JP2003089868A - Itoスパッタリングターゲット - Google Patents

Itoスパッタリングターゲット

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JP2003089868A JP2001283657A JP2001283657A JP2003089868A JP 2003089868 A JP2003089868 A JP 2003089868A JP 2001283657 A JP2001283657 A JP 2001283657A JP 2001283657 A JP2001283657 A JP 2001283657A JP 2003089868 A JP2003089868 A JP 2003089868A
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Naoki Ono
野 直 紀 尾
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 機械研削工程を経て製造され、酸化イン
ジウムおよび酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物
(ITO)からなるターゲットのスパッタ面に、1μm
を超える膜厚を有するITO被膜が被着形成されている
ITOスパッタリングターゲットを提供する。 【効果】 初期アークの発生を効果的に低減した初期安
定性の高いスパッタリングターゲットを得ることがで
き、このスパッタリングターゲットを用いてスパッタリ
ングすることで、生産性が向上し効率的に高性能な薄膜
形成を行うことができる。また、仕上げ研削工程を省く
ことができるため、研削工程を簡素化し低コスト化する
こともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ITOスパッタリングタ
ーゲットに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、薄膜形成法の1つとし
てスパッタリング法が知られている。スパッタリング法
とは、一般に減圧下でプラズマ状態とした不活性ガスを
ターゲットに衝突させ、そのエネルギーにより、ターゲ
ットから飛び出した分子や原子を基板に付着させること
で基板上に薄膜を形成する方法であり、大面積化が容易
で高性能の膜が得られることから工業的に利用されてい
る。
【0003】また近年、スパッタリングの方式として、
反応性ガス中でスパッタリングを行う反応性スパッタリ
ング法や、ターゲットの裏面に磁石を設置し薄膜形成の
高速化を図るマグネトロンスパッタリング法なども知ら
れている。このようなスパッタリング法を用いて形成さ
れる薄膜のうち、特に酸化インジウム(In23)およ
び酸化スズ(SnO2)の少なくとも一方を含む酸化物
(以下、ITOという)膜は、可視光透過性が高く導電
性も高いため、透明導電膜として液晶表示装置やガラス
の結露防止用発熱膜、赤外線反射膜などに広く用いられ
ている。
【0004】しかしながら、スパッタリング法でこのよ
うな高性能の薄膜を形成する際には、以下のような問題
点があった。すなわち、スパッタリングの際、特にスパ
ッタリング開始初期に、アーキングとよばれる異常放電
が発生し、成膜安定性が害されるほか、スパッタリング
ターゲット(以下、単にターゲットともいう)上にパー
ティクルが付着、堆積することでノジュールとよばれる
黒色の付着物が生じてアーキングの原因になったり、こ
のアーキングにより新たなパーティクルが発生するとい
う問題があった。また、このパーティクルが薄膜に付着
すると薄膜の性能を悪化させ、薄膜欠陥の原因ともなっ
ていた。
【0005】特に新しいスパッタリングターゲットをセ
ットして、スパッタリング開始直後からアーキング(以
下、初期アークともいう)が生じなくなって製品を製造
できるまでの時間は空運転を行わなければならず、生産
性向上の障害となっていた。従来、このようなアーキン
グやノジュールの発生は、ターゲット表面を研磨して平
滑にするほど低減するといわれており、表面を平滑にし
た表面研磨ターゲットがいまのところ主流となってい
る。たとえば、ターゲットの表面粗さを所定の範囲内に
することでアーキングやノジュールの発生を防止しよう
とするITOスパッタリングターゲットが、特許第2750
483号公報、特許第3152108号公報などに記載されてい
る。しかしながら、このような所定の表面粗さを達成す
るためには、ターゲットを作成した後、機械研削により
粗研削して厚さを調整し、さらに段階的に仕上げ研削
(研磨)してターゲット表面を平滑化していくことが必
要であり、製造時間およびコストがかさむといった問題
があった。また、このような所定の表面粗さを有するI
TOターゲットにおいても、初期アークを防止すること
はできず、新しいスパッタリングターゲットをセットし
てから比較的長時間にわたって空運転しなければならな
いという問題があった。
【0006】また特許第3040432号公報には、金属化合
物部と金属部とから構成されたターゲットを反応ガス含
有雰囲気中で予備スパッタすることにより、金属部の上
に金属化合物の薄膜を形成させたスパッタリング用ター
ゲットが記載されている。これは金属部と組み合わせる
ことにより、ターゲット自体のコストを下げるととも
に、放出ガスを低減して薄膜性状を向上させようとする
ものであるが、ターゲットの構成から生産工程が複雑に
なるという問題がある。
【0007】特開平11-92923号公報には、ターゲット表
面に薄膜を設けることでスパッタリングの際に生成する
付着物の剥離を抑制することでダストの発生を防止し、
薄膜製品の歩留まりを向上させようとするスパッタリン
グターゲットが記載されている。しかしながら、これは
ターゲット表面に生成する付着物の剥離抑制を目的とす
るものであって、初期パーティクルの抑制にはならな
い。
【0008】本発明者らは、このような状況に鑑みて鋭
意研究した結果、研削工程などに起因してターゲット表
面に存在する初期パーティクルや、スパッタリング時の
熱衝撃により表層から脱離してパーティクルとなる部位
が、アーキングやノジュールの主な原因であり、ITO
ターゲットのスパッタ面に特定の膜厚を有するITO被
膜を別途、被着形成させることで、初期アークの発生を
防止できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0009】
【発明の目的】本発明は、初期アークの発生を防止し、
初期安定性を向上し、生産性を著しく向上させることが
できるようなITOスパッタリングターゲットを提供す
ることを目的とする。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るITOスパッタリングター
ゲットは、機械研削工程を経て製造され、酸化インジウ
ムおよび酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物(IT
O)からなるターゲットのスパッタ面に、1μmを超え
る膜厚、好ましくは1.5μm以上、より好ましくは2μ
m以上の膜厚を有するITO被膜が被着形成されている
ことを特徴としている。
【0011】また、本発明に係るITOスパッタリング
ターゲットは、表面粗さRaが1μm以上であっても、
1.5μm以上であっても、2μm以上であってもよい。
なお、本明細書において、表面粗さRaとは、JIS B 0
601(1994年)に準拠して測定される粗さ曲線の算術平
均粗さを意味する。本発明においては、ITOターゲッ
トの少なくともスパッタ面に被着形成されているITO
被膜がスパッタリング法により被着形成されるものであ
ることが好ましい。
【0012】このように本発明では、ITOターゲット
のスパッタ面に特定の膜厚を有するITO被膜を形成さ
せているので、スパッタリング初期からアーキングの発
生を効果的に防止しうる。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。一般にITOターゲットは、原料粉末を所定の
配合率で混合し、従来公知の各種乾式法または湿式法を
用いて成形、焼成(焼結)後、機械研削する焼結法によ
って製造されている。
【0014】たとえば乾式法としては、CP(コールドプ
レス)法やHP(ホットプレス)法、HIP(ホットアイソ
スタティックプレス)法などを挙げることができる。CP
法では、混合した原料粉末を成形型に充填して成形体を
作成し、大気雰囲気下または酸素雰囲気下で焼成(焼
結)する。HP法では混合した原料粉末を電気炉内部の成
形型に入れ、加熱加圧しながら成形と焼結とを同時に行
う。HIP法では、混合した原料粉末または予備成形体
を、ゴムなどの袋または高温においても被覆体を形成す
る金属箔などに封入脱気した後、容器内に挿入し、不活
性雰囲気媒体を通じて等方的に加圧しながら加熱焼結す
る。
【0015】湿式法としては、たとえば、特開平11-286
002号公報に記載の濾過式成形法が挙げられる。この濾
過式成形法は、セラミックス原料スラリーから水分を減
圧排水して成形体を得るための非水溶性材料からなる濾
過式成形型を用いて、この濾過式成形型に混合した原料
粉末、イオン交換水、有機添加剤からなるスラリーを注
入し、スラリー中の水分を減圧排水して成形体を作成
し、この成形体を乾燥脱脂後、焼成(焼結)する。
【0016】通常、このようにして原料を型内で成形し
焼成(焼結)した後、さらにこの焼結体を所定寸法に成
形加工するために機械研削し、その後バッキングプレー
トとボンディングしてターゲットとする。このうち機械
研削としては一般に、平面研削、ロータリー研磨、ブラ
ストなどの方法を必要に応じて適宜採用し、前記成形加
工のための研削後、厚さ調整のために表面を粗研削し、
さらに表面を平滑にするために段階的に砥石の目を細か
くして仕上げ研削(以下、研磨ともいう)をするか、も
しくはガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビー
ズなどを投射材として用いたブラストによる研削(以
下、仕上げ研削と併せて、研磨ともいう)が行われてい
る。
【0017】本発明は、このような機械研削工程を経た
ITOターゲットのスパッタ面に特定の膜厚のITO被
膜を被着形成させることを特徴とするが、このようにタ
ーゲットのスパッタ面にITO被膜を被着形成させるこ
とで、研削により発生したバリや研削粉、スパッタリン
グ時の熱衝撃により脱離しやすい部位をITOで被着か
つ接合し、良好なターゲット表面を得ることができ、ス
パッタリングの際に初期アークを効果的に低減すること
ができると考えられる。
【0018】このようなITO被膜を被着形成させる方
法としては、たとえばスパッタリング法、蒸着法、イオ
ンプレーティング法、塗布法、スプレー法などが好まし
く挙げられる。このうち、膜厚調整が容易であるととも
に経済的な点からスパッタリング法をより好ましく用い
ることができる。本発明においてターゲットのスパッタ
面に被着形成されるITO被膜の組成は、ターゲット材
であるITOの組成比と同一であることが好ましいが、
ターゲット材の構成元素以外のものを含まなければ、必
ずしも同一の組成比でなくてもよい。
【0019】また、本発明において、ターゲットのスパ
ッタ面に被着形成されるITO被膜の膜厚は、走査型電
子顕微鏡(SEM)を用いた断面顕微鏡観察などの方法
によって測定することができるが、本明細書では以下の
ような方法によって決定した。すなわち、予めガラス基
板にスパッタリングによりITO膜を成膜し、ガラス基
板とITO膜の高低差からその膜厚を測定した後、この
膜厚と成膜に要したスパッタリングの時間とから成膜レ
ート(nm/sec)を算出し、スパッタリングした時間から
膜厚を決定する。具体的には、ガラス基板(コーニング
社製#7059)を基板として、スパッタリングによりIT
O膜を成膜した後、Dektak IIA(SloanTechnology社
製)を用いてガラス基板と、ガラス基板上にITO膜を
設けた部位との高低差を測定し、ITO被膜の膜厚を測
定する方法が挙げられる。このようにして求めたITO
被膜の膜厚と、成膜に要したスパッタリングの時間から
成膜レートを得ることができる。
【0020】本発明においては、スパッタ面に被着形成
されるITO被膜の膜厚が好ましくは1μmを超えてお
り、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2
μm以上であることが望ましい。ITO被膜の膜厚が1
μmを超えると、スパッタリングの際の累積アーク回数
が著しく減少し初期アーク特性に優れる。なお、ITO
被膜の膜厚は、上記範囲以上である限り、通常5μm以
下であってもよい。
【0021】本発明において、ターゲットの初期アーク
特性は、測定装置としてμ Arc Monitor(MAM Genesi
s)(ランドマークテクノロジー社製)を用いて、スパ
ッタ面にITO被膜を別途被着形成させたターゲットを
用いてスパッタリングする際に、ターゲットの単位面積
に単位時間当たりに投入した電力量の積算値(積算投入
電力量Wh/cm2)に対する累積アーク回数により評価す
ることができる。このような積算投入電力量に対する累
積アーク回数が少ないほど、初期アーク特性に優れると
いえる。また、アーク回数が少ないことから、ターゲッ
ト寿命も長くなり、長期の成膜安定性にも優れる。
【0022】このように本発明によれば、特定の膜厚を
有するITO被膜をスパッタ面に被着形成することで、
初期アークを効果的に低減でき、従来のように必ずしも
表面を鏡面状に平滑に研磨(仕上げ研削)しなくても、
効率的なスパッタリングを行うことが可能なターゲット
を得ることができる。すなわち、本発明に係るスパッタ
リングターゲットの表面粗さ(算術平均粗さ)Raは、
機械研削後のターゲットの表面状態に依存するが、従来
好ましいとされてきた0.5μmより大きくてもよく、具
体的には、表面粗さRaは1μm以上であってもよく、1.
5μmであっても、2μm以上であってもよい。その一
方で、ターゲットのRaが0.5μm以下の場合でも本発明
が適用できるのは言うまでもない。
【0023】したがって、本発明を適用する場合には研
磨工程を省略し、ターゲットのスパッタ面にITO被膜
を被着形成することで効率的なスパッタリングターゲッ
トとすることができる。なお、機械研削後のITOター
ゲットにITO被膜を被着形成した後、常法に従いバッ
キングプレートとボンディングして最終的なスパッタリ
ングターゲットとしてもよいが、機械研削後のITOタ
ーゲットを常法に従いバッキングプレートとボンディン
グした後にITO被膜を被着形成することが好ましい。
後者によればITO被膜を被着形成した後のスパッタ面
に塵などの不純物が付着するのを防止することができ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、初期アークの発生を効
果的に低減した初期安定性の高いスパッタリングターゲ
ットを得ることができ、このスパッタリングターゲット
を用いてスパッタリングすることで、生産性が向上し効
率的に高性能な薄膜形成を行うことができる。また、仕
上げ研削工程を省くことができるため、研削工程を簡素
化し低コスト化することもできる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0026】
【実施例1】In23粉とSnO2粉とをIn23:Sn
2=90:10質量%の比で混合し、常法に従いITOの
焼結体を作成し、ターゲット材とした。このターゲット
材をφ4インチの大きさに切り出した後、スパッタに供
する面(スパッタ面)とボンディングする面(ボンディ
ング面)の両方を平面研削盤で研削し6mmの厚さに調
整し、次いでスパッタ面をダイヤモンド砥石で研削し
た。
【0027】このターゲット材をスパッタリング装置の
アノード側に配置し、カソード側に別のITOターゲッ
トを配置して、下記の条件でスパッタリングを行い、ア
ノード側のターゲットのスパッタ面に膜厚13500Å(1.3
5μm)のITO被膜を被着形成させた。このときのスパ
ッタ条件は、スパッタリング方式:DCマグネトロンス
パッタ、プロセスガス:Ar、プロセス圧力:3 mTor
r、酸素分圧:0.02 mTorr、投入電力:3 W/cm2であっ
た。
【0028】また、ITO被膜の被着形成前後のターゲ
ットのスパッタ面の表面粗さをJISB 0601(1994)に
準拠し測定したところ、表1のようになった。表面粗さ
は、表面粗さ計としてSE1700(小坂研究所社製)を用
いて、触針半径:2μm、送り速度:0.5mm/sec、カット
オフ:λc 0.8mm、評価長さ:4mmの条件で測定した。
【0029】
【実施例2】ターゲット材のスパッタ面に被着形成させ
たITO被膜の膜厚を27000Å(2.7μm)とした他は実
施例1と同様にしてターゲットを作成した。ITO被膜
の被着形成前後の表面粗さも実施例1と同様にして測定
した。結果を表1に示す。
【0030】
【実施例3】ターゲット材のスパッタ面とボンディング
面の両方を平面研削盤で粗研削し6mmの厚さに調整し
た後、スパッタ面をダイヤモンド砥石で研削する代わり
にアランダムビーズでブラスト処理し、かつターゲット
材のスパッタ面に被着形成させたITO被膜の膜厚を27
000Å(2.7μm)とした他は実施例1と同様にしてター
ゲットを作成した。ITO被膜の被着形成前後の表面粗
さも実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示
す。
【0031】
【比較例1】ターゲット材のスパッタ面に被着形成させ
たITO被膜の膜厚を1350Å(0.135μm)とした他は
実施例1と同様にしてターゲットを作成した。ITO被
膜の被着形成前後の表面粗さも実施例1と同様にして測
定した。結果を表1に示す。
【0032】
【比較例2】ターゲット材のスパッタ面に被着形成させ
たITO被膜の膜厚を9450Å(0.945μm)とした他は
実施例1と同様にしてターゲットを作成した。ITO被
膜の被着形成前後の表面粗さも実施例1と同様にして測
定した。結果を表1に示す。
【0033】
【試験例】実施例1〜3および比較例1、2で作成した
ターゲットを用いて、スパッタ条件をスパッタ方式:D
Cマグネトロンスパッタ、プロセスガス:Ar、プロセ
ス圧力:3 mTorr、酸素分圧:0.02 mTorr、投入電力:3
W/cm2として、成膜試験を行い、スパッタリング時の
初期アーク特性を評価した。
【0034】初期アーク特性は、積算投入電力量(Wh
/cm2)に対する累積アーク回数により評価した。積算投
入電力量に対する累積アーク回数が少ないほど、初期ア
ーク特性に優れるといえる。具体的には、アークカウン
ターとしてμ Arc Monitor(MAM Genesis)(ランドマ
ークテクノロジー社製)を用いて、測定条件を検出モー
ド:エネルギー、アーク検出電圧:100V、大-中エネル
ギー境界:50mJ、ハードアーク最低時間:100μsとし
て、スパッタリングの積算投入電力量が3Wh/cm2とな
るまでの累積アーク回数を測定した。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から、ターゲット表面へのITO被膜
の被着形成前後で表面粗さRaにはあまり差がなく、タ
ーゲット表面にITO被膜を被着形成した後のRaは、
ITO被膜被着形成前のターゲットの表面状態に依存す
ることが分かる。また、実施例1〜3および比較例1、
2を用いた初期アーク特性の評価結果を横軸に膜厚
(Å)、縦軸に累積アーク回数(回)をとったものを図
1に示す。
【0037】表1および図1から、ターゲット表面に被
着形成させたITO被膜の膜厚10000Å(1μm)を境と
して累積アーク回数が効果的に低減しており、ターゲッ
ト表面に被着形成させたITO被膜の膜厚が1μmを超
えると初期アーク特性に優れることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ターゲットのスパッタ面に被着形成さ
せたITO被膜の膜厚と初期アーク特性の関係を示す図
である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機械研削工程を経て製造され、酸化インジ
    ウムおよび酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物(I
    TO)からなるターゲットのスパッタ面に、1μmを超
    える膜厚を有するITO被膜が被着形成されていること
    を特徴とするITOスパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】前記ITO被膜の膜厚が1.5μm以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載のITOスパッタ
    リングターゲット。
  3. 【請求項3】前記ITO被膜の膜厚が2μm以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載のITOスパッタリン
    グターゲット。
  4. 【請求項4】前記スパッタ面の表面粗さRaが1μm以
    上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のITOスパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】前記スパッタ面の表面粗さRaが1.5μ
    m以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のITOスパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】前記スパッタ面の表面粗さRaが2μm以
    上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のITOスパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】ITOターゲットの少なくともスパッタ面
    に、被着形成されているITO被膜がスパッタリング法
    により被着形成されるものであることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のITOスパッタリングター
    ゲット。
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