JP2005002364A - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨粒などを有効に除去すると共にパーティクルの発生を防止し、初期安定性を著しく向上させ、且つ低コストで製造できるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットにおいて、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施したもの。
【選択図】 なし
【解決手段】表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットにおいて、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施したもの。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、薄膜を成膜する方法の1つとしてスパッタリング法が知られている。スパッタリング法とは、スパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより薄膜を得る方法であり、大面積化が容易であり、高性能の膜が効率よく成膜できるため、工業的に利用されている。また、近年、スパッタリングの方式として、反応性ガスの中でスパッタリングを行う反応性スパッタリング法や、ターゲットの裏面に磁石を設置して薄膜形成の高速化を図るマグネトロンスパッタリング法なども知られている。
【0003】
このようなスパッタリング法で用いられる薄膜のうち、特に、酸化インジウム−酸化錫(In2O3−SnO2の複合酸化物、以下、「ITO」という)膜は、可視光透過性が高く、かつ導電性が高いので透明導電膜として液晶表示装置やガラスの結露防止用発熱膜、赤外線反射膜等に幅広く用いられている。
【0004】
このため、より効率よく低コストで成膜するために、現在においてもスパッタ条件やスパッタ装置などの改良が日々行われており、装置を如何に効率的に稼働させるかが重要となる。
【0005】
このようなITOスパッタリングにおいては、新しいスパッタリングターゲットをセットしてから初期アーク(異常放電)がなくなって製品を製造できるまでの時間が短いことと、一度セットしてからどれくらいの期間使用できるか(積算スパッタリング時間:ターゲットライフ)が問題となる。
【0006】
従来、スパッタリングターゲットの初期アークは、ターゲット表面を研磨して平滑にすればするほど低減するといわれており、表面を平滑にした表面研磨ターゲットが主流となっている。
【0007】
また、スパッタリングを連続的に行っていくと、ターゲット表面にノジュールという黒色の付着物が生じ、これが異常放電の原因となったり、パーティクルの発生源となったりするといわれている。従って、薄膜欠陥を防止するためには、定期的なノジュール除去が必要となり、生産性の低下につながるという問題がある。
【0008】
例えば、ターゲットの表面粗さを所定の範囲内とすることでアーキングやノジュールの発生を防止しようとする技術が開発されている(特許文献1,2等参照)。しかしながら、このような所定の表面粗さを有するITOスパッタリングターゲットを製造するためには、焼結後、研削により厚さを調整した後、徐々に細かい研磨砥石を用いて3〜4回の研磨工程が必要となり、製造時間及びコストが嵩むという問題があった。
【0009】
また、スパッタリングターゲットを超音波洗浄したり、粘着テープを擦り付けて引き剥がしたりして、研削粉をクリーニングすることにより、ノジュールや異常放電の発生を防止した技術が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この技術では研削粉を十分に除去することができないという問題があった。
【0010】
一方、ボンディング面を除くターゲット表面の全部又は一部を粗面とすることにより、連続的にスパッタリングを行う際に薄膜形成基板に付着しなかったターゲット粒子を付着物としてトラップし、スパッタリング中期から後期にかけて発生するパーティクルを抑制し、クリーニング回数を低減するという技術がある(特許文献4参照)。しかしながら、この考え方を上述した技術に取り入れると、平滑化処理した後に非エロージョン部のみを粗面にする必要があり、工程が著しく煩雑化するという問題があった。
【0011】
そこで、所定のパルス幅のレーザ光線を用いて表面処理を施すことにより、加工時に生じるバリや研削粉、ちりやゴミを除去して初期アークを著しく低減するという技術を開発した(特許文献5,6参照)。
【0012】
【特許文献1】
特許第2750483号公報
【特許文献2】
特許第3152108号公報
【特許文献3】
特開11−117062号公報
【特許文献4】
特開平4−301074号公報
【特許文献5】
特開2003−55762号公報
【特許文献6】
特開2003−73821号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ光線による表面処理によると、初期アークはほぼ完全に除去できるが、レーザ光線による処理を行うため、設備投資が大きくなるという欠点があった。
【0014】
そこで、本発明はこのような事情に鑑み、研磨粒などを有効に除去すると共にパーティクルの発生を防止し、初期安定性を著しく向上させ、且つ低コストで製造できるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、初期アークの原因は研磨加工などで生じるマイクロクラックや研削粉などが主な原因であり、これらは研磨によるよりも、ドライアイスの粒を噴射することによる表面処理により有効に除去できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、ドライアイス粒をガス媒体と共にターゲット表面へ噴射して表面処理することにより、スパッタ開始時にプラズマによる熱衝撃がターゲット表面にあたり、その衝撃によって生じるパーティクルの発生原因となるマイクロクラックを除去すると共に、ターゲット表面にある加工屑や包装前に付着したちりやゴミを除去してしまい、アークやパーティクルの発生を防止することができるという知見に基づき本発明を完成させた。
【0016】
本発明の第1の態様は、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットにおいて、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施したものであることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0017】
かかる第1の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去され且つドライアイス自体も気化してしまうので、初期アークの発生が防止される。
【0018】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0019】
かかる第2の態様では、平均粒径が0.01mm〜0.5mmのドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去される。
【0020】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、当該ターゲットの表面粗さRaが、0.8〜10μmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0021】
かかる第3の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去されるが、ターゲットの表面粗さは基本的には維持され、表面粗さRaが、0.8〜10μmの範囲であっても、初期アークは防止される。
【0022】
本発明の第4の態様は、第1又は2の態様において、当該ターゲットの表面粗さRaが、0.05μm以上の範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0023】
かかる第4の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去されるが、ターゲットの表面粗さは基本的には維持され、表面粗さには影響されることなく、初期アークは防止される。
【0024】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、当該ターゲットが、セラミックスからなることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0025】
かかる第5の態様では、セラミックスターゲットの研削等の加工時に生じるバリや研削粉がドライアイスの粒の噴射による表面処理により除去される。
【0026】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、酸化インジウム及び酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物からなるターゲットであることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0027】
かかる第6の態様では、ドライアイスの粒の噴射による表面処理によりITOスパッタリングターゲットの初期安定性が著しく向上する。
【0028】
本発明の第7の態様は、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットの表面にドライアイスの粒子をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施すことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0029】
かかる第7の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去され且つドライアイス自体も気化してしまうので、初期アークの発生が防止される。
【0030】
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0031】
かかる第8の態様では、平均粒径が0.01mm〜0.5mmのドライアイス粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去される。
【0032】
本発明の第9の態様では、第7又は8の何れかの態様において、前記表面処理を製造工程の最終段階で行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0033】
かかる第9の態様では、ドライアイス粒の噴射による表面処理をできるだけ最終段階で行うことにより、初期アークが効果的に低減できる。
【0034】
本発明の第10の態様では、第7〜9の何れかの態様において、ターゲットをバッキングプレートに接合した後に前記表面処理を行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0035】
かかる第10の態様では、ドライアイス粒の噴射による表面処理であるので、バッキングプレートに接合した後にも行うことができ、より効果的に初期アークが低減できる。
【0036】
本発明の第11の態様は、第7〜10の何れかの態様において、当該ターゲットが、セラミックスからなることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0037】
かかる第11の態様では、セラミックスターゲットの研削等の加工時に生じるバリや研削粉がドライアイスの粒の噴射による表面処理により除去される。
【0038】
本発明の第12の態様は、第11の態様において、当該ターゲットが、酸化インジウム及び酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物からなることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0039】
かかる第12の態様では、ドライアイスの粒の噴射による表面処理によりITOスパッタリングターゲットの初期安定性が著しく向上する。
【0040】
本発明では、スパッタリングターゲットの表面仕上げをドライアイスの粒をガスと共に吹き付けることにより行うようにしたので、ちりやゴミや手脂などの汚れ、及び研削(又は研磨)等の加工時に生じるバリや研削粉、さらにはマイクロクラック等が除去され、当該スパッタリングターゲットの使い始めに初期アークがほとんど発生せず、予備運転をほとんど行うことなく薄膜製造に移行することができ、初期安定性を著しく向上することができる。
【0041】
さらに、本発明によると、ターゲット表面の表面粗さに依存することなく初期アークが防止できるので、エロージョン部を含め、非エロージョン部を粗面とすることができ、連続的にスパッタリングを行う際に薄膜形成基板に付着しなかったターゲット粒子を非エロージョン部の粗面で付着物として有効にトラップすることができ、スパッタリング中期から後期にかけて発生するパーティクルを抑制し、クリーニング回数を低減するという効果も奏する。
【0042】
本発明では、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットの表面に、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施す。
【0043】
ここで、ドライアイス粒を用いたショットブラスト法は、従来から、塗装膜や金型離型剤等を除去する手段の一つとして知られており、従来から知られた方法を採用することができる。
【0044】
しかしながら、本発明は、ショット材の回収の必要がないという利点だけでなく、スパッタリングターゲットの表面粗さにほとんど影響を与えることなく、初期アークの原因となるマイクロクラックを有効に除去できるという新たな知見に基づいて完成されたものである。しかしながら、本発明のドライアイス粒による表面処理を実施するに当たって従来から知られている技術を採用することができることは言うまでもない。
【0045】
ここで、表面処理に用いることがドライアイス粒は、ドライアイスを破砕・解砕したものであり、球状でなくて、不定形でもよく、大きさもガス媒体と共に噴出できる大きさであれば、特に限定されないが、好ましくは、平均粒径として0.5mm以下程度、好ましくは、ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあればよい。なお、発明の趣旨から、ドライアイス粒は、ちりやゴミなどの不純物を含まないものを用いる必要があることはいうまでもない。
【0046】
また、ドライアイス粒を噴出するためのガス媒体も特に限定されず、スパッタリングターゲットの表面に影響を与えないものであれば特に限定されない。例えば、空気又は窒素その他の不活性ガスを用いることができるが、発明の趣旨から、ちり、ゴミ等を含まない清浄なガスを用いる必要があることはいうまでもない。このようなガス媒体の噴出圧力は、例えば、0.1MPa〜1MPa、好ましくは、0.2MPa〜0.5MPaとするのがよい。
【0047】
このようなドライアイス粒及びガス媒体の噴射の方法は特に限定されず、所定の圧力で噴出するガス媒体にドライアイス粒を混合して噴出すればよく、一般的なショットブラストなどと同様に行うことができ、例えば、特許第3030287号公報に開示された方法及び装置を採用することができる。
【0048】
本発明が適用できるスパッタリングターゲットは特に限定されず、酸化物などからなるセラミックスターゲットに好適に適用できる。このような酸化物の粉末材料を焼結して得られるセラミックスのターゲットでは、厚さ調整のための研削や表面研磨において、マイクロクラックができやすいので、本発明を効果的に適用できる。この中でも、酸化インジウム及び酸化スズを含む酸化物からなるITOスパッタリングターゲットでは、効率的なスパッタリングを目指して高度な初期安定性が要求されているので、本発明を特に効果的に適用できる。
【0049】
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法の一例をセラミックスターゲットを例として説明する。
【0050】
まず、原料となる粉末を、所望の配合率で混合し、従来から公知の各種湿式法又は乾式法を用いて成形し、焼成する。
【0051】
乾式法としては、コールドプレス(Cold Press)法やホットプレス(Hot Press)法等を挙げることができる。コールドプレス法では、混合粉を成形型に充填して成形体を作製し、大気雰囲気下または酸素雰囲気下で焼成・焼結させる。ホットプレス法では、混合粉を成形型内で直接焼結させる。
【0052】
湿式法としては、例えば、濾過成形法(特開平11−286002号公報参照)を用いるのが好ましい。この濾過成形法は、セラミックス原料スラリーから水分を減圧排水して成形体を得るための非水溶性材料からなる濾過式成形型であって、1個以上の水抜き孔を有する成形用下型と、この成形用下型の上に載置した通水性を有するフィルターと、このフィルターをシールするためのシール材を介して上面側から挟持する成形用型枠からなり、前記成形用下型、成形用型枠、シール材、およびフィルターが各々分解できるように組立てられており、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水する濾過式成形型を用い、混合粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、このスラリーを濾過式成形型に注入し、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂後、焼成する。
【0053】
各方法において、焼成温度は、例えば、ITOターゲットの場合には、1300〜1600℃が好ましく、さらに好ましくは、1450〜1600℃である。その後、所定寸法に成形・加工のための機械加工を施しターゲットとする。
【0054】
一般的には、成形後、厚さ調整のために表面を研削し、さらに、表面を平滑にするために、何段階かの研磨を施す。本発明のドライアイス粒による表面処理は、厚さ調整の研削後に行っても、研磨後に行ってもよい。何れにしても、ドライアイス粒による表面処理を行った後には、その後の研磨等の処理はいっさい行わない。
【0055】
このようなドライアイス粒による表面処理を施すことにより、たとえ、表面が平滑でなくても、研削時に生じるマイクロクラックや使用時の熱衝撃により脱離し易い箇所が除去されると考えられる。すなわち、本発明を適用する場合には、厚さ調整の研削を行った後、表面を研磨する工程を省略することができ、さらには、研削工程の後の研磨工程を省いてドライアイス粒による表面処理を行うのが好ましい。また、これにより、ボンディング面を除くターゲット表面の全部又は一部を粗面とすることにより、連続的にスパッタリングを行う際に薄膜形成基板に付着しなかったターゲット粒子を付着物としてトラップすることができ、スパッタリング中期から後期にかけて発生するパーティクルを抑制し、クリーニング回数を低減することができるという利点もある。
【0056】
従って、本発明のスパッタリングターゲットの表面粗さRaは、従来好ましいとされている0.5μmより大きく、0.8μm〜10μmの範囲にあってもよい。また、勿論、これより小さくてもよく、例えば、0.05μm以上、すなわち、0.05μm〜0.8μmであってもよい。これは、表面粗さRaが0.8μmより大きくても、ドライアイス粒による表面処理が施されているので、マイクロクラックが除去されており、初期アークが大幅に低減し、初期安定性が向上するからである。また、ドライアイス粒による表面処理により表面粗さRaが大きくなる傾向があるので、結果的に表面粗さが大きくなったものでもよい。さらに、厚さ調整の後、通常のブラスト処理をして表面を粗面としたものを、ドライアイス粒により表面処理してもよい。
【0057】
また、従来においては、研磨工程が完了した後、ターゲットをバッキングプレートに接合してスパッタリングターゲットとするが、本発明のドライアイス粒による表面処理はバッキングプレートに接合した後にも行うことができる。また、製造されたスパッタリングターゲットの初期安定性を考慮すると、バッキングプレートに接合した後に行うのが好ましい。ドライアイス粒による表面処理の後にちり、ゴミ等が表面に付着するのを防止するためである。
【0058】
従って、本発明のドライアイス粒による表面処理を行った後、直ぐに梱包するのが好ましい。なお、樹脂製フィルムで梱包する場合には、樹脂製フィルムと接触したターゲット表面にパーティクルが転写される虞があるので、離脱性パーティクルが含有されない樹脂製フィルムを用いるのが好ましく、また、表面に何も接触しないような梱包を行うのが好ましい。
【0059】
以上説明したように、ドライアイス粒を用いたショットブラスト法は従来から知られた方法であるが、本発明では、ショット材の回収の必要がないという利点だけでなく、スパッタリングターゲットの表面粗さにほとんど影響を与えることなく、初期アークの原因となるマイクロクラックを有効に除去できるという新たな効果を奏するものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、これに限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
ITO(In2O3:SnO2=90:10wt%)ターゲットで密度99.8%の板材を焼成し、この板材から、直径4インチで厚さ6mmのターゲットを作製した。このターゲットの表面を研削するにあたり、平面研削盤に#170のダイヤ砥石を装着し表面の加工を行った。加工後、純水を表面にかけて簡単に洗浄し、真空乾燥機で乾燥した。乾燥後のターゲットをInにて銅製バッキングプレートにボンディングした。ボンディング後ターゲット周辺にはみ出したInやバッキングプレートに付着したIn、バッキングプレートの酸化物除去のためにサンドペーパーにて磨き上げた。そして、削り屑を除去するためにターゲット及びバッキングプレートの表面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭き上げた。
【0062】
その後、ドライアイス粒を下記条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例1のターゲットとした。
【0063】
ドライアイスブラスト条件:
ドライアイス解砕径(平均):0.3mm
ガス媒体(N2のゲージ圧):0.4MPa
ターゲットとブラストノズルとの距離:50mm
【0064】
(実施例2)
#170の代わりに#60のダイヤモンド砥石で加工した以外は、実施例1と同様にし、最後にドライアイス粒を実施例1と同様な条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例2のターゲットとした。
【0065】
(実施例3)
#170での加工をせずに、通常のブラスト処理(ブラスト材としてアランダム(Al2O3系ブラスト材)を使用)をした以外は、実施例1と同様にし、最後にドライアイス粒を実施例1と同様な条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例3のターゲットとした。
【0066】
(実施例4)
#170の砥石の後、番手を徐々に上げて最後は#1000のダイヤモンド砥石で仕上げ研磨した以外は、実施例1と同様にし、最後にドライアイス粒を実施例1と同様な条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例4のターゲットとした。
【0067】
(比較例1)
実施例1と同様なITOターゲットを#170のダイヤ砥石で加工した後、純水で超音波洗浄器にて洗浄後、真空乾燥機で乾燥した。その後、乾燥後のターゲットをInにて銅製バッキングプレートにボンディングし、ボンディング後ターゲット周辺にはみ出したInやバッキングプレートに付着したIn、バッキングプレートの酸化物除去のためにサンドペーパーにて磨き上げた。最後にサンドペーパーによる削り屑を除去するためにターゲット及びバッキングプレートの表面をIPAで拭き上げ、比較例1のターゲットとした。
【0068】
(比較例2)
実施例4と同様に#1000のダイヤモンド砥石で仕上げ研磨した後、比較例1と同様に超音波洗浄し、その後も比較例1と同様にして比較例2のターゲットとした。
【0069】
(試験例)
実施例1〜4及び比較例1、2のターゲットをスパッタ装置に装着し、下記条件にてスパッタを行い、ランドマークテクノロジー社のアークカウンターにて、スパッタ時に発生するアーキングの累積発生回数をカウントした。その結果を表1に示す。
【0070】
スパッタ条件:
プロセス圧力(Ar)=3mTorr
酸素分圧(O2)=1×10−5Torr
投入電力=3W/cm 2
投入積算電力量=120Whr/cm2
【0071】
【表1】
【0072】
以上の結果から、ドライアイス粒による表面処理により、表面粗さにかかわらず、累積アーク回数が大幅に低減され、初期安定性が大幅に向上すると共に長期的にもアークが低減されることが確認された。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ターゲット表面にドライアイスの粒を噴射することによる表面処理により、パーティクルの発生原因となるマイクロクラックを除去すると共に、ターゲット表面にある加工屑や包装前に付着したちりやゴミを除去し、アーキングやパーティクルの発生を防止するという効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、薄膜を成膜する方法の1つとしてスパッタリング法が知られている。スパッタリング法とは、スパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより薄膜を得る方法であり、大面積化が容易であり、高性能の膜が効率よく成膜できるため、工業的に利用されている。また、近年、スパッタリングの方式として、反応性ガスの中でスパッタリングを行う反応性スパッタリング法や、ターゲットの裏面に磁石を設置して薄膜形成の高速化を図るマグネトロンスパッタリング法なども知られている。
【0003】
このようなスパッタリング法で用いられる薄膜のうち、特に、酸化インジウム−酸化錫(In2O3−SnO2の複合酸化物、以下、「ITO」という)膜は、可視光透過性が高く、かつ導電性が高いので透明導電膜として液晶表示装置やガラスの結露防止用発熱膜、赤外線反射膜等に幅広く用いられている。
【0004】
このため、より効率よく低コストで成膜するために、現在においてもスパッタ条件やスパッタ装置などの改良が日々行われており、装置を如何に効率的に稼働させるかが重要となる。
【0005】
このようなITOスパッタリングにおいては、新しいスパッタリングターゲットをセットしてから初期アーク(異常放電)がなくなって製品を製造できるまでの時間が短いことと、一度セットしてからどれくらいの期間使用できるか(積算スパッタリング時間:ターゲットライフ)が問題となる。
【0006】
従来、スパッタリングターゲットの初期アークは、ターゲット表面を研磨して平滑にすればするほど低減するといわれており、表面を平滑にした表面研磨ターゲットが主流となっている。
【0007】
また、スパッタリングを連続的に行っていくと、ターゲット表面にノジュールという黒色の付着物が生じ、これが異常放電の原因となったり、パーティクルの発生源となったりするといわれている。従って、薄膜欠陥を防止するためには、定期的なノジュール除去が必要となり、生産性の低下につながるという問題がある。
【0008】
例えば、ターゲットの表面粗さを所定の範囲内とすることでアーキングやノジュールの発生を防止しようとする技術が開発されている(特許文献1,2等参照)。しかしながら、このような所定の表面粗さを有するITOスパッタリングターゲットを製造するためには、焼結後、研削により厚さを調整した後、徐々に細かい研磨砥石を用いて3〜4回の研磨工程が必要となり、製造時間及びコストが嵩むという問題があった。
【0009】
また、スパッタリングターゲットを超音波洗浄したり、粘着テープを擦り付けて引き剥がしたりして、研削粉をクリーニングすることにより、ノジュールや異常放電の発生を防止した技術が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この技術では研削粉を十分に除去することができないという問題があった。
【0010】
一方、ボンディング面を除くターゲット表面の全部又は一部を粗面とすることにより、連続的にスパッタリングを行う際に薄膜形成基板に付着しなかったターゲット粒子を付着物としてトラップし、スパッタリング中期から後期にかけて発生するパーティクルを抑制し、クリーニング回数を低減するという技術がある(特許文献4参照)。しかしながら、この考え方を上述した技術に取り入れると、平滑化処理した後に非エロージョン部のみを粗面にする必要があり、工程が著しく煩雑化するという問題があった。
【0011】
そこで、所定のパルス幅のレーザ光線を用いて表面処理を施すことにより、加工時に生じるバリや研削粉、ちりやゴミを除去して初期アークを著しく低減するという技術を開発した(特許文献5,6参照)。
【0012】
【特許文献1】
特許第2750483号公報
【特許文献2】
特許第3152108号公報
【特許文献3】
特開11−117062号公報
【特許文献4】
特開平4−301074号公報
【特許文献5】
特開2003−55762号公報
【特許文献6】
特開2003−73821号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ光線による表面処理によると、初期アークはほぼ完全に除去できるが、レーザ光線による処理を行うため、設備投資が大きくなるという欠点があった。
【0014】
そこで、本発明はこのような事情に鑑み、研磨粒などを有効に除去すると共にパーティクルの発生を防止し、初期安定性を著しく向上させ、且つ低コストで製造できるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、初期アークの原因は研磨加工などで生じるマイクロクラックや研削粉などが主な原因であり、これらは研磨によるよりも、ドライアイスの粒を噴射することによる表面処理により有効に除去できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、ドライアイス粒をガス媒体と共にターゲット表面へ噴射して表面処理することにより、スパッタ開始時にプラズマによる熱衝撃がターゲット表面にあたり、その衝撃によって生じるパーティクルの発生原因となるマイクロクラックを除去すると共に、ターゲット表面にある加工屑や包装前に付着したちりやゴミを除去してしまい、アークやパーティクルの発生を防止することができるという知見に基づき本発明を完成させた。
【0016】
本発明の第1の態様は、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットにおいて、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施したものであることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0017】
かかる第1の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去され且つドライアイス自体も気化してしまうので、初期アークの発生が防止される。
【0018】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0019】
かかる第2の態様では、平均粒径が0.01mm〜0.5mmのドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去される。
【0020】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、当該ターゲットの表面粗さRaが、0.8〜10μmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0021】
かかる第3の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去されるが、ターゲットの表面粗さは基本的には維持され、表面粗さRaが、0.8〜10μmの範囲であっても、初期アークは防止される。
【0022】
本発明の第4の態様は、第1又は2の態様において、当該ターゲットの表面粗さRaが、0.05μm以上の範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0023】
かかる第4の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去されるが、ターゲットの表面粗さは基本的には維持され、表面粗さには影響されることなく、初期アークは防止される。
【0024】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、当該ターゲットが、セラミックスからなることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0025】
かかる第5の態様では、セラミックスターゲットの研削等の加工時に生じるバリや研削粉がドライアイスの粒の噴射による表面処理により除去される。
【0026】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、酸化インジウム及び酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物からなるターゲットであることを特徴とするスパッタリングターゲットにある。
【0027】
かかる第6の態様では、ドライアイスの粒の噴射による表面処理によりITOスパッタリングターゲットの初期安定性が著しく向上する。
【0028】
本発明の第7の態様は、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットの表面にドライアイスの粒子をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施すことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0029】
かかる第7の態様では、ドライアイスの粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去され且つドライアイス自体も気化してしまうので、初期アークの発生が防止される。
【0030】
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0031】
かかる第8の態様では、平均粒径が0.01mm〜0.5mmのドライアイス粒がターゲット表面に噴射されて衝突することにより、マイクロクラックが除去されると共にターゲット表面にある加工屑やちりやゴミが除去される。
【0032】
本発明の第9の態様では、第7又は8の何れかの態様において、前記表面処理を製造工程の最終段階で行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0033】
かかる第9の態様では、ドライアイス粒の噴射による表面処理をできるだけ最終段階で行うことにより、初期アークが効果的に低減できる。
【0034】
本発明の第10の態様では、第7〜9の何れかの態様において、ターゲットをバッキングプレートに接合した後に前記表面処理を行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0035】
かかる第10の態様では、ドライアイス粒の噴射による表面処理であるので、バッキングプレートに接合した後にも行うことができ、より効果的に初期アークが低減できる。
【0036】
本発明の第11の態様は、第7〜10の何れかの態様において、当該ターゲットが、セラミックスからなることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0037】
かかる第11の態様では、セラミックスターゲットの研削等の加工時に生じるバリや研削粉がドライアイスの粒の噴射による表面処理により除去される。
【0038】
本発明の第12の態様は、第11の態様において、当該ターゲットが、酸化インジウム及び酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物からなることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法にある。
【0039】
かかる第12の態様では、ドライアイスの粒の噴射による表面処理によりITOスパッタリングターゲットの初期安定性が著しく向上する。
【0040】
本発明では、スパッタリングターゲットの表面仕上げをドライアイスの粒をガスと共に吹き付けることにより行うようにしたので、ちりやゴミや手脂などの汚れ、及び研削(又は研磨)等の加工時に生じるバリや研削粉、さらにはマイクロクラック等が除去され、当該スパッタリングターゲットの使い始めに初期アークがほとんど発生せず、予備運転をほとんど行うことなく薄膜製造に移行することができ、初期安定性を著しく向上することができる。
【0041】
さらに、本発明によると、ターゲット表面の表面粗さに依存することなく初期アークが防止できるので、エロージョン部を含め、非エロージョン部を粗面とすることができ、連続的にスパッタリングを行う際に薄膜形成基板に付着しなかったターゲット粒子を非エロージョン部の粗面で付着物として有効にトラップすることができ、スパッタリング中期から後期にかけて発生するパーティクルを抑制し、クリーニング回数を低減するという効果も奏する。
【0042】
本発明では、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットの表面に、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施す。
【0043】
ここで、ドライアイス粒を用いたショットブラスト法は、従来から、塗装膜や金型離型剤等を除去する手段の一つとして知られており、従来から知られた方法を採用することができる。
【0044】
しかしながら、本発明は、ショット材の回収の必要がないという利点だけでなく、スパッタリングターゲットの表面粗さにほとんど影響を与えることなく、初期アークの原因となるマイクロクラックを有効に除去できるという新たな知見に基づいて完成されたものである。しかしながら、本発明のドライアイス粒による表面処理を実施するに当たって従来から知られている技術を採用することができることは言うまでもない。
【0045】
ここで、表面処理に用いることがドライアイス粒は、ドライアイスを破砕・解砕したものであり、球状でなくて、不定形でもよく、大きさもガス媒体と共に噴出できる大きさであれば、特に限定されないが、好ましくは、平均粒径として0.5mm以下程度、好ましくは、ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあればよい。なお、発明の趣旨から、ドライアイス粒は、ちりやゴミなどの不純物を含まないものを用いる必要があることはいうまでもない。
【0046】
また、ドライアイス粒を噴出するためのガス媒体も特に限定されず、スパッタリングターゲットの表面に影響を与えないものであれば特に限定されない。例えば、空気又は窒素その他の不活性ガスを用いることができるが、発明の趣旨から、ちり、ゴミ等を含まない清浄なガスを用いる必要があることはいうまでもない。このようなガス媒体の噴出圧力は、例えば、0.1MPa〜1MPa、好ましくは、0.2MPa〜0.5MPaとするのがよい。
【0047】
このようなドライアイス粒及びガス媒体の噴射の方法は特に限定されず、所定の圧力で噴出するガス媒体にドライアイス粒を混合して噴出すればよく、一般的なショットブラストなどと同様に行うことができ、例えば、特許第3030287号公報に開示された方法及び装置を採用することができる。
【0048】
本発明が適用できるスパッタリングターゲットは特に限定されず、酸化物などからなるセラミックスターゲットに好適に適用できる。このような酸化物の粉末材料を焼結して得られるセラミックスのターゲットでは、厚さ調整のための研削や表面研磨において、マイクロクラックができやすいので、本発明を効果的に適用できる。この中でも、酸化インジウム及び酸化スズを含む酸化物からなるITOスパッタリングターゲットでは、効率的なスパッタリングを目指して高度な初期安定性が要求されているので、本発明を特に効果的に適用できる。
【0049】
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法の一例をセラミックスターゲットを例として説明する。
【0050】
まず、原料となる粉末を、所望の配合率で混合し、従来から公知の各種湿式法又は乾式法を用いて成形し、焼成する。
【0051】
乾式法としては、コールドプレス(Cold Press)法やホットプレス(Hot Press)法等を挙げることができる。コールドプレス法では、混合粉を成形型に充填して成形体を作製し、大気雰囲気下または酸素雰囲気下で焼成・焼結させる。ホットプレス法では、混合粉を成形型内で直接焼結させる。
【0052】
湿式法としては、例えば、濾過成形法(特開平11−286002号公報参照)を用いるのが好ましい。この濾過成形法は、セラミックス原料スラリーから水分を減圧排水して成形体を得るための非水溶性材料からなる濾過式成形型であって、1個以上の水抜き孔を有する成形用下型と、この成形用下型の上に載置した通水性を有するフィルターと、このフィルターをシールするためのシール材を介して上面側から挟持する成形用型枠からなり、前記成形用下型、成形用型枠、シール材、およびフィルターが各々分解できるように組立てられており、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水する濾過式成形型を用い、混合粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、このスラリーを濾過式成形型に注入し、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂後、焼成する。
【0053】
各方法において、焼成温度は、例えば、ITOターゲットの場合には、1300〜1600℃が好ましく、さらに好ましくは、1450〜1600℃である。その後、所定寸法に成形・加工のための機械加工を施しターゲットとする。
【0054】
一般的には、成形後、厚さ調整のために表面を研削し、さらに、表面を平滑にするために、何段階かの研磨を施す。本発明のドライアイス粒による表面処理は、厚さ調整の研削後に行っても、研磨後に行ってもよい。何れにしても、ドライアイス粒による表面処理を行った後には、その後の研磨等の処理はいっさい行わない。
【0055】
このようなドライアイス粒による表面処理を施すことにより、たとえ、表面が平滑でなくても、研削時に生じるマイクロクラックや使用時の熱衝撃により脱離し易い箇所が除去されると考えられる。すなわち、本発明を適用する場合には、厚さ調整の研削を行った後、表面を研磨する工程を省略することができ、さらには、研削工程の後の研磨工程を省いてドライアイス粒による表面処理を行うのが好ましい。また、これにより、ボンディング面を除くターゲット表面の全部又は一部を粗面とすることにより、連続的にスパッタリングを行う際に薄膜形成基板に付着しなかったターゲット粒子を付着物としてトラップすることができ、スパッタリング中期から後期にかけて発生するパーティクルを抑制し、クリーニング回数を低減することができるという利点もある。
【0056】
従って、本発明のスパッタリングターゲットの表面粗さRaは、従来好ましいとされている0.5μmより大きく、0.8μm〜10μmの範囲にあってもよい。また、勿論、これより小さくてもよく、例えば、0.05μm以上、すなわち、0.05μm〜0.8μmであってもよい。これは、表面粗さRaが0.8μmより大きくても、ドライアイス粒による表面処理が施されているので、マイクロクラックが除去されており、初期アークが大幅に低減し、初期安定性が向上するからである。また、ドライアイス粒による表面処理により表面粗さRaが大きくなる傾向があるので、結果的に表面粗さが大きくなったものでもよい。さらに、厚さ調整の後、通常のブラスト処理をして表面を粗面としたものを、ドライアイス粒により表面処理してもよい。
【0057】
また、従来においては、研磨工程が完了した後、ターゲットをバッキングプレートに接合してスパッタリングターゲットとするが、本発明のドライアイス粒による表面処理はバッキングプレートに接合した後にも行うことができる。また、製造されたスパッタリングターゲットの初期安定性を考慮すると、バッキングプレートに接合した後に行うのが好ましい。ドライアイス粒による表面処理の後にちり、ゴミ等が表面に付着するのを防止するためである。
【0058】
従って、本発明のドライアイス粒による表面処理を行った後、直ぐに梱包するのが好ましい。なお、樹脂製フィルムで梱包する場合には、樹脂製フィルムと接触したターゲット表面にパーティクルが転写される虞があるので、離脱性パーティクルが含有されない樹脂製フィルムを用いるのが好ましく、また、表面に何も接触しないような梱包を行うのが好ましい。
【0059】
以上説明したように、ドライアイス粒を用いたショットブラスト法は従来から知られた方法であるが、本発明では、ショット材の回収の必要がないという利点だけでなく、スパッタリングターゲットの表面粗さにほとんど影響を与えることなく、初期アークの原因となるマイクロクラックを有効に除去できるという新たな効果を奏するものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、これに限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
ITO(In2O3:SnO2=90:10wt%)ターゲットで密度99.8%の板材を焼成し、この板材から、直径4インチで厚さ6mmのターゲットを作製した。このターゲットの表面を研削するにあたり、平面研削盤に#170のダイヤ砥石を装着し表面の加工を行った。加工後、純水を表面にかけて簡単に洗浄し、真空乾燥機で乾燥した。乾燥後のターゲットをInにて銅製バッキングプレートにボンディングした。ボンディング後ターゲット周辺にはみ出したInやバッキングプレートに付着したIn、バッキングプレートの酸化物除去のためにサンドペーパーにて磨き上げた。そして、削り屑を除去するためにターゲット及びバッキングプレートの表面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭き上げた。
【0062】
その後、ドライアイス粒を下記条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例1のターゲットとした。
【0063】
ドライアイスブラスト条件:
ドライアイス解砕径(平均):0.3mm
ガス媒体(N2のゲージ圧):0.4MPa
ターゲットとブラストノズルとの距離:50mm
【0064】
(実施例2)
#170の代わりに#60のダイヤモンド砥石で加工した以外は、実施例1と同様にし、最後にドライアイス粒を実施例1と同様な条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例2のターゲットとした。
【0065】
(実施例3)
#170での加工をせずに、通常のブラスト処理(ブラスト材としてアランダム(Al2O3系ブラスト材)を使用)をした以外は、実施例1と同様にし、最後にドライアイス粒を実施例1と同様な条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例3のターゲットとした。
【0066】
(実施例4)
#170の砥石の後、番手を徐々に上げて最後は#1000のダイヤモンド砥石で仕上げ研磨した以外は、実施例1と同様にし、最後にドライアイス粒を実施例1と同様な条件で噴射するドライアイスブラストにより表面処理を行い、実施例4のターゲットとした。
【0067】
(比較例1)
実施例1と同様なITOターゲットを#170のダイヤ砥石で加工した後、純水で超音波洗浄器にて洗浄後、真空乾燥機で乾燥した。その後、乾燥後のターゲットをInにて銅製バッキングプレートにボンディングし、ボンディング後ターゲット周辺にはみ出したInやバッキングプレートに付着したIn、バッキングプレートの酸化物除去のためにサンドペーパーにて磨き上げた。最後にサンドペーパーによる削り屑を除去するためにターゲット及びバッキングプレートの表面をIPAで拭き上げ、比較例1のターゲットとした。
【0068】
(比較例2)
実施例4と同様に#1000のダイヤモンド砥石で仕上げ研磨した後、比較例1と同様に超音波洗浄し、その後も比較例1と同様にして比較例2のターゲットとした。
【0069】
(試験例)
実施例1〜4及び比較例1、2のターゲットをスパッタ装置に装着し、下記条件にてスパッタを行い、ランドマークテクノロジー社のアークカウンターにて、スパッタ時に発生するアーキングの累積発生回数をカウントした。その結果を表1に示す。
【0070】
スパッタ条件:
プロセス圧力(Ar)=3mTorr
酸素分圧(O2)=1×10−5Torr
投入電力=3W/cm 2
投入積算電力量=120Whr/cm2
【0071】
【表1】
【0072】
以上の結果から、ドライアイス粒による表面処理により、表面粗さにかかわらず、累積アーク回数が大幅に低減され、初期安定性が大幅に向上すると共に長期的にもアークが低減されることが確認された。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ターゲット表面にドライアイスの粒を噴射することによる表面処理により、パーティクルの発生原因となるマイクロクラックを除去すると共に、ターゲット表面にある加工屑や包装前に付着したちりやゴミを除去し、アーキングやパーティクルの発生を防止するという効果を奏する。
Claims (12)
- 表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットにおいて、ドライアイスの粒をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施したものであることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項1において、前記ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項1又は2において、当該ターゲットの表面粗さRaが、0.8〜10μmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項1又は2において、当該ターゲットの表面粗さRaが、0.05μm以上の範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、当該ターゲットが、セラミックスからなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項5において、酸化インジウム及び酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物からなるターゲットであることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットの表面にドライアイスの粒子をガス媒体と共に噴射することにより表面処理を施すことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- 請求項7において、前記ドライアイスの粒の平均粒径が、0.01mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- 請求項7又は8の何れかにおいて、前記表面処理を製造工程の最終段階で行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- 請求項7〜9の何れかにおいて、ターゲットをバッキングプレートに接合した後に前記表面処理を行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- 請求項7〜10の何れかにおいて、当該ターゲットが、セラミックスからなることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- 請求項11において、当該ターゲットが、酸化インジウム及び酸化スズの少なくとも一方を含む酸化物からなることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
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