JP2003081863A - 楠茸の菌糸体生物活性物質、その組成物質及びその製造方法 - Google Patents

楠茸の菌糸体生物活性物質、その組成物質及びその製造方法

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JP2003081863A JP2001278805A JP2001278805A JP2003081863A JP 2003081863 A JP2003081863 A JP 2003081863A JP 2001278805 A JP2001278805 A JP 2001278805A JP 2001278805 A JP2001278805 A JP 2001278805A JP 2003081863 A JP2003081863 A JP 2003081863A
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陳勁初
Seino Chin
陳▲せい▼農
Shoketsu Kyo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】楠茸の菌糸体液体培養により育成した楠茸の菌
糸体生物活性物質、その組成物質及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】本発明では、台湾に特有な牛楠(Cinnamomu
m kanehirae)の幹中心に寄生する楠茸(Antrodia campho
rata またはA.cinnamomea)について、その菌糸体に液体
培養を行い、多糖体を主成分とした生物的な活性物質を
育成する。またそれの免疫強化機能や、抗腫瘍と抗寄生
虫性にも実験を加える。更にその活性物質の製造方法及
び活性物質を含んだ組成物も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楠茸の菌糸体生物
活性物質、その組成物質及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】<イ>楠茸の形態 楠茸の子実体は多年生植物に属し、強烈な楠の木の匂い
がする。これは一般的な霊芝類とは大きな差があり、そ
の外見は板状または鐘状をしている。板状形態のもの
は、表にみかん色またはオレンジ色で、全面に菌穴がつ
いている。裏に浅い黄色の木質層、これによってクスノ
キの空ろなっている内壁に付着できて成長する。かね状
のものは、子実層(かね面)にもオレンジ色で、菌穴が充
満(4〜5個の菌穴/ミリメートル)し、中の胞子は味が
極めて苦く、新鮮なときはオレンジ色で、その後だんだ
ん赤茶色や茶色ぽくなっていき、鐘体の皮は暗緑ぽい茶
色になっていく。顕微鏡で担胞子を観察すると、全体的
に滑らかに無色の透き通っていて、少し曲がったような
柱の形をしている。
【0003】<ロ>楠茸の生物的な特徴 野生の楠茸は牛楠(Cinnamomum micranthum(Hayata)Haya
ta)の幹、空ろになっている内壁に寄生するため、多く
の牛楠が腐生され、倒れることもある。文献によると、
いままで楠茸は牛楠で唯一の樹木腐植菌として発見され
たものである。その病状は茶色に腐れ朽ちるので褐腐菌
ともいわれる。ただし、楠茸は病原性がそれほど強くな
くて、牛楠自体が死んだりすることは滅多にないのであ
る。牛楠にとって、楠茸は病原菌ではあるが、それ自体
の値段が極めて高いため、経済的な価値として牛楠を上
回っている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】<イ>楠茸の培養技
術 人工による楠茸の栽培技術はまだ遥かに遅れているた
め、現在では野生のものを採集するのは一般的な手段と
なる。しかし楠茸の採集は容易なことではない。そのま
え、まず寄生樹木である牛楠の産地を探すことである。
しかし、牛楠とサッサフラスとは非常に類似しているた
め、区別するのが困難である。現在ではその両者の樹木
自体の匂いで区別するのがもっとも直接な方法である。
サッサフラスの幹から分泌されたのはサッサフラス油と
アルデヒッド類を主成分としている。そのためにSafrol
eの匂いがする。一方、牛楠の幹から分泌されたのは松
タール油(d-terpinenol)を主成分とするもので、樟脳油
の匂いがするのである。それによって、牛楠とサッサフ
ラスとは区別することができる。二番目の難点は、広い
森の中で空ろになっている幹を探すことである。空ろに
なっている穴に楠茸があれば、定期に採集できる。空ろ
になっている牛楠の幹を見つけるのはなかなか困難であ
るため、悪徳な商人は、楠茸が生えてくるように、承諾
なきで樹木を切り倒している。それを含めた環境保護及
び経済上の問題を解決するためにもあって、楠茸の人工
による栽培の開発は必要である。しかし、楠茸は牛楠の
木屑上での成長が極めて緩慢であるため、これから現代
の生物技術による楠茸菌糸体の栽培はより一層注目され
ることになるだろう。
【0005】<ロ>楠茸の薬効とその活性成分 昔の伝説によると、台湾の原住民は体力を大きく消耗
し、さらに原住民たちはよくお酒を飲むため、普遍的に
肝臓による変症が多くなったのである。しかし、楠茸の
煮汁を飲むと、体調も回復し、アルコールも解消できた
という。その後、楠茸は原住民の伝統的な霊薬として手
厚く取扱われるようになったわけである。民間の伝説で
も肝臓癌や子宮癌によく効くと言われる。
【0006】一方、台湾大学の薬学部による研究では、
ラット実験で楠茸はリンパ血液癌細胞(血液癌細胞)P-
388に対して毒殺性があることがわかった。ほかにも師
範大学の研究ではコリンや腸の弛緩、および血小板の凝
固にも抵抗作用があり、またStaphylococciと黴菌の生
長に対しても抑制作用があるという報告があった。即ち
以下の原因で、 <イ>牛楠は寄生樹木として楠茸の唯一の寄生体であ
り、しかも一級保育類の樹木種類となり、さらに空ろに
なっているものを入手するのに極端に困難なことであ
る。 <ロ>試験管内での楠茸の子実体の培養および牛楠の幹
の中心から離れた樹外での栽培は極めて難しい。 <ハ>生物機能上から言うと、楠茸の菌糸体は子実体の
そのものに類似しているし、菌糸体の培養や生産の拡大
も可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、楠茸の菌糸
体液体培養により獲得した培養液や菌糸体そのものの中
にも生物活性物質が含まれていることを発見し、日夜苦
心研鑚の結果、遂に本発明の完成に至った。即ち、本発
明の請求項1は、楠茸(Antrodia camphorata 又はA. ci
nnamomea)の菌糸体生物活性物質であって、楠茸菌糸体
の液体培養によって生じたことを特徴とする、楠茸の菌
糸体生物活性物質である。
【0008】また本発明の請求項2は、請求項1に記載
の楠茸の菌糸体生物活性物質において、楠茸菌糸体は新
竹食品工業発展研究所菌種保存センターに預かり寄生さ
れてあり、登録番号はCCRC35398である。
【0009】また本発明の請求項3は、請求項1に記載
の楠茸の菌糸体生物活性物質において、楠茸菌糸体は新
竹食品工業発展研究所菌種保存センターに寄生して保存
されてあり、登録番号はCCRC35396である。
【0010】また本発明の請求項4は、楠の茸菌糸体の
液体培養で全サスペンション(懸濁液)を得たことを特
徴とする、請求項1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質
である。
【0011】また本発明の請求項5は、楠の茸菌糸体の
液体培養で全サスペンション(懸濁液)の中に存在する
清澄培養液を得たことを特徴とする、請求項1に記載の
楠茸の菌糸体生物活性物質である。
【0012】また本発明の請求項6は、楠の茸菌糸体の
液体培養で得られた全サスペンション(懸濁液)の中に
存在する菌糸体を抽出し得たことを特徴とする、請求項
1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質である。
【0013】さらに本発明の請求項7は、特殊な液体培
養基によって、楠茸菌糸体を培養する工程と、活性物質
を分離させる工程とからなることを特徴とする、楠茸の
菌糸体生物活性物質の製造方法である。
【0014】また本発明の請求項8は、前記分離工程
は、該培養懸濁液を固体菌糸体及び清澄培養液に分離さ
せる工程と、溶剤で菌糸体を抽出する工程と、抽出液を
該清澄液と混合させる工程と、該活性物質を沈殿して分
離させる工程とからなることを特徴とする、請求項7に
記載の楠茸の菌糸体生物活性物質の製造方法である。
【0015】また本発明の請求項9は、抽出溶剤として
水を使用するとともに、抽出温度を30℃〜121℃の
範囲にすることを特徴とする、請求項8に記載の楠茸の
菌糸体生物活性物質の製造方法である。
【0016】また本発明の請求項10は、活性物質を分
離させる工程は、培養懸濁液を30℃から直接に121
℃まで加熱し、その活性物質を沈殿して分離させること
を特徴とする、請求項7記載の楠茸の菌糸体生物活性物
質の製造方法である。
【0017】さらに本発明の請求項11は、請求項1乃
至請求項6に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質を含有す
ることを特徴とする、楠茸の菌糸体生物活性物質の組成
物質である。
【0018】また本発明の請求項12は、リンパ球の増
殖を刺激し、Th1-typeの細胞ホルモンIL-2の生成には助
長できる一方、Th2-typeの細胞ホルモンIL-4の生成には
抑制作用があり、マクロファージを刺激し蘇らせる効力
を持つことを特徴とする、請求項1乃至請求項6に記載
の楠茸の菌糸体生物活性物質である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では楠茸による一種の活性
物質を提供する。それは楠茸の菌糸体液体培養により、
その培養液や菌糸体から分離されたものであり、多糖類
を主とした楠茸成分の混合物となる。
【0020】また、本発明においても楠茸の菌糸体から
一種の生物活性をもつ物質を生み出す方法を提案する。
なお、その方法において特殊な液体培養基を使い、楠茸
の菌糸体を培養させ、その活性物質を菌糸体から分離さ
せるのも含むのが特徴である。更に、以上のものを含ん
だ一種の組成物質を提案する。
【0021】本発明では、楠茸の菌糸体から一種の生物
活性をもつ物質を生み出す方法を提起し、その方法によ
って特殊な液体培養基を使い、楠茸の菌糸体を培養さ
せ、その活性物質を菌糸体から分離させることを含めた
全手順を提案する。
【0022】本発明で使用された楠茸の菌糸体は中華民
国台湾省新竹市食品工業研究所にある菌種保存センター
に預かり保存している楠茸の菌糸体CCRC35398
とCCRC35396である。
【0023】楠茸における菌糸体の液体培養による手順
としては、菌糸体を平らな培養皿の上に移植し、15℃
〜35℃の適当な温度で(25℃の週間温度が最適)約
2週間培養し、その後菌糸を削り取ってビーカー内に移
植する。そして実施例で挙げた培養基を使用し、約30
℃でpH2〜8の条件下で、より良いのはpH4〜7、更に
良いのはpH4.5で、その上50〜250rpmの振動速度
を加えて、log期の初期まで振動培養をする。即ち、約
5〜7日間である。最後に、ビーカー内の培養物質を醗
酵タンク内の培養基(ビーカー内の培養基と同じ)に移
植し、15℃〜30℃の温度で(より良いのは25℃で
ある)、そして0.1〜1.5kg/cm2のタンク圧力及びpH
4.5の条件、プラス0.5-1vvmの通気速度で空気、ま
たは空気と酸素、二酸化炭素または窒素との混合物質を
送り込み、より良いのは空気、50〜300rpmの撹拌
速度で約8〜16日間培養する。その結果、菌糸体及び
清澄液を含んだ楠茸の菌糸体液体培養懸濁液を獲得する
ことができる。
【0024】続いて楠茸の菌糸体液体培養懸濁液から楠
茸の活性物質を分離させる手順を説明する。本発明によ
ると、分離の方法は2通りある。その一、まず楠茸の液
体培養懸濁液から菌糸体そのものと清澄液を分離させ、
その後個々に活性物質を抽出する方法。その二、菌糸体
及び液体培養基を含んだ楠茸の液体培養懸濁液からダイ
レクトに活性物質を分離させ抽出する方法。なお、本発
明による第一種の活性物質を分離させる方法において、
楠茸の菌糸体と液体と分離する手順、それと菌糸体と清
澄液から活性物質を分離させる手順を含む。
【0025】菌糸体と液体を分離させる方法として、遠
心法や濾過法、沈でん法(settling)、傾しゃ法(deca
ntation)などを用いるが、本発明におけるより良き実
施例によると遠心法を採用した。スウェーデンのALFALA
VAL 会社に出品されたDecater NX418 S の遠心脱水
機を使い、3200rpm(4000×g)の遠心力で菌糸
体と清澄液を分離させることができるのである。
【0026】続いて、菌糸体および清澄液から活性物質
を分離させる手順を説明する。菌糸体から活性物質を分
離させる方法として、溶剤で菌糸体を溶かしてから抽出
するものがある。楠茸の活性物質による特性や便利性、
工業上の経済性などから考えれば、溶剤での抽出方法を
薦める。また溶剤に関しては、水が最適ではあるが、ア
ルカリ性を持つ溶剤または酸性水やそれらの混合体など
も使用できる。抽出温度は121℃以下にする。なお溶
剤は水を使用した場合では、30〜121℃で設定し、
30分〜2時間までの抽出時間で抽出液を分離させる。
また抽出液を数回重複でやり直しながら抽出できる。
【0027】菌糸体の抽出液から活性物質を分離させる
方法は培養清澄液からのものと同様であり、以下のよう
に説明を加える。培養清澄液を数倍、5〜10倍、より
良いのは10倍に濃縮し、例えば200mlを20mlに濃
縮してから、アルコール類を使い、例えばエタノール、
またはエタノール/水、例として95%のエタノール/
水を使用し、0〜30℃の低温、より良いのは4℃で一
晩中沈でんさせ、最後に沈澱物となった活性物質が分離
されるのである。
【0028】本発明において、もう一つの方法では、楠
茸の菌糸体液体培養懸濁液からダイレクトに活性物質を
分離出すものがある。それは菌糸体と培養基を含んだ培
養液に30〜121℃直接加熱し、適当な時間、例えば
30分〜2時間をおいてから楠茸の菌糸体を分離出すの
である。従って、清澄液についても以上の手順を繰り返
しながら活性物質を分離出す。
【0029】なお本発明の第二部分において、楠茸の菌
糸体液体培養懸濁液から以上の方法で分離され出るのは
楠茸の活性物質ではあるが、多糖類(Poly-glucoside)
を主とした物質でもある。
【0030】今までの研究により、茸類に含まっている
生理的な活性成分は主に水溶性をもつ多糖類のものであ
ることがわかる。今まで、茸類の多糖体は子実体から抽
出したものがほとんどであるため、その供給源が限定さ
れるのであった。しかし、液体から培養された菌糸体は
細胞外ポリーペプチド(胞外多糖体)を多く生み出すこ
とができる。菌糸多糖により宿主の免疫機能を強化さ
せ、癌細胞の増殖を抑制または消滅させる。
【0031】茸類の多糖体による機能成分の研究は以下
の通りである。 <イ>構造分析 まず菌糸体または子実体に熱湯とアルコール類を加えて
粗多糖(gruff poly saccharoid)を抽出し、グルコサ
ンス(glucosans)や雑多糖(miscellaneous polysacchar
oid)、蛋白ポリーサッカロイド(protein poly sacchar
oid)等に純化させる。その進行プロセスにおいては、若
しゲル・フィルトレーション・クロマトグラフィー(gel
filtration chromatography)で精製させば、それから
核磁気共鳴スペクトル(NMR)や、赤外線スペクトル(IR s
pectroscope)、薄層クロマトグラフィー(GC-MS)などの
精密機器を使った分析方法で、グルコサンス(glucosan
s)や雑多糖(miscellaneous poly saccharoid)等の成
分に、それらの分子量や分子間の連結(チェーンとボル
ト)方式、分枝程度、旋光度などの分析を行うことがで
きる。またその主な構造、例えばβ-(1→3)-D-グルコサ
ンス、半乳-β-グルコサンス、α-グルコマナン(glucom
annan) 等について、X線回折分析で測定し、例えばそ
の中のβ-(1→3)-D-グルコサンスによる螺旋型構造は腫
瘍に抵抗作用を持つ大切な構造であるように、それらを
薬効作用に関連させること。茸類の多糖体は全て抗腫瘍
の活性性質を持つわけではなく、しかもその活性性質は
溶解度や分子量の大きさ、分子構造型、環結分枝程度な
どの要素に影響されるため、将来化学構造上における研
究分析により、抗癌作用に対する分子働きの解明は可能
であろう。
【0032】担子菌からなる多糖体はメインリンケージ
(main linkage)となるβ-1,3-グルコサンスや、サイド
リンケージ(side linkage)となるβ-1,6グルコサンスが
含まれている。その二つは分子量配布からの相異性が大
きく、生理的な活性性質も異なっている。一般に言う
と、分子量によって値が(A)3-5x103Daとなるものは血糖
を低下させる効能を持ち、霊芝多糖 (ganoderan)はその
代表である。また値が(B)10-1000x103Daとなるものは消
炎作用を持つ。それから値が(C)30x103Da以上のものは
抗腫瘍作用を持つが、椎茸多糖や松茸多糖、裂摺菌多糖
はその代表である。そのため、本発明で多糖体の分子量
を測定し、進んでその生理的な活性性質を解明しようと
した。
【0033】研究文献によると、例えば、茸類の多糖体
は多種の生物的な活性性質を持っていることがわかる。 <イ>抗腫瘍の活性性質 1968年、日本人であるIkegawa氏らの「Sarcoma 1
80/ラットへの経口または腹腔内投薬法」実験による
と、多孔菌科(Polyporaceae)及び食用茸類の子実体から
抽出された熱湯抽出物は、確実に腫瘍に対する抑制率お
よび完全退治率が極めて高いと認められた。その後、多
くの研究者たちも、多糖体が主な物質となる抽出物は、
確実に腫瘍に対する抑制率や完全退治率が極めて高く、
その上低死亡率もよく注目されているのである。茸類に
は水溶性を持つβ-(1→3)-D-グルコサンスのほか、塩類
やアルカリ類で抽出されたキシローズやグルコマナン(g
lucomannan)、半乳糖、アルドース等の雑糖リンケージ
を含むβ-多糖及び蛋白質の複合体も含まれている。そ
れらの雑多糖は注射または経口投薬により著しい抗癌効
果が証明されたのである。 <ロ>その他の生体機能に対する調節物質 高血圧及びコレステロールの降下や、免疫機能の調節、
血糖活性の降下、血小板の凝固を抑制できるなどの働き
が発見された。
【0034】本発明の第三部分で提起された一種の組成
物質について、本発明で発見された楠茸の活性物質や適
当とした楠茸の希釈剤、賦形剤又は載体などは、その物
質の中に含まれている。
【0035】本発明の組成物質においては、適用な希釈
剤として、水やアルコール類、ケトン類、エステル類及
びそれらの総合物質となる極性溶剤、中に水、アルコー
ル類、または両者の混合物は最も最適である。実験では
成功した実施例において、水や生理食塩水、バッファー
リッキド、バッファー食塩水などのものを適用な希釈剤
として使用していたのである。
【0036】本発明の組成物において、賦形剤はあって
もなくてもいいが、使用する場合では液体、例えば、水
やサラダ油、酒、果汁などを使い、或いは固体形態のも
の、例えば乳糖やデキストリン、澱粉、ナトリウム・ス
テアリンなどを使う。
【0037】次に、本発明の実施例について説明する。
なお、本発明の遂行はそれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0038】
【実施例1】<楠茸の菌糸体(CCRC35398又CGMCC No.054
3は)を使用した実験> <イ>楠茸の菌糸体の培養 菌糸体の菌株は食品工業研究所に預かり寄生させるCCRC
35398の菌株である。板培養は菌糸体を板に移植させ、
30℃以下で約2週間培養する。ビーカー内培養は板上
の菌糸を削り取って、ビーカー内へ移植させ、下記の通
りの培養基(表1を参照)を使い、約30℃、pH4.5
以下で、50〜250rpmの振動速度で振動させ、log期
初期、即ち約5〜7日まで培養する。
【0039】
【表1】
【0040】<ロ>醗酵タンク内での培養 培養基は同上であるが、ビーカー内の培養物を醗酵タン
ク内に移植させ、温度は30℃、タンク圧は0.5〜1.
0kg/cm2およびpH値は4.5以下で、その上150l/min
の通気速度、200rpmの撹拌速度という条件で、約1
0日間培養し、その後、菌糸体と清澄液を含んだ楠茸菌
糸体液体培養の懸濁液を獲得できる。そして、100リ
ットルの醗酵液で醗酵させた結果としては、2キロの菌
糸体(ドライウエート)及び90リットル濾過液を獲得で
きる。
【0041】
【実施例2】<楠茸の活性成分の分離> <イ>菌糸体と清澄液から活性物質の分離 遠心法を採用し、菌糸体を液体から分けさせる方法であ
る。スウェーデンのALFALAVAL 会社に出品されたDecate
r NX418 S の遠心機を使い、3200rpm(4000
×g)の遠心力で菌糸体と清澄液を分離させることがで
きた。 <ロ>菌糸体から活性物質の分離 80℃の水を溶媒として1時間で抽出させ続け、その後
抽出液を分離させた。抽出液を何回も重複に抽出させ続
けた。 <ハ>菌糸体抽出液及び培養清澄液から活性物質の分離 培養清澄液を約100倍に濃縮し、95%のアルコール
/水を加入して、約4℃で一晩沈澱させ、最後に分離さ
れた沈澱物は活性物質なのである。 <ニ>直接に楠茸の菌糸体液体培養懸濁液から活性物質
の分離 菌糸体及び培養基を含む培養懸濁液に100℃まで加熱
し、約1時間後楠茸の菌糸体を分離させる。又、清澄液
に対しても以上の手順で活性物質を分離させる。 <ホ>結果 図1に示すように、活性物質の出来具合は、培養して六
日間後に、ドライウエート及び多糖体の発生率は著しく
増えていることがわかり、やっと十日間後になると安定
状態に辿り着いたのである。
【0042】
【実施例3】<楠茸の菌糸体(CCRC35396又はCGMCC No.0
575)を使用した実験>実施例1、2と同様な手順で、も
う一株の楠茸菌糸体(CCRC35396)に対して試験を行う。
ドライウエート及び多糖体について、図2に示すよう
に、その得た結果としては前述した(CCRC35398)という
楠茸菌糸体と類似している。ドライウエートにおいて
は、100リットルの醗酵液で完全に醗酵させた結果
は、2±0.2kgの菌糸体(ドライウエート)及び90リ
ットルの濾過液を獲得できた。また多糖体においては、
図2に示すように、培養して六日間後に、ドライウエー
ト及び多糖体の発生率は著しく増えているのがわかり、
やっと十日間後になると安定状態に辿り着いたのであ
る。
【0043】
【実施例4】<活性物質の分析> <イ>材料と方法 <イ−1>菌株の生産 楠茸(Antrodia camphorata)CCRC35398は、新竹食品工業
発展研究所の菌種センターから購入されており、potato
dextrose agar(PDA)(アメリカのDifco会社)という斜面
培養基で培養と保存が行われている。 <イ−2>菌糸体の培養 液体深層培養法を利用して七日間の連続培養を行う。温
度は30℃で、接種する菌数は培養基菌数の1.0%と
なるものである。また培養基の成分比例は、1リットル
毎のイオンを除去した水に20グラムの蔗糖、3グラム
の(NH4)SO4、3グラムのMg SO4、3グラムのKH2PO4
0.5グラムのレモン酸(citric acid)、5グラムの酵母
菌抽出物を添加した。そして培養液の酸度をpH5.5に
調整した。 <イ−3>化学薬品 メタノール、ヘキサン(n-Hexanum)、酢酸エチル(ドイツ
のMerck会社から購入したGRレベルのもの)、無水硫酸ナ
トリウム(同じくドイツのMerck会社から購入したもの)
を使用する。 <イ−4>菌糸体成分の抽出と区分 (1) 抽出 200グラムの冷凍乾燥した楠茸菌糸体粉末に、2リッ
トルのメタノールで加熱させながら撹拌する。それを5
時間のサイクル抽出(circle extraction)法でろ過す
る。なお、ろ過された残りかすに対して、前述した手順
で2回繰り返す。それから、ろ過液を一括収集して、減
圧更に濃縮(40℃、50mTorr)させ、最後に得たのは
濃縮物(60.67グラム)である。 (2) 区分 濃縮物(60.0g)とシリコーンゲル(Silica gel) (20
0g)*を減圧濃縮機の中に入れて回転混合をさせる。2
0gの混合物を取り、シリカゲル管(550gのシリカゲ
ルを充填させてある)内に入れる。その後、下記の溶媒
(表2を参照)でそれぞれ1リットルによって区分作業
を行う。
【0044】
【表2】
【0045】<ロ>多糖体の成分分析 <ロ−1>楠茸多糖体の抽出率 楠茸菌糸体の多糖抽出物において、発酵した濾過液から
抽出された比例(14.33%)は最も高い率とされる。そ
の次に菌糸体による水抽出物(2.98%)が挙げられ、
最も低いのは菌糸体のアルカリ環境から抽出されたもの
(1.29%)である。また菌糸濾過液からの多糖抽出量
は水抽出物とアルカリ抽出物と、この両者よりも遥かに
多いことがわかった。それが楠茸の細胞外に発生する多
糖体は細胞内に発生するものより量的に高いと証明され
たのである(表3を参照)。また楠茸菌糸体に含まって
いる多糖について、発酵した濾過液から抽出された多糖
に9.55%の水分が含まっている。それに対して、水
抽出法及びアルカリ抽出法で得た多糖体にそれぞれ1
0.75%と4.35%の水分が含まっている。フェノー
ル硫酸法で全糖量を測定した結果、濾過液に含まってい
る多糖体は最も高い数値(87.15%)を示してお
り、水抽出物(72.86%)及びアルカリ抽出物(4
0.65%)よりも遥かに数値が高い。それはアルカリ
抽出物の中に雑多物質が多量に含まれ、抽出手順が行わ
れている際、アルカリ性の無機化合物類やたんぱく質な
どが解けているため、抽出液にやや高い灰質成分(4.
86%)と微量のたんぱく質(14.18%)が混ざっ
ているのである。
【0046】
【表3】
【0047】<ロ−2>楠茸における中性単糖の組成成
分 楠茸菌糸体に対する多糖抽出は2Mのtrifluoride aceta
teでハイドロリシス(hydrolysis)させ、その後1NのNaO
Hで中性状態まで中和さえ、最後に多糖から分解された
単糖の組成が獲得できる(表4を参照)。発酵濾過液で
は、ちょろぎ糖(glucomannan)(188.54mg/g)や、
ブドウ糖(150.11mg/g)及びキシローズ(112.
75mg/g)などで組成されている。水を使用した抽出物
はブドウ糖(355.77mg/g)やキシローズ(205.
30mg/g)、半乳糖(121.39 mg/g)などを主要な
単糖として構成されている。また、アルカリ抽出物はブ
ドウ糖(177.11mg/g)やキシローズ(147.23
mg/g)で構成されているが、なお中にも微量の単糖やア
ルドニック酸が含まれている。アルドニック酸の抽出量
は水抽出液の中に最も多く含まれ(102.40mg/
g)、その次アルカリ抽出物(68.56mg/g)と発酵濾
過液(54.72mg/g)が挙げられている。
【0048】
【表4】
【0049】<ロ−3>多糖の分子量の測定 <ロ−3−1>ゲル・フィルトレーション・クロマトグ
ラフィー(gel filtration chromatography)で蛋白質の
標準製品曲線の製造準備 下記のクロマトグラフィーの条件によって、蛋白質のゲ
ル・フィルトレーション・クロマトグラフィー標準製品
の曲線を作る。チューブはSepctra/chrom LC チューブ
(1.6×70)、ゲルはSepharose(R)6B、遷移相は0.1
5MのNaCl、流動速度は0.5ml/分、3.0ml/1チュー
ブ、多糖体はフェノール-H2SO4 法とUV 480nmであ
る。蛋白質は254nmで測定する。Sepharose(R)6B
はゲル状のものであり、6%のAgaroseという成分が含
まれている。また104〜10Da分子量を持つ多糖分
子及び104〜4x10Da分子量を持つ蛋白質分子など
の分析に適合する。まず、ブルーデキストランでコラム
の体積を45mlであると測定し、その後異なった分子量
を持つたんぱく質の標準物{フェリチン(MW4.4x10
5Da)、脱水素アルコール(MW1.5x105Da)、白タン
パク(MW4.7x104Da)、無水炭酸(carbonic anhydr
ase)(MW2.9x104Da)および細胞色素C(MW1.24
x104Da)}をSepharose(R)6Bで溶解させ分析し
た。最後に標準物の分子量とチューブナンバーをグラフ
にし、初期の回帰曲線を求め、図3に示すように、蛋白
質のゲル・フィルトレーション・クロマトグラフィー標
準物の曲線を作成することができたのである。
【0050】<ロ−3−2>多糖体分子量の測定 サンプルに同一条件でゲル・フィルトレーション・クロ
マトグラフィーをさせた。タンパク質の最大吸収波長2
54nmによってディバイド値を測定し、サンプルのチュ
ーブナンバーを収得した。その後、フェノール−硫酸法
で多糖のハイドロリシスを行わせ、クロマトグラムをさ
せた。そして呈色したチューブナンバーを回帰曲線に代
入してから、分離溶解を行うサンプルの多糖分子量を取
得できた(図5を参照)。
【0051】以上の方法によると、発酵液の多糖はチュ
ーブナンバー17と35でアブソービング.ピークが発
生し(図4を参照)、それを標準物とコンペアした結果、
中の多糖分子量はそれぞれ106 Da以上、1.1x10
4 Daである。ところが水抽出物とアルカリ抽出物では
中の多糖はチューブナンバー11と22でアブソービン
グ.ピークが発生し(図5と6を参照)、それらを標準物
とコンペアした結果、106 Da以上と7.6x105 Da
の多糖分子が含まっていることがわかった。菌糸体にお
いてクロマトグラフィーを行った結果として、全てタン
パク質のアブソービング.ピークが発生されたので、そ
れは菌糸体多糖の中に多糖とボンドした微量のタンパク
が存在されている可能性が高いのである。またその多糖
体の分子は106 Daより大きいことから言うと、50
〜200万のβ−(1→6)−ブトウ糖基分枝のβ−(1→3)
−D−Pyranosideが含まれていると予測できる。
【0052】<ロ−3−3>楠茸多糖体の構造分析 自然界の多糖はケト−スやアルドーズからなるサッカロ
イド.ボンドというポリマーである。これは有機生命体
にとって不可欠な成分であり、また真菌の中に存在して
いるものは抗腫瘍の活性も持っている。多糖はよくタン
パク質とボンドして糖タンパクとなる。その抗腫瘍の活
性も研究の焦点となっている。例えば、研究によると、
姫松茸の子実体から分離させたβ−(1→6)−D−ブトウ
糖タンパク質の複合体(多糖:タンパク質=50:4
0)、またはプロフラムの菌糸体から分離させ得た活性
糖タンパク質プロフラミン(proflamin)は10%の糖類
と90%のたんぱく質からなっているが、その分子量は
13000±4000Daであるため、同系統の腫瘍B-
6或いは755リンパ癌に対して、抑制効果が著しいそ
うである。また多糖とタンパク質との割合は抗腫瘍活性
にも構造判定にも重要な役割が果たされているので、今
後の研究課題として追求していくべきと思われる。
【0053】(1)核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測
定 楠茸の菌糸体β−D−デキストランの1H−核磁気共鳴ス
ペクトラムにおける化学的な遷移相は3〜4ppmの間に
あるが、糖類炭素とボンドする水素にあたる。発酵濾過
液の水素スペクトラムの化学的な遷移相は夫々4.57
0(H-1)、4.063(H-6a)、3.866(H
-6b)、3.687(H-5)、3.496(H-
4)、3.486(H-3)及び3.303(H-2)で
ある(図7を参照)。ところが、水抽出物とアルカリ抽
出物との水素スペクトラムにおいては結果として類似し
ていると見られ、その化学的な遷移相はそれぞれ4.5
70、4.598(H-1)、4.034、4.036
(H-6a)、3.837(H-6b)、3.662、
3.660(H-5)、3.454、3.473(H-
3,4)及び3.336、3.337(H-2)である
が、それらに対応した13Cスペクトルの化学的な遷移
相はそれぞれ103.087(C-1)、78.775
(C-3)、77.978(C-5)、76.092(C
-2)、72.224(C-4)及び75.505(C-
6)(図8を参照)である。よって、この結果はMizuno氏
らが茸類研究に対して子実体の水溶性多糖における炭素
水素のみのスペクトル化学的な遷移相とは類似している
と見られる。
【0054】(2)赤外線スペクトル(IR)の測定 楠茸の菌糸体多糖粉末を赤外線スペクトルで分析を加え
る。その結果として、発酵濾過液は3375cm-1のと
ころにOH基と、1557cm-1のところにW型のピークが
発生されたので、これはC-C-Cチェーンの存在に意味
し、2938cm-1のところにC-H基、及び1063cm-
1のところにCH-O-CH-基の吸収範囲が現れたのである
(図9を参照)。また水抽出とアルカリ抽出で多糖を抽出
結果は、それぞれ3419,3390cm-1のところに(O
H基)、1557,1539 cm-1のところにW型のピーク
(C-C-C)、2922,2919 cm-1のところに(C-H)及
び1080,1069 cm-1のところに(CH-O-CH-)、全
て吸収範囲が現れたので、菌糸体多糖に多糖官能基が含
まれている特性があると考えられる。
【0055】(3)X線回折分析(X-ray)の測定 楠茸の菌糸体多糖の抽出物におけるX線回折図で、発酵
濾過液に2θの場所は19.43oにあたり、水抽出とア
ルカリ抽出はそれぞれ19.48oと19.37oにあたっ
ている(図10を参照)。この図でアルカリ抽出の多糖は
水抽出物または濾過液抽出物より良質な結晶度を得るこ
とができたのである。
【0056】
【実施例5】<活性分析> <イ>免疫機能の強化 <イ−1>マクロファージの活性を刺激させる試験 実験菌株は、楠茸(Antrodia camphorata)CCRC35398又は
CGMCC No.0543、及びCCRC35396又はCGMCC No.0575であ
る。実験方法において、実験用サンプルの製造は、前記
の実施例1、2と3のように、まず楠茸を発酵させ、遠
心力で菌糸体と発酵液を取得した後、熱湯(100℃以
上)及びアルカリ液(NaOH)で抽出を行った。そして、三
種類の楠茸抽出物に対して、アルコールで多糖体を抽出
させた。また抽出させられた多糖体を冷凍させ乾かし
た。その後、冷凍された多糖体を二次蒸留を経た無菌水
に溶かして、濃度10mg/mlの楠茸多糖抽出液を得るよう
ににした。
【0057】活性を刺激させる試験では、製造された三
種類の楠茸多糖抽出液に、それぞれ1*105細胞/穴の
J774A.1大食細胞(マクロファージCCRC60140)
を入れ、活性化の刺激を行った。三回繰り返して、一晩
置くと翌日に細胞培養液を取り出し、そしてELISA方法
でマクロファージから分泌したTNF-α濃度を分析した。
【0058】その組分けは、以下の通りである。 (a)陰性反応対照組−2μlの燐酸塩バッファーリキ
ッドを加入し、マクロファージに刺激を与えた。 (b)陽性コントロール対照組−2μl、濃度は10μg
/mlのLPS(Lipopolysaccharide) を加入し、マクロファ
ージに刺激を与えた。 (c)実験組−2μlの異なった楠茸の菌株抽出物(菌糸体
の水抽出物、アルカリ抽出物、発酵液)を加入し、マクロ
ファージに刺激を与え、最終濃度を100μg/mlになる
ようにした。
【0059】その結果、腫瘍破壊因子(TNF-α)は腫瘍細
胞に破壊力を持ち、免疫細胞に活性化作用をあたえるの
で、免疫システムの中で重要な役割を果たしていること
がわかった。本実験の結果を図3に示す。三組の実験で
測定して得たTNF-αの濃度は、陰性反応対照組がより高
く、しかもその中で楠茸菌糸体のアルカリ抽出物のTNF-
α濃度が最も高いことがわかった。但し、陽性コントロ
ール対照組がよりやや低くなっている。本実験の結果に
よると、楠茸からの抽出物は全てマクロファージに刺激
させ活性化をもたらすことができると考えられる。その
中で、アルカリ抽出物は最もよい効果を果たすことがで
きたのである。
【0060】<イー2>生体動物実験で楠茸の活性物質
による免疫機能に対する分析と評価本実験で使った実験
用動物はBALB/cByJのラットである。5週間連続してチ
ューブで経口投与を行い、脾臓細胞の各種免疫機能をチ
ェックし分析した。それによって、楠茸菌糸体の対免疫
調節反応の働きについて調べたのである。5週間の連続
投与はラットに対して悪影響が生じなかった。MTT法で
リンパ細胞の増殖反応に実験を行うと、ConA及びPHAの
処理の下で、リンパ細胞の増殖を促進できたのである。
なお、ConAの刺激で脾臓細胞からTh1細胞ホルモンIL-
2が生じ、進んでTh2細胞ホルモンIL-4の生成を抑圧
できたことがわかった。
【0061】<ロ>材料と方法 <ロー1>実験動物 6週齢のBALB/cByJ牝のラット、SPFランクのものを使用
している。これは中華民国行政院国科会国家実験用動物
繁殖並び研究センターから購入したものである。動物を
購入してから、1週間の観察を行い、健康及び成長状況
を確かめた。ラットに異変が生じた場合(明かりに怖が
ったり、脱水が起こったりする場合)、直ちに排除され
る。また、実験前の体重測定を行い、標準に達していな
いものを排除し、標準に適合するものを適当に三つの組
に分けた。一組に12匹配分されている。その後、週に
1回の体重測定を行っていた。
【0062】<ロー2>飼育の管理 一般的な実験用動物の飼育管理方法で行っていた。飼育
室内温度を23±2℃に、相対湿度を50±10%に、
そして12時間の明暗交代、餌と水の無制限であった。
【0063】<ロー3>実験用サンプル 楠茸菌糸体(CCRC35396)を実施例1で述べた通りに使
用して実験し、発酵培養を完了させてから加工して乾燥
させ、サンプル(サンプルの生産ナンバー:20020315A9B)
を製造した。
【0064】<ロー4>薬剤用量の計算 実験ラットを対照組と二つの受験組に分けた。受験組の
ラットにそれぞれ人間に適合した毎日の摂取量をラット
用に換算し、低用量組として与えていた。それに対し
て、その用量を10倍に拡大し、高用量組として与え
た。 I.対照組−体積と同じの水を2回与える。 II.低用量組−毎日に適当な摂食量。 III.高用量組−10倍の毎日適当な摂食量。 用量計算として、一般の人が保健のための用量は、42
0mg/粒×2粒/回/×3回/日=2520mg/日で、つま
りラットに与える用量は、2520mg/日×0.2226
=6.522mg/日であり、即ち低用量組である。更に換
算すれば、高用量組は65.22mg/日となる。
【0065】<ロ−5>受験対象への投与方法と日数 経口投与で与えた。1日に1回、週に6日間で5週間連
続を行った。
【0066】<ロ−6>実験の手順 <ロ−6−1>動物の採血と犠牲 実験ラットに安楽死をさせ、全身を消毒させた後、ラミ
ナーフローに置き込み、無菌操作を行い、続いて脾臓を
摘出した。
【0067】<ロ−6−2>脾臓細胞による懸濁液の製
造 無菌状態下でラットの脾臓を摘出し、5mlの培養基が入
っている培養皿(Petridish)に置き込んだ。5mlの注射
器の後部にある平らの部分を使い、軽く脾臓を押しなが
ら柔らかく揉み、白くなるまで揉みつづけた。それは結
合組織から脾臓細胞をできるだけに遊離させるためであ
る。それから細胞が含まれている培養基を吸い取り、1
5mlの遠心チューブに入れ込み、5〜15分間静かに置
くことであった。また他にもう一つの遠心管に細胞の懸
濁液を入れ込んで、600×gの遠心力で5分間の遠心
操作を行い、上部の清澄液を吸い捨てた。そして、細胞
を均衡に分散できるようにチューブの外側を軽く叩くの
である。次に、5mlの冷たいACK RBCというライシスバ
ッファー(lysis buffer)を加入し細胞と混合させ、1分
間作用させた。その後直ちに5mlの温度回復した培養基
を加えた。それに600×gの遠心力で5分間の遠心操
作を行い、上部の清澄液を吸い捨てた。そして、細胞を
均衡に分散できるようにチューブの外側を軽く叩き、1
0mlのHBSSバッファーリキッドで2回洗浄した。それか
ら細胞を10mlの培養基の中にサスペンスさせ、Trypan
Blueで希釈し(約10倍の希釈)、細胞総数を計算し
た。また細胞を培養基で1x107細胞/mlという濃度に
調節した。
【0068】<ロ−6−3>リンパ細胞の増殖反応(MT
T法) まず96個の穴がついている培養皿にそれぞれ100μ
l/穴の培養基又はミトゲン(mitogen)の培養基(10μg
/mlのConAと20μg/mlのPHAと50μg/mlのLPS)を注入
する。次に、100μl/穴の4x106細胞/mlという
脾臓細胞の懸濁液を加え、37℃、5%のCO2培養箱に置
き、72時間で培養を行った。培養した後、20μl/
穴のMTT(5mg/ml)を注入し、更に培養を4時間続け
た。10分間250×gの遠心力をかけ、200μl/
穴の上にある清澄液を吸い捨てた。それから、200μ
l/穴のDMSOを加入し、5分間の振動をかけた後、ELISA
readerでA570nmという数値を測定した。
【0069】<ロ−6−4>細胞ホルモンの分泌実験 24穴の培養皿にそれぞれ「細胞だけ(cell only)」とC
onA処理のレッテルで表示する。そして、まず細胞だけ
の処理に対してその穴に0.6mlの培養基を加入し、Con
A処理の穴に0.5mlのConA(濃度は10μg/ml)と0.1
mlの培養基を加入した。次に、全ての穴に0.4mlの1
7細胞/mlのラット脾臓細胞を入れ込んだ。24時間
経過してから、細胞培養液の上部清澄液を収集して-2
0℃の冷凍庫にしまい込み、ラミネーション(サンドイ
ッチ式)ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)で
細胞培養液の上部清澄液に含まれているIL-2及びIL-4
の量を測定した。
【0070】<ロ−7>データ整理と結果判定 実験の結果として、平均値±標準誤差(Mean±SD)で表示
する。全ての結果は一方変化分析(one-way ANOVA)で統
計分析を行った。Duncan's multiple range testで各処
理組間の比較を行い、更にDunnett's t-testの方法で各
処理組と対照組との比較を行った。
【0071】<ハ>結果 5週間の楠茸菌糸体サンプルを経口投与した結果、対照
組のラットと低用量組と高用量組とは体重に極めた落差
が見られず(表5を参照)、楠茸菌糸体はラットの成長に
悪影響を与えないことがわかった。脾臓細胞にConA、PH
A及びLPSミトゲン(mitogen)で処理を行い、5%のCO2、3
7℃という条件で三日間培養し、最後にMTT法でリンパ
細胞の増殖反応を分析した。その結果として、ConAとPH
Aの刺激下で楠茸菌糸体は明らかにリンパ細胞の増殖に
刺激を与えたことが見られる(P<0.05、P<0.1)(表6を参
照)。脾臓細胞は自発の状態(即ち細胞だけ(cell only)
のこと)およびConAの刺激によって、また5%のCO2、37
℃という条件で24時間培養し、最後に上部清澄液を収
集して、IL-2及びIL-4の生成量を測定した。それによ
って、楠茸菌糸体が細胞ホルモンの生成に影響を及ぼす
ことが明白ある。結果としては、楠茸菌糸体がTh1-typ
eの細胞ホルモンIL-2の生成(ConA-stimulated)に助け
となるが、Th2-typの細胞ホルモンIL-4の生成(ConA-s
timulated)に抑制があるとわかった。
【0072】<ニ>結論 5週間の楠茸菌糸体サンプルを連続経口で投与した結
果、対照組のラットと低用量組と高用量組とは体重に極
めた落差が見られない(表7を参照)。楠茸菌糸体はCo
nAとPHAの刺激のもとでリンパ細胞の増殖に助益があ
り、ConAの刺激によって、脾臓細胞にTh1-typeの細胞ホ
ルモンIL-2の生成を手助けできるが、Th2-typ の細胞
ホルモンIL-4の生成を抑圧できるのである。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】
【実施例6】<活性分析> <イ>免疫機能の増加 本発明による楠茸の活性物質は、正常人にとって、血液
中のリンパ細胞に刺激を与え、進んでU-937の人類リ
ンパ癌細胞を破壊し(表8を参照)、マクロファージ(J74
4A.1)の飲食い能力をも強めることができるのである(表
9を参照)。
【0077】
【表8】
【0078】
【表9】
【0079】本研究によると、異なった楠茸を数週間服
用した場合、体内の細胞ホルモンを刺激し活性化させる
ことができるのが証明されたのである。また生体動物実
験においても細胞ホルモンへの働きかけによって、免疫
活性が発揮される治療効果も証明されたのである。
【0080】図12に示すように、C57BL/6及びBALB/c
のラットに楠茸を異なった用量で数週間、経口投与後の
免疫反応(細胞ホルモンIL-2、TNFα、INF-γ)を調べる
ため、2種類の実験用ネズミinbred mice (C57BL/6及び
BALB/c)を使ったのである。まず、8週齢のC57BL/6及び
BALB/cネズミを数組に分け、一組に10匹、それぞれ楠
茸を一週、二週及び四週間で経口服用させた。また組に
よって、1.0mg、3.5mg、5.0mgを与え、その上
服用後24時間後に約105±10本のジストマ血吸虫
の幼虫を自然感染させた。なお、薬を与えていない小ネ
ズミにも同じ数量の幼虫を感染させ、対照用の相手組に
使った。6〜8週間後に門脈貫流法(portal perfusion
method)で動物を犠牲させ、肛門静脈と腸系膜静脈(mese
nteric v.)に寄生した成虫を流れ出させた実験である。
その結果としては、2種類の小ネズミとも、2.5mg、
または5.0mgの楠茸を一週間連続服用させても、その
成虫数の発生率を対照組と比べて、大きな違いが見られ
なかった。そして、1.0mgの楠茸を二週間連続服用さ
せても、その結果は前述のものと類似していた。
【0081】しかし、この2種類の小ネズミに2.5mg
の楠茸を二週間連続服用させた結果、幼虫がネズミの体
内で成虫へ発育した数量は、対照組と比較すると、低下
する傾向が見られ、駆虫率は20%〜45%となる。ま
た、5.0mgの楠茸を服用させた結果として、二週間後
においてBALB/cネズミは同用量を一週間だけ服用させた
ネズミより駆虫効果(駆虫率は40%対26%)はよく
なったと見られるが、C57BL/6ネズミの場合、一週間の
結果とはあまり変化が見られなかった。しかし、この2
種類の小ネズミに四週間連続で楠茸の活性物質を1.0
mg又は2.5mg服用させた結果、成虫率は対照組より遥
かに低下しているとわかった。特に2.5mgの楠茸を服
用させた結果、その駆虫率は60%及び49%に達する
ことができたのである。それによると、本研究では2.
5mgの楠茸活性物質を四週間連続服用させると、感染率
は約半分ダウンしたことで、体内での免疫機能を強化で
きることがわかった。(表10を参照)。
【0082】
【表10】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による楠茸菌糸体CCRC35398又はCGMCC N
o.0543を培養し、その中から生物的な活性物質を生成さ
せる方法で、楠茸菌糸体の多糖体を培養した時間を表す
説明図である。
【図2】本発明による楠茸菌糸体CCRC35396又はCGMCC N
o.0575を培養し、その中から生物的な活性物質を生成さ
せる方法で、楠茸菌糸体の多糖体を培養した時間を表す
説明図である。
【図3】ゲル・フィルトレーション・クロマトグラフィ
ー(gel filtration chromatography)で蛋白質の標準製
品曲線を示す説明図である。
【図4】楠茸菌糸体に含まれた多糖体の分子量の測定結
果を示す説明図である。
【図5】楠茸菌糸体の水抽出された多糖体のSepharose
6Bの分子量測定クロマトグラフィーである。
【図6】楠茸菌糸体のアルカリ抽出された多糖体のSeph
arose6Bの分子量測定クロマトグラフィーである。
【図7】楠茸菌糸体の水抽出された多糖体の1H-NMRスペ
クトラムである。
【図8】楠茸菌糸体の水抽出された多糖体の13C-NMRス
ペクトラムである。
【図9】楠茸菌糸体の多糖体のHF-IRスペクトラムであ
る。
【図10】楠茸菌糸体の多糖体のX線回折図である。
【図11】本発明に係る楠茸菌糸体による水抽出物、ア
ルカリ抽出物と発酵液を使い、マクロファージに活性刺
激与える際、ELISA法でマクロファージに分泌されるTNF
-αの濃度図である。
【図12】C57BL/6及びBALB/cのラットに楠茸を異なっ
た用量で数週間、経口投与後の免疫反応(細胞ホルモンI
L-2、TNFα、INF-γ)を結果として表された図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 19/04 C12P 19/04 B (C12P 1/02 C12R 1:645 C12R 1:645) Fターム(参考) 4B064 AF11 BH02 CA07 DA05 4B065 AA71X AC12 AC14 BA22 BC03 BC26 BC32 BC41 CA22 CA44 4C088 AA02 BA09 MA02 MA52 NA14 ZB07 ZB26

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楠茸(Antrodia camphorata 又はA. cinnam
    omea)の菌糸体生物活性物質であって、楠茸菌糸体の液
    体培養によって生じたことを特徴とする、楠茸の菌糸体
    生物活性物質。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物
    質において、 楠茸菌糸体は新竹食品工業発展研究所菌種保存センター
    に預かり寄生されてあり、登録番号はCCRC3539
    8であり、また中華人民共和国微生物菌種保蔵管理委員
    会普通微生物中心に預かり寄生されており、登録番号は
    CGMCC No.0543である。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物
    質において、 楠茸菌糸体は新竹食品工業発展研究所菌種保存センター
    に寄生して保存されてあり、登録番号はCCRC353
    96であり、また中華人民共和国微生物菌種保蔵管理委
    員会普通微生物中心に預かり寄生されており、登録番号
    はCGMCCNo.0575である。
  4. 【請求項4】楠の茸菌糸体の液体培養で全サスペンショ
    ンを得たことを特徴とする、 請求項1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質。
  5. 【請求項5】楠の茸菌糸体の液体培養で全サスペンショ
    ンの中に存在する清澄培養液を得たことを特徴とする、 請求項1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質。
  6. 【請求項6】楠の茸菌糸体の液体培養で得られた全サス
    ペンションの中に存在する菌糸体を抽出し得たことを特
    徴とする、 請求項1に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質。
  7. 【請求項7】特殊な液体培養基によって、楠茸菌糸体を
    培養する工程と、活性物質を分離させる工程とからなる
    ことを特徴とする、楠茸の菌糸体生物活性物質の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記分離工程は、該培養懸濁液を固体菌糸
    体及び清澄培養液に分離させる工程と、溶剤で菌糸体を
    抽出する工程と、抽出液を該清澄液と混合させる工程
    と、該活性物質を沈殿して分離させる工程とからなるこ
    とを特徴とする、請求項7に記載の楠茸の菌糸体生物活
    性物質の製造方法。
  9. 【請求項9】抽出溶剤として水を使用するとともに、抽
    出温度を30℃〜121℃の範囲にすることを特徴とす
    る、 請求項8に記載の楠茸の菌糸体生物活性物質の製造方
    法。
  10. 【請求項10】活性物質を分離させる工程は、培養懸濁
    液を30℃から直接に121℃まで加熱し、その活性物
    質を沈殿して分離させることを特徴とする、 請求項7記載の楠茸の菌糸体生物活性物質の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項6に記載の楠茸の菌
    糸体生物活性物質を含有することを特徴とする、楠茸の
    菌糸体生物活性物質の組成物質。
  12. 【請求項12】リンパ球の増殖を刺激し、Th1-typeの細
    胞ホルモンIL-2の生成には助長できる一方、Th2-typeの
    細胞ホルモンIL-4の生成には抑制作用があり、マクロフ
    ァージを刺激し蘇らせる効力を持つことを特徴とする、 請求項1乃至請求項6に記載の楠茸の菌糸体生物活性物
    質。
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