JP2002350620A - 光学部材、当該光学部材を用いた照明装置及び露光装置 - Google Patents

光学部材、当該光学部材を用いた照明装置及び露光装置

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JP2002350620A
JP2002350620A JP2001159515A JP2001159515A JP2002350620A JP 2002350620 A JP2002350620 A JP 2002350620A JP 2001159515 A JP2001159515 A JP 2001159515A JP 2001159515 A JP2001159515 A JP 2001159515A JP 2002350620 A JP2002350620 A JP 2002350620A
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prism
prisms
exposure apparatus
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Kenichiro Mori
堅一郎 森
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光線が平行光でなくとも、変形照明時の光利
用効率を高めることができる光学部材、照明装置及び露
光装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも2つのプリズムからなる光学
部材で、入射面から入射した光を前記光学部材内で内面
反射させ、出射面において所定の光強度分布に変換する
ことを特徴とする光学部材を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、光源か
らの光を用いてマスクもしくはレチクル(本出願ではこ
れらの用語を交換可能に使用する。)を照明し、マスク
パターンを感光基板に投影する露光装置に関し、特に、
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)又は
薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィー工程
中に使用される露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の微細化への要求は益
々高くなっており、ラインアンドスペース(L&S)の
最小線幅は0.15μmをきり、0.10μmに到達し
ようとしている。微細化を達成するために、リソグラフ
ィー工程に用いられる投影露光装置の解像力の向上が近
年の大きな問題となっている。
【0003】投影露光装置の解像度Rは、光源の波長λ
と投影光学系の開口数(NA)を用いて以下のレーリー
の式で与えられる。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、kは現像プロセスなどによって
定まるプロセス定数であり、通常露光の場合にはk
約0.5〜0.7である。高解像力を得るには、上式か
ら開口数NAを大きくすること、及び、波長λを小さく
することが有効であるが、これらの改善は現段階では限
界に達しており、通常露光の場合にウェハに0.15μ
m以下のパターンを形成することは困難である。
【0006】そこで、プロセス定数kの値を小さくす
ることにより微細化を図る超解像技術(RET:Res
olution Enhanced Tecnolog
y)が近年提案されている。RETの1つに変形照明法
(斜入射照明法、Off−Axis照明法などと呼ばれ
る場合もある)と呼ばれるものがある。変形照明法は、
光学系の光軸上に遮光板のある開口絞りを、均一な面光
源を作るライトインテグレータの射出面近傍に配置し
て、マスクに露光光束を斜めに入射させる方法が一般的
である。開口絞りの形状により、輪帯照明、四重極照明
などがある。例えば、公開特許平成5年第21312号
公報は輪帯照明用の開口絞りを使用する露光方法を開示
している。同公報の方法によれば,通常は0.5以上で
あるkを0.3程度にまで小さくすることができるた
め、解像度の向上に寄与する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の変形照
明法はマスクを均一かつ所望の照度で、好ましくは比較
的安価に、照明することが困難であった。
【0008】即ち、ただ開口絞りを配置するだけでは開
口絞りの遮光部に光がケラレてしまい、光利用効率を著
しく損なう。例えば、開口の外径と内径の比が2:1で
ある1/2輪帯の場合で25%、開口の外径と内径の比
が3:2である2/3輪帯の場合には44%の光が絞り
によってケラレてしまう。このように、照明光の一部を
遮光すると照度が低下してスループット(単位時間当た
り処理される枚数)が低下する。そのため、開口絞りに
よるケラレを減らして光利用効率を高める方法がいくつ
か提案されている。
【0009】例えば、公開特許平成5年第283317
号公報は、プリズムをハエの目レンズより光源側に配置
し、プリズムにて光を屈折させて、開口絞りでケラレる
光線を減らす方法を用いた照明装置を提案している。プ
リズムに入射する光線が平行光と見なせる場合には、こ
の方法で光利用効率の向上を期待することができる。し
かし、プリズムに入射する光線と光軸のなす角が大き
く、平行光とみなせない場合には、プリズムによって光
線を所望に方向に曲げることができず、光利用効率はそ
れほど上がらなくなってしまう。一方、平行光とみなせ
る場合でも、光源がレーザーである場合、レーザーと照
明光学系の間に振動が生じて、両者の位置がずれると輪
帯状の有効光源の光量重心がずれてしまい、軸対称な有
効光源とはならず均一な照明が実現できない。
【0010】公開特許平成11年第54426号公報
は、振動による問題を防止するために、光源とプリズム
の間にハエの目レンズや内面反射部材を挿入することを
教示している。しかし、この方法では、プリズムに入射
する光線が平行光とみなせなくなるので、上述したよう
に光利用効率はさほど上がらなくなってしまう。
【0011】公開特許平成4年第225514号公報
は、回折光学素子を用いて光利用効率を上げる方法が提
案している。しかし、平行光を回折光学素子に入射させ
なければ前述のプリズムの場合と同様に光線を所望の方
向に曲げることができず、光利用効率はさほど上がらな
くなってしまう。また、回折光学素子は素子の段数によ
って回折効率が決定されるが、現状の加工方法では10
0パーセントの回折効率を得ることは難しい。このこと
によっても光利用効率がさほど上がらなくなってしま
う。その他に、回折光学素子は高価であると共に、一つ
の素子で一つの有効光源分布にしか変換できないので、
一つの装置で、例えば、1/2輪帯と2/3輪帯に適応
しようとすると、2つの回折光学素子を用意しなければ
ならなく、非常に高価な装置となってしまう。
【0012】向かい合せた反射鏡を用いた例が、公開特
許平成6年第267891号公報に提案されているが、
これも平行光の入射が前提であり、角度のある光が入射
した場合には光利用効率が低下してしまう。つまり、図
15(A)に示すように、入射する光が平行光であれば
所望の光強度分布に変換されるが、図15(B)に示す
ように、角度を持った光であれば所望の位置から射出で
きずに所望の効果を上げることができなくなる。
【0013】本発明は以上を鑑みてなされたものであ
り、光線が平行光でなくとも、変形照明時の光利用効率
を高めることができる光学部材、照明装置及び露光装置
を提供することを例示的目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的と達成するた
めに、本発明の一側面としての光学部材は、少なくとも
2つのプリズムからなる光学部材で、入射面から入射し
た光を前記光学部材内で内面反射させ、出射面において
所定の光強度分布に変換することを特徴とする。また、
本発明の別の側面としての光学部材は、入射光を出射面
において所定の光強度分布に変換する光学部材であっ
て、前記入射光を反射する第1の反射部を備えた第1の
プリズムと、前記第1の反射部によって反射された光を
反射して、出射面から外部に光が射出するよう偏向する
第2の反射部を備えた第2のプリズムとを備え、前記第
1及び第2のプリズムがプリズムの間に空隙を介して配
置され、当該第1及び第2のプリズムの内面反射を利用
して前記変換を行うことを特徴とする。これらの光学部
材は、入射光をその後の利用に適した所望の光強度分布
(例えば、輪帯形状や四重極形状)に変換して光利用効
率を高めることができる。また、これらの光学部材は平
行光以外の入射光を(第1及び第2のプリズムの)内面
反射により出射面まで伝達する。内面反射は空隙により
ほぼ全反射となる。
【0015】本発明の更に別の側面としての光学部材
は、入射光を出射面において所定の光強度分布に変換す
る光学部材であって、前記入射光を反射する第1の反射
部と、前記第1の反射部によって反射された光を出射面
から外部に反射する第2の反射部と、前記第1の反射部
が形成された第1のプリズムと、当該第1のプリズムと
空隙を隔てて相対的に移動可能であって、前記第2の反
射部が形成された第2のプリズムとを有し、前記第1及
び第2のプリズムの内面反射を利用して前記変換を行
い、前記第1及び第2のプリズムの相対的な位置によっ
て異なる光強度分布を形成することを特徴とする。かか
る光学部材は、上述の作用に加えて、異なる光強度分布
を複数生成することができる。
【0016】前記光学部材は、例えば、第1の円柱から
当該第1の円柱の底面と共通の底面を有する第1の円錐
を取り除いた形状を有する第1のプリズムと、2つの同
心円で囲まれた断面を有するように、第2の円柱から前
記第1の円柱と略同一の形状を取り除いた形状を有し、
前記第1のプリズムを収納する第2のプリズムと、第2
の円錐から前記第2の円柱と略同一の形状を取り除いた
形状を有し、前記第1及び第2のプリズムを収納する第
3のプリズムから構成される。あるいは、前記光学部材
は、直方体から四角錐を取り除いた形のプリズムと、4
つの直方体プリズムと、4つの三角柱プリズムとを組み
合わせた9つのプリズムから構成されてもよい。光学部
材は所望の光強度分布に応じて任意の構成を採ることが
できる。
【0017】本発明の別の側面としての照明装置は、光
源から出射した光束を用いて被照明面を照明する照明装
置であって、前記光源と前記被照明面との間に配置さ
れ、前記光束を均一化するライトインテグレータと、前
記光源と前記ライトインテグレータとの間に配置され、
上述の光学部材を有することを特徴とする。かかる照明
装置も上述の光学部材の作用を奏する。特に、光源と光
学部材の光軸がずれてもライトインテグレータの入射面
を照明するための光強度分布形状(有効光源形状)が変
化しないので有効光源の光量重心がずれない。かかる照
明装置は、被照明面を所定の光強度分布(例えば、輪帯
形状や四重極形状)で照明することができ、変形照明用
の開口絞りを設けなくてもよいので光利用効率が高い。
【0018】前記光学部材の前記出射面と前記ライトイ
ンテグレータの入射面は、例えば、ほぼ共役又は同位置
にある。これによりライトインテグレータによる入射光
のケラレを減少することができる。前記照明装置は、各
々異なる前記所定の光強度分布を有する前記光学部材を
複数搭載した保持部を更に有し、前記被照明面に応じて
所望の光学部材を選択することができるように構成され
てもよい。これにより、被照明面の照明条件に応じて所
望の光強度分布(即ち、有効光源形状)を有する所望の
光学部材を選択することができる。
【0019】本発明の別の側面としての露光装置は、上
述の照明装置と、前記被照明面としてのマスクに形成さ
れたパターンを被処理体に投影する投影光学系とを有す
ることを特徴とする。かかる露光装置は上述の照明装置
の作用を奏し、特に、マスクパターンを変形照明により
照明することができるので解像度の向上に寄与する。
【0020】本発明の更に別の側面としての露光装置
は、光源からの光を用いてマスクを照明し、マスク上の
パターンを投影光学系を用いて基板上に投影する露光装
置において、前記投影光学系の瞳と上述の光学部材の射
出面とが略共役、若しくはほぼ同位置であることを特徴
とする。かかる露光装置は上述の光学部材の作用を奏
し、特に、前記所定の光強度分布を前記投影光学系の瞳
面に形成される有効光源形状とすることができる。
【0021】本発明の更に別の側面としての露光装置
は、光源からの光をハエノ目レンズに入射させ、ハエノ
目レンズの出射面を2次光源として、マスク面をケーラ
ー照明法により略均一に照明し、前記マスク上のパター
ンを投影光学系を用いて基板上に投影する露光装置にお
いて、前記ハエノ目レンズの入射面と、上述の光学部材
の出射面がほぼ共役、若しくはほぼ同位置であることを
特徴とする。かかる露光装置も上述の光学部材/照明装
置の作用を奏し、特に、高い光利用効率で変形照明を実
現することができる。
【0022】本発明の更に別の側面としてのデバイス製
造方法は、上述の露光装置を用いて前記被処理体を投影
露光するステップと、前記投影露光された前記被処理体
に所定のプロセスを行うステップとを有する。上述の露
光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の
請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にも
その効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、例えば、L
SIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、
磁気センサ、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0023】本発明の更なる目的又はその他の特徴は、
以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によ
って明らかにされるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の例示的な露光装置1について説明する。ここで、図1
は、本発明の露光装置1の単純化された光路図である。
図1に示すように、露光装置1は、照明装置100と、
マスク200と、投影光学系300と、プレート400
と、ステージ450とを有する。
【0025】本実施形態の露光装置1は、ステップアン
ドスキャン方式でマスク200に形成された回路パター
ンをプレート400に露光する投影露光装置であるが、
本発明はステップアンドリピート方式その他の露光方式
を適用することができる。ここで、ステップアンドスキ
ャン方式は、マスクに対してウェハを連続的にスキャン
してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショ
ットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次のショ
ットの露光領域に移動する露光法である。また、ステッ
プアンドリピート方式は、ウェハのショットの一括露光
ごとにウェハをステップ移動して次のショットを露光領
域に移動する露光法である。
【0026】照明装置100は転写用の回路パターンが
形成されたマスク200を照明し、光源としてのレーザ
ー102と、折り曲げミラー104a乃至cと、減光手
段106と、光学系108と、内面反射部材110と、
光学部材120と、ハエの目レンズ160、184及び
186と、コンデンサーレンズ180と、マスキングブ
レード183とを含む。
【0027】レーザー102は、波長約193nmのA
rFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキ
シマレーザー、波長約157nmのFエキシマレーザ
ーなどのパルスレーザーからの光を使用することができ
る。レーザーの種類はエキシマレーザーに限定されず、
例えば、YAGレーザーを使用してもよいし、そのレー
ザーの個数も限定されない。例えば、独立に動作する2
個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー相互間のコ
ヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックル
はかなり低減する。さらにスペックルを低減するために
光学系を直線的又は回転的に揺動させてもよい。また、
光源はレーザー102に限定されるものではなく、一又
は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使
用可能である。
【0028】レーザーが使用される場合、レーザー光源
からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形
光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレン
ト化するインコヒーレント化光学系を使用してもよい。
光束整形光学系は、例えば、複数のシリンドリカルレン
ズやビームエクスパンダ等を使用することができ、レー
ザー光の断面形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換す
る。インコヒーレント化光学系は、例えば、公開特許平
成3年215930号公報の図1に開示されているよう
な、入射光束を光分割面で少なくとも2つの光束(例え
ば、p偏光とs偏光)に分岐した後で一方の光束を光学
部材を介して他方の光束に対してレーザー光のコヒーレ
ンス長以上の光路長差を与えてから分割面に再誘導して
他方の光束と重ね合わせて射出されるようにした折り返
し系を少なくとも一つ備える光学系を用いることができ
る。
【0029】折り曲げミラー104aはレーザー102
からの光束を後方に位置する構成要素に対し最適な入射
がなされるような角度で偏向するが、レーザー102の
位置によっては省略することができる。減光手段106
は被照明面が適正な照度になるように制御される。光学
系108は光源からの平行光を内面反射部材110に角
度を付けて入射させる、プリズム、レンズなどからなる
光学系である。内面反射部材110は、光を内面反射し
て入射面で非均一であった分布をその出射面で均一にす
る光学ロッド等である。出射面で分布を均一にするため
には内面反射部材の断面形状は三角形、四角形、六角形
であることが望ましい。
【0030】光学部材120は、レーザー102からの
入射面120Aを介して入射した光を出射面120Bに
おいて所定の光強度分布に変換する。本実施形態では、
所定の光強度分布は、マスク200を変形照明するため
の輪帯形状、四重極形状などである。以下、図2乃至図
4を参照して光学部材120の構造を説明する。本実施
形態の光学部材120は、内面反射を用いて光強度分布
を2/3輪帯状に変換する光学部材である。ここで、図
2は光学部材120の(zy平面に関する)概略断面図
である。図3は光学部材120の(z平面の正方向から
見た)上面図である。図4は光学部材120の概略斜視
図である。図5は光学部材120の概略分解斜視図であ
る。2/3輪帯とは、図3に示すように、射出面120
Bが半径2rと半径3rの円で囲まれたハッチングされ
た輪帯を意味する。
【0031】本実施形態の光学部材120は、ほぼ平行
な反射膜121a及び121bと、プリズム122、1
24及び126とを有する。反射膜121aはプリズム
122に形成され、反射膜121bはプリズム126に
形成される。プリズム122と124との間には空隙1
23aが、プリズム124と126との間には空隙12
3bが存在する。空間をはさんで向かい合ったプリズム
の側面には反射防止膜をつけておくのが望ましい。な
お、参照番号121は121a等を総括し、参照番号1
23は123a等を総括するものとする。プリズム12
2等は、所望の透過率を有する硝材や蛍石などから構成
される。
【0032】プリズム122は、円柱からその円柱の半
径r(又は空隙123aを考慮してほぼr)の底面を有
する円錐を取り除いた形状を有し、円錐の側面に相当す
る部分に反射膜121aが形成されている。但し、反射
膜121aが図2の位置に形成されていれば、円錐が取
り除かれるかどうかは問題ではない。本実施形態では反
射膜121aと光軸とのなす角度θは例示的に45°
に設定されている。
【0033】プリズム124は、図3に示すように、半
径r及び半径2rという2つの同心円で囲まれた断面を
有するように、共通の中心軸を有する2つの円柱から内
側の円柱を取り除いた形状を有する。内側の円柱はプリ
ズム122によって形成される半径rの円柱である(実
際には空隙123aを加えた径の円柱に対応する)。プ
リズム124はプリズム122を収納する。
【0034】プリズム126は、半径3rの底面を有す
る円錐からプリズム124の円柱(及び空隙123b)
を取り除いた形状を有し、円錐の側面に反射膜121b
が形成されている。但し、反射膜121bが図2の位置
に形成されていればプリズム126の形状は問わず、例
えば、プリズム124と同様の中空円柱形状であっても
よい。本実施形態では反射膜121bと光軸とのなす角
度θは例示的に45°に設定されている。プリズム1
26はプリズム122及び124を収納する。
【0035】空隙123a及び123bは、プリズムと
空気との屈折率差を利用した全反射によって入射光を内
面反射させるために設けられる微少な隙間である。これ
により、図2に示す2つの反射膜121aから121b
に入射光を効率よく伝達し、その光強度分布を、光学部
材120の入射面120AのNAと出射面120BのN
Aを保存して変換する。図6を参照して、これをより詳
細に説明する。図6(A)は光学部材120に入射した
光の光路を示す概略断面図であり、図6(B)は光学部
材120が空隙123a及び123bを有さずに反射面
で反射膜を有する光学部材700に置換された場合に同
一の角度θで入射した光の光路を示す概略断面図であ
る。
【0036】図6(A)を参照するに、光学部材120
に角度θで入射した光は、まず、空隙123aにより
プリズム122内で全反射した後に、反射膜121aに
より反射され、プリズム124を経て反射部121bに
至る。反射膜121bに到達した光は、プリズム126
内で全反射して(プリズム124に戻らずに)出射面1
20Bから角度θで出射する。
【0037】一方、図6(B)に示すように、光学部材
700は、光学部材120と同様の形状を有するが空隙
123a及び123bを有しない一のプリズムから構成
されている。また、反射膜121aに対応する反射膜7
20と、反射膜121bに対応する反射膜714を有す
る他に反射膜710、712及び722を有する。光学
部材700の入射面702は入射面120Aに対応し、
出射面704は出射面120Bに対応する。光学部材7
00の入射面702に角度θで入射した光は反射膜7
22と712間で数回全反射して反射膜714に至る。
反射膜714に到達した光は反射膜720の方に戻って
しまい、出射面704から出射しない。このように、空
隙がない光学部材700においては、入射する光によっ
ては出射面704から射出できずに戻ってきてしまう光
が存在する場合がある。
【0038】図6(A)に示す光学部材120のように
プリズム間に空隙123を設けることによって、反射膜
121によって反射されるまでは、プリズム122等と
空隙123の間が全反射条件となる。反射膜121によ
って反射されて角度が変わった後はプリズム122等と
空隙123の間の面は透過面になるので、効率よく光強
度分布を変換することができる。しかし、空隙123の
間隔を空け過ぎると、そこから漏れ光として漏れ、光利
用効率が低下するので、空隙123の幅は微少であるこ
とが好ましい。好適には箔で空間を保持し、数μm程度
の間隔に保つ。反射膜の反射率が100%で硝材吸収が
0、プリズム間の空隙123が0であれば(但し、空隙
123は存在する)、入射した光の全てが輪帯状の出射
面120Bから射出され、強度分布の変換効率は100
%となる。
【0039】なお、図2に示す光学部材120のプリズ
ム124のy方向の長さを変えることによって、変換さ
れる輪帯形状が2/3輪帯以外の1/2輪帯(プリズム
124の長さがゼロの場合)や3/4輪帯(プリズム1
24の長さが2rの場合)などにすることができる。
【0040】所望の光強度分布に応じて光学部材120
の形状を変更することができる。例えば、図7に示すよ
うに、内面反射を用いて光強度分布を四重極の光強度分
布に変換するために、光学部材120は光学部材130
に置換されてもよい。ここで、図7(A)は、光学部材
130の(zy平面に関する)概略断面図である。図7
(B)は光学部材130の(z平面の正方向から見た)
上面図である。
【0041】光学部材130は、直方体から四角錐を取
り除いた形のプリズム132と、4つの直方体プリズム
134と、4つの三角柱プリズム136とを組み合わせ
た9つのプリズムからなる。図7(A)に示すように、
プリズム間には空隙133a及び133b(参照番号
「133」によって総括する。)が存在し、その寸法等
は空隙123と同様である。また、反射膜131a及び
131bが図7(A)に示すように配置されていればプ
リズム132及び136の形状は必ずしも四角錐等が取
り除かれた形状であることを問わないことは光学部材1
20と同様である。
【0042】プリズム132により4つに分割された光
が、4方向に広がる4つの直方体プリズム134によっ
てそれぞれの方向に導光され、その先端にある三角柱プ
リズム136によって曲げられて、図7(B)において
ハッチングされた射出面130Bにおいて四重極形状の
光強度分布が形成される。光学部材130においても、
反射膜の反射率が100%で硝材吸収が0、プリズム間
の空隙133が0であれば(但し、空隙133は存在す
る)、入射した光の全てが出射面130Bから射出さ
れ、強度分布の変換効率は100%となる。プリズム1
34のy方向の長さを調節することによって、様々な形
状の四重極を形成することができる。
【0043】再び図1を参照するに、リレーレンズ(又
はリレー光学系)150は光学部材120の出射面12
0Bの光強度分布をハエの目レンズ160の入射面16
0Aに投影している。リレーレンズ150は、光学部材
120の出射面とハエの目レンズ160の入射面160
Aとが共役関係になるように配置されている。折り曲げ
ミラー104bは光束を偏向する。リレーレンズ150
はズームレンズになっており、倍率が可変になっていて
もよい。
【0044】ハエの目レンズ160は、マスク200に
照明される照明光を均一化するライトインテグレータの
一種で、入射光の角度分布を位置分布に変換して出射す
る。ハエの目レンズ160は、その入射面160Aと出
射面160Bとが光学的に物体面と瞳面(又は瞳面と像
面)の関係(かかる関係を本出願ではフーリエ変換の関
係と呼ぶ場合がある)に維持されている。但し、後述す
るように、本発明が使用可能なライトインテグレータは
ハエの目レンズ160に限定されるものではない。
【0045】ハエの目レンズ160は互いの焦点位置が
それと異なるもう一方の面にあるレンズ(レンズ素子)
を複数個並べたものである。また、ハエの目レンズを構
成する各レンズ素子の断面形状は、各レンズ素子のレン
ズ面が球面である場合、照明装置の照明領域と略相似で
ある方が照明光の利用効率が高い。これは、ハエの目レ
ンズ160の入射面160Aと照明領域(マスク200
面)が物体と像との関係(共役関係)であるからであ
る。
【0046】ハエの目レンズ160は、本実施形態では
マスク200の形状に適合する断面矩形、円形、六角形
その他の形状を有し、ハエの目レンズの出射面160B
又はその近傍に形成された複数の点光源(有効光源)か
らの各光束をコンデンサーレンズ155によりマスク2
00に重畳している。これにより、多数の点光源(有効
光源)によりマスク200全体が均一に照明される。
【0047】本実施形態では、光学部材120の出射面
120Bを2次光源として、ケーラー照明法を用いてハ
エの目レンズ160の入射面160Aを照明し、輪帯状
の有効光源分布を形成している。これにより、ハエの目
レンズ160の出射面160Bの直後に配置される輪帯
状の開口絞り170によるケラレが少なく、高効率で輪
帯照明による露光を行うことができる。選択的に開口絞
り170は省略されてもよい。これにより、開口絞り1
70の遮光部によって光が遮光されることはないので光
利用効率が高まる。この結果、露光装置1は、変形照明
(輪帯照明)を実現して数式1の比例定数kの値を
0.3程度にまで小さくすることができる。
【0048】本発明で適用可能なライトインテグレータ
はハエの目レンズ160に限定されず、例えば、図14
に示すライトインテグレータ161に置換されてもよ
い。ここで、図14は、ライトインテグレータ161の
拡大斜視図である。ライトインテグレータ161は2組
のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレ
ンズ)板164及び166を重ねることによって構成さ
れる。1枚目と4枚目の組のシリンドリカルレンズアレ
イ板164a及び164bはそれぞれ焦点距離f1を有
し、2枚目と3枚目の組のシリンドリカルレンズアレイ
板166a及び166bはf1とは異なる焦点距離f2
を有する。同一組のシリンドリカルレンズアレイ板は相
手の焦点位置に配置される。2組のシリンドリカルレン
ズアレイ板164及び166は直角に配置され、直交方
向でFナンバー(即ち、レンズの焦点距離/有効口径)
の異なる光束を作る。なお、ライトインテグレータ16
0Aの組数が2に限定されないことはいうまでもない。
【0049】ハエの目レンズ160は光学ロッドに置換
される場合もある。光学ロッドは、入射面で不均一であ
った照度分布を出射面で均一にし、ロッド軸と垂直な断
面形状が照明領域とほぼ同一な縦横比を有する矩形断面
を有する。なお、光学ロッドはロッド軸と垂直な断面形
状にパワーがあると出射面での照度が均一にならないの
で、そのロッド軸に垂直な断面形状は直線のみで形成さ
れる多角形である。その他、ハエの目レンズ160は、
拡散作用をもった回折素子に置換されてもよい。
【0050】本実施形態では、ハエの目レンズ160の
直後に形状及び径が固定された開口絞り170が設けら
れる。但し、上述したように、開口絞り170は省略さ
れてもよい。開口絞り170は投影光学系300の瞳面
320と共役な位置に設けられており、開口絞りの17
0の開口形状は投影光学系300の瞳面320の有効光
源形状に相当する。
【0051】図11を参照して、開口絞り170に適用
可能な例示的な形状を説明する。ここで、図11(A)
は、光学部材120に対応する開口絞り170の例示的
形状の概略平面図である。図11(B)は、光学部材1
30に対応する開口絞り170Aの例示的形状の概略平
面図である。開口絞り170は、輪帯開口171からな
る透過率1の光透過部と遮光部172とを有する。開口
絞り170Aは、四重極の円172からなる透過率1の
光透過部と遮光部173とを有する。円形開口173
は、中心位置がσ=1以下の照明光をもたらし、それぞ
れ、0度、90度、180度及び270度に配置されて
いる。好ましくは、各円172がもたらす照明光のσは
等しい。また、開口172の形状は、四角形その他の多
角形、扇形の一部など種々の変更が可能である。また、
σが1を超えてもよい。
【0052】コンデンサーレンズ180は、ハエの目レ
ンズ160によって波面分割された光をできるだけ多く
集めて、走査中の露光領域を制御するためのマスキング
ブレード(絞り又はスリット)173上で重畳的に重ね
合わせ、これによりマスキングブレード183を均一に
ケーラー照明する。マスキングブレード183とハエの
目レンズ160の出射面160Bとはフーリエ変換の関
係に配置され、マスク200面と略共役な関係に配置さ
れる。露光装置1は、必要があれば、照度ムラ制御用の
幅可変スリットを更に有することができる。
【0053】マスキングブレード183は、例えば、投
影光学系300がレンズタイプの場合はほぼ矩形の開口
部を有し、オフナータイプの反射ミラー系の場合は円弧
状の開口部を有する。マスキングブレード183の開口
部を透過した光束をマスク200の照明光として使用す
る。マスキングブレード183は開口幅を自動可変な絞
りであり、後述するプレート400の(開口スリット
の)転写領域を縦方向で変更可能にする。また、露光装
置1は、プレート400の(1ショットのスキャン露光
領域としての)転写領域の横方向を変更可能にする、上
述のマスキングブレードと類似した構造のスキャンブレ
ードを更に有してもよい。スキャンブレードも開口幅が
自動可変できる絞りであり、マスク200面と光学的に
ほぼ共役な位置に設けられる。これにより露光装置1
は、これら二つの可変ブレードを用いることによって露
光を行うショットの寸法に合わせて転写領域の寸法を設
定することができる。
【0054】リレーレンズ184、186、折り返しミ
ラー104cは、マスキングブレード183の開口像を
再度マスク200上に再結像する結像光学系である。従
って、リレーレンズ186は、マスキングブレード18
3の位置とマスク200とを共役関係にする。折り返し
ミラー104cは、マスク200とマスキングブレード
183が平行に配置されているのであれば省略可能であ
る。
【0055】なお、光学系108、内面反射部材11
0、光学部材120、折り曲げミラー104b、リレー
レンズ150の組み合わせは、図8に示すハエの目レン
ズ190、コリメータレンズ192、折り曲げミラー1
04b、光学部材120の組み合わせに置換されてもよ
い。ここで、図8は露光装置1の変形例である露光装置
1Aの単純化された光路図を示す。図8においては、光
学部材120はハエの目レンズ160の入射面160A
近傍に配置される。
【0056】露光装置1Aは2つのハエの目レンズ16
0及び190を使用している。ハエの目レンズ190の
出射面190Bを2次光源として、コリメータレンズ1
92を用いて光学部材120の入射面120Aを均一に
照明している。光学部材120による内面反射によりハ
エの目レンズ160の入射面160Aには所望の光強度
分布を有する光が入射する。よって、開口絞り170に
よるケラレが少なく、高効率で変形照明法を用いた露光
を行うことができる。上述したように開口絞り170は
なくてもよい。
【0057】図9に、露光装置1の変形例としての露光
装置1Bの単純化された光路図を示す。露光装置1B
は、複数種類の光学部材120を交換可能に搭載したタ
ーレット194と、対応する複数種類の開口絞りを交換
可能に搭載したターレット196とを有し、複数種類の
変形照明を実現している。従って、露光装置1Bは、様
々な(例えば、輪帯形状、四重極形状等の)光強度分布
形状(即ち、有効光源形状)をマスク200のパターン
に応じて交換可能に形成することができる。ここで、
「複数種類」とは、例えば、同一の輪帯形状であっても
σが異なれば異なる種類としている。ターレットによる
光学部材120の変更と共に、上述したように、リレー
レンズ150をズーム系とし倍率を可変とすると、より
多くの有効光源分布に変換することができるので望まし
い。よって、ひとつの露光装置1Bで複数の変形照明方
法による露光を高効率で行うことができる。
【0058】図10を参照して、ターレット194を使
用する代わりに複数の光強度分布を達成可能な、光学部
材120の変形例としての光学部材140を説明する。
ここで、図10(A)及び(B)は、それぞれ、光学部
材140の動作を説明するための概略断面図である。
【0059】光学部材140は、数段からなり(図10
では例示的に3段)、各段は、図1に示す光学部材12
0のプリズム124の数が0、1及び2の場合に相当す
る。即ち、光学部材140は、図示しない昇降機構14
1によって昇降可能なプリズム122に相当するプリズ
ム142と、反射膜143及び144と、反射膜143
及び144の間に配置されたプリズム145乃至147
とを有する。各プリズム間には空隙148が設けられて
いる。本実施形態では、図10(A)に示すように、プ
リズム142が中段に移動した場合の水平方向の組み合
わせが光学部材120に対応する。従って、プリズム1
46aはプリズム126に対応し、プリズム146bは
プリズム124に対応する。最下段のプリズム145は
プリズム146bと同様の形状を有するがプリズム14
6aよりも径が小さいプリズムである。最上段のプリズ
ム147aはプリズム146bと同様の形状を有するが
径が大きいプリズムである。プリズム147bはプリズ
ム146bと同様の形状を有するが径が大きいプリズム
である。プリズム147cはプリズム146bと同一の
プリズムである。
【0060】これより、昇降機構141はプリズム14
2を移動することによってそれぞれの段を選択する。プ
リズム142が最下段にある場合にプリズム145の上
面から出射された光はその上のプリズム146bに入射
してその内面で全反射し、同様に、その後はプリズム1
47cに入射してその内面で全反射して、その上面から
出射されることが理解されるであろう。これより、プリ
ズム142が最下段にあれば1/2輪帯の光強度分布に
入射光を変換する。図10(A)に示す中段にプリズム
142を配置すると、光は2段目の光学部材146a及
び146bに入射し、光強度分布を変換され2/3輪帯
となる。3段目の部分は上方向に内面反射により導光さ
れ、射出端では2/3輪帯となっている。図10(B)
に示す最上段にプリズム142を配置すると、光は3段
目の光学部材に入射し、光強度分布を変換され3/4輪
帯となる。
【0061】なお、プリズム142が中段にあるときは
光学部材130に対応すると解されてもよい。また、各
段で異なる形状の光強度分布を形成するものとしてもよ
い。また、説明において、昇降機構141はプリズム1
42を駆動したが、プリズム142を固定して周辺プリ
ズム145等を駆動しても同様の効果が得られる。
【0062】マスク200は、例えば、石英製で、その
上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成さ
れ、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。
マスク200から発せられた回折光は投影光学系300
を通りプレート400上に投影される。プレート400
は、被処理体でありレジストが塗布されている。マスク
200とプレート400とは光学的に共役の関係に配置
される。本実施形態の露光装置1はステップアンドスキ
ャン方式の露光装置(即ち、スキャナー)であるため、
マスク200とプレート400を走査することによりマ
スク200のパターンをプレート400上に転写する。
なお、ステップアンドリピート方式の露光装置(即ち、
「ステッパー」)であれば、マスク200とプレート4
00とを静止させた状態で露光を行う。
【0063】マスクステージは、マスク200を支持し
て図示しない移動機構に接続されている。マスクステー
ジ及び投影光学系300は、例えば、床等に載置された
ベースフレームにダンパ等を介して支持されるステージ
鏡筒定盤上に設けられる。マスクステージは、当業界周
知のいかなる構成をも適用できる。図示しない移動機構
はリニアモータなどで構成され、XY方向にマスクステ
ージを駆動することでマスク200を移動することがで
きる。露光装置1は、マスク200とプレート400を
図示しない制御機構によって同期した状態で走査する。
【0064】投影光学系300は、マスク200に形成
されたマスクパターンを経た回折光をプレート400上
に結像する。投影光学系300は、複数のレンズ素子の
みからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚
の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学
系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォー
ムなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の
光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要
な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス
材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素
子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成した
りする。上述したように、投影光学系300の瞳面32
0に形成される有効光源の形状は光学素子120が形成
する光強度分布形状と同様である。
【0065】プレート400は、本実施形態ではウェハ
であるが、液晶基板その他の被処理体を広く含む。プレ
ート400にはフォトレジストが塗布されている。フォ
トレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処
理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを
含む。前処理は洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗
布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるた
めの表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)
処理であり、HMDS(Hexamethyl−dis
ilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理す
る。プリベークはベーキング(焼成)工程であるが現像
後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0066】プレート400はウェハステージ450に
支持される。ステージ450は、当業界で周知のいかな
る構成をも適用することができるので、ここでは詳しい
構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ45
0はリニアモータを利用してXY方向にプレート400
を移動する。マスク200とプレート400は、例え
ば、同期して走査され、図示しないマスクステージとウ
ェハステージ450の位置は、例えば、レーザー干渉計
などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動され
る。ステージ450は、例えば、ダンパを介して床等の
上に支持されるステージ定盤上に設けられ、マスクステ
ージ及び投影光学系300は、例えば、鏡筒定盤は床等
に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持
される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0067】露光において、レーザー102から発せら
れた光束は第1の折り曲げミラー104aで偏向され、
減光手段106により減光される。その後、光束は光学
系108で角度が変化して内面反射部材110に対して
斜めに入射し、スキュー反射を繰り返すことにより、出
射面で光軸に軸対称な均一な角度分布を得る。かかる光
束は光学部材120に入射して所定の光強度分布(ここ
では輪帯形状)に変換される。レーザー102と光学部
材120の光軸がずれても(即ち、必ずしも光軸に平行
ではない光が光学部材120に入射しても)ハエの目レ
ンズ160の入射面160Aを照明するための光強度分
布形状が変化しないので有効光源の光量重心がずれな
い。折り曲げミラー104bで偏向され、リレーレンズ
150によりハエの目レンズ160の入射面160Aで
合成される。
【0068】ハエの目レンズ160を出射した光束は、
開口絞り170を経てコンデンサーレンズ180を通過
し、マスキングブレード183を照明する。開口絞り1
70の開口形状と同一又は類似の光強度分布がハエの目
レンズ160の出射面160Bから出射されるので開口
絞り170によるケラレが少なく光利用効率が高い。マ
スキングブレード183を通過した光束は結像光学系1
84、104c及び186を通った後マスク200の照
射面を照明する。かかる照明装置100を使用する露光
装置1は均一な有効光源で照明を行えるため、レジスト
へのパターン転写を高精度に行って高品位なデバイス
(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、
薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0069】次に、図12及び図13を参照して、上述
の露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を
説明する。図12は、デバイス(ICやLSIなどの半
導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するため
のフローチャートである。ここでは、半導体チップの製
造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイ
スの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ス
テップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用い
てウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は
前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィ
技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステッ
プ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によっ
て作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程で
あり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された
半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの
検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0070】図13は、ステップ4のウェハプロセスの
詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)で
はウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)
では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13
(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって
形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハ
にイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)で
はウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)で
は、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハ
に露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェ
ハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像
したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19
(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となっ
たレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行
うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成さ
れる。本実施例の製造方法によれば従来は製造が難しか
った高品位のデバイスを製造することができる。
【0071】本発明の光学部材は、内面反射を用いて光
強度分布を変換するので、光学部材への入射光が光軸と
平行光でなくとも、高効率で光強度分布を変換すること
ができる。
【0072】また、本発明の照明装置及び露光装置によ
れば、光源と照明光学系の光軸がずれてもライトインテ
グレータの入射面を照明するための有効光源の形状が変
化せず有効光源の光量重心がずれない。この結果、照明
装置は、光源と照明装置の光軸がずれても被照射面に均
一な照明を与えることができ、本発明は振動に強い照明
装置及び露光装置を提供することができる。また、本発
明は通常ライトインテグレータの直後に有効光源形状を
決定するために設けられる開口絞りを不要にするか開口
絞りによるケラレを少なくする。これにより光利用効率
を高めることができ、本発明の露光装置は所望のスルー
プットを維持することができる。更に、光学部材は変形
照明を実現するので、本発明の露光装置は数式1におけ
る比例定数kを小さくして高い解像度を実現すること
ができる。なお、本発明は回折光学素子等を使用しない
ので比較的に安価な照明装置及び露光装置を提供するこ
とができる。
【0073】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で種
々の変形及び変更が可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明の光学部材、照明装置及び露光装
置によれば、光学部材への光線が光軸に平行でなくとも
変形照明時の光利用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的な露光装置の単純化された光
路図である。
【図2】 図1に示す露光装置の光学部材の概略断面図
である。
【図3】 図2に示す光学部材の概略上面図である。
【図4】 図2に示す光学部材の概略斜視図である。
【図5】 図2に示す光学部材の概略分解斜視図であ
る。
【図6】 図2に示す光学部材に設けられた空隙の効果
を説明するための概略断面図である。
【図7】 図2に示す光学部材の変形例の概略断面図と
上面図である。
【図8】 図1に示す露光装置の変形例の単純化された
光路図を示す。
【図9】 図1に示す露光装置の別の変形例の単純化さ
れた光路図を示す。
【図10】 図2に示す光学部材の変形例の概略断面図
である。
【図11】 図1に示す露光装置の開口絞りの概略平面
図である。
【図12】 本発明の露光装置を有するデバイス製造方
法を説明するためのフローチャートである。
【図13】 図12に示すステップ4の詳細なフローチ
ャートである。
【図14】 図1に示す露光装置のハエの目レンズの変
形例の拡大斜視図である。
【図15】 従来の入射光の光強度分布を変換する手段
を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 露光装置 100 照明装置 120 光学部材 130 光学部材 140 光学部材 160 ハエの目レンズ 170 開口絞り 200 マスク 300 投影光学系 400 プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 527 515D

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つのプリズムからなる光学
    部材で、入射面から入射した光を前記光学部材内で内面
    反射させ、出射面において所定の光強度分布に変換する
    ことを特徴とする光学部材。
  2. 【請求項2】 入射光を出射面において所定の光強度分
    布に変換する光学部材であって、 前記入射光を反射する第1の反射部を備えた第1のプリ
    ズムと、 前記第1の反射部によって反射された光を反射して、出
    射面から外部に光が射出するよう偏向する第2の反射部
    を備えた第2のプリズムとを備え、 前記第1及び第2のプリズムがプリズムの間に空隙を介
    して配置され、当該第1及び第2のプリズムの内面反射
    を利用して前記変換を行うことを特徴とする光学部材。
  3. 【請求項3】 入射光を出射面において所定の光強度分
    布に変換する光学部材であって、 前記入射光を反射する第1の反射部と、 前記第1の反射部によって反射された光を出射面から外
    部に反射する第2の反射部と、 前記第1の反射部が形成された第1のプリズムと、 当該第1のプリズムと空隙を隔てて相対的に移動可能で
    あって、前記第2の反射部が形成された第2のプリズム
    とを有し、 前記第1及び第2のプリズムの内面反射を利用して前記
    変換を行い、 前記第1及び第2のプリズムの相対的な位置によって異
    なる光強度分布を形成することを特徴とする光学部材。
  4. 【請求項4】 前記所定の光強度分布が輪帯状であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載
    の光学部材。
  5. 【請求項5】 前記光学部材は、 第1の円柱から当該第1の円柱の底面と共通の底面を有
    する第1の円錐を取り除いた形状を有する第1のプリズ
    ムと、 2つの同心円で囲まれた断面を有するように、第2の円
    柱から前記第1の円柱と略同一の形状を取り除いた形状
    を有し、前記第1のプリズムを収納する第2のプリズム
    と、 第2の円錐から前記第2の円柱と略同一の形状を取り除
    いた形状を有し、前記第1及び第2のプリズムを収納す
    る第3のプリズムからなることを特徴とする請求項1記
    載の光学部材。
  6. 【請求項6】 前記所定の光強度分布が直交する二つの
    直線に対して、線対称である4つの領域であることを特
    徴とする請求項1記載の光学部材。
  7. 【請求項7】 前記光学部材は、直方体から四角錐を取
    り除いた形のプリズムと、4つの直方体プリズムと、4
    つの三角柱プリズムとを組み合わせた9つのプリズムか
    らなることを特徴とする請求項1記載の光学部材。
  8. 【請求項8】 光源から出射した光束を用いて被照明面
    を照明する照明装置であって、 前記光源と前記被照明面との間に配置され、前記光束を
    均一化するライトインテグレータと、 前記光源と前記ライトインテグレータとの間に配置さ
    れ、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の光学部材
    を有することを特徴とする照明装置。
  9. 【請求項9】 前記光学部材の前記出射面と前記ライト
    インテグレータの入射面はほぼ共役又は同位置であるこ
    とを特徴とする請求項8記載の照明装置。
  10. 【請求項10】 各々異なる前記所定の光強度分布を有
    する前記光学部材を複数搭載した保持部を更に有し、前
    記被照明面に応じて所望の光学部材を選択することがで
    きるように構成されたことを特徴とする請求項8記載の
    照明装置。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至10のうちいずれか一項
    記載の照明装置と、 前記被照明面としてのマスクに形成されたパターンを被
    処理体に投影する投影光学系とを有することを特徴とす
    る露光装置。
  12. 【請求項12】 光源からの光を用いてマスクを照明
    し、マスク上のパターンを投影光学系を用いて、基板上
    に投影する露光装置において、前記投影光学系の瞳と、
    請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の光学部材の射
    出面とが略共役、若しくはほぼ同位置であることを特徴
    とする露光装置。
  13. 【請求項13】 光源からの光をハエノ目レンズに入射
    させ、ハエノ目レンズの出射面を2次光源として、マス
    ク面をケーラー照明法により略均一に照明し、前記マス
    ク上のパターンを投影光学系を用いて基板上に投影する
    露光装置において、前記ハエノ目レンズの入射面と、請
    求項1乃至7のうちいずれか一項記載の光学部材の出射
    面がほぼ共役、若しくはほぼ同位置であることを特徴と
    する露光装置。
  14. 【請求項14】 請求項11乃至13記載のうちいずれ
    か一項記載の露光装置を用いて被処理体を投影露光する
    工程と、 前記投影露光された被処理体に所定のプロセスを行う工
    程とを有するデバイス製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項11乃至13記載のうちいずれ
    か一項記載の露光装置を用いて投影露光された被処理体
    より製造されるデバイス。
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