JP4415223B2 - 照明光学装置および該照明光学装置を備えた露光装置 - Google Patents

照明光学装置および該照明光学装置を備えた露光装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は照明光学装置および該照明光学装置を備えた露光装置に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、または薄膜磁気ヘッド等のデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に好適な照明光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束がフライアイレンズに入射し、その後側焦点面に多数の光源像からなる二次光源を形成する。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された後、コンデンサレンズに入射する。開口絞りは、所望の照明条件(露光条件)に応じて、二次光源の形状または大きさを所望の形状または大きさに制限する。
【0003】
コンデンサレンズにより集光された光束は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を介してウエハ上に結像する。こうして、ウエハ上には、マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウエハ上に正確に転写するにはウエハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】
近年においては、フライアイレンズの射出側に配置された開口絞りの開口部(光透過部)の大きさを変化させることにより、フライアイレンズにより形成される二次光源の大きさを変化させて、照明のコヒーレンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、あるいはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入射側開口数)を変化させる技術が注目されている。また、フライアイレンズの射出側に配置された開口絞りの開口部の形状を輪帯状や四つ穴状(すなわち4極状)に設定することにより、フライアイレンズにより形成される二次光源の形状を輪帯状や4極状に制限して、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来技術では、二次光源の形状を輪帯状や4極状に制限して変形照明(輪帯変形照明や4極変形照明)を行うために、フライアイレンズにより形成された比較的大きな二次光源からの光束を輪帯状や4極状の開口部を有する開口絞りによって制限している。換言すると、従来技術における輪帯変形照明や4極変形照明では、二次光源からの光束の相当部分が開口絞りで遮蔽され、照明(露光)に寄与することがない。その結果、開口絞りにおける光量損失により、マスクおよびウエハ上での照度が低下し、露光装置としてのスループットも低下するという不都合があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ輪帯照明や4極照明のような変形照明を行うことのできる照明光学装置および該照明光学装置を備えた露光装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1にかかる本発明では、所定のパターンを有するマスクを照明するための照明光学装置において、
光束を供給するための光源手段と、
前記光源手段からの光束を、基準光軸に対して複数の角度成分を有する光束に変換して、第1の所定面へ入射させる角度光束形成手段と、
前記第1の所定面を介した前記複数の角度成分を有する光束に基づいて、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を第2の所定面上に形成するための光束形状変換手段と、
前記第2の所定面を経た前記光束を受けて、前記光強度分布と同傾向を有する光強度分布の二次光源を形成するオプティカルインテグレータと、
該オプティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導くための導光光学系と、
を備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
【0008】
なお、請求項1にかかる本発明においては、以下の(1)〜(18)の何れかの構成とすることが好ましい。
(1)前記角度光束形成手段は、前記第1の所定面へ入射する前記光束の前記複数の角度成分を変化させることが好ましい。
(2)前記第1の所定面へ入射する前記光束は、全体として収斂光束であることが好ましい。
(3)前記角度光束形成手段は、前記光源手段からのほぼ平行な光束を、前記基準光軸に対して様々な角度で発散する光束に変換するための発散光束形成素子と、前記発散光束形成素子を介して形成された発散光束を集光して前記第1の所定面へ導くための第1光学系と、を有することが好ましい。
【0009】
(4)上記(3)の構成において、前記第1光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の所定面とを光学的に共役にすることが好ましい。
(5)上記(3)または(4)の構成において、前記第1光学系は、変倍光学系を有することが好ましい。
(6)上記(5)の構成において、前記変倍光学系は、前記第1の所定面へ入射する前記光束の前記複数の角度成分を変化させることが好ましい。
(7)上記(3)〜(6)の何れかの構成において、前記第1光学系の瞳面における光強度分布は、ほぼ一様であることが好ましい。
(8)上記(5)の構成において、前記変倍光学系は、前記二次光源として形成される輪帯状の光源または複数の光源の中心高さを変化させることなくその幅を変化させることが好ましい。
【0010】
(9)上記(3)〜(8)の何れかの構成において、前記発散光束形成素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成されることが好ましい。
(10)上記(3)〜(9)の何れかの構成において、前記発散光束形成素子は、前記光源手段からの光束を波面分割することが好ましい。
(11)請求項1の構成において、前記発散光束形成素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成されたマイクロレンズアレイを有し、前記第1光学系は、前記二次光源として形成される輪帯状の光源または複数の光源の中心高さを変化させることなくその幅を変化させるための第1変倍光学系を有することが好ましい。
(12)上記(11)の構成において、前記第1変倍光学系は、前記マイクロレンズアレイの焦点面と前記第1の所定面とを光学的に共役に結ぶアフォーカルズームレンズを有することが好ましい。
【0011】
(13)請求項1または上記(1)〜(12)の何れかの構成において、前記光束形状変換手段は、前記第1の所定面近傍に配置された光束変換素子と、該光束変換素子からの光束を前記第2の所定面へ導く第2光学系とを有することが好ましい。
(14)上記(13)の構成において、前記第2光学系は、変倍光学系を有することが好ましい。
(15)上記(13)または(14)の構成において、前記光束変換素子は、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を形成することが好ましく、前記第2光学系は、前記ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に形成される前記光強度分布を前記第2の所定面上に形成させることが好ましい。
【0012】
(16)上記(13)〜(15)の何れかの構成において、前記光束変換素子は、照明光路に対して挿脱自在に設けられることが好ましい。
(17)請求項1または上記(1)〜(12)の何れかの構成において、前記光束形状変換手段は、前記第1の所定面に入射する細い光束を、放射状に発散するリング状の光束または複数の光束に変換するための光束変換素子と、前記光束変換素子を介して形成されたリング状の光束または複数の光束に基づいて、前記オプティカルインテグレータの入射面に輪帯状の照野または前記基準光軸に対して偏心した複数の照野を形成するための第2光学系と、を有することが好ましい。
(18)上記(17)の構成において、前記光束変換素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成され且つ前記第1の所定面に回折面が位置決めされた回折光学素子を有し、前記第2光学系は、前記二次光源として形成される輪帯状の光源または複数の光源の輪帯比を変化させることなくその外径を変化させるための第2変倍光学系を有することが好ましい。
【0013】
また、請求項2にかかる本発明では、所定のパターンを有するマスクを照明するための照明光学装置において、
略平行光束を供給するための光源手段と、
該光源手段からの前記略平行光束を、基準光軸に対して複数の角度成分を有する発散光束に変換するための発散光束形成素子と、
前記発散光束を集光して第1の所定面へ導くための第1光学系と、
前記第1の所定面近傍に配置された光束変換素子と、
該光束変換素子からの光束を第2の所定面へ導くための第2光学系と、
前記第2の所定面を経た前記光束を受けて所定の光強度分布の二次光源を形成するオプティカルインテグレータと、
該オプティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導くための導光光学系と、
を備え、
前記第1及び第2光学系は、第1及び第2変倍光学系を有し、
前記光束変換素子及び前記第2光学系は、前記第1光学系からの光束に基づいて、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を前記第2の所定面上に形成することを特徴とする照明光学装置を提供する。
【0014】
なお、請求項2にかかる本発明においては、以下の(19)〜(25)の何れかの構成とすることが好ましい。
(19)請求項2の構成において、前記発散光束形成素子は、前記光源手段からの前記略平行光束を波面分割することが好ましい。
(20)請求項2または上記(19)の構成において、前記第1の所定面へ導かれる光束は、全体として収斂光束であることが好ましい。
【0015】
(21)請求項2または上記(19)〜(20)の何れかの構成において、前記第1光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の所定面とを光学的に共役にすることが好ましい。
(22)請求項2または上記(19)〜(21)の何れかの構成において、前記光束変換素子は、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を形成することが好ましく、前記第2光学系は、前記ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に形成される前記光強度分布を前記第2の所定面上に形成させることが好ましい。
【0016】
(23)請求項2または上記(19)〜(22)の構成の何れかにおいて、前記第1光学系は、前記第1の所定面へ入射する前記光束の前記複数の角度成分を変化させることが好ましい。
(24)請求項2または上記(19)〜(22)の構成の何れかにおいて、前記第1変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布の中心高さを変化させることなく、その幅を変化させることが好ましい。
(25)請求項2または上記(19)〜(23)の構成の何れかにおいて、前記第2変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布における前記基準光軸から内側までの距離と前記基準光軸から外側までの距離の比を一定に維持しつつ、前記基準光軸から前記外側までの距離を変更することが好ましい。
【0017】
さらに、請求項3にかかる本発明では、所定のパターンを有するマスクを照明するための照明光学装置において、
略平行光束を供給するための光源手段と、
該光源手段からの前記略平行光束を、基準光軸に対して複数の角度成分を有する発散光束に変換するための発散光束形成素子と、
前記発散光束を集光して第1の所定面へ導くための第1光学系と、
前記第1の所定面近傍に配置された光束変換素子と、
該光束変換素子からの光束を第2の所定面へ導くための第2光学系と、
前記第2の所定面を経た前記光束を受けて所定の光強度分布の二次光源を形成するオプティカルインテグレータと、
該オプティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導くための導光光学系と、
を備え、
前記第1光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の所定面とを光学的に共役にし、
前記光束変換素子及び前記第2光学系は、前記第1光学系からの光束に基づいて、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を前記第2の所定面上に形成することを特徴とする照明光学装置を提供する。
【0018】
なお、請求項3にかかる第3発明においては、以下の(26)〜(33)の何れかの構成とすることが好ましい。
(26)請求項3の構成において、前記第1光学系は第1変倍光学系を有することが好ましい。
(27)上記(26)の構成において、前記第1変倍光学系はアフォーカルズームレンズを有することが好ましい。
【0019】
(28)上記(26)または(27)の構成において、前記第1変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布の中心高さを変化させることなく、その幅を変化させることが好ましい。
(29)請求項3、上記(26)〜(28)の何れかの構成において、前記第1光学系の瞳面における光強度分布はほぼ一様であることが好ましい。
(30)請求項3、上記(26)〜(29)の何れかの構成において、前記第2光学系は第2変倍光学系を有することが好ましい。
(31)上記(30)の構成において、前記第2変倍系は、前記光束変換素子と前記第2の所定面とを実質的にフーリエ変換の関係にすることが好ましい。
【0020】
(32)請求項3または上記(26)〜(31)の構成の何れかにおいて、前記第2変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布における前記基準光軸から内側までの距離と前記基準光軸から外側までの距離の比を一定に維持しつつ、前記基準光軸から前記外側までの距離を変更することが好ましい。
(33)請求項3または上記(26)〜(32)の構成の何れかにおいて、前記光束変換素子は、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を形成することが好ましく、前記第2光学系は、前記ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に形成される前記光強度分布を前記第2の所定面上に形成させることが好ましい。
【0021】
また、請求項1、2または3、並びに上記(1)〜(33)の構成の何れかにかかる本発明においては、以下の(34)〜(35)の何れかの構成とすることが好ましい。
(34)請求項1、2または3、並びに上記(1)〜(33)の構成の何れかにおいて、前記オプティカルインテグレータの入射面を前記第2の所定面に位置決めすることが好ましい。
(35)請求項1、2または3、並びに上記(1)〜(34)の構成の何れかにおいて、前記導光光学系は、前記二次光源からの光束を集光して第3の所定面を重畳的に照明するコンデンサ群と、前記マスク上に前記第3の所定面の像を結像させるリレー群とを有することが好ましい。
【0022】
また、本発明は、マスク上のパターンを感光性基板上に転写するための露光装置であって、請求項1、2または3、並びに上記(1)〜(35)の構成の何れかにかかる照明光学装置と、前記パターンを前記感光性基板上に転写するための投影光学系とを備えるものである。
上記露光装置においては、前記マスクのパターンに関する情報に基づいて、前記発散光束形成素子、前記第1変倍光学系、前記光束変換素子、および前記第2変倍光学系のうちの少なくとも1つを制御するための制御手段をさらに備えていることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、マスク上のパターンを感光性基板上に転写するための露光方法であって、請求項1、2または3、並びに上記(1)〜(35)の構成の何れかにかかる照明光学装置により前記マスクを照明し、照明された前記パターンを前記感光性基板上に転写するものである。
上記露光方法においては、前記マスクのパターンに関する情報に基づいて、前記発散光束形成素子、前記第1変倍光学系、前記光束変換素子、および前記第2変倍光学系のうちの少なくとも1つを制御することが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の典型的な実施形態では、光源手段とオプティカルインテグレータとの間の光路中に、角度光束形成手段と光束形状変換手段とが配置されている。具体的には、角度光束形成手段は、光源手段からのほぼ平行な光束を、基準光軸に対して様々な角度で発散する光束に変換するためのマイクロレンズアレイのような発散光束形成素子と、マイクロレンズアレイを介して形成された発散光束を集光して、後述する光束変換素子としての回折光学素子の回折面へ導くためのアフォーカルズームレンズのような光学系とから構成されている。したがって、光源手段からのほぼ平行な光束は、マイクロレンズアレイおよびアフォーカルズームレンズを介した後、基準光軸に対して複数の角度成分を有する光束となって回折光学素子へ入射する。
【0025】
一方、光束形状変換手段は、入射する細い光束を、放射状に発散するリング状の光束または複数の光束に変換するための回折光学素子のような光束変換素子と、回折光学素子を介して形成されたリング状の光束または複数の光束に基づいて、フライアイレンズのようなオプティカルインテグレータの入射面に輪帯状の照野または基準光軸に対して偏心した複数の照野を形成するためのズームレンズのような光学系とから構成されている。一般に、基準光軸に対して偏心した複数の照野または二次光源とは、たとえば2極状または多重極状(3極状、4極状、・・、8極状、・・)の照野または二次光源を意味するが、以下の説明では例示的に4極状の照野または二次光源が形成されるものとして説明する。
【0026】
こうして、マイクロレンズアレイおよびアフォーカルズームレンズからなる角度光束形成手段と、回折光学素子およびズームレンズからなる光束形状変換手段との作用により、フライアイレンズの入射面には輪帯状の照野または4極状の照野が形成される。その結果、フライアイレンズの後側焦点面には、同じく輪帯状または4極状の二次光源が形成される。このようにフライアイレンズにより形成された輪帯状または4極状の二次光源からの光束は、二次光源の大きさおよび形状に応じた開口部を有する開口絞りによって制限された後に被照射面であるマスクを重畳的に照明する。
【0027】
このように、本発明では、光源手段からの光束に基づいて、ほとんど光量損失することなく、輪帯状または4極状の二次光源を形成することができる。その結果、二次光源からの光束を制限する開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ、輪帯変形照明や4極変形照明を行うことができる。なお、マイクロレンズアレイを照明光路から退避させることにより光量損失を良好に抑えつつ通常の円形照明を行うことができることはいうまでもない。
【0028】
また、本発明では、アフォーカルズームレンズの倍率を変化させることにより、輪帯状または4極状の二次光源の外径および輪帯比をともに変更することができる。さらに、ズームレンズの焦点距離を変化させることにより、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。その結果、アフォーカルズームレンズの倍率とズームレンズの焦点距離とを適宜変化させることにより、輪帯状または4極状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
【0029】
以上のように、本発明の照明光学装置では、二次光源を制限する開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ、輪帯変形照明や4極変形照明のような変形照明および通常円形照明を行うことができる。加えて、アフォーカルズームレンズの倍率を変化させたりズームレンズの焦点距離を変化させるという簡単な操作により、開口絞りでの光量損失を良好に抑えつつ変形照明のパラメータ(制限された二次光源の大きさおよび形状)を変化させることができる。
【0030】
したがって、本発明の照明光学装置を組み込んだ露光装置では、変形照明の種類およびパラメータを適宜変化させて、露光投影すべき微細パターンに適した投影光学系の解像度および焦点深度を得ることができる。その結果、高い露光照度および良好な露光条件のもとで、スループットの高い良好な投影露光を行うことができる。また、本発明の照明光学装置を用いて被照射面上に配置されたマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光方法では、良好な露光条件のもとで投影露光を行うことができるので、良好なデバイスを製造することができる。
【0031】
本発明の実施例を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
図1において、感光性基板であるウエハ13の法線方向に沿ってZ軸を、ウエハ面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウエハ面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。なお、図1では、照明光学装置が輪帯照明を行うように設定されている。
【0032】
図1の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1として、たとえば248nmまたは193nmの波長の光を供給するエキシマレーザー光源を備えている。光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行な光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のシリンドリカルレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダー2に入射する。各シリンドリカルレンズ2aおよび2bは、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有し、光軸AXを含んで紙面と直交する面内(XZ平面内)において平行平面板として機能する。したがって、ビームエキスパンダー2に入射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。
【0033】
整形光学系としてのビームエキスパンダー2を介したほぼ平行な光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、輪帯変形照明用のマイクロレンズアレイ4に入射する。マイクロレンズアレイ4は、図1および図2に示すように、稠密に且つ縦横に配列された多数の正六角形状の正屈折力を有するマイクロレンズ(微小レンズ)4aからなる光学素子である。一般に、マイクロレンズアレイは、たとえば平行平面ガラス板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
【0034】
ここで、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロレンズアレイは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数のマイクロレンズが互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズエレメントが縦横に配置されている点でマイクロレンズアレイはフライアイレンズと同じである。なお、図1および図2では、図面の明瞭化のために、マイクロレンズアレイ4を構成するマイクロレンズ4aの数を実際よりも非常に少なく設定している。
【0035】
したがって、マイクロレンズアレイ4に入射した光束は多数のマイクロレンズにより二次元的に分割され、各マイクロレンズの後側焦点面にはそれぞれ1つの光源像が形成される。マイクロレンズアレイ4の後側焦点面に形成された多数の光源像からの光束は、それぞれ正六角形状の断面を有する発散光束となって、アフォーカルズームレンズ5に入射する。このように、マイクロレンズアレイ4は、光源1からのほぼ平行な光束を光軸AXに対して様々な角度で発散する光束に変換するための発散光束形成素子を構成している。
【0036】
なお、マイクロレンズアレイ4は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40と切り換え可能に構成されている。4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40の構成および作用については後述する。また、アフォーカルズームレンズ5は、アフォーカル系(無焦点光学系)を維持しながら所定の範囲で倍率を連続的に変化させることができるように構成されている。
【0037】
ここで、輪帯変形照明用のマイクロレンズアレイ4と4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40との切り換え、および各マイクロレンズアレイ4および40の照明光路からの退避は、制御系21からの指令に基づいて動作する第1駆動系22により行われる。
また、アフォーカルズームレンズ5の倍率変化は、制御系21からの指令に基づいて動作する第2駆動系23により行われる。
【0038】
アフォーカルズームレンズ5を介した光束は、輪帯変形照明用の回折光学素子(DOE)6に入射する。このとき、マイクロレンズアレイ4の後側焦点面に形成された各光源像からの発散光束は、正六角形状の断面を維持したまま、回折光学素子6の回折面上に収束する。すなわち、アフォーカルズームレンズ5は、マイクロレンズアレイ4の後側焦点面と回折光学素子6の回折面とを光学的に共役に結んでいる。そして、回折光学素子6の回折面上の一点に集光する光束の開口数は、アフォーカルズームレンズ5の倍率に依存して変化する。
【0039】
一般に、回折光学素子は、ガラス基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的には、輪帯変形照明用の回折光学素子6は、図3(a)に示すように、光軸AXと平行に垂直入射した細い光束を、1つの所定の発散角にしたがって放射状に発散させる。換言すると、回折光学素子6に光軸AXに沿って垂直入射した細い光束は、光軸AXを中心として等角度であらゆる方向に沿って回折される。その結果、回折光学素子6に垂直入射した細い光束は、リング状の断面を有する発散光束に変換される。このように、回折光学素子6は、入射する細い光束を放射状に発散するリング状の光束に変換するための光束変換素子を構成している。
【0040】
したがって、図3(b)に示すように、回折光学素子6に対して太い平行光束が垂直入射すると、回折光学素子6の後方に配置されたレンズ31の焦点位置には、やはりリング状の像(リング状の光源像)32が形成される。すなわち、回折光学素子6は、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に、リング状の光強度分布を形成する。また、レンズ31は、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に形成されるリング状の光強度分布を、その後側焦点面上に形成させる。
【0041】
ここで、図3(c)に示すように、回折光学素子6に入射する太い平行光束を光軸AXに対して傾けると、レンズ31の焦点位置に形成されるリング状の像が移動する。すなわち、回折光学素子6に入射する太い平行光束が所定の面(図3では紙面)に沿って傾くと、レンズ31の焦点位置に形成されるリング状の像33は、その大きさを変化させることなく、その中心が所定の面に沿って光束の傾く向きとは反対の向きに移動する。
【0042】
上述したように、マイクロレンズアレイ4の後側焦点面に形成された各光源像からの発散光束は、正六角形状の断面を維持したまま、回折光学素子6の回折面上に収束する。換言すると、回折光学素子6には多数の角度成分を有する光束が入射するが、その入射角度は正六角錐体状の光束範囲によって規定される。したがって、図4(a)に示すように、回折光学素子6に垂直入射した光束が形成するリング状の像47(図中破線で示す)を中心として、正六角錐体状の光束範囲の各稜線に対応する最大角度で入射した光束がリング状の像41〜46(図中実線で示す)を形成することになる。図4(b)には、こうしてレンズ31の焦点位置に形成されるリング状の像41〜47を重ねた状態を示している。
【0043】
実際には、正六角錐体状の光束範囲によって規定される多数の角度成分を有する無限数の光束が回折光学素子6に入射するので、レンズ31の焦点位置には無限数のリング状の像が重ね合わされ、全体として図5に示すような輪帯状(円環状)の像が形成される。なお、図5では、図4よりも多いリング状の像の重ね合わせにより、レンズ31の焦点位置に重ね合わされる像が全体として輪帯状になることを示している。
【0044】
なお、回折光学素子6は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極変形照明用の回折光学素子60や通常円形照明用の回折光学素子61と切り換え可能に構成されている。4極変形照明用の回折光学素子60および通常円形照明用の回折光学素子61の構成および作用については後述する。ここで、輪帯変形照明用の回折光学素子6と4極変形照明用の回折光学素子60と通常円形照明用の回折光学素子61との間の切り換えは、制御系21からの指令に基づいて動作する第3駆動系24により行われる。
【0045】
再び図1を参照すると、回折光学素子6を介した光束は、ズームレンズ7に入射する。ここで、ズームレンズ7は、図3に示すレンズ31と同じ作用を有する。また、ズームレンズ7の後側焦点面の近傍には、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ8の入射面が位置決めされている。したがって、回折光学素子6を介した光束は、ズームレンズ7の後側焦点面に、ひいてはフライアイレンズ8の入射面に輪帯状の照野を形成する。この輪帯状の照野の外径は、ズームレンズ7の焦点距離に依存して変化する。このように、ズームレンズ7は、回折光学素子6とフライアイレンズ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係にしている。なお、ズームレンズ7の焦点距離の変化は、制御系21からの指令に基づいて動作する第4駆動系25により行われる。
【0046】
フライアイレンズ8は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントを稠密に且つ縦横に配列することによって構成されている。なお、フライアイレンズ8を構成する各レンズエレメントは、マスク上において形成すべき照野の形状(ひいてはウエハ上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ8を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0047】
したがって、フライアイレンズ8に入射した光束は多数のレンズエレメントにより二次元的に分割され、光束が入射した各レンズエレメントの後側焦点面には光源像がそれぞれ形成される。こうして、フライアイレンズ8の後側焦点面には、フライアイレンズ8への入射光束によって形成される照野と同じ輪帯状の多数光源(以下、「二次光源」という)が形成される。
フライアイレンズ8の後側焦点面に形成された輪帯状の二次光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り9に入射する。この開口絞り9は、光軸AXに平行な所定の軸線回りに回転可能なターレット(回転板:図1では不図示)上に支持されている。
【0048】
図6は、複数の開口絞りが円周状に配置されたターレットの構成を概略的に示す図である。
図6に示すように、ターレット基板400には、図中斜線で示す光透過域を有する8つの開口絞りが円周方向に沿って設けられている。ターレット基板400は、その中心点Oを通り光軸AXに平行な軸線回りに回転可能に構成されている。したがって、ターレット基板400を回転させることにより、8つの開口絞りから選択された1つの開口絞りを照明光路中に位置決めすることができる。なお、ターレット基板400の回転は、制御系21からの指令に基づいて動作する第5駆動系26により行われる。
【0049】
ターレット基板400には、輪帯比の異なる3つの輪帯開口絞り401、403および405が形成されている。ここで、輪帯開口絞り401は、r11/r21の輪帯比を有する輪帯状の透過領域を有する。輪帯開口絞り403は、r12/r22の輪帯比を有する輪帯状の透過領域を有する。輪帯開口絞り405は、r13/r21の輪帯比を有する輪帯状の透過領域を有する。
【0050】
また、ターレット基板400には、輪帯比の異なる3つの4極開口絞り402、404および406が形成されている。ここで、4極開口絞り402は、r11/r21の輪帯比を有する輪帯状領域内において4つの偏心した円形透過領域を有する。4極開口絞り404は、r12/r22の輪帯比を有する輪帯状領域内において4つの偏心した円形透過領域を有する。4極開口絞り406は、r13/r21の輪帯比を有する輪帯状領域内において4つの偏心した円形透過領域を有する。
さらに、ターレット基板400には、大きさ(口径)の異なる2つの円形開口絞り407および408が形成されている。ここで、円形開口絞り407は2r22の大きさの円形透過領域を有し、円形開口絞り408は2r21の大きさの円形透過領域を有する。
【0051】
したがって、3つの輪帯開口絞り401、403および405のうちの1つの輪帯開口絞りを選択して照明光路内に位置決めすることにより、3つの異なる輪帯比を有する輪帯光束を正確に制限(規定)して、輪帯比の異なる3種類の輪帯変形照明を行うことができる。また、3つの4極開口絞り402、404および406のうちの1つの4極開口絞りを選択して照明光路内に位置決めすることにより、3つの異なる輪帯比を有する4つの偏心光束を正確に制限して、輪帯比の異なる3種類の4極変形照明を行うことができる。さらに、2つの円形開口絞り407および408のうちの1つの円形開口絞りを選択して照明光路内に位置決めすることにより、σ値の異なる2種類の通常円形照明を行うことができる。
【0052】
図1では、フライアイレンズ8の後側焦点面に輪帯状の二次光源が形成されるので、開口絞り9として3つの輪帯開口絞り401、403および405から選択された1つの輪帯開口絞りが用いられている。ただし、図6に示すターレットの構成は例示的であって、配置される開口絞りの種類および数はこれに限定されることはない。また、ターレット方式の開口絞りに限定されることなく、光透過領域の大きさおよび形状を適宜変更することの可能な開口絞りを照明光路内に固定的に取り付けてもよい。さらに、2つの円形開口絞り407および408に代えて、円形開口径を連続的に変化させることのできる虹彩絞りを設けることもできる。
【0053】
輪帯状の開口部(光透過部)を有する開口絞り9を介した二次光源からの光は、導光光学系としてのコンデンサ光学系10の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスク11を重畳的に均一照明する。マスク11のパターンを透過した光束は、投影光学系12を介して、感光性基板であるウエハ13上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系12の光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウエハ13を二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウエハ13の各露光領域にはマスク11のパターンが逐次露光される。
【0054】
なお、一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、ウエハの各露光領域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場合、マスク11上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、フライアイレンズ8の各レンズエレメントの断面形状も正方形に近い矩形状となる。
一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクおよびウエハを投影光学系に対して相対移動させながらウエハの各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光する。この場合、マスク11上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ8の各レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0055】
図7は、マイクロレンズアレイ4からフライアイレンズ8の入射面までの構成を概略的に示す図であって、アフォーカルズームレンズ5の倍率およびズームレンズ7の焦点距離と、フライアイレンズ8の入射面に形成される輪帯状の照野の大きさおよび形状との関係を説明する図である。
図7において、マイクロレンズアレイ4の光軸AX上に配置されたマイクロレンズの中心に光軸AXに沿って入射した光線70は、光軸AXに沿って射出される。マイクロレンズアレイ4は、サイズ(正六角形に外接する円の直径に対応する寸法)がaで焦点距離がf1のマイクロレンズから構成されている。光線70は、アフォーカルズームレンズ5を介した後、光軸AXに沿って回折光学素子6に入射する。
【0056】
回折光学素子6は、光軸AXに沿って垂直入射した光線70に基づいて、光軸AXに対して角度θで射出される光線70aを形成する。回折光学素子6から角度θで射出された光線70aは、焦点距離f2のズームレンズ7を介してフライアイレンズ8の入射面に達する。このとき、フライアイレンズ8の入射面における光線70aの位置は、光軸AXからyの高さを有する。
一方、マイクロレンズアレイ4の光軸AX上に配置されたマイクロレンズの最上縁部に光軸AXと平行に入射した光線71は、光軸AXに対して角度tで射出される。この光線71は、倍率mのアフォーカルズームレンズ5を介した後、光軸AXに対して角度t’で回折光学素子6に入射する。
【0057】
光軸AXに対して角度t’で回折光学素子6に入射した光線71は、光軸AXに対して角度(θ+t’)で射出される光線71aを含む様々な光線に変換される。光軸AXに対して角度(θ+t’)で回折光学素子6から射出された光線71aは、ズームレンズ7を介して、フライアイレンズ8の入射面において光軸AXから(y+b)の高さに達する。
さらに、マイクロレンズアレイ4の光軸AX上に配置されたマイクロレンズの最下縁部に光軸AXと平行に入射した光線72は、光軸AXに対して角度tで射出される。この光線72は、アフォーカルズームレンズ5を介した後、光軸AXに対して角度t’で回折光学素子6に入射する。
【0058】
光軸AXに対して角度t’で回折光学素子6に入射した光線72は、光軸AXに対して角度(θ−t’)で射出される光線72a(不図示)を含む様々な光線に変換される。光軸AXに対して角度(θ−t’)で回折光学素子6から射出された光線72aは、ズームレンズ7を介して、フライアイレンズ8の入射面において光軸AXから(y−b)の高さに達する。
【0059】
こうして、マイクロレンズアレイ4の後側焦点面の近傍に形成された各光源像からの発散光束がフライアイレンズ8の入射面に達する範囲は、光軸AXからyの高さを中心として幅2bを有する範囲となる。すなわち、図7(b)に示すように、フライアイレンズ8の入射面に形成される輪帯状の照野、ひいてはフライアイレンズ8の後側焦点面に形成される輪帯状の二次光源は、光軸AXからの中心高さyを有し且つ幅2bを有することになる。
【0060】
ここで、マイクロレンズアレイ4からの射出角度tおよび回折光学素子6への入射角度t’は、次の式(1)および(2)で表される。
t=a/(2・f1) (1)
t’=t/m=a/(2・f1・m) (2)
また、輪帯状の二次光源の中心高さy、最高高さ(y+b)および最低高さ(y−b)は、次の式(3)〜(5)でそれぞれ表される。
y=f2・ sinθ (3)
y+b=f2( sinθ+sint’) (4)
y−b=f2( sinθ−sint’) (5)
【0061】
したがって、輪帯状の二次光源の内径φi と外径φo との比で規定される輪帯比Aは、次の式(6)で表される。
【数1】
Figure 0004415223
【0062】
また、輪帯状の二次光源の外径φo は、次の式(7)で表される。
【数2】
Figure 0004415223
【0063】
こうして、式(2)〜(6)を参照すると、アフォーカルズームレンズ5の倍率mが変化すると、輪帯状の二次光源の中心高さyが変化することなく、その幅2bだけが変化することがわかる。すなわち、アフォーカルズームレンズ5の倍率mを変化させることにより、輪帯状の二次光源の大きさ(外径φo )およびその形状(輪帯比A)をともに変更することができる。
【0064】
また、式(3)〜(7)を参照すると、ズームレンズ7の焦点距離f2が変化すると、輪帯状の二次光源の輪帯比Aが変化することなく、中心高さyおよびその幅2bがともに変化することがわかる。すなわち、ズームレンズ7の焦点距離f2を変化させることにより、輪帯状の二次光源の輪帯比Aを変更することなくその外径φo を変更することができる。
以上より、アフォーカルズームレンズ5の倍率mとズームレンズ7の焦点距離f2とを適宜変化させることにより、輪帯状の二次光源の外径φo を変化させることなくその輪帯比Aだけを変更することができる。
【0065】
このように、輪帯変形照明用のマイクロレンズアレイ4および回折光学素子6を用いる場合、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく輪帯状の二次光源を形成することができ、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞り9における光量損失を良好に抑えつつ輪帯変形照明を行うことができる。
【0066】
前述したように、マイクロレンズアレイ4は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40と切り換え可能に構成されている。また、回折光学素子6は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極変形照明用の回折光学素子60や通常円形照明用の回折光学素子61と切り換え可能に構成されている。
以下、マイクロレンズアレイ4に代えてマイクロレンズアレイ40を照明光路中に設定するとともに、回折光学素子6に代えて回折光学素子60を照明光路中に設定することによって得られる4極変形照明について説明する。
【0067】
マイクロレンズアレイ40は、図1および図8に示すように、稠密に且つ縦横に配列された多数の正方形状の正屈折力を有するマイクロレンズ40から構成されている。したがって、マイクロレンズアレイ40の後側焦点面には多数の光源像が形成されるが、各光源像からの光束はそれぞれ正方形状の断面を有する発散光束となってアフォーカルズームレンズ5に入射する。アフォーカルズームレンズ5を介した光束は、4極変形照明用の回折光学素子60に入射する。このとき、マイクロレンズアレイ40の後側焦点面に形成された各光源像からの発散光束は、正方形状の断面を維持したまま、回折光学素子60の回折面上に収束する。
【0068】
4極変形照明用の回折光学素子60は、図9(a)に示すように、光軸AXと平行に垂直入射した細い光束を、1つの所定の射出角にしたがって放射状に発散する4つの光束に変換する。換言すると、光軸AXに沿って垂直入射した細い光束は、光軸AXを中心として等角度で特定の4つの方向に沿って回折され、4つの細い光束となる。さらに詳細には、回折光学素子60に垂直入射した細い光束は4つの光束に変換され、回折光学素子60と平行な後方の面を通過する4つの光束の通過点を結ぶ四角形は正方形となり、その正方形の中心は回折光学素子60への入射軸線上に存在することになる。
【0069】
したがって、図9(b)に示すように、回折光学素子60に対して太い平行光束が垂直入射すると、回折光学素子60の後方に配置されたレンズ91の焦点位置には、やはり4つの点像(点状の光源像)92が形成される。ここで、図9(c)に示すように、回折光学素子60に入射する太い平行光束を光軸AXに対して傾けると、レンズ91の焦点位置に形成される4つの像が移動する。すなわち、回折光学素子60に入射する太い平行光束が所定の面に沿って傾くと、レンズ91の焦点位置に形成される4つの点像93は、所定の面に沿って光束の傾く向きとは反対の向きに移動する。
【0070】
上述したように、マイクロレンズアレイ40の後側焦点面に形成された各光源像からの発散光束は、正方形状の断面を維持したまま、回折光学素子60の回折面上に収束する。換言すると、回折光学素子60には多数の角度成分を有する光束が入射するが、その入射角度は正四角錐体状の光束範囲によって規定される。すなわち、正四角錐体状の光束範囲によって規定される多数の角度成分を有する無限数の光束が回折光学素子60に入射するので、レンズ91の焦点位置には無限数の点像が重ね合わされ、全体として図10に示すような4極状の像が形成される。したがって、回折光学素子60を介した光束は、ズームレンズ7の後側焦点面に、ひいてはフライアイレンズ8の入射面に4極状の照野を形成する。その結果、図11に示すように、フライアイレンズ8の後側焦点面にも、入射面に形成された照野と同じ4極状の二次光源が形成される。
【0071】
なお、マイクロレンズアレイ4からマイクロレンズアレイ40への切り換えおよび回折光学素子6から回折光学素子60への切り換えに対応して、輪帯開口絞り9から開口絞り9aへの切り換えが行われる。開口絞り9aは、3つの4極開口絞り402、404および406から選択された1つの4極開口絞りである。
このように、4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40および回折光学素子60を用いる場合も、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく4極状の二次光源を形成することができ、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞り9aにおける光量損失を良好に抑えつつ4極変形照明を行うことができる。
【0072】
なお、図11に示すように、4極状の二次光源の大きさおよび形状を輪帯状の二次光源と同様に定義することができる。この場合、マイクロレンズアレイ40を構成する各マイクロレンズのサイズaは、その断面形状である正方形に外接する円の直径に対応する寸法として定義される。こうして、輪帯変形照明の場合と同様に、アフォーカルズームレンズ5の倍率mを変化させることにより、4極状の二次光源の外径φo および輪帯比Aをともに変更することができる。また、ズームレンズ7の焦点距離f2を変化させることにより、4極状の二次光源の輪帯比Aを変更することなくその外径φo を変更することができる。その結果、アフォーカルズームレンズ5の倍率mとズームレンズ7の焦点距離f2とを適宜変化させることにより、4極状の二次光源の外径φo を変化させることなくその輪帯比Aだけを変更することができる。
【0073】
次いで、マイクロレンズアレイ4および40をともに照明光路から退避させるとともに、回折光学素子6または60に代えて円形照明用の回折光学素子61を照明光路中に設定することによって得られる通常円形照明について説明する。
この場合、アフォーカルズームレンズ5には光軸AXに沿って矩形状の断面を有する光束が入射する。アフォーカルズームレンズ5に入射した光束は、その倍率に応じて拡大または縮小され、矩形状の断面を有する光束のまま光軸AXに沿ってアフォーカルズームレンズ5から射出され、回折光学素子61に入射する。
【0074】
ここで、円形照明用の回折光学素子61は、入射した矩形状の光束を円形状の光束に変換する機能を有する。したがって、回折光学素子61により形成された円形光束は、ズームレンズ7を介して、フライアイレンズ8の入射面において光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。その結果、フライアイレンズ8の後側焦点面にも、光軸AXを中心とした円形状の二次光源が形成される。この場合、ズームレンズ7の焦点距離f2を変化させることにより、円形状の二次光源の外径を適宜変更することができる。
【0075】
なお、マイクロレンズアレイ4および40の照明光路からの退避と円形照明用の回折光学素子61の照明光路への設定とに対応して、輪帯開口絞り9または4極開口絞り9aから円形開口絞り9bへの切り換えが行われる。円形開口絞り9bは、2つの円形開口絞り407および408から選択された1つの円形開口絞りであり、円形状の二次光源に対応する大きさの開口部を有する。
このように、円錐プリズム4を照明光路から退避させることにより、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく円形状の二次光源を形成し、二次光源からの光束を制限する開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ通常円形照明を行うことができる。
【0076】
以下、本実施例における照明の切り換え動作などについて具体的に説明する。
まず、ステップ・アンド・リピート方式またはステップ・アンド・スキャン方式にしたがって順次露光すべき各種のマスクに関する情報などが、キーボードなどの入力手段20を介して制御系21に入力される。制御系21は、各種のマスクに関する最適な線幅(解像度)、焦点深度等の情報を内部のメモリー部に記憶しており、入力手段20からの入力に応答して第1駆動系22〜第5駆動系26に適当な制御信号を供給する。
【0077】
すなわち、最適な解像度および焦点深度のもとで輪帯変形照明する場合、第1駆動系22は制御系21からの指令に基づいて輪帯変形照明のマイクロレンズアレイ4を照明光路中に位置決めする。また、第3駆動系24は、制御系21からの指令に基づいて、輪帯変形照明用の回折光学素子6を照明光路中に位置決めする。そして、フライアイレンズ8の後側焦点面において所望の大きさ(外径)および輪帯比を有する輪帯状の二次光源を得るために、第2駆動系23は制御系21からの指令に基づいてアフォーカルズームレンズ5の倍率を設定し、第4駆動系25は制御系21からの指令に基づいてズームレンズ7の焦点距離を設定する。また、光量損失を良好に抑えた状態で輪帯状の二次光源を制限するために、第5駆動系26は制御系21からの指令に基づいてターレットを回転させ、所望の輪帯開口絞りを照明光路中に位置決めする。
こうして、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく輪帯状の二次光源を形成することができ、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞りにおいてほとんど光量損失することなく輪帯変形照明を行うことができる。
【0078】
さらに、必要に応じて、第2駆動系23によりアフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させたり、第4駆動系25によりズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、フライアイレンズ8の後側焦点面に形成される輪帯状の二次光源の大きさおよび輪帯比を適宜変更することができる。この場合、輪帯状の二次光源の大きさおよび輪帯比の変化に応じてターレットが回転し、所望の大きさおよび輪帯比を有する輪帯開口絞りが選択されて照明光路中に位置決めされる。
こうして、輪帯状の二次光源の形成およびその制限においてほとんど光量損失することなく、輪帯状の二次光源の大きさおよび輪帯比を適宜変化させて多様な輪帯変形照明を行うことができる。
【0079】
また、最適な解像度および焦点深度のもとで4極変形照明する場合、第1駆動系22は制御系21からの指令に基づいて4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40を照明光路中に位置決めする。また、第3駆動系24は、制御系21からの指令に基づいて、4極変形照明用の回折光学素子60を照明光路中に位置決めする。そして、フライアイレンズ8の後側焦点面において所望の大きさ(外径)および形状(輪帯比)を有する4極状の二次光源を得るために、第2駆動系23は制御系21からの指令に基づいてアフォーカルズームレンズ5の倍率を設定し、第4駆動系25は制御系21からの指令に基づいてズームレンズ7の焦点距離を設定する。また、光量損失を良好に抑えた状態で4極状の二次光源を制限するために、第5駆動系26は制御系21からの指令に基づいてターレットを回転させ、所望の4極開口絞りを照明光路中に位置決めする。
こうして、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく4極状の二次光源を形成することができ、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞りにおいて光量損失を良好に抑えつつ4極変形照明を行うことができる。
【0080】
さらに、必要に応じて、第2駆動系23によりアフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させたり、第4駆動系25によりズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、フライアイレンズ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源の大きさおよび形状を適宜変更することができる。この場合、4極状の二次光源の大きさおよび形状の変化に応じてターレットが回転し、所望の大きさおよび形状を有する4極開口絞りが選択されて照明光路中に位置決めされる。
こうして、4極状の二次光源の形成およびその制限において光量損失を良好に抑えた状態で、4極状の二次光源の大きさおよび形状を適宜変化させて多様な4極変形照明を行うことができる。
【0081】
さらに、最適な解像度および焦点深度のもとで通常の円形照明をする場合、第1駆動系22は制御系21からの指令に基づいてマイクロレンズアレイ4および40を照明光路から退避させる。また、第3駆動系24は、制御系21からの指令に基づいて、通常円形照明用の回折光学素子61を照明光路中に位置決めする。そして、フライアイレンズ8の後側焦点面において所望の大きさ(外径)を有する円形状の二次光源を得るために、第2駆動系23は制御系21からの指令に基づいてアフォーカルズームレンズ5の倍率を設定し、第4駆動系25が制御系21からの指令に基づいてズームレンズ7の焦点距離を設定する。また、光量損失を良好に抑えた状態で円形状の二次光源を制限するために、第5駆動系26は制御系21からの指令に基づいてターレットを回転させ、所望の円形開口絞りを照明光路中に位置決めする。なお、円形開口径を連続的に変化させることのできる虹彩絞りを用いる場合には、第5駆動系26は制御系21からの指令に基づいて虹彩絞りの開口径を設定する。
こうして、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく円形状の二次光源を形成することができ、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞りにおいて光量損失を良好に抑えつつ通常円形照明を行うことができる。
【0082】
さらに、必要に応じて、第4駆動系25によりズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、フライアイレンズ8の後側焦点面に形成される円形状の二次光源の大きさを適宜変更することができる。この場合、円形状の二次光源の大きさの変化に応じてターレットが回転し、所望の大きさの開口部を有する円形開口絞りが選択されて照明光路中に位置決めされる。
こうして、正方形状の二次光源の形成およびその制限において光量損失を良好に抑えつつ、σ値を適宜変化させて多様な通常円形照明を行うことができる。
【0083】
以上のように、上述の実施例では、二次光源を制限するための開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ、輪帯変形照明や4極変形照明のような変形照明および通常円形照明を行うことができる。加えて、アフォーカルズームレンズの倍率を変化させたりズームレンズの焦点距離を変化させるという簡単な操作により、開口絞りでの光量損失を良好に抑えつつ変形照明や通常円形照明のパラメータを変化させることができる。したがって、変形照明の種類およびパラメータを適宜変化させて、露光投影すべき微細パターンに適した投影光学系の解像度および焦点深度を得ることができる。その結果、高い露光照度および良好な露光条件のもとで、スループットの高い良好な投影露光を行うことができる。
【0084】
上述の実施例の露光装置による露光の工程(フォトリソグラフィ工程)を経たウエハは、現像する工程を経てから、現像したレジスト以外の部分を除去するエッチングの工程、エッチングの工程後の不要なレジストを除去するレジスト除去の工程等を経てウエハプロセスが終了する。そして、ウエハプロセスが終了すると、実際の組立工程にて、焼き付けられた回路毎にウエハを切断してチップ化するダイシング、各チップに配線等を付与するボンディング、各チップ毎にパッケージングするパッケージング等の各工程を経て、最終的にデバイスとしての半導体装置(LSI等)が製造される。
【0085】
なお、以上の説明では、投影露光装置を用いたウエハプロセスでのフォトリソグラフィ工程により半導体素子を製造する例を示したが、露光装置を用いたフォトリソグラフィ工程によって、デバイスとして、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)を製造することができる。
こうして、本発明の照明光学装置を用いてデバイスを製造する露光方法の場合、良好な露光条件のもとで投影露光を行うことができるので、良好なデバイスを製造することができる。
【0086】
なお、上述の実施例においては、発散光束形成素子としてのマイクロレンズアレイおよび光束変換素子としての回折光学素子を、たとえばターレット方式で照明光路中に位置決めするように構成することができる。また、たとえば公知のスライダ機構を利用して、上述のマイクロレンズアレイおよび回折光学素子の挿脱および切り替えを行うこともできる。
【0087】
また、上述の実施例では、輪帯変形照明用のマイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの形状を正六角形に設定している。これは、円形状のマイクロレンズでは、稠密に配列を行うことができず光量損失が発生するため、円形に近い多角形として正六角形を選定しているからである。しかしながら、輪帯変形照明用のマイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズの形状はこれに限定されることなく、他の適当な形状を用いることができる。同様に、4極変形照明用のマイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの形状を正方形に設定しているが、たとえば矩形状を含む他の適当な形状を用いることができる。
また、上述の実施例では、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの屈折力を正屈折力としているが、このマイクロレンズの屈折力は負であっても良い。
【0088】
さらに、上述の実施例では、アフォーカルズームレンズを用いているが、アフォーカルズームレンズに代えてフォーカルズームレンズを用い、マイクロレンズアレイの前方に矩形状の光束を円形の光束に変換するための回折光学素子を配置する構成も可能である。
また、上述の実施例では、1つのフライアイレンズを用いているが、2つのフライアイレンズを用いるダブルフライアイ方式に対しても本発明を適用することができる。
【0089】
さらに、上述の実施例では、通常の円形照明を行う際に回折光学素子61を照明光路中に位置決めしているが、この回折光学素子61の使用を省略することもできる。
【0090】
また、上述の実施例では、発散光束形成素子としてマイクロレンズアレイを用いているが、必要に応じて、たとえばフライアイレンズや回折光学素子などを用いることもできる。
さらに、上述の実施例では、光束変換素子として回折光学素子を用いているが、これに限定されることなく、たとえばマイクロレンズアレイやマイクロレンズプリズムのような屈折光学素子を用いることもできる。
ところで、本発明で利用することのできる回折光学素子に関する詳細な説明は、米国特許第5,850,300号公報などに開示されている。
【0091】
さらに、上述の実施例では、フライアイレンズの後側焦点面の近傍に、二次光源の光束を制限するための開口絞りを配置している。しかしながら、場合によっては、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントの断面積を十分小さく設定することにより、開口絞りの配置を省略して二次光源の光束を全く制限しない構成も可能である。
また、上述の実施例では、照明光学装置を備えた投影露光装置を例にとって本発明を説明したが、マスク以外の被照射面を均一照明するための一般的な照明光学装置に本発明を適用することができることは明らかである。
【0092】
なお、上述の実施形態においては、導光光学系としてのコンデンサレンズ10によって開口絞り9の位置に形成される二次光源からの光を集光して重畳的にマスク11を照明する構成としているが、コンデンサレンズ10とマスク11との間に、照明視野絞り(マスクブラインド)と、この照明視野絞りの像をマスク11上に形成するリレー光学系とを配置しても良い。この場合、導光光学系は、コンデンサレンズ10とリレー光学系とから構成され、コンデンサレンズ10は、開口絞り9の位置に形成される二次光源からの光を集光して重畳的に照明視野絞りを照明することになり、リレー光学系は、照明視野絞りの開口部の像をマスク11上に形成することになる。
【0093】
また、上述の実施形態においては、オプティカルインテグレータとして波面分割型インテグレータであるフライアイレンズ8を用いたが、オプティカルインテグレータとして内面反射型のロッド型インテグレータを用いる場合には、第2光学系としてのズームレンズ7よりもマスク11側の光学系を以下のように構成すれば良い。
すなわち、ズームレンズ7の下流側に集光光学系を追加し、光束変換素子としての回折光学素子6の共役面を形成する。そして、この共役面近傍に入射端が位置決めされるようにロッド型インテグレータを配置する。そして、このロッド型インテグレータの射出端面または射出端面近傍に配置される照明視野絞りの像をマスク11上に形成するリレー光学系を配置する。この構成の場合、第2の所定面はズームレンズ7と上記集光光学系との合成系の瞳面となり、二次光源はリレー光学系の瞳面に形成される(二次光源の虚像はロッド型インテグレータの入射端近傍に形成される)。この場合、ロッド型インテグレータからの光束をマスクへ導くためのリレー光学系が導光光学系となる。
【0094】
また、上述の実施形態では、基準光軸を含む領域または基準光軸の近傍の領域では弱く且つ基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布として、所定面上において照明光学装置の光軸を囲む輪帯状(ドーナッツ状)の領域で光強度が強くなるような光強度分布(輪帯状分布)、所定面上において照明光学装置の光軸の周りに実質的に等角度間隔で配置された4箇所の複数の領域で強度が強くなる強度分布(4極状分布)としたが、所定面上において照明光学装置の光軸の周りに実質的に等角度間隔で配置された4ヶ所以上の複数の領域で強度が強くなるような光強度分布(例えば8箇所の場合:8極状分布)でも良い。換言すると、上述の実施例では、4極状の二次光源を形成する例を示しているが、たとえば2極(2つ目)状の二次光源、あるいは8極(8つ目)状のような多重極状の二次光源を形成することもできる。
【0095】
また、上記実施形態においては、フライアイレンズ8を、複数の要素レンズを集積して形成しているが、これらをマイクロ・レンズ・アレイとすることも可能である。マイクロ・レンズ・アレイとは、光透過性基板にエッチングなどの手法により複数の微少レンズ面をマトリックス状に設けたものである。複数の光源像を形成する点に関して、フライアイレンズとマイクロ・レンズ・アレイとの間に機能上の差異は実質的には無いが、1つの要素レンズ(微少レンズ)の開口の大きさを極めて小さくできること、製造コストを大幅に削減できること、光軸方向の厚みを非常に薄くできることなどの点で、マイクロ・レンズ・アレイが有利である。
【0096】
さて、本実施例においては、光源としてKrFエキシマレーザ(波長:248nm)やArFエキシマレーザ(波長:193nm)等、波長が180nm以上の露光光を用いているため回折光学素子は例えば石英ガラスで形成することができる。
なお、露光光として200nm以下の波長を用いる場合には、回折光学素子を螢石、フッ素がドープされた石英ガラス、フッ素及び水素がドープされた石英ガラス、構造決定温度が1200K以下で且つOH基濃度が1000ppm以上である石英ガラス、構造決定温度が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017molecules/cm3以上である石英ガラス、構造決定温度が1200K以下でかつ塩素濃度が50ppm以下である石英ガラス、及び構造決定温度が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017molecules/cm3以上で且つ塩素濃度が50ppm以下である石英ガラスのグループから選択される材料で形成することが好ましい。
【0097】
なお、構造決定温度が1200K以下で且つOH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスについては、本願出願人による特許第2770224号公報に開示されており、構造決定温度が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017molecules/cm3以上である石英ガラス、構造決定温度が1200K以下でかつ塩素濃度が50ppm以下である石英ガラス、及び構造決定温度が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017molecules/cm3以上で且つ塩素濃度が50ppm以下である石英ガラスについては本願出願人による特許第2936138号公報に開示されている。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の照明光学装置では、二次光源を制限するための開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ、輪帯変形照明や4極変形照明のような変形照明および通常円形照明を行うことができる。加えて、アフォーカルズームレンズの倍率を変化させたりズームレンズの焦点距離を変化させるという簡単な操作により、開口絞りでの光量損失を良好に抑えつつ変形照明のパラメータを変化させることができる。
【0099】
したがって、本発明の照明光学装置を組み込んだ露光装置では、変形照明の種類およびパラメータを適宜変化させて、露光投影すべき微細パターンに適した投影光学系の解像度および焦点深度を得ることができる。その結果、高い露光照度および良好な露光条件のもとで、スループットの高い良好な投影露光を行うことができる。また、本発明の照明光学装置を用いて被照射面上に配置されたマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光方法では、良好な露光条件のもとで投影露光を行うことができるので、良好なデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】輪帯変形照明用のマイクロレンズアレイ4の構成を概略的に示す図である。
【図3】輪帯変形照明用の回折光学素子6の作用を説明する図である。
【図4】輪帯変形照明用の回折光学素子6の作用を説明する第2の図である。
【図5】フライアイレンズ8の入射面に形成される輪帯状の照野を示す図である。
【図6】複数の開口絞りが円周状に配置されたターレットの構成を概略的に示す図である。
【図7】マイクロレンズアレイ4からフライアイレンズ8の入射面までの構成を概略的に示す図であって、アフォーカルズームレンズ5の倍率およびズームレンズ7の焦点距離と、フライアイレンズ8の入射面に形成される輪帯状の照野の大きさおよび形状との関係を説明する図である。
【図8】4極変形照明用のマイクロレンズアレイ40の構成を概略的に示す図である。
【図9】輪帯変形照明用の回折光学素子60の作用を説明する図である。
【図10】フライアイレンズ8の入射面に形成される4極状の照野を示す図である。
【図11】フライアイレンズ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
4、40 マイクロレンズアレイ
5 アフォーカルズームレンズ
6、60,61 回折光学素子
7 ズームレンズ
8 フライアイレンズ
9 開口絞り
10 コンデンサ光学系
11 マスク
12 投影光学系
13 ウエハ
20 入力手段
21 制御系
22〜26 駆動系

Claims (40)

  1. 所定のパターンを有するマスクを照明するための照明光学装置において、
    光束を供給するための光源手段からの光束を、基準光軸に対して複数の角度成分を有する光束に変換して、第1の所定面へ入射させる角度光束形成手段と、
    前記第1の所定面を介した前記複数の角度成分を有する光束に基づいて、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を第2の所定面上に形成するための光束形状変換手段と、
    前記第2の所定面を経た前記光束を受けて、前記光強度分布と同傾向を有する光強度分布の二次光源を形成するオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導くための導光光学系と、を備え
    前記角度光束形成手段は、入射光束を発散光束に変換する発散光束形成素子と、該発散光束形成素子と前記第1の所定面とを共役にする第1光学系とを有し、
    前記光束形状変換手段は、前記基準光軸に沿って垂直入射した光線を前記基準光軸に対して所定の角度で射出する光束変換素子と、該光束変換素子からの光束を前記第2の所定面へ導く第2光学系とを有することを特徴とする照明光学装置。
  2. 前記角度光束形成手段は、前記第1の所定面へ入射する前記光束の前記複数の角度成分を変化させることを特徴とする請求項1に記載の照明光学装置。
  3. 前記第1の所定面へ入射する前記光束は、全体として収斂光束であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明光学装置。
  4. 前記発散光束形成素子は、前記光源手段からのほぼ平行な光束を、前記基準光軸に対して様々な角度で発散する光束に変換し、
    前記第1光学系は、前記発散光束形成素子を介して形成された発散光束を集光して前記第1の所定面へ導くことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  5. 前記第1光学系は、変倍光学系を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  6. 前記変倍光学系は、前記第1の所定面へ入射する前記光束の前記複数の角度成分を変化させることを特徴とする請求項5に記載の照明光学装置。
  7. 前記第1光学系の瞳面における光強度分布は、ほぼ一様であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  8. 前記変倍光学系は、前記二次光源として形成される輪帯状の光源または複数の光源の中心高さを変化させることなくその幅を変化させることを特徴とする請求項5に記載の照明光学装置。
  9. 前記発散光束形成素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  10. 前記発散光束形成素子は、前記光源手段からの光束を波面分割することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  11. 前記発散光束形成素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成されたマイクロレンズアレイを有し、
    前記第1光学系は、前記二次光源として形成される輪帯状の光源または複数の光源の中心高さを変化させることなくその幅を変化させるための第1変倍光学系を有することを特徴とする請求項4に記載の照明光学装置。
  12. 前記第1変倍光学系は、前記マイクロレンズアレイの焦点面と前記第1の所定面とを光学的に共役に結ぶアフォーカルズームレンズを有することを特徴とする請求項11に記載の照明光学装置。
  13. 前記光束変換素子は、前記第1の所定面近傍に配置されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  14. 前記第2光学系は、変倍光学系を有することを特徴とする請求項13に記載の照明光学装置。
  15. 前記光束変換素子は、ファーフィールドに、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を形成し、
    前記第2光学系は、前記ファーフィールドに形成される前記光強度分布を前記第2の所定面上に形成させることを特徴とする請求項13または14に記載の照明光学装置。
  16. 前記光束変換素子は、照明光路に対して挿脱自在に設けられることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  17. 前記光束形状変換手段は、前記第1の所定面に入射する細い光束を、放射状に発散するリング状の光束または複数の光束に変換するための光束変換素子と、
    前記光束変換素子を介して形成されたリング状の光束または複数の光束に基づいて、前記オプティカルインテグレータの入射面に輪帯状の照野または前記基準光軸に対して偏心した複数の照野を形成するための第2光学系と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  18. 前記光束変換素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成され且つ前記第1の所定面に回折面が位置決めされた回折光学素子を有し、
    前記第2光学系は、前記二次光源として形成される輪帯状の光源または複数の光源の輪帯比を変化させることなくその外径を変化させるための第2変倍光学系を有することを特徴とする請求項17に記載の照明光学装置。
  19. 所定のパターンを有するマスクを照明するための照明光学装置において、
    略平行光束を供給するための光源手段からの前記略平行光束を、基準光軸に対して複数の角度成分を有する発散光束に変換するための発散光束形成素子と、
    前記発散光束形成素子と第1の所定面とを光学的に共役に配置し、前記発散光束を集光して前記第1の所定面へ導くための第1光学系と、
    前記第1の所定面近傍に配置されて前記基準光軸に沿って垂直入射した光線を前記基準光軸に対して所定の角度で射出する光束変換素子と、
    該光束変換素子からの光束を第2の所定面へ導くための第2光学系と、
    前記第2の所定面を経た前記光束を受けて所定の光強度分布の二次光源を形成するオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導くための導光光学系と、を備え、
    前記第1及び第2光学系は、第1及び第2変倍光学系を有し、
    前記光束変換素子及び前記第2光学系は、前記第1光学系からの光束に基づいて、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を前記第2の所定面上に形成することを特徴とする照明光学装置。
  20. 前記発散光束形成素子は、前記光源手段からの前記略平行光束を波面分割することを特徴とする請求項19に記載の照明光学装置。
  21. 前記第1の所定面へ導かれる光束は、全体として収斂光束であることを特徴とする請求項19または20に記載の照明光学装置。
  22. 前記光束変換素子は、ファーフィールドに、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を形成し、
    前記第2光学系は、前記ファーフィールドに形成される前記光強度分布を前記第2の所定面上に形成させることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  23. 前記第1光学系は、前記第1の所定面へ入射する前記光束の前記複数の角度成分を変化させることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  24. 前記第1変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布の中心高さを変化させることなく、その幅を変化させることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  25. 前記第2変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布における前記基準光軸から内側までの距離と前記基準光軸から外側までの距離との比を一定に維持しつつ、前記基準光軸から前記外側までの距離を変更することを特徴とする請求項19乃至23のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  26. 所定のパターンを有するマスクを照明するための照明光学装置において、
    略平行光束を供給するための光源手段からの前記略平行光束を、基準光軸に対して複数の角度成分を有する発散光束に変換するための発散光束形成素子と、
    前記発散光束を集光して前記第1の所定面へ導くための第1光学系と、
    前記第1の所定面近傍に配置されて前記基準光軸に沿って垂直入射した光線を前記基準光軸に対して所定の角度で射出する光束変換素子と、
    該光束変換素子からの光束を第2の所定面へ導くための第2光学系と、
    前記第2の所定面を経た前記光束を受けて所定の光強度分布の二次光源を形成するオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導くための導光光学系と、を備え、
    前記第1光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の所定面とを光学的に共役にし、
    前記光束変換素子及び前記第2光学系は、前記第1光学系からの光束に基づいて、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を前記第2の所定面上に形成することを特徴とする照明光学装置。
  27. 前記第1光学系は第1変倍光学系を有することを特徴とする請求項26に記載の照明光学装置。
  28. 前記第1変倍光学系はアフォーカルズームレンズを有することを特徴とする請求項27に記載の照明光学装置。
  29. 前記第1変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布の中心高さを変化させることなく、その幅を変化させることを特徴とする請求項27または28に記載の照明光学装置。
  30. 前記第1光学系の瞳面における光強度分布はほぼ一様であることを特徴とする請求項26乃至29のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  31. 前記第2光学系は第2変倍光学系を有することを特徴とする請求項26乃至30のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  32. 前記第2変倍系は、前記光束変換素子と前記第2の所定面とを実質的にフーリエ変換の関係にすることを特徴とする請求項31に記載の照明光学装置。
  33. 前記第2変倍光学系は、前記第2の所定面上に形成される前記光強度分布における前記基準光軸から内側までの距離と前記基準光軸から外側までの距離との比を一定に維持しつつ、前記基準光軸から前記外側までの距離を変更することを特徴とする請求項26乃至32のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  34. 前記光束変換素子は、ファーフィールドに、前記基準光軸を含む領域または前記基準光軸の近傍の領域では弱く且つ前記基準光軸から離れた外周部では強くなるような光強度分布を形成し、
    前記第2光学系は、前記ファーフィールドに形成される前記光強度分布を前記第2の所定面上に形成させることを特徴とする請求項26乃至33のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  35. 前記オプティカルインテグレータの入射面を前記第2の所定面に位置決めすることを特徴とする請求項1乃至34のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  36. 前記導光光学系は、前記二次光源からの光束を集光して第3の所定面を重畳的に照明するコンデンサ群と、前記マスク上に前記第3の所定面の像を結像させるリレー群とを有することを特徴とする請求項1乃至35のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  37. 請求項1乃至36のいずれか1項に記載の照明光学装置と、前記マスクのパターンを感光性基板上へ投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置
  38. 前記マスクのパターンに関する情報に基づいて、前記発散光束形成素子、前記第1変倍光学系、前記光束変換素子、および前記第2変倍光学系のうちの少なくとも1つを制御するための制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項37に記載の露光装置
  39. マスク上のパターンを感光性基板上に転写するための露光方法であって、請求項1乃至36のいずれか1項に記載の照明光学装置により前記マスクを照明し、照明された前記パターンを前記感光性基板上に転写することを特徴とする露光方法
  40. 前記マスクのパターンに関する情報に基づいて、前記発散光束形成素子、前記第1変倍光学系、前記光束変換素子、および前記第2変倍光学系のうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項39に記載の露光方法
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