JP2003100622A - 照明装置、およびそれを用いた露光装置、デバイス製造方法 - Google Patents

照明装置、およびそれを用いた露光装置、デバイス製造方法

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JP2003100622A JP2002173416A JP2002173416A JP2003100622A JP 2003100622 A JP2003100622 A JP 2003100622A JP 2002173416 A JP2002173416 A JP 2002173416A JP 2002173416 A JP2002173416 A JP 2002173416A JP 2003100622 A JP2003100622 A JP 2003100622A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 反射型オプティカルインテグレータの長さを
適正にすることで、小型で光利用効率の高い照明装置、
およびそれを用いた露光装置、デバイス製造方法を提供
する。 【解決手段】 集光光学系と被照明領域の間に位置し、
m角形(m:偶数)の断面形状において対向する複数対
の反射面を構成すると共に、光束を対向する複数対の反
射面間で反射させる反射型オプティカルインテグレータ
とを有し、前記反射面間の媒質の屈折率をn、前記複数
対の反射面間の距離をφ、前記集光光学系から出射した
光束が前記反射型オプティカルインテグレータに入射す
る際の発散角をθ、前記反射型インテグレータの断面形
状に関連して定まる定数をC、自然数をAとすると、前
記反射型オプティカルインテグレータの軸方向の長さL
がR=φ/[tan{sin−1(sinθ/
n)}]、C×(A−0.1)×R ≦ L ≦ C×
(A+0.1)×Rを満足する照明装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、照明光
学系に関し、特に、半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶
ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などのデバイス
を製造するのに用いられる照明装置及び露光装置、デバ
イス製造方法、及び、前記被処理体から製造されるデバ
イスに関する。本発明は、例えば、微細パターン製造に
おけるマイクロリソグラフィ工程において半導体ウェハ
用の単結晶基板を露光する露光装置の照明装置に好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型及び薄型化の要請
から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要
求はますます高くなっている。例えば、マスクパターン
に対するデザインルールはライン・アンド・スペース
(L&S)0.1μm以下の寸法像を広範囲に形成する
ことが要求され、今後は更に80nm以下の回路パター
ン形成に移行することが予想される。L&Sは露光にお
いてラインとスペースの幅が等しい状態でウェハ上に投
影された像であり、露光の解像度を示す尺度である。
【0003】半導体製造用の代表的な露光装置である投
影露光装置は、(本出願では交換可能に使用する)マス
ク又はレチクル上に描画されたパターンをウェハ上に投
影露光する投影光学系を備えている。投影露光装置の解
像度(正確に転写できる最小寸法)Rは、光源の波長λ
と投影光学系の開口数(NA)を用いて次式で与えられ
る。
【0004】
【数1】
【0005】従って、波長を短くすればするほど、及
び、NAを上げれば上げるほど、解像度は良くなる。一
方、一定の結像性能を維持できる焦点範囲を焦点深度と
いい、焦点深度DOFは次式で与えられる。
【0006】
【数2】
【0007】従って、波長を短くすればするほど、及
び、NAを上げれば上げるほど、焦点深度は小さく(浅
く)なる。焦点深度は小さくなるとフォーカス合せが難
しくなり、基板のフラットネス(平坦度)やフォーカス
精度を上げることが要求されるため、基本的に大きい方
が好ましい。
【0008】数式1及び2から、焦点深度が小さくなり
過ぎるのを防ぎつつ解像度を向上させるには、波長を短
くする方がNAを大きくするよりも望ましいことが理解
される。近年では、露光光源の波長はKrFエキシマレ
ーザー(波長約248nm)からArFエキシマレーザ
ー(波長約193nm)に、NAは約0.6から約0.
75になろうとしている。また、Fレーザー(波長約
157nm)の実用化も進んでいる。
【0009】また、その他に解像度に影響するものとし
て、被照明面における照度の均一性が挙げられる。被照
明面における照度の均一性が良好でないと高解像のパタ
ーンを形成することが出来なくなる。そこで、波面分割
型オプティカルインテグレータ(例えば、ハエの目レン
ズなどであって、かかる表現を本願では交換可能に使用
する)や反射型オプティカルインテグレータ(ガラス棒
や中空パイプを含みオプティカルパイプとも称し、かか
る表現を本願では交換可能に使用する)などのオプティ
カルインテグレータを光源と被照明面の間に配置するこ
とで、照度均一性を向上させる技術が知られている。
【0010】例えば、公開特許平成7年第201730
号公報では、オプティカルパイプ(ガラス棒)を反射型
オプティカルインテグレータとして用い、オプティカル
パイプの出射端面をレチクル面と共役な位置に配置する
ことで、被照明面の照度均一性を向上させる方法を提案
している。同公報において、オプティカルパイプへ入射
する光束の発散角(収斂角)は、オプティカルインテグ
レータの前段に設けられた光学系を駆動することにより
可変となっている。
【0011】また、本出願人は公開特許平成10年第2
70312号公報において、オプティカルパイプを反射
型オプティカルインテグレータとして用い、その前段に
はオプティカルパイプに所定の発散角をもって入射する
ための出射角度保存光学素子を配置することで、被照明
面の照度均一性を向上させる方法を提案している。同公
報において、オプティカルパイプの射出端面は、投影光
学系の瞳面と共役な位置に配置されており、オプティカ
ルパイプ後段のハエの目レンズで形成される光強度分布
(有効光源)の均一性を向上させると共に、被照射面
(レチクル面ないしウェハ面)における照度均一性の向
上にも寄与している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の反射型
オプティカルインテグレータを用いた照明装置は、一般
に被照明面を均一かつ効果的に(即ち、所望の照度で)
照明することについての検証が十分になされていなかっ
た。不均一な照明はレジストへのパターン転写が不十分
になり高品位な半導体ウェハ、LCD、薄膜磁気ヘッド
などが提供できなくなる。また、高照度で照明できなけ
ればスループットが低下する。
【0013】オプティカルパイプの射出端面における照
度分布(光強度分布)を均一とするには、オプティカル
パイプの断面形状を多角形とし、内面反射の回数を十分
多くとる必要がある。そのためには、オプティカルパイ
プの断面を小さくするか、オプティカルパイプを軸方向
に長くする必要がある。しかし、断面を小さくするとそ
れだけ光が集光することになるため、光学部材の耐久性
の観点から限界がある。一方、オプティカルパイプの長
さを長くするとパイプ内での光量ロス(ガラス棒の場合
には、硝材透過率に依存するロスや、中空ロッドの場合
には、反射面の反射効率に依存するロス)が大きくなる
と共に、装置の大型化を招くため好ましくない。
【0014】更に、上述したように、近年半導体素子な
どの微細パターン製造用の露光装置では露光波長の短波
長化が図られてきている。露光波長が短くなると、十分
に高い透過率を有する硝材や、反射効率の高いコーティ
ング材料が限定されてくる。従って、オプティカルパイ
プの冗長化は、光利用効率の低下を招き、結果としてス
ループットを低下させるという問題を抱えている。
【0015】そこで、本発明は、反射型オプティカルイ
ンテグレータの射出端面の照度分布均一性を良好としな
がらも、反射型オプティカルインテグレータの長さを適
正に短くすることで、小型で光利用効率の高い照明装
置、およびそれを用いた露光装置、デバイス製造方法を
提供することを例示的目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の一側面としての照明装置は、光源から出射
した光束を用いて被照明領域を照明する照明装置であっ
て、前記光源から出射した光束を集光する集光光学系
と、前記集光光学系と前記被照明領域の間に位置し、m
角形(m:偶数)の断面形状において対向する複数対の
反射面を構成すると共に、前記集光光学系から出射した
前記光束を前記対向する複数対の反射面間で反射させる
反射型オプティカルインテグレータとを有し、前記反射
面間の媒質の屈折率をn、前記複数対の反射面間の距離
をφ、前記集光光学系から出射した光束が前記反射型オ
プティカルインテグレータに入射する際の発散角をθ、
前記反射型インテグレータの断面形状に関連して定まる
定数をC、自然数をAとすると、前記反射型オプティカ
ルインテグレータの軸方向の長さLが、 R=φ/[tan{sin−(sinθ/n)}] C×(A−0.1)×R ≦ L ≦ C×(A+0.
1)×R なる式を満足する。
【0017】かかる照明装置によれば、かかる式に基き
反射型オプティカルインテグレータの長さLを決定する
ことで、反射型オプティカルインテグレータにおける反
射を安定的かつ被照明領域が均一とすると共に、反射型
オプティカルインテグレータの長さLを従来よりも短く
することができる。よって、かかる照明装置は均一な照
明が可能であり、また装置の小型化に寄与する。
【0018】なお、かかる照明装置において、前記反射
型オプティカルインテグレータの前記断面形状が正方形
もしくは長方形のとき、C=1とするとよい。また、前
記反射型オプティカルインテグレータの前記断面形状が
正6角形のとき、C=1.05又は1.15とするとよ
い。
【0019】かかる照明装置において、前記集光光学系
は前記発散角の異なる複数の光学系を含み、当該光学系
は照明条件に応じて切り替え可能としてもよい。これに
より、反射型オプティカルインテグレータの出射面に位
置する構成要素へ入射する光束の角度を照明条件に応じ
て適正にすることができる。更に、上述の前記集光光学
系は、照明条件に応じて前記発散角を可変とするズーム
機構を有する構成であってもよい。
【0020】更に、かかる照明装置は、前記光源と前記
集光光学系の間に光束の角度分布を矩形の前記被照明領
域の縦横比と略同じとする光学素子を更に有するもので
あってもよい。かかる照明装置によれば、矩形の照明領
域を効率よく照明することができる。前記光学素子は前
記矩形の被照明領域における長手及び短手方向に関する
焦点距離が互いに異なるアナモフィック光学系より構成
される光学素子である。もちろん、装置簡略化のため、
前記光学素子の長手及び短手方向に関する焦点距離は、
同じであってもよい。その際には、光束がケラレない様
に、照明領域の短手方向に合わせて焦点距離を設定する
ことが照明効率の観点から重要である。前記光学素子
は、入射光の波面を分割して光出射面又はその近傍に複
数の光源を形成する波面分割型オプティカルインテグレ
ータである。なお、前記波面分割型オプティカルインテ
グレータは前記発散角の異なる複数の光学素子を含み、
当該光学素子は照明条件に応じて切り替え可能としても
よい。
【0021】また、本発明の別の側面としての露光装置
は、上述したいずれかの照明装置と、レチクル又はマス
クに形成されたパターンを被処理体に投影する光学系と
を有する。かかる露光装置は上述の照明装置を有し、同
様の作用を奏する。
【0022】本発明の更に別の側面としてのデバイス製
造方法は、上述の露光装置を用いて前記被処理体を投影
露光するステップと、前記投影露光された前記被処理体
に所定のプロセスを行うステップとを有する。上述の露
光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の
請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にも
その効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、例えば、L
SIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、
磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0023】本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下
添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって
明らかにされるであろう。
【0024】
【発明の実施形態】以下、添付図面を参照して、本発明
の例示的な露光装置1及び照明装置100について説明
する。なお、各図において同一の参照符号は同一部材を
表している。ここで、図1は、本発明の例示的な露光装
置1及びその一部である照明装置100の概略構成図で
ある。
【0025】露光装置1は、図1に示すように、照明装
置100と、マスク300と、投影光学系400と、図
示しない制御装置とを有する。露光装置1は、例えば、
ステップ・アンド・スキャン投影露光方式でマスク30
0に形成されたパターンをプレートW上に露光する走査
型投影露光装置である。しかし、本発明の露光装置1は
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置であっても
よい。
【0026】照明装置100は、典型的に、光源部、照
明光学系、図示しない制御部とを有し、転写用パターン
が形成されたマスク300を照明する。
【0027】光源部はレーザー110とビーム整形系1
20とを有し、照明光学系に照明光を供給している。
【0028】レーザー110は照明光を発光する光源
で、本実施例では、波長約157nmのFレーザーで
あるが、波長約193nmのArFエキシマレーザーや
波長約248nmのKrFレーザー等に置換されても良
い。また、光源は、例えば、一般に出力500W以上の
超高圧水銀ランプ(波長約436nmのg線や、波長約
365nmのi線)、キセノンランプなどであってもよ
い。
【0029】ビーム整形系120は、例えば、複数のシ
リンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使
用することができ、レーザー110からの平行光の断面
形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換する(例えば、
断面形状を長方形から正方形にするなど)ことによりビ
ーム形状を所望のものに成形する。
【0030】また、図1には示されていないが、整形系
120は、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレ
ント化するインコヒーレント化光学系を使用することが
好ましい。インコヒーレント化光学系は、例えば、公開
特許平成3年第215930号公報の図1に開示されて
いるような、入射光束を光分割面で少なくとも2つの光
束(例えば、p偏光とs偏光)に分岐した後で一方の光
束を光学部材を介して他方の光束に対してレーザー光の
コヒーレンス長以上の光路長差を与えてから分割面に再
誘導して他方の光束と重ね合わせて射出されるようにし
た折り返し系を少なくとも一つ備える光学系を用いるこ
とができる。
【0031】照明光学系は、レーザー110より出射さ
れた光束を利用してマスク300を照明する光学系であ
り、本実施例では、集光光学系130、反射型オプティ
カルインテグレータ(オプティカルパイプ)140、集
光ズームレンズ150、波面分割型オプティカルインテ
グレータ(ハエの目レンズ)160、開口絞り170、
集光レンズ180、ブレード(視野絞り)190、結像
レンズ200及び210、偏向ミラー220、パイプ駆
動装置230とを有する。
【0032】集光光学系130は、ビーム整形系120
より射出された光束をオプティカルパイプ140の入射
面142近傍(集光点P)に集光し、オプティカルパイ
プ140に入射する光束に所定の発散角を持つ光束を形
成する。集光光学系130は、少なくとも一枚のレンズ
素子より成るが、場合によっては光路を折り曲げるため
のミラーを有してもよい。なお、オプティカルパイプ1
40がガラス棒で構成されている場合には、ガラス棒の
耐久性を高めるために、集光光学系130による集光点
Pはオプティカルパイプ140の入射面142より光源
側に(集光されている)デフォーカスされるように構成
されることが好ましい。
【0033】本実施例において、集光光学系130は後
段の集光ズームレンズ150が変倍しても、ハエの目レ
ンズ160へ入射する光束の角度を適正にするために、
射出角度の異なる集光光学素子132と切り替え可能な
構成となっている。例えば、かかる構成は、集光光学素
子130及び132に図示しない駆動装置を接続し、集
光光学素子130及び132が光軸を交差するようにか
かる駆動装置によりリニア駆動することで、集光光学素
子130及び132を切り替える方法であってもよい。
但し、かかる切り替え機構はこのような構成及び方法の
みに限定されるものではなく、当業者が想達し得るいか
なる技術をも適用可能である。よって、ここでの詳細な
説明は省略する。なお、図1において交換可能な集光光
学系として集光光学系132のみが描かれているが、か
かる形態は例示的であって、出射角度の異なる複数の集
光光学系を更に有してもよいことは言うまでもない。な
お、本明細書において、参照番号130は、特に断らな
い限り集光光学系132及びその他の図示しない集光光
学系を総括するものとする。
【0034】オプティカルパイプ140は、集光点Pか
ら所定の発散角を持って入射した光束が側面で反射を繰
り返すことにより、入射面で不均一である光強度分布を
出射面で均一にする。図2を参照するに、オプティカル
パイプ140は焦点Pから少し距離をおいて配置される
ことが好ましい。これは、レーザー光がエキシマレーザ
光である場合は、焦点P近傍では莫大なエネルギー密度
となり、オプティカルパイプ入射面142のコーティン
グ(反射防止膜)や硝材そのものを損傷させてしまう恐
れがあるからである。ここで、図2は、図1に示すオプ
ティカルパイプ140近傍を示す光軸AXを含む概略断
面図である。 本実施例において、オプティカルパイプ
140は、6角形の断面形状において対向する複数対の
反射面を構成し、例えば、ガラスから整形される6角柱
ロッドである。ただし、かかる形態は例示的であり、か
かるロッドと同様の作用を奏する部材の適用を妨げるも
のではない。例えば、オプティカルパイプ140は内部
が反射面を形成し、中空のロッドより構成されても良
い。また、オプティカルパイプ140は対向する複数対
の反射面を構成するためにm角形(m:偶数)であれば
よく、6角形に限定されるものではない。
【0035】ここで、図3乃至図4を参照するに、オプ
ティカルパイプ140について詳細に説明する。ここ
で、図3は、図1に示す集光光学系130とオプティカ
ルパイプ140の位置関係並びに光路を示した概略側面
図である。図4は、図1に示すオプティカルパイプ14
0を示す概略斜視図である。説明の便宜上、オプティカ
ルパイプ140は断面形状が正方形の四角柱ロッドと
し、屈折率nのガラス棒である。正方形断面の対向する
反射面間の間隔はφ(mm)、長さはL(mm)であ
る。集光光学系130からオプティカルパイプ140へ
の入射する光束の角度(発散角)はθ(deg)とす
る。
【0036】オプティカルパイプ140に入射した光束
が、かかるオプティカルパイプ140において内面反射
を1回行うのに必要な長さRは、数式3で示される。
【0037】
【数3】
【0038】なお、オプティカルパイプ140が中空ロ
ッドの場合にはn=1と考える。長さLのオプティカル
パイプ140において反射する光束の回数Nは数式4と
なる。
【0039】
【数4】
【0040】一般的に、オプティカルパイプ140の射
出面144の照度分布を均一にするためには、反射回数
Nを多くすれば良い。しかし、そのためにはLを長くし
たり、φを小さくしたりする必要があるが、前述した問
題が発生するので好ましくない。一方、光利用効率を向
上させるためには、長さLを短く(反射回数Nを小さ
く)すれば良いが、無闇に反射回数Nを小さくすると、
光束の混合具合が最適化されないため、以下の問題が起
こりやすい。まず、オプティカルパイプ140の射出端
144における照度分布が均一となりにくい。そして、
集光光学系130とオプティカルパイプ140との偏心
(平行ズレ、傾きズレ)などにより、オプティカルパイ
プ140に入射する光束の位置ズレや角度ズレが発生す
ると、オプティカルパイプ射出面144の照度分布変化
が大きく変化してしまう。
【0041】ここで、本発明ではこれらの問題を定量的
に扱うため、オプティカルパイプ140の射出面144
の「照度分布安定性」という尺度を用いる。かかる表現
にて上記偏心が生じた場合のオプティカルパイプ140
の射出面144における、照度均一性や分布重心の安定
性を表現することとする。
【0042】オプティカルパイプ射出端144の「照度
分布安定性」が悪いと、ハエの目レンズ160で形成さ
れる有効光源分布が非対称になってしまう。これは、プ
レートW面でのパターン像形成に悪影響を与えるため好
ましくない。また、公開特許平成7年第201730号
公報において、オプティカルパイプ射出端の「照度分布
安定性」が悪いと、露光面の照度分布が悪化してしま
う。露光装置は、露光面で高い照度均一性が要求され
る。よって、かかる露光装置は悪化した照度分布を補正
する機構が別途必要となり装置の複雑化を招く。また、
照度分布の補正機構としてオプティカルパイプ射出端近
傍にフィルタを配置すると、光量低下を招いて露光装置
の生産性を低下させてしまうので好ましくない。
【0043】以上から、オプティカルパイプ140の長
さLは、オプティカルパイプ射出面144の「照度分布
安定性」が良好となる適正な短さが求められることが理
解される。
【0044】そこで、図5を参照するに、オプティカル
ロッド140における反射回数Nとオプティカルパイプ
射出端144の「照度分布安定性」の関係を説明する。
ここで、図5は、反射回数Nとオプティカルパイプ出射
端144の「照度分布安定性」示したものである。尚、
オプティカルパイプ140へ入射する光束の角度θとオ
プティカルパイプ140の多角形断面の対向する反射面
間の距離φは固定としている。図5において、横軸に反
射回数Nをとり、縦軸に「照度分布安定性」を任意単位
でとっている。「照度分布安定性」は絶対値が0である
ときが、最も安定している状態で、絶対値が大きいほど
安定性が悪いことを表している。
【0045】「照度分布安定性」は、図5に示すよう
に、反射回数Nが大きくなるにつれて、周期変動しなが
ら収束していく傾向がある。つまり、少ない反射回数で
も「照度分布安定性」が良好となる条件が離散的に存在
することを示している。本発明者は、かかる良好な条件
を光学シミュレーションにより探索した結果、定数Cの
自然数倍付近(±10%)であることを発見した。これ
により、「照度分布安定性」が良好である反射回数Nの
条件は以下の式で表される。
【0046】
【数5】
【0047】ここで、Cは定数であって、オプティカル
ロッドの形状と入射光束の角度θにより決定される正の
実数である。Aは係数であって、自然数である。
【0048】即ち、「照度分布安定性」が良好となるオ
プティカルパイプ4の長さは数式3乃至5より、次式で
表すことができる。
【0049】
【数6】
【0050】以上から、「照度分布安定性」を良好にす
るには、式4を満たす反射回数Nとなるようにオプティ
カルパイプ140の長さLと径φを設定すればよいこと
が理解される。なお、光利用効率を向上させ、装置の小
型化を図るためには、係数Aの小さい値を選択すれば良
い。このように「照度分布安定性」の良好な条件であれ
ば、後述するパイプ駆動装置230でオプティカルパイ
プ140を駆動させても、オプティカルパイプ射出面1
44の照度分布均一性はほとんど変化しないので、有効
光源分布の位置ずれを良好に(分布を崩すことなく)補
正することが可能となる。
【0051】再び、図1を参照するに、集光ズームレン
ズ150はオプティカルパイプ140からの光束をハエ
の目レンズ160の入射面に集光する。集光ズームレン
ズ150は、オプティカルパイプ140の射出面144
をハエの目レンズ160の入射面に所定の倍率で結像さ
せており、双方が互いに略共役関係となっている。本実
施例において、集光ズームレンズ150は倍率可変のズ
ームレンズであり、ハエの目レンズ160へ入射する光
束領域を調整することが可能となっており、複数の照明
条件を形成させることができる。
【0052】ハエの目レンズ160は、被照射面(マス
ク300面及びプレートW面)を均一に照明する機能を
有する。ハエの目レンズ160は、入射光の波面を分割
して光出射面又はその近傍に複数の光源を形成する波面
分割型オプティカルインテグレータである。ハエの目レ
ンズ160は入射光の角度分布を位置分布に変換して出
射し、ハエの目レンズ160の入射面と出射面とはフー
リエ変換の関係になっている(本明細書において、フー
リエ変換の関係とは、光学的に瞳面と物体面(又は像
面)、物体面(又は像面)と瞳面となる関係を意味す
る)。これにより、ハエの目レンズ160の射出面近傍
は2次光源(有効光源)となっている。ハエの目レンズ
160は、本実施例ではロッドレンズ(即ち、微小レン
ズ素子)を多数組み合わせて構成されている。但し、本
発明が使用可能な波面分割型オプティカルインテグレー
タはハエの目レンズに限定されるものではなく、例えば
各組が直交するように配置された複数の組のシリンドリ
カルレンズアレイ板などが考えられる。
【0053】開口絞り170は不要光を遮光して所望の
有効光源を形成する可変開口絞りであり、通常の円形開
口及び輪帯照明等の各種の絞りからなっている。可変開
口絞りを変えるためには、例えば、これらの開口絞り1
70を形成した円盤状ターレットを用い、図示しない制
御部が開口を切り替えるべくターレットを回転させるこ
とで可能となる。
【0054】集光レンズ180は、例えば、コンデンサ
ーレンズであって、ハエの目レンズ160の出射面近傍
で形成された有効光源をできるだけ多く集めてブレード
190上で重畳的に重ね合わせブレード190をケーラ
ー照明する。
【0055】ブレード190は被照射面であるマスク3
00(更には、プレートW)面上の露光範囲を制限して
いる。ブレード190は複数の可動な遮光板から成り、
任意の開口形状が形成される。
【0056】結像レンズ200及び210は、例えば、
コンデンサーレンズであって、ブレード190の開口形
状を被照射面であるマスク300上に転写している。
【0057】偏向ミラー220は、結像レンズ200か
ら射出された光束を結像レンズ210(更にはマスク3
00)に入射するように偏向させる。なお、結像レンズ
210が予め結像レンズ200対し平行に配置されてい
るならば、偏向ミラー220は省略することも可能であ
る。しかし、かかる構成において、偏向ミラー220は
装置の小型化に寄与する。
【0058】パイプ駆動装置230はオプティカルパイ
プ140を光軸と垂直な面内で微小駆動、もしくは入射
面近傍位置を支点に傾け駆動させることで、有効光源の
位置を最適に調整している。より詳細には、パイプ駆動
装置230は、例えば、複数の照明条件を設定する際、
集光ズームレンズ150の駆動誤差や、開口絞り170
の位置誤差によって発生する有効光源の位置ずれを照明
条件毎に最適に補正する。パイプ駆動装置230はオプ
ティカルパイプ140と直接又は間接的に接続されると
共に、図示しない制御部と電気的に接続されている。パ
イプ駆動装置230は、上述の作用を実現可能な当該周
知のいかなる技術より構成されてもよく、本実施例での
詳細な説明は省略する。
【0059】図示しない制御部は、典型的に、CPUと
メモリを有し、照明装置100を制御する。制御部は、
集光光学系130の図示しない切り替え機構、集光ズー
ムレンズ150、可変開口絞り170、ブレード19
0、及びパイプ駆動装置230と(又は、各要素の制御
又は駆動機構を介し)電気的に接続されている。本実施
例において、制御部は集光光学系130の切り替え機
構、集光ズームレンズ150、開口絞り170及びブレ
ード190の開口形状、オプティカルパイプ140の位
置を照明条件に応じて、それぞれ適切となるように変更
する。なお、照明装置100の制御部は、後述する露光
装置1の図示しない制御装置にその機能を代替されても
よく、かかる構成において照明装置100の制御部は省
略可能である。
【0060】CPUはMPUなど名前の如何を問わずい
かなるプロセッサも含み、各部の動作を制御する。ま
た、メモリはROM及びRAMより構成され、照明装置
100を動作するファームウェアを格納する。なお、上
述した機能を達成可能であるならば、照明装置100の
制御部の構成はかかる記述に限定されるものではない。
当然、当業者が想達可能ないかなる技術も適用可能であ
る。
【0061】マスク300は、例えば、石英製で、その
上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成さ
れ、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。
マスク300から発せられた回折光は投影光学系400
を通りプレートW上に投影される。プレートWは、被処
理体でありレジストが塗布されている。マスク300と
プレートWとは光学的に共役の関係に配置される。本実
施形態の露光装置1はステップ・アンド・スキャン方式
の露光装置(即ち、スキャナー)であるため、マスク3
00とプレートWを走査することによりマスク300の
パターンをプレートW上に転写する。なお、ステップ・
アンド・リピート方式の露光装置(即ち、「ステッパ
ー」)であれば、マスク300とプレートWとを静止さ
せた状態で露光を行う。
【0062】マスクステージは、マスク300を支持し
て図示しない移動機構に接続されている。マスクステー
ジ及び投影光学系400は、例えば、床等に載置された
ベースフレームにダンパ等を介して支持されるステージ
鏡筒定盤上に設けられる。マスクステージは、当業界周
知のいかなる構成をも適用できる。図示しない移動機構
はリニアモータなどで構成され、光軸と直交する方向に
マスクステージを駆動することでマスク200を移動す
ることができる。露光装置1は、マスク300とプレー
トWを図示しない制御装置によって同期した状態で走査
する。
【0063】投影光学系400は、マスク300に形成
されたパターンを経た光束をプレートW上に結像する。
投影光学系400は、複数のレンズ素子のみからなる光
学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを
有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数の
レンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折
光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使
用することができる。色収差の補正が必要な場合には、
互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複
数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素
子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
【0064】プレートWは、本実施形態ではウェハであ
るが、液晶基板その他の被処理体を広く含む。プレート
Wにはフォトレジストが塗布されている。フォトレジス
ト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フ
ォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前
処理は洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理
は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表
面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理で
あり、HMDS(Hexamethyl−disila
zane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プ
リベークはベーキング(焼成)工程であるが現像後のそ
れよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0065】プレートWは図示しないウェハステージに
支持される。ウェハステージは、当業界で周知のいかな
る構成をも適用することができるので、ここでは詳しい
構造及び動作の説明は省略する。例えば、ウェハステー
ジはリニアモータを利用して光軸と直交する方向にプレ
ートWを移動する。マスク300とプレートWは、例え
ば、同期して走査され、マスクステージとウェハステー
ジの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視さ
れ、両者は一定の速度比率で駆動される。ウェハステー
ジは、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるス
テージ定盤上に設けられ、マスクステージ及び投影光学
系400は、例えば、鏡筒定盤は床等に載置されたベー
スフレーム上にダンパ等を介して支持される図示しない
鏡筒定盤上に設けられる。
【0066】更に、ウェハステージはプレートWを焦点
深度の範囲内で光軸方向に移動させ、プレート400の
結像位置を調節する。露光装置1は、光軸方向において
異なる位置に配置されたプレートWに対して露光を複数
回行うことにより、焦点深度内における結像性能のばら
つきをなくすことができる。かかる機能は、光軸方向に
伸びる図示しないラックと、ウェハステージに接続され
てラック上を移動可能な図示しないピニオンと、ピニオ
ンを回転させる手段など、当業界で周知のいかなる技術
をも適用することができるので、ここでは詳しい説明は
省略する。
【0067】図示しない制御装置は、典型的に、CPU
とメモリを有し、露光装置1を制御する。制御装置は、
照明装置100、図示しないマスクステージ、図示しな
いウェハステージと電気的に接続されている。本実施例
において、制御装置は照明装置100、マスクステー
ジ、ウェハステージを露光に対応して、それぞれ適切と
なるように変更及び移動する。CPUはMPUなど名前
の如何を問わずいかなるプロセッサも含み、各部の動作
を制御する。また、メモリはROM及びRAMより構成
され、露光装置1を動作するファームウェアを格納す
る。なお、上述した機能を達成可能であるならば、露光
装置の制御装置の構成はかかる記述に限定されるもので
はない。当然、当業者が想達可能ないかなる技術も適用
可能である。
【0068】次に、図6及び図7を参照するに、図1に
示す露光装置1及び照明装置100の変形例である露光
装置1a及び照明装置100aについて説明する。ここ
で、図6は、図1に示す露光装置1及びその一部である
照明装置100の変形例である照明装置100aの一部
を示す側面図である。図7は、図6に示す露光装置を光
軸に関し90度回転した際の照明装置100aの一部を
示す別の側面図である。なお、上述した露光装置1及び
照明装置100と同一な構成のものに関しては同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。
【0069】ステップ・アンド・スキャン(走査)方式
を採用する露光装置では、一般的に、マスク300とプ
レートWを同期走査させて露光を行うため、走査方向の
照明領域が短く、露光面内で走査方向と直交する照明領
域は長くなっている。図6は走査(短手)方向を照明す
る方向(以下、「z方向」と記す)での照明装置100
aを示し、図7は、長手方向を照明する方向(以下、
「y方向」と記す)での照明装置100aを示してい
る。尚、光軸AXからy方向に延びる軸とを含む断面を
xy断面、光軸AXからz方向に延びる軸とを含む断面
をxz断面と記す。
【0070】本変形例の露光装置1aの照明装置100
aは、露光装置1における照明装置100のビーム整形
系120(図不指示)の後段に射出角保存光学素子24
0が配置されている。
【0071】射出角保存光学素子240は、図6のxz
断面と図7のxy断面とで出射角度θa、θbが異なる
光束を射出する。ステップ・アンド・スキャン方式の投
影露光装置1aでは、z方向よりもy方向の方が長いス
リット状の照明領域をマスク300面上に効果的に形成
する必要があり、θaはθbよりも小さくなるように構
成されている。これにより、各断面における光束の開き
角が異なっており、所望のスリット照明領域が効率よく
形成されている。
【0072】本実施例では、射出角保存光学素子240
として、xz断面に関する焦点距離とxy断面に関する
焦点距離とが互いに異なるアナモフィック光学系より成
る光学素子を用いている。例えば、射出角保存光学素子
240はxy断面とxz断面とで焦点距離が異なる微小
レンズを複数個2次元的にyz断面に沿って配置したハ
エの目レンズや、焦点距離の異なるシリンドリカルレン
ズ(アレイ)をそれぞれxy断面とxz断面に複数配置
した光学系などで適用可能である。各ハエの目レンズを
構成する微小レンズは、通常のレンズや回折光学素子
(フレネルレンズ)によって構成される。
【0073】射出角保存光学素子240は、後段の集光
ズームレンズ150が変倍しても、ハエの目レンズ16
0へ入射する光束の角度を適正にするために、射出角度
の異なる射出角保存光学素子242と切り替え可能な構
成となっている。なお、かかる切り替え機構は、上述し
た集光光学系130と同様の機構を適用可能であり、こ
こでの詳細な説明は省略する。
【0074】ここで、かかる構成における照明装置10
0aにおいて、光学シミュレーションにより求めたオプ
ティカルパイプ140の最適条件の結果を紹介する。
【0075】まず、第1に、オプティカルパイプ140
が四角柱で、射出角保存光学素子240が2方向のシリ
ンドリカルレンズの組み合わせ(x方向とy方向にのみ
射出角を規定するように互いに直交)である場合、最適
条件は定数C=1である。但し、A=1ではパイプ射出
端の分布が均一にならないので、露光装置1a上有効な
反射回数Nは、約A回(A:2以上の自然数)である。
よって、かかる構成でのオプティカルパイプ140にお
ける反射回数は、次式を満たせばよい。
【0076】
【数7】
【0077】ここで、Aは2以上の自然数である。
【0078】第2に、オプティカルパイプ140が六角
柱で、射出角保存光学素子240が、y2方向のシリ
ンドリカルレンズの組み合わせ(x方向とy方向にのみ
射出角を規定するように2つのシリンドリカルレンズア
レイを互いに直交)の場合(x、y方向の一方にオプテ
ィカルロッド4の一辺を一致させる場合、即ち両者のな
す角がθ=0°の場合)、最適条件は定数C=1.15
である。但し、A=1ではパイプ射出端の分布が均一に
なりきらないので、露光装置1a上有効な反射回数N
は、約A回(A:2以上の自然数)である。よって、か
かる構成でのオプティカルパイプ140における反射回
数は、次式を満たせばよい。
【0079】
【数8】
【0080】ここで、Aは2以上の自然数である。
【0081】また、上記θ=0°の状態から15°時計
回り又は反時計回りに回転させたθ=15°の場合は、
次の式を満たせば良い。Nは反射回数、Aは2以上の自
然数である。
【0082】
【数9】
【0083】第3に、オプティカルパイプ140が六角
柱で、射出角保存光学素子240が六角形開口の微小レ
ンズから構成されるハエの目レンズの場合、最適条件は
定数C=1.15である。但し、A=1ではパイプ射出
端の分布が均一になりきらないので、露光装置1a上有
効な反射回数Nは、約A回(A:2以上の自然数)であ
る。よって、かかる構成でのオプティカルパイプ140
における反射回数は、次式を満たせばよい。
【0084】
【数10】
【0085】ここで、Aは2以上の自然数である。
【0086】本発明の露光装置1a及びその一部である
照明装置100aでは、照明領域の短手方向に対応する
入射角度θaが小さいので、θaのときにオプティカル
パイプ射出端144の「照度分布安定性」が良好な条件
を数式5から決定すれば良い。更に、照明領域の長手方
向に対応する入射角度θbにおいても、同様に「照度分
布安定性」が良好な条件となることが望ましいが、図5
からも理解されるように反射回数が十分多くとれている
場合には、照度分布安定性は収束して良好状態にあるの
で、必ずしも数式5を満足する必要はない。
【0087】このように本発明によれば、光利用効率を
向上させ、装置の小型化を図りつつ、「照度分布安定
性」が良好な照明装置を提供することが可能となる。ま
た、露光装置1aでは、オプティカルパイプ140の断
面が正方形で、入射光束の角度がxy断面、xz断面で
それぞれ異なる場合を示したが、オプティカルパイプ1
40が六角柱や八角柱などのm角柱(m:偶数)であっ
ても良いし、断面形状が矩形の四角柱であっても良い。
また、各々のオプティカルパイプ140へ入射する角度
条件も様々考えられ、多くの組み合わせが考えられる
が、いずれにおいても「照度分布安定性」が良好となる
条件は、数式4で定められる。つまり、m角形(m:偶
数)断面で対向する面間距離φに応じて、入射光束の角
度θを調整し、その組み合わせから決まる定数Cを求め
ることで、最適な反射回数(最適なオプティカルパイプ
の長さ)を設定することが可能である。
【0088】次に、図8を参照するに、図1に示す露光
装置1及び照明装置100の変形例である露光装置1b
及び照明装置100bについて説明する。ここで、図8
は、図1に示す露光装置1及びその一部である照明装置
100の変形例である照明装置100bの一部を示す側
面図である。なお、上述した露光装置1及び照明装置1
00と同一な構成のものに関しては同一の符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0089】本変形例の露光装置1bの照明装置100
bは、照明光学系において、集光ズームレンズ250
と、反射型オプティカルインテグレータ(オプティカル
パイプ)140と、ブレード190と、結像レンズ20
0及び210と、偏光ミラー220とを有する。照明装
置100bは、典型的に、集光ズームレンズ250を有
する点において、照明装置100及び100aと異な
る。
【0090】集光ズームレンズ250は、前段のビーム
整形系120からの光束を所望の発散角(収斂角)θで
オプティカルパイプ140に導光している。オプティカ
ルパイプ射出端面144は結像レンズ200及び210
により、マスク300面と略共役な位置に置かれてい
る。従って、被露光面(マスク300ないしプレート
W)の照度均一性を達成するには、オプティカルパイプ
140の射出面144の照度分布を安定的に均一とする
必要がある。
【0091】集光ズームレンズ250はズーム機構によ
り、オプティカルパイプ140へ入射する発散角(収斂
角)θを任意に調整可能とし、投影光学系400の瞳面
分布(有効光源分布)を連続的に可変としている。しか
し、発散角(収斂角)を可変とすると、オプティカルパ
イプ140での反射回数も変化する。即ち、図5の関係
から、ズーム毎にオプティカルパイプ射出端144の
「照度分布安定性」が良好になったり、悪化したりと変
動する。かかる変動は反射回数が多くなると収束してい
く傾向にあるので、ズーム可変領域全域で「照度分布安
定性」を良好とするには、オプティカルパイプ140を
十分長くする方法もあるが、光利用効率を考えると、適
正に短くする必要がある。
【0092】そこで、図8におけるオプティカルパイプ
140の長さは、集光ズームレンズ240で可変となる
発散角(収斂角)が最小となる条件で射出端面4bの
「照度分布安定性」が良好となるように設定されてい
る。ズームにより発散角(収斂角)が大きくなると、
「照度分布安定性」は多少悪化するが、装置運用上問題
ないレベルであればデバイス製造は可能である。
【0093】以下、露光装置100を使用した露光動作
を説明する。露光において、レーザー110から発せら
れた光束は、ビーム整形系120によりそのビーム形状
が所望のものに成形された後で、集光光学系130に入
射する。集光光学系130からのレーザー光は焦点Pに
一旦集光(結像)し、その後、発散角θを有する発散光
束となってオプティカルパイプ140に入射する。
【0094】そして、図2を参照するに、オプティカル
パイプ140に入射した光束は内面反射で繰り返し反射
(いわゆる全反射)しながら内部を通過する。ここで、
オプティカルパイプの断面がm角形(m:偶数)の場合
には、対向する反射面内で繰り返し反射する光束の入射
角度を保ったままオプティカルパイプ140から射出す
る。この時、オプティカルパイプ140の内面反射面の
各部分において反射された光束は、破線により示されて
いるように、後方に虚像P1,P2,P3,P4,P
5,P6,P7,P8,P9,P10を形成する。な
お、図示してはいないが、実際には六角柱のガラス棒の
場合には、残り2組の内面反射面対の作用により上記と
同様な虚像群が更に形成されている。従って、オプティ
カルパイプ射出面144では、これら多数の虚像があた
かも光束を射出したかのよう、多数の光束が互いに重な
り合い、照度分布が均一になる。上述したように、本実
施例のオプティカルパイプは「照度分布安定性」が良好
であると共に、最適な長さLを達成可能であり、照明領
域を均一な照明し装置の小型化に寄与する。
【0095】オプティカルパイプ140の射出面は集光
ズームレンズ150によりハエの目レンズ160の入射
面に所定の倍率で結像する。ハエの目レンズ160は開
口絞り170を透過し、集光レンズ180を介して、絞
り190を均一に照明する。絞り190を通過した光束
は結像光学系200及び210を通った後マスク300
の照射面を照明する。
【0096】マスク300を通過した光束は投影光学系
400の結像作用によって、プレートW上に所定倍率で
縮小投影される。ステップ・アンド・スキャン方式の露
光装置1であれば、光源部と投影光学系400は固定し
て、マスク300とプレートWの同期走査してショット
全体を露光する。更に、プレートWのウェハステージを
ステップして、次のショットに移り、プレートW上に多
数のショットを露光転写する。なお、露光装置1がステ
ップ・アンド・リピート方式であれば、マスク300と
プレートWを静止させた状態で露光を行う。
【0097】本発明の露光装置1は、オプティカルパイ
プ140の後段のハエの目レンズ160で形成される光
強度分布(有効光源)の均一性を向上させると共に、被
照射面(レチクル面ないしウェハ面)における照度均一
性の向上にも寄与している。これにより、露光装置1は
レジストへのパターン転写を高精度に行って高品位なデ
バイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDな
ど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0098】次に、図9及び図10を参照して、上述の
露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説
明する。図9は、デバイス(ICやLSIなどの半導体
チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフ
ローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を
例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの
回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステッ
プ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウ
ェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工
程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて本発明のリソグラ
フィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ス
テップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4に
よって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工
程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された
半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの
検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0099】図10は、ステップ4のウェハプロセスの
詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)で
はウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)
では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13
(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって
形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハ
にイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)で
はウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)で
は、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハ
に露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェ
ハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像
したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19
(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となっ
たレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行
うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成さ
れる。
【0100】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はこれらに限定されずにその趣旨の範囲内で
様々な変形や変更が可能である。
【0101】
【発明の効果】本発明による条件で、オプティカルパイ
プの形状とそれに入射する光束の角度を最適に決定すれ
ば、パイプ射出端での照度分布の均一性および偏心に対
する安定性を良好に実現することができる。更に、パイ
プ長さを適正に短くできるので、小型で、高効率、高性
能な照明装置およびそれを用いた露光装置、デバイスの
製造方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的な露光装置及びその一部であ
る照明装置を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示すオプティカルパイプ及び光軸AX
を示す模式図である。
【図3】 図1に示す集光光学系とオプティカルパイプ
の位置関係並びに光路を示した模式図である。
【図4】 図1に示すオプティカルパイプを示す概略斜
視図である。
【図5】 反射回数Nとオプティカルパイプ出射端の
「照度分布安定性」示したグラフである。
【図6】 図1に示す照明装置の変形例である照明装置
の一部を示す側面図である。
【図7】 図6に示す照明装置を光軸に関し90度回転
した際の照明装置の一部を示す別の側面図である。
【図8】 図1に示す照明装置の変形例である照明装置
の一部を示す側面図である。
【図9】 デバイス(ICやLSIなどの半導体チッ
プ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフロー
チャートである。
【図10】 図9に示すステップ4のウェハプロセスの
詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
1 露光装置 100 照明装置 110 レーザー 120 ビーム成形系 130 集光光学系 140 反射型オプティカルインテグレータ
(オプティカルパイプ) 150 集光ズームレンズ 160 波面分割型オプティカルインテグレー
タ 170 開口絞り 180 集光レンズ 190 ブレード(視野絞り) 200 結像レンズ 210 変更ミラー 220 結像レンズ 230 パイプ駆動装置 240 出射角保存光学素子 250 集光ズームレンズ 300 マスク 400 投影光学系
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、照明光
学系に関し、特に、半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶
ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などのデバイス
を製造するのに用いられる照明装置及び露光装置、デバ
イス製造方法、及び、前記被処理体から製造されるデバ
イスに関する。本発明は、例えば、微細パターン製造に
おけるマイクロリソグラフィ工程において半導体ウェハ
用の単結晶基板を露光する露光装置の照明装置に好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型及び薄型化の要請
から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要
求はますます高くなっている。例えば、マスクパターン
に対するデザインルールはライン・アンド・スペース
(L&S)0.1μm以下の寸法像を広範囲に形成する
ことが要求され、今後は更に80nm以下の回路パター
ン形成に移行することが予想される。L&Sは露光にお
いてラインとスペースの幅が等しい状態でウェハ上に投
影された像であり、露光の解像度を示す尺度である。
【0003】半導体製造用の代表的な露光装置である投
影露光装置は、(本出願では交換可能に使用する)マス
ク又はレチクル上に描画されたパターンをウェハ上に投
影露光する投影光学系を備えている。投影露光装置の解
像度(正確に転写できる最小寸法)Rは、光源の波長λ
と投影光学系の開口数(NA)を用いて次式で与えられ
る。
【0004】
【数1】
【0005】従って、波長を短くすればするほど、及
び、NAを上げれば上げるほど、解像度は良くなる。一
方、一定の結像性能を維持できる焦点範囲を焦点深度と
いい、焦点深度DOFは次式で与えられる。
【0006】
【数2】
【0007】従って、波長を短くすればするほど、及
び、NAを上げれば上げるほど、焦点深度は小さく(浅
く)なる。焦点深度は小さくなるとフォーカス合せが難
しくなり、基板のフラットネス(平坦度)やフォーカス
精度を上げることが要求されるため、基本的に大きい方
が好ましい。
【0008】数式1及び2から、焦点深度が小さくなり
過ぎるのを防ぎつつ解像度を向上させるには、波長を短
くする方がNAを大きくするよりも望ましいことが理解
される。近年では、露光光源の波長はKrFエキシマレ
ーザー(波長約248nm)からArFエキシマレーザ
ー(波長約193nm)に、NAは約0.6から約0.7
5になろうとしている。また、Fレーザー(波長約1
57nm)の実用化も進んでいる。
【0009】また、その他に解像度に影響するものとし
て、被照明面における照度の均一性が挙げられる。被照
明面における照度の均一性が良好でないと高解像のパタ
ーンを形成することが出来なくなる。そこで、波面分割
型オプティカルインテグレータ(例えば、ハエの目レン
ズなどであって、かかる表現を本願では交換可能に使用
する)や反射型オプティカルインテグレータ(ガラス棒
や中空パイプを含みオプティカルパイプとも称し、かか
る表現を本願では交換可能に使用する)などのオプティ
カルインテグレータを光源と被照明面の間に配置するこ
とで、照度均一性を向上させる技術が知られている。
【0010】例えば、公開特許平成7年第201730
号公報では、オプティカルパイプ(ガラス棒)を反射型
オプティカルインテグレータとして用い、オプティカル
パイプの出射端面をレチクル面と共役な位置に配置する
ことで、被照明面の照度均一性を向上させる方法を提案
している。同公報において、オプティカルパイプへ入射
する光束の発散角(収斂角)は、オプティカルインテグ
レータの前段に設けられた光学系を駆動することにより
可変となっている。
【0011】また、本出願人は公開特許平成10年第2
70312号公報において、オプティカルパイプを反射
型オプティカルインテグレータとして用い、その前段に
はオプティカルパイプに所定の発散角をもって入射する
ための出射角度保存光学素子を配置することで、被照明
面の照度均一性を向上させる方法を提案している。同公
報において、オプティカルパイプの射出端面は、投影光
学系の瞳面と共役な位置に配置されており、オプティカ
ルパイプ後段のハエの目レンズで形成される光強度分布
(有効光源)の均一性を向上させると共に、被照射面
(レチクル面ないしウェハ面)における照度均一性の向
上にも寄与している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の反射型
オプティカルインテグレータを用いた照明装置は、一般
に被照明面を均一かつ効果的に(即ち、所望の照度で)
照明することについての検証が十分になされていなかっ
た。不均一な照明はレジストへのパターン転写が不十分
になり高品位な半導体ウェハ、LCD、薄膜磁気ヘッド
などが提供できなくなる。また、高照度で照明できなけ
ればスループットが低下する。
【0013】オプティカルパイプの射出端面における照
度分布(光強度分布)を均一とするには、オプティカル
パイプの断面形状を多角形とし、内面反射の回数を十分
多くとる必要がある。そのためには、オプティカルパイ
プの断面を小さくするか、オプティカルパイプを軸方向
に長くする必要がある。しかし、断面を小さくするとそ
れだけ光が集光することになるため、光学部材の耐久性
の観点から限界がある。一方、オプティカルパイプの長
さを長くするとパイプ内での光量ロス(ガラス棒の場合
には、硝材透過率に依存するロスや、中空ロッドの場合
には、反射面の反射効率に依存するロス)が大きくなる
と共に、装置の大型化を招くため好ましくない。
【0014】更に、上述したように、近年半導体素子な
どの微細パターン製造用の露光装置では露光波長の短波
長化が図られてきている。露光波長が短くなると、十分
に高い透過率を有する硝材や、反射効率の高いコーティ
ング材料が限定されてくる。従って、オプティカルパイ
プの冗長化は、光利用効率の低下を招き、結果としてス
ループットを低下させるという問題を抱えている。
【0015】そこで、本発明は、反射型オプティカルイ
ンテグレータの射出端面の照度分布均一性を良好としな
がらも、反射型オプティカルインテグレータの長さを適
正に短くすることで、小型で光利用効率の高い照明装
置、およびそれを用いた露光装置、デバイス製造方法を
提供することを例示的目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の一側面としての照明装置は、光源から出射
した光束を用いて被照明領域を照明する照明装置であっ
て、前記光源から出射した光束を集光する集光光学系
と、前記集光光学系と前記被照明領域の間に位置し、m
角形(m:偶数)の断面形状において対向する複数対の
反射面を構成すると共に、前記集光光学系から出射した
前記光束を前記対向する複数対の反射面間で反射させる
反射型オプティカルインテグレータとを有し、前記反射
面間の媒質の屈折率をn、前記複数対の反射面間の距離
をφ、前記集光光学系から出射した光束が前記反射型オ
プティカルインテグレータに入射する際の発散角をθ、
前記反射型インテグレータの断面形状に関連して定まる
定数をC、自然数をAとすると、前記反射型オプティカ
ルインテグレータの軸方向の長さLが、 R=φ/[tan{sin−1(sinθ/n)}] C×(A−0.1)×R≦L≦C×(A+0.1)×R
なる式を満足する。
【0017】かかる照明装置によれば、かかる式に基き
反射型オプティカルインテグレータの長さLを決定する
ことで、反射型オプティカルインテグレータにおける反
射を安定的かつ被照明領域が均一とすると共に、反射型
オプティカルインテグレータの長さLを従来よりも短く
することができる。よって、かかる照明装置は均一な照
明が可能であり、また装置の小型化に寄与する。
【0018】なお、かかる照明装置において、前記反射
型オプティカルインテグレータの前記断面形状が正方形
もしくは長方形のとき、C=1とするとよい。また、前
記反射型オプティカルインテグレータの前記断面形状が
正6角形のとき、C=1.05又は1.15とするとよ
い。
【0019】かかる照明装置において、前記集光光学系
は前記発散角の異なる複数の光学系を含み、当該光学系
は照明条件に応じて切り替え可能としてもよい。これに
より、反射型オプティカルインテグレータの出射面に位
置する構成要素へ入射する光束の角度を照明条件に応じ
て適正にすることができる。更に、上述の前記集光光学
系は、照明条件に応じて前記発散角を可変とするズーム
機構を有する構成であってもよい。
【0020】更に、かかる照明装置は、前記光源と前記
集光光学系の間に光束の角度分布を矩形の前記被照明領
域の縦横比と略同じとする光学素子を更に有するもので
あってもよい。かかる照明装置によれば、矩形の照明領
域を効率よく照明することができる。前記光学素子は前
記矩形の被照明領域における長手及び短手方向に関する
焦点距離が互いに異なるアナモフィック光学系より構成
される光学素子である。もちろん、装置簡略化のため、
前記光学素子の長手及び短手方向に関する焦点距離は、
同じであってもよい。その際には、光束がケラレない様
に、照明領域の短手方向に合わせて焦点距離を設定する
ことが照明効率の観点から重要である。前記光学素子
は、入射光の波面を分割して光出射面又はその近傍に複
数の光源を形成する波面分割型オプティカルインテグレ
ータである。なお、前記波面分割型オプティカルインテ
グレータは前記発散角の異なる複数の光学素子を含み、
当該光学素子は照明条件に応じて切り替え可能としても
よい。
【0021】また、本発明の別の側面としての露光装置
は、上述したいずれかの照明装置と、レチクル又はマス
クに形成されたパターンを被処理体に投影する光学系と
を有する。かかる露光装置は上述の照明装置を有し、同
様の作用を奏する。
【0022】本発明の更に別の側面としてのデバイス製
造方法は、上述の露光装置を用いて前記被処理体を投影
露光するステップと、前記投影露光された前記被処理体
に所定のプロセスを行うステップとを有する。上述の露
光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の
請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にも
その効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、例えば、L
SIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、
磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0023】本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下
添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって
明らかにされるであろう。
【0024】
【発明の実施形態】以下、添付図面を参照して、本発明
の例示的な露光装置1及び照明装置100について説明
する。なお、各図において同一の参照符号は同一部材を
表している。ここで、図1は、本発明の例示的な露光装
置1及びその一部である照明装置100の概略構成図で
ある。
【0025】露光装置1は、図1に示すように、照明装
置100と、マスク300と、投影光学系400と、図
示しない制御装置とを有する。露光装置1は、例えば、
ステップ・アンド・スキャン投影露光方式でマスク30
0に形成されたパターンをプレートW上に露光する走査
型投影露光装置である。しかし、本発明の露光装置1は
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置であっても
よい。
【0026】照明装置100は、典型的に、光源部、照
明光学系、図示しない制御部とを有し、転写用パターン
が形成されたマスク300を照明する。
【0027】光源部はレーザー110とビーム整形系1
20とを有し、照明光学系に照明光を供給している。
【0028】レーザー110は照明光を発光する光源
で、本実施例では、波長約157nmのFレーザーで
あるが、波長約193nmのArFエキシマレーザーや
波長約248nmのKrFレーザー等に置換されても良
い。また、光源は、例えば、一般に出力500W以上の
超高圧水銀ランプ(波長約436nmのg線や、波長約
365nmのi線)、キセノンランプなどであってもよ
い。
【0029】ビーム整形系120は、例えば、複数のシ
リンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使
用することができ、レーザー110からの平行光の断面
形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換する(例えば、
断面形状を長方形から正方形にするなど)ことによりビ
ーム形状を所望のものに成形する。
【0030】また、図1には示されていないが、整形系
120は、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレ
ント化するインコヒーレント化光学系を使用することが
好ましい。インコヒーレント化光学系は、例えば、公開
特許平成3年第215930号公報の図1に開示されて
いるような、入射光束を光分割面で少なくとも2つの光
束(例えば、p偏光とs偏光)に分岐した後で一方の光
束を光学部材を介して他方の光束に対してレーザー光の
コヒーレンス長以上の光路長差を与えてから分割面に再
誘導して他方の光束と重ね合わせて射出されるようにし
た折り返し系を少なくとも一つ備える光学系を用いるこ
とができる。
【0031】照明光学系は、レーザー110より出射さ
れた光束を利用してマスク300を照明する光学系であ
り、本実施例では、集光光学系130、反射型オプティ
カルインテグレータ(オプティカルパイプ)140、集
光ズームレンズ150、波面分割型オプティカルインテ
グレータ(ハエの目レンズ)160、開口絞り170、
集光レンズ180、ブレード(視野絞り)190、結像
レンズ200及び210、偏向ミラー220、パイプ駆
動装置230とを有する。
【0032】集光光学系130は、ビーム整形系120
より射出された光束をオプティカルパイプ140の入射
面142近傍(集光点P)に集光し、オプティカルパイ
プ140に入射する光束に所定の発散角を持つ光束を形
成する。集光光学系130は、少なくとも一枚のレンズ
素子より成るが、場合によっては光路を折り曲げるため
のミラーを有してもよい。なお、オプティカルパイプ1
40がガラス棒で構成されている場合には、ガラス棒の
耐久性を高めるために、集光光学系130による集光点
Pはオプティカルパイプ140の入射面142より光源
側に(集光されている)デフォーカスされるように構成
されることが好ましい。
【0033】本実施例において、集光光学系130は後
段の集光ズームレンズ150が変倍しても、ハエの目レ
ンズ160へ入射する光束の角度を適正にするために、
射出角度の異なる集光光学素子132と切り替え可能な
構成となっている。例えば、かかる構成は、集光光学素
子130及び132に図示しない駆動装置を接続し、集
光光学素子130及び132が光軸を交差するようにか
かる駆動装置によりリニア駆動することで、集光光学素
子130及び132を切り替える方法であってもよい。
但し、かかる切り替え機構はこのような構成及び方法の
みに限定されるものではなく、当業者が想達し得るいか
なる技術をも適用可能である。よって、ここでの詳細な
説明は省略する。なお、図1において交換可能な集光光
学系として集光光学系132のみが描かれているが、か
かる形態は例示的であって、出射角度の異なる複数の集
光光学系を更に有してもよいことは言うまでもない。な
お、本明細書において、参照番号130は、特に断らな
い限り集光光学系132及びその他の図示しない集光光
学系を総括するものとする。
【0034】オプティカルパイプ140は、集光点Pか
ら所定の発散角を持って入射した光束が側面で反射を繰
り返すことにより、入射面で不均一である光強度分布を
出射面で均一にする。図2を参照するに、オプティカル
パイプ140は焦点Pから少し距離をおいて配置される
ことが好ましい。これは、レーザー光がエキシマレーザ
光である場合は、焦点P近傍では莫大なエネルギー密度
となり、オプティカルパイプ入射面142のコーティン
グ(反射防止膜)や硝材そのものを損傷させてしまう恐
れがあるからである。ここで、図2は、図1に示すオプ
ティカルパイプ140近傍を示す光軸AXを含む概略断
面図である。 本実施例において、オプティカルパイプ
140は、6角形の断面形状において対向する複数対の
反射面を構成し、例えば、ガラスから整形される6角柱
ロッドである。ただし、かかる形態は例示的であり、か
かるロッドと同様の作用を奏する部材の適用を妨げるも
のではない。例えば、オプティカルパイプ140は内部
が反射面を形成し、中空のロッドより構成されても良
い。また、オプティカルパイプ140は対向する複数対
の反射面を構成するためにm角形(m:偶数)であれば
よく、6角形に限定されるものではない。
【0035】ここで、図3乃至図4を参照するに、オプ
ティカルパイプ140について詳細に説明する。ここ
で、図3は、図1に示す集光光学系130とオプティカ
ルパイプ140の位置関係並びに光路を示した概略側面
図である。図4は、図1に示すオプティカルパイプ14
0を示す概略斜視図である。説明の便宜上、オプティカ
ルパイプ140は断面形状が正方形の四角柱ロッドと
し、屈折率nのガラス棒である。正方形断面の対向する
反射面間の間隔はφ(mm)、長さはL(mm)であ
る。集光光学系130からオプティカルパイプ140へ
の入射する光束の角度(発散角)はθ(deg)とす
る。
【0036】オプティカルパイプ140に入射した光束
が、かかるオプティカルパイプ140において内面反射
を1回行うのに必要な長さRは、数式3で示される。
【0037】
【数3】
【0038】なお、オプティカルパイプ140が中空ロ
ッドの場合にはn=1と考える。長さLのオプティカル
パイプ140において反射する光束の回数Nは数式4と
なる。
【0039】
【数4】
【0040】一般的に、オプティカルパイプ140の射
出面144の照度分布を均一にするためには、反射回数
Nを多くすれば良い。しかし、そのためにはLを長くし
たり、φを小さくしたりする必要があるが、前述した問
題が発生するので好ましくない。一方、光利用効率を向
上させるためには、長さLを短く(反射回数Nを小さ
く)すれば良いが、無闇に反射回数Nを小さくすると、
光束の混合具合が最適化されないため、以下の問題が起
こりやすい。まず、オプティカルパイプ140の射出端
144における照度分布が均一となりにくい。そして、
集光光学系130とオプティカルパイプ140との偏心
(平行ズレ、傾きズレ)などにより、オプティカルパイ
プ140に入射する光束の位置ズレや角度ズレが発生す
ると、オプティカルパイプ射出面144の照度分布変化
が大きく変化してしまう。
【0041】ここで、本発明ではこれらの問題を定量的
に扱うため、オプティカルパイプ140の射出面144
の「照度分布安定性」という尺度を用いる。かかる表現
にて上記偏心が生じた場合のオプティカルパイプ140
の射出面144における、照度均一性や分布重心の安定
性を表現することとする。
【0042】オプティカルパイプ射出端144の「照度
分布安定性」が悪いと、ハエの目レンズ160で形成さ
れる有効光源分布が非対称になってしまう。これは、プ
レートW面でのパターン像形成に悪影響を与えるため好
ましくない。また、公開特許平成7年第201730号
公報において、オプティカルパイプ射出端の「照度分布
安定性」が悪いと、露光面の照度分布が悪化してしま
う。露光装置は、露光面で高い照度均一性が要求され
る。よって、かかる露光装置は悪化した照度分布を補正
する機構が別途必要となり装置の複雑化を招く。また、
照度分布の補正機構としてオプティカルパイプ射出端近
傍にフィルタを配置すると、光量低下を招いて露光装置
の生産性を低下させてしまうので好ましくない。
【0043】以上から、オプティカルパイプ140の長
さLは、オプティカルパイプ射出面144の「照度分布
安定性」が良好となる適正な短さが求められることが理
解される。
【0044】そこで、図5を参照するに、オプティカル
ロッド140における反射回数Nとオプティカルパイプ
射出端144の「照度分布安定性」の関係を説明する。
ここで、図5は、反射回数Nとオプティカルパイプ出射
端144の「照度分布安定性」示したものである。尚、
オプティカルパイプ140へ入射する光束の角度θとオ
プティカルパイプ140の多角形断面の対向する反射面
間の距離φは固定としている。図5において、横軸に反
射回数Nをとり、縦軸に「照度分布安定性」を任意単位
でとっている。「照度分布安定性」は絶対値が0である
ときが、最も安定している状態で、絶対値が大きいほど
安定性が悪いことを表している。
【0045】「照度分布安定性」は、図5に示すよう
に、反射回数Nが大きくなるにつれて、周期変動しなが
ら収束していく傾向がある。つまり、少ない反射回数で
も「照度分布安定性」が良好となる条件が離散的に存在
することを示している。本発明者は、かかる良好な条件
を光学シミュレーションにより探索した結果、定数Cの
自然数倍付近(±10%)であることを発見した。これ
により、「照度分布安定性」が良好である反射回数Nの
条件は以下の式で表される。
【0046】
【数5】
【0047】ここで、Cは定数であって、オプティカル
ロッドの形状と入射光束の角度θにより決定される正の
実数である。Aは係数であって、自然数である。
【0048】即ち、「照度分布安定性」が良好となるオ
プティカルパイプ4の長さは数式3乃至5より、次式で
表すことができる。
【0049】
【数6】
【0050】以上から、「照度分布安定性」を良好にす
るには、式4を満たす反射回数Nとなるようにオプティ
カルパイプ140の長さLと径φを設定すればよいこと
が理解される。なお、光利用効率を向上させ、装置の小
型化を図るためには、係数Aの小さい値を選択すれば良
い。このように「照度分布安定性」の良好な条件であれ
ば、後述するパイプ駆動装置230でオプティカルパイ
プ140を駆動させても、オプティカルパイプ射出面1
44の照度分布均一性はほとんど変化しないので、有効
光源分布の位置ずれを良好に(分布を崩すことなく)補
正することが可能となる。
【0051】再び、図1を参照するに、集光ズームレン
ズ150はオプティカルパイプ140からの光束をハエ
の目レンズ160の入射面に集光する。集光ズームレン
ズ150は、オプティカルパイプ140の射出面144
をハエの目レンズ160の入射面に所定の倍率で結像さ
せており、双方が互いに略共役関係となっている。本実
施例において、集光ズームレンズ150は倍率可変のズ
ームレンズであり、ハエの目レンズ160へ入射する光
束領域を調整することが可能となっており、複数の照明
条件を形成させることができる。
【0052】ハエの目レンズ160は、被照射面(マス
ク300面及びプレートW面)を均一に照明する機能を
有する。ハエの目レンズ160は、入射光の波面を分割
して光出射面又はその近傍に複数の光源を形成する波面
分割型オプティカルインテグレータである。ハエの目レ
ンズ160は入射光の角度分布を位置分布に変換して出
射し、ハエの目レンズ160の入射面と出射面とはフー
リエ変換の関係になっている(本明細書において、フー
リエ変換の関係とは、光学的に瞳面と物体面(又は像
面)、物体面(又は像面)と瞳面となる関係を意味す
る)。これにより、ハエの目レンズ160の射出面近傍
は2次光源(有効光源)となっている。ハエの目レンズ
160は、本実施例ではロッドレンズ(即ち、微小レン
ズ素子)を多数組み合わせて構成されている。但し、本
発明が使用可能な波面分割型オプティカルインテグレー
タはハエの目レンズに限定されるものではなく、例えば
各組が直交するように配置された複数の組のシリンドリ
カルレンズアレイ板などが考えられる。
【0053】開口絞り170は不要光を遮光して所望の
有効光源を形成する可変開口絞りであり、通常の円形開
口及び輪帯照明等の各種の絞りからなっている。可変開
口絞りを変えるためには、例えば、これらの開口絞り1
70を形成した円盤状ターレットを用い、図示しない制
御部が開口を切り替えるべくターレットを回転させるこ
とで可能となる。
【0054】集光レンズ180は、例えば、コンデンサ
ーレンズであって、ハエの目レンズ160の出射面近傍
で形成された有効光源をできるだけ多く集めてブレード
190上で重畳的に重ね合わせブレード190をケーラ
ー照明する。
【0055】ブレード190は被照射面であるマスク3
00(更には、プレートW)面上の露光範囲を制限して
いる。ブレード190は複数の可動な遮光板から成り、
任意の開口形状が形成される。
【0056】結像レンズ200及び210は、例えば、
コンデンサーレンズであって、ブレード190の開口形
状を被照射面であるマスク300上に転写している。
【0057】偏向ミラー220は、結像レンズ200か
ら射出された光束を結像レンズ210(更にはマスク3
00)に入射するように偏向させる。なお、結像レンズ
210が予め結像レンズ200対し平行に配置されてい
るならば、偏向ミラー220は省略することも可能であ
る。しかし、かかる構成において、偏向ミラー220は
装置の小型化に寄与する。
【0058】パイプ駆動装置230はオプティカルパイ
プ140を光軸と垂直な面内で微小駆動、もしくは入射
面近傍位置を支点に傾け駆動させることで、有効光源の
位置を最適に調整している。より詳細には、パイプ駆動
装置230は、例えば、複数の照明条件を設定する際、
集光ズームレンズ150の駆動誤差や、開口絞り170
の位置誤差によって発生する有効光源の位置ずれを照明
条件毎に最適に補正する。パイプ駆動装置230はオプ
ティカルパイプ140と直接又は間接的に接続されると
共に、図示しない制御部と電気的に接続されている。パ
イプ駆動装置230は、上述の作用を実現可能な当該周
知のいかなる技術より構成されてもよく、本実施例での
詳細な説明は省略する。
【0059】図示しない制御部は、典型的に、CPUと
メモリを有し、照明装置100を制御する。制御部は、
集光光学系130の図示しない切り替え機構、集光ズー
ムレンズ150、可変開口絞り170、ブレード19
0、及びパイプ駆動装置230と(又は、各要素の制御
又は駆動機構を介し)電気的に接続されている。本実施
例において、制御部は集光光学系130の切り替え機
構、集光ズームレンズ150、開口絞り170及びブレ
ード190の開口形状、オプティカルパイプ140の位
置を照明条件に応じて、それぞれ適切となるように変更
する。なお、照明装置100の制御部は、後述する露光
装置1の図示しない制御装置にその機能を代替されても
よく、かかる構成において照明装置100の制御部は省
略可能である。
【0060】CPUはMPUなど名前の如何を問わずい
かなるプロセッサも含み、各部の動作を制御する。ま
た、メモリはROM及びRAMより構成され、照明装置
100を動作するファームウェアを格納する。なお、上
述した機能を達成可能であるならば、照明装置100の
制御部の構成はかかる記述に限定されるものではない。
当然、当業者が想達可能ないかなる技術も適用可能であ
る。
【0061】マスク300は、例えば、石英製で、その
上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成さ
れ、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。
マスク300から発せられた回折光は投影光学系400
を通りプレートW上に投影される。プレートWは、被処
理体でありレジストが塗布されている。マスク300と
プレートWとは光学的に共役の関係に配置される。本実
施形態の露光装置1はステップ・アンド・スキャン方式
の露光装置(即ち、スキャナー)であるため、マスク3
00とプレートWを走査することによりマスク300の
パターンをプレートW上に転写する。なお、ステップ・
アンド・リピート方式の露光装置(即ち、「ステッパ
ー」)であれば、マスク300とプレートWとを静止さ
せた状態で露光を行う。
【0062】マスクステージは、マスク300を支持し
て図示しない移動機構に接続されている。マスクステー
ジ及び投影光学系400は、例えば、床等に載置された
ベースフレームにダンパ等を介して支持されるステージ
鏡筒定盤上に設けられる。マスクステージは、当業界周
知のいかなる構成をも適用できる。図示しない移動機構
はリニアモータなどで構成され、光軸と直交する方向に
マスクステージを駆動することでマスク200を移動す
ることができる。露光装置1は、マスク300とプレー
トWを図示しない制御装置によって同期した状態で走査
する。
【0063】投影光学系400は、マスク300に形成
されたパターンを経た光束をプレートW上に結像する。
投影光学系400は、複数のレンズ素子のみからなる光
学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを
有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数の
レンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折
光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使
用することができる。色収差の補正が必要な場合には、
互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複
数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素
子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
【0064】プレートWは、本実施形態ではウェハであ
るが、液晶基板その他の被処理体を広く含む。プレート
Wにはフォトレジストが塗布されている。フォトレジス
ト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フ
ォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前
処理は洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理
は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表
面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理で
あり、HMDS(Hexamethyl−disila
zane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プ
リベークはベーキング(焼成)工程であるが現像後のそ
れよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0065】プレートWは図示しないウェハステージに
支持される。ウェハステージは、当業界で周知のいかな
る構成をも適用することができるので、ここでは詳しい
構造及び動作の説明は省略する。例えば、ウェハステー
ジはリニアモータを利用して光軸と直交する方向にプレ
ートWを移動する。マスク300とプレートWは、例え
ば、同期して走査され、マスクステージとウェハステー
ジの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視さ
れ、両者は一定の速度比率で駆動される。ウェハステー
ジは、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるス
テージ定盤上に設けられ、マスクステージ及び投影光学
系400は、例えば、鏡筒定盤は床等に載置されたベー
スフレーム上にダンパ等を介して支持される図示しない
鏡筒定盤上に設けられる。
【0066】更に、ウェハステージはプレートWを焦点
深度の範囲内で光軸方向に移動させ、プレート400の
結像位置を調節する。露光装置1は、光軸方向において
異なる位置に配置されたプレートWに対して露光を複数
回行うことにより、焦点深度内における結像性能のばら
つきをなくすことができる。かかる機能は、光軸方向に
伸びる図示しないラックと、ウェハステージに接続され
てラック上を移動可能な図示しないピニオンと、ピニオ
ンを回転させる手段など、当業界で周知のいかなる技術
をも適用することができるので、ここでは詳しい説明は
省略する。
【0067】図示しない制御装置は、典型的に、CPU
とメモリを有し、露光装置1を制御する。制御装置は、
照明装置100、図示しないマスクステージ、図示しな
いウェハステージと電気的に接続されている。本実施例
において、制御装置は照明装置100、マスクステー
ジ、ウェハステージを露光に対応して、それぞれ適切と
なるように変更及び移動する。CPUはMPUなど名前
の如何を問わずいかなるプロセッサも含み、各部の動作
を制御する。また、メモリはROM及びRAMより構成
され、露光装置1を動作するファームウェアを格納す
る。なお、上述した機能を達成可能であるならば、露光
装置の制御装置の構成はかかる記述に限定されるもので
はない。当然、当業者が想達可能ないかなる技術も適用
可能である。
【0068】次に、図6及び図7を参照するに、図1に
示す露光装置1及び照明装置100の変形例である露光
装置1a及び照明装置100aについて説明する。ここ
で、図6は、図1に示す露光装置1及びその一部である
照明装置100の変形例である照明装置100aの一部
を示す側面図である。図7は、図6に示す露光装置を光
軸に関し90度回転した際の照明装置100aの一部を
示す別の側面図である。なお、上述した露光装置1及び
照明装置100と同一な構成のものに関しては同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。
【0069】ステップ・アンド・スキャン(走査)方式
を採用する露光装置では、一般的に、マスク300とプ
レートWを同期走査させて露光を行うため、走査方向の
照明領域が短く、露光面内で走査方向と直交する照明領
域は長くなっている。図6は走査(短手)方向を照明す
る方向(以下、「z方向」と記す)での照明装置100
aを示し、図7は、長手方向を照明する方向(以下、
「y方向」と記す)での照明装置100aを示してい
る。尚、光軸AXからy方向に延びる軸とを含む断面を
xy断面、光軸AXからz方向に延びる軸とを含む断面
をxz断面と記す。
【0070】本変形例の露光装置1aの照明装置100
aは、露光装置1における照明装置100のビーム整形
系120(図不指示)の後段に射出角保存光学素子24
0が配置されている。
【0071】射出角保存光学素子240は、図6のxz
断面と図7のxy断面とで出射角度θa、θbが異なる
光束を射出する。ステップ・アンド・スキャン方式の投
影露光装置1aでは、z方向よりもy方向の方が長いス
リット状の照明領域をマスク300面上に効果的に形成
する必要があり、θaはθbよりも小さくなるように構
成されている。これにより、各断面における光束の開き
角が異なっており、所望のスリット照明領域が効率よく
形成されている。
【0072】本実施例では、射出角保存光学素子240
として、xz断面に関する焦点距離とxy断面に関する
焦点距離とが互いに異なるアナモフィック光学系より成
る光学素子を用いている。例えば、射出角保存光学素子
240はxy断面とxz断面とで焦点距離が異なる微小
レンズを複数個2次元的にyz断面に沿って配置したハ
エの目レンズや、焦点距離の異なるシリンドリカルレン
ズ(アレイ)をそれぞれxy断面とxz断面に複数配置
した光学系などで適用可能である。各ハエの目レンズを
構成する微小レンズは、通常のレンズや回折光学素子
(フレネルレンズ)によって構成される。
【0073】射出角保存光学素子240は、後段の集光
ズームレンズ150が変倍しても、ハエの目レンズ16
0へ入射する光束の角度を適正にするために、射出角度
の異なる射出角保存光学素子242と切り替え可能な構
成となっている。なお、かかる切り替え機構は、上述し
た集光光学系130と同様の機構を適用可能であり、こ
こでの詳細な説明は省略する。
【0074】ここで、かかる構成における照明装置10
0aにおいて、光学シミュレーションにより求めたオプ
ティカルパイプ140の最適条件の結果を紹介する。
【0075】まず、第1に、オプティカルパイプ140
が四角柱で、射出角保存光学素子240が2方向のシリ
ンドリカルレンズの組み合わせ(x方向とy方向にのみ
射出角を規定するように互いに直交)である場合、最適
条件は定数C=1である。但し、A=1ではパイプ射出
端の分布が均一にならないので、露光装置1a上有効な
反射回数Nは、約A回(A:2以上の自然数)である。
よって、かかる構成でのオプティカルパイプ140にお
ける反射回数は、次式を満たせばよい。
【0076】
【数7】
【0077】ここで、Aは2以上の自然数である。
【0078】第2に、オプティカルパイプ140が六角
柱で、射出角保存光学素子240がx、y2方向のシリ
ンドリカルレンズの組み合わせ(x方向とy方向にのみ
射出角を規定するように2つのシリンドリカルレンズア
レイを互いに直交)の場合(x、y方向の一方にオプテ
ィカルロッド4の一辺を一致させる場合、即ち両者のな
す角がθ=0°の場合)、最適条件は定数C=1.15
である。但し、A=1ではパイプ射出端の分布が均一に
なりきらないので、露光装置1a上有効な反射回数N
は、約A回(A:2以上の自然数)である。よって、か
かる構成でのオプティカルパイプ140における反射回
数は、次式を満たせばよい。
【0079】
【数8】
【0080】ここで、Aは2以上の自然数である。
【0081】また、上記θ=0°の状態から15°時計
回り又は反時計回りに相対的に回転させたθ=15°の
場合は、次の式を満たせば良い。Nは反射回数、Aは2
以上の自然数である。
【0082】
【数9】
【0083】第3に、オプティカルパイプ140が六角
柱で、射出角保存光学素子240が六角形開口の微小レ
ンズから構成されるハエの目レンズの場合、最適条件は
定数C=1.15である。但し、A=1ではパイプ射出
端の分布が均一になりきらないので、露光装置1a上有
効な反射回数Nは、約A回(A:2以上の自然数)であ
る。よって、かかる構成でのオプティカルパイプ140
における反射回数は、次式を満たせばよい。
【0084】
【数10】
【0085】ここで、Aは2以上の自然数である。
【0086】本発明の露光装置1a及びその一部である
照明装置100aでは、照明領域の短手方向に対応する
入射角度θaが小さいので、θaのときにオプティカル
パイプ射出端144の「照度分布安定性」が良好な条件
を数式5から決定すれば良い。更に、照明領域の長手方
向に対応する入射角度θbにおいても、同様に「照度分
布安定性」が良好な条件となることが望ましいが、図5
からも理解されるように反射回数が十分多くとれている
場合には、照度分布安定性は収束して良好状態にあるの
で、必ずしも数式5を満足する必要はない。
【0087】このように本発明によれば、光利用効率を
向上させ、装置の小型化を図りつつ、「照度分布安定
性」が良好な照明装置を提供することが可能となる。ま
た、露光装置1aでは、オプティカルパイプ140の断
面が正方形で、入射光束の角度がxy断面、xz断面で
それぞれ異なる場合を示したが、オプティカルパイプ1
40が六角柱や八角柱などのm角柱(m:偶数)であっ
ても良いし、断面形状が矩形の四角柱であっても良い。
また、各々のオプティカルパイプ140へ入射する角度
条件も様々考えられ、多くの組み合わせが考えられる
が、いずれにおいても「照度分布安定性」が良好となる
条件は、数式4で定められる。つまり、m角形(m:偶
数)断面で対向する面間距離φに応じて、入射光束の角
度θを調整し、その組み合わせから決まる定数Cを求め
ることで、最適な反射回数(最適なオプティカルパイプ
の長さ)を設定することが可能である。
【0088】次に、図8を参照するに、図1に示す露光
装置1及び照明装置100の変形例である露光装置1b
及び照明装置100bについて説明する。ここで、図8
は、図1に示す露光装置1及びその一部である照明装置
100の変形例である照明装置100bの一部を示す側
面図である。なお、上述した露光装置1及び照明装置1
00と同一な構成のものに関しては同一の符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0089】本変形例の露光装置1bの照明装置100
bは、照明光学系において、集光ズームレンズ250
と、反射型オプティカルインテグレータ(オプティカル
パイプ)140と、ブレード190と、結像レンズ20
0及び210と、偏光ミラー220とを有する。照明装
置100bは、典型的に、集光ズームレンズ250を有
する点において、照明装置100及び100aと異な
る。
【0090】集光ズームレンズ250は、前段のビーム
整形系120からの光束を所望の発散角(収斂角)θで
オプティカルパイプ140に導光している。オプティカ
ルパイプ射出端面144は結像レンズ200及び210
により、マスク300面と略共役な位置に置かれてい
る。従って、被露光面(マスク300ないしプレート
W)の照度均一性を達成するには、オプティカルパイプ
140の射出面144の照度分布を安定的に均一とする
必要がある。
【0091】集光ズームレンズ250はズーム機構によ
り、オプティカルパイプ140へ入射する発散角(収斂
角)θを任意に調整可能とし、投影光学系400の瞳面
分布(有効光源分布)を連続的に可変としている。しか
し、発散角(収斂角)を可変とすると、オプティカルパ
イプ140での反射回数も変化する。即ち、図5の関係
から、ズーム毎にオプティカルパイプ射出端144の
「照度分布安定性」が良好になったり、悪化したりと変
動する。かかる変動は反射回数が多くなると収束してい
く傾向にあるので、ズーム可変領域全域で「照度分布安
定性」を良好とするには、オプティカルパイプ140を
十分長くする方法もあるが、光利用効率を考えると、適
正に短くする必要がある。
【0092】そこで、図8におけるオプティカルパイプ
140の長さは、集光ズームレンズ240で可変となる
発散角(収斂角)が最小となる条件で射出端面4bの
「照度分布安定性」が良好となるように設定されてい
る。ズームにより発散角(収斂角)が大きくなると、
「照度分布安定性」は多少悪化するが、装置運用上問題
ないレベルであればデバイス製造は可能である。
【0093】以下、露光装置100を使用した露光動作
を説明する。露光において、レーザー110から発せら
れた光束は、ビーム整形系120によりそのビーム形状
が所望のものに成形された後で、集光光学系130に入
射する。集光光学系130からのレーザー光は焦点Pに
一旦集光(結像)し、その後、発散角θを有する発散光
束となってオプティカルパイプ140に入射する。
【0094】そして、図2を参照するに、オプティカル
パイプ140に入射した光束は内面反射で繰り返し反射
(いわゆる全反射)しながら内部を通過する。ここで、
オプティカルパイプの断面がm角形(m:偶数)の場合
には、対向する反射面内で繰り返し反射する光束の入射
角度を保ったままオプティカルパイプ140から射出す
る。この時、オプティカルパイプ140の内面反射面の
各部分において反射された光束は、破線により示されて
いるように、後方に虚像P1,P2,P3,P4,P
5,P6,P7,P8,P9,P10を形成する。な
お、図示してはいないが、実際には六角柱のガラス棒の
場合には、残り2組の内面反射面対の作用により上記と
同様な虚像群が更に形成されている。従って、オプティ
カルパイプ射出面144では、これら多数の虚像があた
かも光束を射出したかのよう、多数の光束が互いに重な
り合い、照度分布が均一になる。上述したように、本実
施例のオプティカルパイプは「照度分布安定性」が良好
であると共に、最適な長さLを達成可能であり、照明領
域を均一な照明し装置の小型化に寄与する。
【0095】オプティカルパイプ140の射出面は集光
ズームレンズ150によりハエの目レンズ160の入射
面に所定の倍率で結像する。ハエの目レンズ160は開
口絞り170を透過し、集光レンズ180を介して、絞
り190を均一に照明する。絞り190を通過した光束
は結像光学系200及び210を通った後マスク300
の照射面を照明する。
【0096】マスク300を通過した光束は投影光学系
400の結像作用によって、プレートW上に所定倍率で
縮小投影される。ステップ・アンド・スキャン方式の露
光装置1であれば、光源部と投影光学系400は固定し
て、マスク300とプレートWの同期走査してショット
全体を露光する。更に、プレートWのウェハステージを
ステップして、次のショットに移り、プレートW上に多
数のショットを露光転写する。なお、露光装置1がステ
ップ・アンド・リピート方式であれば、マスク300と
プレートWを静止させた状態で露光を行う。
【0097】本発明の露光装置1は、オプティカルパイ
プ140の後段のハエの目レンズ160で形成される光
強度分布(有効光源)の均一性を向上させると共に、被
照射面(レチクル面ないしウェハ面)における照度均一
性の向上にも寄与している。これにより、露光装置1は
レジストへのパターン転写を高精度に行って高品位なデ
バイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDな
ど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0098】次に、図9及び図10を参照して、上述の
露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説
明する。図9は、デバイス(ICやLSIなどの半導体
チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフ
ローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を
例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの
回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステッ
プ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウ
ェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工
程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて本発明のリソグラ
フィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ス
テップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4に
よって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工
程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された
半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの
検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0099】図10は、ステップ4のウェハプロセスの
詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)で
はウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)
では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13
(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって
形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハ
にイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)で
はウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)で
は、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハ
に露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェ
ハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像
したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19
(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となっ
たレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行
うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成さ
れる。
【0100】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はこれらに限定されずにその趣旨の範囲内で
様々な変形や変更が可能である。
【0101】
【発明の効果】本発明による条件で、オプティカルパイ
プの形状とそれに入射する光束の角度を最適に決定すれ
ば、パイプ射出端での照度分布の均一性および偏心に対
する安定性を良好に実現することができる。更に、パイ
プ長さを適正に短くできるので、小型で、高効率、高性
能な照明装置およびそれを用いた露光装置、デバイスの
製造方法を達成することができる。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射した光束を用いて被照明領
    域を照明する照明装置であって、 前記光源から出射した光束を集光する集光光学系と、 前記集光光学系と前記被照明領域の間に位置し、m角形
    (m:偶数)の断面形状において対向する複数対の反射
    面を構成すると共に、前記光束を前記対向する複数対の
    反射面間で反射させる反射型オプティカルインテグレー
    タとを有し、 前記反射面間の媒質の屈折率をn、前記複数対の反射面
    間の距離をφ、前記集光光学系から出射した光束が前記
    反射型オプティカルインテグレータに入射する際の発散
    角をθ、前記反射型インテグレータの断面形状に関連し
    て定まる定数をC、自然数をAとすると、前記反射型オ
    プティカルインテグレータの軸方向の長さLが以下の式
    を満足する照明装置 R=φ/[tan{sin−1 (sinθ/n)}] C×(A−0.1)×R ≦ L ≦ C×(A+0.
    1)×R。
  2. 【請求項2】 前記反射型オプティカルインテグレータ
    の前記断面形状が正方形もしくは長方形のとき、C=1
    である請求項1記載の照明装置。
  3. 【請求項3】 前記反射型オプティカルインテグレータ
    の前記断面形状が正6角形のとき、C=1.05又は
    1.15である請求項1記載の照明装置。
  4. 【請求項4】 前記集光光学系は前記発散角の異なる複
    数の光学系を含み、当該光学系は照明条件に応じて切り
    替え可能である請求項1記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 前記照明装置は、前記光源と前記集光光
    学系の間に光束の角度分布を矩形の前記被照明領域の縦
    横比と略同じとする光学素子を更に有する請求項1記載
    の照明装置。
  6. 【請求項6】 前記光学素子は前記矩形の被照明領域に
    おける長手及び短手方向に関する焦点距離が互いに異な
    るアナモフィック光学系より構成される光学素子である
    請求項5記載の照明装置。
  7. 【請求項7】 前記光学素子は、入射光の波面を分割し
    て光出射面又はその近傍に複数の光源を形成する波面分
    割型オプティカルインテグレータである請求項5記載の
    照明装置。
  8. 【請求項8】 前記照明装置は、前記光源と前記集光光
    学系の間に光束の角度分布を矩形の前記被照明領域の短
    手方向に合わせて設定する光学素子を更に有する請求項
    1記載の照明装置。
  9. 【請求項9】 前記光学素子は、入射光の波面を分割し
    て光出射面又はその近傍に複数の光源を形成する波面分
    割型オプティカルインテグレータである請求項8記載の
    照明装置。
  10. 【請求項10】 前記波面分割型オプティカルインテグ
    レータは発散角の異なる複数の光学素子を含み、当該光
    学素子は照明条件に応じて切り替え可能である請求項9
    記載の照明装置。
  11. 【請求項11】 照明条件に応じて前記発散角を可変と
    するズーム機構を有する請求項1記載の照明装置。
  12. 【請求項12】 前記光束の光軸と垂直な面内で前記反
    射型オプティカルインテグレータを移動する移動機構を
    更に有する請求項1記載の照明装置。
  13. 【請求項13】 前記照明光学系は、前記反射型オプテ
    ィカルインテグレータを入射面近傍位置を支点に傾け駆
    動する駆動機構を更に有する請求項1記載の照明装置。
  14. 【請求項14】 光源から出射した光束を用いてレチク
    ル又はマスクを照明する照明装置であって、前記光源か
    ら出射した光束を集光する集光光学系と、前記集光光学
    系と前記レチクル又はマスクの間に位置し、m角形
    (m:偶数)の断面形状において対向する複数対の反射
    面を構成すると共に、前記光束を前記対向する複数対の
    反射面間で反射させる反射型オプティカルインテグレー
    タとを有し、前記反射面間の媒質の屈折率をn、前記複
    数対の反射面間の距離をφ、前記集光光学系から出射し
    た光束が前記反射型オプティカルインテグレータに入射
    する際の発散角をθ、前記反射型インテグレータの断面
    形状に関連して定まる定数をC、自然数をAとすると、
    前記反射型オプティカルインテグレータの軸方向の長さ
    Lが以下の式を満足する照明装置R=φ/[tan{s
    in−(sinθ/n)}]、C× (A−0.1)
    ×R ≦ L ≦ C× (A+0.1)×Rと、 前記レチクル又はマスクに形成されたパターンを被処理
    体に投影する光学系とを有する露光装置。
  15. 【請求項15】 前記反射型オプティカルインテグレー
    タの前記断面形状が正方形もしくは長方形のとき、C=
    1である請求項14記載の露光装置。
  16. 【請求項16】 前記反射型オプティカルインテグレー
    タの前記断面形状が正6角形のとき、C=1.05又は
    1.15である請求項14記載の露光装置。
  17. 【請求項17】 光源から出射した光束を用いてレチク
    ル又はマスクを照明する照明装置であって、前記光源か
    ら出射した光束を集光する集光光学系と、前記集光光学
    系と前記レチクル又はマスクの間に位置し、m角形
    (m:偶数)の断面形状において対向する複数対の反射
    面を構成すると共に、前記光束を前記対向する複数対の
    反射面間で反射させる反射型オプティカルインテグレー
    タとを有し、前記反射面間の媒質の屈折率をn、前記複
    数対の反射面間の距離をφ、前記集光光学系から出射し
    た光束が前記反射型オプティカルインテグレータに入射
    する際の発散角をθ、前記反射型インテグレータの断面
    形状に関連して定まる定数をC、自然数をAとすると、
    前記反射型オプティカルインテグレータの軸方向の長さ
    Lが以下の式を満足する照明装置R=φ/[tan{s
    in−1(sinθ/n)}]、C× (A−0.1)
    ×R ≦ L ≦ C×(A+0.1)×Rと、前記レ
    チクル又はマスクに形成されたパターンを被処理体に投
    影する光学系とを有する露光装置を用いて被処理体を投
    影露光する工程と、 前記投影露光された被処理体に所定のプロセスを行う工
    程とを有するデバイス製造方法。
  18. 【請求項18】 前記反射型オプティカルインテグレー
    タの前記断面形状が正方形もしくは長方形のとき、C=
    1である請求項17記載のデバイス製造方法。
  19. 【請求項19】 前記反射型オプティカルインテグレー
    タの前記断面形状が正6角形のとき、C=1.05又は
    1.15である請求項17記載のデバイス製造方法。
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