JP4307039B2 - 照明装置、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、照明光学系に関し、特に、半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などの被処理体を露光するのに使用される照明光学系の照明装置、及び露光装置に関する。本発明は、例えば、フォトリソグラフィ工程において半導体ウェハ用の単結晶基板をステップ・アンド・スキャン投影方式によって露光する露光装置用の照明装置に好適である。但し、本発明の照明装置の用途は露光装置に限定されず、写真製版、投影検査、映写機、プロジェクタなどの光学機器に広く適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
LSIや超LSI等の極微細パターンから形成される半導体素子の製造工程において、高解像力と高スループット化の可能な露光装置として、レチクル又はマスク(本出願ではこれらの用語を交換可能に使用する)に描画された回路パターンを投影光学系によって感光剤が塗布されたウェハ等に縮小投影して回路パターンを焼付け形成する縮小投影露光装置が従来から使用されている。
【0003】
近年の半導体素子における実装密度の向上に伴い、パターンのより一層の微細化が要求され、レジストプロセスの発展と共に投影露光装置に対しても微細化への対応が望まれている。そこで、一般的に、投影光学系の開口数(NA)を大きくする方法や、露光波長を超高圧水銀ランプ(g線、i線)からエキシマレーザー(例えば、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザー)へと短波長化する方法によって投影露光装置の解像力を向上させることが行われている。
【0004】
実際の半導体素子の製造工程は、パターンの高解像が必要とされる場合とそうでない場合があるため、一般的に、開口径の異なる絞りを用いて照明光の開口数や投影光学系の開口数を制御することが行われている。従来の投影露光装置では、照明系内で照明光の開口数を変えるとレチクル面上の照度分布が変化してしまう傾向がある。この問題を解決するために、照度分布補正のためのフィルタをオプティカルインテグレータの後段に設置した投影露光装置が公開特許平成7年66121号公報に提案されている。
【0005】
図9は、公開特許平成7年66121号公報において提案されている投影露光装置1000の概略構成図である。投影露光装置1000は、光源としての発光管1010に紫外線及び遠紫外線等を放射する高輝度の発光部を有し、かかる発光部を楕円鏡1020の第1焦点近傍に配置させている。発光部からの発光光は、コールドミラー1030により大部分の紫外線を光学系1040へと反射させオプティカルインテグレータ1050の入射面に集光する。そして、オプティカルインテグレータ1050からの照明光は、集光レンズ1080で集光され、更にミラー1090で光路を折り返され、結像レンズ1100によりレチクル1110を照明し、レチクル1110上のパターンが投影光学系1120によりウェハ1130上に結像される。
【0006】
ここで、投影露光装置1000は、オプティカルインテグレータ1050の射出側に複数の絞り付きフィルタ1060aをターレット式に配置させた絞り付きフィルタ機構1060を設けている。絞り付きフィルタ1060aは、入射角度の違いによって透過率が異なるようなコーティングを施した光学素子に絞りを一体化して構成している。アークチュエータ1070により絞り付きフィルタ機構1060を回動させ、任意の絞り付きフィルタ1060aが光路中に位置するようにしている。
【0007】
投影露光装置1000は、このような絞り付きフィルタ機構1060を用いることにより、集光レンズ1080に入射する光束を種々と変えて、ウェハ1130上における照明光の照度分布が最適になるように制御している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
可干渉性が殆どない、若しくは可干渉距離が短い照明光を発光する光源(例えば、図9に示すような水銀ランプ)を利用する投影露光装置では、入射面と射出面が厳密に平行な平板ガラスで構成されるフィルタを用いても特に問題はない。しかし、エキシマレーザーのような可干渉性のある照明光を発光する光源を利用する投影露光装置において、オプティカルインテグレータの射出側に入射面と射出面が厳密に平行な平板ガラスで構成されるフィルタを用いる場合、以下のような問題が発生する。
【0009】
入射面1200aには反射防止膜を施し、射出面1200bには透過率を制御するために、ある程度の反射率を有する誘電体多層膜を施したフィルタ1200をオプティカルインテグレータ1050の射出側に配置させると、図10に示すように、オプティカルインテグレータ1050からの照明光は、フィルタ1200の入射面1200a及び射出面1200bで多重反射を起こす。ここで、初期透過光線Aとフィルタ1200の入射面1200a及び射出面1200bで反射した後の透過光線Bとの光路長差が可干渉距離よりも小さく、即ち、フィルタ1200の光路長が可干渉距離の半分以下で完全に平行に近い場合に、オプティカルインテグレータ1050を構成する各微小レンズ位置から同一角度で射出された初期透過光線Aと透過光線Bの光線の光路長差が揃う。そして、オプティカルインテグレータ1050の射出面の各点から射出された初期透過光線Aと透過光線Bの2光束は、被照射面上において波面の曲率が微少に異なり、ウェハ面上において同心円状の干渉縞を形成させる。通常、露光装置照明系の場合、オプティカルインテグレータ1050から同一角度で射出した光線は、被照射面でほぼ同一の位置に照射されるため、オプティカルインテグレータ1050各点からの初期透過光線Aと透過光線Bの光路長差が揃っていた場合、この干渉縞が打ち消し合わないことになる。かかる干渉縞がパターン結像性能劣化の原因となる。ここで、図10は、フィルタ1200における多重反射を示す概略模式図である。
【0010】
可干渉距離Sは、照明光の波長をλ、照明光のスペクトル半値幅をΔλとした時、一般的に、以下の数式1で表される。
【0011】
【数1】
【0012】
露光装置に光源として使用するエキシマレーザーの場合、波長はλ=0.157nm乃至0.248nm程度、スペクトル半値幅は一般的にΔλ=0.2pm乃至0.6pm程度であるから、この場合、可干渉距離はS=41.1mm乃至307.5mmとなる。
【0013】
平行平面板の媒質の屈折率をn、平行平面板の厚さをdとした時、平行平面板の入射面から射出面までの光路長はndである。エキシマレーザーを光源に利用する露光装置に用いられる透過性光学平面板の材質は石英か蛍石が一般的であり、n=1.4〜1.6程度である。nd≦S/2となった場合、顕著な干渉縞が発生するので、フィルタ1200の厚みを大きくして干渉性を無くすためには、10mm〜100mm程度の厚みが必要となる。最近の露光装置では、要求するスペクトル半値幅はより狭くなってきており、フィルタ1200の厚みとしては最低でも数十mm程度必要となってしまう。従来の投影露光装置においては、一般的に、数mm程度の平行平面板をフィルタに用いるため、かかるフィルタをオプティカルインテグレータの射出側に用いると、ウェハ面上に無視できないレベルの光強度の同心円状の干渉縞を形成する可能性が高い。
【0014】
フィルタ1200の硝材内部透過率を100%、誘電体多層膜の吸収を0%として、入射面1200aの反射率をR1[%]、射出面1200bの反射率をR2[%]とした時、初期透過光線Aの透過率T[A]及び入射面1200a及び射出面1200bで反射した後の透過光線Bの透過率T[B]は以下の数式2で表される。
【0015】
【数2】
【0016】
例えば、入射面1200aの反射率Rが0.2%で、射出面1200bの反射率が10%の場合、初期透過光線Aの透過率T[A]は89.82%で、入射面1200a及び射出面1200bで反射した後の透過光線Bの透過率T[B]は0.018%になるから、初期透過光線Aの強度を100%に規格化すれば、入射面1200a及び射出面1200bで反射した後の透過光線Bの透過率は0.02%になる。従って、初期透過光線Aの振幅を10とすると、入射面1200a及び射出面1200bで反射した後の透過光線Bの振幅は0.141となる。よって、完全干渉の場合の強度は、最大値で102.84、最小値で97.20となるから、干渉縞のビジビリティは±2.8%となる。近年の投影露光装置による微細化パターン結像においては、露光光の照度ムラは±0.2%以下を要求されている。従って、入射光の光強度を100%とした時の入射面1200aの反射率R1[%]と射出面1200bの反射率R2[%]の積が0.01以上の時に、この干渉縞現象が問題となる。
【0017】
通常、フィルタ1200のような薄い平行平面板を製作する場合、両面ラップ研磨によってその平行度が保証され、目標を完全な平行とした場合には、0.5秒以内の角度精度で加工され得る。この場合、図10に示す初期透過光線Aの光路長差と入射面1200a及び射出面1200bで反射した後の透過光線Bの光路長差との差分は、任意の2つの微小レンズ間において波長の4分の1以下になり、2つの光路長が殆ど揃ってしまう状態になる。従って、ウェハ上には同心円状の干渉縞が顕著に発生する。照明光の開口数が投影光学系のそれよりもかなり小さい小コヒーレンシーσ照明や極端な変形照明のように、オプティカルインテグレータを構成する各微小レンズのうち少ない個数で照明するような場合には、この現象がより顕著になり、レチクルパターンをウェハ上に結像する結像性能を劣化させる。
【0018】
そこで、本発明は、照度分布補正のための透過型光学平面板を導入した場合でも、被照明面における同心円状の干渉縞の強度を結像性能に影響の無いレベルに軽減させ、有効照明範囲内の照度分布をより均一にすることができる照明装置を提供することを例示的目的とする。
【0019】
また、本発明は、被照明面を均一で照明する照明装置を使用して高品質の半導体、LCD、CCD、薄膜磁気ヘッドなどのデバイスを所望のスループットで露光する露光装置を提供することを別の例示的目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての照明装置は、光源から射出した可干渉性を有する照明光を用いて被照明面を照明する照明装置であって、前記照明光が入射するオプティカルインテグレータと、前記オプティカルインテグレータより前記被照射面側に配置され、前記被照明面における照明範囲内の照度分布を補正する照度分布補正板とを有し、前記照度分布補正板は入射面から射出面までの光路長が前記照明光の可干渉距離の半分以下、且つ、前記照明光が入射する際の前記入射面の反射率(%)と前記射出面の反射率(%)との積が0.01以上であり、前記入射面と前記射出面との成す角度をθ、前記光源からの照明光の波長をλ、前記照明光の最小幅をW、前記入射面から前記射出面までの屈折率をnとする時、2nWtanθ≧λ、又は、θ≧3秒、を満足し、かつ、θ≦30分、を満足する。かかる照明装置によれば、可干渉性を有する照明光を用いても、照度分布補正板の両面(即ち、入射面と射出面)での多重反射により被照明面に発生する干渉縞の光強度を小さくすることができる。この場合、前記照明光の最小幅Wは、前記複数光源形成手段を構成する任意の微小レンズから射出される各微小レンズ射出面での光束の最小幅である。前記干渉距離をS、前記照明光のスペクトル半値幅をΔλとした時、S=λ×λ/Δλ、である。前記光源から射出される前記照明光は、エキシマレーザーであってもよい。前記照度分布補正板は、光軸に垂直な平面に対して傾け可能である。前記照度分布補正板は、光軸の周りに回転可能である。
【0021】
本発明の別の側面としての露光装置は、上述の照明装置と、レチクル又はマスクに形成されたパターンを被処理体に投影する光学系とを有する。かかる露光装置によれば、上述した照明装置を構成要素の一部に有し、被処理体上に形成される干渉縞を低減し、優れた結像性能を発揮することができる。
【0022】
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を投影露光するステップと、前記投影露光された被処理体に所定のプロセスを行うステップとを有する。上述の露光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、例えば、LSIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0023】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての照明装置100及び露光装置200について説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定するものではなく、本発明の目的が達成される範囲において、各構成要素が代替的に置換されてもよい。例えば、本発明の照明装置100及び露光装置200は、光源にエキシマレーザーを使用しているが、必ずしもこれに限定する必要はなく、水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
ここで、図1は、本発明の一側面としての露光装置200の例示的一形態を示す概略ブロック図である。露光装置200は、図1に示すように、回路パターンが形成されたレチクル210を照明する照明装置100と、照明されたマスクパターンから生じる回折光をプレート230に投影する投影光学系220とを有する。
【0026】
露光装置200は、例えば、ステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式でレチクル210に形成された回路パターンをプレート230に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」は、マスクに対してウェハを連続的にスキャンしてマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」は、ウェハのショットの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法であり、もちろん「ステップ・アンド・リピート方式」の露光装置に本発明を適用してもよい。
【0027】
照明装置100は、転写用パターンが形成されたレチクル210を照明し、光源部110と、照明光学系120とを有する。照明装置100は、オプティカルインテグレータ122を構成する微小レンズ122aからの射出光束の最小幅Wと、照度分布補正のための透過型光学平面板130の入射面と射出面との成す角度θ及び材質の屈折率nに関して適切な関係で設定して、透過型光学平面板130を導入している。
【0028】
光源部110は、光源としてレーザーを使用する。レーザーは、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができるが、レーザーの種類はエキシマレーザーに限定さえず、例えば、YAGレーザーを使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されない。
【0029】
照明光学系120は、レチクル210を照明する光学系であり、ビーム整形光学系121と、オプティカルインテグレータ122と、第1の光学系123と、マスキングブレード124と、第2の光学系125と、透過型光学平面板130とを有する。
【0030】
ビーム整形光学系121は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダ等を使用することができ、光源部110からの光束の断面形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換する(例えば、断面形状を長方形から正方形にするなど)ことによりビーム形状を所望のものに成形する。ビーム整形光学系121は、後述するオプティカルインテグレータ122を照明するのに必要な大きさと発散角を持つ光束を形成する。
【0031】
オプティカルインテグレータ122は、光源110と被照明面(即ち、レチクル210面)との間に配置され、レチクル210に照明される照明光を均一化する。オプティカルインテグレータ122は、本実施形態では、任意の微小レンズから構成され、ビーム整形光学系121から射出した光束を多数の部分光束に分割し複数の有効光源(2次光源)を形成する複数光源形成手段として機能する。微小レンズは、例えば、透明光学部材の両側を平面とシリンドリカル面で構成したものを組み合わせている。
【0032】
第1の光学系123は、オプティカルインテグレータ122射出面近傍に形成された2次光源像をマスキングブレード124に重畳照射してその面を均一に照明する。
【0033】
マスキングブレード124は、被照明面(即ち、レチクル210面)の照明範囲を画定する。マスキングブレード124は、例えば、開口形状を可変とするスリットであって(視野絞りと称する場合もある)、第1の光学系123の集点を含み、光軸に直交する平面の近傍に配置される。
【0034】
第2の光学系125は、例えば、コンデンサーレンズなどの結像レンズで構成され、マスキングブレード124の開口形状をレチクル210面に転写し、レチクル210面上の必要な領域を均一に照明する。
【0035】
照明装置100において、光源部110から射出した照射光は、ビーム整形光学系121を介して所定のビーム形状に整形された後、複数の微小レンズを二次元的に配列させた複数光源形成手段としてのオプティカルインテグレータ122に入射する。オプティカルインテグレータ122からの照射光は、第1の光学系123により集光される。第1の光学系123からの照射光は、マスキングブレード124を介して第2の光学系125により、レチクル210のパターン面を照射する。
【0036】
以下、本発明による、可干渉性を有する光であるエキシマレーザーを用いる照明装置100において、照明光学系120内のオプティカルインテグレータ122と第1の光学系123との間に配置される照度分布補正のための透過型光学平面板130について説明する。
【0037】
図2は、オプティカルインテグレータ122から射出する光束のうち、射出角αと射出角α´の2つの光束に対応する被照明面上の照明位置との関係を示す概略模式図である。図2を参照するに、射出角αと射出角α´の時の光束は被照明面Tの光軸を通る位置から距離YとY´の位置を照明する。ここでαが小さい時に、以下の数式3で表わされる近似式が成立している。
【0038】
【数3】
【0039】
従って、オプティカルインテグレータ122からの射出光側に、透過率において光入射角度依存性のある照度分布補正のための透過型光学平面板130を配置させれば、被照明面T上において像高依存性のある照度分布を付加することが出来る。即ち、被照明面Tの中央部と周辺部について相対的に光強度を調整することができる。
【0040】
本実施形態において、照度分布補正のための透過型光学平面板130は、例えば、照度分布補正面132には、研磨面に透過率において光入射角度依存性のある誘電体多層膜を施し、垂直方向からの入射光の反射率は10%で透過率は90%、そして、垂直方向より10°の角度を成す入射光の反射率は9%で透過率は91%にしている。
【0041】
更に、透過型光学平面板130の反射防止面134には、研磨面において一般的な反射防止膜を施し、垂直方向からの入射光の反射率は0.2%で透過率は99.8%にしている。従って、透過型光学平面板130への垂直方向からの入射光の透過率と垂直方向より10°の角度を成す入射光の透過率とは1%の透過率差がある。かかる透過型光学平面板130により、周辺照度低下1%の場合の照度分布補正を行うことができる。
【0042】
反射防止面134と照度分布補正面132は、どちらの面が光線入射側となっても構わない。
【0043】
ところが、このような透過型光学平面板130が照明光学系120内にある場合、照度分布補正面132の反射率(%)と反射防止面134の反射率(%)との積は、軸上で2.0そして軸外で1.8となる。従って、上述したように、初期透過光線と入射面130aと射出面130bの両面で反射した後の透過光線の光路長差が揃う場合には、プレート230面上において同心円状の干渉縞を形成させる。
【0044】
ここで、図3を参照して、オプティカルインテグレータ122の中央部の微小レンズ122aからの射出光の干渉性について考える。図3は、オプティカルインテグレータ122の微小レンズ122aと透過型光学平面板130における光線状況を示す概略断面図である。オプティカルインテグレータ122の中央部の微小レンズ122aからの出射光束のうち、上側の最軸外主光線Cと、下側の最軸外主光線Dについて、各光線が透過型光学平面板130に入射してから以降の透過光線を初期透過光線C1及びD1とする。そして、各光線が透過型光学平面板130に入射してから射出面130bと入射面130aを反射した後に透過型光学平面板130を透過していく光線を、両面反射後の透過光線C2及びD2とする。
【0045】
ここで、初期透過光線C1と両面反射後の透過光線C2、及び初期透過光線D1と両面反射後の透過光線D2の光路長差をそれぞれA及びBとし、上述した同心円状の干渉縞の強度は、A=Bの時に最大で、|A−B|の値が大きくなるにつれて徐々に小さくなる傾向があり、mを自然数とした時、|A−B|=mλの時に極小、|A−B|=(m+1/2)λの近傍で極大となり、極大値の絶対値を小さくさせながら極大と極小を繰り返す。この時の、光路長差の差分|A−B|と干渉縞の相対強度の関係を図4に示す。同図は、横軸に光路長差の差分を、縦軸に干渉縞の相対強度を採用している。
【0046】
図4を参照するに、光路長差の差分|A−B|の値がλ以上であれば、干渉縞の強度を最悪でも4分の1以下にすることができる。従って、本実施形態の透過型光学平面板130を、オプティカルインテグレータ122の射出光側に配置させた時に、プレート230上に生じる同心円状の干渉縞の強度を、4分の1以下程度に軽減させるためには、以下の数式4で表わされる条件を満足させていれば良い。
【0047】
【数4】
【0048】
オプティカルインテグレータ122を構成する1つの微小レンズ122aからの射出光束の、上側の最軸外主光線Cと下側の最軸外主光線Dとの間隔を、微小レンズ122aからの射出光束の最小幅Wとして、透過型光学平面板130の屈折率をn、照度分布補正面132と反射防止面134との成す角をθとすれば、初期透過光線C1の光路長L[C1]、初期透過光線D1の光路長L[D1]、透過型光学平面板130の両面反射後の透過光線C2の光路長L[C2]、及び、両面反射後の透過光線D2の光路長L[D2]は、それぞれ以下の数式5で表わされる。
【0049】
【数5】
【0050】
よって、初期透過光線C1と両面反射後の透過光線C2の光路長差A及び初期透過光線D1と両面反射後の透過光線D2の光路長差Bは、それぞれ以下の数式6で表わされる。
【0051】
【数6】
【0052】
ゆえに、光路長差の差分|A−B|は、以下の数式7で表わされる近似式となる。
【0053】
【数7】
【0054】
但し、数式7は、有効数字を上2桁として、tanθtan2θ≦0.01の時、即ち、θ≦4°の時に成立する。
【0055】
従って、かかる数式7と上述した数式4より、以下に示す数式8を満足していれば、本発明の目的を達成させることができる。
【0056】
【数8】
【0057】
本実施形態では、発振波長λが248nmのエキシマレーザーを光源に用い、透過型光学平面板130の材質を石英としているので、透過型光学平面板130の屈折率nは1.51である。ここで、オプティカルインテグレータ122を構成する1つの微小レンズ122aからの出射光束の最小幅Wが1mmである時、θ≧1.2°にすれば、数式8を満足し、干渉縞の強度を小さくすることが出来る。
【0058】
次に、照明装置100の変形例である照明装置100Aを説明する。照明装置100Aは、オプティカルインテグレータ122の射出側に開口絞り126を配置し、かかる開口絞り126の最小径と、照度分布補正のための透過型光学平面板130Aの入射面と射出面との成す角度θ、及び透過型光学平面板130Aの材質の屈折率nに関して適切な関係で設定する。更に、照明装置100Aは、照度分布補正のための透過型光学平面板130Aの入射面と射出面の傾斜方向と、オプティカルインテグレータ122を構成する複数の微小レンズ122aの配列方向との成す角度を適切に設定する透過型光学平面板130Aを導入している。本実施形態は、開口絞り126のより小さな小コヒーレンシーσ照明モードで使用される場合に最適な条件にした例である。
【0059】
光源部110に用いるエキシマレーザーの発振波長λを248nm、透過型光学平面板130Aの材質は石英に選べば、透過型光学平面板130Aの屈折率nは1.51である。また、オプティカルインテグレータ122の後段にある開口絞り126の最大径を150mm程度以内、最小径Φは30mm程度で使用するのが一般的である。
【0060】
従って、透過型光学平面板130Aの照度分布補正面132と反射防止面134の成す角度θを3秒以上に設定して、最小径Φが30mmの間隔で離れている2つの微小レンズからの照射光について、光路長差の差分2nΦtanθを計算すれば以下の数式9に表わされる。
【0061】
【数9】
【0062】
従って、照度分布補正面132aと反射防止面132bの成す角度θを3秒以上に設定すれば、全てのコヒーレンシーσ値の照明モードで、より効果的に本発明の目的を達成させることができる。
【0063】
ところで、図5に示すように、オプティカルインテグレータ122を構成する複数の微小レンズ122aは格子状に配列されている。図5は、照明装置100Aの要部概略図であって、オプティカルインテグレータ122と開口絞り126の関係を示す概略平面図である。従って、2nΦtanθ≧λ、となる場合でも、開口絞り126の最小径126aの中心を通り、E方向に沿って配列する微小レンズ122aの中心122bのうち、隣接する2つの中心を通る光線において、照明装置100で説明した光路長差の差分|A−B|が全て(m+1/2)λとなり干渉縞を打ち消し合わない場合がある。
【0064】
このような場合には、照度分布補正のための透過型光学平面板130を図5に示すFの方向に光軸周りに回転させて設定すれば、隣接する2つの微小レンズ122aにおける中心122b間の光路長差の差分を、(m+1/2)λから外すことができる。そうすれば、干渉縞の強度を弱めることができる。
【0065】
以上に説明したように、光軸に垂直な方向から見た時に、オプティカルインテグレータ122を構成する複数の微小レンズ122aの配列方向と、透過型光学平面板130Aの入射面に対する射出面の傾斜方向とを適切な角度で設定すれば、更に効果的に本発明の目的を達成させることができる。
【0066】
次に、照明装置100の更に別の変形例である照明装置100Bを説明する。照明装置100Bは、照度分布補正のために、4つの平面で構成される透過型光学平面板130Bを用いる。本実施形態の透過型光学平面板130Bは、図6に示すように、共に両平面の成す角度θが等しい第1の透過型光学平面板136と第2の透過型光学平面板138で構成している。図6は、照明装置100の更に別の変形例である照明装置100Bを構成する透過型光学平面板130Bを示す概略断面図である。
【0067】
第1の透過型光学平面板136は、入射光側において上述した反射防止面136b、射出光側において照度分布補正面136aを、両面の傾角θで光軸に対してほぼ垂直に配置している。
【0068】
そして、第2の透過型光学平面板138の両面は、共に上述した反射防止面138bとし、第1の透過型光学平面板136の射出光側に、照度分布補正面136aを挟む2つの反射防止面138bがその延長上で交差し、各透過型光学平面板136及び138の入射面と射出面との成す角度と等しい傾角θで対向するように第2の透過性光学平面板138を配置させている。
【0069】
以上のような構成により、照明装置100Bは、第1の透過型光学平面板136により発生したメリジオナル光線に対するサジタル光線の平行度の崩れを、第2の透過型光学平面板138によりキャンセルさせることができる。従って、照度分布補正のための透過型光学平面板136及び138を用いたことによって、第1の光学系123による照射光において、有効光源の歪みを新たに発生させることが無いという効果がある。
【0070】
ここで、発振波長λが157nmのエキシマレーザーを光源部110に用い、透過型光学平面板136及び138の入射面と射出面との成す角度を30分にする。また、透過型光学平面板136及び138の材質を蛍石とすれば、その屈折率nは1.56である。更に、オプティカルインテグレータ122を構成する微小レンズ122aの配列のピッチHを3mm、各微小レンズ122aからの射出光束の最小幅Wを2mm程度としている。
【0071】
従って、第1の透過型光学平面板136の両面からの反射による干渉の程度を調べるには、上述した光路長差の差分|A−B|を計算してみればよい。上述の数式7より|A−B|は以下に示す数式10の値になる。
【0072】
【数10】
【0073】
従って、数式10に示す|A−B|は、上述した数式8を満足している。
【0074】
次に、第1の透過型光学平面板136の射出面と第2の透過型光学平面板138の入射面の両面反射による干渉の程度を調べる。第1の透過性光学平面板136と第2の透過型光学平面板138に挟まれた媒質は空気であるから、その屈折率nは1である。従って、光路長差の差分|A−B|は、上述の数式7より以下に示す数式11の値になる。
【0075】
【数11】
【0076】
よって、本実施形態の透過型光学平面板において、第1の透過型光学平面板136の照度分布補正面136aと反射防止面136b、及び第1の透過型光学平面板136の射出面と第2の透過型光学平面板138の入射面に関わる多重反射光は、発明の目的を達成するための、上述した数式8を満足させている。
【0077】
従って、本実施形態で説明したように、2つの透過型光学平面板136及び138を照明装置100Bに適切な構成で配置させれば、第1の透過型光学平面板136を形成する2つの面の成す角θを大きく設定しても、照射光における有効光源に歪みを生じさせること無く、良好な照度分布補正を行わせることができる。
【0078】
上記実施例(図6)では、第1の透過型光学平面板136の射出面と、第2の透過型光学平面板138の射出面を共に光軸に垂直としている例を示しているが、必ずしもその必要はなく、第1の透過型光学平面板136、第2の透過型光学平面板138のそれぞれの入射面、射出面の相対傾角がほぼ同一であり、その傾き方向が光軸に対して互いに180度回転した位置であれば構わない。もちろんその際にも、初期透過光線Aと、照度分布補正面136aとその他の面により反射して照射面に向かう透過光線Bの光路長差が、各位置において揃わないことが重要である。
【0079】
本発明の照明装置100及び照明装置100Aに用いた照度分布補正のための透過型光学平面板130及び透過型光学平面板130Aは、装置に取り付ける時に、楔角による照射領域のシフト量を少なくしておく方が望ましい。そのためには、入射面と射出面との成す角度を30分以下に設定すると良い。
【0080】
更に、取り付け角度設定誤差による透過率の角度依存効果の非対称性を調整するために、照度分布補正のための透過型光学平面板130、透過型光学平面板130A及び透過型光学平面板130Bは、光軸に垂直な面に対して傾け可能であることがより望ましい。
【0081】
また、本発明の照明装置100及び照明装置100Aに用いた照度分布補正のための透過型光学平面板130及び透過型光学平面板130Aは、装置に取り付ける時に、楔角の方向の違いによって生じる照射領域のシフト方向を一方向に揃える方が望ましい。そのためには、照度分布補正のための130及び透過型光学平面板130Aは、光軸の周りに回転可能にしておくと良い。
【0082】
なお、照度分布補正のための透過型光学平面板130、透過型光学平面板130A及び透過型光学平面板130Bの入射面および射出面は、何れも平面で説明しているが、入射面と射出面がゆるい曲率を持つ同Rのメニスカスレンズ形状の場合にも適用することができる。
【0083】
また、本発明に係る照度分布補正のための透過型光学平面板は従来例で説明した絞り付きフィルタ1060aのように絞りと一体でも良いし、別に絞りを設けて構成しても良い。
【0084】
また、上記複数の実施例においては、照度分布補正面と反射防止面の反射について記載したが、必ずしもこの限りではなく、可干渉距離の1/2以内の間隔で配置された2つの面の相対角度が上記実施例の条件を満たしていれば良い。
【0085】
また、2つの面が可干渉距離の1/2以内の間隔で配置され、オプティカルインテグレータ各点から同一角度で射出された光線の初期透過光線Aと透過光線Bの光路長差のばらつきが、被照射面に形成される干渉縞を打ち消し合わないレベルであっても、2面の反射率の積が0.01以下になる構成とすれば良い。
【0086】
再び、図1に戻って、レチクル210は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル210から発せられた回折光は投影光学系220を通りプレート230上に投影される。プレート230は被処理体でありレジストが塗布されている。レチクル210とプレート230とは共役の関係に配置される。露光装置200は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクル210とプレート230を走査することによりマスクパターンをプレート230上に縮小投影する。
【0087】
投影光学系220は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正の必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
【0088】
プレート230は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板その他の被処理体(被露光体)を広く含む。プレート230には、フォトレジストが塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前処理は洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexamethyl−disilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プリベークはベーキング(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0089】
プレートステージ235は、プレート230を支持する。プレートステージ235は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、プレートステージ235はリニアモータを利用してXY方向にプレート230を移動することができる。レチクル210とプレート230は、例えば、同期走査され、プレートステージ235と図示しないレチクルステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。プレートステージ235は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ及び投影光学系220は、例えば、鏡筒定盤は床等に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0090】
露光において、光源部110から発せられた光束は、照明光学系120によりレチクル210をケーラー照明により均一に照明する。レチクル210を通過して回路パターンを反映する光は投影光学系220によりプレート230に結像される。
【0091】
照明装置100を使用する露光装置200は、被照明面における同心円状の干渉縞の強度を結像性能に影響の無いレベルに軽減させ、有効照明範囲内の照度分布をより均一にすることができるため、レジストへのパターン転写を高精度に行って高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0092】
次に、図7及び図8を参照して、露光装置200を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図7は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。そうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0093】
図8は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置200を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0095】
【発明の効果】
本発明の照明装置によれば、照明光学系に導入するオプティカルインテグレータと透過型光学平面板において、諸条件を適切に設定することにより、エキシマレーザーのように可干渉性のある照射光を発光する光源を利用し、照明光学系の中に照度分布補正のための透過型光学平面板を導入しても、被照明面上の照射光に有害な干渉縞を発生させること無く、有効照明範囲内の照度分布を均一にすることができる。従って、レチクル上の回路パターンがより微細化しても、縮小投影パターンの相似性をより維持しながら被処理体上に焼付露光することのできる投影露光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一側面としての露光装置の例示的一形態を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示すオプティカルインテグレータから射出する射出角の異なる2つの光束に対応する被照明面上の照明位置との関係を示す概略模式図である。
【図3】 図1に示すオプティカルインテグレータの微小レンズと透過型光学平面板における光線状況を示す概略断面図である。
【図4】 光路長差の差分と干渉縞の相対強度の関係を示すグラフである。
【図5】 図1に示す照明装置の変形例である照明装置の要部を示す概略平面図である。
【図6】 図1に示す照明装置の更に別の変形例である照明装置を構成する透過型光学平面板を示す概略断面図である。
【図7】 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
【図8】 図7に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【図9】 従来の投影露光装置の概略構成図である。
【図10】 図9に示すフィルタにおける多重反射を示す概略模式図である。
【符号の説明】
100 照明装置
110 光源部
120 照明光学系
121 ビーム整形光学系
122 オプティカルインテグレータ
123 第1の光学系
124 マスキングブレード
125 第2の光学系
130 透過型光学平面板
200 露光装置
210 レチクル
220 投影光学系
230 プレート
Claims (8)
- 光源から射出した可干渉性を有する照明光を用いて被照明面を照明する照明装置であって、
前記照明光が入射するオプティカルインテグレータと、
前記オプティカルインテグレータより前記被照射面側に配置され、前記被照明面における照明範囲内の照度分布を補正する照度分布補正板とを有し、
前記照度分布補正板は入射面から射出面までの光路長が前記照明光の可干渉距離の半分以下、且つ、前記照明光が入射する際の前記入射面の反射率(%)と前記射出面の反射率(%)との積が0.01以上であり、
前記入射面と前記射出面との成す角度をθ、前記光源からの照明光の波長をλ、前記照明光の最小幅をW、前記入射面から前記射出面までの屈折率をnとする時、2nWtanθ≧λ、又は、θ≧3秒、を満足し、かつ、θ≦30分、を満足する照明装置。 - 前記照明光の最小幅Wは、前記オプティカルインテグレータを構成する任意の微小レンズから射出される光束の最小幅である請求項1記載の照明装置。
- 前記干渉距離をS、前記照明光のスペクトル半値幅をΔλとした時、S=λ×λ/Δλである請求項1記載の照明装置。
- 前記光源から射出される前記照明光は、エキシマレーザーである請求項1記載の照明装置。
- 前記照度分布補正板は、光軸に垂直な平面に対して傾け可能である請求項1記載の照明装置。
- 前記照度分布補正板は、光軸の周りに回転可能である請求項1記載の照明装置。
- 請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の照明装置と、
レチクル又はマスクに形成されたパターンを被処理体に投影する光学系とを有する露光装置。 - 請求項7記載の露光装置を用いて被処理体を投影露光するステップと、
前記投影露光された被処理体に所定のプロセスを行うステップとを有するデバイス製造方法。
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