JP4838430B2 - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、露光装置、デバイス製造方法及びデバイスに関し、特に、半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などの被処理体を露光するのに使用される露光装置、デバイス製造方法及びデバイスに関する。本発明は、例えば、フォトリソグラフィ工程において半導体ウェハ用の単結晶基板をステップアンドスキャン方式によって投影露光する露光装置に好適である。
【0002】
ここで、「ステップアンドスキャン方式」は、マスク又はレチクル(以下、本出願ではこれらを交換可能に使用する。)に対してウェハを連続的にスキャンさせてマスクのパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動させて、次のショットの露光領域に移動させる露光法をいう。
【0003】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなっている。例えば、マスクパターンに対するデザインルールはライン・アンド・スペース(L&S)130nmを量産工程で達成しようとし、今後益々小さくなることが予想される。L&Sは露光においてラインとスペースの幅が等しい状態でウェハ上に投影された像であり、露光の解像度を示す尺度である。露光では、解像度、重ね合わせ精度、スループットの3つのパラメータが重要である。解像度は正確に転写できる最小寸法、重ね合わせ精度は被処理体にパターンを幾つか重ね合わせる際の精度、スループットは単位時間当たり処理される枚数である。
【0004】
露光法は基本的に密着露光法、近接露光法と投影法を有する。密着法は高解像度が得られるもののごみやシリコンのかけらがマスクに圧入されてマスクの破損や被処理体の傷、欠陥をもたらす。近接法はかかる問題を改善しているがごみ粒子の最大寸法よりもマスクと被処理体の間隔が小さくなると同様にマスクの破損が生じ得る。
【0005】
そこで、マスクと被処理体との距離を更に離間させる投影法が提案されている。投影法の中でも解像度の改善と露光領域の拡大のためにマスクを一部ずつ露光し、マスクとウェハを同期して走査(スキャン)することによってマスクパターン全体をウェハの各被露光領域に露光する走査型投影露光装置が最近の脚光を浴びている。
【0006】
投影露光装置は、一般に、マスクを照明する照明光学系と、マスクと被処理体との間に配置されて照明されたマスク上の回路パターンを被処理体に投影する投影光学系とを有する。照明光学系は、均一な照明領域を得るために光源からの光束を複数のロッドレンズから構成されるハエの目レンズなどのライトインテグレーターに導入し、ライトインテグレーター射出面を2次光源面としてコンデンサーレンズでマスク面をケーラー照明する。ここで、投影露光装置の解像度Rは、露光光源の波長λと露光装置の開口数(NA)を用いて次式で与えられる。
【0007】
【数1】
【0008】
数式1から理解されるように、波長λを短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、解像度Rは改善される。
【0009】
一方、一定の結像性能を維持できる焦点範囲を焦点深度といい、焦点深度DOFは次式で与えられる。
【0010】
【数2】
【0011】
数式2から理解されるように、波長λを短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、焦点深度は小さくなる。焦点深度は小さくなるとフォーカス合せが難しくなり、基板のフラットネス(平坦度)やフォーカス精度を上げることが要求されるため、基本的に大きい方が好ましい。
【0012】
従って、数式1及び2から、波長を短くする方がNAを大きくするよりも望ましいことが理解される。近年では、露光光源の波長はKrFエキシマレーザー(波長約248nm)からArFエキシマレーザー(波長約193nm)に、NAは約0.6から約0.75になろうとしている。また、F2エキシマレーザー(波長約157nm)の実用化も進んでいる。
【0013】
さて、エキシマレーザー光は、本来、スペクトル幅が広いため、広いスペクトル幅はレンズのみからなる光学系に色収差を生じさせる。色収差とは、レンズの屈折率が波長(光の色)に対して変化(分散)してレンズの焦点距離が変化する現象であるが、この結果、ウェハに対する焦点深度が変化してウェハに対して所望の品質(深さ)の露光処理が行えない。かかる問題を解消するために、エキシマレーザー光のスペクトル幅をプリズムやグレーティングなどを利用して狭帯域化することが考えられるが、色収差を完全に除去することは困難である。また、短波長化が進むにつれて狭帯域化も困難にある。更に、狭帯域化によりコヒーレンス度が高くなりスペックルが生じやすくなる。ここで、スペックルとは、レーザーのような干渉性のよい光が粗い表面で反射したり透過したりする時に散乱した光が干渉して斑点状の模様を生じる現象である。従って、エキシマレーザーの出射光の強度分布(光軸に対する垂直面内での強度分布)は均一にはならず、何らかの対策を施さないとウェハ上で照度むらが生じてしまう。これらの問題を解消するために、色収差を緩和し、スペックルを除去して照明照度を均一にする機能を有し、ミラーのみを使用する全ミラー型光学系やミラーとレンズの混成型の光学系(カタディオプトリック光学系)を投影光学系に適用することが従来から提案されている。
【0014】
例えば、カタディオプトリック投影光学系のある光学系は凹面鏡を使用して凹面鏡の焦平面(物平面)に被処理体を配置して露光するが、凹面鏡に軸上光を導入すると光軸付近では入射光と凹面鏡からの反射光とが合わさることによりケラレが発生する。このため、公開特許昭和62年第115718号公報や公開特許昭和62年第115719号公報は、像側がテレセントリックな投影光学系の軸外の結像領域(イメージフィールド)だけを用いてマスクのパターンを前記被処理体上に投影する方法を開示している。かかる方法は、照明光学系によりマスクを照明し、マスクからの軸外の結像光束を凹面鏡により反射し、この凹面鏡からの光を更にミラーにより反射して被処理体に導入している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
投影光学系に照明光学系から入射する照明光のテレセントリック性(主光線の傾きの度合いの意味であり、テレセントリックと同義ではない)が投影光学系の照明光学系側の結像光のテレセントリック性と一致しないと、投影光学系の像側が実質的にテレセントリックではなくなり、パターンの結像位置に光軸方向と垂直な方向にずれ(横ずれ)が生じて本来露光しようとする部分に正しく露光が行なわれない。本願発明者の検討によれば、投影光学系のテレセントリックのずれ(即ち、主光線が光軸と平行ではなく光軸に対して傾く現象)は光軸に回転対称に発生する。
上述した公報における露光装置は、照明光学系が投影光学系に入射する照明光のテレセントリック性を調節する機能を有してはおらず、且つ照明光学系の光軸が投影光学系の光軸から偏心しているため、投影光学系に入射する照明光のテレセントリック性を簡単に調節することが困難である。
【0016】
以下、図15乃至図18を参照して、この従来例の問題について説明する。ここで、図15及び図16は、照明光学系600、レチクル610、投影光学系620、絞り630、ウェハ面640の光学的配置を示す概略断面図であり、図15は、ウェハ面640で横ずれがない場合を示し、図16は、ウェハ面640で横ずれSDが発生している場合を示している。図17は、図16に示す横ずれSDの方向を説明するための図16を光軸OO’方向から見た平面図である。
【0017】
投影光学系620は図示しない投影レンズと凹面反射鏡を含み、鏡の中心から所定距離にある円弧状領域を図示しないスリットで限定し、レチクル610に形成された像(即ち、回路パターン)をウェハ面640に投影する。鏡とスリットを固定してレチクル610とウェハを相対的に移動すればウェハ上にレチクル610に形成されたパターンの像が転写される。
【0018】
ここで、図15の投影光学系620は、一般に、ウェハ面640ではテレセントリックを維持するように設計されている。ここで、テレセントリックとは、物界及び/又は像界の主光線が光軸に平行になることをいう。より具体的には、図15において、画面全域において主光線(又は光束の重心)a乃至cがウェハ面640に対して垂直に入射すること、換言すれば、光軸OO’に平行な方向を向くことをいう。これは、たとえ、ウェハ面640が焦点深度内で焦点深度方向zに位置Wから位置Wdに距離dだけ移動しても、焦点深度方向zと垂直な方向rへの露光像の横ずれを防止して重ね合わせ精度を維持するためである。
【0019】
一方、レチクル610側では一般にはテレセントリック性は維持されていない。これは、設計上の制約を緩和するためであり、また、故意に非テレセントリック状態にすることによって、投影光学系620の図示しない投影レンズの有効径を小さくするためでもある。
【0020】
従って、このような投影光学系620に対して照明光学系600は、光束のレチクル610への入射角度を調節して光束をレチクル610に照射しなければ、図16に示すように、ウェハ面640でテレセントリック性が維持できなくなってしまう。図16においては、主光線(又は光束の重心)a’及びc’がウェハ面640に対して垂直に入射していない(換言すれば、光軸OO’に平行な方向を向いていない)ため、ウェハ面640に対して実質的に斜めに入光したのと同様の効果を有する。このため、ウェハ面640が方向Zに位置Wから位置Wdに距離dだけ移動すると、方向zと垂直な方向rに光線a’及びc’はΔSDだけ横ずれ(シフト)してしまい、重ね合わせ精度が悪化する。この状態を、図17に示すように光軸OO’からみると、横ずれSDの方向は矢印で示されるように光軸OO’を中心とする円の径方向rに(即ち、放射状に)広がることが理解されるであろう。このため、図17に示すy方向への走査では常に像の横ずれが発生する。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そこで、このような従来の課題を解決する新規かつ有用な露光装置、当該露光装置を使用したデバイス製造方法、及び、当該製造方法により製造されたデバイスを提供することを本発明の概括的目的とする。
【0022】
より特定的には、本発明は、重ね合わせ精度の高い露光装置、及び、当該露光光学系を使用したデバイス製造方法を提供することを例示的目的とする。
【0023】
また、当該デバイス製造方法を利用した高品位な半導体、LCD、CCD、薄膜磁気ヘッドなどのデバイスを提供することを本発明の別の例示的な目的とする。
【0024】
上記問題を解決するために、本発明の一側面としての露光装置は、パターンが形成されたマスクを照明する照明光学系と、前記パターンを被処理体上に投影する、該被処理体側がテレセントリックな投影光学系とを有する露光装置であって、前記投影光学系は、該投影光学系の軸外の結像領域だけを用いて前記パターンを前記被処理体上に投影するように構成されており、前記照明光学系の光軸は前記投影光学系の光軸と共軸であり、前記照明光学系は、レンズから所定幅の円弧を切り取って複数積層して形成されたハエの目レンズと、前記照明光学系の光軸方向に移動可能なレンズとを有し、前記ハエの目レンズを用いて前記光軸から偏芯した軸外の照明光を形成し、該移動可能なレンズを前記照明光学系の光軸方向に移動することにより前記照明光学系の照明光の主光線の傾きを調節することを特徴とする。
【0027】
本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な露光装置1について説明する。ここで、図1は、本発明の例示的な露光装置1の単純化された光学系を示す光路図である。
【0029】
露光装置1は、図1に示すように、転写用パターンが形成されたレチクルマスク200を照明する照明装置100と、レチクル200と、投影光学系300と、プレート400と、制御系(補正装置)500とを有する。露光装置1は、ステップアンドスキャン方式でレチクル200に形成された回路パターンをプレート400に露光する走査型投影露光装置である。
【0030】
照明装置100は転写用の回路パターンが形成されたレチクル200を照明し、光源部110と照明光学系120とを有する。
【0031】
光源部110は、光源としてのレーザー112と、ビーム整形系114とを含む。
【0032】
レーザー112は、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約153nmのF2エキシマレーザーなどを使用することができるが、レーザーの種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザーを使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されない。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー相互間のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。さらにスペックルを低減するために光学系を直線的又は回転的に揺動させてもよい。また、光源部110に使用可能な光源はレーザー112に限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
【0033】
ビーム整形系114は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使用することができ、レーザー112からの平行光の断面形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換する(例えば、断面形状を長方形から正方形にするなど)ことによりビーム形状を所望のものに成形する。ビーム成形系114は、後述するハエの目レンズ140を照明するのに必要な大きさと発散角を持つ光束を形成する。
【0034】
また、図1には示されていないが、光源部110は、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。インコヒーレント化光学系は、例えば、公開特許平成3年第215930号公報の図1に開示されているような、入射光束を光分割面で少なくとも2つの光束(例えば、p偏光とs偏光)に分岐した後で一方の光束を光学部材を介して他方の光束に対してレーザー光のコヒーレンス長以上の光路長差を与えてから分割面に再誘導して他方の光束と重ね合わせて射出されるようにした折り返し系を少なくとも一つ備える光学系を用いることができる。
【0035】
照明光学系120は、マスク200をテレセントリック照明する光学系であり、本実施例では、第1のコンデンサーレンズ122と、偏芯照明領域形成部130と、マスキング結像系170とを含む。
【0036】
第1のコンデンサーレンズ122はビーム成形系114の出射面と偏芯照明領域形成部130の後述するハエの目レンズ140の入射面とがフーリエ変換の関係になるように配置されている。なお、必要があれば、ビーム成形系114と第1のコリメーターレンズの間に折り曲げミラーが挿入されてもよい。
【0037】
第1のコンデンサーレンズ122は、図示しない開口絞りがレンズ122の焦点位置に配置されている像側テレセントリックレンズであり、その出射側においてテレセントリック光学系を構成している。出射側をテレセントリック光学系に構成することによって、第1のコンデンサーレンズ122を通過した光束の主光線は後述するハエの目レンズ140の中心及び周辺のどのレンズ素子142に対しても平行になる。
【0038】
第1のコンデンサーレンズ122の出射側をテレセントリック光学系に構成しないと、ハエの目レンズ140の中心のレンズ素子142が入射光束と略等しい開口数(ケラレがない開口数)を持つ場合に周辺のレンズ素子142も中心のレンズ素子142と同じとすると周辺のレンズ素子142では主光線が傾く分だけ入射光束にケラレが生じる。ハエの目レンズ140に入射した光束が各レンズ素子142でケラレを生じないためには、周辺部のレンズ素子142は中心部のレンズ素子142に対して入射する光束の主光線の傾き分だけ開口数を大きく設定しなければならない。
【0039】
しかし、図6及び図9を参照して後述されるように、ハエの目レンズ140は隙間なく連続的に並べた積層構造を有するため、一のレンズ素子142についても一のレンズ素子142の一部についても径を最適化することはできない。従って、中心部のレンズ素子142も周辺部のレンズ素子142も同一にして細密充填配置を形成する必要がある。そこで、第1のコンデンサーレンズ122を出射側でテレセントリック光学系に構成すればハエの目レンズ140の各レンズ素子142を中心部のレンズ素子142(ケラレが生じない最小の開口数のもの)で共通化することができる。
【0040】
偏芯照明領域形成部130は、光軸OO’から偏芯した軸外照明光を形成する機能を有し、ハエの目レンズ140と、第2のコンデンサーレンズ162と、第1の照射面164と、スリット166とを有する。図1に示す偏芯照明領域形成部130が軸外照明光を形成するより詳細な光路図を図3に示す。
【0041】
ハエの目レンズ140は、入射光の角度分布を位置分布に変換して出射するライトインテグレーターの一種で、入射面と出射面とは光学的に物体面と瞳面(又は瞳面と像面)の関係になる。かかる関係を本出願ではフーリエ変換の関係と呼ぶ場合がある。但し、後述するように、本発明が使用可能なライトインテグレーターはハエの目レンズに限定されるものではない。ハエの目レンズ140は、本実施例では半球面から所定幅の円弧を切り取って複数積層した形状を有するレンズ素子142及び146を多数組み合わせて構成されているが、本発明はその他の断面形状を有するレンズ素子を排除するものではない。
【0042】
ハエの目レンズ140は、図4乃至図10に示すように、半球面から所定幅の円弧を切り取って複数(本実施例では14段)積層した形状を有して、焦点距離fだけ離間した入射レンズ素子142と出射レンズ素子146とを有する。一組の入射及び出射レンズ素子142及び146は焦点距離fだけ離間しているのでフーリエ変換の関係にある。入射及び出射レンズ素子142及び146の形状は、被照明領域である第1の照射面164、マスク200及び図2を参照して後述されるプレート400の形状に対応している。このように入射及び出射レンズ素子142及び146の断面形状を被照明領域の形状に近似させることによって、ハエの目レンズ140の出射面の像がケラレなく面光源に近い有効光源とみなせ、被照明領域を効率的かつ均一に照明することができる。
【0043】
ここで、図2は、投影光学系300からプレート400に照射される軸外良像域(露光領域)を示す平面図である。図4は、入射レンズ141から有効域である入射レンズ素子142を切り出すことを説明するための平面図である。図5は、図4に示す入射レンズ141の側面図である。図6は、入射レンズ素子142を14段積層することによって形成された入射レンズ群143の平面図である。図7は、出射レンズ145から有効域である出射レンズ素子146を切り出すことを説明するための平面図である。図8は、図7に示す出射レンズ145の側面図である。図9は、出射レンズ素子146を積層することによって形成された出射レンズ群147の平面図である。図10は、入射レンズ141及び出射レンズ145からそれぞれ切り出された一組の入射及び出射レンズ素子142と146の間を進行する照明光束を示す概略斜視図である。
【0044】
図4乃至図6を参照するに、入射レンズ素子142は、図2を参照して後述されるARC(プレート400の面上での輪帯状露光領域)を含んで、これとほぼ相似形である。図5乃至図7は出射レンズ素子146に関して、入射レンズ素子142と同様な関係を示している。図4に示す入射レンズ141と出射レンズ145は同一の球面レンズであるが、図7に示すように、出射レンズ素子146は出射レンズ145から切り出す位置において入射レンズ素子142と異なる。これは、図3に示すように、入射レンズ素子142を通過した光束が軸外に偏向されるからである。図3は、図1における偏芯照明領域形成手段130の詳細図である。ハエの目レンズ140は複数の例示的なレンズ素子142a乃至cを含む入射レンズ群143及び複数の例示的なレンズ素子146a乃至cを含む出射レンズ群147から構成され、両レンズ群143及び147は焦点距離fだけ離れて配置されている。入射及び出射レンズ素子142及び146はこれらをそれぞれセットで積層するが全体としての光束のけられをふせぐためには、両者は同一形状であることが望ましい。
【0045】
ハエの目レンズ140の出射面の直後には、形状及び径が固定された図示しない開口絞りが設けられる。開口絞りは、通常は円形の開口を有するが、例えば、輪帯形状や4重極形状などの開口を持つ開口絞りを用いて変形照明を実現してもよい。このような開口絞りを利用する変形照明法(又は斜入射照明法)により、理論的に、通常は0.5以上である数式1の比例定数k1を0.3程度にまで小さくすることができる。
【0046】
開口絞りを設ける代わりに、第1のコンデンサーレンズ122とビーム成形系114との間に、図示しない光学ロッドを配置してもよい。この場合、光学ロッドの出射面が第1のコンンデンサーレンズ122の焦点位置にあるように光学ロッドに位置が調節されることが好ましい(テレセントリック光学系)。光学ロッドは、出射面で光軸に軸対称な均一な角度分布を有する光束を得るために用いられる。好ましくは、ビーム成形系114と光学ロッドの間にプリズムが配置される。プリズムは、光束を光学ロッドの軸方向に対して所定角度をもって入射させるために使用される。プリズムは、例えば、三角形状の断面を有する三角柱であるが、光束の入射面とそれに対向する光束の出射面が相対的に傾斜しているであれば、その形状は限定されない。プリズムをターレット上に配置し任意に回転可能な構成してもよい。かかる構成により、光学ロッドに入射する光束の光学ロッドの軸方向に対する角度を任意に変えることができる。必要があれば、ビーム成形系114と光学ロッドの間、及び/又は、ビーム成形系114とプリズムとの間には光束を偏向する折り曲げミラーを配置してもよい。なお、かかる実施例を、本出願人は、特許願平成2000年第292827号において既に開示しており、ここでその記載を参照して結合する。
【0047】
第2のコンデンサーレンズ162は、ハエの目レンズ140から出射した光束をその軸外においてできるだけ多く集めて第1の照射面164に重畳的に重ね合わせて第1の照射面164をケーラー照明する。即ち、第1の照射面164とハエの目レンズ140の出射面とはフーリエ変換の関係に配置されている。出射レンズ群147の出射面は第2のコンデンサーレンズ162の前側焦平面にあり、第1の照射面164は第2のコンデンサーレンズ162の後側焦平面にある。入射レンズ群143の入射面は第1の照射面164と共役関係にある。かかる配置から、軸外照明光束はハエの目レンズ130でケラレることなく照明領域である第1の照射面164の照度を高めることができる。本実施例では、第2のコンデンサーレンズ162は、光軸OO’上で図1に示す制御系500の駆動装置530により移動可能に構成される。
【0048】
露光装置1は、必要があれば、第1の照射面164の上に照度ムラ制御用の幅可変スリットや走査中の露光領域制限用のマスキングブレード等が配置してもよい。マスキングブレードは、例えば、公開特許第2000年292604号公報、公開特許第2000年252193号公報等に開示されている。
【0049】
スリット166は、第2のコンデンサーレンズ162により均一照明される領域に円弧状の透光部と遮光部とを有する。ここで、スリット166の透光部を透過した光束をマスク200の照明光として使用する。スリット166は、第2のコンデンサーレンズ162の焦平面に設けられているのでテレセントリック光学系を維持している。
【0050】
上述したように、本発明で適用可能なライトインテグレーターはハエの目レンズ140に限定されるものではない。例えば、図11は、図4に示すレンズ片を回折格子で形成するバイナリーオプティックス140Aの平面図及び側面図である。原理的には通常の球面レンズを厚み方向に分解し、複数段差(図11中では4段構造)として、(本実施例では2個のマスクを使用して)エッチング工程で作成することができる。本発明の場合、特に、円弧状の有効部入射及び出射レンズ素子142及び146に対応する領域のみそれぞれパターニングし、それを図6のように積層すればよい。図4のガラス片では外径が数mm程度が加工限界であるが、本実地例では1mm以下に素子を微細化できるという利点がある。微細化によって、照度ムラは低減し、有効光源の均一性は格段に向上する。また、本発明の構成、すなわち、軸外に照明領域を形成する事により、従来、回折素子の問題となっていた0次光フレアーも光軸上に発生するのでみずからこれを回避できるという利点も持ち合わせている。
【0051】
また、ハエの目レンズ140は、2組のレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーターに置換されてもよい。1枚目と4枚目の組のレンズアレイ板はそれぞれ焦点距離f3を有し、2枚目と3枚目の組のレンズアレイ板はf3とは異なる焦点距離f4を有する。同一組のレンズアレイ板は相手の焦点位置に配置される。2組のレンズアレイ板は直角に配置され、直交方向でF番号(=レンズの焦点距離/有効口径)の異なる光束を作る。この結果、スリット166には透光部をカバーする円弧状の照射領域が形成され、光量を有効に活用することができる。なお、インテグレーターの組数が2に限定されないことはいうまでもない。
【0052】
また、ハエの目レンズ140は、コリメーターレンズと光学ロッドの組み合わせに置換されてもよい。コリメーターレンズは、第1のコンデンサーレンズ122から出射された平行光を直接に受光して光学ロッドの入射面端部に集光する集光光束に変換している。後述するように、テレセントリックのずれを補正する手段(駆動装置530によって移動される第2のコンデンサーレンズ162及び第2のレンズ系174)は、前記コリメーターレンズの後段に設けられているのでこれらの補正手段によってテレセントリックのずれは補正可能であるため、必要があれば、第1のコンデンサーレンズと前記コリメーターレンズとの間には折り曲げミラーが挿入されてもよい。かかる構成では、ビーム成形系114の出射面と光学ロッドの入射面を光学的に物体面と像面の(即ち、共役の)位置関係にある。好ましくは、光学ロッドの入射面がコリメーターレンズの焦点位置に配置される(テレセントリック光学系)。
【0053】
光学ロッドは、入射面で不均一であった照度分布を出射面で均一にし、ロッド軸と垂直な断面形状が照明領域とほぼ同一な縦横比を有する矩形断面を有する。なお、光学ロッドはロッド軸と垂直な断面形状にパワーがあると出射面での照度が均一にならないので、そのロッド軸に垂直な断面形状は直線のみで形成される多角形である。
【0054】
その他、ハエの目レンズ140は、拡散作用をもった回折素子に置換されてもよい。
【0055】
マスキング結像光学系170は、スリット166の開口像を再度マスク200上に再結像する機能を有し、第1のレンズ系172と、第2のレンズ系174と、補正部材176とを有する。第1のレンズ系172と第2のレンズ系174は、それぞれ、一又は複数のレンズ群を有する。必要があれば、レンズ系172及び174との間に折り曲げミラーは挿入されてもよい。本実施例では、第2のレンズ系174は、光軸OO’上で移動可能に構成されており、制御系500の駆動装置530により移動される。補正部材176は軸外光のテレセントリックのずれ(即ち、主光線と光軸OO’とのずれ角度)を補正し、共軸方向に可動な通常の球面レンズや、正又は負の屈折力を有する非球面のレンズ部材から構成される。
【0056】
制御系500は、制御部510と、メモリ512と、検出部520と、駆動装置530とを有する。制御部510は、本発明との関係では後述する投影光学系300に入射する光のテレセントリックのずれ(即ち、主光線と光軸OO’とのずれ角度)を、検出部520を介して検出し、かかるずれが除去されるように、駆動装置530を制御して、第2のコンデンサーレンズ162及び/又は第2のレンズ系174を光軸OO’に沿って移動する。
【0057】
制御部510は、検出部520に接続され、検出部520の検出結果に基づいて第2のコンデンサーレンズ162及び第2のレンズ系174の位置を個別的に制御することができる。制御部510はメモリ512に接続され、メモリ512は本発明との関係では制御部510が行うテレセントリシティ制御方法及び/又はそれに使用されるデータを格納することができる。メモリ512は、例えば、ROM、RAMその他の記憶装置を含む。本実施例では制御部510は照明装置100の制御部であるが、必要があれば露光装置1その他の外部装置の制御部が兼ねることもできる。また、制御部510は、露光装置1その他の外部装置に更に制御されてもよい。必要があれば、メモリ512及び検出部520は照明装置100の外部に設けられてもよい。
【0058】
検出部520は、例えば、プレート400の近傍に配置されたピンホールと2次元センサから構成される。ピンホールはマスク200と共役となる位置に配置され、2次元光センサは、ピンホール下方にピンホールから一定距離h離れたところに受光面がくるように配置される。投影光学系300の絞り(入射瞳)310とピンホールを通って照明光学系120から照射される照明光束を、2次元光センサを介して観察することにより、絞り310の照度分布を測定することができる。検出部520は、かかる照度分布を取り込んで、絞り310の中心と照明光束の中心のずれをテレセントリシティのずれ量として把握する。
【0059】
マスク200上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成されており、マスク200から発せられた回折光は投影光学系300を通りプレート400上に投影される。プレート400はウェハや液晶基板などの被処理体でありレジストが塗布されているものである。スリット166とマスク200とは、共役な関係に配置される。ハエの目レンズ140の出射面とマスク200とはフーリエ変換の関係にある。また、マスク200とプレート400とは共役の関係にある。
【0060】
走査型投影露光装置の場合は、マスク200とプレート400を走査することによりマスク200のパターンをプレート400上に転写する。ステッパー(ステップ・アンド・リピート露光方式の露光装置)の場合はマスク200とプレートWを同期して移動(換言すれば、両者の相対位置を固定(又は静止))させた状態で露光が行われる。
【0061】
本実施例の投影光学系300は、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有するカタディオプトリック光学系を使用する。但し、本発明に適用可能な投影光学系300は、ミラーのみからなる全ミラー型、特殊レンズ型などを含む。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子を使用したりする。投影光学系300は、絞り310を有して、レチクル200の回路パターンを表す軸外光をプレート400にテレセントリック結像する。また、投影光学系300の光軸OO’は照明光学系120の光軸OO’と一致する。換言すれば、照明光学系120と投影光学系300とは共軸関係に配置される。
【0062】
プレート400にはフォトレジストが塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前処理は洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexamethyl−disilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プリベークはベーキング(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。投影光学系300は、図2に示すように、軸外の特定像高rw近傍(幅w)のみを良像域(ARC)として有している。
【0063】
露光において、レーザー112から発せられた光束は、ビーム成形系114によりそのビーム形状が所望のものに成形された後で、第1のコンデンサーレンズ122に入射する。第1のコンデンサーレンズ122によって略平行化された光速は、ハエの目レンズ140の入射面に入射する。
図3及び図10を参照するに、入射レンズ素子142に入射する光束の角度は前段であるビーム成形系114と第1のコンデンサーレンズ122によって決定され、照明光束は入射レンズ素子142を通過後、フーリエ変換面である出射レンズ素子146上で集光する。照明光束は前述のように、ケラレることなく進行することが理解されるであろう。図10においては、光束s1は光束s10に対応し、光束s2は光束s20に対応し、光束l1は光束l10に対応し、光束l2は光束l20に対応している。
【0064】
ハエの目レンズ140を出射した光束は、第2のコンデンサーレンズ162を通過し、図示しない絞りを通過して第1の照射面164を照明する。特徴的に、第2のコンデンサーレンズ162を通過した光束は、照明光学系120の光軸OO’から偏芯した軸外に照明領域を直接に形成する。照明光学系120は、図2に示す軸外良像域ARCと光軸OO’を含めてほぼ相似形の照明領域を第1の照射面164上に形成する。その後、光束はスリット166を経て、マスキング結像系170を通った後マスク200を照明する。第2のコンデンサーレンズ162は、インテグレーター140から出射した光を用いてマスク200をケーラー照明により均一に軸外照明する。
【0065】
マスク200を通過した光束は投影光学系300の結像作用によって、プレート400上に所定倍率で縮小投影される。投影光学系300はプレート400上に、図12に示すような円弧状のパターン転写領域を形成すると共にマスク200とプレート400の同期走査により、円孤幅方向にプレート400を走査して、ショット全体(図中C5)を露光する。更に、プレート400のステージをステップして、次のショットに移り、プレート400上に多数のショット(C1〜C9)を露光転写する。
【0066】
かかる照明装置100を使用する露光装置1は、テレセントリック性を投影光学系300において維持することができるので、露光による横ずれが少なく、L&Sを一定に維持することができ、高精度に露光を行って高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0067】
また、照明光学系120から投影光学系300に照射される光束についてテレセントリシティのずれが発生した場合であっても、本発明のように両方の光学系120及び300を共軸に配置していれば、投影光学系300で発生したテレセントリシティのずれを照明光学系120の第2のコンデンサーレンズ162及び/又は第2のレンズ系174を光軸OO’方向に移動することにより、(射出テレセン度に敏感度をもつ部材)の光軸方向移動により、簡単に補正することができる。例えば、図17のARC内部で光軸OO’に回転対称なテレセントリシティのずれが発生した場合、第2のコンデンサーレンズ162及び/又は第2のレンズ系174を光軸OO’方向にズーミングすれば、図16のように原理的にほぼ完全にウェハでフォーカス時の像シフトを補正できる。かかる補正は、補正部材176によって行ってもよい。
【0068】
次に、図13及び図14を参照して、上述の露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図17は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0069】
図18は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方法によれば従来は製造が難しかった高品位のデバイスを製造することができる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明の意図する補正は、設計段階で照明光学系と投影光学系との間のテレセントリック性が維持される場合のみでない。その後、なんらかの理由、たとえば、照明モードを均一な有効光源から変更照明(輪帯状或いは四重極状の有効光源)に切り替えた際、微妙な光量重心の変化で実質的にテレセントリック性が維持されなくなった場合等、上述のような照明光学系内部の光学部材162や174を調整可変手段として用いることも本発明の範囲である。
【0071】
【発明の効果】
本発明の効果として、超微細パターンの露光転写を実現すると共に、被処理体面でのテレセントリック性が維持されて焼き付け像のずれが生じない。その結果、半導体デバイス作成時の工程時間重ね合わせ精度が向上し、チップ製造の歩留まりが高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例としての露光装置の光路図である。
【図2】 図1に示す投影光学系の軸外良像域(露光域)を示す図である。
【図3】 図1に示す露光装置の偏芯照明領域形成手段の詳細図である。
【図4】 図1に示す露光装置に適用可能なハエの目レンズの入射レンズ素子の製造を説明するための平面図である。
【図5】 図4の側面図である。
【図6】 図4に示す入射レンズ素子を複数積層したものの平面図である。
【図7】 図1に示す露光装置に適用可能なハエの目レンズの出射レンズ素子の製造を説明するための平面図である。
【図8】 図7の側面図である。
【図9】 図7に示す出射レンズ素子を複数積層したものの平面図である。
【図10】 図4に示す入射レンズ素子と図7に示す出射レンズ素子との間を進行する光線を説明する概略斜視図である。
【図11】 図4に示すハエの目レンズの変形例を示す図である。
【図12】 図1に示す露光装置により、円弧状の軸外光を用いてプレートを走査露光する場合を示す図である。
【図13】 本発明の露光工程を有するデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】 図13に示すステップ4の詳細なフローチャートである。
【図15】 投影光学系と照明光学系との間でテレセントリック性が維持された場合の露光状態を示す図である。
【図16】 投影光学系と照明光学系との間でテレセントリック性が維持されない場合の露光状態を示す図である。
【図17】 投影光学系と照明光学系との間でテレセントリック性が維持された状態で走査露光した時、1ショット内で転写像のシフトが発生する事を示す図である。
【図18】 投影光学系と照明光学系との間でテレセントリック性が維持された状態で走査露光した時、1ショット内で転写像のシフトが発生しないことを示す図である。
【符号の説明】
1 露光装置
100 照明装置
110 光源部
120 照明光学系
140 ライトインテグレーター
162 第2のコンデンサーレンズ
174 第2のレンズ系
200 マスク(レチクル)
300 投影光学系
400 プレート
500 制御系(補正装置)
510 制御部
520 検出部
530 駆動装置
Claims (5)
- パターンが形成されたマスクを照明する照明光学系と、前記パターンを被処理体上に投影する、該被処理体側がテレセントリックな投影光学系とを有する露光装置であって、
前記投影光学系は、該投影光学系の軸外の結像領域だけを用いて前記パターンを前記被処理体上に投影するように構成されており、
前記照明光学系の光軸は前記投影光学系の光軸と共軸であり、
前記照明光学系は、
レンズから所定幅の円弧を切り取って複数積層して形成されたハエの目レンズと、
前記照明光学系の光軸方向に移動可能なレンズとを有し、
前記ハエの目レンズを用いて前記光軸から偏芯した軸外の照明光を形成し、
該移動可能なレンズを前記照明光学系の光軸方向に移動することにより前記照明光学系の照明光の主光線の傾きを調節することを特徴とする露光装置。 - 該移動可能なレンズは、正又は負の屈折力を有する非球面レンズであることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 円弧状の開口部を有するスリットと、
前記スリットの開口部の像を前記マスク上に結像する結像系とを有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記照明光学系は、前記投影光学系の前記軸外の結像領域と相似形状の第1の照明領域を軸外に形成する第1の光学系と、前記第1の光学系を経た光束を第2の照明領域に結像させる第2の光学系とを有し、前記第1の光学系の光軸及び前記第2の光学系の光軸の双方共前記投影光学系の前記光軸と共軸である請求項1記載の露光装置。
- 請求項1から4のうちいずれか一項記載の露光装置を使用して、前記被処理体に露光するステップと、前記露光された前記被処理体を現像するステップとを有するデバイス製造方法。
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