JP2003089957A - ワイパー用積層物の製造方法 - Google Patents
ワイパー用積層物の製造方法Info
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Abstract
適したウェットタイプワイプ、あるいは大人用お尻ふ
き、汗とり用等のドライタイプワイプに適した柔軟性、
表面肌触り、および保水性とを兼ね備えた特に対人向け
に適したワイパー用積層物を得るための製造方法を提供
する。 【解決手段】 親水性繊維を20〜80重量%、ポリエ
ステル繊維0〜40重量%、および熱接着性繊維20〜
80重量%からなる2層の繊維ウェブ層の間にパルプ繊
維層を介在させ、次いでオリフィスが0.3〜1.5mm
の間隔で設けられたノズルから柱状水流を噴射し高圧水
流処理を施して繊維同士を三次元的に交絡させた後、熱
接着性繊維のみが溶融する温度で熱処理を施す柔軟性、
表面肌触り、および保水性に優れたワイパー用積層物の
製造方法。
Description
ュ、使い捨ておしぼり、クレンジング用ワイプ、特に赤
ちゃんのお尻ふきに適したウェットタイプワイプ、ある
いは大人用お尻ふき、汗とり用等のドライタイプワイプ
に適した柔軟性、表面肌触り、および保水性とを兼ね備
えた特に対人向けに適したワイパー用積層物の製造方法
に関するものである。
おしぼりなどにはレーヨン等の親水性繊維または親水性
繊維と熱接着性複合繊維の混綿からなる繊維ウェブに高
圧水流処理を施した不織布、あるいは特開昭60−18
3139号公報のように乾式法不織布層と吸水性薄層が
エンボス加工により一体的接着した複合不織布などが提
案されている。
の不織布には以下の問題点がある。例えば、レーヨン等
の親水性繊維に高圧水流処理を施した不織布であれば、
不織布表面に親水性繊維がかなり露出しているため、空
気中に曝しておくと吸水した水分の蒸発速度が速く、さ
らに水分の移行度合いも大きいため、保水性が途端に低
下する。これをウェットティッシュに使用すると、例え
ばボックスタイプなどの容器に数十枚もの不織布を積層
した場合、上の方の不織布が水分蒸発や水分移行のため
乾燥し易くなり、一方、下方の不織布に水分が溜まり易
くなり実用的でなくなる。また不織布の強力が小さく、
伸度が大きいため製造工程上での取り扱いが不便であ
る。
熱接着性複合繊維を混綿し繊維間を熱接着させることに
より、ドライ時およびウェット時の不織布強力、伸度の
低下を防止できるが、実用的な強力、伸度を得るには熱
接着性複合繊維を多量に混綿する必要があり、混綿量が
多くなると風合いが硬くなって表面にざらついた触感が
あり、使用者に不快な感触を持たせる。また吸水性のな
い熱接着性繊維を多量に用いるため、保水性に劣る。
ように乾式法不織布層と吸水性薄層がエンボス加工によ
り一体的接着した複合不織布は、乾式法不織布層と吸水
性薄層が層間剥離することは抑制されるが、エンボス部
分の構成繊維は溶融しフィルムライクとなるため、風合
いが硬く、使用者に不快な感触を持たせるだけでなく、
エンボス部分にはほとんど吸水しないので保水性に劣
る。
においてべたつき感やざらつき感がなく、保水性に富む
ワイパー用積層物が未だ得られていないのが実情であ
る。本発明はかかる実情を鑑みてなされたものであり、
適度な柔軟性、良好な表面肌触り性、および保水性を兼
ね備えたワイパー用積層物の製造方法を提供することを
目的とする。
物の製造方法は、親水性繊維を20〜80重量%、ポリ
エステル繊維0〜40重量%、および熱接着性繊維20
〜80重量%からなる2層の繊維ウェブ層の間に、5〜
50g/m2のパルプ繊維層を介在させ、次いでオリフィス
が0.3〜1.5mmの間隔で設けられたノズルから柱状
水流を噴射し高圧水流処理を施して繊維同士を三次元的
に交絡させた後、熱接着性繊維のみが溶融する温度で熱
処理を施して構成繊維を熱接着させることを特徴とす
る。以下、本発明の内容を具体的に説明する。
方法において使用する繊維は、少なくとも親水性繊維、
パルプ繊維、および熱接着性繊維の3種類の繊維が用い
られる。これら繊維の使用により、特に湿潤時に保水性
のよいワイパーが得られる。親水性繊維が積層物の表面
に露出することにより、湿潤して使う場合良好な肌触り
が得られるのである。さらにポリエステル繊維を混綿す
ることにより、湿潤時にへたりがなく、嵩のあるワイパ
ーが得られる。前記親水性繊維は、綿などの天然繊維、
レーヨン、キュプラなどの再生繊維等が挙げられる。そ
の中でもレーヨン繊維が取り扱い性、汎用性の観点から
好ましく用いられる。レーヨン繊維を用いることによ
り、保水性および製造工程性に優れた不織布が得られ
る。
0重量%含有される。好ましい親水性繊維の含有量は、
40〜60重量%である。親水性繊維の含有量が20重
量%より小さいと、積層物表面のウェット性が損なわ
れ、80重量%より大きいと、積層物の強力が損なわれ
るからである。
る単一繊維、複合繊維、異形断面繊維等潜在的に熱接着
性能を持つ繊維であれば特に限定はされないが、加工性
の点で複合繊維が好ましい。前記ポリエステル繊維を混
綿する場合であれば、繊維表面の少なくとも一部がポリ
エステル繊維より低融点の熱可塑性繊維を用いるのがよ
い。
る場合、複合繊維を形成する第一成分は、融点(T1
℃)が130<T1<300の範囲にある熱可塑性樹脂
であり、前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド
類、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレンビニルアルコール共重合
体等のポリオレフィン類のホモポリマー、コポリマ−、
グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイが都合
良く用いることができる。
は、その融点が第一成分よりも20℃以上低い熱可塑性
樹脂が好ましく、このような樹脂としては、例えば、ポ
リエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−ブテン−1−プロピレン三元共重合体等のプロピレン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸メチル共重合体を挙げることができる。
組み合わせて、第一成分を芯、第二成分を鞘に配置した
芯鞘型複合繊維または偏心芯鞘型複合繊維、あるいは両
成分が非相溶性であり各成分の一部が繊維表面に露出し
ている分割型複合繊維や一方の成分の熱収縮により分割
する熱分割型複合繊維が用いられ、ポリエチレンテレフ
タレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン/ポリエチ
レン、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体
からなる芯鞘型複合繊維または偏心芯鞘型複合繊維、ポ
リエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート/ナイロン、ポリプロピレン/ポリ
エチレンからなる分割型複合繊維、あるいはポリエチレ
ンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体から
なる熱分割型複合繊維などが好ましく用いられる。
慮する場合は芯鞘型複合繊維が好ましく、不織布のボリ
ューム感を考慮する場合は偏心芯鞘型複合繊維が好まし
い。また柔軟性を考慮する場合、分割型複合繊維や熱分
割型複合繊維を用いると高圧水流処理時に各成分が容易
に分割して極細繊維化されるので特に好ましい。
30<T1<300の範囲にある熱可塑性樹脂を第一成
分、該第一成分の融点より20℃以上低い熱可塑性樹脂
を第二成分とし、該第一成分を芯、該第二成分を鞘に配
置した芯鞘型複合繊維または偏心芯鞘型複合繊維である
ことが好ましい。かかる熱接着繊維を用いることによ
り、繊維間の熱接着が容易となり、不織布の毛羽立ちを
防ぐことができる。
〜80重量%含有される。好ましい熱接着性繊維の含有
量は、40〜60重量%である。熱接着性繊維の含有量
が20重量%未満であると、積層物としたときの強力が
損なわれ、例えばボックスタイプ等の容器から取り出す
ときに容易に伸びてしまい、取り扱い性に劣る。熱接着
性繊維の含有量が80重量%より大きいと、風合いが硬
くなり、表面肌触りがざらついた触感となり好ましくな
い。
触り性を向上させる場合は、疎水性でバルキー感のある
熱可塑性合成繊維を混綿することが好ましく、その中で
ポリエステル繊維が最も好ましい。他の熱可塑性合成繊
維、例えばポリオレフィン系繊維だと高圧水流処理した
ときの繊維交絡性が悪く、毛羽立ちや不織布強力で劣り
好ましくない。またポリアミド系、例えばナイロン繊維
だと親水性があり好ましくない。使用できる繊維として
はポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レートからなる繊維が好ましいが、これに限定されるも
のではない。
0〜40重量%含有される。ポリエステル繊維の含有量
が40重量%より大きいと、保水性の面で劣り、ウェッ
トティッシュ用積層物として用いた場合、本来のウェッ
ト性が損なわれる。またポリエステル繊維は積層物表面
に露出することにより、部分的に疎水性成分が露出し、
湿潤時においても適度にさらりとした触感が得られる。
び熱接着性繊維の繊度は特に限定されないが、繊度を細
くするとしなやか感が増大し風合いが柔軟になるので、
繊度は0.7〜3デニールが好ましい。
水性繊維が40〜60重量%、熱接着性繊維が60〜4
0重量%であることが好ましい。かかる構成により適度
な柔軟性と保水性を兼ね備えたワイパーが得られる。
00%のパルプ紙やティッシュペーパーのようなバイン
ダーで軽く接着させた紙などを介在させるとよい。前記
パルプ層は、目付5〜50g/m2のものが用いられる。目
付が5g/m2より少ないと、パルプの量が不足しウェット
ワイパーとして使用するとき十分な保水性を得られな
い。目付が50g/m2より大きいと、嵩高になり過ぎ使用
感を悪くする。パルプ紙は製造時の高圧水流処理により
叩開され、かつ両面の不織布層を構成する各繊維群がパ
ルプ紙を貫通して相互に絡みあっている。このためパル
プ紙は中間層としての元のパルプ紙の形態をなしておら
ず、パルプ繊維層となっている。特に、バインダーを有
していないパルプ100%のパルプ紙が水流に対する水
解性がよく好ましい。パルプ100%のパルプ紙は薄
く、低目付であるため積層物に必要なだけ数枚を重ねて
使用しても後述する高圧水流処理により繊維ウェブ層の
構成繊維とパルプ繊維を効率よく交絡させることができ
る。またパルプ繊維は、ランダムに配向しているので、
積層物の縦横強力のバランスがよい。
層が中間層として介在することにより、特にウェットワ
イパーとして使用すると、水分は中間層に多く含まれる
ので表面の手触りはべたつかず、使用者の手と汚染部の
皮膚の押圧力により水分が絞り出され、汚れをふきとる
ので都合がよい。また中間層に水分を保持できるため、
吸水した水分の蒸発速度が遅く、さらに水分の移行度合
いも小さいので、例えばウェットティッシュとしてボッ
クスタイプなどの容器に数十枚もの積層物を積層した場
合、上の方の積層物が水分蒸発や水分移行による乾燥が
極力抑制され、下方の積層物に水分が溜まり難くなる。
ポリエステル繊維を0〜40重量%、および前記熱接着
性繊維を20〜80重量%含有する2層の繊維ウェブ層
の間に、目付5〜50g/m2の前記パルプ繊維層を介在さ
せ、次いでオリフィスが0.3〜1.5mmの間隔で設け
られたノズルからの柱状水流を噴射して高圧水流処理を
施し、繊維同士を三次元的に交絡させた後、前記熱接着
性繊維のみが溶融する温度で熱処理を施し、構成繊維を
熱接着させることによってワイパー用積層物が得られ
る。
合で混綿させた後にカード機を用いて繊維ウェブに形成
される。繊維ウェブの態様は特には限定されず、パラレ
ルウェブ、クロスウェブ、ランダムウェブ、あるいはエ
アレイなどいずれであっても良い。
を介在させた積層物は、オリフィスが0.3〜1.5mm
の間隔で設けられたノズルからの柱状水流を噴射して高
圧水流処理を施して繊維同士の三次元的な交絡が付与さ
れる。前記高圧水流処理は、従来から良く知られている
方法で行えば良く、その条件は最終的に得ようとする積
層物の目付、柔軟性、あるいは山部および谷部の畝数な
どに応じて設定すればよい。例えば、目付30〜60g/
m2の積層物を得ようとする場合は、孔径0.05〜0.
5mmのオリフィスが0.3〜1.5mmの間隔で設けられ
たノズルから、水圧20〜70kg/cm2の柱状水流を積層
物の表裏面側からそれぞれ1〜4回ずつ噴射するとよ
い。
除去するために乾燥させる。そして乾燥後または乾燥と
同時に、前記熱接着性繊維によって構成繊維を熱接着さ
せる為に熱接着性繊維のみ溶融する温度で熱処理を行
う。例えば、熱接着性繊維として複合繊維を用いた場
合、複合繊維の第二成分の融点以上、複合繊維の第一成
分の融点以下の温度で熱処理される。そして、熱処理温
度を上記の範囲内で変化させることによって、得られる
積層物の柔軟性および肌触りを調節することは可能であ
る。
の目付は、20〜100g/m2が好ましい。かかる目付の
不織布を採用することにより、柔軟性と表面の肌触りの
よさとを兼ね備えたワイパーが得られる。より好ましく
は、25〜80g/m2である。目付が20g/m2より小さい
と、構成繊維が粗に集合した溝状の谷部の交絡が弱くな
り強力が得られず、目付が100g/m2より大きいと、積
層物の重量や厚みが大きくなり過ぎ、また経済的でない
からである。
は、図1に示すように、上記の3層が交絡一体化される
と共に熱接着性繊維により熱接着されてなり、構成繊維
が密に集合した畝状の山部と構成繊維が粗に集合した溝
状の谷部が積層物の縦方向に交互に各々15〜100本
/25mmずつ存在した構造となる。かかる構造により、
山部が適度に対人の肌に接触して、適度の肌触り性が得
られる。山部および谷部が15本/25mmより小さい
と、山谷間が大きくなり山部の接触面積が小さく表面積
を有効利用できないか、あるいは山部の面積を大きく
し、谷部の面積を小さくすることも可能であるが、構成
繊維の交絡が著しく低下するため強力が得られない。ま
た100本/25mmより大きいと、構成繊維の交絡が大
きくなり過ぎ、風合いが硬くなり好ましくない。
比は、ドライ状態で0.6以下および/またはウェット
状態で0.3以下である。ワイパー用積層物の初期強伸
度比をかかる構成とするにより、適度な柔軟性、良好な
表面肌触り性を兼ね備えたワイパーが得られる。より好
ましくは、ドライ状態で0.01〜0.45、ウェット
状態で0.01〜0.25である。初期強伸度比は、J
IS L 1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの
試料片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張
試験機を用いて引張速度20cm/分で伸長した時に得
られる荷重−伸び曲線(図2)の立ち上がり(初期)の
カーブに対して接線を引き、その傾きを求めたものであ
り、初期強伸度比が大きいと不織布のコシが強く、初期
強伸度比が小さいと不織布のコシが弱い。つまり、人が
弱い力で握ったりしたときに、不織布のコシの強いもの
は硬く感じ、コシの弱いものは柔らかく感じるものであ
る。初期強伸度比がドライ状態で0.6、あるいはウェ
ット状態で0.3より大きいと硬く感じるため好ましく
ない。なお、ここでいうドライ状態とは、構成繊維の公
定水分率の範囲内で保水した状態のものをいう。またウ
ェット状態とは、強制的に積層物全体に水分を付与し、
水分率が積層物に対して230〜270%の状態をい
う。
よび/またはウェット状態における破断伸度は、80%
以下が好ましい。かかる破断伸度に抑制することによ
り、ワイパー用積層物をボックスタイプ等の容器から引
っ張り出すときに、ワイパーの伸びを抑制し、取り出し
が容易となる。また、製造工程中での幅入り等を抑制す
ることができる。より好ましくは、10〜75%であ
る。さらに好ましくは20〜70%である。破断伸度が
80%より大きいと、例えばボックスタイプなどの容器
から引っ張り出すときにワイパーが伸びてしまい、容易
に取り出せないからである。
量が70以下であることが好ましい。かかる保水率変化
量に抑制することにより、水分が主としてパルプ繊維層
で保持されるため、吸水した水分の蒸発速度が遅く、さ
らに水分の移行度合いも小さい。ここでいう保水率変化
量とは、以下のとおり測定した。 サンプルを20cm×20cmにカットし、約250%の
水分率になるよう調整し、初期重量(g)を測定する。
(n=5) 室温25℃、湿度60%の雰囲気下に静置し、30分
ごとに重量(経過時間重量)を測定し、計180分間に
なるまで評価する。 次式により保水率経時変化量を算出する。 保水率経時変化量={(初期重量−経過時間重量)/初
期重量}×100 図3に示すように、Y軸に保水率経時変化量、X軸に
各経過時間をプロットし、それを直線で結び、その囲ま
れた面積を算出し、保水率変化量とした。
速度や水分の下方への移行度合いを示す指標であり、数
値が小さいほど変化量が少なく、水分の蒸発速度や移行
速度が小さいといえる。保水率変化量が70より大きい
と、水分の蒸発速度や移行速度が大きく好ましくない。
イプワイプ、あるいはドライタイプワイプに好ましく用
いられる。ウェットタイプワイプに用いるときは、所定
の水分率、例えばウェットティッシュであれば、150
〜350%の水分率で所要の成分が付与され、使用する
ことができる。
る。なお、得られた積層物の引張強力、破断伸度、表面
肌触り性および柔軟性はそれぞれ次の方法で測定した。
GAUGE モデル CR-60A 株式会社大栄科学精器製作所製)
を用い、試料1cm2あたり20gの荷重を加えた状態で
測定した。
96に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をつかみ
間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用いて
引張速度20cm/分で伸長し、切断時の荷重値および
伸長率をそれぞれ引張強力、破断伸度とした。
ット状態における積層物を机上に設置し、積層物の表面
に手の甲を滑らせてそのときの触感を表1に示す三段階
で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人
がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。
手で握り、そのときの触感を表1に示す3段階で評価し
た。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞ
れ評価した等級の最多数をその等級とした。
デニール、繊維長40mmのレーヨン繊維(ダイワボウレ
ーヨン(株)製)、熱接着性繊維として融点132℃の
高密度ポリエチレンを鞘成分、融点165℃のポリプロ
ピレンを芯成分とする繊度2デニール、繊維長51mmの
芯鞘型熱接着性複合繊維(大和紡績(株)製)を用意し
た。それぞれレーヨン繊維を60重量%、熱接着性繊維
を40重量%混綿し、セミランダムカードで目付10g/
m2の繊維ウェブを作製した。
に、目付18g/m2、厚み0.18mm、引張強力がタテ9
30g/5cm、ヨコ170g/5cmのパルプ100%紙を挟
み、この積層ウェブを孔径0.1mmのオリフィスが0.
6mm間隔で設けられているノズルを用いて繊維ウェブの
表面側に水圧20kg/cm2、40kg/cm2、45kg/cm2の柱
状水流をそれぞれ1回ずつ、裏側に水圧35kg/cm2の柱
状水流を2回噴射して、ウエブの構成繊維を交絡させ積
層物となした。
通型乾燥機を用いて140℃で乾燥させながら同一温度
で、積層物中の複合繊維の鞘成分を溶融させることによ
り構成繊維の熱接着加工を行い、ワイパー用積層物を得
た。得られたワイパー用積層物には、構成繊維が密に集
合した畝状の山部と構成繊維が粗に集合した溝状の谷部
が積層物の縦方向に交互に各々36本/25mmずつ存在
していた。
熱接着性繊維を60重量%とした以外は、実施例1と同
様の条件でワイパー用積層物を得た。
ポリエステル繊維を20重量%、熱接着性繊維を40重
量%とした以外は、実施例1と同様の条件でワイパー用
積層物を得た。上記実施例1〜3で作製されたワイパー
用積層物の性能を表2に示す。
熱接着性繊維を20重量%混綿し、セミランダムカード
で目付40g/m2の繊維ウェブを作製した。そして、孔径
0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられている
ノズルを用いて繊維ウェブの表面側に水圧20kg/cm2、
40kg/cm2、45kg/cm2の柱状水流をそれぞれ1回ず
つ、裏側に水圧35kg/cm2の柱状水流を2回噴射して、
ウェブの構成繊維を交絡させ、次いで熱風貫通型乾燥機
を用いて140℃で乾燥させながら同一温度で、複合繊
維の鞘成分を溶融させることにより構成繊維の熱接着加
工を行い、不織布を得た。比較例1で作製された不織布
の性能を表2に示す。
の中間にパルプ紙を挟み積層物とすると、表面肌触りに
おいてべたつき感がなく適度にさらっとした触感であ
り、柔軟性に富むワイパー用積層物が得られた。
ワイパーを15cm×20cmにカットし、ウェット状態で
ボックスタイプの容器に90枚積層し、約1ヶ月放置し
ておくと、実施例1〜3のウェットワイパーの上方は若
干乾燥していたものの下方のワイパーに水分が少量移行
している程度であったが、比較例1においては、上方の
ワイパーはほとんど乾燥し、下方のワイパーには水分が
多量に移行していた。また容器からの取り出し性におい
ても、実施例1〜3はほとんど抵抗感無く取り出せる
が、比較例1においてはワイパーが伸びてしまい、取り
出し性は良好とはいえなかった。
ー用積層物は、不織布の中間にパルプ繊維層を介在して
いるため、良好な肌触り、柔軟性をもたせることができ
る。特に、湿潤時に水分が積層物の内部に保有されるた
め、ワイパーとしての皮膚への当たりがさわやかであ
る。
イパー用積層物は、あらかじめ保湿加工を施すウェット
ティッシュ、使い捨ておしぼり、クレンジング用ワイプ
等のウェットタイプワイプとして用いた場合、長時間の
保湿効果をもち、あわせて拭き取り性およびウェット性
を損なうことなく、使用者に心地よい触感を与える。ま
た、大人用お尻ふきや汗とり用等のドライタイプワイプ
として用いた場合、吸液性と表面肌触り性を兼ね備えて
いるため、使用者に心地よい触感を与える。
用積層物は、伸度を低く抑えた寸法安定性の良好な不織
布であり、ボックスタイプなどの容器から取り出すとき
などの取り扱い性に優れている。さらに各構成繊維を混
綿させて用いる場合、その際の各構成繊維の混綿率を変
化させることによって、柔軟性や肌触り等を容易に調節
することが可能となる。
積層物の斜視図を示す。
び曲線を示す。
時変化量−時間グラフを示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 親水性繊維を20〜80重量%、ポリエ
ステル繊維0〜40重量%、および熱接着性繊維20〜
80重量%からなる2層の繊維ウェブ層の間に、5〜5
0g/m2のパルプ繊維層を介在させ、次いでオリフィスが
0.3〜1.5mmの間隔で設けられたノズルから柱状水
流を噴射し高圧水流処理を施して繊維同士を三次元的に
交絡させた後、熱接着性繊維のみが溶融する温度で熱処
理を施して構成繊維を熱接着させることを特徴とするワ
イパー用積層物の製造方法。 - 【請求項2】 繊維ウェブ層が、カード機を用いて形成
される繊維ウェブである請求項1記載のワイパー用積層
物の製造方法。 - 【請求項3】 高圧水流処理が、水圧20〜70kg/cm2
の柱状水流を積層物の表裏面側からそれぞれ1〜4回ず
つ噴射する請求項1または2に記載のワイパー用積層物
の製造方法。 - 【請求項4】 構成繊維が密に集合した畝状の山部と構
成繊維が粗に集合した溝状の谷部が積層物の縦方向に交
互に各々15〜100本/25mmずつ存在した積層物で
ある請求項1〜3のいずれかに記載のワイパー用積層物
の製造方法。
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