JP2003081170A - 折畳み可能な車両 - Google Patents

折畳み可能な車両

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の折畳み可能車両は、折畳み操作が難か
しく、折畳みに時間が掛る。 【解決手段】 ボルト52を外し、クロスパイプ48を
外すと、後輪31を含めてスイングアーム28を上へ揺
動させることができ、矢印に従って想像線の位置まで折
返すことができる。このときに、想像線で示す後輪31
は左右のメインフレーム12L,12Rの間に進入し、
想像線で示すスイングアーム28は左のメインフレーム
12Lに接近する。すなわち、左のメインフレーム12
Lを下へ湾曲させることでスイングアーム28の収納ス
ペースを確保したといえる。 【効果】 後部フレームを上方へ揺動させることで、前
部フレームへ折畳むことができる。この際、前部フレー
ムは床等に置いたままで作業を行うことができるので、
折畳み作業が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は折畳み可能な車両の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】折畳み可能な軽車両は各種の形式の物が
提案されており、例えば特開昭52−137835号公
報「折りたたみ自転車」の第1図に走行可能状態の自転
車、そして第2図に折畳み状態の自転車が示されてい
る。
【0003】すなわち、第3図において、前方ケース1
へハンドル4及びホーク5(前輪6付き)を矢印の如く
折畳み、後方ケース2に係合部材9並びにサドル10を
矢印の如く折畳む。次に、前方ケース1を矢印の如く下
へ揺動させて後方ケース2に折畳むことで、第2図の形
態が完成するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電池及びモータを備え
た電動二輪車に上記公報の構造を適用しようとすると、
電池若しくはモータを備えた前方ケースを下へ揺動させ
て後方ケースに合せる、又は後方ケースを下へ揺動させ
て前方ケースに合せる、ことの何れかを実施しなければ
ならない。
【0005】しかし、前方ケースを揺動させる場合は後
方ケースを、後方ケースを揺動させる場合は前方ケース
を、揺動の間支えていなければならず、何れにしても下
方へ揺動させることは支持と揺動を同時に行わなければ
ならない。しかも、電池やモータは重量物であるため、
前記支持作業及び揺動作業は容易でない。
【0006】そこで、本発明の目的は容易に折畳むこと
のできる車両を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、前輪を支える前部フレームに、シート及
びこのシートを支えるシート支持部材からなるシート部
材を着脱可能に取付けると共にドライバーが膝で挟むニ
ーグリップ部材も着脱可能に取付け、前部フレームに後
輪を支える後部フレームを上方へ揺動可能に連結し、シ
ート部材及びニーグリップ部材を外した後の前部フレー
ムへ後部フレームを折畳めるようにしたことを特徴とす
る。
【0008】後部フレームを上方へ揺動させることで、
前部フレームへ折畳む。この際、前部フレームは床等に
置いたままで作業を行うことができるので、折畳み作業
が容易になる。
【0009】請求項2では、後部フレームはスイングア
ームであり、スイングアームのピボット軸を中心に前部
フレームへ折畳むことを特徴とする。
【0010】スイングアームは文字通り揺動部材である
ため、スイングアームを後部フレームに代用することに
より、後部フレームの構造簡略化が達成できる。
【0011】請求項3では、後輪は、そのホイール内に
駆動モータを備えることを特徴とする。
【0012】請求項1の車両は自転車、原動機付き車両
の何れでもよい。請求項3では、車両は原動機付き車両
とし、原動機を後輪に内蔵可能なホイールインモータと
した。これにより、前部フレームに原動機を備える必要
が無く、後輪が収納されるスペースを前部フレームに確
保し易くなる。
【0013】請求項4では、スイングアームは1本の部
材で構成し、これに片持ち形式で車軸を取付け、この車
軸に後輪を取付け、前部フレームはヘッドパイプから後
方へ延びる左右のメインフレームを備え、これらのうち
でスイングアーム側のメインフレームを下方へ湾曲形成
することにより、スイングアームの収納スペースを確保
したことを特徴とする。
【0014】前部フレーム側の一対のメインフレームの
うちの、一方を下方へ湾曲させ、折畳み時のスイングア
ームの収納スペースを確保した。この結果、折畳み寸法
のコンパクト、特に薄型化が達成できる。
【0015】請求項5ではニーグリップ部材は、前部フ
レームに後部フレームを折畳んだ後に、前部フレームに
元通りに取付けることができ、後部フレームを覆うカバ
ーの役割を果す部材でもあることを特徴とする。
【0016】前部フレームに後部フレームを折畳んだ後
に、前部フレームに二ーグリップ部材を元通りに取付け
る。二ーグリップ部材が化粧カバーの役割を果すため、
折畳み姿が見栄え良くなる。加えて、二ーグリップ部材
を別置きする場合に比べて、全体的なコンパクト化が図
れる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る走行可能状態の車両の
側面図であり、車両10は、ヘッドパイプ11から後方
へ左右一対のメインフレーム12L,12R(Lは運転
者から見て左、Rは同右を示す。以下同じ)を延ばし、
これらのメインフレーム12L,12Rの後端にピボッ
トフレーム13を渡してなる前部フレーム14を、カウ
リング16で囲い、このカウリング16の底にバッテリ
17を載せ、カウリング16にニーグリップ部材18を
上から取付け、このニーグリップ部材18にシート19
及びこのシート19を支えるシート支持部材21からな
るシート部材22を取付け、前記ヘッドパイプ11に操
向可能にフロントフォーク24を取付け、このフロント
フォーク24に前輪25を設けると共に上端にハンドル
グリップ26を備えたハンドルを設け、前記ピボットフ
レーム13にピボット軸27を介して後部フレームとし
てのスイングアーム28を上下揺動可能に取付け、この
スイングアーム28にホイールインモータ29(図10
参照)を介して後輪31を取付けてなる電動二輪車であ
る。
【0018】図中、32は制御箱、33は前ブレーキキ
ャリパー、34は同油圧チューブ、35は後ブレーキキ
ャリパー、36は同油圧チューブ、37L,37R(3
7Rは奥で見えず。)はステップブラケットである。
【0019】図2は本発明に係る車両の一部分解図であ
り、図1と同一部分は符号を流用して説明を省略す、特
徴部分を説明する(図3以降も同一)。クイックファス
ナ若しくはワンタッチビスと称する簡便な止め具38,
38を外すことで、カウリング16からニーグリップ部
材18を外すことができる。シート部材22はボルト若
しくはビス39を緩めることによりニーグリップ部材1
8から外すことができる。
【0020】なお、シート部材22はシート受け板41
及びステー42を芯材として有する。また、本例ではシ
ート部材22はニーグリップ部材18を介して前部フレ
ーム14に取付けたが、シート部材22は直接的に前部
フレーム14に取外し可能に取付けることもできる。
【0021】図3は本発明に係る車両の要部説明図であ
り、カウリング16を想像線で示すことでフレーム構造
を明瞭化した図である。まず、ヘッドパイプ11から延
びる右のメインフレーム12Rは、ピボットフレーム1
3の図面奥側の側面に結合させる。一方、左のメインフ
レーム12Lは下方へ湾曲させた後にピボットフレーム
13の図手前側の面に結合させる。
【0022】このようなピボットフレーム13の底に門
型ブラケット43を連結し、この門型ブラケット43の
底をカウリング16の底16aにボルト44,44にて
連結する。そして門型ブラケット43の前面に凸部45
を有する受け部材46を取付ける。この受け部材46は
車両の折畳み時に使用する。
【0023】今まで説明しなかったが、スイングアーム
28に必須のリヤクッション47は、ピボットフレーム
13の上部に設けたクロスパイプ48とリヤクッション
47の上面との間に介在させる。クロスパイプ48につ
いては次図で説明する。
【0024】図4は図3の要部斜視図であり、ピボット
フレーム13は、底部49とこの底部49の右端から立
上げた縦部51とからなる後面視L字形を呈する部材で
あり、縦部51の右側面に右のメインフレーム12Rを
結合し、底部49の左側面に左のメインフレーム12L
を結合したことを示す。そして、スイングアーム28は
一本の部材であり、これに後輪31を片持ち支持構造に
て取付けたことを示す。
【0025】さらに、ピボットフレーム13の縦部51
には、長いボルト52にてクロスパイプ48を取外し可
能に取付け、このクロスパイプ48をリヤクッション4
7の凹部53に合せることができる(図3のリヤクッシ
ョン47参照)。
【0026】ボルト52を外し、クロスパイプ48を外
すと、後輪31を含めてスイングアーム28を上へ揺動
させることができ、矢印に従って想像線の位置まで折返
すことができる。このときに、想像線で示す後輪31は
左右のメインフレーム12L,12Rの間に進入し、想
像線で示すスイングアーム28は左のメインフレーム1
2Lに接近する。すなわち、左のメインフレーム12L
を下へ湾曲させることでスイングアーム28の収納スペ
ースを確保できたといえる。
【0027】図5は本発明に係る車両の折畳み途中図で
あり、ニーグリップ部材18及びシート部材22を取外
し(図2参照)、更にシート部材22からテール部54
を外し、左右のステップブラケット37L,37Rを外
し、ボルト52及びクロスパイプ48を外した後に、ピ
ボット軸27を中心にしてスイングアーム28を上へ揺
動させ、図4に示す通りにスイングアーム28及び後輪
31を前部フレーム14へ折畳んだ状態を示す。加え
て、ハンドルグリップ26も外す。
【0028】図6は図5の補足図であり、スイングアー
ム28を一杯に揺動させたときに、スイングアーム28
に付属させたリヤクッション47の凹部53が、受け部
材46の凸部45に嵌合することを示す。以降、受け部
材46が後輪31及びスイングアーム28の支持部材と
なる。なお、リヤクッション47はゴムなどの弾性体で
あるから、スイングアーム28を折畳みのために早い速
度で揺動させても、柔らかく停止させることができる。
このため、折畳み操作に余り注意を払う必要はなく、折
畳み作業が容易になる。
【0029】図7は本発明に係る車両の折畳み途中図で
あり、カウリング16にニーグリップ部材18を被せ、
止め具38,38で止める。これで、後輪31は実質的
にニーグリップ部材18でカバーできるために、外観性
が高まる。併せて、一旦、取外したニーグリップ部材1
8の置き場所を心配する必要が無くなる。
【0030】図8は本発明に係る車両の折畳み状態を示
す図であり、例えば簡便な枠体56に、前輪25、カウ
リング16、ニーグリップ部材18、スイングアーム2
8及び後輪31を折畳み状態にしたもの(図7参照)を
収納し、外したハンドルグリップ26にシート部材22
を被せ、その脇にテール部54を置き、カウリング16
下方のスペースに、左右のステップブラケット37L,
37R及びボルト52、クロスパイプ48などの小物を
適宜、収納する。ハンドルグリップ26やステップブラ
ケット37L,37Rを外したので、枠体56の幅W
は、概ねナンバープレートの幅に抑えることができる。
【0031】図9は本発明に係る車両を四輪車両に搭載
した状態を示す斜視図であり、四輪車両70の車体を構
成するサイドボデー71に取付けたドア72内に車両1
0を収納した状態を示す。車両10は、前述したよう
に、ナンバープレートの幅内に車幅が収まるように各部
を折り畳んだものであるから、収納するスペースの幅を
小さくすることができ、ドア72を薄くすることができ
るから、四輪車両70の車室スペースを十分に確保する
ことができる。75は車両70の後壁である。
【0032】四輪車両70は、車体構成部材としてのパ
イプ材にて外形のみを構成したドア72及び車体構成部
材としての側壁73,74に、内部を透視可能な透明又
は半透明な外パネル材(ガラス等)としてのアウタパネ
ル76,77,78を備えたものであるため、四輪車両
70に搭載した車両10が外部から目視可能になり、折
り畳んだ車両10を搭載していることが一見してわかる
四輪車両70が特徴のあるデザインとなり、商品魅力を
向上させることができる上、積みおろし忘れなどの心配
もない。
【0033】図10は本発明に係る後輪の構造を示す断
面図(分解図)であり、後輪31は、車軸117を受け
るハブ部121と、このハブ部121から径外方に広が
るディスク部122と、このディスク部122の外周に
設けたリム部123とからなり、このリム部123にタ
イヤ124を装着した部材である。
【0034】ディスク部122は、リヤスイングアーム
28に面する側にドラムブレーキ126を構成するドラ
ム127を一体成形した部分である。なお、128は後
述するブレーキシューが当接する耐摩耗性を高めるため
にドラム127の内側にインサート成形した鋳鉄製ライ
ナ、131は回転磁石体112を嵌めるためにリム部1
23の内面に設けた磁石体嵌合部、132は固定用リン
グ113を嵌める環状溝、133・・・は回転磁石体11
2の回転方向の位置決めを行うための120゜ごと3本
の位置決めピンである。
【0035】後部フレーム14は、車軸117の周囲に
凸部135を設け、この凸部135にステータ115を
ボルト137・・・で取付け、また、凸部135でブレー
キパネル(ドラムブレーキ126の構成品である。)を
兼ねる部材である。即ち、凸部135は、ドラム127
の鋳鉄製ライナ128の内周面に当てるブレーキシュー
(不図示)のスイング軸となるブレーキシュー軸13
8,138(一方のブレーキシュー軸138は不図示)
と、ブレーキシューをドラム側に移動させるカム141
を一端に形成するとともに他端にブレーキ操作に伴って
スイングするアーム部材142を一体的に取付けたカム
軸143とを取付けた部分である。
【0036】すなわち、回転磁石体112及びステータ
115を要部として、図1で述べたホイールインモータ
29を構成した。
【0037】尚、車両10は、自転車、原動機付き車両
の何れでもよく、原動機はガソリンエンジン、電動モー
タの何れでもよく、要は折畳み可能な車両に本発明を適
用することができる。
【0038】また、実施例ではスイングアームを後部フ
レームに代用したが、スイングアームとは別のフレーム
を後部フレームとし、この後部フレームにスイングアー
ムを揺動自在に取付けると共に、この様な後部フレーム
を前部フレームに折畳み可能に取付けてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1によれば、後部フレームを上方へ揺動さ
せることで、前部フレームへ折畳むことができる。この
際、前部フレームは床等に置いたままで作業を行うこと
ができるので、折畳み作業が容易になる。
【0040】請求項2では、後部フレームはスイングア
ームとした。スイングアームは文字通り揺動部材である
ため、スイングアームを後部フレームに代用することに
より、後部フレームの構造簡略化が達成できる。
【0041】請求項3では、後輪は、そのホイール内に
駆動モータを備えることを特徴とし、後輪に内蔵するホ
イールインモータを採用した。これにより、前部フレー
ムに原動機を備える必要が無く、後輪が収納されるスペ
ースを前部フレームに確保し易くなる。
【0042】請求項4では、前部フレーム側の一対のメ
インフレームのうちの、一方を下方へ湾曲させ、折畳み
時のスイングアームの収納スペースを確保した。この結
果、折畳み寸法のコンパクト、特に薄型化が達成でき
る。
【0043】請求項5では、前部フレームに後部フレー
ムを折畳んだ後に、前部フレームに二ーグリップ部材を
元通りに取付けるようにした。二ーグリップ部材が化粧
カバーの役割を果すため、折畳み姿が見栄え良くなる。
加えて、二ーグリップ部材を別置きする場合に比べて、
全体的なコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走行可能状態の車両の側面図
【図2】本発明に係る車両の一部分解図
【図3】本発明に係る車両の要部説明図
【図4】図3の要部斜視図
【図5】本発明に係る車両の折畳み途中図
【図6】図5の補足図
【図7】本発明に係る車両の折畳み途中図
【図8】本発明に係る車両の折畳み状態を示す図
【図9】本発明に係る車両を四輪車両に搭載した状態を
示す斜視図
【図10】本発明に係る後輪の構造を示す断面図(分解
図)
【符号の説明】
10…車両、11…ヘッドパイプ、12L,12R…左
右一対のメインフレーム、13…ピボットフレーム、1
4…前部フレーム、18…ニーグリップ部材、19…シ
ート、21…シート支持部材、22…シート部材、24
…フロントフォーク、25…前輪、26…ハンドルグリ
ップ、27…ピボット軸、28…後部フレームとしての
スイングアーム、29…ホイールインモータ、31…後
輪。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪を支える前部フレームに、シート及
    びこのシートを支えるシート支持部材からなるシート部
    材を着脱可能に取付けると共にドライバーが膝で挟むニ
    ーグリップ部材も着脱可能に取付け、前部フレームに後
    輪を支える後部フレームを上方へ揺動可能に連結し、前
    記シート部材及びニーグリップ部材を外した後の前部フ
    レームへ後部フレームを折畳めるようにしたことを特徴
    とする折畳み可能な車両。
  2. 【請求項2】 前記後部フレームはスイングアームであ
    り、スイングアームのピボット軸を中心に前部フレーム
    へ折畳むことを特徴とする請求項1記載の折畳み可能な
    車両。
  3. 【請求項3】 前記後輪は、そのホイール内に駆動モー
    タを備えることを特徴とする請求項2記載の折畳み可能
    な車両。
  4. 【請求項4】 前記スイングアームは1本の部材で構成
    し、これに片持ち形式で車軸を取付け、この車軸に後輪
    を取付け、前記前部フレームはヘッドパイプから後方へ
    延びる左右のメインフレームを備え、これらのうちで前
    記スイングアーム側のメインフレームを下方へ湾曲形成
    することにより、スイングアームの収納スペースを確保
    したことを特徴とする請求項2記載の折畳み可能な車
    両。
  5. 【請求項5】 前記ニーグリップ部材は、前部フレーム
    に後部フレームを折畳んだ後に、前部フレームに元通り
    に取付けることができ、後部フレームを覆うカバーの役
    割を果す部材でもあることを特徴とする請求項1記載の
    折畳み可能な車両。
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