JP2002075835A - 照明光学装置および該照明光学装置を備えた露光装置 - Google Patents

照明光学装置および該照明光学装置を備えた露光装置

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JP2002075835A
JP2002075835A JP2000260468A JP2000260468A JP2002075835A JP 2002075835 A JP2002075835 A JP 2002075835A JP 2000260468 A JP2000260468 A JP 2000260468A JP 2000260468 A JP2000260468 A JP 2000260468A JP 2002075835 A JP2002075835 A JP 2002075835A
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illumination
light beam
optical
light
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Osamu Tanitsu
修 谷津
Yutaka Suenaga
豊 末永
Koichi Hiraga
康一 平賀
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Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクト化と良好な光学性能の確保とを両
立させることのできる照明光学装置。 【解決手段】 光源手段(1)からの光束に基づいて第
1多数光源を形成する第1オプティカルインテグレータ
(6,60)と、第1多数光源からの光束に基づいて第
2多数光源を形成する第2オプティカルインテグレータ
(8)とを備え、第2多数光源からの光束で被照射面
(11)を照明する。光源手段からの光束を所定の形状
の光束に変換する光束変換素子(4,40,41)と、
光束変換素子からの光束を集光して光軸(AX)に対し
てほぼ対称に斜め方向から第1オプティカルインテグレ
ータへ入射させる第1光学系(5)とを備えている。光
束変換素子からの射出光束の開口数が第1多数光源から
の光束の開口数よりも大きく設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は照明光学装置および
該照明光学装置を備えた露光装置に関し、特に半導体素
子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイ
クロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露
光装置に好適な照明光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の典型的な露光装置においては、
光源から射出された光束が、第1オプティカルインテグ
レータとしてのマイクロフライアイを介して、第1多数
光源を形成する。次いで、第1多数光源からの光束が、
第2オプティカルインテグレータとしてのフライアイレ
ンズを介して、第2多数光源すなわち二次光源を形成す
る。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦
点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された
後、コンデンサーレンズに入射する。
【0003】コンデンサーレンズにより集光された光束
は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明
する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を
介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、
マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マス
クに形成されたパターンは高集積化されており、この微
細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上に
おいて均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】近年においては、フライアイレンズの射出
側に配置された開口絞りの開口部(光透過部)の大きさ
を変化させることにより、フライアイレンズにより形成
される二次光源の大きさを変化させて、照明のコヒーレ
ンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、ある
いはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入
射側開口数)を変化させる技術が注目されている。ま
た、フライアイレンズの射出側に配置された開口絞りの
開口部の形状を輪帯状や四つ穴状(すなわち4極状)に
設定することにより、フライアイレンズにより形成され
る二次光源の形状を輪帯状や4極状に制限して、投影光
学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この場合、開口絞りに
おける光量損失を良好に回避しつつ二次光源の形状を輪
帯状や4極状に制限して変形照明(輪帯照明や4極照明
など)および通常の円形照明を行う照明光学装置を実現
しようとすると、構成が複雑化および大型化し易いだけ
でなく、場合によっては製造が現実的に不可能になるこ
とも考えられる。
【0006】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、光量損失を良好に抑えつつ輪帯照明や4極照
明などの変形照明および通常の円形照明が可能で、コン
パクト化と良好な光学性能の確保とを両立させることの
できる、照明光学装置および該照明光学装置を備えた露
光装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では、光源手段からの光束に基づいて多数の
光源からなる第1多数光源を形成するための第1オプテ
ィカルインテグレータと、前記第1多数光源からの光束
に基づいてより多数の光源からなる第2多数光源を形成
するための第2オプティカルインテグレータとを備え、
前記第2多数光源からの光束で被照射面を照明する照明
光学装置において、前記光源手段からの光束を所定の形
状の光束に変換するための光束変換素子と、前記光束変
換素子からの光束を集光して、基準光軸に対してほぼ対
称に斜め方向から前記第1オプティカルインテグレータ
へ入射させるための第1光学系とを備え、前記光束変換
素子からの射出光束の開口数が、前記第1オプティカル
インテグレータにより形成される前記第1多数光源から
の光束の開口数よりも大きく設定されていることを特徴
とする照明光学装置を提供する。
【0008】第1発明の好ましい態様によれば、前記光
束変換素子は、照明光路に対して挿脱自在に構成された
複数の回折光学素子を有し、前記複数の回折光学素子
は、前記光源手段からの平行光束を円形状の光束に変換
するための第1回折光学素子と、前記光源手段からの平
行光束を輪帯状の光束に変換するための第2回折光学素
子と、前記光源手段からの平行光束を前記基準光軸に対
して偏心した複数の光束に変換するための第3回折光学
素子とを有する。
【0009】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記第1光学系は、前記第2多数光源として形成される
輪帯状の光源の輪帯比または前記基準光軸に対して偏心
した複数の光源からなる複数極状の光源の輪帯比を変更
するために倍率が可変の第1変倍光学系を有する。
【0010】さらに、第1発明の好ましい態様によれ
ば、前記第1オプティカルインテグレータと前記第2オ
プティカルインテグレータとの間の光路中には、前記第
1オプティカルインテグレータにより形成される第1多
数光源からの光束を前記第2オプティカルインテグレー
タへ導くための第2光学系が配置され、前記第2光学系
は、前記第2多数光源の大きさを変更するために倍率が
可変の第2変倍光学系を有する。
【0011】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記第1オプティカルインテグレータは、照明光路に対
して挿脱自在に構成された複数のマイクロフライアイを
有し、前記複数のマイクロフライアイは、第1の焦点距
離を有する多数の微小レンズからなる第1マイクロフラ
イアイと、前記第1の焦点距離とは実質的に異なる第2
の焦点距離を有する多数の微小レンズからなる第2マイ
クロフライアイとを有する。この場合、前記第1マイク
ロフライアイを構成する各微小レンズの焦点距離は、前
記第2多数光源として2/3から3/4までの範囲の輪
帯比を有する輪帯状の光源または複数極状の光源を形成
するための所望の値に設定されていることが好ましい。
【0012】本発明の別の局面によれば、上述の本発明
にかかる照明光学装置と、前記被照射面に配置されたマ
スクのパターンを感光性基板に投影露光するための投影
光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供
する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の典型的な実施形態におい
ては、たとえば回折光学素子のような光束変換素子によ
り、光源手段からの光束を輪帯状または4極状の光束に
変換する。この輪帯状または4極状の光束は、所定の第
1光学系により集光され、光軸に対してほぼ対称に斜め
方向から、マイクロフライアイのような第1オプティカ
ルインテグレータへ入射する。こうして、マイクロフラ
イアイにより第1多数光源が形成される。第1多数光源
からの光束は、所定の第2光学系を介した後、フライア
イレンズのような第2オプティカルインテグレータによ
り、第2多数光源すなわち輪帯状または4極状の二次光
源を形成する。
【0014】本発明では、光束変換素子としての回折光
学素子からの射出光束の開口数を、第1オプティカルイ
ンテグレータとしてのマイクロフライアイにより形成さ
れる第1多数光源からの光束の開口数よりも大きく設定
している。回折光学素子からの射出光束の開口数を第1
多数光源からの光束の開口数よりも大きく設定すること
により、詳細については後述するように、第1光学系お
よび第2光学系の大型化を回避し、回折光学素子、マイ
クロフライアイおよび第2光学系の製造が困難になるの
を回避することができる。
【0015】その結果、本発明の照明光学装置では、光
量損失を良好に抑えつつ輪帯照明や4極照明などの変形
照明および通常の円形照明が可能で、コンパクト化と良
好な光学性能の確保とを両立させることができる。した
がって、本発明の照明光学装置を組み込んだ露光装置で
は、露光投影すべき微細パターンに適した投影光学系の
解像度および焦点深度を得ることができ、高い露光照度
および良好な露光条件のもとで、スループットの高い良
好な投影露光を行うことができる。また、本発明の照明
光学装置を用いて被照射面上に配置されたマスクのパタ
ーンを感光性基板上に露光する露光方法では、良好な露
光条件のもとで投影露光を行うことができるので、良好
なマイクロデバイスを製造することができる。
【0016】本発明の実施形態を、添付図面に基づいて
説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる照明光学
装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
図1において、感光性基板であるウェハの法線方向に沿
ってZ軸を、ウェハ面内において図1の紙面に平行な方
向にY軸を、ウェハ面内において図1の紙面に垂直な方
向にX軸をそれぞれ設定している。なお、図1では、照
明光学装置が輪帯照明を行うように設定されている。
【0017】図1の露光装置は、露光光(照明光)を供
給するための光源1として、たとえば248nm(Kr
F)または193nm(ArF)の波長の光を供給する
エキシマレーザー光源を備えている。光源1からZ方向
に沿って射出されたほぼ平行な光束は、X方向に沿って
細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のシリンドリカ
ルレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダー
2に入射する。各シリンドリカルレンズ2aおよび2b
は、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力お
よび正の屈折力をそれぞれ有し、光軸AXを含んで紙面
と直交する面内(XZ平面内)において平行平面板とし
て機能する。したがって、ビームエキスパンダー2に入
射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の
矩形状の断面を有する光束に整形される。
【0018】整形光学系としてのビームエキスパンダー
2を介したほぼ平行な光束は、折り曲げミラー3でY方
向に偏向された後、輪帯照明用の回折光学素子(DO
E)4に入射する。一般に、回折光学素子は、ガラス基
板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差
を形成することによって構成され、入射ビームを所望の
角度に回折する作用を有する。輪帯照明用の回折光学素
子4は、図2(a)に示すように、光軸AXと平行に垂
直入射した細い光束を、1つの所定の発散角にしたがっ
て放射状に発散させる。換言すると、回折光学素子4に
光軸AXに沿って垂直入射した細い光束は、光軸AXを
中心として等角度であらゆる方向に沿って回折される。
その結果、回折光学素子4に垂直入射した細い光束は、
リング状の断面を有する発散光束に変換される。
【0019】したがって、図2(b)に示すように、回
折光学素子4に対して太い平行光束が垂直入射すると、
輪帯状の光束に変換された後、回折光学素子4の後方に
配置されたレンズ31の焦点位置に、リング状の像(リ
ング状の光源像)32を形成する。すなわち、回折光学
素子4は、ファーフィールド(またはフラウンホーファ
ー回折領域)に、リング状の光強度分布を形成する。ま
た、レンズ31は、ファーフィールド(またはフラウン
ホーファー回折領域)に形成されるリング状の光強度分
布を、その後側焦点面上に形成させる。このように、回
折光学素子4は、光源1からの光束を実質的に輪帯状の
光束に変換するための光束変換素子を構成している。
【0020】なお、回折光学素子4は、照明光路に対し
て挿脱自在に構成され、4極照明用の回折光学素子40
や通常円形照明用の回折光学素子41と切り換え可能に
構成されている。4極照明用の回折光学素子40および
通常円形照明用の回折光学素子41の構成および作用に
ついては後述する。ここで、輪帯照明用の回折光学素子
4と4極照明用の回折光学素子40と通常円形照明用の
回折光学素子41との間の切り換えは、制御系21から
の指令に基づいて動作する第1駆動系22により行われ
る。
【0021】回折光学素子4を介して形成された輪帯状
の光束は、アフォーカルズームレンズ5に入射する。ア
フォーカルズームレンズ5は、回折光学素子4の回折面
と後述するマイクロフライアイ6の入射面とを光学的に
ほぼ共役な関係に維持し、且つアフォーカル系(無焦点
光学系)を維持しながら、所定の範囲で倍率を連続的に
変化させることができるように構成されている。ここ
で、アフォーカルズームレンズ5の倍率変化は、制御系
21からの指令に基づいて動作する第2駆動系23によ
り行われる。
【0022】回折光学素子4を介して形成された輪帯状
の光束は、アフォーカルズームレンズ5に入射し、その
瞳面にリング状の光源像を形成する。このリング状の光
源像からの光は、ほぼ平行光束となってアフォーカルズ
ームレンズ5から射出され、マイクロフライアイ6に入
射する。このとき、マイクロフライアイ6の入射面に
は、光軸AXに対してほぼ対称に斜め方向から光束が入
射する。マイクロフライアイ6は、稠密に且つ縦横に配
列された多数の正六角形状の正屈折力を有する微小レン
ズからなる光学素子である。一般に、マイクロフライア
イは、たとえば平行平面ガラス板にエッチング処理を施
して微小レンズ群を形成することによって構成される。
【0023】ここで、マイクロフライアイを構成する各
微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエ
レメントよりも微小である。また、マイクロフライアイ
は、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライ
アイレンズとは異なり、多数の微小レンズが互いに隔絶
されることなく一体的に形成されている。しかしなが
ら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されてい
る点でマイクロフライアイはフライアイレンズと同じで
ある。なお、図1では、図面の明瞭化のために、マイク
ロフライアイ6を構成する微小レンズの数を実際よりも
非常に少なく設定している。
【0024】したがって、マイクロフライアイ6に入射
した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割さ
れ、各微小レンズの後側焦点面にはそれぞれ1つのリン
グ状の光源(集光点)が形成される。このように、マイ
クロフライアイ6は、光源1からの光束に基づいて多数
の光源からなる第1多数光源を形成するための第1オプ
ティカルインテグレータを構成している。
【0025】なお、マイクロフライアイ6は、照明光路
に対して挿脱自在に構成され、且つ微小レンズの焦点距
離がマイクロフライアイ6とは異なるマイクロフライア
イ60と切り換え可能に構成されている。マイクロフラ
イアイ6とマイクロフライアイ60との間の切り換え
は、制御系21からの指令に基づいて動作する第3駆動
系24により行われる。
【0026】マイクロフライアイ6の後側焦点面に形成
された多数の光源からの光束は、ズームレンズ7を介し
て、第2オプティカルインテグレータとしてのフライア
イレンズ8を重畳的に照明する。なお、ズームレンズ7
は、所定の範囲で焦点距離を連続的に変化させることの
できるリレー光学系であって、マイクロフライアイ6の
後側焦点面とフライアイレンズ8の後側焦点面とを光学
的にほぼ共役に結んでいる。換言すると、ズームレンズ
7は、マイクロフライアイ6の後側焦点面とフライアイ
レンズ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結
んでいる。
【0027】したがって、マイクロフライアイ6の後側
焦点面に形成された多数のリング状の光源からの光束
は、ズームレンズ7の後側焦点面に、ひいてはフライア
イレンズ8の入射面に、光軸AXを中心とした輪帯状の
照野を形成する。この輪帯状の照野の大きさは、ズーム
レンズ7の焦点距離に依存して変化する。なお、ズーム
レンズ7の焦点距離の変化は、制御系21からの指令に
基づいて動作する第4駆動系25により行われる。
【0028】フライアイレンズ8は、正の屈折力を有す
る多数のレンズエレメントを稠密に且つ縦横に配列する
ことによって構成されている。なお、フライアイレンズ
8を構成する各レンズエレメントは、マスク上において
形成すべき照野の形状(ひいてはウェハ上において形成
すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有す
る。また、フライアイレンズ8を構成する各レンズエレ
メントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形
成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形
成されている。
【0029】したがって、フライアイレンズ8に入射し
た光束は多数のレンズエレメントにより二次元的に分割
され、光束が入射した各レンズエレメントの後側焦点面
には多数の光源がそれぞれ形成される。こうして、フラ
イアイレンズ8の後側焦点面には、フライアイレンズ8
への入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度
分布を有する輪帯状の実質的な面光源(以下、「二次光
源」という)が形成される。このように、フライアイレ
ンズ8は、第1オプティカルインテグレータであるマイ
クロフライアイ6の後側焦点面に形成された第1多数光
源からの光束に基づいてより多数の光源からなる第2多
数光源を形成するための第2オプティカルインテグレー
タを構成している。
【0030】フライアイレンズ8の後側焦点面に形成さ
れた輪帯状の二次光源からの光束は、その近傍に配置さ
れた開口絞り9に入射する。この開口絞り9は、光軸A
Xに平行な所定の軸線回りに回転可能なターレット(回
転板:図1では不図示)上に支持されている。
【0031】図3は、複数の開口絞りが円周状に配置さ
れたターレットの構成を概略的に示す図である。図3に
示すように、ターレット基板400には、図中斜線で示
す光透過域を有する8つの開口絞りが円周方向に沿って
設けられている。ターレット基板400は、その中心点
Oを通り光軸AXに平行な軸線回りに回転可能に構成さ
れている。したがって、ターレット基板400を回転さ
せることにより、8つの開口絞りから選択された1つの
開口絞りを照明光路中に位置決めすることができる。な
お、ターレット基板400の回転は、制御系21からの
指令に基づいて動作する第5駆動系26により行われ
る。
【0032】ターレット基板400には、輪帯比の異な
る3つの輪帯開口絞り401、403および405が形
成されている。ここで、輪帯開口絞り401は、r11
/r21の輪帯比を有する輪帯状の透過領域を有する。
輪帯開口絞り403は、r12/r22の輪帯比を有す
る輪帯状の透過領域を有する。輪帯開口絞り405は、
r13/r21の輪帯比を有する輪帯状の透過領域を有
する。
【0033】また、ターレット基板400には、輪帯比
の異なる3つの4極開口絞り402、404および40
6が形成されている。ここで、4極開口絞り402は、
r11/r21の輪帯比を有する輪帯状領域内において
4つの偏心した円形透過領域を有する。4極開口絞り4
04は、r12/r22の輪帯比を有する輪帯状領域内
において4つの偏心した円形透過領域を有する。4極開
口絞り406は、r13/r21の輪帯比を有する輪帯
状領域内において4つの偏心した円形透過領域を有す
る。
【0034】さらに、ターレット基板400には、大き
さ(口径)の異なる2つの円形開口絞り407および4
08が形成されている。ここで、円形開口絞り407は
2r22の大きさの円形透過領域を有し、円形開口絞り
408は2r21の大きさの円形透過領域を有する。
【0035】したがって、3つの輪帯開口絞り401、
403および405のうちの1つの輪帯開口絞りを選択
して照明光路内に位置決めすることにより、3つの異な
る輪帯比を有する輪帯光束を正確に制限(規定)して、
輪帯比の異なる3種類の輪帯照明を行うことができる。
また、3つの4極開口絞り402、404および406
のうちの1つの4極開口絞りを選択して照明光路内に位
置決めすることにより、3つの異なる輪帯比を有する4
つの偏心光束を正確に制限して、輪帯比の異なる3種類
の4極照明を行うことができる。さらに、2つの円形開
口絞り407および408のうちの1つの円形開口絞り
を選択して照明光路内に位置決めすることにより、σ値
の異なる2種類の通常円形照明を行うことができる。
【0036】図1では、フライアイレンズ8の後側焦点
面に輪帯状の二次光源が形成されるので、開口絞り9と
して3つの輪帯開口絞り401、403および405か
ら選択された1つの輪帯開口絞りが用いられている。た
だし、図3に示すターレットの構成は例示的であって、
配置される開口絞りの種類および数はこれに限定される
ことはない。また、ターレット方式の開口絞りに限定さ
れることなく、光透過領域の大きさおよび形状を適宜変
更することの可能な開口絞りを照明光路内に固定的に取
り付けてもよい。さらに、2つの円形開口絞り407お
よび408に代えて、円形開口径を連続的に変化させる
ことのできる虹彩絞りを設けることもできる。
【0037】輪帯状の開口部(光透過部)を有する開口
絞り9を介した二次光源からの光は、コンデンサー光学
系10の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成さ
れたマスク11を重畳的に均一照明する。マスク11の
パターンを透過した光束は、投影光学系12を介して、
感光性基板であるウェハ13上にマスクパターンの像を
形成する。こうして、投影光学系12の光軸AXと直交
する平面(XY平面)内においてウェハ13を二次元的
に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行う
ことにより、ウェハ13の各露光領域にはマスク11の
パターンが逐次露光される。
【0038】なお、一括露光では、いわゆるステップ・
アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領
域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場
合、マスク11上での照明領域の形状は正方形に近い矩
形状であり、フライアイレンズ8の各レンズエレメント
の断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャ
ン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式
にしたがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対し
て相対移動させながらウェハの各露光領域に対してマス
クパターンをスキャン露光する。この場合、マスク11
上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば
1:3の矩形状であり、フライアイレンズ8の各レンズ
エレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0039】図4は、回折光学素子4からマイクロフラ
イアイ6の入射面までの構成を概略的に示す図であっ
て、アフォーカルズームレンズ5の作用を説明する図で
ある。図4(a)に示すように、回折光学素子4により
光軸AXに対して角度αの等角度であらゆる方向に沿っ
て回折された光束は、倍率m1のアフォーカルズームレ
ンズ5を介した後、マイクロフライアイ6の入射面に、
光軸AXに対して角度θ1の等角度であらゆる方向に沿
って斜め入射する。このときに、マイクロフライアイの
入射面に形成される照野の大きさはd1である。
【0040】ここで、図4(b)に示すように、アフォ
ーカルズームレンズ5の倍率をm1からm2へ変化させ
ると、回折光学素子4により光軸AXに対して角度αの
等角度であらゆる方向に沿って回折された光束は、倍率
m2のアフォーカルズームレンズ5を介した後、マイク
ロフライアイ6の入射面に光軸AXに対して角度θ2の
等角度であらゆる方向に沿って斜め入射する。このとき
に、マイクロフライアイ6の入射面に形成される照野の
大きさはd2である。
【0041】ここで、マイクロフライアイ6の入射面へ
の光束の入射角度θ1およびθ2、並びにマイクロフラ
イアイ6の入射面に形成される照野の大きさd1および
d2と、アフォーカルズームレンズ5の倍率m1および
m2との間には、次の式(1)および(2)に示す関係
が成立する。 θ2=(m1/m2)・θ1 (1) d2=(m2/m1)・d1 (2)
【0042】式(1)を参照すると、アフォーカルズー
ムレンズ5の倍率mを連続的に変化させることにより、
マイクロフライアイ6の入射面への光束の入射角度θを
連続的に変化させることができることがわかる。
【0043】図5は、マイクロフライアイ6から開口絞
り9までの構成を概略的に示す図であって、マイクロフ
ライアイ6の入射面に斜め入射した光束がフライアイレ
ンズ8の入射面に輪帯状の照野を形成する様子を示す図
である。図5(a)において実線で示すように、マイク
ロフライアイ6の入射面に対して所定の方向から所定の
角度で斜め入射した光束は、各微小レンズを介して結像
した後も角度を保持しながらズームレンズ7へ斜め入射
し、フライアイレンズ8の入射面において光軸AXから
所定の距離だけ偏心した位置に所定の幅を有する照野を
形成する。
【0044】実際には、図5(a)において破線で示す
ように、マイクロフライアイ6の入射面には光軸AXに
対してほぼ対称に斜め方向から光束が入射する。換言す
ると、光軸AXを中心として等角度であらゆる方向に沿
って光束が斜め入射する。したがって、フライアイレン
ズ8の入射面には、図5(b)に示すように、光軸AX
を中心とした輪帯状の照野が形成されることになる。ま
た、フライアイレンズ8の後側焦点面には、入射面に形
成された照野と同じ輪帯状の二次光源が形成されること
になる。
【0045】一方、上述したように、フライアイレンズ
8の後側焦点面の近傍に配置された輪帯開口絞り9に
は、輪帯状の二次光源に対応する輪帯状の開口部(図3
の401,403,405を参照)が形成されている。
こうして、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損
失することなく輪帯状の二次光源を形成することがで
き、その結果二次光源からの光束を制限する輪帯開口絞
り9においてほとんど光量損失することなく輪帯照明を
行うことができる。
【0046】図6は、回折光学素子4からフライアイレ
ンズ8の入射面までの構成を概略的に示す図であって、
アフォーカルズームレンズ5の倍率およびズームレンズ
7の焦点距離とフライアイレンズ8の入射面に形成され
る輪帯状の照野の大きさおよび形状との関係を説明する
図である。図6において、回折光学素子4から回折角度
αで射出された光線は、倍率mのアフォーカルズームレ
ンズ5を介した後、光軸AXに対して角度θでマイクロ
フライアイ6に入射する。すなわち、回折光学素子4か
らの射出光束の開口数NA1は、NA1=n・sinα
(nは空間の屈折率)で表される。
【0047】マイクロフライアイ6は、サイズ(正六角
形状の各微小レンズに外接する円の直径)がaで焦点距
離がf1の微小レンズから構成されている。マイクロフ
ライアイ6により形成された各光源から射出角度θで射
出された中心光線は、焦点距離f2のズームレンズ7を
介してフライアイレンズ8の入射面に達する。同様に、
各光源から中心光線に対して所定の角度範囲(最大射出
角度β)で射出された光線群もフライアイレンズ8の入
射面に達する。こうして、フライアイレンズ8の入射面
における光束の入射範囲は、光軸AXからyの高さを中
心として幅bを有する範囲となる。すなわち、図5
(b)に示すように、フライアイレンズ8の入射面に形
成される照野、ひいてはフライアイレンズ8の後側焦点
面に形成される二次光源は、光軸AXからの高さyを有
し且つ幅bを有することになる。
【0048】ところで、マイクロフライアイ6へ平行光
束が入射する場合には、形成される各光源からの射出光
束の開き角の半角をγとすると、マイクロフライアイ6
の開口数は、n・sinγで表される。本実施形態では、
マイクロフライアイ6の入射面に入射角度θで斜め方向
から光束が入射する(換言すると収斂光束が入射する)
ため、マイクロフライアイ6により形成される各光源か
らの射出光束の最大射出角度βは、マイクロフライアイ
6への入射角度θと、上述したマイクロフライアイ6の
開口数n・sinγに対応する角度γとの総和で表され
る。そして、マイクロフライアイ6により形成される各
光源からの射出光束の開口数NA2は、NA2=n・si
nβで表される。
【0049】ここで、回折光学素子4からの射出光束の
開き角の半角(回折角)αとマイクロフライアイ6への
入射角度θとの間には、次の式(3)で示す関係が成立
する。 θ=(1/m)・α (3)
【0050】また、輪帯状の二次光源の高さyおよびそ
の幅bは、次の式(4)および(5)でそれぞれ表され
る。 y=f2・ sinθ=f2・ sin(α/m) (4) b=(f2/f1)・a (5)
【0051】さらに、マイクロフライアイ6により形成
される各光源からの射出光束の最大射出角度βは、次の
式(6)で表される。 β=(a/2)/f1=(a/f1)/2 (6)
【0052】したがって、輪帯状の二次光源の内径φi
と外径φoとの比で規定される輪帯比Aは、次の式
(7)で表される。
【数1】 A=φi/φo=(2y−b)/(2y+b) ={2f2・ sin( α/m)−(f2/f1)・a} /{2f2・ sin( α/m)+(f2/f1)・a} ={2sin(α/m)−a/f1} /{2sin(α/m)+a/f1} ={sin(α/m)−β}/{sin(α/m)+β} (7)
【0053】また、輪帯状の二次光源の外径φo は、次
の式(8)で表される。
【数2】
【0054】式(8)を変形すると、次の式(9)に示
す関係が得られる。 f2=φo /{2 sin( α/m)+(a/f1)} (9) こうして、式(4)および(5)を参照すると、ズーム
レンズ7の焦点距離f2が変化することなくアフォーカ
ルズームレンズ5の倍率mだけが変化すると、輪帯状の
二次光源の幅bが変化することなくその高さyだけが変
化することがわかる。すなわち、アフォーカルズームレ
ンズ5の倍率mだけを変化させることにより、輪帯状の
二次光源の幅bを変化させることなくその大きさ(外径
φo )およびその形状(輪帯比A)をともに変更するこ
とができる。
【0055】また、式(4)および(5)を参照する
と、アフォーカルズームレンズ5の倍率mが変化するこ
となくズームレンズ7の焦点距離f2だけが変化する
と、輪帯状の二次光源の幅bおよびその高さyがともに
焦点距離f2に比例して変化することがわかる。すなわ
ち、ズームレンズ7の焦点距離f2だけを変化させるこ
とにより、輪帯状の二次光源の形状(輪帯比A)を変化
させることなくその大きさ(外径φo )だけを変更する
ことができる。
【0056】さらに、式(7)および(9)を参照する
と、一定の大きさの外径φo に対して式(9)の関係を
満たすようにアフォーカルズームレンズ5の倍率mとズ
ームレンズ7の焦点距離f2とを変化させることによ
り、輪帯状の二次光源の大きさ(外径φo )を変化させ
ることなくその形状(輪帯比A)だけを変更することが
できることがわかる。
【0057】ところで、回折光学素子4からの射出光束
の開き角の半角(回折角)αは、現実的な数値実施例に
よれば、たとえば4度〜7度の範囲内において設定され
る。これは、αがたとえば7度よりも大きくなると、回
折光学素子4の製造が困難になるとともに、その透過率
が低下する傾向が顕著になるためである。また、αがた
とえば7度よりも大きくなると、アフォーカルズズーム
レンズ5の径が大きくなり、ひいては装置が大型化して
しまう。
【0058】さらに、上述の式(8)を参照するとわか
るように、αがたとえば7度よりも大きくなると、輪帯
状の二次光源の外径φoを所定の値に保つために、ズー
ムレンズ7の焦点距離f2を小さく設定する必要があ
る。その結果、ズームレンズ7の所要のFナンバーが小
さくなりすぎて、ズームレンズ7の製造が困難になって
しまう。一方、上述の式(8)を参照するとわかるよう
に、αがたとえば4度よりも小さくなると、輪帯状の二
次光源の外径φoを所定の値に保つために、ズームレン
ズ7の焦点距離f2を大きく設定する必要がある。その
結果、ズームレンズ7の全長が大きくなり、ひいては装
置が大型化してしまう。
【0059】次に、マイクロフライアイ6により形成さ
れる各光源からの射出光束の最大射出角度βは、現実的
な数値実施例によれば、たとえば1度〜3度の範囲内に
おいて設定される。上述の式(6)を参照するとわかる
ように、βがたとえば3度よりも大きくなると、マイク
ロフライアイ6の各微小レンズの焦点距離f1を小さく
設定する必要がある。その結果、各微小レンズに所要の
曲率を付与することが困難になり、ひいてはマイクロフ
ライアイ6の製造が困難になってしまう。
【0060】また、上述の式(8)を参照するとわかる
ように、βがたとえば3度よりも大きくなると、輪帯状
の二次光源の外径φoを所定の値に保つために、ズーム
レンズ7の焦点距離f2を小さく設定する必要がある。
その結果、ズームレンズ7の所要のFナンバーが小さく
なりすぎて、ズームレンズ7の製造が困難になってしま
う。一方、上述の式(8)を参照するとわかるように、
βがたとえば1度よりも小さくなると、輪帯状の二次光
源の外径φoを所定の値に保つために、ズームレンズ7
の焦点距離f2を大きく設定する必要がある。その結
果、ズームレンズ7の全長が大きくなり、ひいては装置
が大型化してしまう。
【0061】以上のように、本実施形態の現実的な数値
実施例において、コンパクト化と良好な光学性能の確保
とを両立させるには、回折光学素子4からの射出光束の
開き角の半角(回折角)αを、マイクロフライアイ6に
より形成される各光源からの射出光束の最大射出角度β
よりも大きく設定することが必要であることがわかる。
換言すると、回折光学素子4からの射出光束の開口数N
A1=n・sinαを、マイクロフライアイ6により形成
される各光源からの射出光束の開口数NA2=n・sin
βよりも大きく設定することにより、コンパクト化と良
好な光学性能の確保とを両立させることができる。
【0062】ところで、現実的な数値実施例によれば、
マイクロフライアイ6の各微小レンズの焦点距離f1を
3.3mm程度に設定することにより、二次光源の輪帯
比をたとえば1/2〜2/3の範囲に亘って連続的に変
化させることが可能になる。また、マイクロフライアイ
6の各微小レンズの焦点距離f1を5.0mm程度に設
定することにより、二次光源の輪帯比をたとえば2/3
〜3/4の範囲に亘って連続的に変化させることが可能
になる。そこで、本実施形態では、たとえば焦点距離f
1が3.3mm程度のマイクロフライアイ6と焦点距離
f1が5.0mm程度のマイクロフライアイ60とを切
り換え可能に構成している。
【0063】したがって、マイクロフライアイ6が照明
光路中に設定された図1の状態では、二次光源の輪帯比
をたとえば1/2〜2/3の範囲に亘って連続的に変化
させることが可能である。また、マイクロフライアイ6
に代えてマイクロフライアイ60を照明光路中に設定す
ると、二次光源の輪帯比をたとえば2/3〜3/4の範
囲に亘って連続的に変化させることが可能となる。こう
して、本実施形態では、二次光源の輪帯比をたとえば1
/2〜3/4の範囲に亘って連続的に変化させることが
可能である。
【0064】ところで、前述したように、回折光学素子
4は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ4極
照明用の回折光学素子40や通常円形照明用の回折光学
素子41と切り換え可能に構成されている。以下、回折
光学素子4に代えて回折光学素子40を照明光路中に設
定することによって得られる4極照明について簡単に説
明する。
【0065】4極照明用の回折光学素子40は、図7
(a)に示すように、光軸AXと平行に垂直入射した細
い光束を、所定の射出角にしたがって進む4つの光束に
変換する。換言すると、光軸AXに沿って垂直入射した
細い光束は、光軸AXを中心として等角度で特定の4つ
の方向に沿って回折され、4つの細い光束となる。さら
に詳細には、回折光学素子40に垂直入射した細い光束
は4つの光束に変換され、回折光学素子40と平行な後
方の面を通過する4つの光束の通過中心点を結ぶ四角形
は正方形となり、その正方形の中心は回折光学素子40
への入射軸線上に存在することになる。
【0066】したがって、図7(b)に示すように、回
折光学素子40に対して太い平行光束が垂直入射する
と、4つの光束に変換され、回折光学素子40の後方に
配置されたレンズ71の焦点位置には、やはり4つの点
像(点状の光源像)72が形成される。したがって、回
折光学素子40を介した光束は、アフォーカルズームレ
ンズ5の瞳面に4つの点像を形成する。この4つの点像
からの光は、ほぼ平行光束となってアフォーカルズーム
レンズ5から射出され、マイクロフライアイ6(または
60)の後側焦点面に第1多数光源を形成する。
【0067】マイクロフライアイ6(または60)の後
側焦点面に形成された第1多数光源からの光束は、ズー
ムレンズ7を介してフライアイレンズ8の入射面に、光
軸AXに対して対称的に偏心した4つの照野からなる4
極状の照野を形成する。その結果、フライアイレンズ8
の後側焦点面には、入射面に形成された照野とほぼ同じ
光強度を有する二次光源、すなわち光軸AXに対して対
称的に偏心した4つの面光源からなる4極状の二次光源
が形成される。
【0068】なお、回折光学素子4から回折光学素子4
0への切り換えに対応して、輪帯開口絞り9から開口絞
り9aへの切り換えが行われる。開口絞り9aは、図3
に示す3つの4極開口絞り402、404および406
から選択された1つの4極開口絞りである。このよう
に、4極照明用の回折光学素子40を用いる場合も、光
源1からの光束に基づいてほとんど光量損失することな
く4極状の二次光源を形成することができ、その結果二
次光源からの光束を制限する開口絞り9aにおける光量
損失を良好に抑えつつ4極照明を行うことができる。
【0069】なお、4極状の二次光源の外径(大きさ)
および輪帯比(形状)を、輪帯状の二次光源と同様に定
義することができる。すなわち、4極状の二次光源の外
径は、4つの面光源に外接する円の直径である。また、
4極状の二次光源の輪帯比は、4つの面光源に外接する
円の直径すなわち外径に対する、4つの面光源に内接す
る円の直径すなわち内径の比である。
【0070】こうして、輪帯照明の場合と同様に、アフ
ォーカルズームレンズ5の倍率mを変化させることによ
り、4極状の二次光源の外径φo および輪帯比Aをとも
に変更することができる。また、ズームレンズ7の焦点
距離f2を変化させることにより、4極状の二次光源の
輪帯比Aを変更することなくその外径φo を変更するこ
とができる。その結果、アフォーカルズームレンズ5の
倍率mとズームレンズ7の焦点距離f2とを適宜変化さ
せることにより、4極状の二次光源の外径φoを変化さ
せることなくその輪帯比Aだけを変更することができ
る。
【0071】次いで、回折光学素子4または40に代え
て円形照明用の回折光学素子41を照明光路中に設定す
ることによって得られる通常円形照明について説明す
る。円形照明用の回折光学素子41は、入射した矩形状
の光束を円形状の光束に変換する機能を有する。したが
って、回折光学素子41により形成された円形光束は、
アフォーカルズームレンズ5によりその倍率に応じて拡
大(または縮小)され、マイクロフライアイ6(または
60)に入射する。こうして、マイクロフライアイ6
(または60)の後側焦点面には、第1多数光源が形成
される。
【0072】マイクロフライアイ6(または60)の後
側焦点面に形成された第1多数光源からの光束は、ズー
ムレンズ7を介して、フライアイレンズ8の入射面にお
いて光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。そ
の結果、フライアイレンズ8の後側焦点面にも、光軸A
Xを中心とした円形状の二次光源が形成される。この場
合、ズームレンズ7の焦点距離f2を変化させることに
より、円形状の二次光源の外径を適宜変更することがで
きる。
【0073】なお、回折光学素子4または40から円形
照明用の回折光学素子41への切り換えに対応して、輪
帯開口絞り9または4極開口絞り9aから円形開口絞り
9bへの切り換えが行われる。円形開口絞り9bは、図
3に示す2つの円形開口絞り407および408から選
択された1つの円形開口絞りであり、円形状の二次光源
に対応する大きさの開口部を有する。このように、円形
照明用の回折光学素子41を用いることにより、光源1
からの光束に基づいてほとんど光量損失することなく円
形状の二次光源を形成し、二次光源からの光束を制限す
る開口絞りにおける光量損失を良好に抑えつつ通常円形
照明を行うことができる。
【0074】以下、本実施形態における照明の切り換え
動作などについて具体的に説明する。まず、ステップ・
アンド・リピート方式またはステップ・アンド・スキャ
ン方式にしたがって順次露光すべき各種のマスクに関す
る情報などが、キーボードなどの入力手段20を介して
制御系21に入力される。制御系21は、各種のマスク
に関する最適な線幅(解像度)、焦点深度等の情報を内
部のメモリー部に記憶しており、入力手段20からの入
力に応答して第1駆動系22〜第5駆動系26に適当な
制御信号を供給する。
【0075】すなわち、最適な解像度および焦点深度の
もとで輪帯照明する場合、第1駆動系22は、制御系2
1からの指令に基づいて、輪帯照明用の回折光学素子4
を照明光路中に位置決めする。そして、フライアイレン
ズ8の後側焦点面において所望の大きさ(外径)および
形状(輪帯比)を有する輪帯状の二次光源を得るため
に、第2駆動系23は制御系21からの指令に基づいて
アフォーカルズームレンズ5の倍率を設定し、第4駆動
系25は制御系21からの指令に基づいてズームレンズ
7の焦点距離を設定する。また、光量損失を良好に抑え
た状態で輪帯状の二次光源を制限するために、第5駆動
系26は制御系21からの指令に基づいてターレットを
回転させ、所望の輪帯開口絞りを照明光路中に位置決め
する。こうして、光源1からの光束に基づいてほとんど
光量損失することなく輪帯状の二次光源を形成すること
ができ、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞
りにおいてほとんど光量損失することなく輪帯照明を行
うことができる。
【0076】さらに、必要に応じて、第2駆動系23に
よりアフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させた
り、第3駆動系24によりマイクロフライアイ6と60
とを切り換えたり、第4駆動系25によりズームレンズ
7の焦点距離を変化させることにより、フライアイレン
ズ8の後側焦点面に形成される輪帯状の二次光源の大き
さおよび輪帯比を適宜変更することができる。この場
合、輪帯状の二次光源の大きさおよび輪帯比の変化に応
じてターレットが回転し、所望の大きさおよび輪帯比を
有する輪帯開口絞りが選択されて照明光路中に位置決め
される。こうして、輪帯状の二次光源の形成およびその
制限においてほとんど光量損失することなく、輪帯状の
二次光源の大きさおよび輪帯比を適宜変化させて多様な
輪帯照明を行うことができる。
【0077】また、最適な解像度および焦点深度のもと
で4極照明する場合、第1駆動系22は、制御系21か
らの指令に基づいて、4極照明用の回折光学素子40を
照明光路中に位置決めする。そして、フライアイレンズ
8の後側焦点面において所望の大きさ(外径)および形
状(輪帯比)を有する4極状の二次光源を得るために、
第2駆動系23は制御系21からの指令に基づいてアフ
ォーカルズームレンズ5の倍率を設定し、第4駆動系2
5は制御系21からの指令に基づいてズームレンズ7の
焦点距離を設定する。また、光量損失を良好に抑えた状
態で4極状の二次光源を制限するために、第5駆動系2
6は制御系21からの指令に基づいてターレットを回転
させ、所望の4極開口絞りを照明光路中に位置決めす
る。こうして、光源1からの光束に基づいてほとんど光
量損失することなく4極状の二次光源を形成することが
でき、その結果二次光源からの光束を制限する開口絞り
において光量損失を良好に抑えつつ4極照明を行うこと
ができる。
【0078】さらに、必要に応じて、第2駆動系23に
よりアフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させた
り、第3駆動系24によりマイクロフライアイ6と60
とを切り換えたり、第4駆動系25によりズームレンズ
7の焦点距離を変化させることにより、フライアイレン
ズ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源の大き
さおよび輪帯比を適宜変更することができる。この場
合、4極状の二次光源の大きさおよび輪帯比の変化に応
じてターレットが回転し、所望の大きさおよび輪帯比を
有する4極開口絞りが選択されて照明光路中に位置決め
される。こうして、4極状の二次光源の形成およびその
制限において光量損失を良好に抑えた状態で、4極状の
二次光源の大きさおよび輪帯比を適宜変化させて多様な
4極照明を行うことができる。
【0079】最後に、最適な解像度および焦点深度のも
とで通常の円形照明をする場合、第1駆動系22は、制
御系21からの指令に基づいて、通常円形照明用の回折
光学素子41を照明光路中に位置決めする。そして、フ
ライアイレンズ8の後側焦点面において所望の大きさ
(外径)を有する円形状の二次光源を得るために、第2
駆動系23は制御系21からの指令に基づいてアフォー
カルズームレンズ5の倍率を設定し、第4駆動系25が
制御系21からの指令に基づいてズームレンズ7の焦点
距離を設定する。
【0080】また、光量損失を良好に抑えた状態で円形
状の二次光源を制限するために、第5駆動系26は制御
系21からの指令に基づいてターレットを回転させ、所
望の円形開口絞りを照明光路中に位置決めする。なお、
円形開口径を連続的に変化させることのできる虹彩絞り
を用いる場合には、第5駆動系26は制御系21からの
指令に基づいて虹彩絞りの開口径を設定する。こうし
て、光源1からの光束に基づいてほとんど光量損失する
ことなく円形状の二次光源を形成することができ、その
結果二次光源からの光束を制限する開口絞りにおいて光
量損失を良好に抑えつつ通常円形照明を行うことができ
る。
【0081】さらに、必要に応じて、第4駆動系25に
よりズームレンズ7の焦点距離を変化させることによ
り、フライアイレンズ8の後側焦点面に形成される円形
状の二次光源の大きさを適宜変更することができる。こ
の場合、円形状の二次光源の大きさの変化に応じてター
レットが回転し、所望の大きさの開口部を有する円形開
口絞りが選択されて照明光路中に位置決めされる。こう
して、円形状の二次光源の形成およびその制限において
光量損失を良好に抑えつつ、σ値を適宜変化させて多様
な通常円形照明を行うことができる。
【0082】以上のように、本実施形態の照明光学装置
では、光量損失を良好に抑えつつ輪帯照明や4極照明な
どの変形照明および通常の円形照明が可能で、コンパク
ト化と良好な光学性能の確保とを両立させることができ
る。したがって、本実施形態の露光装置では、露光投影
すべき微細パターンに適した投影光学系の解像度および
焦点深度を得ることができ、高い露光照度および良好な
露光条件のもとで、スループットの高い良好な投影露光
を行うことができる。
【0083】上述の実施形態の露光装置による露光の工
程(フォトリソグラフィ工程)を経たウェハは、現像す
る工程を経てから、現像したレジスト以外の部分を除去
するエッチングの工程、エッチングの工程後の不要なレ
ジストを除去するレジスト除去の工程等を経てウェハプ
ロセスが終了する。そして、ウェハプロセスが終了する
と、実際の組立工程にて、焼き付けられた回路毎にウェ
ハを切断してチップ化するダイシング、各チップに配線
等を付与するボンディング、各チップ毎にパッケージン
グするパッケージング等の各工程を経て、最終的にデバ
イスとしての半導体装置(LSI等)が製造される。
【0084】なお、以上の説明では、露光装置を用いた
ウェハプロセスでのフォトリソグラフィ工程により半導
体素子を製造する例を示したが、露光装置を用いたフォ
トリソグラフィ工程によって、マイクロデバイスとし
て、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD
等)などを製造することができる。こうして、本実施形
態の照明光学装置を用いてマイクロデバイスを製造する
露光方法の場合、良好な露光条件のもとで投影露光を行
うことができるので、良好なマイクロデバイスを製造す
ることができる。
【0085】なお、上述の実施形態においては、光束変
換素子としての回折光学素子4、40および41並びに
第1オプティカルインテグレータとしてのマイクロフラ
イアイ6および60を、たとえばターレット方式で照明
光路中に位置決めするように構成することができる。ま
た、たとえば公知のスライダ機構を利用して、上述の回
折光学素子4、40および41並びにマイクロフライア
イ6および60の切り換えを行うこともできる。
【0086】また、上述の実施形態では、マイクロフラ
イアイ6および60を構成する微小レンズの形状を正六
角形に設定している。これは、円形状の微小レンズで
は、稠密に配列を行うことができず光量損失が発生する
ため、円形に近い多角形として正六角形を選定している
からである。しかしながら、マイクロフライアイ6およ
び60を構成する各微小レンズの形状はこれに限定され
ることなく、たとえば矩形状を含む他の適当な形状を用
いることができる。また、上述の各実施形態では、マイ
クロフライアイ6および60を構成する微小レンズの屈
折力を正屈折力としているが、この微小レンズの屈折力
は負であっても良い。
【0087】さらに、上述の実施形態では、通常の円形
照明を行う際に回折光学素子41を照明光路中に位置決
めしているが、この回折光学素子41の使用を省略する
こともできる。また、上述の実施形態では、光束変換素
子として回折光学素子を用いているが、これに限定され
ることなく、たとえばマイクロフライアイや微小レンズ
プリズムのような屈折光学素子を用いることもできる。
ところで、本発明で利用することのできる回折光学素子
に関する詳細な説明は、米国特許第5,850,300号公報な
どに開示されている。
【0088】さらに、上述の実施形態では、フライアイ
レンズ8の後側焦点面の近傍に、二次光源の光束を制限
するための開口絞りを配置している。しかしながら、場
合によっては、フライアイレンズを構成する各レンズエ
レメントの断面積を十分小さく設定することにより、開
口絞りの配置を省略して二次光源の光束を全く制限しな
い構成も可能である。
【0089】また、上述の実施形態では、変形照明にお
いて輪帯状または4極状の二次光源を例示的に形成して
いるが、光軸に対して偏心した2つの面光源からなる2
極状の二次光源や、光軸に対して偏心した8つの面光源
からなる8極状の二次光源のような、いわゆる複数極状
あるいは多極状の二次光源を形成することもできる。
【0090】なお、上述の実施形態においては、コンデ
ンサー光学系10によって開口絞り9の位置に形成され
る二次光源からの光を集光して重畳的にマスク11を照
明する構成としているが、コンデンサー光学系10とマ
スク11との間に、照明視野絞り(マスクブラインド)
と、この照明視野絞りの像をマスク11上に形成するリ
レー光学系とを配置しても良い。この場合、コンデンサ
ー光学系10は、開口絞り9の位置に形成される二次光
源からの光を集光して重畳的に照明視野絞りを照明する
ことになり、リレー光学系は、照明視野絞りの開口部の
像をマスク11上に形成することになる。
【0091】また、上述の実施形態においては、フライ
アイレンズ8を、複数の要素レンズを集積して形成して
いるが、これらをマイクロフライアイとすることも可能
である。マイクロフライアイとは、光透過性基板にエッ
チングなどの手法により複数の微少レンズ面をマトリッ
クス状に設けたものである。複数の光源像を形成する点
に関して、フライアイレンズとマイクロフライアイとの
間に機能上の差異は実質的には無いが、1つの要素レン
ズ(微少レンズ)の開口の大きさを極めて小さくできる
こと、製造コストを大幅に削減できること、光軸方向の
厚みを非常に薄くできることなどの点で、マイクロフラ
イアイが有利である。
【0092】さらに、上述の実施形態においては、第1
変倍光学系としてのアフォーカルズームレンズ5および
第2変倍光学系としてのズームレンズ7が用いられてい
るが、これに限定されることなく、倍率が固定の第1光
学系および焦点距離が固定の第2光学系を用いることも
できる。
【0093】また、上述の実施形態では、輪帯照明や4
極照明のような変形照明が可能な照明光学装置を例にと
って本発明を説明したが、変形照明に限定されることな
く通常の円形照明だけを行う照明光学装置にも本発明を
適用することができる。さらに、上述の実施形態では、
照明光学装置を備えた投影露光装置を例にとって本発明
を説明したが、マスク以外の被照射面を均一照明するた
めの一般的な照明光学装置に本発明を適用することがで
きることは明らかである。
【0094】さて、上述の実施形態においては、光源と
してKrFエキシマレーザ(波長:248nm)やArFエキシ
マレーザ(波長:193nm)等、波長が180nm以上の露光光を
用いているため回折光学素子は例えば石英ガラスで形成
することができる。なお、露光光として200nm以下の波
長を用いる場合には、回折光学素子を螢石、フッ素がド
ープされた石英ガラス、フッ素及び水素がドープされた
石英ガラス、構造決定温度が1200K以下で且つOH
基濃度が1000ppm以上である石英ガラス、構造決
定温度が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017
molecules/cm3以上である石英ガラス、構造決定温度が
1200K以下でかつ塩素濃度が50ppm以下である石英
ガラス、及び構造決定温度が1200K以下で且つ水素
分子濃度が1×1017molecules/cm3以上で且つ塩素濃度
が50ppm以下である石英ガラスのグループから選択され
る材料で形成することが好ましい。
【0095】なお、構造決定温度が1200K以下で且
つOH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスに
ついては、本願出願人による特許第2770224号公
報に開示されており、構造決定温度が1200K以下で
且つ水素分子濃度が1×1017molecules/cm3以上である
石英ガラス、構造決定温度が1200K以下でかつ塩素
濃度が50ppm以下である石英ガラス、及び構造決定温度
が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017molecu
les/cm3以上で且つ塩素濃度が50ppm以下である石英ガラ
スについては本願出願人による特許第2936138号
公報に開示されている。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の照明光学
装置では、光量損失を良好に抑えつつ輪帯照明や4極照
明などの変形照明および通常の円形照明が可能で、コン
パクト化と良好な光学性能の確保とを両立させることが
できる。したがって、本発明の照明光学装置を組み込ん
だ露光装置では、露光投影すべき微細パターンに適した
投影光学系の解像度および焦点深度を得ることができ、
高い露光照度および良好な露光条件のもとで、スループ
ットの高い良好な投影露光を行うことができる。また、
本発明の照明光学装置を用いて被照射面上に配置された
マスクのパターンを感光性基板上に露光する露光方法で
は、良好な露光条件のもとで投影露光を行うことができ
るので、良好なマイクロデバイスを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる照明光学装置を備え
た露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】輪帯明用の回折光学素子4の作用を説明する図
である。
【図3】複数の開口絞りが円周状に配置されたターレッ
トの構成を概略的に示す図である。
【図4】アフォーカルズームレンズ5の作用を説明する
図である。
【図5】マイクロフライアイ6の入射面に斜め入射した
光束がフライアイレンズ8の入射面に輪帯状の照野を形
成する様子を示す図である。
【図6】アフォーカルズームレンズ5の倍率およびズー
ムレンズ7の焦点距離とフライアイレンズ8の入射面に
形成される輪帯状の照野の大きさおよび形状との関係を
説明する図である。
【図7】4極照明用の回折光学素子40の作用を説明す
る図である。
【符号の説明】
1 光源 4,40,41 回折光学素子 5 アフォーカルズームレンズ 6,60 マイクロフライアイ 7 ズームレンズ 8 フライアイレンズ 9 開口絞り 10 コンデンサー光学系 11 マスク 12 投影光学系 13 ウェハ 20 入力手段 21 制御系 22〜26 駆動系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平賀 康一 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 2H052 BA02 BA03 BA09 BA12 5F046 BA03 CB01 CB05 CB12 CB13 CB23 DA01 DD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段からの光束に基づいて多数の光
    源からなる第1多数光源を形成するための第1オプティ
    カルインテグレータと、前記第1多数光源からの光束に
    基づいてより多数の光源からなる第2多数光源を形成す
    るための第2オプティカルインテグレータとを備え、前
    記第2多数光源からの光束で被照射面を照明する照明光
    学装置において、 前記光源手段からの光束を所定の形状の光束に変換する
    ための光束変換素子と、 前記光束変換素子からの光束を集光して、基準光軸に対
    してほぼ対称に斜め方向から前記第1オプティカルイン
    テグレータへ入射させるための第1光学系とを備え、 前記光束変換素子からの射出光束の開口数が、前記第1
    オプティカルインテグレータにより形成される前記第1
    多数光源からの光束の開口数よりも大きく設定されてい
    ることを特徴とする照明光学装置。
  2. 【請求項2】 前記光束変換素子は、照明光路に対して
    挿脱自在に構成された複数の回折光学素子を有し、 前記複数の回折光学素子は、前記光源手段からの平行光
    束を円形状の光束に変換するための第1回折光学素子
    と、前記光源手段からの平行光束を輪帯状の光束に変換
    するための第2回折光学素子と、前記光源手段からの平
    行光束を前記基準光軸に対して偏心した複数の光束に変
    換するための第3回折光学素子とを有することを特徴と
    する請求項1に記載の照明光学装置。
  3. 【請求項3】 前記第1光学系は、前記第2多数光源と
    して形成される輪帯状の光源の輪帯比または前記基準光
    軸に対して偏心した複数の光源からなる複数極状の光源
    の輪帯比を変更するために倍率が可変の第1変倍光学系
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の照
    明光学装置。
  4. 【請求項4】 前記第1オプティカルインテグレータと
    前記第2オプティカルインテグレータとの間の光路中に
    は、前記第1オプティカルインテグレータにより形成さ
    れる第1多数光源からの光束を前記第2オプティカルイ
    ンテグレータへ導くための第2光学系が配置され、 前記第2光学系は、前記第2多数光源の大きさを変更す
    るために倍率が可変の第2変倍光学系を有することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明光
    学装置。
  5. 【請求項5】 前記第1オプティカルインテグレータ
    は、照明光路に対して挿脱自在に構成された複数のマイ
    クロフライアイを有し、 前記複数のマイクロフライアイは、第1の焦点距離を有
    する多数の微小レンズからなる第1マイクロフライアイ
    と、前記第1の焦点距離とは実質的に異なる第2の焦点
    距離を有する多数の微小レンズからなる第2マイクロフ
    ライアイとを有することを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1項に記載の照明光学装置。
  6. 【請求項6】 前記第1マイクロフライアイを構成する
    各微小レンズの焦点距離は、前記第2多数光源として2
    /3から3/4までの範囲の輪帯比を有する輪帯状の光
    源または複数極状の光源を形成するための所望の値に設
    定されていることを特徴とする請求項5に記載の照明光
    学装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    照明光学装置と、前記被照射面に配置されたマスクのパ
    ターンを感光性基板に投影露光するための投影光学系と
    を備えていることを特徴とする露光装置。
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