JP2002187851A - 糖尿病予防・改善剤及びそれを含む機能性食品 - Google Patents

糖尿病予防・改善剤及びそれを含む機能性食品

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JP2002187851A JP2000386092A JP2000386092A JP2002187851A JP 2002187851 A JP2002187851 A JP 2002187851A JP 2000386092 A JP2000386092 A JP 2000386092A JP 2000386092 A JP2000386092 A JP 2000386092A JP 2002187851 A JP2002187851 A JP 2002187851A
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Ariaki Obara
有晶 小原
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然物であるキノコに由来し、安全性が高
く、安価かつ品質の安定した、1型糖尿病及び2型糖尿
病に対して血糖値上昇抑制効果と耐糖能改善効果を有す
る糖尿病予防・改善剤や、かかる糖尿病予防・改善剤を
含む糖尿病予防・改善作用を有する機能性食品を提供す
ること。 【解決手段】 エゾハリタケ科のキノコの子実体の処理
物、例えば菌床栽培したブナハリタケ子実体の乾燥粉末
を有効成分とする血糖値上昇抑制効果と耐糖能改善効果
を有する糖尿病予防・改善剤を調製する。また、この糖
尿病予防・改善剤を各種食品に添加配合することにより
腫瘍改善作用を有する機能性食品を調製する。血糖値上
昇抑制効果は、例えば、16時間から20時間の絶食の
後、血中に含まれるグルコース濃度を測定することによ
り確認することができ、また、耐糖能改善効果は、グル
コース負荷試験を行うことにより確認することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病予防・改善
剤や糖尿病予防・改善作用を有する機能性食品に関し、
より詳しくは、ブナハリタケ(Mycoleptodonoides aitc
hisonii)等のエゾハリタケ科(Climacodontaceae)の
キノコの子実体から得られる、1型糖尿病及び2型糖尿
病に対して、血糖値上昇抑制効果と耐糖能改善効果を有
する糖尿病予防・改善剤や、かかる糖尿病予防・改善剤
を含む糖尿病予防・改善作用を有する機能性食品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】糖尿病とはインスリン作用の不足による
慢性高血糖を主徴とし、種々の特徴的な代謝異常を伴う
疾患群である。その発症には遺伝因子と環境因子がとも
に関与する。糖尿病は、インスリン依存性糖尿病(1型
糖尿病)とインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)に
大別され、脳卒中や心臓病の危険因子となることが知ら
れており、また、神経障害、網膜症、腎臓障害などの合
併症による生活の質の低下も重大な問題である。さら
に、糖尿病の患者数は、近年急激な増加を示しており、
糖尿病が強く疑われる人は690万人、糖尿病の可能性
を否定できない人を合わせると1370万人になるとい
われている。これは、生活習慣病として、国民の最も重
要な健康問題の一つとなっている。
【0003】ブナハリタケ(地方名カミハリタケ)は、
東北地方の深山のブナ林において、晩秋になるとブナの
倒木、立ち枯れ木に重なり合って生え、傘の直径は3〜
10cm、半円形で白色、後に黄色味を帯び、裏面は白
く針状で、表面同様、後に黄色味を帯び、肉は白くて軟
らかく吸水性があり、独特の香気をもつことが知られ、
山村の人達から山の肉と呼ばれて珍重されたキノコとし
ても知られている。そして、ブナハリタケの人工栽培方
法として、「長野県林試研究報告」第3号、32〜37
頁(1987)及び「福島県林試研報」第23号、81
〜101頁(1990)には、ブナ、サクラ等の原木を
用いた栽培に関する研究の報告が、「食品流通技術」V
ol.18,No.1,17〜21頁(1989)には
原木栽培とオガクズを利用した栽培方法の研究が報告さ
れているが、これら報告によると、原木栽培では子実体
に成長させることができるものの、多くの原木を供給し
なければならない上に、菌糸の腐朽力が強いために木片
で種駒を培養することが難かしいという問題があり、他
方、オガクズを利用した容器栽培では奇形が多く、また
オガクズを利用した袋栽培では子実体に成長させること
が難しく、いずれにしても従来の技術では菌床栽培は無
理であるとされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、1型
糖尿病及び2型糖尿病に対して、血糖値上昇抑制効果と
耐糖能改善効果を有する糖尿病予防・改善剤や、かかる
糖尿病予防・改善剤を含む糖尿病予防・改善作用を有す
る機能性食品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に、ブ
ナハリタケの種菌を特定の栄養源が添加された培地に接
種する接種工程と、ブナハリタケの種菌が接種された培
地を培養し、培地に菌糸が生育した菌床を得る前培養工
程と、該菌床を培養し、子実体に成長しうる物理的空間
に曝されていないブナハリタケ原基を得る中培養工程
と、該子実体に成長しうる物理的空間に曝されていない
ブナハリタケ原基の中から選ばれた原基を、ブナハリタ
ケ原基が子実体に成長しうる物理的空間に曝される条件
下で培養し、ブナハリタケ子実体を得る後培養工程を経
てブナハリタケを栽培すると、自然に発生するよりも大
型のブナハリタケ子実体が、周年安定的、工業的かつ安
価に得られることを確認している(特開2000−30
0066号参照)。本発明者らは、周年安定的に入手が
可能となったブナハリタケ子実体の薬理作用について種
々検討している過程で、ブナハリタケ子実体の中に、血
糖値上昇抑制作用及び耐糖能改善作用を示す成分が存在
することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、エゾハリタケ科(Clim
acodontaceae)のキノコの子実体又はその処理物を有効
成分とする糖尿病予防・改善剤(請求項1)や、エゾハ
リタケ科(Climacodontaceae)のキノコが、ブナハリタ
ケ属(Mycoleptodonoides)のキノコである請求項1記
載の糖尿病予防・改善剤(請求項2)や、ブナハリタケ
属(Mycoleptodonoides)のキノコが、ブナハリタケ(M
ycoleptodonoides aitchisonii)である請求項2記載の
糖尿病予防・改善剤(請求項3)や、処理物が乾燥粉体
である請求項1〜3のいずれか記載の糖尿病予防・改善
剤(請求項4)や、処理物が溶媒抽出物である請求項1
〜3のいずれか記載の糖尿病予防・改善剤(請求項5)
や、ブナハリタケ子実体が人工栽培で得られたブナハリ
タケ子実体であることを特徴とする請求項3〜5のいず
れか記載の糖尿病予防・改善剤(請求項6)や、人工栽
培が菌床栽培であることを特徴とする請求項6記載の糖
尿病予防・改善剤(請求項7)や、菌床栽培が、保水体
と乾燥おから及びビール粕のうち少なくとも一方を含む
栽培用栄養源と水とを混合した培地を滅菌する滅菌工程
と、滅菌した培地にブナハリタケの種菌を接種する接種
工程と、ブナハリタケの種菌が接種された培地を培養
し、培地に菌糸が生育した菌床を得る前培養工程と、該
菌床を培養し、子実体に成長しうる物理的空間に曝され
ていないブナハリタケ原基を得る中培養工程と、該子実
体に成長しうる物理的空間に曝されていないブナハリタ
ケ原基の中から選ばれた原基を、ブナハリタケ原基が子
実体に成長しうる物理的空間に曝される条件下で培養
し、ブナハリタケ子実体を得る後培養工程からなること
を特徴とする請求項7記載の糖尿病予防・改善剤(請求
項8)や、ブナハリタケ子実体が、ブナハリタケ(FE
RM BP−6697)の子実体であることを特徴とす
る請求項3〜8のいずれか記載の糖尿病予防・改善剤
(請求項9)や、請求項1〜9のいずれか記載の糖尿病
予防・改善剤を含んでなる糖尿病予防・改善作用を有す
る機能性食品(請求項10)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるキノコ子実体
としては、ブナハリタケ属(Mycoleptodonoides)、エ
ゾハリタケ属(Climacodon)、ネバリハリヒラタケ属
(Donkia)等のエゾハリタケ科(Climacodontaceae)に
属するキノコの子実体であれば特に制限されるものでは
なく、具体的には、ブナハリタケ(Mycoleptodonoides
aitchisonii)やエゾハリタケ(Climacodon septentrio
nalis)、アケボノハリタケ(Climacodon roseo-macula
tum)等の子実体を例示することができるが、より優れ
た血糖値上昇抑制・耐糖能改善作用を有する点でブナハ
リタケの子実体を用いることが好ましい。
【0008】上記ブナハリタケ子実体としては、自然界
に自生する天然の子実体あるいは人工栽培された子実体
のいずれでもよいが、成分含量等の品質が安定した人工
栽培されたブナハリタケ子実体の方が好ましい。自然界
に自生する天然のブナハリタケ子実体では成分含量等が
生息地域や気候等により変動する上に、周年安定的に収
穫することができないが、人工栽培されたブナハリタケ
子実体では成分含量等が生息地域や気候等により影響さ
れない上に、周年安定的に収穫することができる。ま
た、人工栽培方法としては特に限定されないが、成分含
量等の品質が安定したブナハリタケを安価かつ周年安定
的に収穫することができる菌床栽培の方が原木栽培より
も好ましい。ここで、菌床栽培とは、原木を用いること
なく、保水体と栄養源からなる素材に種菌を接種し、温
度、湿度、照度などを制御した環境下で栽培する方法を
いう。
【0009】かかる菌床栽培の好ましい態様としては、
保水体と、乾燥おから及びビール粕のうち少なくとも一
方を含む栄養源を含有する栽培用培養源と、水とを混合
した培地を滅菌する滅菌工程と、滅菌した培地にブナハ
リタケの種菌を接種する接種工程と、ブナハリタケの種
菌が接種された培地を培養し、培地に菌糸が生育した菌
床を得る前培養工程と、該菌床を培養し、子実体に成長
しうる物理的空間に曝されていないブナハリタケ原基を
得る中培養工程と、該子実体に成長しうる物理的空間に
曝されていないブナハリタケ原基の中から選ばれた原基
を、ブナハリタケ原基が子実体に成長しうる物理的空間
に曝される条件下で培養し、ブナハリタケ子実体を得る
後培養工程からなる人工栽培を具体的に例示することが
できる。ここで、子実体に成長しうる物理的空間とは、
培養基から外に向かって子実体が成長する空間を意味
し、例えば培養基をプラスチック製の袋等により密封し
た場合には密封容器の外部の空間を意味する。
【0010】本発明において用いられるブナハリタケ菌
株としては、そのブナハリタケの子実体に優れた血糖値
上昇抑制及び耐糖能改善効果を示す成分を含有するブナ
ハリタケに属する菌株であれば市販菌株や自然界から得
られる菌株をも含めどのような菌株でもよいが、菌糸生
育能及び原基形成能が優れているブナハリタケBNH−
3株を用いることが特に好ましい。ブナハリタケBNH
−3株は、秋田県南秋田郡の山中で、枯れ木に自生して
いた子実体より、本発明者らが純粋分離したもので、ポ
テトデキストロース寒天斜面培地での培養物は、4℃程
度の温度下で保存することができ、この保存菌株は3〜
6ヶ月程度で植え継ぐことが望ましい。本菌株の子実
体、菌糸及び胞子の形態学的特徴は次の通りである。子
実体は群生、傘は扇形〜へら形で3〜8×3〜10c
m。表面は無毛平滑、白色〜少し黄色味を帯びる。肉は
白色、厚さ2〜5mm。縁は薄く多少歯牙状。菌糸構成
は幅4〜10μmの厚膜菌糸と、幅3.5〜5μmで、
ふくらみとねじれをもつ薄膜菌糸の2菌糸型。胞子は腸
詰め形、無色、2〜2.5×5〜6.5μm。
【0011】上記の形態学的特徴に基づいて、今関六
也、本郷次雄共著「原色日本新菌類図鑑II」(保育社平
成元年5月31日初版発行)により同定すると、本菌が
ブナハリタケに属することは明らかである。なお、本菌
は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブ
タペスト条約下、平成11年4月7日に日本国茨城県つ
くば市東1丁目1番3号に所在する通産省工業技術院生
命工学工業技術研究所にFERM BP−6697とし
て寄託されている。
【0012】ブナハリタケの菌床栽培において、培地に
使用する保水体としては、スギ、ヒノキ、マツ等の針葉
樹由来のオガクズや、ブナ、ナラ、クヌギ等の広葉樹由
来のオガクズや、また、近年キノコ栽培においてオガク
ズ代用品として使用されるコーンコブ(トウモロコシ軸
粉砕物)の他、市販されている菌床材料等を例示するこ
とができ、これらのものは単独で使用してもよいし、2
種以上混合して用いることもできる。
【0013】また、ブナハリタケの菌床栽培において、
培地に使用する栽培用栄養源としては、ビール粕又は乾
燥オカラのいずれかの必須栄養源と、この選ばれた必須
栄養源以外の他の栄養源とが組み合わされて用いられ
る。他の栄養源としては、通常キノコの栽培に用いられ
る米糠、一般フスマ、専管フスマ、コーンブラン等を例
示することができる。ビール粕及び乾燥オカラを共に含
まない栽培用栄養源を培地に使用すると、菌糸の成長が
遅いばかりでなく、大きさや形に優れた子実体を得るこ
とが困難となる。
【0014】上記保水体と栽培用栄養源との混合割合
は、生重量比で10:0.7〜10:4の範囲が好まし
く、10:2〜3の範囲が特に好ましい。また、水分含
量は最終培地あたり60〜70%に調整すればよいが、
65%程度にするのがより好ましい。さらに、培地成分
として、通常キノコ栽培で用いられている大豆皮、乾燥
酵母やpH調整剤等を培地成分として添加することもで
きる。
【0015】ブナハリタケの菌床栽培は、前述したよう
に、前培養工程と中培養工程と後培養工程からなり、培
地中にブナハリタケの菌糸を特定の培養条件下で充分に
生育させ、子実体形成のための菌床を得る前培養工程
と、該菌床に特定の培養条件下で培養し、ブナハリタケ
原基を形成させる中培養工程と、形成したブナハリタケ
原基を特定の培養条件下で培養し、子実体まで成長させ
る後培養工程の3つの培養工程を採用しており、これに
より含量成分等の品質が安定したブナハリタケの子実体
を得ることができる。
【0016】前培養工程は、保水体と栽培用栄養源と水
とを含有する培地を加圧滅菌後、ブナハリタケの種菌を
接種し、温度15〜35℃、好ましくは21〜27℃
で、湿度40〜80%、好ましくは60〜70%付近
で、暗条件下で培養し、培地中に菌糸を蔓延させ、子実
体が発生するための栄養源を菌糸に蓄積させる工程であ
る。培養熟成日数、すなわち培地全体に菌糸が蔓延する
のに要する日数と栄養源を菌糸に蓄積させるのに必要な
日数は、1.2kg用袋を用いた場合、25〜90日間
が好ましく、通常25日間未満では子実体は発生しない
か、後の中培養工程で著しく日数を要する。この際、用
いる培養容器の大きさや種菌接種量により前培養工程に
要する日数が変化することはいうまでもない。
【0017】中培養工程は、前記のように、前培養工程
終了後の菌床にブナハリタケ原基を形成させるために行
う工程であり、前培養工程で得られた菌床を、温度8〜
22℃、好ましくは12〜16℃、湿度80〜100
%、好ましくは85〜95%、照度50ルックス以上、
好ましくは50〜500ルックスで25〜60日間培養
を続けると、例えば、菌床と容器内面との間等の子実体
に成長しうる物理的空間に曝されていないブナハリタケ
原基が形成する。
【0018】後培養工程は、上記のように、中培養工程
終了後の子実体に成長しうる物理的空間に曝されていな
いブナハリタケ原基を子実体へ成長させるために行う工
程であり、中培養工程で得られた子実体に成長しうる物
理的空間に曝されていないブナハリタケ原基が形成され
ている。例えば、容器の周辺箇所を取り除き、温度8〜
22℃、好ましくは12〜16℃、湿度80〜100
%、好ましくは85〜95%、照度50ルックス以上、
好ましくは50〜500ルックスで、かつブナハリタケ
原基が子実体に成長しうる物理的空間に曝される条件下
で5〜20日間培養を続けるとブナハリタケ原基が子実
体へと成長する。
【0019】ブナハリタケの栽培には、培地の滅菌の簡
易さ等から、栽培容器が通常用いられ、また栽培容器に
は栽培袋等も含まれる。図1に示すように、栽培容器1
としては、形成されたブナハリタケ原基2を容器外側か
ら肉眼で観察することができるように、透明又は半透明
の材質からなる容器が好ましい。また、菌床3と栽培容
器1内面との間に形成された、子実体に成長しうる物理
的空間に曝されていないブナハリタケ原基の中から選ば
れた直径3cm程度の1つのブナハリタケ原基2aを培
養することが自然に発生するブナハリタケより大きな子
実体4を得る上で好ましい。さらに、横断面が矩形等の
栽培容器1を横に倒し、ブナハリタケ原基2aが上にな
るようにして、ブナハリタケ原基が形成された栽培容器
の周辺箇所5を切除し、ブナハリタケ原基が子実体に成
長しうる物理的空間に曝される条件下でブナハリタケ原
基2aを培養することが形の揃った大型の子実体4を収
穫する上で好ましい。
【0020】本発明の糖尿病予防・改善剤としては、エ
ゾハリタケ科のキノコの子実体又はその処理物、好まし
くはブナハリタケ属のキノコの子実体又はその処理物、
より好ましくはブナハリタケの子実体又はその処理物を
有効成分とするものであればどのようなものでもよく、
また、本発明の機能性食品としては、かかる糖尿病予防
・改善剤を含み、糖尿病予防・改善作用を有する食品で
あれば特に制限されない。ここで、糖尿病予防・改善作
用(効果)とは、空腹時血糖値の上昇抑制による血糖値
上昇抑制作用(効果)と、摂食直後の急激な血糖値の上
昇抑制による耐糖能改善作用(効果)とをいい、かかる
血糖値上昇抑制効果は、例えば、16時間から20時間
の絶食の後、血中に含まれるグルコース濃度を測定する
ことにより確認することができ、また、耐糖能改善効果
は、グルコース負荷試験を行うことにより確認すること
ができる。
【0021】上記子実体の処理物としては特に制限され
るものではなく、例えば、子実体の磨砕物や、常温水、
熱水、ヘキサン、ジエチルエーテル、アセトン、クロロ
ホルム、メタノール、エタノール等を用いた子実体の抽
出物や、子実体の各種酵素処理物や、風乾、熱風乾燥、
加熱乾燥、凍結乾燥、マイクロ波乾燥等による子実体の
乾燥物や、乾燥後に粉砕した乾燥粉体や、該乾燥粉体を
常法により顆粒化、カプセル化、錠剤化したものなどを
挙げることができるが、子実体中の血糖値上昇抑制及び
耐糖能改善効果を有する成分の収率向上、不活性化防
止、食品素材としての使用形態等の点で、子実体の乾燥
粉体、子実体の溶媒抽出物等が好ましい。乾燥粉体を調
製する場合の乾燥方法としては特に制限されるものでは
ないが、熱風乾燥機を用いる乾燥方法が経済的には優れ
ており、かかる熱風乾燥方法における乾燥温度としては
40〜90℃、特に60〜70℃で数時間加熱すること
が好ましく、この温度範囲で乾燥することにより、焦げ
臭の発生や、生鮮キノコ中に含まれる酵素の作用による
血糖値上昇抑制・耐糖能改善活性の低下を抑制すること
ができる。また、収穫した子実体をすぐに加工処理しな
い場合は、10℃以下の低温、例えば4〜5℃にて保存
することが好ましい。
【0022】本発明の糖尿病予防・改善剤は、空腹時血
糖値を低下させ、摂食直後の急激な血糖値の上昇を抑え
ることができ、血糖値上昇抑制や耐糖能の低下抑制など
の糖尿病予防・改善作用を有することから、糖尿病の予
防剤や症状改善剤として、さらに食品に添加配合するこ
とにより該食品を糖尿病予防・改善作用を有する機能性
食品とするための薬理組成物素材として、有利に用いる
ことができる。そして、本発明の糖尿病予防・改善剤
は、通常、乾燥子実体換算で100mg〜20g/kg
体重・日摂取することにより糖尿病予防・改善作用をも
たらすが、症状、性別、年齢等に応じて、摂取量は適宜
調整することができる。そしてまた、糖尿病の予防及び
/又は症状改善剤として用いる場合は、例えば製薬上一
般的に用いられている賦形剤と混合して通常経口投与剤
として用いることができる。
【0023】上記本発明の糖尿病予防・改善剤を含有す
ることを特徴とする本発明の糖尿病予防・改善作用を有
する機能性食品は、かかる糖尿病予防・改善剤を飲食品
原料の一部として用いたり、あるいは製造工程又は製造
後に添加・配合することにより得ることができる。かか
る機能性食品としては特に制限されるものではなく、ク
ッキー、パン、ケーキ、煎餅などの焼き菓子、ラムネ菓
子等などの錠菓、羊羹などの和菓子、プリン、ゼリー、
アイスクリーム類などの冷菓、チューインガム、キャン
ディ等の菓子類や、クラッカー、チップス等のスナック
類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉
ソーセージ等の魚肉練り製品や、チーズ、バターなどの
乳製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネー
ズ、甘味料等の調味類や、豆腐、こんにゃく、その他佃
煮、餃子、コロッケ、サラダ、スープ、シチュー等の各
種総菜や、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュー
ス、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロ
ン茶、スポーツ飲料等の各種飲料などを具体的に例示す
ることができる。例えば、ブナハリタケ子実体乾燥品を
微粉末化し、該微粉末を常法に従い打錠することにより
錠菓を製造することができ、この場合かかる微粉末を造
粒した後に打錠することもできる。また、ブナハリタケ
子実体乾燥品を微粉末化し、これに乳糖、デキストリ
ン、乾燥酵母等を配合したものを打錠することもでき
る。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を掲げてこの発明を更に具体
的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定
されるものではない。
【0025】実施例1[ブナハリタケの菌床栽培] ブナオガクズ380g、乾燥ビール粕37.5g、乾燥
おから37.5g、水道水545gを混合した計100
0gを、1.2kg用PP(ポリプロピレン)製袋に詰
めて培地を作製した。さらにこの袋にフィルターをはさ
んだポリプロピレン製キャップをして121℃、50分
加圧滅菌し、滅菌後の培地を冷却した後、ブナハリタケ
(FERM BP−6697)の種菌を接種し、暗所に
て温度23〜25℃、湿度60〜80%の条件で40日
間前培養を行い、次に中培養工程へ移行した。中培養工
程では、温度13〜15℃、湿度80〜95%、照度2
00ルックスの条件下で、30日間培養するとブナハリ
タケ原基が形成された。袋内に直径約3cm程度の原基
が認められる部分の袋部の1箇所を切り取り、次いで後
培養工程へ移行した。後培養工程では、温度13〜15
℃、湿度80〜95%、照度200ルックスの条件下
で、17日間培養すると1株のブナハリタケ子実体へと
成長した。得られたブナハリタケ子実体は232.5g
で、栽培に要した総日数は87日であった。
【0026】実施例2[ブナハリタケ子実体乾燥粉末の
調製] 上記菌床栽培にて得られたブナハリタケ子実体3kg
を、収穫後直ちに4℃にて最長1週間まで冷蔵保存して
おき、熱風乾燥機にて65℃で6時間乾燥処理を行い、
ブナハリタケ子実体乾燥品0.3kgを得た。ブナハリ
タケ子実体乾燥品は粉砕機を用いて粉砕し、ブナハリタ
ケ子実体乾燥粉末とした。
【0027】実施例3[1型糖尿病に対する効果] 1型糖尿病モデル動物の一種であるストレプトゾトシン
(STZ)糖尿病モデルラットを用いてブナハリタケ子
実体の糖尿病予防効果を次のようにして調べた。約4週
齢の雄のSDラットに65mg/kgのストレプトゾト
シンを腹腔内に投与し、糖尿病を誘発させた。1週間後
に高血糖、尿糖、多食、多飲を示したラットについて以
下の実験に供した。作製したSTZ糖尿病モデルラット
を1群8匹とし、基本食としてCRF−1(日本チャー
ルズリバー)を投与した基本食群と、基本食に5%とな
るように上記実施例2記載のブナハリタケ子実体乾燥粉
末を混合したブナハリタケ混合食群とに群分けした。こ
れらを室温23℃、12時間明暗サイクルにて飼料と水
を自由に摂取できる環境で4週間飼育した。飼育開始か
ら1週間毎に、20時間絶食後のラット尾静脈より採血
し、血糖値を測定した。さらに、0、2、4週目ではブ
ドウ糖負荷試験を行った。すなわち、20時間の絶食
後、2g/kgのブドウ糖をゾンデを用いて経口投与し
た。ブドウ糖投与前(0時間)、投与後0.5時間、1
時間、1.5時間、2時間後にそれぞれ尾静脈から採血
し血糖値を測定した。血糖値の測定はグルコースCII
−テストワコー(和光純薬株式会社)を用いて実施し
た。
【0028】試験期間中の空腹時血糖値の変化を表1
に、ブドウ糖負荷試験の結果を表2にそれぞれ示す。表
1からわかるように、基本食群と比較してブナハリタケ
混合食群では、空腹時血糖値の上昇が抑えられ試験終了
時に、血糖値は有意に低下していた。また、表2から、
試験開始時には2群間に差はないが、2週目、4週目で
はブドウ糖投与直後の血糖値の上昇が抑えられ、さらに
血糖値の回復も早く、従って、基本食群と比較してブナ
ハリタケ混合食群では、耐糖能が改善されていることが
わかる。以上のことからブナハリタケには1型糖尿病の
予防・改善効果があることが示された。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】実施例4[2型糖尿病に対する効果] 2型糖尿病モデル動物の一種であるKKAy糖尿病モデ
ルマウスを用い1型糖尿病と同様にブナハリタケ子実体
の効果を次のようにして調べた。KKAyマウスは、高
血糖を呈するKKマウスに肥満遺伝子Ayが導入され肥
満、高血糖を発現する2型糖尿病モデルマウスであり、
日本人の糖尿病発現に類似していることからモデル動物
として広く使われている。約4週齢の雄のKKAy/T
a Jclマウスを日本クレアから購入し、1週間の予
備飼育の後、1型糖尿病の試験と同様に1群8匹とし、
基本食群とブナハリタケ混合食群に群分けして試験を開
始した。マウスはケージに個別に入れて室温23℃、1
2時間明暗サイクルにて飼料と水を自由に摂取できる環
境で5週間飼育した。飼育開始から1週間毎に、5時間
絶食後のマウス眼底からキャピラリー採血管をもちいて
採血し、血糖値を測定した。さらに、飼育開始から5週
間後にブドウ糖負荷試験を行った。すなわち20時間絶
食した後、2g/kgのブドウ糖をゾンデを用いて経口
投与した。ブドウ糖投与前(0時間)、投与後0.5時
間、1時間、1.5時間、2時間後に眼底から採血し血
糖値を測定した。試験期間中の血糖値の変化を表3に示
す。基本食群と比較してブナハリタケ混合食群では、血
糖値は有意に低下しており、血糖値の上昇が抑えられて
いた。また、ブドウ糖負荷試験の結果を表4に示す。基
本食群と比較して、ブナハリタケ混合食群では、ブドウ
糖投与直後の血糖値の上昇が有意に抑えられ、さらに血
糖値の回復も早いことが確認された。以上のことからブ
ナハリタケには2型糖尿病の予防・改善効果があること
が示された。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】実施例5[筋細胞に対する効果] ラット骨格筋由来の筋芽細胞L6を用いてブナハリタケ
の筋細胞に対するグルコース取り込み促進効果を示し
た。試験に使用するL6細胞は大日本製薬株式会社から
購入した。L6細胞は、基本培地(10%FBSを含む
D−MEM培地)で炭酸ガスインキュベータを用いて3
7℃、5%CO2濃度下で培養した。増殖期にある細胞
を調製し、4×104個/mlとなるように基本培地に
懸濁した。これを24マルチウエル細胞培養用プレート
(ファルコン社製3046)に1mlずつ添加し、コン
ファレントになるまで培養した。コンファレントに増殖
した細胞の培地を分化誘導培地(2%FBSを含むD−
MEM培地)に交換し、分化を誘導した。その後、48
時間毎に分化誘導培地を用いて培地交換をおこない、4
〜5日後に多核筋管細胞を得た。
【0035】ブナハリタケ抽出物の調製は以下の通りに
行った。上記実施例2記載のブナハリタケ乾燥粉末0.
25gにヘキサン、ジエチルエーテル、アセトン、クロ
ロホルム、メタノール、エタノール、水をそれぞれ10
ml加え、一晩振とうした。熱水抽出は、ブナハリタケ
乾燥粉末0.25gに水10mlを加えオートクレーブ
をもちいて105℃、5分間加熱した。これら抽出液を
ろ紙でろ過し、ろ液を減圧乾固して、抽出物を得た。そ
れぞれの収量を表5に示す。ヘキサン、ジエチルエーテ
ル、アセトン、クロロホルム、メタノール、エタノール
抽出物は、ジメチルスルホオキサイド(DIMSO)
で、水、熱水抽出物は水で、それぞれ0.1g/mlと
なるように溶解し、抽出液とした。
【0036】
【表5】
【0037】分化誘導して得られた多核筋管細胞の培地
を、新鮮な分化誘導培地に交換した後、1μlのブナハ
リタケ抽出液をそれぞれ培地に加え、培養した。抽出液
添加48時間後に培地を取り出し、培地中のグルコース
量を測定した。培地中に残っているグルコース量を表6
に示す。培地中にブナハリタケ抽出物を添加していない
無添加と比較して、ジエチルエーテルとクロロホルム抽
出液で、有意にグルコース量の低下が観察された。従っ
て、ブナハリタケには筋組織においてグルコースの取り
込みを増加させ、血糖値を低下させる可能性が示され
た。
【0038】
【表6】
【0039】実施例6[脂肪細胞に対する効果] マウス脂肪組織由来の脂肪前駆細胞3T3L1細胞をも
ちいてブナハリタケの脂肪細胞に対するグルコース取り
込み促進効果を調べた。試験に使用する3T3L1細胞
は大日本製薬株式会社から購入した。3T3L1細胞
は、基本培地(10%FBSを含むD−MEM培地)で
炭酸ガスインキュベータをもちい37℃、5%CO2
度下で培養した。増殖期にある細胞を調製し、5×10
4個/mlとなるように基本培地に懸濁した。これを2
4マルチウエル細胞培養用プレートに1ml毎に添加
し、コンファレントになるまで培養した。コンファレン
トに増殖した細胞の培地を分化誘導培地(基本培地に
0.25μMのデキサメタゾン、0.5mMの1−メチ
ル−3−イソブチルキサンチン、10μg/mlのイン
スリンを含む培地)に交換し、分化を誘導した。48時
間後に成熟促進培地(基本培地に5μg/mlのインス
リンを含む培地)に交換し、その後48時間毎に成熟促
進培地の交換をおこない、4〜5日後に成熟した脂肪細
胞を得た。
【0040】成熟した脂肪細胞の培地を、新鮮な基本培
地に交換した後、実施例5で調製したブナハリタケ抽出
液1μlをそれぞれ培地に加え、培養した。抽出液添加
48時間後に培地を取り出し、培地中のグルコース量を
測定した。培地中に残っているグルコース量を表7に示
す。表7からわかるように、培地中にブナハリタケ抽出
物を添加していない無添加と比較して、ヘキサン、ジエ
チルエーテル、アセトン、クロロホルム、メタノール抽
出液で、有意にグルコース量の低下が観察された。従っ
て、ブナハリタケには脂肪組織においてグルコースの取
り込みを増加させ、血糖値を低下させる可能性が示され
た。
【0041】
【表7】
【0042】
【発明の効果】本発明の糖尿病予防・改善剤や糖尿病予
防・改善作用を有する機能性食品は、天然物であるキノ
コに由来し、安全性が高く、かつ1型糖尿病や2型糖尿
病に対する血糖値上昇抑制作用と耐糖能改善作用を有す
るので、本発明の抗腫瘍剤や腫瘍改善作用を有する機能
性食品を摂取することにより、糖尿病の予防効果や糖尿
病の治療効果が期待できる。また、子実体としてブナハ
リタケの人工栽培物を原料として利用することにより、
安価かつ品質の安定した糖尿病予防・改善剤を周年安定
的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半透明の栽培容器を用いて子実体を形成するブ
ナハリタケの菌床栽培方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ブナハリタケ栽培容器 2,2a ブナハリタケ原基 3 菌床 4 ブナハリタケ子実体 5 ブナハリタケ原基形成周辺箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/14 (C12N 1/14 G C12R 1:645) C12R 1:645)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エゾハリタケ科(Climacodontaceae)の
    キノコの子実体又はその処理物を有効成分とする糖尿病
    予防・改善剤。
  2. 【請求項2】 エゾハリタケ科(Climacodontaceae)の
    キノコが、ブナハリタケ属(Mycoleptodonoides)のキ
    ノコである請求項1記載の糖尿病予防・改善剤。
  3. 【請求項3】 ブナハリタケ属(Mycoleptodonoides)
    のキノコが、ブナハリタケ(Mycoleptodonoides aitchi
    sonii)である請求項2記載の糖尿病予防・改善剤。
  4. 【請求項4】 処理物が乾燥粉体である請求項1〜3の
    いずれか記載の糖尿病予防・改善剤。
  5. 【請求項5】 処理物が溶媒抽出物である請求項1〜3
    のいずれか記載の糖尿病予防・改善剤。
  6. 【請求項6】 ブナハリタケ子実体が人工栽培で得られ
    たブナハリタケ子実体であることを特徴とする請求項3
    〜5のいずれか記載の糖尿病予防・改善剤。
  7. 【請求項7】 人工栽培が菌床栽培であることを特徴と
    する請求項6記載の糖尿病予防・改善剤。
  8. 【請求項8】 菌床栽培が、保水体と乾燥おから及びビ
    ール粕のうち少なくとも一方を含む栽培用栄養源と水と
    を混合した培地を滅菌する滅菌工程と、滅菌した培地に
    ブナハリタケの種菌を接種する接種工程と、ブナハリタ
    ケの種菌が接種された培地を培養し、培地に菌糸が生育
    した菌床を得る前培養工程と、該菌床を培養し、子実体
    に成長しうる物理的空間に曝されていないブナハリタケ
    原基を得る中培養工程と、該子実体に成長しうる物理的
    空間に曝されていないブナハリタケ原基の中から選ばれ
    た原基を、ブナハリタケ原基が子実体に成長しうる物理
    的空間に曝される条件下で培養し、ブナハリタケ子実体
    を得る後培養工程からなることを特徴とする請求項7記
    載の糖尿病予防・改善剤。
  9. 【請求項9】 ブナハリタケ子実体が、ブナハリタケ
    (FERM BP−6697)の子実体であることを特
    徴とする請求項3〜8のいずれか記載の糖尿病予防・改
    善剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか記載の糖尿病
    予防・改善剤を含んでなる糖尿病予防・改善作用を有す
    る機能性食品。
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