JP2003092253A - 照明光学系、露光装置、及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents
照明光学系、露光装置、及びマイクロデバイスの製造方法Info
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Abstract
ョンを全く変化させることなしに、照度分布の2次成分
を無段階に調整することができる照明光学系及び当該照
明光学系を備える露光装置を提供する。 【解決手段】 露光光源1から射出される露光光ILの
光路上に設けられ、光軸IAXを横切る方向に3次以上
の関数を含む関数で表される透過率分布を有する少なく
とも2つのフィルタ部材14a,14bを備える。
Description
装置、及びマイクロデバイスの製造方法に係り、特に、
マスク又はレチクル等の被照射物体を均一な照度分布を
有する照明光で照明する照明光学系、当該照明光学系を
備え、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気
ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程において
用いられる露光装置、及び当該露光装置を用いたマイク
ロデバイスの製造方法に関する。
薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程
の1つであるフォトリソグラフィ工程においては、マス
クやレチクル(以下、これらを総称する場合は、マスク
と総称する)に形成されたパターンを、フォレジスト等
の感光剤が塗布されたウェハやガラスプレート等(以
下、これらを総称する場合は、基板と称する)に転写す
る露光装置が用いられる。この露光装置は均一な照度分
布の照明光でマスクを照明するために、エキシマレーザ
等の光源から射出された光の照度分布を均一化するとと
もに所定の形状に整形するための照明光学系を備える。
明する光、ひいては基板上に照射される光の照度がマス
ク又は基板の面内において変化する分布を有している
と、基板上に照射される光の光量がその照度分布に応じ
て変化するため、基板に形成されるパターンの線幅がば
らついてしまう。特に、上述したマイクロデバイスの1
つである半導体素子の内のロジック系の半導体素子を製
造する場合には、パターンの線幅の均一性が高く要求さ
れる。これは、パターンの線幅がばらつくと動作速度が
低下するためである。例えば、近年のCPU(中央処理
装置)は、数GHzの動作周波数で動作するものが主流
であり、今後益々動作周波数の向上が図られるものと考
えられるため、パターンの線幅の均一化は極めて重要と
なる。
の光量を基板面内で均一にするために、ディストーショ
ンを有するコンデンサーレンズを照明光学系内に備え、
その値を可変することで基板面内における光量の均一性
を達成していた。以下、コンデンサーレンズのディスト
ーションを可変させて照度分布を変化させる原理につい
て図11を参照しつつ簡単に説明する。図11は、コン
デンサーレンズにより照度分布を調整する原理を説明す
るための図である。
0はコンデンサーレンズであり、P2は被照射面であ
る。この被照射面P2は、例えばマスクのパターン形成
面である。いま、光源P1から射出される光束の射出角
をθ(光軸AXに平行に射出される光束の射出角をθ=
0とする)、コンデンサーレンズ100の焦点距離を
f、光源P1から射出角θで射出された光束が被照明面
P2に入射する位置の光軸AXからの距離をhとする。
ーレンズの射影関係は一般に以下の(1)式で表され
る。 h=f・g(θ) ……(1) 上記(1)式中の、g(θ)はθの関数である。ここ
で、光源P1として完全拡散面(測光学上の理想的な面
光源)を想定すると、g(θ)=sinθのときに被照明
面P2の照度が均一となる。このため、g(θ)=sin
θのときには、コンデンサーレンズ100のディストー
ションが零の状態であるとする。
トーションが零の状態にある場合を考える。この場合に
光源P1から微小立体角dΩをもって射出された光束が
被照射面P2上になす微小面積dSは、以下の(2)式
で表される。 dS=dh dψ h =f2 sinθ cosθ dθ dψ ……(2) ここで、ψは光軸AX周りの回転角である。
トーションがある場合を考える。いま、ある像高でn%
のディストーションがあるという状態の射影関係は以下
の(3)式で表される。 h=fsinθ(1−n/100)……(3) さて、実際のコンデンサーレンズ100は一般にさほど
複雑な形状をしていないため、3次以上の収差はあまり
発生しない。そのため、ディストーションも3次収差の
範囲で考察すれば良い。すると、ディストーションは像
高の二乗に比例するため、n=αsin2θと表すことがで
きる。尚、αは定数である。この場合に光源P1から微
小立体角dΩをもって射出された光束が被照射面P2上
になす微小面積dSは、以下の(4)式で表される。 dS=dh dψ h =f2 sinθ cosθ dθ dψ(1−4αsin2θ/100+3α2sin4θ/10000 ) ……(4)
のディストーションが零の状態にある場合に、光源P1
から微小立体角dΩをもって射出された光束が被照射面
P2上になす微小面積dSを表しており、(4)式はコ
ンデンサーレンズ100のディストーションが非零の状
態にある場合に、光源P1から微小立体角dΩをもって
射出された光束が被照射面P2上になす微小面積dSを
表している。
光源P1から同一の微小立体角dΩをもって射出された
光束が被照射面P2上になす微小面積dSを求めた訳で
あるが、微小立体角dΩが同一であるのにもかかわら
ず、ディストーションがある場合の微小面積dhがディ
ストーションが無い場合の微小面積dhよりも小さいと
いうことは、その分照度が高くなることを意味する。
とると、ディストーションによる微小面積dSの縮小率
が、 1−4αsin2θ/100+3α2sin4θ/10000 であることが分かる。この式の内、ディストーションが
極端に大きくない、即ちα≪1である場合には、「+3
α2sin4θ/10000」という項は無視できるため、実質的
にはディストーションによる微小面積dSの縮小率は、 1−4αsin2θ/100 ……(5) であるといえる。光源から射出する微小立体角が同一で
あるにも拘わらず、照射する面積が小さいということ
は、それだけ照度が上がるということを意味する。即
ち、(5)式より、コンデンサーレンズにディストーシ
ョンがある場合には、sinθ(∝像高)の二乗に比例し
た照度分布が発生することが分かる。また、この照度分
布の2次成分の発生量はα、即ちディストーションの量
に比例することも、(5)式から理解されよう。
ズのディストーションの量を変化させることによって照
度分布を調整していた。尚、以上の説明では、コンデン
サーレンズ100のディストーションの量を変化させた
ときの、照度ムラの2次成分を変化させる場合に着目し
て説明したが、当然ながら、照度分布の1次成分(像高
に比例した成分)も他の種々の調整手段によって2次成
分と併せて調整されていた。
装置は、上述のようにコンデンサーレンズのディストー
ションの量を可変することで、基板上に照射される光の
照度分布を調整していたが、近年ではコンデンサーレン
ズのディストーションの量を変化させることが、線幅均
一性からの要請により難しくなっている。その理由は、
コンデンサーレンズのディストーションの量を変化させ
ると照明光の像高毎の開口数が変化してしまうためであ
る。この点の詳細については、例えば特開平9−228
69号公報を参照されたい。
は、基板上に照射される光の基板面内における照度分布
を均一化する必要があることは前述したとおりである
が、更に、基板に光が照射される露光領域内において開
口数が均一であることが必要となる。これは、露光領域
内において開口数が均一でない場合、即ち開口数が露光
領域内の位置に依存して変化する場合には、空間コヒー
レンスが不均一になり、その結果として基板上に形成さ
れるパターンの線幅が不均一になるからである。
サーレンズのディストーションを変化させずに、照度分
布の2次成分を調整する機構が求められている。しかし
ながら、この要請を満足する機構は従来存在しなかった
ため、従来は様々な透過率分布を有するフィルタを複数
用意し、これを交換することで極力コンデンサーレンズ
のディストーションを変化させないようにしつつも、最
後の微調整では公差の範囲内でコンデンサーレンズのデ
ィストーションを僅かに変化させて調整を行うという、
極めて面倒な方法により照度分布の調整を行っていた。
あり、コンデンサーレンズのディストーションを全く変
化させることなしに、照度分布の2次成分を無段階に調
整することができる照明光学系、当該照明光学系を備え
る露光装置、及び当該露光装置を用いて微細なパターン
を形成することにより製造されるマイクロデバイスの製
造方法を提供することを目的とする。
に、本発明の第1の観点による照明光学系は、光源
(1)から射出される光(IL)を被照射物体(R)に
照射する照明光学系において、前記光源(1)から射出
される光(IL)の光路(IAX)上に、当該光路(I
AX)を横切る方向に3次以上の関数を含む関数で表さ
れる透過率分布を有する少なくとも2つのフィルタ部材
(14a、14b)を備えることを特徴としている。こ
の発明によれば、光路を横切る方向に3次以上の関数を
含む関数で表される透過率分布を有するフィルタを少な
くとも2つ光路上に配置し、この透過率分布を組み合わ
せることで光路を横切る方向に2次関数的に変化する透
過率分布を得ているため、フィルタのみで照度分布の2
次成分を調整することができる。このように、フィルタ
のみで照度分布の2次成分を調整できるため、従来照度
分布の2次成分を調整するために必要であったコンデン
サーレンズのディストーションを全く変化させる必要が
無くなる。この結果として、コンデンサーレンズのディ
ストーション変化による照明光の像高毎の開口数の変化
が無くなり、しかも照度分布の2次成分も調整できるた
め、均一な線幅のパターンを生成する上で極めて好適で
ある。尚、上記第1の観点による照明光学系において、
3次以上の関数を含む関数で表される透過率分布は、3
次関数を含む関数で表される透過率分布であることが好
ましい。また、本発明の第1の観点による照明光学系
は、前記光路(IAX)を横切る方向に前記フィルタ部
材(14a、14b)を移動させる駆動装置(15)を
備えことを特徴としている。更に、本発明の第1の観点
による照明光学系は、前記駆動装置(15)は、前記光
路(IAX)を横切る方向に前記フィルタ部材(14
a、14b)を連続的に移動可能であることを特徴とし
ている。この発明によれば、光路を横切る方向にフィル
タ部材を連続的に移動させることができるため、照度分
布の調整を短時間で且つ高精度に調整することができ
る。更にまた、本発明の第1の観点による照明光学系
は、前記駆動装置(15)を駆動して、前記光路(IA
X)を横切る方向における前記フィルタ部材(14a、
14b)各々の相対位置を制御する制御装置(24)を
備えることを特徴としている。上記課題を解決するため
に、本発明の第2の観点による照明光学系は、光源
(1)から射出される光(IL)を被照射物体(R)に
照射する照明光学系において、前記光源(1)から射出
される光(IL)の光路(IAX)上に、当該光路(I
AX)を横切る第1方向(X方向)及び当該第1方向
(X方向)に直交する第2方向(Y方向)各々に3次以
上の関数を含む関数で表される透過率分布を有する少な
くとも2つのフィルタ部材(14a、14b)を備える
ことを特徴としている。この発明によれば、光路を横切
る第1方向及び第2方向の各々に3次以上の関数を含む
関数で表される透過率分布を有するフィルタを少なくと
も2つ光路上に配置し、この透過率分布を組み合わせる
ことで光路を横切る方向に2次関数的に変化する透過率
分布を得ているため、フィルタのみで照度分布の2次成
分を調整することができる。このように、フィルタのみ
で照度分布の2次成分を調整できるため、従来照度分布
の2次成分を調整するために必要であったコンデンサー
レンズのディストーションを全く変化させる必要が無く
なる。この結果として、コンデンサーレンズのディスト
ーション変化による照明光の像高毎の開口数の変化が無
くなり、しかも照度分布の2次成分も調整できるため、
均一な線幅のパターンを生成する上で極めて好適であ
る。しかも、第1方向及び第2方向の各々について2次
成分を調整することができるため、種々の照度分布に対
応することが可能である。尚、上記第2の観点による照
明光学系において、3次以上の関数を含む関数で表され
る透過率分布は、3次関数を含む関数で表される透過率
分布であることが好ましい。また、本発明の第2の観点
による照明光学系は、前記第1方向(X方向)及び前記
第2方向(Y方向)の少なくとも一方の方向に前記フィ
ルタ部材(14a、14b)を移動させる駆動装置(1
5)を備えることを特徴としている。更に、本発明の第
2の観点による照明光学系は、前記駆動装置(15)
は、前記第1方向(X方向)及び前記第2方向(Y方
向)に前記フィルタ部材(14a、14b)を連続的に
移動可能であることを特徴としている。この発明によれ
ば、X方向及びY方向にフィルタ部材を連続的に移動さ
せることができるため、X方向及びY方向の照度分布の
調整を短時間で且つ高精度に調整することができる。更
にまた、本発明の第2の観点による照明光学系は、前記
駆動装置(15)を駆動して、前記第1方向(X方向)
及び前記第2方向(Y方向)の少なくとも一方の方向に
おける前記フィルタ部材(14a、14b)各々の相対
位置を制御する制御装置(24)を備えることを特徴と
している。以上の本発明の第1の観点及び第2の観点に
よる照明光学系は、前記フィルタ部材(14a、14
b)が、前記被照射物体(R)の近傍又は前記被照射物
体(R)の被照射面に対して光学的に共役な面若しくは
その近傍に配置されることが好ましい。更に、本発明の
第1の観点及び第2の観点による照明光学系は、前記フ
ィルタ部材(14a、14b)の各々が、それぞれの透
過率分布特性が前記光路(IAX)を横切る方向に関し
てほぼ反転した関係となるように配置されることが好適
である。上記課題を解決するために、本発明の第1の観
点による露光装置は、光源(1)からの光(IL)をマ
スク(R)に照射して、当該マスク(R)に形成された
パターンを感光性基板(W)に転写する露光装置におい
て、前記マスク(R)を載置できるように構成されたマ
スクステージ(31)と、前記感光性基板(W)を載置
できるように構成された基板ステージ(39)と、前記
光源(1)からの光(IL)を前記マスク(R)に照明
する上記第1の観点及び第2の観点の何れかの観点によ
る照明光学系とを備えることを特徴としている。上記課
題を解決するために、本発明の第2の観点による露光装
置は、光源(1)からの光(IL)をマスク(R)に照
射して、当該マスク(R)に形成されたパターンを感光
性基板(W)に転写する露光装置において、前記マスク
(R)を載置した状態で移動可能に構成されたマスクス
テージ(31)と、前記感光性基板(W)を載置した状
態で移動可能に構成された基板ステージ(39)と、前
記光源(1)からの光(IL)を前記マスク(R)に照
明する上記第1の観点による照明光学系と、前記マスク
(R)の前記パターンの像を前記感光性基板(W)上に
形成する投影光学系(PL)と、前記マスクステージ
(31)に接続されて、前記マスクステージ(31)を
移動させるマスクステージ駆動系(34)と、前記基板
ステージ(39)に接続されて、前記基板ステージ(3
9)を移動させる基板ステージ駆動系(41)と、前記
マスクステージ駆動系(34)と前記基板ステージ駆動
系(41)とに接続されて、前記マスク(R)と前記感
光性基板(W)とを前記投影光学系(PL)の倍率に応
じて走査方向(SD)に沿って移動させるように前記マ
スクステージ駆動系(34)と前記基板ステージ駆動系
(41)とを制御する制御部(24)とを備え、前記光
路(IAX)を横切る方向は、前記走査方向(SD)に
対応する方向(Z方向)を横切るように設定されること
を特徴としている。ここで、走査方向に対応する方向と
は、マスクからフィルタ部材へ至る光学系によって投影
されたフィルタ部材位置での走査方向をいう。上記課題
を解決するために、本発明のマイクロデバイスの製造方
法は、上記の第1の観点による露光装置又は第2の観点
による露光装置を用いて前記マスク(R)に形成された
パターンを前記感光性基板(W)に露光する露光工程
(S26)と、露光された前記感光性基板(W)を現像
する現像工程(S27)とを含むことを特徴としてい
る。
こでは、説明を簡単にするため、光路を横切る第1方向
(x方向)、及び第1方向に直交する第2方向(y方
向)各々に3次のべき級数で表される透過率分布を有す
る2つのフィルタ部材を備えた照明光学系を例に挙げて
説明する。ここで、一般に3次のべき級数とは、T=a
x3+bx2+cx+dと表記される関数をいう。尚、
a,b,c,dは定数である。
の関数であるとすると、透過率分布T(x,y)が3次
のべき級数にて表記されるフィルタ部材とは、以下の
(6)式で表される。 T(x,y)=ax3+bx2+cx+ey3+fy2+gy+d ……( 6) 尚、上記(6)式において、a,b,c,d,e,f,
gは定数である。更に説明を簡単にするために、以下の
説明では(7)式で表される透過率分布T(x,y)を
有するフィルタ部材を考える。 T(x,y)=ax3+d ……(7)
るフィルタ部材を2つ用意し、一方を他方に対してxy
面内で180度回転した状態に配置する。これにより、
2つのフィルタ部材の一方は、透過率分布T(x,y)
=−ax3+dを有するフィルタ部材となる。この2つ
のフィルタ部材を合わせた透過率分布T1は以下の
(8)式で表される。 T1=(ax3+d)(−ax3+d) =−a2x6+d2 ……(8)
通しを良くするため、近似的に透過率を求める。いま、
値が「1」に極めて近い数値α、βを用いて以下の
(9)式に示す式を考える。 (α−1)(β−1)=αβ−α−β+1 ……(9) この(9)式を並べ替えると、以下の(10)式にな
る。 αβ−(α−1)(β−1)=α+β−1 ……(10) ところで、数値α、βはともに「1」に極めて近いと仮
定したため、(α−1)(β−1)は、αβと比較して
極めて小さな値となる。このため、(10)式は以下の
(11)式のように表記することができる。 αβ≒α+β−1 ……(11)
に極めて近い(即ち、透過率が100〜95%程度)と
すれば、(11)式の関係を用いて前述した(8)式は
以下の(12)式で表すことができる。 T1=(ax3+d)(−ax3+d) ≒(ax3+d)+(−ax3+d)−1 =2d−1 ……(12) と、書き換えられ、近似値ながら非常に簡単な式とな
る。
x方向にjだけずらし、且つ、他方を+x方向にjだけ
ずらすことにより、2つのフィルタ部材を相対的に若干
量(=2j)だけ位置をずらして光路に沿って配置した
状態にすると、その透過率分布T2は、以下の(13)
式で表される。 T2={a(x+j)3+d}{−a(x−j)3+d} ≒{a(x+j)3+d}+{−a(x−j)3+d}−1 =6ajx2+2aj3+2d−1 ……(13)
求めることにより、2つのフィルタ部材のx方向の位置
をずらしたことによる透過率の変化を求めることができ
る。以下の(14)式に透過率の変化を示す。 T2−T1=6ajx2+2aj3 ……(14) このように、2枚のフィルタ部材の相対位置をずらすこ
とによって、2次の透過率分布が変化する。また、2次
の透過率分布の変化量は、(14)式から明らかなよう
に、2つのフィルタ部材のずらし量jに比例する。尚、
上記(14)式には、2aj3なる定数成分が含まれて
いるため、jの変化に伴って透過率そのものにオフセッ
トが乗るが、現実には定数aの値が定数dの値に対して
十分小さいために、そのオフセット量は事実上問題とは
ならない。
表記される2つのフィルタ部材を光路に沿って配置し、
且つ、光路を横切る方向における相対位置をずらすこと
で、透過率分布の2次成分を補正できるフィルタを実現
することができる。よって、この2つのフィルタ部材を
被照射面と光学的に共役な面又はその近傍に配置するこ
とで、コンデンサーレンズのディストーションの量を変
化させずに、照度分布の2次成分を補正することができ
る。
T(x,y)=ax3+dなる透過率分布をフィルタ部
材各々が有する場合を例に挙げて説明した。しかしなが
ら、本発明のフィルタ部材は、一般に T(x,y)=ax3+bx2+cx+d なる透過率分布を有するものを用いることができる。
尚、この式中のa,b,c,dは定数である。更に、本
発明のフィルタ部材は、前述した(6)式の透過率分
布、即ち、 T(x,y)=ax3+bx2+cx+ey3+fy2+g
y+d なる透過率を有するものを用いることができる。尚、こ
の式中のa,b,c,d,e,f,gは定数である。
フィルタ部材の相対位置をずらすことで、x、yの2方
向における照度分布の2次成分を独立して調整すること
ができる。また、以上の説明では、フィルタ部材が3次
のべき級数で表される透過率分布を有する場合を例に挙
げて説明したが、更に高次のべき級数で表記される成分
や、例えば三角関数等の他の関数で表記される成分を含
んでいても良い。
ように2つに制限される訳ではなく、複数のフィルタ部
材を組み合わせることで、同様の効果を得ても良い。例
えば、以下の透過率分布Ta(x,y)、Tb(x,
y)、Tc(x,y)、Td(x,y)をそれぞれ有す
る4つのフィルタを組み合わせれば、x方向における照
度分布の2次成分、y方向における照度分布の2次成分
を独立して調整する事が容易となる。 Ta(x,y)=ax3+d Tb(x,y)=−ax3+d Tc(x,y)=ay3+d Td(x,y)=−ay3+d
を調整することを主眼において説明したが、本発明のフ
ィルタ部材は透過率分布に本質的に2次成分を含むた
め、組み合わせフィルタを全体的に偏心することで、照
度分布の1次の成分の補正が可能となる。
タ部材は、光学薄膜等を用いて位置により膜の設計解を
異なるものにして作成しても良く、解像限界以下の微小
ドット遮光物又は減光物を基板に蒸着し、この微小ドッ
トの密度を位置により異ならせて作成しても良い。つま
るところ、前述した透過率分布を有するフィルタ部材の
作成方法は特に制限されることはない。ところで、微小
ドットの存在確率を位置により異ならせて前述した透過
率分布を有するフィルタを作成する場合には、微小ドッ
トの並びに特定のパターンが無い事(各フィルタ部材に
おいて同一の透過率を有する箇所のドットの並びが同じ
でないこと)が望ましく、また特定のパターンがある場
合でも、その特定のパターンが複数のフィルタ部材で異
なっていることが望ましい。
実施形態による照明光学系、露光装置、及びマイクロデ
バイスの製造方法について詳細に説明する。図1は、本
発明の一実施形態による露光装置の全体の概略構成を示
す図である。本実施形態においては、図1中の投影光学
系PLに対してマスクとしてのレチクルRと感光性基板
としてのウェハWとを相対的に移動させつつ、レチクル
Rに形成されたパターンをウェハWに転写して半導体素
子を製造するステップ・アンド・スキャン方式の露光装
置に適用した場合を例に挙げて説明する。
たXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を
参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ
直交座標系は、X軸及びY軸がウェハWに対して平行と
なるよう設定され、Z軸がウェハWに対して直交する方
向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際には
XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上
方向に設定される。また、本実施形態ではレチクルR及
びウェハWを移動させる方向(走査方向SD)をY方向
に設定している。
略長方形状の平行光束である露光光ILを射出するAr
Fエキシマレーザ光源(波長193nm)が用いられ
る。露光光源1からの波長193nmの紫外パルスより
なる露光光IL(露光ビーム)は、ビームマッチングユ
ニット(BMU)2を通り、光アッテネータとしての可
変減光器3に入射する。ウェハW上のフォトレジストに
対する露光量を制御するための露光制御ユニット23
が、露光光源1の発光の開始及び停止、並びに出力(発
振周波数、パルスエネルギー)を制御すると共に、可変
減光器3における減光率を段階的、又は連続的に調整す
る。
ズ系4a,4bよりなるビーム成形系5を経て第1段の
オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ、又は
ホモジナイザ)としての第1フライアイレンズ6に入射
する。この第1フライアイレンズ6から射出された露光
光ILは、第1レンズ系7a、光路折り曲げ用のミラー
8、及び第2レンズ系7bを介して第2段のオプティカ
ル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ9に
入射する。
光対象のレチクルRのパターン面に対する光学的なフー
リエ変換面(照明系の瞳面)には開口絞り板10が、駆
動モータ10eによって回転自在に配置されている。開
口絞り板10には、通常照明用の円形の開口絞り10
a、輪帯照明用の開口絞り10b、及び複数(例えば4
極)の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り
(不図示)や小さいコヒーレンスファクタ(σ値)用の
小円形の開口絞り(不図示)等が切り換え自在に配置さ
れている。露光装置50の全体の動作を統括制御する主
制御系24が駆動モータ10eを介して開口絞り板10
を回転させて、照明条件を設定する。
行うときに、露光光ILの利用効率を高めて高い照度
(パルスエネルギー)を得るには、露光光ILが第2フ
ライアイレンズ9に入射する段階で、露光光ILの断面
形状をほぼ輪帯形状に整形しておくことが望ましい。こ
のためには、第1フライアイレンズ6を例えば多数の位
相型の回折格子の集合体よりなる回折光学格子(Diffra
ctive Optical Element:DOE)で置き換えればよ
い。また、照明条件切り換え系は上記の構成に限られる
ものではなく、開口絞り板10に組み合わせて又は単独
で円錐プリズム(アキシコン)及び/又はズーム光学系
と、回折光学素子とを用いるようにしても良い。尚、第
2段のオプティカル・インテグレータとして内面反射型
インテグレータ(ロッドインテグレータ等)を用いる場
合には、例えばDOE、円錐プリズム、又は多面体プリ
ズム等を用いて、照明系の光軸IAXに関して露光光I
Lを傾けて内面反射型インテグレータに入射させるとと
もに、照明条件に応じてその入射面での露光光ILの入
射角度範囲を変更することが望ましい。
ら射出されて通常照明用の開口絞り10aを通過した露
光光ILは、透過率が高く反射率が低いビームスプリッ
タ11に入射する。ビームスプリッタ11で反射された
露光光は、集光用のレンズ21を介して光電検出器より
なるインテグレータセンサ22に入射し、インテグレー
タセンサ22の検出信号は露光制御ユニット23に供始
されている。インテグレータセンサ22の検出信号とウ
ェハW上での露光光ILの照度との関係は予め高精度に
計測されて、露光制御ユニット23内のメモリに記憶さ
れている。露光制御ユニット23は、インテグレータセ
ンサ22の検出信号より間接的にウェハWに対する露光
光ILの照度(平均値)、及びその積分値をモニタでき
るように構成されている。
Lは、光軸IAXに沿ってレンズ系12,13を順次経
て、本発明のフィルタ部材としてのフィルタ14a,1
4bを順次介して可動ブラインド(可動照明視野絞り)
16aに入射する。このフィルタ14a,14bは、光
軸IAXを横切る方向に3次以上の関数を含む関数で表
される透過率分布を有する。図2は、フィルタ14a,
14bの一例を示す外観斜視図である。図2に示したフ
ィルタ14a,14bは、露光光ILに対して透明な基
板上に複数の遮光性のドットパターン(微少トッド)が
蒸着されており、透明基板上の単位面積当たりのドット
パターンの存在確率は、透明基板内の位置に応じた透過
率に基づいて設定される。
ンは、一例として直径が25μm程度の微細な円形パタ
ーンであり、照度分布の調整量を10%程度とすると、
ドットパターンの存在確率は0〜15%程度の範囲に収
まると考えられる。尚、フィルタ14a,14bに形成
されるドットパターンは、その並びに特定のパターンが
無いこと(フィルタ14a,14bにおいて同一の透過
率を有する箇所のドットの並びが同じでないこと)が望
ましく、また特定のパターンがある場合でも、その特定
のパターンが複数のフィルタ14a,14bで異なって
いることが望ましい。
は、走査方向SD(図1参照)に対応する方向(Z軸方
向)を横切るX方向に3次関数で表される透過率分布を
有するフィルタである。ここで、走査方向SDに対応す
る方向とは、レチクルRからフィルタ14a,14bに
至る光学系によって投影されたフィルタ14a,14b
の位置での走査方向をいう。
の駆動装置15によってX方向に連続的に移動可能に構
成されており、フィルタ14aとフィルタ14bとのX
方向の位置が個別に設定可能であるとともに、フィルタ
14aとフィルタ14bとの相対位置関係を保ったまま
フィルタ14a及びフィルタ14bをX方向に並進させ
ることも可能である。この駆動装置15の動作は、本発
明にいう制御装置としての主制御系24が駆動系25を
介して制御する。
チクルRのパターンが形成されている面(以下、レチク
ル面という)に対する共役面に設置され、フィルタ14
a,14bはその共役面から光軸IAX方向に所定量だ
けデフォーカスした面に配置されている。このようにフ
ィルタ14a,14bをレチクル面に対する共役面から
デフォーカスさせるのは、以下の理由による。即ち、前
述したように、本実施形態のフィルタ14a,14bに
は多数のドットパターンが形成されているため、このド
ットパターンがレチクル面(露光対象としてのウェハW
の表面と光学的に共役)上で解像されないようにするた
め、換言するとウェハWにかようなドットパターンが転
写されないようにするためである。尚、第2段のオプテ
ィカル・インテグレータとして内面反射型インテグレー
タ(ロッドインテグレータ等)を用いる場合には、フィ
ルタ14a,14bは、内面反射型インテグレータの射
出端面又はその近傍に配置される。
露光光ILは、光路折り曲げ用のミラー17、結像用の
レンズ系18、コンデンサレンズ19、主コンデンサレ
ンズ系20、及び固定ブラインド(固定照明視野絞り)
16bを介して、マスクとしてのレチクルRのパターン
面(下面)の照明領域(照明視野領域)35を照明す
る。固定ブラインド16bは、例えば特開平4−196
513号公報及び対応する米国特許題5,473,41
0号に開示されているように、後述する投影光学系PL
の円形視野内の中央で走査露光方向と直交した方向に直
線スリット状、又は矩形状(以下、まとめて「スリット
状」という)に伸びるように配置された開口部を有す
る。
は、ウェハW上の各ショット領域への走査露光の開始時
及び終了時に不要な露光を防止するために、照明視野領
域の走査方向の幅を可変とするために使用される。更
に、可動ブラインド16aは、走査方向と直交した方向
(非走査方向)に関してレチクルRのバターン領域のサ
イズ、又は後述のように評価対象に応じてその幅を可変
とするために使用される。可動ブラインド16aの開口
率の情報は露光制御ユニット23にも供給され、インテ
グレータセンサ22の検出信号から求められる値にその
開口率を乗じた値が、ウェハW上の実際の照度となる。
チングユニット2、可変減光器3、レンズ系4a,4b
よりなるビーム成形系5、第1フライアイレンズ6、第
1レンズ系7a、光路折り曲げ用のミラー8、第2レン
ズ系7b、第2フライアイレンズ9、開口絞り板10、
ビームスプリッタ11、レンズ系12,13、フィルタ
14a,14b、可動ブラインド16a、光路折り曲げ
用のミラー17、結像用のレンズ系18、コンデンサレ
ンズ19、主コンデンサレンズ系20、及び固定ブライ
ンドは、照明光学系を構成している。尚、固定ブライン
ド16bは、可動ブラインド16aとフィルタ14bと
の間の面、又は可動ブラインド16aの射出側の近傍
(可動ブラインド16aと光路折り曲げ用のミラー17
との間)の面に配置しても良い。
ズ系4a,4bよりなるビーム成形系5、第1フライア
イレンズ6、第1レンズ系7a、第2レンズ系7b、第
2フライアイレンズ9、レンズ系12,13、フィルタ
14a,14b、結像用のレンズ系18、コンデンサレ
ンズ19、及び主コンデンサレンズ系20の硝材として
は、例えば蛍石(フッ化カルシウム:CaF2)が用い
られる。
域35内の回路パターンの像が両側テレセントリックな
投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば
1/4又は1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配
置された基板としてのウェハW上のフォトレジスト層の
スリット状の露光領域35Pに転写される。本実施形態
の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であ
るが、カタジオプトリック系(反射屈折系)や反射系も
使用できることはいうまでもない。また、本実施形態で
は露光光ILが真空紫外光であるため、通常の空気中の
酸素、二酸化炭素、水蒸気等によって大きく吸収されて
しまう。これを避けるために、図1に示した露光光源1
からウェハWまでの露光光ILの光路には、真空紫外光
に対しても高透過率の高純度のパージガス(ヘリウム、
ネオン等の希ガス、又は窒素ガス等の所謂不活性ガス)
が供給されている。更に、投影光学系PLを構成する屈
折部材の硝材としては、例えば蛍石(フッ化カルシウ
ム:CaF2)が用いられる。
テージ31上に吸着保持され、レチクルステージ31
は、レチクルベース32上でY方向に等速移動できると
共に、X方向、Y方向、回転方向に傾斜できるように載
置されている。レチクルステージ31(レチクルR)の
2次元的な位置及び回転角は駆動制御ユニット34内の
レーザ干渉計によってリアルタイムに計測されている。
この計測結果、及び主制御系24からの制御情報に基づ
いて、駆動制御ユニット34内の駆動モータ(リニアモ
ータやボイスコイルモータ等)は、レチクルステージ3
1の走査速度、及び位置の制御を行う。
してウェハステージ39上に吸着保持され、ウェハステ
ージ39は、ウェハベース40上で投影光学系PLの像
面と平行なXY平面に沿って2次元移動する。即ち、ウ
ェハステージ39は、ウェハベース40上でY方向に一
定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移
動する。更に、ウェハステージ39には、ウェハWのZ
方向の位置(フォーカス位置)、並びにX軸及びY軸の
回りの傾斜角を制御するZレベリング機構も組み込まれ
ている。また、図示は省略しているが、投影光学系PL
の側面に、ウェハWの表面(ウェハ面)の複数の計測点
に斜めにスリット像を投影する投射光学系と、そのウェ
ハ面からの反射光を受光してそれらの複数の計測点のフ
ォーカス位置に対応するフォ−カス信号を生成する受光
光学系とからなる多点のオートフォーカスセンサも設け
られており、それらのフォ−カス信号が主制御系24中
の合焦制御部に供給されている。走査露光時には、主制
御系24中の合焦制御部は、それらのフォーカス信号
(フォーカス位置)の情報に基づいてオートフォーカス
方式でウェハステージ39中のZレベリング機構を連続
的に駆動する。これによって、ウェハWの表面が投影光
学系PLの像面に合焦される。
置、及びX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角は駆動制御ユ
ニット41内のレーザ干渉計によってリアルタイムに計
測されている。この計測結果及び主制御系24からの制
御情報に基づいて、駆動制御ユニット41内の駆動モー
タ(リニアモータ等)は、ウェハステージ39の走査速
度、及び位置の制御を行う。
びウェハステージ39のそれぞれの移動位置、移動速
度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報を駆動制
御ユニット34及び41に送る。これに応じて、レチク
ルステージ31を介して露光光ILの照明領域35に対
してレチクルRが+Y方向(又は−Y方向)に速度Vr
で走査されるのに同期して、ウェハステージ39を介し
てレチクルRのパターン像の露光領域35Pに対してウ
ェハWが−Y方向(又は+Y方向)に速度β・Vr(β
はレチクルRからウェハWへの投影倍率)で走査され
る。この際の走査露光の開始時及び終了時に不要な部分
への露光を防止するために、駆動制御ユニット34によ
って可動ブラインド16aの開閉動作が制御される。レ
チクルRとウェハWとの移動方向が逆であるのは、本実
施形態の投影光学系PLが反転投影を行うためである。
領域のフォトレジストを適正露光量で走査露光するため
の各種露光条件を露光データファイルより読み出して、
露光制御ユニット23とも連携して最適な露光シーケン
スを実行する。即ち、ウェハW上の1つのショット領域
への走査露光開始の指令が主制御系24から露光制御ユ
ニット23に発せられると、露光制御ユニット23は露
光光源1の発光を開始すると共に、インテグレータセン
サ22を介してウェハWに対する露光光ILの照度(単
位時間当たりのパルスエネルギーの和)の積分値を算出
する。その積分値は走査露光開始時に0にリセットされ
ている。そして、露光制御ユニット23では、その照度
の積分値を逐次算出し、この結果に応じて、走査露光後
のウェハW上のフォトレジストの各点で適正露光量が得
られるように、露光光源1の出力(発振周波数、及びパ
ルスエネルギー)及び可変減光器3の減光率を制御す
る。そして、当該ショット領域への走査露光の終了時
に、露光光源1の発光が停止される。
テージ39上に、投影光学系PLを介してウェハW上に
照射される露光光ILの照度ムラを測定するための照度
計測部42が固定され、この照度計測部42の上面に走
査方向SD(Y方向)に細長いスリット状の受光部を持
つCCD型のラインセンサ42a(図3(a)参照)が
固定されている。このラインセンサ42aの検出信号は
露光制御ユニット23に供給されている。また、照度計
測部42の上面には、ピンホール状の受光部を有する光
電センサよりなる通常の照度ムラセンサ(不図示)も設
置されている。ここで、図3を参照してラインセンサ4
2aを用いてスリット状の露光領域35Pの非走査方向
(X方向)に対する照度ムラを計測する方法について説
明する。尚、この照度ムラの計測は、例えば定期的に実
行される。その際に、図1の開口絞り板10を駆動して
照明方式を通常照明、変形照明、小σ値照明等に切り換
えて各照明方式毎にその照度ムラの計測が実行される。
そして、露光装置の稼働時間の経過に伴う照度ムラの状
態が照明方式毎にテーブルとして主制御系24内の記憶
部に記憶される。
るための図である。まず、図3(a)は、図1のウェハ
ステージ39を駆動して投影光学系PLの露光領域35
Pの非走査方向の側面に照度計測部42上のラインセン
サ42aを移動した状態を示しており、その露光領域3
5Pの走査方向SD(Y方向)の照度分布F(Y)はほ
ぼ台形状である。図3(c)に示すように、その照度分
布F(Y)の底辺の走査方向の幅をDLをすると、ライ
ンセンサ42aの受光部の走査方向の幅はDLよりも十
分に広く設定されている。
図3(a)に示すように、露光領域35Pを走査方向に
完全に覆う形で、ラインセンサ42aを非走査方向(X
方向)に所定間隔で順次一連の計測点に移動させる。そ
して、各計測点で図1の露光光源1をパルス発光させ
て、インテグレータセンサ22の検出信号とラインセン
サ42aの検出信号とを露光制御ユニット23に並列に
取り込み、ラインセンサ42aの検出信号のディジタル
データを全部の画素について積分したデータをインテグ
レータセンサ22からの検出信号のディジタルデータで
除算することで、図3(b)に示すように、露光領域3
5Pの非走査方向(X方向)への照度分布E(X)を算
出する。ここで、インテグレータセンサ22からの検出
信号で除算するのは、パルスエネルギーのばらつきの影
響を除くためである。このように、ラインセンサ42a
をX方向に走査することによって、容易且つ短時間に露
光領域35Pの非走査方向における照度分布E(X)を
計測することができる。尚、ここでの照度分布E(X)
は、例えば非走査方向の端部の1番目の計測点での照度
を基準とした相対値で表されている。
向の各位置Xにおいて、露光領域35Pの照度を走査方
向(Y方向)に積分した照度を表している。走査露光時
に、ウェハWの各点は、図3(c)の台形状の照度分布
F(Y)の領域を走査方向に横切るため、本例の非走査
方向の照度分布E(X)は、ウェハW上の各ショット領
域における非走査方向の積算露光量の分布とほぼ等価で
ある。本例では、その照度分布E(X)を非走査方向の
位置Xの関数として以下の(15)式のように表す。
尚、位置Xの原点は、投影光学系PLの光軸AXを通
り、Y軸に平行な直線とする。 E(X)=a・(X−b)2+c・X+d ……(15)
位置Xに関して凸(a>0)、又は凹(a<0)の照度
ムラを、シフト係数bは照度ムラの対称軸の光軸AXか
らのX方向へのシフト量を、1次係数cは所謂傾斜ムラ
を、係数dは位置Xによらない一定の照度(オフセッ
ト)をそれぞれ表している。これらの係数a〜dの値
は、例えば、実測データから最小自乗法によって求めら
れ、求められた値が非走査方向の照度ムラ(即ち、非走
査方向の積算露光量分布)の状態として記憶される。本
実施形態では、以上の方法により測定された照度ムラ
(照度分布)をフィルタ14a,14bによって調整し
ている。以下、照度ムラの調整方法について詳細に説明
する。
置を変化させた場合の透過率分布の変化を示すシミュレ
ーション結果であり、(a)はフィルタ14aの透過率
分布を、(b)はフィルタ14bの透過率分布を、
(c)はフィルタ14a,14bを組み合わせた透過率
分布をそれぞれ示している。尚、図4(a)に示すフィ
ルタ14aの透過率分布T10は、X方向のシフト量が
0の場合にはT10=a・X3+0.98であり、図4
(b)に示すフィルタ14bの透過率分布T11は、X
方向のシフト量が0の場合にはT11=−a・X3+
0.98である。尚、これらの式中のaは任意の定数で
ある。このように、フィルタ14a及びフィルタ14b
は、それぞれの透過率分布特性が光軸IAXに沿う方向
に関してほぼ反転した関係となるように配置されてい
る。
付した曲線はX方向のシフト量が0のときのフィルタ1
4aのX方向の透過率分布を示し、符号L12を付した
曲線はX方向のシフト量が−0.1のときのフィルタ1
4aのX方向の透過率分布を示し、符号L13を付した
曲線はX方向のシフト量が−0.2のときのフィルタ1
4aのX方向の透過率分布をそれぞれ示している。同様
に、図4(b)において、符号L21を付した曲線はX
方向のシフト量が0のときのフィルタ14bのX方向の
透過率分布を示し、符号L22を付した曲線はX方向の
シフト量が0.1のときのフィルタ14bのX方向の透
過率分布を示し、符号L23を付した曲線はX方向のシ
フト量が0.2のときのフィルタ14bのX方向の透過
率分布をそれぞれ示している。尚、図4においては、上
記の透過率分布T10,T11を示す式中の定数aを適
当な値に設定して図示をしている。
は、フィルタ14a,14bのX方向のシフト量が0の
ときのフィルタ14a,14bを組み合わせた透過率分
布を示している。この図から分かるように、フィルタ1
4a,14bのX方向のシフト量が0の場合(相対的な
位置ずれ量が0の場合)には、フィルタ14a,14b
を組み合わせた透過率分布はほぼ一定となる(厳密にい
うと一定ではない)。また、図4(c)中において、符
号L32を付した曲線は、フィルタ14aのX方向のシ
フト量が−0.1であり、フィルタ14bのX方向のシ
フト量が0.1であるときのフィルタ14a,14bを
組み合わせた透過率分布を示している。このときのフィ
ルタ14a,14bのX方向の相対的な位置ずれ量は
0.2となる。このときのフィルタ14a,14bを組
み合わせた透過率分布はX方向に沿って2次関数的に変
化する分布となることが分かる。
を付した曲線は、フィルタ14aのX方向のシフト量が
−0.2であり、フィルタ14bのX方向のシフト量が
0.2であるときのフィルタ14a,14bを組み合わ
せた透過率分布を示している。このときのフィルタ14
a,14bのX方向の相対的な位置ずれ量は0.4とな
る。このときのフィルタ14a,14bを組み合わせた
透過率分布は、符号L32を付した曲線で示される透過
率分布と同様に、X方向に沿って2次関数的に変化する
分布となるが、その曲率が曲線L21よりも小さくなっ
ていることが分かる。このように、本実施形態のフィル
タ14a,14bは、フィルタ14aの−X方向のシフ
ト量を大きくするとともにフィルタ14bのX方向のシ
フト量を大きくして、フィルタ14aとフィルタ14b
との相対的な位置ずれ量を増大させることにより、2次
関数的に変化する透過率分布の変化量(2次関数の曲
率)を任意に可変することができる。
ルタ14aとフィルタ14bとのX方向の相対的な位置
ずれ量を可変させても、副次的に発生するオフセット量
の変化量が僅かであることが分かる。尚、ウェハWに照
射される露光光ILの露光量をより高い精度で制御する
場合には、このオフセットの影響を考慮する必要がある
場合が考えられる。この場合には、フィルタ14aとフ
ィルタ14bとのX方向の位置とウェハW上に照射され
る露光光ILの照度の変化量との関係を、例えば照度計
測部42上のラインセンサ42aを用いて予め測定して
おき、露光時にはフィルタ14aとフィルタ14bとの
X方向の位置に応じて露光光ILの照度を制御すること
が好ましい。
フィルタ14a,14bを用いて、照度分布の2次成分
を補正(調整)するには、まずフィルタ14a,14b
のX方向又は−X方向のシフト量と透過率分布の変化量
(2次関数の曲率の変化量)との関係を予め求めてお
く。そして、ラインセンサ42aを用いて予め計測した
非走査方向(X方向)の照度分布(図3(b)参照)を
補正し得る(均一化し得る)シフト量を主制御系24が
算出し、この算出値に基づいて主制御系24が駆動系2
5を介して駆動装置15を駆動することによりフィルタ
14a,14bのX方向又は−方向の位置決めを行う。
39を駆動して、図3(a)に示すように、露光領域3
5Pの非走査方向の側面に照度計測部42上のラインセ
ンサ42aを移動させ、走査方向に完全に覆う形で、ラ
インセンサ42aを非走査方向(X方向)に所定間隔で
順次一連の計測点に移動させる。そして、各計測点で図
1の露光光源1をパルス発光させて、フィルタ14a,
14bを介した露光光ILが露光領域35Pを照射した
ときのラインセンサ42aの検出信号を順次取り込む。
この各計測点での検出信号の値が一定の値でない場合に
はフィルタ14a,14bを所定量X方向又は−X方向
に移動させ、再度各計測点での計測結果を得る。このよ
うに、フィルタ14a,14bのX方向又は−X方向の
位置を変えつつ、露光領域35Pに実際に照射される露
光光ILの非走査方向における照度分布を計測して、非
走査方向における照度分布のムラが無くなる(非走査方
向における照度が一定となる)フィルタ14a,14b
の位置を求める。
・スキャン方式の露光装置は、長手方向が非走査方向に
設定されたスリット状の露光光を用い、この露光光に対
してレチクルRとウェハとを相対的に走査して、レチク
ルRに形成されたパターンを順次ウェハWのショット領
域に転写するものである。よって、例え走査方向におけ
る露光光ILの照度分布の不均一性があったとしても、
ウェハWに照射される露光光ILの露光量は走査方向に
照度分布を積分したものとなるため、露光光ILの走査
方向における照度分布の不均一性は殆ど問題にならな
い。
・リピート方式の露光装置は、あるショット領域を露光
する場合に、レチクルとウェハとの相対的な位置決めを
行った後は、その位置を変えずに一括してそのショット
領域を露光するものであるため、ステップ・アンド・ス
キャン方式の露光装置のように、一方向(非走査方向)
のみの照度分布の不均一性を補正すれば良いという訳で
はなく、ウェハWの面内(露光領域内)において照度分
布を均一化する必要がある。このため、かようなステッ
プ・アンド・リピート方式の露光装置が備える照明光学
系には、露光光源から射出された露光光の光路を横切る
第1方向(例えば、図1中のX方向)と、第1方向に直
交する方向(例えば、図1中のY方向)各々に3次以上
の関数を含む関数で表される透過率分布を有する少なく
とも2つのフィルタが設けられる。
は、図1に示した照明光学系と同様に、フィルタ各々を
第1方向及び第2方向に連続的に移動させる駆動装置が
設けられる。この駆動装置は、図1に示した主制御系2
4及び駆動系25と同様の装置系によって制御される。
よって、フィルタ各々の相対位置は制御系24によって
制御される。また、図1に示したステップ・アンド・ス
キャン方式の露光装置が備える照明光学系と同様に、ス
テップ・アンド・リピート方式の露光装置が備える照明
光学系も、レチクルRのレチクル面に対して光学的に共
役な面に露光光ILのレチクルRの照明領域を規定する
視野絞りが設けられており、フィルタはこの視野絞りの
近傍に配置される。つまり、これらのフィルタは、レチ
クルRのレチクル面に対して光学的に共役な面の近傍に
配置されている。尚、視野絞りがレチクルRの近傍に配
置されている場合には、フィルタはレチクル面に対して
光学的に共役な面又はその近傍に配置される。
と、第1方向に直交する方向各々に3次以上の関数を含
む関数で表される透過率分布を有するフィルタの一例を
示す図である。尚、図5においては第1方向をX方向に
設定し、第2方向をY方向に設定してある。図5に示す
フィルタの透過率分布T20は、X方向及びY方向のシ
フト量が0の場合にはT20=b・X3+c・Y3+0.
97に設定されている。尚、b,cは、任意の定数であ
る。また、図6は、図5に示した透過率分布を有するフ
ィルタに対して設けられる他方のフィルタの透過率分布
の一例を示す図である。図6に示すフィルタの透過率分
布T21は、X方向のシフト量が0の場合にはT21=
−b・X3−c・Y3+0.97に設定されている。この
ように、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置に
設けられる2つのフィルタも露光光の進行方向(光軸)
に沿う方向に関して透過率分布がほぼ反転した関係とな
るように配置されている。
フィルタのX方向及びY方向のシフト量が0.1であ
り、図6に示した透過率分布を有するフィルタのX方向
及びY方向のシフト量が−0.1であるときのフィルタ
を組み合わせた透過率分布を示す図である。尚、図7に
おいては、上記の透過率分布T20,T21を示す式中
の定数b,cを適当な値に設定して図示をしている。図
7から分かるように、2つのフィルタを組み合わせた透
過率分布は、X方向及びY方向ともに2次関数的に変化
する分布となっており、X方向及びY方向ともに上に凸
である。
有するフィルタのX方向のシフト量を0.1、Y方向の
シフト量を−0.1に設定し、図6に示した透過率分布
を有するフィルタのX方向のシフト量を−0.1、Y方
向のシフト量を0.1に設定したときのフィルタを組み
合わせた透過率分布を示す図である。図8に示した透過
率分布は、X方向及びY方向ともに2次関数的に変化す
る分布となっているが、図7に示した透過率分布とは異
なり、X方向については凸になっているが、Y方向につ
いては下に凸となっている。このように、X方向及びY
方向各々に3次以上の関数を含む関数で表される透過率
分布を有するフィルタを組み合わせ、フィルタの相対的
な位置ずれ量をX方向及びY方向で個別に設定すること
で透過率分布の変化量(2次関数の曲率)のみならず、
曲率の符号(上に凸であるか又は下に凸であるか)を自
在に変化させることができる。
するフィルタのX方向及びY方向の相対的な位置ずれ量
を可変させても、副次的に発生するオフセット量の変化
量が図7及び図8から僅かであることが分かる。しかし
ながら、ウェハWに照射される露光光ILの露光量をよ
り高い精度で制御する場合には、2つのフィルタのX方
向の位置及びY方向の位置とウェハW上に照射される露
光光ILの照度の変化量との関係を、例えば照度計測部
42上のラインセンサ42aを用いて予め測定してお
き、露光時にはフィルタ14aとフィルタ14bとのX
方向の位置に応じて露光光ILの照度を制御することが
好ましい。
2次関数的に可変の2枚のフィルタを用いて、照度分布
の2次成分を補正(調整)するには、前述した予め求め
たシフト量と透過率分布の変化量(2次関数の曲率の変
化量)との関係に基づいてフィルタ位置を制御する方法
と、フィルタを介して露光領域に照射される露光光の検
出結果を計測しつつフィルタの位置決めを行う方法との
何れの方法をも用いることができる。更に、この場合に
おいても照度分布の2次成分を調整するのみならず、組
み合わせフィルタを全体的X方向又はY方向に偏心する
ことで、照度分布の1次の成分の補正が可能となる。
が、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲
内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態で
は露光光源1として、ArFエキシマレーザ光源の場合
を例に挙げて説明したが、これ以外に露光光源1として
は、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365
nm)を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシ
マレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ
(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157
nm)、Kr2レーザ(波長146nm)、YAGレー
ザの高周波発生装置、若しくは半導体レーザの高周波発
生装置を用いることができる。
ファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の
単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウ
ムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバー
アンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長
変換した高調波を用いても良い。例えば、単一波長レー
ザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とする
と、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍
高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内で
ある10倍高調波が出力される。
μmの範囲内とすると、発生波長が193〜194nm
の範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光と
ほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.5
7〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157
〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レ−ザ
光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。また、発振
波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生
波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が
出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μm
の範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範
囲内の7倍高調波、即ちF2レーザ光とほぼ同一波長と
なる紫外光が得られる。この場合、単一波長発振レーザ
としては例えばイットリビウム・ドープ・ファイバーレ
ーザを用いることができる。
に設けられるレンズ系4a,4bよりなるビーム成形系
5、第1フライアイレンズ6、第1レンズ系7a、第2
レンズ系7b、第2フライアイレンズ9、レンズ系1
2,13、フィルタ14a,14b、結像用のレンズ系
18、コンデンサレンズ19、及び主コンデンサレンズ
系20の硝材、及び、投影光学系PLを構成する屈折部
材の硝材としては蛍石(フッ化カルシウム:CaF2)
を用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、こ
れらは、露光光ILの波長に応じて蛍石(フッ化カルシ
ウム:CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フ
ッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(Ba
F2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、LiCAF
(コルキライト:LiCaAlF6)、LiSAF(L
iSrAlF6)、LiMgAlF6、LiBeAl
F6、KMgF3、KCaF3、KSrF3等のフッ化物結
晶又はこれらの混晶、又フッ素や水素等の物質をドープ
した石英硝子等の真空紫外光を透過する光学材料から選
択される。尚、所定の物質をドープした石英硝子は、露
光光の波長が150nm程度より短くなると透過率が低
下するため、波長が150nm程度以下の真空紫外光を
露光光ILとして用いる場合には、光学素子の光学材料
としては、蛍石(フッ化カルシウム)、フッ化マグネシ
ウム、フッ化リチウム、フッ化バリウム、フッ化ストロ
ンチウム、LiCAF(コルキライト)、LiSAF
(LiSrAlF6)、LiMgAlF6、LiBeAl
F6、KMgF3、KCaF3、KSrF3等のフッ化物結
晶又はこれらの混晶が使用される。
るため、X方向(及びY方向)に3時間数的に変化する
透過率分布を有するフィルタを例に挙げて説明したが、
更に高次のべき級数で表記される成分や、例えば三角関
数等の他の関数で表記される成分を含む透過率分布を有
するフィルタを用いることも可能である。更に、上記実
施形態では、理解を容易にするために、X方向(及びY
方向)に3次間数的に変化する透過率分布を有するフィ
ルタを2枚組み合わせた場合を例に挙げて説明したが、
3枚以上のフィルタを組み合わせても良い。例えば、以
下の透過率分布Ta(x,y)、Tb(x,y)、Tc
(x,y)、Td(x,y)をそれぞれ有する4つのフ
ィルタを組み合わせれば、x方向における照度分布の2
次成分、y方向における照度分布の2次成分を独立して
調整する事が容易となる。 Ta(x,y)=ax3+d Tb(x,y)=−ax3+d Tc(x,y)=ay3+d Td(x,y)=−ay3+d
に複数の遮光性のドットパターンが蒸着形成されたフィ
ルタを例に挙げて説明したが、光学薄膜等を用いて位置
により膜の設計解を異なるものにして作成したものであ
っても良い。更には、フィルタの基板として用いる光学
材料が露光光ILに対してある程度の吸収性を有するも
のであれば、面内方向において3次関数的に基板の厚み
を変化させたものであってもよい。更には、フィルタの
基板として金属又はセラミックスの基板を用いる場合に
は、金属又はセラミックスの基板に多数の微小な孔を形
成したものを用いても良い。このときには、微小な孔の
存在確率を位置により異ならせることにより、前述した
3次又は高次のべき級数で表記される成分を含む透過率
分布を形成する。
れる露光装置だけではなく、液晶表示素子(LCD)等
を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパター
ンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘ
ッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミック
ウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子
の製造に用いられる露光装置等にも適用することができ
る。更には、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又は
マスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウェ
ハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を
適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真
空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レ
チクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、
フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネ
シウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミ
ティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは
透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)
が用いられ、マスク基板としてはシリコンウェハなどが
用いられる。
及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデ
バイスの製造方法の実施形態について説明する。図9
は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チッ
プ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマ
シン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図
9に示すように、まず、ステップS10(設計ステッ
プ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例
えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能
を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステ
ップS11(マスク製作ステップ)において、設計した
回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作す
る。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)にお
いて、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
プ)において、ステップS10〜ステップS12で用意
したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップS13で処理されたウェハを用
いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダ
イシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ス
テップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認
テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を
経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷され
る。
る、図9のステップS13の詳細なフローの一例を示す
図である。図10において、ステップS21(酸化ステ
ップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップ
S22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁
膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)に
おいてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステ
ップS24(イオン打込みステップ)においてはウェハ
にイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップ
S24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程
を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選
択されて実行される。
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
5(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤
を塗布する。引き続き、ステップ26(露光ステップ)
において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装
置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェ
ハに転写する。次に、ステップ27(現像ステップ)に
おいては露光されたウェハを現像し、ステップ28(エ
ッチングステップ)において、レジストが残存している
部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去
る。そして、ステップ29(レジスト除去ステップ)に
おいて、エッチングが済んで不要となったレジストを取
り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し
行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形
成される。
ス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS26)に
おいて、照度分布が一定の露光光ILでウェハWが露光
され、レチクルRに形成されたパターンをウェハW上へ
忠実に転写することができるため、結果的に最小線幅が
0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まり良く生
産することができる。
ば、光路を横切る方向に3次以上の関数を含む関数で表
される透過率分布を有するフィルタを少なくとも2つ光
路上に配置し、この透過率分布を組み合わせることで光
路を横切る方向に2次関数的に変化する透過率分布を得
ているため、フィルタのみで照度分布の2次成分を調整
することができるという効果がある。このように、フィ
ルタのみで照度分布の2次成分を調整できるため、従来
照度分布の2次成分を調整するために必要であったコン
デンサーレンズのディストーションを全く変化させる必
要が無くなるという効果がある。この結果として、コン
デンサーレンズのディストーション変化による照明光の
像高毎の開口数の変化が無くなり、しかも照度分布の2
次成分も調整できるため、均一な線幅のパターンを生成
する上で極めて好適であるという効果がある。また、本
発明によれば、光路を横切る方向にフィルタ部材を連続
的に移動させることができるため、光路を横切る方向の
照度分布の調整を短時間で且つ高精度に調整することが
できる。
概略構成を示す図である。
視図である。
である。
せた場合の透過率分布の変化を示すシミュレーション結
果であり、(a)はフィルタ14aの透過率分布を、
(b)はフィルタ14bの透過率分布を、(c)はフィ
ルタ14a,14bを組み合わせた透過率分布をそれぞ
れ示している。
に直交する方向各々に3次以上の関数を含む関数で表さ
れる透過率分布を有するフィルタの一例を示す図であ
る。
対して設けられる他方のフィルタの透過率分布の一例を
示す図である。
X方向及びY方向のシフト量が0.1であり、図6に示
した透過率分布を有するフィルタのX方向及びY方向の
シフト量が−0.1であるときのフィルタを組み合わせ
た透過率分布を示す図である。
X方向のシフト量を0.1、Y方向のシフト量を−0.
1に設定し、図6に示した透過率分布を有するフィルタ
のX方向のシフト量を−0.1、Y方向のシフト量を
0.1に設定したときのフィルタを組み合わせた透過率
分布を示す図である。
ローチャートである。
テップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
する原理を説明するための図である。
ジ) 34 駆動制御ユニット(マスクステージ
駆動系) 39 ウェハステージ(基板ステージ) 41 駆動制御ユニット(基板ステージ駆
動系) IAX 光路(光軸) IL 露光光(光源から射出される光) PL 投影光学系 R レチクル(被照射物体、マスク) SD 走査方向 W ウェハ(感光性基板) X X方向、X軸(第1方向) Y Y方向、Y軸(第2方向) Z Z方向、Z軸(走査方向に対応する
方向)
Claims (13)
- 【請求項1】 光源から射出される光を被照射物体に照
射する照明光学系において、 前記光源から射出される光の光路上に、当該光路を横切
る方向に3次以上の関数を含む関数で表される透過率分
布を有する少なくとも2つのフィルタ部材を備えること
を特徴とする照明光学系。 - 【請求項2】 前記光路を横切る方向に前記フィルタ部
材を移動させる駆動装置を備えることを特徴とする請求
項1記載の照明光学系。 - 【請求項3】 前記駆動装置は、前記光路を横切る方向
に前記フィルタ部材を連続的に移動可能であることを特
徴とする請求項2記載の照明光学系。 - 【請求項4】 前記駆動装置を駆動して、前記光路を横
切る方向における前記フィルタ部材各々の相対位置を制
御する制御装置を備えることを特徴とする請求項2又は
請求項3記載の照明光学系。 - 【請求項5】 光源から射出される光を被照射物体に照
射する照明光学系において、 前記光源から射出される光の光路上に、当該光路を横切
る第1方向及び当該第1方向に直交する第2方向各々に
3次以上の関数を含む関数で表される透過率分布を有す
る少なくとも2つのフィルタ部材を備えることを特徴と
する照明光学系。 - 【請求項6】 前記第1方向及び前記第2方向の少なく
とも一方の方向に前記フィルタ部材を移動させる駆動装
置を備えることを特徴とする請求項4記載の照明光学
系。 - 【請求項7】 前記駆動装置は、前記第1方向及び前記
第2方向に前記フィルタ部材を連続的に移動可能である
ことを特徴とする請求項6記載の照明光学系。 - 【請求項8】 前記駆動装置を駆動して、前記第1方向
及び前記第2方向の少なくとも一方の方向における前記
フィルタ部材各々の相対位置を制御する制御装置を備え
ることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の照明光
学系。 - 【請求項9】 前記フィルタ部材は、前記被照射物体の
近傍又は前記被照射物体の被照射面に対して光学的に共
役な面若しくはその近傍に配置されることを特徴とする
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の照明光学
系。 - 【請求項10】 前記フィルタ部材の各々は、それぞれ
の透過率分布特性が前記光路を横切る方向に関してほぼ
反転した関係となるように配置されることを特徴とする
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の照明光学
系。 - 【請求項11】 光源からの光をマスクに照射して、当
該マスクに形成されたパターンを感光性基板に転写する
露光装置において、 前記マスクを載置できるように構成されたマスクステー
ジと、 前記感光性基板を載置できるように構成された基板ステ
ージと、 前記光源からの光を前記マスクに照明する請求項1から
請求項10の何れか一項に記載の照明光学系とを備える
ことを特徴とする露光装置。 - 【請求項12】 光源からの光をマスクに照射して、当
該マスクに形成されたパターンを感光性基板に転写する
露光装置において、 前記マスクを載置した状態で移動可能に構成されたマス
クステージと、 前記感光性基板を載置した状態で移動可能に構成された
基板ステージと、 前記光源からの光を前記マスクに照明する請求項1から
請求項4の何れか一項に記載の照明光学系と、 前記マスクの前記パターンの像を前記感光性基板上に形
成する投影光学系と、 前記マスクステージに接続されて、前記マスクステージ
を移動させるマスクステージ駆動系と、 前記基板ステージに接続されて、前記基板ステージを移
動させる基板ステージ駆動系と、 前記マスクステージ駆動系と前記基板ステージ駆動系と
に接続されて、前記マスクと前記感光性基板とを前記投
影光学系の倍率に応じて走査方向に沿って移動させるよ
うに前記マスクステージ駆動系と前記基板ステージ駆動
系とを制御する制御部とを備え、 前記光路を横切る方向は、前記走査方向に対応する方向
を横切るように設定されることを特徴とする露光装置。 - 【請求項13】 請求項11又は請求項12記載の露光
装置を用いて前記マスクに形成されたパターンを前記感
光性基板に露光する露光工程と、 露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含む
ことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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