JP2001327907A - 塗膜乾燥装置及び塗布方法 - Google Patents

塗膜乾燥装置及び塗布方法

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JP2001327907A
JP2001327907A JP2000151312A JP2000151312A JP2001327907A JP 2001327907 A JP2001327907 A JP 2001327907A JP 2000151312 A JP2000151312 A JP 2000151312A JP 2000151312 A JP2000151312 A JP 2000151312A JP 2001327907 A JP2001327907 A JP 2001327907A
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coating
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Keiichi Aoki
圭一 青木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、効率的な乾燥能力を有し、
連続塗布における乾燥安定性が良好で、かつ塗膜におけ
る乾燥の均一性に優れた塗膜乾燥装置及び塗布方法を提
供することにある。 【解決手段】 連続走行する支持体に塗布液を塗布した
後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置において、
支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しながら搬
送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室内に支持体の折り
返し距離の可変機構を有することを特徴とする塗膜乾燥
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続走行する支持
体上に塗布した塗設物の塗膜乾燥装置及び塗布方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】通常、支持体等に塗設された塗布液は、
塗布後、塗膜中に含まれる水分や有機溶媒等の溶媒を取
り除くため、塗膜乾燥工程を通過させる。
【0003】この塗膜の乾燥方法としては、従来より各
種の方法が提案されてきた。塗膜乾燥方法として最も一
般的なのは、例えば、特公昭53−10691号に代表
される加熱乾燥温度を規定するもの、また、特公平1−
57276号に代表される加熱風の方向を規定するもの
等数多くの提案がされている。しかしながら、乾燥方法
や乾燥装置については、それぞれの塗布液の組成に応じ
て条件を適正化する必要があり、適用条件として画一的
に規定できるものではなかった。そのため、塗布製造条
件が適正化されていない場合には、得られる塗膜の外観
にムラや欠陥を生じたり、塗膜中の残留溶媒が適正量で
なかったり、残留溶媒量にバラツキを生じたりして、最
終的な塗膜品質に影響を与えることが知られている。
【0004】支持体を複数の搬送ロールに支持し、折り
返しながら搬送される乾燥装置においては、主にその乾
燥ゾーンの乾燥温度を制御することにより、塗膜の残留
溶媒量をコントロールすることが一般的に行われてい
る。しかしながら、近年、製品の多品種化等に伴い、塗
布物の品種変更による残留溶媒量の再調整、あるいは品
種間での使用する溶媒種類の違い、塗布速度の違い、塗
布膜厚の違いなどにより、塗布品種の切り替え毎に乾燥
温度等を最適の条件に調整することが必要となり、その
結果、大容積の乾燥室温度を変更するには多大な調整時
間が必要になる。また、乾燥温度条件を変更し、次の品
種の塗布乾燥条件の温度が安定するまで生産ラインを停
止せざるを得ない。また、この乾燥装置は大きなボック
ス型構造であるため、ボックス内では温度分布が生じ、
その結果、塗膜物の搬送される位置によって残留溶媒量
にバラツキを生じ、最終的に得られる製品間での性能差
を引き起こす要因ともなる。さらには、連続して塗布を
行う場合において、塗布開始直後と塗布定常状態の間で
塗膜中の残留溶媒量が変動し、その結果、上記と同様に
塗膜性能に影響してしまう問題点があり、早急な解決が
要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みなされたものであり、その目的は、効率的な乾燥能
力を有し、連続塗布における乾燥安定性が良好で、かつ
塗膜における乾燥の均一性に優れた塗膜乾燥装置及び塗
布方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0007】1.連続走行する支持体に塗布液を塗布し
た後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置におい
て、支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しなが
ら搬送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室内に支持体の
折り返し距離の可変機構を有することを特徴とする塗膜
乾燥装置。
【0008】2.連続走行する支持体に塗布液を塗布し
た後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置におい
て、支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しなが
ら搬送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が複数の乾燥
ゾーンからなり、かつ各々の乾燥ゾーンが独立した温度
制御機構を有していることを特徴とする塗膜乾燥装置。
【0009】3.連続走行する支持体に塗布液を塗布し
た後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置におい
て、支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しなが
ら搬送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が下方より温
度制御した加熱風を供給し、その上部より排気する構造
を有することを特徴とする塗膜乾燥装置。
【0010】4.連続走行する支持体に塗布液を塗布し
た後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置におい
て、支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しなが
ら搬送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が、乾燥前半
部で支持体に対し垂直に乾燥室と同等温度の風を吹き付
ける機構を有していることを特徴とする塗膜乾燥装置。
【0011】5.連続走行する支持体に塗布液を塗布
し、支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しなが
ら搬送する構造を有する乾燥室を通過させ、その塗膜中
の溶媒を蒸発させる塗布方法において、塗布開始前に予
め所定の時間、支持体を搬送させた後に、塗布を行うこ
とを特徴とする塗布方法。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。通
常、塗布液を連続走行する支持体上に塗布した後、塗布
液中に含有している水や有機溶媒等の溶媒を蒸発させ
る、いわゆる乾燥工程は、一般的には、塗膜が流動状態
にある恒率乾燥ゾーンと塗膜の流動状態が失われた後の
減率乾燥ゾーンとに分けられる。乾燥前半の恒率乾燥ゾ
ーン後も、塗膜内には溶媒が残留していることが一般的
であり、この残留溶媒量をさらに低減し、乾燥を行うの
が減率乾燥ゾーンの主たる機能である。この残留溶媒量
は、乾燥終了後の塗膜性能に大きな影響を及ぼし、例え
ば、感光材料製品においては、感度あるいはカブリ等に
代表される基本機能や、保存安定性、塗膜物性等に影響
を与えることが知られている。この減率乾燥期間におい
ては、塗膜の乾燥が、塗膜内における残留溶媒の拡散律
速となるため、通常は恒率乾燥期間よりも多大な時間と
乾燥の為の熱エネルギーを要す。恒率乾燥期間終了後
は、塗膜表面が面接触可能な状態となるため、減率乾燥
ゾーンにおいては、乾燥室内で支持体を複数の搬送ロー
ルで支持しながら折り返し搬送する機構を有する乾燥装
置を用いることが知られている。この方式は、省スペー
スで、かつ効率的に残留溶媒を削減する点から有利であ
る。代表的塗布乾燥ラインの例を、図1、図2の各概略
図に示す。
【0013】図1においては、連続走行する支持体0
に、バックロール1を介して塗布液2を塗布し、その後
恒率乾燥室4で第1段階の乾燥を行った後、引き続き複
数の搬送ロールに支持されて折り返しながら搬送する機
構の減率乾燥室5で乾燥を行い、乾燥済み塗布物を作製
する。また図2では、恒率乾燥ゾーン及び減率乾燥ゾー
ンを複数の搬送ロールに支持されて折り返しながら搬送
する機構を有する単一の乾燥室6′で行う一例を示す。
【0014】一方、塗布物の製造工程においては、同一
の塗布ラインを用いて、複数の製品を塗布するケースが
多々あり、各々の製品毎で、塗布膜厚、塗布スピード、
目標とする残留溶媒量等の設定が異なり、それぞれに応
じて、最適の乾燥条件を設定することが必要となり、上
記のような減率乾燥装置においては、それぞれの乾燥温
度の設定値を変更する方法が最も一般的である。しかし
ながら、大きな容積を持つ乾燥室の温度を変更するに
は、多大の時間とエネルギーが必要となり、また設定す
べき温度に安定するまで長時間を要し、その為、この様
な条件変更においては、長時間製造ラインを停止せざる
を得ないという問題点があった。
【0015】本発明者は、上記課題を解決するため鋭意
検討を行った結果、以下に示す手段を導入することによ
り解決できることを見出した。
【0016】請求項1に係る発明では、連続走行する支
持体に塗布液を塗布した後、塗膜中の溶媒を蒸発させる
塗膜乾燥装置において、支持体を複数の搬送ロールで支
持し、折り返しながら搬送する構造の乾燥室を有し、か
つ該乾燥室内に支持体の折り返し距離の可変機構を有す
ることが特徴である。
【0017】すなわち、本発明においては、塗布ライン
での塗布物の品種切り替えに際し、多大の時間を要する
乾燥室の温度変更は行わずに、乾燥室内の経路長(乾燥
ライン長とも言う)のみを変更することにより、塗膜の
性能を損なわずに、短時間で規定の残留溶媒量に合わせ
込むことができることが特徴である。具体例を、その概
略図である図3で示す。図3において、乾燥室、特には
減率乾燥室6の内部に設置された複数の向かい合った搬
送ロールの一方を距離可変機構とし、品種の切り替えに
際しては、乾燥室内の温度は変更せずに、支持体の折り
返し距離を変更することにより、それぞれの品種に適合
した乾燥時間を設定し、短時間で所望の乾燥条件変更を
達成することができる。
【0018】請求項2に係る発明では、塗膜乾燥装置に
おいて、支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返し
ながら搬送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が複数の
乾燥ゾーンからなり、各々の乾燥ゾーンが独立した温度
制御機構を有していることが特徴である。具体的には、
乾燥室が、単一条件により制御されている乾燥室ではな
く、図4で示すように、乾燥室を複数のゾーンに分割
し、乾燥条件の変更においては、必要最小限のゾーンの
み温度を変更することにより、短時間で所望の乾燥条件
への変更が達成できる。また、各乾燥ゾーンには、各々
温度制御機能を有していることも特徴である。従来の様
な単一の減率乾燥ゾーンのみ有する乾燥室では、必然的
に設定できる温度も当然のことながら単一条件となる。
塗布乾燥においては、制御因子として、残留溶媒量以外
にも、設定される乾燥条件により塗膜の諸性能が大きく
影響を及ぼす場合があり、本発明の複数の乾燥ゾーンを
有し個別に最適の温度設定を行うことにより、製品の塗
膜設計の自由度が拡大する利点を有する。
【0019】一方、通常、乾燥室は大きなボックス構造
を有するため、乾燥室内では各位置により温度分布が生
じてしまうという問題点があり、その結果、塗膜性能や
塗膜外観にバラツキを引き起こす要因となる。この問題
点を解消するため、乾燥室内部の気体の流れ方向を規制
することにより、温度バラツキが小さくなることが判明
した。その手段として最も簡便な方法としては、図5で
示すように、給排気ダクトを乾燥室の上方に配置する方
法があるが、この方法では、乾燥室内全般の温度分布が
大きくなり、また乾燥室内の温度を温度センサーで制御
する際、一部の塗膜に対し過剰に高温の温風が吹き付け
られ、特に給気口近傍においては、塗膜性能や外観に重
大な影響を及ぼす結果を招く。この温度分布の原因とし
ては、自然対流の影響が最も大きいことが判明した。
【0020】上記課題に対し、以下の構成を用いること
が有効であることが判明した。すなわち、請求項3に係
る発明である、塗膜乾燥装置において、支持体を複数の
搬送ロールで支持し、折り返しながら搬送する構造の乾
燥室を有し、かつ該乾燥室が下方より温度制御した加熱
風を供給し、その上部より排気する構造であることが有
効であることを見出した。具体的には、図6で示すよう
に、乾燥室の下方より温度調整した加熱風を供給し、上
方より排気する構成を取ることにより、乾燥室内の温度
分布の均一化が図れることを見出した。さらに、支持体
の幅手方向の均一化を図るためには、図7に示すように
支持体幅手方向の両サイドに加熱風の入口、出口を設け
ることが、更に好ましい。
【0021】複数の搬送ロールに支持されて折り返しな
がら搬送する構造の乾燥室を用いた塗布乾燥工程では、
連続走行する塗設物の塗布開始直後と塗布定常時におい
て、乾燥後の残留溶媒量に違いが生じる。この原因を追
及した結果、乾燥室前半部分の搬送ロールが、塗布開始
直後では、ほぼ乾燥室温度と同一に設定されているが、
塗布、乾燥を行うに従って、乾燥室に入ってくる支持体
の持ち込み熱量により、搬送ロールの表面温度が、支持
体の温度に徐々に収斂していくことが判明した。例え
ば、支持体の温度が乾燥室よりも低い温度で乾燥室に入
っていけば、乾燥室前半部分の搬送ロールは、塗布開始
時は乾燥室と同等の温度となっているが、塗布経時に従
い徐々に温度が低下し、ある一定値に収斂していく。そ
の結果、塗布開始時と塗布定常時の塗膜残留溶媒量に変
化を生じる結果となる。それを改良する手段について鋭
意検討を進めた結果、以下の装置形態及び方法が有効で
あることを見出した。
【0022】その一つは、請求項4に係る発明である、
乾燥室内の乾燥前半部に、支持体に対し垂直に乾燥室と
同等温度の加熱風を吹き付ける機構を有することにより
達成できることを見出した。具体的には、図8で示すよ
うに、乾燥室内の前半部側面に、支持体に対しほぼ垂直
に乾燥室温度と同温の加熱風を吹き付けることにより、
上記課題が改善できることを見出した。これは、支持体
に対して垂直に加熱風を吹き付けることにより、支持体
への熱伝達を促進し、乾燥室への挿入直後に支持体温度
が乾燥室温度に近づくことにより、乾燥室内前半部の搬
送ロール温度が、塗布開始時から常に乾燥室の設定温度
に近い状態で稼働することができ、その結果、連続塗布
における乾燥塗膜中の残留溶媒量の安定化を図ることが
できた。また、図8に示すような乾燥室形態とすること
により、減率乾燥のみならず、乾燥室前半ゾーンで熱伝
達を促進することにより、恒率乾燥の役割を担うことも
でき、単一構造のボックス型乾燥室に比較して、高速塗
布化等の生産性向上にも寄与することができる。
【0023】以上説明した本発明の請求項1〜4に係る
乾燥装置は、図1における減率乾燥室5、あるいは図2
で示した乾燥室6′の何れに適用しても良い。
【0024】また、他の方法としては、請求項5に係る
発明である、塗布開始前に予め所定の時間、支持体を搬
送させた後に、塗布を開始する方法を導入することによ
っても塗布乾燥後の塗膜中における残留溶媒量の安定化
を図ることができる。すなわち、予め支持体を搬送する
ことにより、乾燥室内前半の搬送ロールを模擬的に塗布
定常状態の温度に近づけてから、塗布を開始することに
より、連続塗布における残留溶媒量の安定化が図れるも
のである。なお、温度設定としては、支持体による温度
低下率を事前確認し、それを考慮して乾燥室内の温度設
定を行うことにより、目標とする残留溶媒量を安定して
得ることができる。
【0025】本発明において、連続走行している支持体
に塗布液を塗布する方法としては、特に限定はなく、例
えば、特開昭52−115214号、同54−1350
号、同56−108566号等に記載されているスライ
ドホッパーによるビードコート法、米国特許第3,33
5,026号等に記載されているようなディップコート
法、米国特許第2,761,791号等に記載されてい
るようなエクストルージョンコート法、米国特許第2,
674,167号等に記載されているようなスプレーコ
ート法、その他、エアーナイフコート法、カーテンコー
ト法、ローラーコート法、グラビアコート法等が挙げら
れ、また必要に応じて、米国特許第2,761,791
号、同第3,508,947号、同第2,941,89
8号及び同第3,526,528号、原崎勇次著「コー
ティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)、
Edward Cohen、Edgar Gutoff
著「MODERN COATING AND DRYI
NG TECHNOLOGY」に記載の方法等に記載さ
れた塗布方法等を適宜選択して用いることができ、また
塗布形態としては、単一層の塗布でも良く、あるいは2
層以上の構成層を同時に重層塗布する方法でも良い。
【0026】本発明で用いられる支持体としては、種類
に制限はなく、紙、プラスチックフィルム、金属シート
等を用いることができる。紙としては、例えばレジンコ
ート紙、合成紙等が挙げられる。また、プラスチックフ
ィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ
エステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィル
ム等)、ポリアミドフィルム(例えばポリエーテルケト
ンフィルム等)、セルロースアセテート(例えばセルロ
ーストリアセテート等)等が挙げられる。また、金属シ
ートではアルミニウム板が代表的である。また、用いる
支持体の厚さについても、特に制限はない。
【0027】本発明で用いることのできる塗布液として
は、特に制限はないが、例えば磁気記録媒体用磁性塗布
液、一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料用塗布液、
感熱材料用塗布液、熱現像感光材料用塗布液、あるいは
高分子材料を有機溶媒、水等に溶解した液、顔料分散
液、コロイド状分散液等を挙げることができる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明の効果を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定され
るものではない。
【0029】実施例1 以下に示す方法に従い、ポリマー溶液の塗布を行った。
【0030】(比較塗布例1)図1で示す塗布乾燥ライ
ンを用いて、幅1000mm、厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレート支持体上に、水を溶媒とした粘度
20mPa・secのポリビニルアルコールの20質量
%溶液を、乾燥後の膜厚が10μm、乾燥後の塗膜中の
残留溶媒量が500mg/m2となるように、ディップ
コート法により下記2条件の塗布速度で塗布、乾燥を行
った。図1において、恒率乾燥室4は、経路長を20m
とし、乾燥温度は70℃とした。また、減率乾燥室5の
総経路長を100mとした。塗布に当たっては、まず塗
布速度10m/分で塗布を行い、そのときの減率乾燥室
5の温度は、上記の残留溶媒量を達成するため、乾燥温
度を50℃に設定した。次いで、塗布速度を10m/分
から20m/分に変更し、それに伴い同一の残留溶媒量
を得るため、減率乾燥室5の温度を60℃に変更し条件
が安定した後塗布を行った。なお、この条件変更に要し
た時間は3時間であり、この間は塗布ラインを停止し
た。
【0031】本発明で言う上記残留溶媒量は、下記の方
法により求めた。塗布乾燥後の試料を、面積として4
6.3cm2を切り出し、これを5mm程度に細かく刻
み専用バイアル瓶に収納し、セプタムとアルミキャップ
で密閉した後、ヒューレット・パッカード社製ヘッドス
ペースサンプラーHP7694型にセットする。
【0032】ヘッドスペースサンプラーと接続したガス
クロマトグラフィー(GC)は検出器として水素炎イオ
ン化検出器(FID)を装着したヒューレット・パッカ
ード社製5971型を使用する。測定条件は以下の通り
である。
【0033】ヘッドスペースサンプラー加熱条件:12
0℃、20分 GC導入温度150℃ カラム:J&W社製 DB−624 昇温:45℃、3分保持→100℃(8℃/分) 上記の測定条件を用いてガスクロマトグラムを得る。測
定対象溶媒は、水、メチルエチルケトン、アセトンと
し、各々の溶媒のブタノールにて希釈された一定量をバ
イアル瓶に収納した後、上記と同様に測定して得られた
クロマトグラムのピーク面積を用いて作製した検量線を
使用してフィルム中の残留溶媒量を得る。
【0034】(本発明塗布例1)比較塗布例1におい
て、減率乾燥室5を図3で示す支持体の折り返し距離可
変機構を有する減率乾燥室6に変更した以外は同様にし
て塗布及び乾燥を行った。塗布に当たっては、まず塗布
速度10m/分で塗布を行い、そのときの乾燥後の塗膜
中の残留溶媒量が500mg/m2となるように、減率
乾燥室6の乾燥温度を60℃に設定し、支持体の折り返
し距離を調整し経路長を50mとして塗布、乾燥を行っ
た。次いで、塗布速度を10m/分から20m/分に変
更し、それに伴い同一の残留溶媒量を得るため、減率乾
燥室6の温度を60℃のまま、支持体折り返し距離を調
整し経路長を100mとして塗布、乾燥を行った。な
お、この条件変更に要した時間は10分であり、この
間、極めて短時間の塗布ラインの停止で条件変更を行う
ことができた。
【0035】(本発明塗布例2)比較塗布例1におい
て、減率乾燥室5を図4で示す乾燥ゾーンが2つに分割
され、それぞれが50mの経路長を有する第1減率乾燥
室7及び第2減率乾燥室8からなる構造の乾燥室に変更
した以外は同様にして、塗布及び乾燥を行った。塗布に
当たっては、まず塗布速度10m/分で塗布を行い、そ
のときの乾燥後の塗膜中の残留溶媒量が500mg/m
2となるように、第1減率乾燥室7の乾燥温度を50℃
に設定し、第2減率乾燥室8の乾燥温度を同じく50℃
に設定して塗布、乾燥を行った。次いで、塗布速度を1
0m/分から20m/分に変更し、それに伴い同一の残
留溶媒量を得るため、第1減率乾燥室7の温度は50℃
のままとし、第2減率乾燥室8の温度を65℃に変更し
て塗布、乾燥を行った。なお、この条件変更に要した時
間は50分であり、この間、塗布ラインを停止したが、
短時間であった。
【0036】以上の結果より明らかなように、本発明に
係る構成を有する減率乾燥部を用いて塗布、乾燥を行う
ことにより、比較塗布例に対し、塗布速度等の変更に対
し、極めて短時間で条件変更を行うことができ、塗布ラ
インの生産効率が高いことが判る。
【0037】実施例2 (比較塗布例2)図1で示す塗布乾燥ラインを用いて、
幅1000mm、厚さ100μmのポリエチレンテレフ
タレート支持体上に、メチルエチルケトンを溶媒とした
粘度500mPa・secのポリビニルブチラール樹脂
の40質量%溶液を、塗布速度が50m/分、乾燥後の
膜厚が20μmとなるように、ディップコート法により
塗布、乾燥を行った。なお、図1における減率乾燥室5
は、図5で示すように乾燥室上部に位置する給気口9よ
り加熱風を送風し、上部の対向部に位置する排気口10
より排気する構造とした。恒率乾燥室4は、経路長が2
0mであり、温度は50℃に設定した。また、図5にお
ける減率乾燥室6は、経路長が100mであり、温度は
70℃に設定し、温度センサー11により検出制御し
た。
【0038】(本発明塗布例3)比較塗布例2におい
て、減率乾燥室の構造として、図6で示すように支持体
の幅手方向の片サイド下方に位置する給気口9より加熱
風を送風し、その上部に位置する排気口10より排気す
る様にした以外は同様にして、塗布及び乾燥を行った。
【0039】(本発明塗布例4)比較塗布例2におい
て、減率乾燥室の構造として、図7で示すように支持体
の幅手方向の両サイド下方に位置する給気口9より加熱
風を送風し、その上部の両サイドに位置する排気口10
より排気する様にした以外は同様にして、塗布及び乾燥
を行った。
【0040】(塗布済み試料の品質評価)上記作製した
各塗布済み試料について、幅手方向における残留溶媒量
及び塗膜表面の外観について評価を行った。
【0041】幅手方向における残留溶媒量は、図5〜図
7で示すように各試料の幅手方向3点(支持体左端よ
り、A点:100mm位置、B点:500mm位置及び
C点:900mm位置)より試料を採取し、実施例1と
同様の方法にて残留溶媒量の測定を行った。また、上記
A〜C点について、その塗膜表面外観を、目視観察によ
り評価を行い、得られた結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より明らかなように、比較塗布例2で
は、塗布済み試料の幅手方向における残留溶媒量のバラ
ツキが大きく、また局部的に高温の加熱風が吹き付けた
為、幅手方向端部(C部)に光沢ムラが発生した。これ
に対し、本発明の構成を有する本発明塗布例3及び4
は、幅手方向における残留溶媒量のバラツキも少なく、
かつ表面の光沢ムラの発生も認められず、極めて均質の
塗膜特性を有していることが判る。
【0044】実施例3 (比較塗布例3)図2で示す塗布乾燥ラインを用いて、
幅500mm、厚さ100μmのポリエチレンテレフタ
レート支持体上に、アセトンを溶媒とした粘度1mPa
・secのノボラック樹脂の10質量%溶液を、塗布速
度を10m/分、乾燥後の膜厚が2μmとなるように、
ディップコート法により60分間の連続塗布及び乾燥を
行った。なお、乾燥室6′は、経路長を100mとし、
乾燥温度は80℃とした。
【0045】(本発明塗布例5)比較塗布例3におい
て、乾燥室6′に代えて、図8で示すように乾燥室内の
前半部に、支持体に対しほぼ垂直方向に加熱風を吹き付
ける機構を有する乾燥室6′を用いた以外は同様にし
て、塗布乾燥を行った。なお、乾燥温度は、上記と同様
に80℃とした。
【0046】(本発明塗布例6)塗布に先立ち、10分
間、図2で示す塗布乾燥ラインに、未塗布状態の支持体
を搬送した後、比較塗布例3と同様の塗布及び乾燥を行
った。
【0047】(連続塗布における残留溶媒量の測定)上
記各塗布方式において、それぞれ塗布開始1分後、30
分後及び60分後に塗布済み試料を採取し、各々の試料
について、ランダムに10箇所について実施例1記載の
方法により、残留溶媒量の測定を行い、その平均値を求
め、得られた結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果より明らかなように、比較塗布
例3に対し、本発明に係る構成又は塗布方法を用いた本
発明塗布例5及び6は、連続長尺塗布における残留溶媒
量の変動が極めて少なく、安定した塗布試料を得ること
ができた。
【0050】
【発明の効果】本発明により、効率的な乾燥能力を有
し、連続塗布における乾燥安定性が良好で、かつ塗膜に
おける乾燥の均一性に優れた塗膜乾燥装置及び塗布方法
を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布、乾燥ラインの一例を示す概略図。
【図2】塗布、乾燥ラインの一例を示す概略図。
【図3】本発明の支持体の折り返し距離可変機構を有す
る減率乾燥室の一例を示す概略図。
【図4】本発明の乾燥ゾーンが2つに分割された減率乾
燥室の一例を示す概略図。
【図5】乾燥室の上部に、加熱風の給排気口を有する減
率乾燥室の一例を示す概略図。
【図6】本発明の下部に加熱風の給気口、上部に排気口
を有する減率乾燥室の一例を示す概略図。
【図7】本発明の下部に複数の加熱風の給気口、上部に
複数の排気口を有する減率乾燥室の一例を示す概略図。
【図8】本発明の乾燥室内前半部に、支持体に対しほぼ
垂直方向に加熱風を吹き付ける機構を有する乾燥室の一
例を示す概略図。
【符号の説明】
0 支持体 1 バックロール 2 塗布液 3 搬送ロール 4 恒率乾燥室 5 減率乾燥室 6′ 乾燥室 6 減率乾燥室 7 第1減率乾燥室 8 第2減率乾燥室 9 給気口 10 排気口 11 温度センサー 12 ブロアー 13 ヒーター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行する支持体に塗布液を塗布した
    後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置において、
    支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しながら搬
    送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室内に支持体の折り
    返し距離の可変機構を有することを特徴とする塗膜乾燥
    装置。
  2. 【請求項2】 連続走行する支持体に塗布液を塗布した
    後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置において、
    支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しながら搬
    送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が複数の乾燥ゾー
    ンからなり、かつ各々の乾燥ゾーンが独立した温度制御
    機構を有していることを特徴とする塗膜乾燥装置。
  3. 【請求項3】 連続走行する支持体に塗布液を塗布した
    後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置において、
    支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しながら搬
    送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が下方より温度制
    御した加熱風を供給し、その上部より排気する構造を有
    することを特徴とする塗膜乾燥装置。
  4. 【請求項4】 連続走行する支持体に塗布液を塗布した
    後、塗膜中の溶媒を蒸発させる塗膜乾燥装置において、
    支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しながら搬
    送する構造の乾燥室を有し、該乾燥室が、乾燥前半部で
    支持体に対し垂直に乾燥室と同等温度の風を吹き付ける
    機構を有していることを特徴とする塗膜乾燥装置。
  5. 【請求項5】 連続走行する支持体に塗布液を塗布し、
    支持体を複数の搬送ロールで支持し、折り返しながら搬
    送する構造を有する乾燥室を通過させ、その塗膜中の溶
    媒を蒸発させる塗布方法において、塗布開始前に予め所
    定の時間、支持体を搬送させた後に、塗布を行うことを
    特徴とする塗布方法。
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