JPWO2005111261A1 - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はスパッタリングにより薄膜を作製する際に使用するスパッタリングターゲット及びその製造方法であり、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれているスパッタリングターゲット及びその製造方法である。

Description

本発明はスパッタリングにより薄膜を作製する際に使用するスパッタリングターゲット及びその製造方法に関し、より詳しくは、ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなるスパッタリングターゲットであって、ボンディング材層中にはスペーサーが存在していないスパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
スパッタリングによる成膜法は、付着力が強い薄膜が容易に得られ、膜厚の制御が容易であり、合金の薄膜化における再現性が良く、高融点材料の薄膜化が容易である等の特徴を有するので、半導体等の電子・電気部品用材料の成膜、例えば液晶ディスプレイ用の透明導電膜の作製、ハ−ドディスクの記録層の作製、半導体メモリーの配線材料の作製等の広い分野で使用されている。
このようなスパッタリングによる成膜法においては、スパッタリングターゲットとして、形成しようとする薄膜の構成材料からなるターゲットと、導電性・熱伝導性に優れた材質からなるバッキングプレートとをボンディング材を介して貼り合わせた構成のものが一般に用いられている。このような場合には、バッキングプレートの材質として、例えば、導電性・熱伝導性に優れた銅、好ましくは無酸素銅、チタン、ステンレススチール等が用いられ、ターゲットとバッキングプレートとの貼り合わせに用いられるボンディング材として、例えば、In系、Sn系等の低融点金属からなるボンディングロウ材が用いられている。
また、ターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせる方法としては、例えば、ターゲットとバッキングプレートとの間にボンディング材を配置し、それらを同時に加熱することによって、ターゲットとバッキングプレートとの間にボンディング材を溶融、充填させ、この状態で室温まで冷却することによって、ターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせる方法や、ターゲットの表面及びバッキングプレートの表面にそれぞれ、ボンディング材の塗布前の加熱又は塗布後の加熱によって、ボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この状態で室温まで冷却することによって、ターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせる方法等が採用されている。
このようなターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせるために用いるボンディング材層としては、(1)ターゲットとバッキングプレートとの熱膨張率の差による熱膨張の差を吸収するための緩衝性、(2)スパッタリング中における熱応力の緩和吸収性、(3)スパッタリング装置への装着時に発生する歪、真空引き時の大気圧によるバッキングプレート裏面より加わる変形応力の緩和吸収性、が求められており、それでボンディング材層がある程度厚い必要がある。
低融点金属等のボンディング材を用いてターゲットとバッキングプレートとを従来の方法により貼り合わせる場合には、ボンディング材層をある程度厚くしようとするとボンディング材層の厚さの調節が困難となり、各スパッタリングターゲット製品毎のボンディング材層の厚みが必ずしも一定でなく、従ってこのようなボンディング材層の厚みの異なるスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行う場合、用いるスパッタリングターゲット毎に放電電圧が変化するという不具合が生じる。さらに、ターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面との平行関係が保持できない場合が多く、このように部分によっていくらかでも両面の間隔の異なるスパッタリングターゲットを用いると、スパッタリング時間の経過にともないターゲットのスパッタリング面に偏磨耗が生じる結果となるので好ましくない。
このため、ターゲットとバッキングプレートとの間に銅板やワイヤー等のスペーサーを介在させてボンディング材層を厚くし且つ上記の平行関係を保持させることによって、ボンディング材の上記の問題点を解決することが提案されている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。しかしながら、それらの方法においては、スペーサーの存在する部分でボンディング材層が薄くなり、変形応力が集中しやすく、且つスペーサーがボンディング材層の変形を阻害するので、スペーサーとの接触部分又はその近傍のボンディング材部分で割れが発生することがある。
特開昭63−317668号公報 特開平08−170170号公報 特開平11−200028号公報
本発明は、このような現状に鑑み、ボンディング材を用いてターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせたスパッタリングターゲットにおいて、スペーサーを用いることなしでボンディング材層の厚みが厚く、ターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれているスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを第一の目的としている。
更に、本発明は、上記の特性に加えて、スパッタリングの際にもボンディング材が飛び出す危険性の少ないスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを第二の目的としている。
上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、耐熱性一時スペーサーを用いてボンディング材層の厚さを制御し且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれるようにすることにより第一の目的とするスパッタリングターゲットが得られること、更に耐熱性一時スペーサーを用いてターゲットの貼り合わせ面側表面上に存在するボンディング材の範囲を制御することにより第二の目的とするスパッタリングターゲットが得られることを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明のスパッタリングターゲットは、ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれていることを特徴とする。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、ターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれており、且つターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部とバッキングプレートとの間にはボンディング材が存在していないことを特徴とする。
更に、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面とボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面とが実質的に平行に保たれるようにし得る配置で耐熱性一時スペーサーを(1)ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置でバッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設し、この際に耐熱性一時スペーサーの合計厚さが0.25〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整し、該ターゲットの貼り合わせ面側表面上にボンディング材の溶融物を形成するか、該バッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に該ターゲットの表面上のボンディング材溶融物の形成可能位置とは面対称となる配置でボンディング材の溶融物を形成するか、又はその両方にボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせ、冷却後それらの耐熱性一時スペーサーを取り除くことを特徴とする。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、耐熱性一時スペーサーを(1)ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面の周辺の全周に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置で、ボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設し、この際に耐熱性一時スペーサーの合計厚さが0.25〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整し、該ターゲットの表面上、該バッキングプレートの表面上、又はその両方の表面上の耐熱性一時スペーサーで囲まれた部分にボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせ、冷却後それらの耐熱性一時スペーサーを取り除くことを特徴とする。
なお、本発明において「実質的に平行に保たれている」、「実質的に一定値」とは、バッキングプレートとターゲットとがボンディングされたスパッタリングターゲットにおいて当業界で許容されている程度のバッキングプレートとターゲットとの平行度が確保されることを意味し、また「耐熱性一時スペーサーの合計厚さ」は、耐熱性一時スペーサーをターゲットの貼り合わせ面側表面のみに配設する場合にはその厚さ、バッキングプレートの貼り合わせ面側表面のみに配する場合にはその厚さ、その両方に配設する場合にはその両者の合計厚さを意味する。
本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが一定でターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれているので、スパッタリングターゲット毎に放電電圧が変化することはなく、また、スパッタリング時間の経過にともないスパッタリングターゲットのスパッタリング面に偏磨耗が生じることがなく、ボンディング材部分に割れが発生することがない。また、ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部とバッキングプレートとの間にボンディング材が存在していない場合には、スパッタリングの際にボンディング材が飛び出す危険性が少ない。
本発明のスパッタリングターゲットの一例を示す概略断面図である。 本発明のスパッタリングターゲットの製造方法における耐熱性一時スペーサーの配置位置を示す概略説明図である。 本発明のスパッタリングターゲットの製造方法におけるターゲット表面上の耐熱性一時スペーサーの配置位置を示す概略説明図である。 本発明のスパッタリングターゲットの製造方法における2分割ターゲット表面上の耐熱性一時スペーサーの配置位置を示す概略説明図である。 本発明のスパッタリングターゲットの製造方法における3分割ターゲット表面上の耐熱性一時スペーサーの配置位置を示す概略説明図である。 本発明のスパッタリングターゲットの製造過程の他の段階の状態を示す概略断面図である。 耐圧試験の状態を示す概略説明図である。
符号の説明
1 ターゲット
2 バッキングプレート
3 ボンディング材層
5 耐熱性一時スペーサーを離脱可能に配設する位置
6 耐熱性一時スペーサーを離脱可能に配設する位置
7 耐熱性一時スペーサー
8 耐熱性一時スペーサー
9 ジグ
図1に示すように、ターゲット1と、バッキングプレート2と、それらを貼り合わせているボンディング材層3とからなる本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれている。また、本発明の他の態様においては、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれており、ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部、例えば全周とバッキングプレートとの間4にはボンディング材が存在していない。
本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ターゲット1はターゲットとして一般に用いられているいかなる材料で形成されていてもよく、例えば、クロム、チタン、アルミニウム、ITO(In−Sn系)、SiO2等の材料で形成されているものを用いることができる。また、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ターゲット1は材質の異なる複数のターゲットを1枚のバッキングプレート上に貼り合わせた分割ターゲットであってよい。
本発明のスパッタリングターゲットにおいては、バッキングプレート2はバッキングプレートとして一般に用いられているいかなる材料で形成されていてもよく、例えば、導電性・熱伝導性に優れた銅、特に無酸素銅、チタン、ステンレススチール等の材料で形成されているものを用いることができる。また、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、バッキングプレートの厚さは、強度を考慮すれば、例えば材質がCu(JIS C
1020)の場合には、10mm〜50mmとすることが望ましい。
本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ボンディング材層3はボンディング材として一般に用いられているいかなる材料で形成されていてもよいが、一般的にはIn系、Sn系等の低融点金属からなるボンディングロウ材で形成される。このボンディング材層の厚みは2mm以下であることが好ましい。2mmよりも厚くなると、漏れ磁束の低下が大きくなりすぎ、スパッタリング時の放電電圧が不安定になる。従って、1.5mm以下にすることが更に好ましい。しかし、スパッタリングターゲットの割れ、剥離の防止の面からはボンディング材層の厚みは0.25mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることが更に好ましい。
本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ボンディング材部分に割れが発生することがないようにするためにはボンディング材層中にはスペーサーが存在していないことが必要であり、また、スパッタリング時間の経過にともないスパッタリングターゲットのスパッタリング面に偏磨耗が生じることがないようにするためにはターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれていることが必要である。
また、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、スパッタリングの際にボンディング材が飛び出す危険性が少ないようにするためにはターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部、例えば全周とバッキングプレートとの間4にはボンディング材が存在していない(即ち、ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部、例えば全周とバッキングプレートとの間4にはボンディング材が充填されておらず、且つターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部、例えば全周にもその部分に対面している部分のバッキングプレートの表面にもボンディング材が付着していない)ことが好ましい。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法においては、まず最初に、例えば図2〜図5に示すように、ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面とボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面とが実質的に平行に保たれるようにするために、耐熱性一時スペーサーを(1)ターゲット1の貼り合わせ面側表面の周辺で該ターゲットを支持し得る少なくとも3点の支点部分をそれぞれ含む部分5に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲット1の表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置6でバッキングプレート2の貼り合わせ面側表面上に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設する。なお、ターゲット1が同質の材質又は異なる材質の複数のターゲットからなる分割ターゲットである場合には、ボンディング材層に貼り合わせられる分割ターゲットの各々のターゲット表面とボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面とが実質的に平行に保たれるようにするために、耐熱性一時スペーサーを(1)分割ターゲットの各々のターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺で該分割ターゲットの各々のターゲットを支持し得る少なくとも3点の支点部分をそれぞれ含む部分に離脱可能に配設するか、(2)該分割ターゲットの各々のターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置でバッキングプレート2の貼り合わせ面側表面上に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設する。
上記の「ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺で該ターゲットを支持し得る少なくとも3点の支点部分をそれぞれ含む部分」の例示としては、図2に示すように全周5である場合の他に、図3〜図5に示すような種々の態様がある。図3の(a)〜(d)は単一板ターゲットの場合を示しており、図4の(a)〜(d)は2分割ターゲットの場合を示しており、図5の(a)〜(d)は3分割ターゲットの場合を示している。
本発明の製造方法で用いる耐熱性一時スペーサーは、ボンディング材層の冷却固化後に取り除くことのできるものであればいかなる材料で作られたものであってもよい。そのような材料として、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、亜鉛等の金属又は合金、セラミックス、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂等を挙げることができる。しかし、好ましいものとしては、ボンディング材層の冷却固化後にスペーサーを取り除くのであるから、ボンディング材の溶融温度で実質的に焼失しないもの、塑性変形しないもの、ボンディング材と反応しないもの、合金層を形成しないもの、ボンディング材の線膨張係数と同等以上の線膨張係数をもつもの又は弾性変形が適当なもの、強度が適当なもの等である。
本発明の製造方法で用いる耐熱性一時スペーサーの形状については、テープ状、板状、ワイヤー状、棒状(角、丸)、円盤状、高さの低い三角柱状等のいかなる形状であってもよい。また、そのようなスペーサーを離脱可能に配設する方法としては、接着剤を用いて仮止めする方法、スペーサーをターゲット又はバッキングプレートの貼り合わせ面側表面、側面、裏面に沿って曲げ、その曲げたスペーサーをターゲット又はバッキングプレートに嵌めて仮止めする方法、スペーサーをターゲット又はバッキングプレートの貼り合わせ面側表面の周辺部に置いて側面側からクランプで仮止めする方法等を採用することができる。なお、本発明の製造方法は、スペーサーをターゲット又はバッキングプレートの貼り合わせ面側表面に単に置くだけでも実施可能である。
耐熱性一時スペーサーの厚さについては、図6に示すように、該ターゲット1上の耐熱性一時スペーサー7の厚さと該バッキングプレート2上の耐熱性一時スペーサー8の厚さとの合計が0.25〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整しても、該ターゲット1上又は該バッキングプレート2上の何れか一方のみに耐熱性一時スペーサーを離脱可能に配設してその厚さが0.25〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整してもよい。
また、耐熱性一時スペーサー7及び8として耐熱性粘着テープを用い、その厚さが薄くてそれらの厚さ又はそれらの合計厚さが0.25〜2mmの範囲内の所定の厚さにならない場合には、耐熱性粘着テープを2枚以上重ねて用いることもできる。耐熱性粘着テープを用いる場合には、摩擦係数が小さくて強度があり、ボンディング材の冷却固化後に容易に抜き取ることができる点で、フッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))テープとその片面に塗布された変性シリコーン系粘着材とからなる耐熱性粘着テープ、又はフッ素樹脂の層とその上の無機繊維クロスの層とその上のフッ素樹脂の層とその上の変性シリコーン系粘着材の層とからなる耐熱性粘着テープを用いることが好ましい。
その後、ターゲットの貼り合わせ面側表面上にボンディング材の溶融物を形成するか、バッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に該ターゲットの表面上のボンディング材溶融物の形成可能位置とは面対称となる配置でボンディング材の溶融物を形成するか、又はその両方にボンディング材の溶融物を形成する。この際にボンディング材溶融物の合計厚さは、ターゲットとバッキングプレートとが完全に貼り合わされるように、該耐熱性一時スペーサーの合計厚さよりも僅かに厚いことが好ましい。次いで、図6に示すように、ターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせる。
ターゲットの表面、バッキングプレートの表面、又はその両方の表面にボンディング材の溶融物を形成する方法としては、上記のターゲットの表面及び上記のバッキングプレートの表面をボンディング材を溶融させるのに十分な温度に加熱し、該ターゲットの表面、該バッキングプレートの表面又はその両方の表面にそれぞれボンディング材を塗布して溶融させる方法や、上記のターゲットの表面、上記のバッキングプレートの表面又はその両方の表面にそれぞれボンディング材を塗布し、その後加熱、溶融させる方法がある。
ターゲットとバッキングプレートとを貼り合わせた後、なおその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせた後、ボンディング材を冷却凝固させる。ボンディング材を冷却凝固させる方法としては特に限定されるものではなく、例えば、バッキングプレート側から冷風を吹き付けたり、バッキングプレート裏面の中央部に銅のインゴットを押し付けたりする方法等が採用できる。また、ターゲットが、熱衝撃に強いメタル系等の場合には、ターゲット側から冷風を吹き付ける等して冷却してもよい。
ボンディング材が冷却凝固した後、耐熱性一時スペーサーを取り除いて本発明のスパッタリングターゲットを得る。このように耐熱性一時スペーサーを取り除くことにより、耐熱性一時スペーサーが存在していた部分についてはボンディング材が付着していない状態となり、ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の全周に耐熱性一時スペーサーを離脱可能に配設していた場合には、ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の全周とバッキングプレートとの間にはボンディング材は存在せず、且つターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の全周にもその部分に対面している部分のバッキングプレートの表面にもボンディング材が付着していない状態となる。このようなスパッタリングターゲットを用いる場合には、スパッタリングの際にボンディング材が飛び出す危険性がない。
また、本発明の製造方法で得られたスパッタリングターゲットは、ターゲットとバッキングプレートとの貼り合わせ部の両者の面が実質的に平行に保たれており、これを用いたスパッタリングに於いてはターゲット間の放電電圧のばらつきが小さく、且つ偏磨耗が起きないという特徴を有する。
本発明のスパッタリングターゲット及びその製造方法を以下に実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
127mm×381mm×4.8mmの大きさの青板ガラスターゲット、150mm×440mm×6mmの大きさの無酸素銅製バッキングプレート、四フッ化エチレン樹脂(テフロン(登録商標))を基材とし、その片面に変性シリコーン系粘着材を塗布した幅3mm、厚さ約0.13mmの耐熱性粘着テープ、及びボンディング材としてのインジウム粉末を用意した。
上記のターゲット及びバッキングプレートに図2に示す配置で耐熱性粘着テープを離脱可能に配設した。その後、ホットプレートを用いてターゲット及びバッキングプレートを190℃に加熱し、それぞれのボンディング面にインジウム粉末を塗布し、溶融させてボンディング材の溶融物を形成した。次いで、図6に示すように、ターゲットとバッキングプレートとを面対称になっている耐熱性粘着テープが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせた。張り合わせた後、ターゲットの上に3kgの重石を載せ、自然冷却した。ターゲットの温度が約100℃になった時に、重石を外し、耐熱性粘着テープを引き抜いて取り除き、本発明のスパッタリングターゲットを得た。同様にして合計で10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは0.25mmでほぼ一定であった。
実施例2
四フッ化エチレン樹脂(テフロン(登録商標))を基材とし、その片面に変性シリコーン系粘着材を塗布した幅3mm、厚さ約0.66mmの耐熱性粘着テープを用いた以外は実施例1と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは1.3mmでほぼ一定であった。
比較例1
127mm×381mm×4.8mmの大きさの青板ガラスターゲット、150mm×440mm×6mmの大きさの無酸素銅製バッキングプレート、20mm×381mm×0.25mmの大きさの無酸素銅板(スペーサー)、及びボンディング材としてのインジウム粉末を用意した。
ホットプレートを用いてターゲット及びバッキングプレートを190℃に加熱し、それぞれのボンディング面にインジウム粉末を塗布し、溶融させた。上記の無酸素銅板(スペーサー)2枚を190℃に加熱し、それらの全表面にインジウム粉末を塗布し、溶融させて濡らした。これらの2枚の無酸素銅板をバッキングプレート上のインジウム溶融膜の上に65mmの間隔で平行に配置し、その上にターゲットを貼り合わせた。張り合わせた後、ターゲットの上に3kgの重石を載せ、自然冷却してスパッタリングターゲットを得た。同様にして合計で10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは0.25mmでほぼ一定であった。
比較例2
20mm×381mm×0.25mmの大きさの無酸素銅板(スペーサー)の代わりに20mm×381mm×1.3mmの大きさの無酸素銅板(スペーサー)を用いた以外は比較例1と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは1.3mmでほぼ一定であった。
実施例3
127mm×381mm×4.8mmの大きさの青板ガラスターゲット、150mm×440mm×6mmの大きさの無酸素銅製バッキングプレート、幅5mm×厚さ1.5mmの大きさの無酸素銅板(スペーサー)、及びボンディング材としてのインジウム粉末を用意した。
上記のターゲットのみに図2に示す配置で上記の銅板製スペーサーを離脱可能に配設した。その後、ホットプレートを用いてターゲット及びバッキングプレートを190℃に加熱し、ターゲットのボンディング面にインジウム粉末を塗布し、溶融させてボンディング材の溶融物を形成した。次いで、図6に示すような配置で、ターゲットとバッキングプレートとをボンディング材層を介して貼り合わせた。張り合わせた後、ターゲットの上に3kgの重石を載せ、自然冷却した。ターゲットの温度が約100℃になった時に、重石を外し、銅板製スペーサーを引き抜いて取り除き、本発明のスパッタリングターゲットを得た。同様にして合計で10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは1.5mmでほぼ一定であった。
比較例3
銅板製スペーサーを引き抜かないでそのまま残した以外は実施例3と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは1.5mmでほぼ一定であった。
実施例4
127mm×381mm×4.8mmの大きさの青板ガラスターゲット、150mm×440mm×6mmの大きさの無酸素銅製バッキングプレート、幅5mm×長さ21mm×厚さ2mmの大きさのSUS板(スペーサー)、及びボンディング材としてのインジウム粉末を用意した。
ターゲットの表面上の図3(b)に示す配置とは面対称となる配置で、ボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面に上記のSUS板製スペーサーをクランプにより離脱可能に配設した。その後、ホットプレートを用いてターゲット及びバッキングプレートを190℃に加熱し、バッキングプレートのボンディング面にインジウム粉末を塗布し、溶融させてボンディング材の溶融物を形成した。次いで、ターゲットとバッキングプレートとを、上記の各々のSUS板製スペーサーの9.5mm長の部分にターゲットが被さるように、ターゲットとバッキングプレートとをボンディング材層を介して貼り合わせた。張り合わせた後、ターゲットの上に3kgの重石を載せ、自然冷却した。ターゲットの温度が約100℃になった時に、重石を外し、SUS板製スペーサーを引き抜いて取り除き、本発明のスパッタリングターゲットを得た。同様にして合計で10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは2.0mmでほぼ一定であった。
比較例4
SUS板製スペーサーを引き抜かないでそのまま残した以外は実施例4と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは2.0mmでほぼ一定であった。
実施例5
幅5mm×長さ21mm×厚さ2mmの大きさのSUS板(スペーサー)の代わりに直径0.5mm×長さ21mmの銅製ワイヤー(スペーサー)を用いた以外は実施例4と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは0.5mmでほぼ一定であった。
比較例5
銅製ワイヤー(スペーサー)を引き抜かないでそのまま残した以外は実施例5と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは0.5mmでほぼ一定であった。
実施例6
幅5mm×長さ21mm×厚さ2mmの大きさのSUS板(スペーサー)の代わりに直径1.0mm×長さ21mmのSUS製ワイヤー(スペーサー)を用いた以外は実施例4と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは1.0mmでほぼ一定であった。
比較例6
SUS製ワイヤー(スペーサー)を引き抜かないでそのまま残した以外は実施例6と同様にして10個のスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは1.0mmでほぼ一定であった。
比較例7
幅5mm×長さ21mm×厚さ2mmの大きさのSUS板(スペーサー)の代わりに直径0.1mm×長さ21mmの銅製ワイヤー(スペーサー)を用いた以外は比較例4と同様にしてスパッタリングターゲットを作製した。各々のスパッタリングターゲットのボンディング材層の厚みは0.1mmでほぼ一定であった。しかしながら、銅製ワイヤー(スペーサー)が細すぎるため、引き抜こうとしても断線し、完全に取り除くことはできなかった。
比較例8
幅5mm×長さ21mm×厚さ2mmの大きさのSUS板(スペーサー)の代わりに直径2.5mm×長さ21mmの銅製ワイヤー(スペーサー)を用いた以外は比較例4と同様にしてスパッタリングターゲットの作製を試みた。しかしながら、ターゲットとバッキングプレートとをボンディング材層を介して貼り合わせた時にボンディング材mp漏れ出しが生じた。
耐圧試験
実施例1〜6及び比較例1〜6で作製した各々のスパッタリングターゲットの耐圧性を下記の方法で評価した。
図7に示すように、スパッタリングターゲットのバッキングプレート2をジグ9にネジ(図示していない)で固定し、バッキングプレートの裏面全体に等圧がかかるようにした。空間10中に窒素ガスを徐々に導入して割れが生じた時の圧力を測定した。それらの結果は第1表に示す通りであった。
第1表に示すデータからも明らかなように、本発明の製造方法によって得られる本発明のスパッタリングターゲットはスペーサーを含むものよりも優れている。
Figure 2005111261
即ち、本発明のスパッタリングターゲットは、ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.5〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれていることを特徴とする。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.5〜2mmの範囲内であり、ターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれており、且つターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部とバッキングプレートとの間にはボンディング材が存在していないことを特徴とする。
更に、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面とボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面とが実質的に平行に保たれるようにし得る配置で耐熱性一時スペーサーを(1)ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置でバッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設し、この際に耐熱性一時スペーサーの合計厚さが0.5〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整し、該ターゲットの貼り合わせ面側表面上にボンディング材の溶融物を形成するか、該バッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に該ターゲットの表面上のボンディング材溶融物の形成可能位置とは面対称となる配置でボンディング材の溶融物を形成するか、又はその両方にボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせ、冷却後それらの耐熱性一時スペーサーを取り除くことを特徴とする。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、耐熱性一時スペーサーを(1)ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面の周辺の全周に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置で、ボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設し、この際に耐熱性一時スペーサーの合計厚さが0.5〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整し、該ターゲットの表面上、該バッキングプレートの表面上、又はその両方の表面上の耐熱性一時スペーサーで囲まれた部分にボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせ、冷却後それらの耐熱性一時スペーサーを取り除くことを特徴とする。
図1に示すように、ターゲット1と、バッキングプレート2と、それらを貼り合わせているボンディング材層3とからなる本発明のスパッタリングターゲットにおいては、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.5〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれている。また、本発明の他の態様においては、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.5〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれており、ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部、例えば全周とバッキングプレートとの間4にはボンディング材が存在していない。
耐熱性一時スペーサーの厚さについては、図6に示すように、該ターゲット1上の耐熱性一時スペーサー7の厚さと該バッキングプレート2上の耐熱性一時スペーサー8の厚さとの合計が0.5〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整しても、該ターゲット1上又は該バッキングプレート2上の何れか一方のみに耐熱性一時スペーサーを離脱可能に配設してその厚さが0.5〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整してもよい。
また、耐熱性一時スペーサー7及び8として耐熱性粘着テープを用い、その厚さが薄くてそれらの厚さ又はそれらの合計厚さが0.5〜2mmの範囲内の所定の厚さにならない場合には、耐熱性粘着テープを2枚以上重ねて用いることもできる。耐熱性粘着テープを用いる場合には、摩擦係数が小さくて強度があり、ボンディング材の冷却固化後に容易に抜き取ることができる点で、フッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))テープとその片面に塗布された変性シリコーン系粘着材とからなる耐熱性粘着テープ、又はフッ素樹脂の層とその上の無機繊維クロスの層とその上のフッ素樹脂の層とその上の変性シリコーン系粘着材の層とからなる耐熱性粘着テープを用いることが好ましい。
第1表に示すデータからも明らかなように、本発明の製造方法によって得られる本発明のスパッタリングターゲットはスペーサーを含むものよりも優れている。また、第1表に示すデータからも明らかなように、ボンディング材層の厚みが増すにつれて割れが生じた時の圧力が大きくなっており、ボンディング材層の厚みが0.5mm以上で割れが生じた時の圧力が6.3kg/cm 2 以上となり、ボンディング材層の厚みが1mm以上(1〜2mm)で割れが生じた時の圧力が7.3kg/cm 2 以上となっている。

Claims (7)

  1. ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、且つターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. ターゲットと、バッキングプレートと、それらを貼り合わせているボンディング材層とからなり、ボンディング材層中にはスペーサーが存在せず、ボンディング材層の厚みが0.25〜2mmの範囲内であり、ターゲットの貼り合わせ面とバッキングプレートの貼り合わせ面とが実質的に平行に保たれており、且つターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺の少なくとも一部とバッキングプレートとの間にはボンディング材が存在していないことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面とボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面とが実質的に平行に保たれるようにし得る配置で耐熱性一時スペーサーを(1)ターゲットの貼り合わせ面側表面の周辺に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置でバッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設し、この際に耐熱性一時スペーサーの合計厚さが0.25〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整し、該ターゲットの貼り合わせ面側表面上にボンディング材の溶融物を形成するか、該バッキングプレートの貼り合わせ面側表面上に該ターゲットの表面上のボンディング材溶融物の形成可能位置とは面対称となる配置でボンディング材の溶融物を形成するか、又はその両方にボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせ、冷却後それらの耐熱性一時スペーサーを取り除くことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 耐熱性一時スペーサーを(1)ボンディング材層に貼り合わせられるターゲット表面の周辺の全周に離脱可能に配設するか、(2)該ターゲットの表面上の耐熱性一時スペーサーの配設可能位置とは面対称となる配置で、ボンディング材層に貼り合わせられるバッキングプレート表面に離脱可能に配設するか、又は(3)その両方に離脱可能に配設し、この際に耐熱性一時スペーサーの合計厚さが0.25〜2mmの範囲内で実質的に一定値となるように調整し、該ターゲットの表面上、該バッキングプレートの表面上、又はその両方の表面上の耐熱性一時スペーサーで囲まれた部分にボンディング材の溶融物を形成し、次いで該ターゲットと該バッキングプレートとを該ボンディング材層を介して貼り合わせ、この際にその両方に耐熱性一時スペーサーが離脱可能に配設されている場合には該ターゲットと該バッキングプレートとを面対称になっている耐熱性一時スペーサーが合致するようにボンディング材層を介して貼り合わせ、冷却後それらの耐熱性一時スペーサーを取り除くことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 上記のボンディング材層を介して貼り合わせる上記のターゲット及び上記のバッキングプレートの各々の表面をボンディング材を溶融させるのに十分な温度に加熱し、該ターゲットの表面、該バッキングプレートの表面、又はその両方の表面にそれぞれボンディング材を塗布して溶融させることにより、該ターゲットの表面上、該バッキングプレートの表面上、又はその両方の表面上にボンディング材の溶融物を形成する請求項3又は4記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 上記のターゲットの表面、上記のバッキングプレートの表面、又はその両方の表面にそれぞれボンディング材を塗布し、その後加熱することにより該ターゲットの表面上、該バッキングプレートの表面上、又はその両方の表面上にボンディング材の溶融物を形成する請求項3又は4記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 耐熱性一時スペーサーがフッ素樹脂テープとその片面に塗布された変性シリコーン系粘着材とからなるものであるか、又はフッ素樹脂の層とその上の無機繊維クロスの層とその上のフッ素樹脂の層とその上の変性シリコーン系粘着材の層とからなるものであり、ボンディング材がインジウムを主成分とするボンディング材である請求項3、4、5又は6記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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