JP2001059170A - スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲット

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JP2001059170A JP2000219853A JP2000219853A JP2001059170A JP 2001059170 A JP2001059170 A JP 2001059170A JP 2000219853 A JP2000219853 A JP 2000219853A JP 2000219853 A JP2000219853 A JP 2000219853A JP 2001059170 A JP2001059170 A JP 2001059170A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノジュールの発生しやすい、低い印加電力
で放電を行う成膜方法を用いた場合においても、ターゲ
ット表面に発生するノジュール量を低減でき、また、パ
ーティクル発生量の抑制したスパッタリングターゲット
を提供する。 【解決手段】 ターゲット部材1を平板状のバッキング
プレート3に接合剤2により接合したスパッタリングタ
ーゲットにおいて、焼結体の接合面の周囲の一部あるい
は全周に渡って、0.5〜3mmの接合剤が存在しない
部分を設けたことを特徴とするスパッタリングターゲッ
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
により薄膜を製造する際に使用されるスパッタリングタ
ーゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スパッタリングターゲットは、一般にタ
ーゲット部材がバッキングプレートに接合された構造を
有している。ターゲット部材とバッキングプレートとの
接合方法としては、インジウム半田等の接合剤によるろ
う付け法が一般的であり、製造設備を導入する際のコス
トが低く、またフラットパネルディスプレイ用の大型サ
イズのターゲットに対しても比較的容易に適応できると
いう利点を有している。
【0003】特に、液晶表示装置を始めとしたフラット
パネルディスプレイ分野では近年大型化および高精細化
が進んでおり、その表示用電極であるITO(Indi
umTin Oxide)薄膜は高導電性、高透過率と
いった特徴を有し、更に微細加工も容易に行なえること
から、需要が急速に高まっている。
【0004】このようなITO薄膜は例えば、酸化イン
ジウムと酸化スズとからなる複合酸化物ターゲットをバ
ッキングプレートに接合したスパッタリングターゲット
を用いたスパッタリング法により製造されている。
【0005】ITOターゲットをアルゴンガスと酸素ガ
スとの混合ガス雰囲気中で連続してスパッタリングした
場合、積算スパッタリング時間の増加と共にターゲット
表面にはノジュールと呼ばれる黒色の付着物が析出す
る。インジウムの低級酸化物と考えられているこの黒色
の付着物は、ターゲットのエロージョン部の周囲に析出
するため、スパッタリング時の異常放電の原因となりや
すく、またそれ自身が異物(パーティクル)の発生源と
なることが知られている。
【0006】その結果、連続してスパッタリングを行う
と、形成された薄膜中に異物欠陥が発生し、これが液晶
表示装置等のフラットパネルディスプレイの製造歩留ま
り低下の原因となっていた。特に近年、フラットパネル
ディスプレイの分野では、高精細化が進んでおり、この
ような薄膜中の異物欠陥は素子の動作不良を引き起こす
ため、特に解決すべき重要な課題となっていた。
【0007】このような問題を解決するため、例えば特
開平08−060352号のように、ターゲットの密度
を6.4g/cm以上とするとともにターゲットの表
面粗さを制御することにより、ノジュールの発生を低減
できることが報告されている。
【0008】しかしながら、近年、液晶表示素子の高精
細化、高性能化にともない形成される薄膜の性能を向上
させることを目的として、低い印加電力で放電を行う成
膜方法が採用されるようになってきた。この低い印加電
力での成膜により、上記のような手法を取り入れたター
ゲットを用いた場合においても、ノジュールが発生し問
題となってきている。これは、印加電力が低下されたこ
とにより、一度発生したノジュールの核が、強い印加電
力によって消滅することなく、掘れ残りの核となる確率
が増加したことによると考えられている。
【0009】一方、ITO薄膜以外を使用したフラット
パネルディスプレイの分野でも高精細化が進み、また、
記録媒体分野では高記録密度化が進むのに伴ない、スパ
ッタリング法による成膜の際に、基板に付着し製品の歩
留まり低下の原因となるパーティクル低減に対する要求
が強まっている。
【0010】パーティクルの生成原因としては、成膜装
置に起因するもの、ターゲットの非エロージョン部に堆
積した粒子がターゲット表面から剥離したもの等が知ら
れており、これらに対しては成膜装置の改良やターゲッ
トの改良によって低減されつつあるが、更なる改善が望
まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ノジ
ュールの発生しやすい、低い印加電力で放電を行う成膜
方法を用いた場合においてもターゲット表面に発生する
ノジュール量を低減できるITOスパッタリングターゲ
ットを提供することにある。
【0012】また、本発明の別の課題は、パーティクル
発生量の少ないスパッタリングターゲットを提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等はITOスパ
ッタリングターゲットのノジュールの発生量を低減させ
るため、ノジュールの形成原因について詳細な検討を行
った。その結果、一部のノジュールは、ITO焼結体と
バッキングプレートとの接合に用いているハンダ材であ
る金属インジウムが、スパッタリング中にターゲット表
面のエロージョン部に付着し、付着した金属インジウム
を核としてターゲットが掘れ残り、ノジュールとなるこ
とを見出した。金属インジウムが、掘れ残りを発生させ
る核となる原因は未だ明らかではないが、ターゲット表
面に付着した金属インジウムは、スパッタリングガス中
に含まれる酸素と反応して酸化インジウムを形成し、こ
の酸化インジウムはITOと比べて抵抗率が非常に高い
ために掘れ残るものと考えられる。
【0014】更に、本発明者等は、ITOスパッタリン
グターゲットを含む、ターゲット部材とバッキングプレ
ートとが接合剤により接合されているスパッタリングタ
ーゲットについても検討を行なった結果、接合剤が、ス
パッタリング中にたたき出されて基板に付着し、0.5
〜3μm程度のパーティクルとなる現象が発生している
ことを発見した。
【0015】そこで本発明者等は、スパッタリングター
ゲットの構造について詳細な検討を行った。その結果、
焼結体とバッキングプレートとの接合面の周囲の一部あ
るいは全周に渡って、接合剤が存在しない部分(以下、
「非接合部」と称する)を設けることにより、前記課題
を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0016】即ち、本発明は、ターゲット部材を平板状
のバッキングプレートに接合するようなスパッタリング
ターゲットにおいて、ターゲット部材とバッキングプレ
ートとの接合面の周囲の一部あるいは全周に渡って、非
接合部を設けたことを特徴とするスパッタリングターゲ
ットに関する。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明に使用できるターゲット部材として
は、特に限定されるものではなく、例えば、実質的にイ
ンジウム、スズおよび酸素からなるITO焼結体等の酸
化物焼結体や、アルミニウムまたはアルミニウム合金、
クロムまたはクロム合金、チタンまたはチタン合金、ニ
ッケルまたはニッケル合金、並びに実質的に亜鉛、硫
黄、珪素および酸素からなる焼結体(ZnS−Si
)を挙げることができ、また、その製造方法も、特
に限定されるものでなく、粉末冶金法、溶解法、鍛造
法、圧延法およびこれらを組み合わせた方法等を挙げる
ことができる。
【0019】以下、ITO焼結体とクロム金属焼結体を
例としてその製造方法の一例を示すが、本発明のターゲ
ット部材として使用可能な焼結体は、これらに限定され
るものではない。 (1)ITO焼結体によるターゲット部材の製造方法
【0020】始めに酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末
との混合粉末或いはITO粉末等にバインダー等を加
え、プレス法或いは鋳込法等の成形方法により成形して
ITO成形体を製造する。この際、使用する粉末の平均
粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上昇しない場合が
あるので、使用する粉末の平均粒径は1.5μm以下で
あることが望ましく、更に好ましくは0.1〜1.5μ
mである。こうすることにより、より焼結密度の高い焼
結体を得ることが可能となる。
【0021】また、混合粉末またはITO粉末中の酸化
スズ含有量は、スパッタリング法により薄膜を製造した
際に比抵抗が低下する5〜15重量%とすることが望ま
しい。
【0022】次に得られた成形体に必要に応じて、冷間
静水圧プレス(CIP)等の圧密化処理を行う。この際
CIP圧力は充分な圧密効果を得るため、2ton/c
以上、好ましくは2〜3ton/cmであること
が望ましい。ここで始めの成形を鋳込法により行った場
合には、CIP後の成形体中に残存する水分およびバイ
ンダー等の有機物を除去する目的で脱バインダー処理を
施してもよい。また、始めの成形をプレス法により行っ
た場合でも、成型時にバインダーを使用したときには、
同様の脱バインダー処理を行うことが望ましい。
【0023】このようにして得られた成形体を焼結炉内
に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方
法でも用いることができるが、生産設備のコスト等を考
慮すると大気中焼結が望ましい。しかしこの他ホットプ
レス(HP)法、熱間静水圧プレス(HIP)法および
酸素加圧焼結法等の従来知られている他の焼結法を用い
ることができることは言うまでもない。
【0024】また、焼結条件についても適宜選択するこ
とができるが、充分な密度上昇効果を得るため、また酸
化スズの蒸発を抑制するため、焼結温度が1450〜1
650℃であることが望ましい。また焼結時の雰囲気と
しては大気或いは純酸素雰囲気であることが好ましい。
また焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るため
に5時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望
ましい。
【0025】こうすることにより、焼結密度の高いIT
O焼結体を得ることができる。本発明においては、使用
するITO焼結体の密度は特に限定されないが、焼結体
のポアのエッジ部での電界集中による異常放電やノジュ
ールの発生を抑制するため、相対密度で99%以上とす
ることが好ましく、より好ましくは99.5%以上であ
る。 (2)クロム金属焼結体によるターゲット部材の製造方
【0026】はじめに、平均粒径70μm以下のクロム
粉末をゴム製の成形型に充填する。この際、使用する粉
末の酸素含有量が高いとスパッタリングの際に異常放電
が生じやすくなり、また得られた薄膜の抵抗値も高くな
る場合があるため、酸素含有量は300ppm以下が好
ましく、更に好ましくは150ppm以下である。こう
することにより、より安定な放電特性と、低い抵抗値を
有するクロム薄膜を得ることが可能となる。
【0027】次に、クロム粉末が充填されたゴム型に対
してCIP等の圧密化処理を行なう。この際、CIP圧
力は十分な圧密効果を得るため、1ton/cm
上、好ましくは2〜3ton/cmであることが望ま
しい。
【0028】このようにして得られた成形体を焼成炉内
に投入して焼結を行なう。焼結方法としては、真空焼結
法、HP法やHIP法等いずれの方法も用いることがで
きるが、より高密度の焼結体を得るためにはHIP焼結
法が望ましい。
【0029】焼結条件についても適宜選択することがで
きるが、充分な密度上昇効果を得るため、焼結温度が1
100℃〜1700℃であることが望ましい。焼結時の
雰囲気としては真空雰囲気であることが望ましい。ま
た、焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るため
に0.5時間以上、好ましくは1〜3時間であることが
望ましい。こうすることにより、焼結密度の高いクロム
焼結体を得ることができる。本発明においては、使用す
るクロム焼結体の密度は特に限定されないが、焼結体の
ポアのエッジ部での電界集中による異常放電や、ノジュ
ールの発生をより制御するため、相対密度で99%以上
とすることが好ましく、より好ましくは99.5%以上
である。
【0030】続いて上記の方法により製造した焼結体を
所望の大きさに研削加工する。必要に応じて、ITO焼
結体の場合、スパッタリング面を更に機械的に研磨し
て、被スパッタリング面の表面粗さをRaが0.8μm
以下、かつ、Rmaxが7.0μm以下に加工すること
が好ましい。より好ましくは、Raが0.1μm以下、
かつ、Rmaxが2μm以下である。
【0031】一方、金属単体/合金焼結体等の場合、R
aが5.0μm以下、より好ましくは、Raが3.5μ
m以下に加工することが好ましい。こうすることによ
り、ターゲット表面の凹凸部で発生する異常放電や異常
放電によるノジュールの形成を効果的に抑制することが
可能となる。
【0032】なお、本発明でいうRaおよびRmaxの
定義および測定方法は、JIS B0601−1982
に記載の通りである。
【0033】焼結体がITOの場合、高密度であるほど
硬度が高く、研削加工中に焼結体内部にクラックを生じ
易いので、加工は湿式加工で行うことが望ましい。
【0034】図1に示すように、このようにして得られ
たターゲット部材1を平板状のバッキングプレート3に
接合剤2を用いて接合する。本発明に使用されるバッキ
ングプレートの材質は特に限定されないが、無酸素銅、
リン酸銅およびモリブデン等があげられる。尚、本発明
でいう平板状のバッキングプレートとは、バッキングプ
レートのターゲットを接合する部分が隆起していない平
板状のものをいう。
【0035】接合の際、ターゲット部材とバッキングプ
レートとの接合面の周囲の一部あるいは全周に渡って非
接合部を設ける。この非接合部は、接合面の周囲の一部
分であっても、本発明による効果を得ることができる
が、より大きな効果を得るため全周に渡らせることが好
ましい。
【0036】また、この非接合部の幅は0.5mm以上
3mm以下とすることが好ましく、更に好ましくは、2
〜3mmである。0.5mm未満では本発明による効果
が薄れる場合があり、3mmを越えると、ターゲット部
材とバッキングプレート間の熱伝導性が低下し、ターゲ
ット部材が異常加熱する場合がある。
【0037】この非接合部を設けたターゲット部材とバ
ッキングプレートの接合作業は、例えば、以下の方法に
より実施することができる。
【0038】まず、ターゲット部材周囲で非接合部とな
る部分に接合剤が付着しないようにポリイミドテープな
どを用いてマスキングを行う。その後、ターゲット部材
を156℃まで加熱し、超音波半田ごて等を用いて、タ
ーゲット部材に接合剤を塗布する。接合剤としては、イ
ンジウム半田等が好ましい。同様にバッキングプレート
上にも、非接合部を設ける部分にポリイミドテープなど
でマスキングした後に、156℃まで加熱し、インジウ
ム半田等の接合剤を塗布する。
【0039】次に接合剤を塗布済みのターゲット部材と
バッキングプレートとを接合面同士を合わせてバッキン
グプレートの台座上の所望の位置に接合し、室温まで冷
却した後、マスキングに使用したテープを除去すること
により、本発明のターゲットを得ることができる。
【0040】スパッタリングに際し、スパッタリングガ
スとしてアルゴンガスなどの不活性ガスなどに必要に応
じて酸素ガスや窒素ガスなどが加えられ、通常2〜10
mtorrにこれらのガス圧を制御しながら、放電が行
なわれる。放電のために電力印可方式としては、DCあ
るいはDCにRFを重畳したものが好ましい。
【0041】ターゲットに加えられる電力密度について
は特に制限はないが、本発明のターゲットは、近年の低
電力放電(2.0W/cm以下)の条件下において特
に有効である。
【0042】また、本発明によるスパッタリングターゲ
ットは、ターゲットに付加機能を持たせることを目的と
して、ターゲット部材に他の元素を添加しても良い。例
えば、ITOターゲット部材として添加可能な第3元素
としては、例えばMg,Al,Si,Ti,Zn,G
a,Ge,Y,Zr,Nb,Hf,Ta等を例示するこ
とができる。これら元素の添加量は、特に限定されるも
のではないが、ITOの優れた電気光学的特性を劣化さ
せないため、(第3元素の酸化物の総和)/(ITO+
第3元素の酸化物の総和)/100で0重量%を超え2
0重量%以下(重量比)とすることが好ましい。
【0043】また、ITOターゲットと同様、ターゲッ
トに付加機能を持たせるために、アルミニウム合金ター
ゲット部材として、アルミニウムに添加可能な第2元素
としては、例えば、Ti,Zr,Si,Cu,Y,T
a,Nd等を例示することができる。クロム合金ターゲ
ット部材として、クロムに添加可能な第2元素として
は、例えば、Ti,B,Mo,Zr,Si,Cu,T
a,W,Mn等を例示することができる。チタン合金タ
ーゲット部材としてチタンに添加可能な第2元素として
は、例えば、Al,Zr,Si,Cu,Y,Ta,N
d,Ni,Mo,W等を例示することができる。ニッケ
ル合金ターゲット部材としてニッケルに添加可能な第2
元素としては、例えば、Ti,Cr,Al,Zr,S
i,Cu,Y,Ta,Mo,W,Ti,Mn等を例示す
ることができる。
【0044】実質的に亜鉛、硫黄、珪素および酸素から
なるターゲット部材としては、具体的にはZnS−Si
であり、SiO2を5〜50モル%含むものを例示
することができる。このターゲット部材に添加可能な物
質としては、例えば、Zn、Al、SbおよびBから少
なくとも1種類以上選ばれる元素の酸化物または複合酸
化物等を例示することができる。
【0045】上述した、これらの添加元素、添加物質の
数は1種または2種以上でもよく、また、添加量につい
ては、特に限定されるものではないが、ターゲットの特
性を劣化させないため、ターゲット部材中に占める添加
元素の総和が0%を超え50%以下(原子比または化合
物の場合はmol比)とすることが好ましい。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】(実施例1)平均粒径1.3μmの酸化イ
ンジウム粉末900gと平均粒径0.7μmの酸化スズ
粉末100gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボ
ールミルにより72時間混合し、混合粉末を製造した。
前記混合粉末のタップ密度を測定したところ2.0g/
cmであった。
【0048】この混合粉末を金型に入れ、300kg/
cmの圧力でプレスして成形体とした。この成形体を
3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行
った。次にこの成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置し
て、以下の条件で焼結した。
【0049】(焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/Hr、焼結
時間:10時間、焼結炉への導入ガス:酸素、導入ガス
線速:2.6cm/分、得られたターゲット部材の密度
をアルキメデス法により測定したところ7.11g/c
(相対密度:99.4%)であった。
【0050】このターゲット部材を湿式加工法により1
01.6mm×177.8mm、厚さ6mmのターゲッ
ト部材に加工し、さらにターゲット部材のスパッタリン
グ面の表面粗さをRa=0.7μm、Rmax=5.4
μmに機械加工した。
【0051】このターゲット部材の接合面の周囲を幅
0.5mmで全周に渡ってポリイミドテープでマスキン
グを行った。また、無酸素銅からなるバッキングプレー
トも通常の接合面の内側0.5mmまでの部分をポリイ
ミドテープを用いてマスキングを行った。このようにし
て得られた、ターゲット部材とバッキングプレートを1
56℃まで加熱した後、それぞれの接合面にインジウム
半田を塗布した。
【0052】次に、ターゲット部材をバッキングプレー
ト上にマスキングされていない位置が一致するように配
置した後、室温まで冷却し、マスキング用に使用したポ
リイミドテープを剥離してターゲットとした。
【0053】このターゲットを以下のスパッタリング条
件でスパッタリングを行った。 DC電力 :300w(電力密度:1.66W/cm
) スパッタガス:Ar+O ガス圧 :5mTorr O2/Ar :0.1%
【0054】以上の条件により連続的にスパッタリング
試験を60時間実施した。放電後のターゲットの外観写
真をコンピューターを用いて画像処理を行いノジュール
発生量を調べた。ノジュールは、ターゲット表面の19
%に発生したにすぎなかった。
【0055】(実施例2)実施例1と同じ条件でITO
焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定したところ7.11g/cm(相対密
度:99.4%)であった。
【0056】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
0.7μm、Rmax=5.4μmに機械加工した。
【0057】次に、この焼結体の接合面の周囲を幅3m
mで全周に渡ってポリイミドテープでマスキングを行っ
た。また、無酸素銅からなるバッキングプレートも通常
の接合面の内側3mmまでの部分をポリイミドテープを
用いてマスキングを行った。このようにして得られた、
焼結体とバッキングプレートを156℃まで加熱した
後、それぞれの接合面にインジウム半田を塗布した。次
に、焼結体をバッキングプレート上にマスキングされて
いない位置が一致するように配置した後、室温まで冷却
し、マスキング用に使用したポリイミドテープを剥離し
てターゲットとした。
【0058】このターゲットを実施例1と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を60時
間実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュ
ーターを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べ
た。ノジュールは、ターゲット表面の15%に発生した
にすぎなかった。
【0059】(実施例3)実施例1と同じ条件でITO
焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定したところ7.11g/cm(相対密
度:99.4%)であった。
【0060】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
0.08μm、Rmax=1.1μmに機械加工した。
【0061】次に、この焼結体の接合面の周囲を幅3m
mで全周に渡ってポリイミドテープでマスキングを行っ
た。また、無酸素銅からなるバッキングプレートも通常
の接合面の内側3mmまでの部分をポリイミドテープを
用いてマスキングを行った。このようにして得られた、
焼結体とバッキングプレートを156℃まで加熱した
後、それぞれの接合面にインジウム半田を塗布した。
【0062】次に、焼結体をバッキングプレート上にマ
スキングされていない位置が一致するように配置した
後、室温まで冷却し、マスキング用に使用したポリイミ
ドテープを剥離してターゲットとした。
【0063】このターゲットを実施例1と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を60時
間実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュ
ーターを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べ
た。ノジュールは、ターゲット表面の4%に発生したに
すぎなかった。
【0064】(比較例1)実施例1と同じ条件でITO
焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定したところ7.11g/cm(相対密
度:99.4%)であった。
【0065】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
0.7μm、Rmax=5.5μmに機械加工した。
【0066】次に、この焼結体を156℃に加熱した
後、接合面の全体にインジウム半田を塗布した。また、
無酸素銅からなるバッキングプレートも156℃に加熱
した後、焼結体の接合面と同じ面積にインジウム半田を
塗布した。このようにして得られた、焼結体とバッキン
グプレートを所望の位置に配置した後、室温まで冷却し
ターゲットとした。
【0067】このターゲットを実施例1と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を60時
間実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュ
ーターを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べ
た。ノジュールは、ターゲット表面の58%にも発生し
た。
【0068】(実施例4)平均粒径60μmのクロム粉
末(酸素含有量:150ppm)をゴム製の型に入れ、
脱気封入した。このゴム型に3ton/cmの圧力で
CIPによる緻密化処理を行なった。次にこの成形体を
ゴム型から取り出して所望の形に加工した後、鉄製のカ
プセルに充填した。この際、成形体および鉄製カプセル
を加熱しながらカプセル内部を真空装置で脱気処理し、
所望の真空度に達した後、封止した。HIP焼結は、温
度:1300℃、圧力:1500kg/cm、保持時
間:2時間の条件で実施した。
【0069】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ7.19g/cm(相対密度:1
00%)であった。
【0070】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.8μmに機械加工した。
【0071】この焼結体の接合面の周囲を幅0.5mm
で全周に渡ってポリイミドテープでマスキングを行っ
た。また、無酸素銅からなるバッキングプレートも通常
の接合面の内側0.5mmまでの部分をポリイミドテー
プを用いてマスキングを行った。このようにして得られ
た、焼結体とバッキングプレートを156℃まで加熱し
た後、それぞれの接合面にインジウム半田を塗布した。
【0072】次に、焼結体をバッキングプレート上にマ
スキングされていない位置が一致するように配置した
後、室温まで冷却し、マスキング用に使用したポリイミ
ドテープを剥離してターゲットとした。
【0073】このターゲットを以下のスパッタリング条
件でスパッタリングを行った。 DC電力 :3kW スパッタガス:Ar ガス圧 :5mTorr
【0074】以上の条件により連続的にスパッタリング
試験を10時間実施した後、同スパッタリング条件に
て、ガラス基板上に膜厚300nmのクロム薄膜を形成
し、走査型電子顕微鏡(SEM)/エネルギー分散X線
分光法(EDS)を用いて表面解析を実施したところク
ロム以外の不純物は確認されなかった。
【0075】(実施例5)実施例4と同じ条件でクロム
焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定したところ7.19g/cm(相対密
度:100%)であった。
【0076】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.6μmに機械加工した。
【0077】次に、この焼結体の接合面の周囲を幅3.
0mmで全周に渡ってポリイミドテープでマスキングを
行った。また、無酸素銅からなるバッキングプレートも
通常の接合面の内側3.0mmまでの部分をポリイミド
テープを用いてマスキングを行った。このようにして得
られた、焼結体とバッキングプレートを156℃まで加
熱した後、それぞれの接合面にインジウム半田を塗布し
た。
【0078】次に、焼結体をバッキングプレート上にマ
スキングされていない位置が一致するように配置した
後、室温まで冷却し、マスキング用に使用したポリイミ
ドテープを剥離してターゲットとした。
【0079】このターゲットを実施例4と同様のスパッ
タリング条件で連続的にスパッタリング試験を10時間
実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上に
膜厚300nmのクロム薄膜を形成し、SEM/EDS
を用いて表面解析を実施したところクロム以外の不純物
は確認されなかった。
【0080】(実施例6)平均粒径50μmのアルミニ
ウム粉末をゴム製の型に入れ、脱気封入した。このゴム
型に3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理
を行なった。次にこの成形体をゴム型から取り出し所望
の形に加工した後、アルミニウム製のカプセルに充填し
た。この際、成形体およびアルミニウム製カプセルを加
熱しながらカプセル内部を真空装置で脱気処理し、所望
の真空度に達した後封止した。HIP焼結は、温度:5
00℃、圧力:1500kg/cm、保持時間:2時
間の条件で実施した。
【0081】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ2.70g/cm(相対密度:1
00%)であった。
【0082】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.8μmに機械加工した以外は実施例4と同様にター
ゲットを製造し、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのアルミニウム薄膜を形成し、SEM
/EDSを用いて表面解析を実施したところアルミニウ
ム以外の不純物は確認されなかった。
【0083】(実施例7)平均粒径40μmのチタン粉
末をゴム製の型に入れ、脱気封入した。このゴム型に3
ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行な
った。次にこの成形体をゴム型から取り出し所望の形に
加工した後、鉄製のカプセルに充填した。この際、成形
体および鉄製カプセルを加熱しながらカプセル内部を真
空装置で脱気処理し、所望の真空度に達した後封止し
た。HIP焼結は、温度:1000℃、圧力:1500
kg/cm、保持時間:2時間の条件で実施した。
【0084】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ4.51g/cm(相対密度:1
00%)であった。
【0085】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.5μmに機械加工した以外は実施例4と同様にター
ゲットを製造し、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのチタン薄膜を形成し、SEM/ED
Sを用いて表面解析を実施したところチタン以外の不純
物は確認されなかった。
【0086】(実施例8)平均粒径1μmのニッケル粉
末をゴム製の型に入れ、脱気封入した。このゴム型に3
ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行な
った。次にこの成形体をゴム型から取り出し所望の形に
加工した後、鉄製のカプセルに充填した。この際、成形
体および鉄製カプセルを加熱しながらカプセル内部を真
空装置で脱気処理し、所望の真空度に達した後封止し
た。HIP焼結は、温度:1100℃、圧力:1500
kg/cm、保持時間:2時間の条件で実施した。
【0087】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ8.90g/cm(相対密度:1
00%)であった。
【0088】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.8μmに機械加工した以外は実施例4と同様にター
ゲットを製造し、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのニッケル薄膜を形成し、SEM/E
DSを用いて表面解析を実施したところニッケル以外の
不純物は確認されなかった。
【0089】(実施例9)平均粒径5μm以下のZnS
粉末と平均粒径5μm以下SiO粉末をmol比で8
0:20の比率に混合した粉末を、ホットプレスのカー
ボン製モールドに入れ、真空焼成した。ホットプレス焼
結は、温度:1180℃、圧力:200kg/cm
保持時間:2時間の条件で実施した。
【0090】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ3.63g/cm(相対密度:9
9%)であった。
【0091】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.7μmに機械加工し、モリブデンバッキングプレー
トを使用した以外は実施例4と同様にターゲットを製造
した。
【0092】このターゲットを以下のスパッタリング条
件 RF電力 :1.8kW スパッタガス:Ar ガス圧 :5mTorr で連続的にスパッタリング試験を10時間実施した後、
同スパッタリング条件にてガラス基板上に膜厚300n
mのZnS−SiO薄膜を形成し、SEM/EDSを
用いて表面解析を実施したところZn,S,Si,O以
外の不純物は確認されなかった。
【0093】(比較例2)実施例4と同じ条件でクロム
焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定したところ7.18g/cm(相対密
度:100%)であった。
【0094】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.7μmに機械加工した。
【0095】次に、この焼結体を156℃に加熱した
後、接合面の全体にインジウム半田を塗布した。また、
無酸素銅からなるバッキングプレートも156℃に加熱
した後、焼結体の接合面と同じ面積にインジウム半田を
塗布した。このようにして得られた、焼結体とバッキン
グプレートを所望の位置に配置した後、室温まで冷却し
ターゲットとした。
【0096】このターゲットを実施例4と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのクロム薄膜を形成し、SEM/ED
Sを用いて表面解析を実施したところクロム薄膜中にイ
ンジウムからなるパーティクルの存在が多数確認され
た。
【0097】(比較例3)実施例6と同じ条件でアルミ
ニウム焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアル
キメデス法により測定したところ2.70g/cm
(相対密度:100%)であった。
【0098】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.7μmに機械加工した。
【0099】次に、この焼結体を156℃に加熱した
後、接合面の全体にインジウム半田を塗布した。また、
無酸素銅からなるバッキングプレートも156℃に加熱
した後、焼結体の接合面と同じ面積にインジウム半田を
塗布した。このようにして得られた、焼結体とバッキン
グプレートを所望の位置に配置した後、室温まで冷却し
ターゲットとした。
【0100】このターゲットを実施例4と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのアルミニウム薄膜を形成し、SEM
/EDSを用いて表面解析を実施したところアルミニウ
ム薄膜中にインジウムからなるパーティクルの存在が多
数確認された。
【0101】(比較例4)実施例7と同じ条件でチタン
焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定したところ4.51g/cm(相対密
度:100%)であった。
【0102】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.5μmに機械加工した。
【0103】次に、この焼結体を156℃に加熱した
後、接合面の全体にインジウム半田を塗布した。また、
無酸素銅からなるバッキングプレートも156℃に加熱
した後、焼結体の接合面と同じ面積にインジウム半田を
塗布した。このようにして得られた、焼結体とバッキン
グプレートを所望の位置に配置した後、室温まで冷却し
ターゲットとした。
【0104】このターゲットを実施例4と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのチタン薄膜を形成し、SEM/ED
Sを用いて表面解析を実施したところチタン薄膜中にイ
ンジウムからなるパーティクルの存在が多数確認され
た。
【0105】(比較例5)実施例8と同じ条件でニッケ
ル焼結体を製造した。得られた焼結体の密度をアルキメ
デス法により測定したところ8.90g/cm(相対
密度:100%)であった。
【0106】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.8μmに機械加工した。
【0107】次に、この焼結体を156℃に加熱した
後、接合面の全体にインジウム半田を塗布した。また、
無酸素銅からなるバッキングプレートも156℃に加熱
した後、焼結体の接合面と同じ面積にインジウム半田を
塗布した。このようにして得られた、焼結体とバッキン
グプレートを所望の位置に配置した後、室温まで冷却し
ターゲットとした。
【0108】このターゲットを実施例4と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのニッケル薄膜を形成し、SEM/E
DSを用いて表面解析を実施したところニッケル薄膜中
にインジウムからなるパーティクルの存在が多数確認さ
れた。
【0109】(比較例6)実施例9と同じ条件でZnS
−SiO2焼結体を製造した。得られた焼結体の密度を
アルキメデス法により測定したところ3.63g/cm
(相対密度:99%)であった。
【0110】この焼結体を湿式加工法により101.6
mm×177.8mm、厚さ6mmの焼結体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
1.8μmに機械加工した。
【0111】次に、この焼結体を156℃に加熱した
後、接合面の全体にインジウム半田を塗布した。また、
モリブデンからなるバッキングプレートも156℃に加
熱した後、焼結体の接合面と同じ面積にインジウム半田
を塗布した。このようにして得られた、焼結体とバッキ
ングプレートを所望の位置に配置した後、室温まで冷却
しターゲットとした。
【0112】このターゲットを実施例9と同様のスパッ
タリング条件で、連続的にスパッタリング試験を10時
間実施した後、同スパッタリング条件にてガラス基板上
に膜厚300nmのZnS−SiO薄膜を形成し、S
EM/EDSを用いて表面解析を実施したところZnS
−SiO薄膜中にインジウムからなるパーティクルの
存在が多数確認された。
【0113】
【発明の効果】本発明により、成膜時問題となるノジュ
ールの発生を防止することができ、又、パーティクル発
生量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタリングターゲットの断面の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1:ターゲット部材 2:接合剤 3:バッキングプレート

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲット部材を平板状のバッキングプ
    レートに接合剤により接合したスパッタリングターゲッ
    トにおいて、ターゲット部材とバッキングプレートとの
    接合面の周囲の一部あるいは全周に渡って、接合剤が存
    在しない部分を設けたことを特徴とするスパッタリング
    ターゲット。
  2. 【請求項2】 接合剤が存在しない部分の幅が0.5m
    m以上3mm以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 ターゲット部材が、実質的にインジウ
    ム、スズおよび酸素からなるITO焼結体であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパッタリ
    ングターゲット。
  4. 【請求項4】 ITO焼結体の相対密度が、99%以上
    であることを特徴とする請求項3に記載のスパッタリン
    グターゲット。
  5. 【請求項5】 ITO焼結体のスパッタリング面の平均
    線中心粗さ(Ra)が0.8μm以下、かつ最大高さ
    (Rmax)が7.0μm以下であることを特徴とする
    請求項3または請求項4に記載のスパッタリングターゲ
    ット。
  6. 【請求項6】 ターゲット部材が、アルミニウムまたは
    アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】 ターゲット部材が、クロムまたはクロム
    合金からなることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のスパッタリングターゲット。
  8. 【請求項8】 ターゲット部材が、チタンまたはチタン
    合金からなることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のスパッタリングターゲット。
  9. 【請求項9】 ターゲット部材が、ニッケルまたはニッ
    ケル合金からなることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のスパッタリングターゲット。
  10. 【請求項10】 ターゲット部材が、実質的に亜鉛、硫
    黄、珪素および酸素からなることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
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