JP2003086747A - 絶縁回路基板とその製法およびそれを用いた半導体パワー素子 - Google Patents
絶縁回路基板とその製法およびそれを用いた半導体パワー素子Info
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Abstract
パワー素子用の絶縁回路基板の提供。 【解決手段】回路板と放熱板の間に、セラミックス板を
設けた熱拡散板を1層以上配置した基板で、前記熱拡散
板を半導体パワー素子の通電路とし、必要に応じ熱拡散
板中に冷却用の水路を設けた構造の絶縁回路基板。
Description
実装したパワーモジュールに用いられる放熱用の絶縁回
路基板係わり、特に、低熱抵抗,高信頼性の絶縁回路基
板に関する。
は、回路板、セラミックス板および放熱板の積層体より
なる絶縁回路基板を、Al−SiC複合材よりなるヒー
トシンク板へAl−Si系のろう材で接合したものが特
開平10−65075号公報等で知られている。これら
の放熱基板は、高価なヒートシンク板を使用する必要が
あった。
ないで、回路板、セラミックス板および放熱板の積層体
よりなる絶縁回路基板を単体でパワーモジュールを実装
する方法が特開平11ー330311号公報に開示され
ている。なお、これにはセラミックス板として窒化ケイ
素が適用されている。
しないで、回路板、セラミックス板および放熱板の積層
体よりなる絶縁回路基板単体で、パワーモジュールを実
装する方法には、使い勝手や信頼性に関して、次のよう
な問題があった。
い窒化ケイ素を用いるときは、窒化ケイ素自体の熱伝導
率が80W/m・Kと小さいため、絶縁回路基板の熱抵
抗が大きくなると云う問題があった。なお、セラミック
ス板に熱伝導率のより小さいアルミナを用いると、絶縁
回路基板としての熱抵抗が一層大きくなった。
路板や放熱板を厚くすると、セラミックス板は回路板形
状による曲げ応力を受け、過酷なヒートサイクル(−4
0℃⇔+120℃)で割れると云う問題があった。な
お、セラミックス板へ熱伝導率が175W/m・Kと比
較的大きい窒化アルミニウムを用いる場合にも、窒化ア
ルミニウム自体の強度が窒化ケイ素の約半分と小さいた
めに、回路板や放熱板を厚くするとセラミックス板が割
れると云う問題があった。
熱板の積層体よりなる絶縁回路基板単体のトータル厚さ
は高々1mmと薄いため、絶縁回路基板が反り易く、か
つ、剛性も小さい。その結果、ヒートシンク板を用いな
いパワーモジュール実装時の使い勝手が悪かった。
導体パワー素子の通電路について開示されていなかっ
た。
導体パワー素子を冷却する水路が開示されていなかっ
た。
却部材への装着性が示されていなかった。
勝手や信頼性に関していろいろな問題を抱えていた。
良く、低熱抵抗で高信頼性の半導体パワー素子用の絶縁
回路基板を提供にある。
を用いた高信頼性の半導体パワー素子の提供にある。
明の要旨は次のとおりである。
熱拡散板、第2のセラミックス板および放熱板の積層体
により形成した絶縁回路基板にある。
より、前記セラミックス板に低熱伝導率の窒化ケイ素や
アルミナを使用しても、絶縁回路基板の熱抵抗を低減す
ることができる。
その剛性が増加し、熱抵抗を小さくする目的で回路板や
放熱板を厚くしても、セラミック基板に発生する応力の
増加を抑制することができる。
化ケイ素の代わりに、これより低強度の窒化アルミニウ
ムやアルミナを用いた場合でも、過酷なヒートサイクル
によるセラミックス板の割れを防止することが可能にな
る。
ることとセラミックス板の割れ防止とを両立させるに
は、回路板、第1のセラミックス板、熱拡散板、第2の
セラミックス板および放熱板よりなる絶縁回路基板にお
いて、 熱拡散板の厚さを最も厚くする、 第1のセラミックス板および第2のセラミックス板
の厚さをほぼ同じとし、かつ、これらの厚さが熱拡散板
の厚さの50%以下とすることが望ましい。
くし、回路板、第1のセラミックス板、第1の熱拡散
板、第2のセラミックス板、第2の熱拡散板、第3のセ
ラミックス板および放熱板の積層体構造よりなる絶縁回
路基板、あるいは、回路板、第1のセラミックス板、第
1の熱拡散板、第2のセラミックス板、第2の熱拡散
板、第3のセラミックス板、第3の熱拡散板、第4のセ
ラミックス板および放熱板の積層体構造よりなる絶縁回
路基板も、上記と同様な理由により有効であった。
ミックス板を設けた熱拡散板を少なくとも1層以上介在
させることにより、熱抵抗や信頼性を損なうことなく、
絶縁回路基板単体のトータル厚さを従来品より厚くする
ことができる。
さを2mm以上と厚くすることも可能となり、絶縁回路
基板の反りを抑制し、かつ、剛性を増加させることで
き、ヒートシンク板を使用しないパワーモジュール実装
時の使い勝手が向上した。
熱拡散板は、回路板や放熱板から電気的に絶縁されてい
るため、半導体パワー素子の通電路として使用すること
が可能になり、絶縁回路基板の使い勝手が向上した。
熱拡散板は、回路板から電気的に絶縁されていること、
また、熱拡散板を比較的厚くできること等により、熱拡
散板中に半導体パワー素子を冷却する水路を設けること
が可能になり、絶縁回路基板の使い勝手が向上した。
ミックス板を完全に覆うように、前記熱拡散板の端部と
前記放熱板の端部を一体化する。この比較的に肉厚が増
加した端部の一体化部分に、ネジ止め用の孔やOリング
用の溝を設けることで、絶縁回路基板の使い勝手が向上
した。
板を冷却部材へ摩擦撹拌溶接によって簡単に気密接合で
きるようになった。その結果、冷却部材への装着性が向
上した。
絶縁回路基板並びに半導体パワー素子を実現することが
できる。
づいて説明する。
ワー素子用の絶縁回路基板の一例を示す模式断面図であ
る。絶縁回路基板は回路板1、第1のセラミックス板
2、熱拡散板3、第2のセラミックス板4および放熱板
5を積層した構造のもので、これらの積層体は活性金属
やAl合金系のろう材6を用いて接合されている。
気中で接合され、ろう材6にAg−Cu−Ti系の活性
金属を用いたときは約800℃以上、Al−Si−Mg
系のAl合金を用いたときは約600℃以上で強固に接
合される。
5は、高熱伝導性を有し、かつ、電気抵抗の小さいC
u,Cu合金,Al,Al合金中のいずれかの材料が用
いられる。
のセラミックス板4は、低熱膨張特性を有し、絶縁抵抗
の高い窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナ中のい
ずれかの材料が用いられる。ここで、窒化ケイ素,窒化
アルミニウム,アルミナの熱伝導率は、それぞれ80W
/m・K,175W/m・K,36W/m・Kであるこ
とが知られている。
は後述するように、回路板1上に実装した半導体パワー
素子の熱を熱拡散板3で横方向に広げることにより絶縁
回路基板自体の熱抵抗を低減できる。
ことによって、その剛性が増加するので、熱抵抗を小さ
くする目的で回路板や放熱板を厚くしても、回路板形状
によって第1のセラミックス板2および第2のセラミッ
クス板4に発生する最大主応力の増加を抑制することが
できる。
路基板の平面図である。なお、後述する同一符号の要素
は全て同じ機能を有するものとして、以下の説明を行う
ことにする。
ほぼ中央で2個に分割した例である。なお、回路板1は
ユーザの使用目的に応じて種々の形状に分割することが
できる。回路板1,第1のセラミックス板2,熱拡散板
3,第2のセラミックス板4および放熱板5の積層体よ
りなる絶縁回路基板は、積層体を構成する各材料の熱膨
張係数が異なるため、ろう材6で接合した後に絶縁回路
基板の各部に残留応力が発生する。図2の場合、第1の
セラミックス板2および第2のセラミックス板4に発生
する最大の残留主応力は、回路板形状の影響を受ける回
路板分離部100で生じる。
の絶縁回路基板の例を示す模式断面図である。
回路板1、セラミックス板2および放熱板5の積層体を
活性金属やAl合金系のろう材6を用いて接合したもの
である。この場合も、セラミックス板2に発生する最大
の残留主応力は、回路板の形状の影響を受ける回路板分
離部100で生じる。
クス板2に発生する最大主応力の解析例を図4のグラフ
に示す。セラミックス板2の素材として厚さ0.635
mmの窒化ケイ素を用い、回路板1の厚さと放熱板5の
厚さを変えた場合の最大主応力の変化を示したものであ
る。
放熱板5の厚さを分母としている。なお、分母の放熱板
5の厚さを分子の回路板1の厚さよりも薄くするのは、
絶縁回路基板自体の反り量を低減するために有効な手法
として知られている。
き、この材料の曲げ強度は約50MPaで、図4中点線
で示した。図に示すように、回路板1/放熱板5の値が
大きくなるにつれて、セラミックス板2に残留する最大
主応力は増加し、セラミックス板2を構成する窒化ケイ
素の曲げ強度に接近することが分かる。
40℃⇔+120℃)のもとで使用し、例えば、100
0サイクル以上の信頼性を確保するためには、セラミッ
クス板2に残留する最大主応力をセラミックス板2を構
成する素材の曲げ強度のおよそ50%以下にする必要が
あった。
は、回路板1および放熱板5の素材としてCuやCu合
金を用いたCu回路板、AlやAl合金を用いたAl回
路板を適用したときの回路板2/放熱板5の限界の肉厚
は、セラミックス板2が窒化ケイ素であるときは、それ
ぞれ0.4mm/0.3mm,0.6mm/0.4mmであ
った。
50MPaの窒化アルミニウムを用いたときの最大主応
力は図4には記載していないが、窒化アルミニウムへC
u回路板およびAl回路板を適用したときの回路板2/
放熱板5の限界の肉厚は、それぞれ0.3mm/0.2m
m,0.4mm/0.3mmと窒化ケイ素の場合より薄く
なった。
金の熱伝導率はそれぞれ約398W/m・K,220W
/m・Kとセラミックス板2の熱伝導率より大きい。そ
れ故、回路板2/放熱板5の肉厚が厚いほど、半導体パ
ワー素子で発生した熱は回路板2/放熱板5の部分で、
より横方向に拡散するため、絶縁回路基板自体の熱抵抗
は小さくなる。しかし、絶縁回路基板の信頼性を確保す
るために、従来型絶縁回路基板における回路板2/放熱
板5の高肉厚化には、前記のような限界があった。
けるセラミックス板2およびセラミックス板4に発生す
る最大主応力の解析例を図5に示す。
板5の厚さが0.8mmで、セラミックス板2およびセ
ラミックス板4に厚さ0.32mmの窒化ケイ素を適用
し、熱拡散板3の厚さを変えたときの最大主応力の変化
を示したものである。なお、図中には回路板1と放熱板
5がCuあるいはCu合金で構成されるときの絶縁回路
基板の反り量の変化も記載した。
びセラミックス板4に生じる最大主応力は、共に熱拡散
板3の厚さが増加するにつれて減少する。そして、回路
板1および放熱板5にCuやCu合金を用いたCu回路
板の方が、AlやAl合金を用いたAl回路板の場合よ
り、セラミックス板に生じる最大主応力は熱拡散板3の
厚さが増したとき急激に減少した。これは、Cu回路板
のヤング率がAl回路板のヤング率より大きく、かつ、
セラミックス板の素材である窒化ケイ素のヤング率に近
いからである。
線で示した窒化ケイ素の50%以下になるときの熱拡散
板3の厚さは、Cu回路板の場合でおよそ0.6mm以
上、Al回路板の場合でおよそ0.2mm以上であるこ
とが分かる。
クス板2およびセラミックス板4の厚さが、同じ0.3
2mmのときの解析例であり、この場合はセラミックス
板2に発生する最大主応力は、セラミックス板4に発生
する最大主応力の約2倍であったが、図には大きいほう
の主応力値を記載した。このことは、セラミックス板4
の厚さをセラミックス板2より薄くできることを示唆し
ている。
ラミックス板2とセラミックス板4の厚さを同じにすべ
きであり、信頼性の限界設計を考慮するならセラミック
ス板2よりセラミックス板4の厚さを薄くすべきであ
る。そして、絶縁回路基板の限界設計を行ったときに、
絶縁回路基板の熱抵抗がより小さくなることは述べるま
でもない。
散板3の厚さが増すにつれて減少するのは、熱拡散板3
の厚さが増加するに伴い絶縁回路基板のトータル厚さが
増すことによって、絶縁回路基板自体の剛性が大きくな
るからである。
大きくなる故、熱拡散板3の厚さが増すにつれて、絶縁
回路基板の反り量が減少する。絶縁回路基板自体の反り
量が小さいことは非常に重要なことである。例えば、本
絶縁回路基板をグリースを介して冷却部材に実装すると
き、実使用状態での熱抵抗を下げる点からも有利なこと
である。
ケイ素であるときの解析例を示したものであるが、窒化
アルミニウムやアルミナを用いたときも同様に、セラミ
ックス板に生じる最大主応力は、熱拡散板3の厚さが増
加するにつれて減少した。
ックス板2およびセラミックス板4に発生する最大主応
力の他の解析例を図6に示す。図6は熱拡散板3の厚さ
が1.0mmで、セラミックス板2およびセラミックス
板4に厚さ0.32mmの窒化ケイ素を適用し、回路板
1の厚さと放熱板5の厚さを変えたときの最大主応力の
変化を示したものである。
5の厚さを分母として示す。セラミックス板2に窒化ケ
イ素を用いたとき、この材料の曲げ強度は約650MP
aであり、図6中に点線で示した。
厚さが厚くなるにつれて、セラミックス板に残留する最
大の主応力は増加するが、全ての回路板2/放熱板5の
肉厚に対してCu回路板の場合もAl回路板の場合も、
セラミックス板に発生する最大主応力を窒化ケイ素の曲
げ強度の50%以下にすることが容易であった。
板およびAl回路板を適用したときの回路板2/放熱板
5の限界肉厚を、共に0.8mm/0.6mm以上にする
ことも可能であり、過酷なヒートサイクル(−40℃⇔
+120℃)下で使用しても信頼性を確保することがで
きた。
図5,図6から分かるように、回路板1,第1のセラミ
ックス板2,熱拡散板3,第2のセラミックス板4およ
び放熱板5の中で、熱拡散板3の厚さが最も厚いこと、
また、第1のセラミックス板2および第2のセラミック
ス板4の厚さは、ほぼ同じで、かつ、これらの厚さが熱
拡散板3の厚さの少なくとも50%以下であること、さ
らに、絶縁回路基板単体のトータル厚さを2mm以上と
厚くすることなどが望ましいことを示唆している。
ワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断面図
である。
拡散板3に設けた。既述したように、熱拡散板3を容易
に厚く(例えば、1mm以上)できるので、熱拡散板3
の中に水路7を配置することが可能となった。このよう
に、両面にセラミックス板2とセラミックス板4を配置
した熱拡散板3は、回路板1から電気的に絶縁されてい
ること、また、熱拡散板3を比較的に厚くできることに
より、熱拡散板3中に半導体パワー素子を冷却する水路
7を設けることが可能となり、絶縁回路基板の使い勝手
が向上した。
ワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断面図
である。
散板3,第2のセラミックス板4および放熱板5の積層
体よりなり、活性金属やアルミ合金系などのろう材を用
いない製法により製造した絶縁回路基板である。
に金型内の所定の位置へ第1のセラミックス板2と第2
のセラミックス板4をセットする。次に、回路板1,熱
拡散板3および放熱板5となる溶融Alあるいは溶融A
l合金を金型内に高圧で注入する。注入後、前記溶融A
lあるいは溶融Al合金を冷却して固体化する。
2,熱拡散板3,第2のセラミックス板4および放熱板
5よりなる積層体を前記金型より取り出すことによっ
て、図8の絶縁回路基板が得られる。
5の素材として融点が575〜610℃であるAl−7
%,Si−0.3〜0.5%,MgよりなるAl合金を用
いたとき、前記溶融Al合金を620℃以上で金型内へ
数MPaの高圧で注入した。そして、Al合金部の温度
が550℃以下になったとき、絶縁回路基板を金型から
取り出した。
う材がなくても、回路板1,熱拡散板3および放熱板5
は、第1のセラミックス板2および第2のセラミックス
板4と強固に接合することができ、過酷なヒートサイク
ル(−40℃⇔+120℃)下でも剥離などのトラブル
は生じなかった。
ワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断面図
である。
法で作製した絶縁回路基板であり、熱拡散板と放熱板と
で第2のセラミックス板4を完全に覆うように、前記熱
拡散板の端部と前記放熱板の端部を一体化した点が特徴
である。図9において、熱拡散板相当部200と、放熱
板相当部300とを有し、熱拡散板の端部と放熱板の端
部を一体化した部分を8で示した。なお、端部の一体化
部分8は高肉厚であり、その厚さは1mm以上、望まし
くは1.5mm以上である。
いても良い半導体パワー素子の実装形態もあり、この場
合は第2のセラミックス板4を熱散板相当部200と放
熱板相当部300の間に埋没させても差し支えない。
パワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断面
図である。
の孔10やOリング用の溝9を設けたものである。端部
の一体化部分8は高肉厚であるために、この部分へネジ
用の孔10やOリング用の溝9を設けることが容易にな
る。その結果、パワーモジュール実装時における絶縁回
路基板の使い勝手が向上した。
パワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断面
図である。
熱拡散板相当部200に本絶縁回路基板を冷却するため
の水路11を設けた実施例である。熱拡散板相当部20
0を容易に厚く(例えば、1mm以上)できるので、熱
拡散板相当部200中に水路11の配置が可能となる。
なお、水路11を設けた熱拡散板相当部200と回路板
1は、第1のセラミックス板2によって電気的に絶縁さ
れている。
ー素子を冷却するための水路11を設けることが可能と
なり、本絶縁回路基板の使い勝手が向上した。
パワー素子用の絶縁回路基板の実装状態の一例を示す模
式断面図である。
水路12を有する冷却部材13へ気密に実装した例であ
る。端部の一体化部分8の下面400部で、冷却部材1
3に摩擦撹拌溶接によって接合したものである。
いはAl合金よりなるため、冷却部材13が銅あるいは
Al系などの軟質の材料で構成されるとき、周知の摩擦
撹拌溶接が可能になる。
接合部を高温に加熱する必要が全くなく、室温雰囲気中
で気密に接合できる技術である。このように、端部の一
体化部分8へ摩擦撹拌溶接によって冷却部材13を簡単
に気密接合できるようになり、絶縁回路基板の使い勝手
が向上した。
パワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断面
図である。
セラミックス板2,熱拡散板3,第2のセラミックス板
4および放熱板5の積層体よりなる絶縁回路基板におい
て、第1のセラミックス板2,熱拡散板3および第2の
セラミックス板4の平面的な寸法を変えたものである。
第1のセラミックス板2と第2のセラミックス板4間の
熱拡散板3をその端部500において露出させた構造で
ある。
を示す模式断面図である。半導体パワー素子15が半田
16を介して回路板1の上に接合されている。そして、
熱拡散板3の露出端部500と半導体パワー素子15が
導線14で電気的に接続されている。こうすることによ
り、熱拡散板3を半導体パワー素子15の通電路として
使用することが可能になる。
できるなどの優れた効果があり、絶縁回路基板の使い勝
手が向上した。
の平面図の例を示す。第1のセラミックス板2の上に接
合された回路板1の形状は3個に分割されている。第2
のセラミックス板4の上に接合された熱拡散板3が1個
の場合を図15(A)、2個に分割されている場合を図
15(B)、3個に分割されている場合を図15(C)
に示した。
ー素子の通電路として使用することができる。例えば、
図15(A)の場合、熱拡散板3を半導体パワー素子の
+側通電路あるいは−側通電路のいずれかに使用するこ
とができる。
散板3bの一方を半導体パワー素子の+側通電路、他方
を−側通電路に使用することができる。
ときは、図15(C)の場合が有効で、熱拡散板3a、
熱拡散板3bおよび熱拡散板3cをそれぞれエミッタ
側、ベース側およびコレクタ側の通電路として使用する
ことができる。
パワー素子用の絶縁回路基板の他の一を示す模式断面図
である。
回路板1,第1のセラミックス板2,第1の熱拡散板
3,第2のセラミックス板4,第2の熱拡散板17,第
3のセラミックス板18および放熱板5の積層体構造よ
り形成されたものである。
クス板4および第3のセラミックス板18の厚さはほぼ
同じで、第1の熱拡散板3および第2の熱拡散板17の
厚さの50%以下にすることが有効であった。そして、
図16の場合も低熱抵抗で高信頼性の絶縁回路基板を実
現することができた。なお、図16には溶融Alあるい
は溶融Al合金を金型内に高圧注入する方法で作製した
ものを示したが、前記積層体を活性金属やAl合金系の
ろう材を用いて接合したものでもよい。
体パワー素子用の絶縁回路基板の他の一例を示す模式断
面図である。
り、回路板1,第1のセラミックス板2,第1の熱拡散
板3,第2のセラミックス板4,第2の熱拡散板17,
第3のセラミックス板18,第3の熱拡散板19,第4
のセラミックス板20および放熱板5の積層体構造より
なるものである。
第2のセラミックス板4,第3のセラミックス板18お
よび第4のセラミックス板20の厚さはほぼ同じで、第
1の熱拡散板3,第2の熱拡散板17および第3の熱拡
散板19の厚さの50%以下にすることが有効であっ
た。
合金を金型内に高圧注入する方法で作製したものを示し
たが、前記積層体を活性金属やAl合金系のろう材を用
いて接合したものでもよい。
回路基板の他の一例を示す模式断面図である。積層体構
造中の熱拡散板の枚数が1枚の場合を図18(A)、2
枚の場合を図18(B)、3枚の場合を図18(C)に
示した。
を変えることによって、各々の熱拡散板の端部を露出さ
せたものである。こうすることによって、熱拡散板を半
導体パワー素子の通電路として使用することができる。
散板3を半導体パワー素子の+側通電路あるいは−側通
電路のいずれかに使用することができる。
よび第2の熱拡散板17の一方を半導体パワー素子の+
側通電路、他方を−側通電路に使用することができる。
ときは、図18(C)の場合が有効で、第1の熱拡散板
3,第2の熱拡散板17および第3の熱拡散板19をそ
れぞれエミッタ側,ベース側およびコレクタ側の通電路
として使用することができる。
した熱拡散板は、回路板1や放熱板5から電気的に絶縁
されているため、半導体パワー素子の通電路として使用
することが可能になり、絶縁回路基板の使い勝手が向上
した。
をパワーモジュールへ実装した一例を示す模式断面図で
ある。図19(A)および図19(B)はそれぞれ従来
の絶縁回路基板および本発明による絶縁回路基板をグリ
ース21を介して冷却部材22へ装着したものである。
そして、回路板1の上には半田16で半導体パワー素子
15を接合している。
た場合、通電によって半導体パワー素子15に発生した
熱は半田16→回路板1→セラミックス板2→放熱板5
→グリース21を経て冷却部材22へ伝えられる。
路基板を用いた場合、半導体パワー素子15に発生した
熱は半田16→回路板1→第1のセラミックス板2→熱
拡散板3→第2のセラミックス板4→放熱板5→グリー
ス21を経て冷却部材22へ伝えられる。熱拡散板3部
において熱は横方向に大きく拡散するので、半導体パワ
ー素子15はより効果的に冷却される。それ故、本発明
による絶縁回路基板を用いた場合、通電による半導体パ
ワー素子15の温度上昇は抑制され小さくなる。
回路基板を適用したパワーモジュールの熱抵抗の一例を
示すグラフである。
よりなる第1のセラミックス板2および第2のセラミッ
クス板4の厚さが共に0.32mm、放熱板5の厚さが
0.4mmである絶縁回路板において、熱拡散板3の厚
さを変えたときの熱抵抗の変化を示したものである。
ー素子15を厚さ0.1mmの半田16(材料は5Sb
−Sn半田)で回路板1の上に接合し、図19(B)に
示すように厚さ0.05mmのグリース21を介して、
Alよりなる厚さ3mmの冷却部材22へ実装したとき
の熱抵抗の実測値を示した。なお、熱抵抗は半導体パワ
ー素子15の温度と冷却部材22の最下面における温度
との差を、半導体パワー素子15で発生した熱量W(ワ
ット)で割り算した値で定義した。
(T)が増すにつれて熱抵抗は減少した。これは、前記
のように熱拡散板3部において熱が横方向に大きく拡散
した効果であり、熱拡散板3は厚いほどよいことを示唆
している。
5がCuからなる場合をCu回路板、Alからなる場合
をAl回路板として、それぞれ図20中に示した。Cu
回路板の熱抵抗がAl回路板より小さいのは、Cuの熱
伝導率が398W/m・KとAlの220W/m・Kよ
り大きいためである。
回路基板の熱抵抗を示すグラフである。従来の絶縁回路
基板を図19(A)、本発明による絶縁回路基板を図1
9(B)に示す方法で実装したときの熱抵抗の実測値を
比較したものである。
ときの熱抵抗を、横軸に回路板1の厚さを分子に、ま
た、放熱板5の厚さを分母とした時をパラメータとし
た。ここで、従来の絶縁回路基板におけるセラミックス
板2の厚さは0.635mm、本発明の絶縁回路基板に
おける第1のセラミックス板2および第2のセラミック
ス板4の厚さは共に0.32mmであり、その素材が窒
化ケイ素である場合を示した。また、本発明の絶縁回路
基板中の熱拡散板3の厚さは1.0mmである。そし
て、回路板、熱拡散板および放熱板がCuで構成される
Cu回路板時の熱抵抗を比較した。
より本発明による絶縁回路基板の方の熱抵抗が小さく、
熱拡散板3の効果が大きいことが分かる。なお、回路板
1/放熱板5の厚さが厚いほど、従来の絶縁回路基板お
よび本発明の絶縁回路基板の熱抵抗が共に小さくなるの
は、回路板1および放熱板5部において熱が横方向に拡
散するからである。但し、過酷なヒートサイクル(−4
0℃⇔+120℃)下でのセラミックス板の割れを防止
するには、前記したように、従来の絶縁回路基板では、
回路板1および放熱板5をあまり厚くすることはできな
い。
回路基板の熱抵抗の他の一例を示すグラフである。図2
1と同様に、従来の絶縁回路基板を図19(A)、本発
明の絶縁回路基板を図19(B)に示す方法で実装した
ときの熱抵抗の実測値を示したものである。そして、図
22は回路板,熱拡散板および放熱板がAlで構成され
るAl回路板時の熱抵抗の比較を示したもので、その他
の条件は図21の場合と同じである。
様に、従来の絶縁回路基板より本発明の絶縁回路基板の
方の熱抵抗が小さく、熱拡散板3の効果の大きいことを
実測で確認できた。
抵抗で高信頼性の半導体パワー素子用の絶縁回路基板を
提供することができる。
一例を示す摸式断面図である。
例を示す摸式断面図である。
る最大主応力の解析例を示すグラフである。
する最大主応力の解析例を示すグラフである。
する最大主応力の他の解析例を示すグラフである。
一例を示す摸式断面図である。
一例を示す摸式断面図である。
一例を示す摸式断面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
ある。
の絶縁回路基板の一例を示す平面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
の一例を示す摸式断面図である。
一例を示す摸式断面図である。
実装した一例を示した図である。
グラフである。
示すグラフである。
b,3c…熱拡散板、4…第2のセラミックス板、5…
放熱板、6…接合ろう材、7,11,12…水路、8…
端部の一体化部分、9…Oリング用の溝、10…ネジ用
の孔、13…冷却部材、14…導線、15…半導体パワ
ー素子、16…半田、17…第2の熱拡散板、18…第
3のセラミックス板、19…第3の熱拡散板、20…第
4のセラミックス板、21…グリース、22…冷却部
材、100…回路板分離部、200…熱拡散板相当部、
300…放熱板相当部、400…摩擦撹拌溶接部、50
0…露出端部。
Claims (15)
- 【請求項1】 回路板,第1のセラミックス板,熱拡散
板,第2のセラミックス板および放熱板の積層体により
形成したことを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項2】 前記熱拡散板の厚さを最も厚くした請求
項1に記載の絶縁回路基板。 - 【請求項3】 第1のセラミックス板および第2のセラ
ミックス板の厚さをほぼ同じとし、これらの厚さが熱拡
散板の厚さの50%以下である請求項1に記載の絶縁回
路基板。 - 【請求項4】 回路板,熱拡散板および放熱板がCu,
Cu合金,AlまたはAl合金から成り、第1のセラミ
ックス板および第2のセラミックス板は窒化ケイ素,窒
化アルミニウムまたはアルミナから成る請求項1,2ま
たは3に記載の絶縁回路基板。 - 【請求項5】 回路板,第1のセラミックス板,熱拡散
板,第2のセラミックス板および放熱板よりなる積層体
が、活性金属ろう材またはAlろう材で接合されている
請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁回路基板。 - 【請求項6】 熱拡散板に水路を設けた請求項1,2ま
たは3に記載の絶縁回路基板。 - 【請求項7】 熱拡散板と放熱板とで第2のセラミック
ス板を完全に覆うよう前記熱拡散板の端部と前記放熱板
の端部を一体化した請求項1,2または3に記載の絶縁
回路基板。 - 【請求項8】 熱拡散板の端部と放熱板の端部を一体化
した部分に、ネジ止め用孔またはOリング用溝を設けた
請求項1,2または3に記載の絶縁回路基板。 - 【請求項9】 熱拡散板の端部と放熱板の端部を一体化
した部分で冷却部材へ摩擦撹拌溶接により気密に接合で
きるよう構成した請求項1,2または3に記載の絶縁回
路基板。 - 【請求項10】 回路板,第1のセラミックス板,第1
の熱拡散板,第2のセラミックス板,第2の熱拡散板,
第3のセラミックス板および放熱板の積層体により形成
したことを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項11】 回路板,第1のセラミックス板,第1
の熱拡散板,第2のセラミックス板,第2の熱拡散板,
第3のセラミックス板,第3の熱拡散板,第4のセラミ
ックス板および放熱板の積層体により形成したことを特
徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項12】 金型内の所定の位置へ第1のセラミッ
クス板と第2のセラミックス板をセットし、次いで、回
路板、熱拡散板および放熱板となる溶融Alまたは溶融
Al合金を金型内に高圧注入後、前記溶融Alまたは溶
融Al合金を冷却固化し、回路板,第1のセラミックス
板,熱拡散板,第2のセラミックス板および放熱板で構
成される積層体を形成することを特徴とする絶縁回路基
板の製法。 - 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の絶
縁回路基板の熱拡散板を、半導体パワー素子の通電路と
したこと特徴とする半導体パワー素子。 - 【請求項14】 熱拡散板が平面的に2以上に分割され
ており、分割された熱拡散板のそれぞれが半導体パワー
素子の通電路とした請求項13に記載の半導体パワー素
子。 - 【請求項15】 請求項1〜11に記載の絶縁回路基板
を用いたことを特徴とするパワーモジュール。
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