JP2001164358A - Itoスパッタリングターゲット - Google Patents

Itoスパッタリングターゲット

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JP2001164358A
JP2001164358A JP35155599A JP35155599A JP2001164358A JP 2001164358 A JP2001164358 A JP 2001164358A JP 35155599 A JP35155599 A JP 35155599A JP 35155599 A JP35155599 A JP 35155599A JP 2001164358 A JP2001164358 A JP 2001164358A
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ito
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sputtered
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JP35155599A
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Kentaro Uchiumi
健太郎 内海
Yuichi Nagasaki
裕一 長崎
Satoshi Kurosawa
聡 黒澤
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エロージョン部のノジュール発生を抑制
すると同時に、スパッタリング中にITOターゲット上
の非エロージョン部に付着した付着物質の剥離を防止す
ることによって、製品の歩留まりを向上させるITOス
パッタリングターゲットを提供する。 【解決手段】 実質的にインジウム、スズおよび酸素か
らなるITOスパッタリングターゲットにおいて、前記
ターゲットの被スパッタリング面における表面粗さ(R
a)が0.1μm以下でかつ単位面積当たりの脆性破壊
領域が10%以下であるITOスパッタリングターゲッ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性薄膜製
造の際に使用されるITOスパッタリングターゲットに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】Indium Tin Oxide(I
TO)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、
更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネル
ディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜
等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表
示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野で
は近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用
電極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まっ
ている。
【0003】このようなITO薄膜の製造方法はスプレ
ー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸
着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別するこ
とができる。中でもスパッタリング法は大面積化が容易
でかつ高性能の膜が得られる成膜法であることから、様
々な分野で使用されている。
【0004】スパッタリング法によりITO薄膜を製造
する場合、スパッタリングターゲットとしては金属イン
ジウムおよび金属スズからなる合金ターゲット(ITタ
ーゲット)あるいは酸化インジウムと酸化スズからなる
複合酸化物ターゲット(ITOターゲット)が用いられ
る。このうち、ITOターゲットを用いる方法は、IT
ターゲットを用いる方法と比較して、得られた膜の抵抗
値および透過率の経時変化が少なく成膜条件のコントロ
ールが容易であるため、ITO薄膜製造方法の主流とな
っている。
【0005】スパッタリングの方式としては、薄膜の形
成速度を速めるためにターゲットの裏面に磁石を設置し
たマグネトロンスパッタリング法が主流となっている。
このマグネトロンスパッタリング法では、ターゲット表
面に入射するイオン密度の分布が不均一となり、その結
果ターゲット表面の内スパッタリングされるエロージョ
ン領域とスパッタリングされない非エロージョン領域が
形成される。
【0006】例えば、図1に示すような円形ターゲット
1がバッキングプレート5上に接合されているスパッタ
リングターゲットの断面図において、円形ターゲット1
表面の円環状領域3はエロージョン領域となり、周辺部
2や中心部4は非エロージョン領域となる。このため
に、領域3でスパッタリングされたターゲット物質の粒
子が周辺部2や中心部4に堆積する現象が生じる。この
周辺部および中心部での膜の堆積は、膜の厚さが厚くな
るのにともない剥離し易くなり、剥離したダストが基板
に付着することにより、製品の歩留まりを低下させると
いう悪影響を及ぼしていた。
【0007】このようにして発生するダストを抑制する
ため、ターゲットの中心部や周辺部での付着物質の付着
強度を増加させる試みがなされている。例えば、特開昭
63−467号のように、ターゲットのスパッタリング
面を粗面化し、付着物質の付着強度を増加させる試みが
なされている。しかし、スパッタリング速度が速い円環
状の領域3までも粗面化すると、この部分でノジュール
が発生しやすくなるという問題が生じる。
【0008】ノジュールとは、ITOターゲットをアル
ゴンガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中で連続してス
パッタリングした場合、積算スパッタリング時間の増加
と共にターゲット表面に現れる黒色の異物である。この
黒色の異物は、スパッタリング時の異常放電の原因とな
りやすく、またそれ自身が異物(パーティクル)の発生
源となることが知られている。このような問題を解決す
るため、例えば特開平05−148635号や特開平0
8−060352号のように、ターゲットの表面粗さを
低下させることが有効であることが報告されている。
【0009】即ち、非エロージョン部への付着物対策に
は表面粗さを大きくすることが有効であり、ノジュール
対策には表面粗さを小さくすることが有効であることが
知られている。
【0010】しかし、ターゲット表面のエロージョン領
域の表面粗さを小さくし、且つ非エロージョン領域を粗
面化する方法は、ターゲットの製造工程が複雑となるだ
けでなく、ターゲットの製造段階で付着物が付着する領
域を特定するのが困難であるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エロ
ージョン部のノジュール発生を抑制すると同時に、スパ
ッタリング中にITOターゲット上の非エロージョン部
に付着した付着物質の剥離を防止し、その結果、製品の
歩留まりが向上するためのITOスパッタリングターゲ
ットをより簡便な方法で提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、付着物質
とターゲットとの付着強度の関係について解析を行い、
(1)付着物質は薄膜を形成し、長時間ターゲットを使
用することにより、その膜厚は増大する、(2)薄膜と
ターゲットとの付着強度は弱いために、堆積した部分の
厚みが厚くなるのにともない剥離しやすくなる、(3)
ターゲットと付着する膜との付着強度を増加させること
により付着物の剥離を防止できる、等の知見を得た。そ
こで、ノジュール発生を抑制できるような表面粗さの小
さい状態で、付着物の付着強度を増加させる表面状態の
探索を行った。
【0013】その結果、スパッタリングに用いるITO
ターゲットの被スパッタリング面における表面粗さを
0.1μm以下とするとともに、単位面積当たりの脆性
破壊領域を10%以下とすることにより、表面粗さが小
さい状態であっても付着物質とターゲットとの付着強度
が増大し、パーティクルの発生を抑止できることを見出
した。
【0014】即ち本発明は、実質的にインジウム、スズ
および酸素からなるITOスパッタリングターゲットに
おいて、前記ターゲットの被スパッタリング面における
表面粗さ(Ra)が0.1μm以下でかつ単位面積当た
りの脆性破壊領域が10%以下であることを特徴とする
ITOスパッタリングターゲットに関するものである。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に使用されるITO焼結体およびそ
の製造方法としては、特に限定されるものではないが、
焼結体のポアのエッジ部での電界集中による異常放電や
ノジュールの発生を抑制するため、相対密度で99%以
上とすることが好ましく、より好ましくは99.5%以
上である。
【0017】なお、本発明でいう相対密度とは、In2
3およびSnO2の真密度の相加平均から求められる理
論密度(d)に対する相対値を示している。相加平均か
ら求められる理論密度(d)とは、ターゲットの組成に
おいて、In23およびSnO2粉末の混合量をaおよ
びb(g)としたとき、それぞれの真密度7.179お
よび6.95(g/cm3)を用いて、 d=(a+b)/((a/7.179)+(b/6.9
5)) により求めることができ、実際に得られた焼結体の密度
をd1とすると、その相対密度は、d1/d×100で
求めることができる。
【0018】このような極めて密度の高いITO焼結体
は、例えば、以下のような方法で製造することができ
る。
【0019】始めに、酸化インジウム粉末と酸化スズ粉
末との混合粉末或いはITO粉末等にバインダー等を加
え、プレス法或いは鋳込法等の成形方法により成形して
ITO成形体を製造する。この際、使用する粉末の平均
粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上昇しない場合が
あるので、使用する粉末の平均粒径は1.5μm以下で
あることが望ましく、更に好ましくは0.1〜1.5μ
mである。こうすることにより、より焼結密度の高い焼
結体を得ることが可能となる。
【0020】また、混合粉末またはITO粉末中の酸化
スズ含有量は、スパッタリング法により薄膜を製造した
際に比抵抗が低下する5〜15重量%とすることが望ま
しい。
【0021】次に得られた成形体に必要に応じて、CI
P等の圧密化処理を行う。この際CIP圧力は充分な圧
密効果を得るため2ton/cm2以上、好ましくは2
〜3ton/cm2であることが望ましい。ここで始め
の成形を鋳込法により行った場合には、CIP後の成形
体中に残存する水分およびバインダー等の有機物を除去
する目的で脱バインダー処理を施してもよい。また、始
めの成形をプレス法により行った場合でも、成型時にバ
インダーを使用したときには、同様の脱バインダー処理
を行うことが望ましい。
【0022】このようにして得られた成形体を焼結炉内
に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方
法でも用いることができるが、生産設備のコスト等を考
慮すると大気中焼結が望ましい。しかしこの他HP法、
HIP法および酸素加圧焼結法等の従来知られている他
の焼結法を用いることができることは言うまでもない。
【0023】また、焼結条件についても適宜選択するこ
とができるが、充分な密度上昇効果を得るため、また酸
化スズの蒸発を抑制するため、焼結温度が1450〜1
650℃であることが望ましい。また焼結時の雰囲気と
しては大気或いは純酸素雰囲気であることが好ましい。
また焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るため
に5時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望
ましい。
【0024】こうすることにより、焼結密度の高いIT
O焼結体を得ることができ、続いて、上記の方法等によ
り製造したITO焼結体を所望の大きさに研削加工す
る。
【0025】次に、所望の大きさに加工された焼結体の
被スパッタリング面における単位面積当たりの脆性破壊
領域が10%以下となるような加工を施す。
【0026】脆性破壊は、ITO焼結体の表面加工時に
発生する。加工とは、その材料を除去する工程であり、
その除去メカニズムは材料特性や加工方法によって、塑
性変形型あるいは脆性破壊型のいずれかが支配的にな
る。金属材料が主として塑性変形型であるのに対し、セ
ラミックスでは多くの材料で脆性破壊型が支配的になり
やい。いずれのメカニズムで加工が進んだかを判断する
には、光学顕微鏡、電子顕微鏡などを用いて観察する方
法が簡便であり、塑性変形によって加工が進んだ場合に
は、表面に研削条痕(平行な筋)が残り、脆性破壊型に
よって加工が進んだ場合は研削条痕が残らず、もぎ取ら
れたような粒子の欠落した様子が観察される。
【0027】従って、本発明でいう脆性破壊領域とは、
上記のように研削条痕が残らず、もぎ取られたような粒
子の欠落した様子が観察される表面を有する領域を示す
ものである。
【0028】このような領域の測定は、例えば以下のよ
うな方法で行うことができる。
【0029】まず、加工後の表面写真を走査型電子顕微
鏡で観察し、写真を撮影する。倍率は1000倍程度が
好ましい。次に、得られた写真をコンピュータに取り込
み、前記脆性破壊領域を画像処理によって特定し、その
割合を算出することにより、脆性破壊領域の割合を得る
ことができる。1領域だけで測定を行うと、誤差を生じ
る場合があるので、少なくとも5領域を撮影し、その平
均を取るのが好ましい。より好ましくは、10以上の領
域に対して測定を行う。
【0030】加工方法としては、焼結体の被スパッタリ
ング面における表面粗さ(Ra)が0.1μm以下でか
つ単位面積当たりの脆性破壊領域が10%以下となるよ
うな方法であればいかなる方法でも採用することが可能
であるが、例えば以下のような方法で製造することがで
きる。
【0031】所望の大きさに加工されただけの焼結体の
被スパッタリング面は、機械加工時の大きな凹凸が残っ
ているので、例えば#140程度の人工ダイヤモンドを
使用した砥石を用いて平面研削を行う。研削条件として
は、例えば、長手方向送り早さを30mm以下、厚さ方
向の切り込み量を3/100mm以下とすればよい。続
いて、#400程度の砥石を用いて2次研削を行う。研
削条件としては、例えば、長手方向送り早さを30mm
以下、厚さ方向の切り込み量を1/100mm以下とす
ればよい。この段階では、図2に示すような表面状態を
しており、そのほとんどが脆性破壊点となっている。
【0032】次に、#1000程度の砥石を用いて3次
研削を行う。この3次研削の際には、長手方向の送り早
さを30m/分以下、厚さ方向の切り込み量を10/1
000mm以下とする。好ましくは、送り早さを25m
/分以下、切り込み量を5/1000mm以下とする。
こうすることによりターゲットのRaが0.1μm以下
でかつ単位面積当たりの脆性破壊領域が10%以下とな
る研削面を得ることが可能となり(図3参照)、ノジュ
ールの発生量を抑制できるとともに、非エロージョン部
に付着した堆積物の付着強度が強くなるので、異物欠陥
の少ないITO薄膜を安定的に製造することが可能とな
る。
【0033】なお、上記ITO焼結体は、高密度である
ほど硬度が高く、研削加工中に焼結体内部にクラックを
生じ易いので、加工は湿式加工で行うことが望ましい。
【0034】また、スパッタリング中の異常放電の発生
を抑制するため、被スパッタリング面の最大高さ(R
y)は、6.5μm以下とするのが好ましい。
【0035】なお、本発明でいう表面粗さ(算術平均粗
さ:Ra)および最大高さ(Ry)は、JIS−B06
01−1994により規定される方法に従って測定され
た値である。
【0036】このようにして得られたITO焼結体をバ
ッキングプレートにインジウム半田等の接合剤を用いて
接合することにより容易に本発明のITOターゲットを
得ることができる。本発明に使用されるバッキングプレ
ートの材質は特に限定されないが、無酸素銅およびリン
青銅等があげられる。
【0037】スパッタリングに際しては、スパッタリン
グガスとしてアルゴンガスなどの不活性ガスに必要に応
じて酸素ガスを用い、これらのガス圧を2〜10mTo
rrに制御しながら放電が行われる。放電のための電力
印加方式としては、DC、RFあるいはこれらを組み合
わせたものが使用可能であるが、放電の安定性を考慮す
ると、DCあるいはDCにRFを重畳させたものが好ま
しい。
【0038】また、本発明によるスパッタリングターゲ
ットは、ITOに付加機能を持たせることを目的として
第3の元素を添加したターゲットにおいても有効であ
る。第3元素としては、例えば、Mg,Al,Si,T
i,Zn,Ga,Ge,Y,Zr,Nb,Hf,Ta等
を例示することができる。これら元素の添加量は、特に
限定されるものではないが、ITOの優れた電気光学的
特性を劣化させないため、(第3元素の酸化物の総和)
/(ITO+第3元素の酸化物の総和)で0重量%を超
え20重量%以下(重量比)とすることが好ましい。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】被スパッタリング面の表面粗さ(Ra)、
最大高さ(Ry)および脆性破壊領域は、以下のように
測定した。
【0041】表面粗さ・最大高さ:JIS−B0601
−1994準拠 脆性破壊領域:走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、
研削された表面写真を1000倍の倍率で撮影し、得ら
れた写真をコンピュータを用いた画像処理により解析
し、脆性破壊領域の割合を算出した。
【0042】実施例1 平均粒径1.3μmの酸化インジウム粉末900gと平
均粒径0.7μmの酸化スズ粉末100gをポリエチレ
ン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより72時間混
合し、混合粉末を製造した。前記混合粉末のタップ密度
を測定したところ2.0g/cm3であった。
【0043】この混合粉末を金型に入れ、300kg/
cm2の圧力でプレスして成形体とした。この成形体を
3ton/cm2の圧力でCIPによる緻密化処理を行
った。次にこの成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置し
て、以下の条件で焼結した。
【0044】(焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/Hr、焼結
時間:10時間、焼結炉への導入ガス:酸素、導入ガス
線速:2.6cm/分、得られた焼結体の密度をアルキ
メデス法により測定したところ7.11g/cm3(相
対密度:99.4%)であった。
【0045】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し
た。
【0046】次に、この焼結体の各面を#120の研削
砥石を用いて、長手方向送り早さ:25m/分、厚さ方
向切り込み量:10/1000mmの加工条件で平面研
削を行った後、被スパッタリング面を#400の研削砥
石を用いて、長手方向送り早さ:25m/分、厚さ方向
切り込み量:10/1000mmの加工条件で平面研削
を行った。この表面を走査型電子顕微鏡により観測した
結果を図2に示す。その後、被スパッタリング面を#1
000の砥石を用いて以下の条件により平面研削を行っ
た。
【0047】(加工条件)長手方向送り早さ:30m/
分、厚さ方向切り込み量:10/1000mm 得られた焼結体の被スパッタリング面の表面粗さは0.
07μm、最大高さは0.8μm、脆性破壊領域は7%
であった。表面を走査型電子顕微鏡で観測した結果を図
3に示す。
【0048】このようにして得られた、焼結体とバッキ
ングプレートを156℃まで加熱した後、それぞれの接
合面にインジウム半田を塗布した。次に、焼結体をバッ
キングプレート上の所定の位置に配置した後、室温まで
冷却しターゲットとした。
【0049】次に、得られたターゲットを用い成膜試験
を行った。まず、以下に示す条件で10kWhまでスパ
ッタリングした。
【0050】スパッタリングガス:アルゴン、酸素 O2/Ar:0.1% スパッタリングガス圧:5mTorr dc電力:600W 次に、上記のスパッタリング条件で4インチのシリコン
ウエハー上にITO薄膜を1000Å形成し、ウエハー
上に付着した1μm以上のサイズのダストの数をレーザ
ー式のパーティクルカウンターを用いて測定した。6個
のダストが測定された。
【0051】その後、上記のスパッタリング条件でさら
に10kWhスパッタリングを実施した。放電後のター
ゲットの外観写真をコンピュータにより画像処理を行い
ノジュール発生量を調べた。その結果、ノジュールはタ
ーゲット表面の2%の部分に発生したにすぎなかった。
【0052】実施例2 実施例1と同様の方法でITO焼結体を製造した。
【0053】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ7.11g/cm3(相対密度:9
9.4%)であった。
【0054】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し
た。
【0055】次に、この焼結体の各面を#120の研削
砥石を用いて平面研削を行った後、被スパッタリング面
を#400の研削砥石を用いて平面研削を行った。加工
条件は、実施例1と同様の条件とした。その後、被スパ
ッタリング面を#1000の砥石を用いて以下の条件に
より平面研削を行った。
【0056】(加工条件)長手方向送り早さ:25m/
分、厚さ方向切り込み量:5/1000mm 得られた焼結体の被スパッタリング面の表面粗さは0.
07μm、最大高さは0.7μm、脆性破壊領域は4%
であった。このようにして得られた、焼結体とバッキン
グプレートを実施例1同様の方法でバッキングプレート
に接合しターゲットとした。
【0057】次に、得られたターゲットを用い実施例1
と同じ成膜試験を行った。10kWhスパッタリング後
のパーティクル付着試験では、2個のダストが測定され
た。また、さらに10kWhスパッタリングを実施した
後のノジュール発生量はターゲット表面の2%であっ
た。
【0058】比較例1 実施例1と同様の方法でITO焼結体を製造した。得ら
れた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したとこ
ろ7.11g/cm3(相対密度:99.4%)であっ
た。
【0059】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し
た。
【0060】次に、この焼結体の各面を#120の研削
砥石を用いて平面研削を行った後、被スパッタリング面
を#400の研削砥石を用いて平面研削を行った。加工
条件は実施例1と同じ条件とした。その後、被スパッタ
リング面を#1000の砥石を用いて以下の条件により
平面研削を行った。
【0061】(加工条件) 長手方向送り早さ:35m/分、厚さ方向切り込み量:
10/1000mm 得られた焼結体の被スパッタリング面の表面粗さは0.
08μm、最大高さは0.9μm、脆性破壊領域は13
%であった。
【0062】このようにして得られた、焼結体とバッキ
ングプレートとを実施例1同様の方法でバッキングプレ
ートに接合しターゲットとした。
【0063】次に、得られたターゲットを用い実施例1
と同じ成膜試験を行った。10kWhスパッタリング後
のパーティクル付着試験では、48個のダストが測定さ
れた。また、さらに10kWhスパッタリングを実施し
た後のノジュール発生量はターゲット表面の3%であっ
た。
【0064】比較例2 実施例1と同様の方法でITO焼結体を製造し、得られ
た焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ
7.11g/cm3(相対密度:99.4%)であっ
た。
【0065】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し
た。
【0066】次に、この焼結体の各面を#120の研削
砥石を用いて平面研削を行った後、被スパッタリング面
を#400の研削砥石を用いて平面研削を行った。加工
条件は、実施例1と同じ条件とした。
【0067】得られた焼結体の被スパッタリング面の表
面粗さは0.5μm、最大高さは5.0μm、脆性破壊
領域は78%であった。このようにして得られた、焼結
体とバッキングプレートとを実施例1同様の方法でバッ
キングプレートに接合し、ターゲットとした。
【0068】次に、得られたターゲットを用い実施例1
と同じ成膜試験を行った。10kWhスパッタリング後
のパーティクル付着試験では、2個のダストが測定され
た。また、さらに10kWhスパッタリングを実施した
後のノジュール発生量はターゲット表面の24%であっ
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、エロージョン部のノジ
ュールの発生を抑制しつつ、スパッタリング中にITO
ターゲット上に付着したターゲット物質が剥離し難くな
り、その結果、製品の歩留まりが向上するためのスパッ
タリングターゲットをより簡便な方法で提供することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スパッタリングターゲットの断面を示す図で
ある。
【図2】 スパッタリングターゲットの被スパッタリン
グ面を示す図である。
【図3】 スパッタリングターゲットの被スパッタリン
グ面を示す図である。
【符号の説明】
1 円形ターゲット 2 ターゲット表面の周辺部 3 ターゲット表面の円環状領域 4 ターゲット表面の中心部 5 バッキングプレート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にインジウム、スズおよび酸素か
    らなるITOスパッタリングターゲットにおいて、前記
    ターゲットの被スパッタリング面における表面粗さ(R
    a)が0.1μm以下でかつ単位面積当たりの脆性破壊
    領域が10%以下であることを特徴とするITOスパッ
    タリングターゲット。
  2. 【請求項2】 ITO焼結体の相対密度が、99%以上
    であることを特徴とする請求項1に記載のITOスパッ
    タリングターゲット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009221589A (ja) * 2008-03-19 2009-10-01 Tosoh Corp 酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット
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