながら温風を吹き付けることにより乾燥する乾燥ゾーンを有する乾燥装置において、該乾燥ゾーンは前記塗布膜に該温風を吹き付ける吹き出し口を配設した温風供給ヘッダを有する少なくとも1つの乾燥ボックスを有し、該乾燥ボックスへの温風は、一部が該温風供給ヘッダに、他の一部は該塗布膜へ直接に吹き付けない位置へ分配し供給することを特徴とする乾燥装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続的に搬送される支持体上に塗布液を塗布して形成された塗布膜に乾燥風を吹き付けることにより塗布膜を乾燥させる乾燥ゾーンを有する乾燥装置に関する。
従来より連続走行している帯状支持体に塗布液を塗布する方法としては、各種提案されており、例えばこれらの各種塗布方式については、Edward Cohen,Edgar Gutoff著「Modern Coating and Drying Technology」に述べられている。又、単層塗布のみならず、スライドコーターやエクストルージョンコーターやカーテンコーターなど複数のスリットを有するコーティングダイを用いることにより、同時に重層塗布することも知られている。
写真用フィルム・印画紙等の写真感光材料や写真製版材料、磁気記録材料、熱現像感光材料、感圧記録材料等の記録材料、易接着性、易滑性、ガス遮断性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する材料は、コータから有機溶剤系又は水系の塗布液を連続搬送する帯状支持体の上に塗布して塗布膜面を形成し、その後、塗布膜を有する帯状支持体は、次工程である乾燥ボックスを有する乾燥装置で乾燥することで製造されている。乾燥ボックスは1つでも良いが通常複数個のボックスを直列に配置し、段階的に乾燥条件を変更してゆくことでより効率的な乾燥を行うことが一般的である。
従来より連続走行している支持体に塗布液を塗布した後乾燥する方法としては、Edward Cohen, Edgar Gutoff著「MODERN COATING AND DRYING TECHNOLOGY」に述べられている各種の方法が提案されてきた。最も一般的には乾燥ボックスに温風を供給し、その温風によって塗布膜を乾燥させ、気化した溶媒を気流とともに系外へ排出する方法である。また、可燃性有機溶剤を用いる場合にはエアの代わりに不活性ガスを供給し、実質的に爆発のない安全な仕組みにする装置も知られている。本発明の適用は、温風によって乾燥させる方式、装置であれば、エアであっても、不活性ガスであっても特に限定されない。
乾燥工程は、塗布直後の塗布膜面を加熱した雰囲気、温風が当たる雰囲気にさらすために、塗布膜面の性状に影響を与える重要な工程となっている。一般的に乾燥工程における塗布膜面に与える問題として温風が当たることにより塗膜表面が乱され、表面の平滑度を失い、いわゆる吹かれムラが生じたり、乾燥工程内の温度、温風の風量等のバラツキにより乾燥ムラが生じたりすることが知られている。この傾向は、塗布液の溶媒に有機溶剤を使用している場合は強いことが知られている。尚、本発明において溶媒とは、水、有機溶剤を含む。
乾燥が正常に行われなかった場合には、得られる塗布膜の外観にムラや欠陥を生じたり、塗布膜中の残留溶媒が適正量でなかったり、残留溶媒量にバラツキを生じたりして、最終的な塗布膜品質に影響を与えることが知られている。以下に従来の温風によって乾燥させる方式の乾燥装置の概略を図で説明する。
図2は従来の温風吹き出し方式の乾燥ボックスを連続的に繋げた乾燥ゾーンを有する乾燥装置を用いた乾燥方法の一例を示す概略図である。
図中、1はバックロール2で保持され、連続搬送する帯状支持体3に塗布液を塗布するコータを示す。4a〜4cは塗布膜を有する帯状支持体3aの搬送(図中の矢印方向)を支持する支持ロールを示す。5は塗膜を有する帯状支持体3aを乾燥する乾燥装置を示す。乾燥装置5は加熱空気により乾燥するエアーモード乾燥方式の乾燥装置、加熱不活性ガスにより乾燥するイナート乾燥方式の乾燥装置のいずれでもかまわない。乾燥装置5は乾燥条件を個別に制御することが可能となっている乾燥ボックス501a〜501cを連続的に繋げた乾燥ゾーンを有している。更に詳しくは、乾燥ボックス501aの塗布膜を有する帯状支持体3aの入り口502から乾燥ボックス501cの出口503の間を乾燥ゾーンという。
乾燥ボックスの数は特に限定はなく、乾燥する塗布膜を有する帯状支持体3aの塗布膜厚、搬送速度、乾燥温度、乾燥風量等により適宜変更が可能である。本図では乾燥ボックスが3室の場合を示している。
504a〜504cは各乾燥ボックス501a〜501cに配設された塗布膜を有する帯状支持体3aに温風を供給する温風供給手段である温風供給ヘッダを示す。
505a〜505cは各乾燥ボックス501a〜501cに配設された温風の排気口を示す。506a〜506cは各温風供給ヘッダ504a〜504cに設けられた温風供給口を示す。507a〜507cは各温風供給ヘッダ504a〜504cに設けられた温風吹き出し口を示す。508a〜508cは温風供給管6から送られてくる温風の温度を制御する制御ボックスを示し、ヒータとクーラを有している。509a〜509cはフィルタを示す。510a〜510cは各温風供給ヘッダ504a〜504cに温風を送る温風供給ファンを示し、511a〜511cは排気ファンを示す。510dは各温風供給ファンの負荷低減のために設けた主温風供給ファンを示す。511dは各排気ファン511a〜511cの負荷低減のために設けた主排気ファンを示す。
6a〜6cは各温風供給ヘッダ504a〜504c用の温風供給管6に配設された各ダンパーを示し、7a〜7cは各温風供給ヘッダ504a〜504c用の排気管7に配設された各ダンパーを示す。
各温風供給ファン510a〜510cにより温風供給管6から送られてくる温風は、各制御ボックスにより温度が調整され、各フィルタ509a〜509cでゴミが除去され、各温風供給ヘッダ504a〜504cに供給される。供給された温風は温風供給管6に配設された各ダンパー6a〜6cで供給量が調整され、温風吹き出し口507a〜507cから塗布膜を有する帯状支持体3a上に吹き付け塗布膜を乾燥させた後、溶媒蒸気を含んだ温風は排気口505a〜505cから排気ファン511a〜511cにより排気管7に配設された各ダンパー7a〜7cで排気量が調整され排気管7を介して乾燥装置5の外に排気される。
温風吹き出し口507a〜507cは、幅方向に略均一な乾燥風を吹き出すために、パンチングプレートやスリットノズルにより形成されている。吹出し口507a〜507cから塗布膜面に供給される温風は、常温から120度程度に加熱された温風を塗布膜の種類に応じて適宜選択して使用することが可能となっている。
本図に示す様な温風を吹き付けることで乾燥させる従来の乾燥装置においては次のような問題点を有している。1)乾燥装置内の溶媒濃度の制御。乾燥ボックス内の圧、溶媒濃度、風量等を制御することは製品の品質上重要な問題となる。特に溶媒に有機溶媒を使用する場合は安全上重要な問題となる。乾燥ボックス内の圧が乾燥装置の外の圧に対して極端に正圧である場合、溶媒蒸気を含む空気が乾燥ボックス内から乾燥装置外へ帯状支持体搬送路を通って噴出するため、有機溶媒を使用している場合は安全上危険が生じる。
極端に負圧の場合は乾燥装置外から乾燥ボックス内へ空気を吸い込むことなり乾燥ボックス内のクリーン度を維持することが難しくなり、乾燥ボックス内へ混入した異物が塗布膜に付着し製品欠陥が発生する場合がある。
又、乾燥ボックス内の圧が乾燥装置外或いは連続して配置されている他の乾燥ボックス内の圧に対して極端に正圧(負圧)の場合は乾燥装置外と乾燥ボックス間、または各乾燥ボックス間の支持体搬送路で流路が狭くなっていることから気圧差で生じる流れは塗膜面上で速い風速となり塗膜に吹かれムラが生じることがある。このため乾燥装置の内圧は外部と極力差を設けないことが望ましいとされ、乾燥ボックスへの空気の給排気バランスで乾燥装置の内圧を決定しているのが普通である。
乾燥ボックス内の溶媒濃度は高すぎると乾燥速度が遅くなる他、有機溶媒を使用した場合は高濃度としすぎると爆発の危険性が生じる。溶剤濃度の制御は乾燥ボックスへの温風の給気量と排気量で決定される。
2)温風の吹きつけにより発生する塗布膜面の吹かれムラ。温風供給ヘッダに供給された温風は、吹き出し口から塗布膜上に吹き付けられ塗布膜の乾燥を促進するのであるが、温風の吹き付け風速を上げていくと塗布膜の流動が生じ、いわゆる吹かれムラが生じる。吹かれムラを抑制するため温風の吹き付け風速を小さくすると乾燥ボックス内の給気量と排気量とが少なくなることから乾燥ボックス内の溶媒濃度が上昇し、乾燥ボックス内の溶媒蒸気が高くなってしまう。
3)乾燥ボックス内の温度制御は通常乾燥ボックス内の温度測定結果に応じて温風の温度を制御する制御ボックスの条件を変更することにより、供給する空気の温度を制御することにより行うが、吹かれムラ対策として供給する空気の風量を少なくした場合は、少量の供給空気の温度制御により乾燥ボックス内の温度を一定に保つことになり制御応答性が悪化する。
これらの問題点に対して次の様な対策が取られて来たことが知られている。溶媒濃度対策としては、例えば帯状支持体上の塗布膜を、乾燥ボックス内を通過させて乾燥するに当たり、温風を塗布膜に指向して噴出させ、給気、排気のファン、ダンパーの制御で乾燥ボックス内の圧、乾燥ボックス内のガス濃度を制御することで乾燥ボックス内ガス濃度を爆発下限界以下とする方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。又、乾燥ボックス内から複数の排気経路を持ち、高濃度ガスは排気へ、低濃度ガスは循環させ供給に使用することにより溶剤濃度を爆発下限界以下とすることが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の技術は次の様な欠点を有している。乾燥ボックス内への温風供給は帯状フィルムに指向して噴出されるため吹かれムラが発生する危険がある。また、乾燥ボックス内で局所的に溶剤濃度の高い部分を作るのは爆発の危険がある。
吹かれムラ対策としては、例えば、塗布膜面に吹き付ける風の角度を規定することにより乾燥の吹かれムラを防止した乾燥を行う方法が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
しかしながら、特許文献3に記載の技術は次の様な欠点を有している。乾燥ボックス内から排気すべき溶媒量に応じた乾燥風を供給する必要があり、この供給された乾燥風は塗布膜近傍へ噴出されているため、吹き付け風の角度が塗布膜と垂直でなくても吹かれムラが生じる。
乾燥ボックス内の温度制御対策としては、例えば供給風の温度制御による方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。
しかしながら、非特許文献1に記載の技術は次の様な欠点を有している。乾燥ボックス内の温度制御は通常乾燥ボックス内の温度測定結果に応じて温風の温度を制御する制御ボックスの条件を変更することにより、供給する空気の温度を制御することにより行うが、吹かれムラ対策として供給する空気の風量を少なくした場合は、少量の供給空気の温度制御により乾燥ボックス内の温度を一定に保つことになり制御応答性が悪化する。
上記状況より、乾燥時の製品品位劣化防止、生産効率の向上、安全基準の確保のため、乾燥装置内の溶媒濃度の管理が容易で、温風による塗布膜面の吹かれムラが無く、乾燥ボックス内の温度制御が容易な乾燥装置の開発が望まれている。
実公平6−28221号公報 特開2003−201288号公報 特開平10−68587号公報 最新コーティング技術(増補版)総合技術センター発行 p.449−458
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、乾燥装置内の溶媒濃度の管理が容易で、温風による塗布膜面の吹かれムラが無く、乾燥ボックス内の温度制御が容易な乾燥装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
連続的に搬送する帯状支持体上に塗布液を塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を有する帯状支持体を搬送しながら温風を吹き付けることにより乾燥する乾燥ゾーンを有する乾燥装置において、
該乾燥ゾーンは前記塗布膜に該温風を吹き付ける吹き出し口を配設した温風供給ヘッダを有する少なくとも1つの乾燥ボックスを有し、
該乾燥ボックスへの温風は、一部が該温風供給ヘッダに、他の一部は該塗布膜へ直接に吹き付けない位置へ分配し供給することを特徴とする乾燥装置。
(請求項2)
前記乾燥ボックスは、分配されて供給される温風のバランス調整を独立で行うことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
(請求項3)
前記温風は、乾燥ボックスからの排気の一部が混合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥装置。
乾燥装置内の溶媒濃度の管理が容易で、温風による塗布膜面の吹かれムラが無く、乾燥ボックス内の温度制御が容易な乾燥装置を提供することが出来、乾燥時の製品品位劣化防止、生産効率の向上、安全基準の確保が可能となった。
本発明に係る実施の形態を図1を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の温風吹き出し方式の乾燥ボックスを連続的に繋げた乾燥ゾーンを有する乾燥装置を用いた乾燥方法の一例を示す概略図である。
図中、8a〜8cは各温風供給ヘッダ504a〜504cに供給される温風の一部を、各乾燥ボックス501a〜501cの直接塗布膜を有する帯状支持体3a上に吹き付けない位置に供給する温風供給管を示す。各温風供給管8a〜8cは温風の温度を制御する制御ボックス508a〜508cで温度が制御された後、各フィルタ509a〜509cでゴミが除去された温風の一部を分配するのが好ましいため、各フィルタ509a〜509cから出でいる温風供給管6から分岐して配設され、各乾燥ボックスの塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置に取り付けられている。分岐する数は特に限定はなく、乾燥ボックスの大きさ、構造、乾燥する塗布膜の種類等から適宜決めることが可能である。取り付け位置は塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置であれば特に限定はなく、例えば乾燥ボックスの上でも横でも良い。本図は乾燥ボックスの上に取り付けた場合を示している。
10a〜10cは各温風供給ヘッダ504a〜504c用の温風供給管6に配設された各ダンパーを示し、11a〜11cは塗布膜を有する帯状支持体上に直接吹き付けない位置に供給される各温風供給管8a〜8cに配設された各ダンパーを示す。
各温風供給ファン510a〜510cにより温風供給管6から送られてくる温風は、各制御ボックスにより温度が調整され、各フィルタ509a〜509cでゴミが除去され、一部は温風供給管6を介して各温風供給ヘッダ504a〜504cに供給され、一部は温風供給管8a〜8cを介して、各乾燥ボックスの塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置に供給される。各温風供給ヘッダ504a〜504cに供給された温風は温風吹き出し口507a〜507cから塗布膜を有する帯状支持体3a上に吹き付け塗布膜を乾燥するのに使用され、乾燥ボックスの塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置に供給された温風は、乾燥ボックスの温度調節、乾燥ボックス内の溶媒濃度調節に使用される。その後、温風供給ヘッダ504a〜504cに供給され溶媒蒸気を含んだ温風と乾燥ボックスの塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置に供給され温度調整、溶媒濃度調節に使用された温風は共に排気口505a〜505cから排気ファン511a〜511cにより排気管7を介して乾燥装置5の外に排気される。
各温風供給ヘッダ504a〜504cに供給される温風の量と、乾燥ボックスの塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置に供給される温風の量の調整は温風供給管6に配設された各ダンパー10a〜10cと、各温風供給管8a〜8cに配設された各ダンパー11a〜11cとの開閉比率により調整することが可能となっている。13a〜13cは排気用のダンパーを示し、排気用のダンパー13a〜13cの開閉度と温風供給管6に配設された各ダンパー10a〜10cと、各温風供給管8a〜8cに配設された各ダンパー11a〜11cとの開閉比率により排気量が調整可能となっている。
9a〜9cは各乾燥ボックスの排気管に配設された温風循環用の管を示す。温風の循環量は、各温風循環用の管9a〜9cに設けられたダンパー12a〜12cの開閉により調節可能となっている。各温風循環用の管9a〜9cにより、各乾燥ボックスの温度が高い排気の一部を再度各乾燥ボックス501a〜501cに導入することで、各乾燥ボックス501a〜501cの温度制御が容易になるため好ましい。他の符号は図2と同義である。
本図に示す様に乾燥ボックスに供給する温風を塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付ける温風供給ヘッダと乾燥ボックスの塗布膜を有する帯状支持体3a上に直接吹き付けない位置に供給するように分配することで次の効果が得られる。
図2に示す従来の乾燥装置の場合、温風供給ヘッダの温風吹き出し口はパンチングプレート、メッシュ、スリットなどの構造とすることで整流化し塗布幅に対して均一な流れとすることが一般的である。このため吹出し口の開口面積は対向する塗膜面積に対して小さくされており、このため温風吹き出し口から塗布膜に対して勢いよく温風が吹き付けられるため吹かれムラが発生する一因となっていた。又、温風の吹き付け力を弱めるために温風吹き出し口の開口面積を大きくすると整流化が出来ずに塗布膜の乾燥が不均一に進行することから乾燥ムラが生じるため風速減には限界が生じる。又、温風の吹き付け力を弱めるために温風供給量を減少させた場合は、乾燥ボックス内の換気量が不十分となり、乾燥ボックス内の溶媒濃度が上昇することにより乾燥効率の低下を発生させてしまうし、塗布液が有機溶媒の場合は安全上危険となる。
本発明の乾燥装置はこの様な図2に示す如き従来の乾燥装置の問題点を解決したものであり、乾燥ボックスに供給する温風の一部を塗布膜を有する帯状支持体上に直接吹き付ける温風供給ヘッダに供給し、他の一部を塗布膜を有する帯状支持体上に直接吹き付けない位置に供給することで、塗膜面を乱すことにより製品の品位を損なうことなく乾燥ボックス内の換気を行うことができる。これにより乾燥ボックス内の溶媒濃度を抑制することができ乾燥速度を促進することで生産効率が上がり、塗膜溶媒に有機溶剤を使用している場合は安全上の爆発限界以下とすることが容易にできる。さらに供給風量が十分に取れるため乾燥ボックス内の温度制御も容易に行うことができる。
本発明に係る乾燥ボックスは、帯状支持体上に設けられた塗布膜は乾燥が進行するにつれ外乱に対して強くなるため塗布膜への影響低減と乾燥効率向上を両立させるには複数個の乾燥ボックスを直列に配置し、各乾燥ボックスでの塗布膜の乾燥状況に応じて乾燥件を段階的に変更することが好ましい。したがって温風供給ヘッダに供給する量と、塗布膜を有する帯状支持体上に直接吹き付けない位置に供給する他の一部の温風量の調整も各乾燥ボックスで独立に行うことが好ましい。
本発明に係る塗布液は、特に限定されず、例えば写真感光材料、熱現像感光材料、アブレーション記録材料、印刷製版材料、磁気記録材料、感圧及び感熱記録材料、易接着性、易滑性、ガス遮断性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する材料に使用する塗布液が挙げられる。また、塗布液中の溶媒についても特に限定されず、水、有機溶剤を溶媒とする系に適用できる。それら塗布液を塗布する方式も「MODERN COATING AND DRYING TECHNOLOGY」に各種記載されているが、本発明に係る適用には特に限定されない。
また、本発明に適用される支持体も特に限定されず、紙、プラスチック、金属などの支持体に適用できる。代表的支持体の材質としては、プラスチックではポリエチレンテレフタレート(PET)、金属ではアルミニウム等が挙げられる。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
(塗布液の調製)
メチルエチルケトンにポリビニルブチラールを固形分濃度として、20質量%となるように溶解して塗布液を調製した。この塗布液を、B型粘度計で20℃における粘度を測定したところ417mPa・sであった。
(乾燥装置の準備)
図1に示す乾燥ボックスを直列に3つ繋げた乾燥装置の各乾燥ボックスへの温風供給ヘッダーへの温風供給量と、塗布膜を有した帯状支持体上に直接吹き付けない位置への温風供給量をダンパーの開度を表1に示す様に変えた乾燥ボックスを準備し乾燥装置運転条件1−1〜1−4とした。尚、一つ乾燥ボックスの長さは6mとした。乾燥温度は第1番目の乾燥ボックスは50℃、第2番目の乾燥ボックスは60℃、第3番目の乾燥ボックスは70℃とし、各乾燥ボックスの温風の温風供給ファンの風量を100m3/minとし、排気ファンの風量を100m3/minとし、各排気用のダンパーの開度を100%とし供給量と排気量は同じになるように調整し乾燥を行った。
Figure 2005172351
(塗布及び乾燥)
調製した塗布液を、エクストルージョンダイコーターを用いて、帯状支持体として100μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、塗布幅1m、ウエット膜厚80μmとなるように塗布速度20m/minで1000m塗布し、設定した乾燥装置運転条件1−1〜1−4により乾燥し、試料101〜104とした。
(評価)
作製した各試料101〜104の塗布終端から2mに付き、仕上がり塗布膜の吹かれムラの状況を評価した。又、乾燥中の第1番目の乾燥ボックス内の溶媒濃度および温度安定性につき評価した結果を表2に示す。尚、吹かれムラは目視で観察し、以下の評価ランクにより評価した。溶媒濃度は、赤外線式ガス検知器により測定した。温度安定性は温度の変動幅を示し、熱電対により測定した。
吹かれムラの評価ランク
○:吹かれムラが認められない
△:僅かにかれムラが確認されるが製品化可能なレベル
×:吹かれムラが強く確認され製品化不可のレベル
Figure 2005172351
試料102は、吹かれムラは良好な結果となったが乾燥ボックスの温度安定性が劣るため実用化は不可と判断した。
本発明の温風吹き出し方式の乾燥ボックスを連続的に繋げた乾燥ゾーンを有する乾燥装置を用いた乾燥方法の一例を示す概略図である。 従来の温風吹き出し方式の乾燥ボックスを連続的に繋げた乾燥ゾーンを有する乾燥装置を用いた乾燥方法の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 コータ
3、3a 帯状支持体
5 乾燥装置
501a〜501c 乾燥ボックス
502 入り口
503 出口
504a〜504c 温風供給ヘッダ
505a〜505c 排気口
506a〜506c 温風供給口
507a〜507c 温風吹き出し口
508a〜508c 制御ボックス
509a〜509c フィルタ
510a〜510c 温風供給ファン
511a〜511c 排気ファン
6、8a〜8c 温風供給管
7 排気管
9a〜9c 温風循環用の管
10a〜10c、11a〜11c、13a〜13c、12a〜12c、6a〜6c、7a〜7c ダンパー

Claims (3)

  1. 連続的に搬送する帯状支持体上に塗布液を塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を有する帯状支持体を搬送しながら温風を吹き付けることにより乾燥する乾燥ゾーンを有する乾燥装置において、
    該乾燥ゾーンは前記塗布膜に該温風を吹き付ける吹き出し口を配設した温風供給ヘッダを有する少なくとも1つの乾燥ボックスを有し、
    該乾燥ボックスへの温風は、一部が該温風供給ヘッダに、他の一部は該塗布膜へ直接に吹き付けない位置へ分配し供給することを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記乾燥ボックスは、分配されて供給される温風のバランス調整を独立で行うことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記温風は、乾燥ボックスからの排気の一部が混合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014192029A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Hitachi High-Technologies Corp リチウムイオン電池の製造装置およびリチウムイオン電池の製造方法

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