JP2003080860A - 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

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JP2003080860A JP2001277824A JP2001277824A JP2003080860A JP 2003080860 A JP2003080860 A JP 2003080860A JP 2001277824 A JP2001277824 A JP 2001277824A JP 2001277824 A JP2001277824 A JP 2001277824A JP 2003080860 A JP2003080860 A JP 2003080860A
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英司 木下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 文宇の印刷やベタ印刷がともに鮮明であり、
印刷の太さ斑がなく、さらに濃淡斑の出ない、耐久性に
優れ、かつ皺が無く感度の高い上に、極薄フィルムの生
産性が高く、加工作業性の優れた感熱孔版印刷原紙用フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からな
る厚さ0.2〜7μmの同時二軸延伸フィルムであっ
て、該フィルムをDSC測定したとき二つ以上の融解ピ
ーク(ショルダーを含む)が存在し、損失弾性率(測定
周波数:11Hz)の最も高温側のピーク温度(Te)
が60〜100℃であり、該フィルムの面配向係数が
0.120〜0.150の範囲にあり、かつフィルムの
配向角(θ)と100℃10分間熱処理後の収縮率
(S)の比が特定の条件を満たし、平均粒径が異なる2
種類の球状無機粒子を含有する感熱孔版印刷原紙用ポリ
エステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版印刷原紙用
ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは印刷感度が
高く、印刷文字図形の太さ斑、濃度斑がなく、鮮明な製
版、印刷が可能で極薄フィルムの生産性の高い感熱孔版
印刷原紙用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、キセノンフラッシュランプ、サー
マルヘッド、あるいは、レーザー光線等のパルス照射な
どによる熱を受けることにより穿孔製版される原紙を用
いた感熱孔版印刷が注目されている。この製版方法の原
理は、例えば特公昭41−7623号公報、特開昭55
−103957号公報、特開昭59−143679号公
報に記載されている。
【0003】従来、かかる感熱孔版印刷に用いる原紙と
して感熱孔版印刷原紙用フィルムに多孔性支持体を接着
剤又は熱によりラミネートしたものが使用されてきた。
例えば、感熱孔版印刷原紙用フィルムとしては塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン共重合体フィルムやポリプロピレン
フィルム、高結晶化ポリエチレンテレフタレートフィル
ムが使用され、多孔性支持体としては薄葉紙やポリエス
テル紗などが使用されてきた。
【0004】しかし、これらの感熱孔版印刷原紙用フィ
ルムには次のような問題があった。 (1)塩化ビニルや塩化ビニリデン共重合体フィルムを
用いた場合、印刷後の文字が鮮明に出ない。 (2)ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いた場合、文字の鮮明なものが得られるが、
べタ印刷(黒丸や黒四角(四角で中が塗りつぶされてい
るもの))のような記号又は図形でインキの付着面積の
大きいもの(以下、ベタ印刷と称する)は鮮明なものが
得られない。 (3)文字印刷やベタ印刷で印刷部分に濃淡が出る。 (4)部分的に文字の太さのムラを生じる。 (5)感度が悪く、黒色のうすい文宇等が出ない。
【0005】これらの問題を解消する為、特開昭62−
149496号公報では結晶融解エネルギーの小さいフ
ィルムの使用が、また特開昭62−282983公報で
は実質的に非晶質の熱可塑性樹脂からなる高熱収縮率
(100℃×10min、熱収縮率≧15%)フィルム
の使用が提案されている。
【0006】しかし、前者は、フィルムを製造する工程
中においてポリマーチップ乾燥時にブロッキングした
り、テンター式横延伸機のクリップに縦延伸フィルムエ
ッジが粘着したりする等の製造上の問題点があり、また
穿孔時軟化したポリマーがサーマルヘッドに付着しやす
く、連続製版した際、ポリマー付着物に起因した筋状の
白抜け斑が発生する等の印刷品質上の問題がある。
【0007】また、後者は、穿孔するために必要以上の
過大な熱エネルギーが加えられた場合、孔が過大に拡大
する傾向が大きく、ベタ印刷のような穿孔ドット密度が
高い印刷の際には穿孔された穴の周りの熱穿孔により変
形した残存ポリマーが多孔性支持体の目につまる為、黒
く印刷されるべき個所のところどころに白抜けが生じ、
印刷濃度が低下するという問題がある。さらにフィルム
面に、スティッキング防止コーティングをする際や、多
孔性支持体とフィルムを接着剤によりラミネートする際
に、溶剤によりフィルムが収縮する等の孔版原紙製造上
の問題がある。
【0008】これらの問題を解決するため、例えば特開
平3−39294号公報にはDSC昇温測定において二
つ以上の融解ピークを示すフィルムが提案され、実用に
供されているが、製品に皺が発生することが有り、本来
の感度が発揮できない問題が有る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解消し、文宇の印刷やベタ印刷がともに鮮明であ
り、印刷の太さ斑がなく、さらに濃淡斑の出ない、耐久
性に優れ、かつ皺が無く感度の高い上に、極薄フィルム
の生産性が高く、加工作業性の優れた感熱孔版印刷原紙
用フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱可
塑性ポリエステル樹脂組成物からなる厚さ0.2〜7μ
mの同時二軸延伸されたフィルムであって、該フィルム
をDSC測定したとき二つ以上の融解ピーク(ショルダ
ーを含む)が存在し、損失弾性率(測定周波数:11H
z)の最も高温側のピーク温度(Te)が60〜100
℃であり、該フィルムの面配向係数が0.120〜0.
150の範囲にあり、かつフィルムの配向角(θ)と1
00℃10分間熱処理後の収縮率(S)の比が下記式
(0)を満たし、かつ下記条件(1)〜(5)を全て満
足する平均粒径が異なる2種類の球状無機粒子(A)お
よび(B)を含有することを特徴とする感熱孔版印刷原
紙用ポリエステルフィルム; 0≦θ/S≦1.0…(0) 球状無機粒子AおよびBのアスペクト比(長径/短径)1.0〜1.2…(1) 球状無機粒子Aの平均粒径(RA):0・5〜3・0μm…(2) 球状無機粒子Bの平均粒径(RB):0・05〜0・6μm…(3) 球状無機粒子AおよびBの粒径比(RA/RB):1・5〜20…(4) 球状無機粒子AおよびBの粒径分布の標準偏差:0.5未満…(5) である。
【0011】また、本発明は好ましい態様として、フィ
ルムの引張弾性率が、長手方向および幅方向とも300
kg/mm2以上であり、球状無機粒子Aが球状シリカ
である態様、フィルムの引張弾性率が、長手方向および
幅方向とも300kg/mm 2以上であり、球状無機粒
子Bが球状シリカである態様、フィルムの引張弾性率
が、長手方向および幅方向とも300kg/mm2以上
であり、球状無機粒子AおよびBが球状シリカである態
様を含む。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明における感熱孔版印刷原紙とは、キ
セノンフラッシュランプ、サーマルヘッド、レーザー光
線などによる熱を受けることにより穿孔製版されるもの
で、感熱孔版印刷原紙用フィルムに多孔性支持体を貼り
合せたものである。
【0014】そして、この感熱孔版印刷原紙用フィルム
(以下、感熱フィルムと略すことがある)は、閃光照射
を受けた時やサーマルヘッドと感熱孔版印刷原紙用ポリ
エステルフィルムとが接触された時、被印刷原紙の文字
等の部分が穿孔される部分を形成する。
【0015】感熱フィルムの穿孔の過程は、下記の三段
階に分けることができる。 (1)サーマルヘッドとの接触、または電磁波(キセノ
ンフラッシュランプ光、レーザーパルス等)照射により
熱エネルギーが印加された部分が軟化・溶融し、孔のき
っかけができる。 (2)熱エネルギーが印加され、軟化した孔のきっかけ
の周囲のポリマーが拡散された熱エネルギーにより熱収
縮・流動し、孔を広げる。 (3)軟化したポリマーが熱収縮力により孔の周辺に引
き寄せられ、自然冷却・放熱により固化し、孔端部が形
成されることにより孔の形が維持される。
【0016】本発明の感熱フィルムは、DSCの昇温測
定において、2つ以上の融解ピークを有し、比較的低温
域に融解ピークをもつことにより、孔のきっかけをつく
りやすくし、高温側にも融解ピークをもつことにより、
孔の拡張及び孔の形状の維持を行ないやすくし、かつ面
配向係数を特定の範囲とすることで感熱フイルムとして
十分な機械的強度が得られる。
【0017】また動的粘弾性測定における損失弾性率の
ピーク温度と動的弾性率をより高くすることにより、皺
の発生及び高温保管時の感熱孔版マスターのカール発生
を防止し、安定的に高感度が得られる。また、平均粒径
の異なる2種類の球状シリカを添加することにより、滑
り性と感度を両立させることができる。
【0018】[熱可塑性ポリエステル]本発明において
使用される熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、加熱に
よって塑性流動を示すポリエステルで、化字構造的には
主として線状ポリマーであるが、これに低分子量のオリ
ゴマーが含まれたものであってもよい。
【0019】熱可塑性ポリエステル樹脂として代表的な
ものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート、ポリシクロヘキサンジメチルテレ(イソ)フタレ
ート、ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノ
キシ)エタン−4,4−ジカルボキシレート、ポリカー
ボネートなどが挙げられる。
【0020】本発明の場合、これらの熱可塑性ポリエス
テル樹脂のホモポリマーとそれらの共重合体とのブレン
ド組成物を用いることが好ましい。
【0021】本発明では、感熱孔版原紙用ポリエステル
フィルムの、面としてのマクロレベルでの熱的性質(D
SC挙動)と動力学的性質(動的粘弾性挙動)が重要で
あり、これが本発明の条件を満足するものであれば、ホ
モポリマー、交互共重合体、ランダム共重合体、相溶系
ポリマーブレンドのようなミクロレベルでも均一組成を
形成しているものは勿論のこと、ブロック共重合体、グ
ラフト共重合体、半相溶系・非相溶系ポリマーブレンド
のようなミクロレベルでみた場合、不均一組成を形成し
ているものから成っていてもよく、また層構成として単
層は勿論のこと、多層状(2層以上)のものでもよい。
【0022】面としてのマクロレベルでの熱的性質の均
一性は、少なくとも50μm四方以下、好ましくは30
μm四方以下、さらに好ましくは10μm四方以下の面
積の範囲で熱的性質が均一であることが望ましい。50
μm四方を超える範囲でしか熱的性質が均一とならない
場合、サーマルヘッドのドット毎に穿孔性が異なり、濃
淡斑が出やすくなる。
【0023】[厚み]本発明においては、感熱孔版印刷
原紙用ポリエステルフィルムの厚さは0.2〜7μmで
あることが必要であり、好ましくは0.5〜5μm、さ
らに好ましくは0.8〜3.5μmである。この厚みが
0.2μm未満のものでは多孔質支持体との貼り合せが
困難になり、印刷画像が不鮮明で濃淡斑が出やすく、か
つ耐刷性も低下する。一方、厚みが7μmを超えるもの
では穿孔感度が低く、印刷画像に欠落部分を生じ、太さ
斑となる。
【0024】[融解ピーク]本発明の感熱孔版印刷原紙
用ポリエステルフィルムは、示差走査熱量計(以下「D
SC」という)による測定において2つ以上の融解ピー
ク(ショルダーを含む)を示すことが必要である。
【0025】融解ピークのうち最も高温側の融解ピーク
温度Tmp(max)は好ましくは260℃以下、さら
に好ましくは250℃以下、特に好ましくは240℃以
下である。この温度が260℃より高いと、穿孔性が不
十分となり、感度の悪いものとなるため、好ましくな
い。
【0026】また、融解ピークのうち最も低温側の融解
ピーク温度Tmp(min)は好ましくは90℃以上、
さらに好ましくは100℃以上、特に好ましくは110
℃以上である。この温度が90℃より低いと、サーマル
ヘッドに穿孔時軟化したポリマーが付着しやすく、印刷
品質上に問題が生じることがあり、閃光照射による穿孔
の際、原稿に付着を生じるので、好ましくない。
【0027】上記2つ以上の融解ピークのうちの最も高
温側のピーク温度Tmp(max)と最も低温側の融解
ピーク温度Tmp(min)の差△Tmpは、好ましく
は10℃以上、さらに好ましくは20℃以上、特に好ま
しくは30℃以上である。この温度差が10℃未満であ
ると穿孔性が不十分となるため好ましくない。
【0028】[損失弾性率]本発明の感熱孔版印刷原紙
用ポリエステルフィルムは、動的粘弾性測定(測定周波
数11Hz)において、損失弾性率の最も高温側のピー
ク温度(Te)が60〜100℃であることを必要とす
る。ここで、動的粘弾性の測定は、ORIENTEC社
製RHEOVIBRON MODEL DDV−01F
Pを用い、試料の大きさは5×40mm、チャック間3
0mm、荷重2.0gf、測定周波数11Hz、測定温
度−10〜180℃、昇温速度3℃/分の条件で測定す
る。そして損失弾性率は、いずれもフィルムの縦方向と
横方向の値の平均値である。
【0029】Teが60℃未満ではフィルムの熱収縮が
比較的低温で発生し、多孔質支持体(例えば和紙)とフ
ィルムを貼り合せた製品を、比較的高温下(例えば夏季
日中の自動車内)に置くとカールが発生し、使用できな
くなる場合が有る。即ち製品の保存性が低下する。Te
が100℃を超えると、穿孔エネルギーが大きくなり、
感度が低下するとともに、製膜工程の温度設定を高くす
る必要を生じ、既存設備が対応できない場合がある。
【0030】また、このTeはポリマーに起因するとこ
ろが大きいが、フィルムの二軸配向の程度によっても影
響を受けるため、該フィルムの面配向係数が後述の範囲
とすることが好ましい。
【0031】[面配向係数]本発明の感熱孔版印刷原紙
用ポリエステルフィルムの面配向係数は、0.120〜
0.150の範囲にあることが必要である。面配向係数
が0.120未満であるとフィルムの厚み斑が悪くなり
結果として穿孔の斑を生じ、感度が悪いものとなる。ま
た、0.150を超えるフィルムは製膜が困難であり著
しく生産性が悪くなり、脆く裂けやすいフィルムとなる
ためハンドリングが困難である。
【0032】[配向角と熱収縮率]本発明の感熱孔版印
刷原紙用ポリエステルフィルムは、フィルムの配向角
(θ)と100℃10分間熱処理後の収縮率(S)の比
が下記式(0)を満たすことが必要である。 0≦θ/S≦1.0…(0) θ/Sが1.0を超えると、和紙と貼り合わせたあとの
マスターのカールが大きくなる。
【0033】本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステル
フィルムは、その配向角がフィルムのTD方向全幅で、
好ましくは10度以下。さらに好ましくは8度以下、特
に好ましくは5度以下である。配向角が10度を超える
と穿孔形状がMDとTD方向で等方化されず、印刷画像
が鮮明にならないので好ましくない。ここでいう配向角
はMD方向を基準とした配向角であり、フィルムの面内
のセンターから50mmずつTD方向に離れた箇所をサ
ンプリングして測定した全ての配向角についてあらわ
す。
【0034】本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステル
フィルムは、100℃10分間熱処理後の収縮率が縦方
向横方向共に12〜25%であることが好ましい。この
熱収縮率が12%未満では、製版感度が低くなるため実
用上問題を生じることがあり好ましくない。また熱収縮
率が25%を超えると孔の形状の維持が困難となり好ま
しくない。
【0035】[球状無機粒子]本発明の感熱孔版印刷原
紙用ポリエステルフィルムには滑り性を改良するため、
無機の添加滑剤粒子を含有させる必要がある。特に、本
発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムは、フ
ィルム厚さが薄いため、滑剤粒子の見掛け粒径が添加前
と製膜後で変化がなく、配向により表面粗さが変化し難
い球に近い形状の非凝集滑剤を用いることが必要であ
り、これらの条件を満足する球状無機粒子を滑剤として
用いることを必須要件とし、添加する球状無機粒子は粒
径の異なる2種類(AおよびB)であり、この球状無機
粒子Aおよび球状無機粒子Bは、以下の条件を全て満足
することが必要である。 球状無機粒子AおよびBのアスペクト比(長径/短径):1.0〜1.2…(1 )球状無機粒子Aの平均粒径(RA):0.5〜3.0μm…(2) 球状無機粒子Bの平均粒径(RB):0・05〜0・6μm…(3) 球状無機粒子AおよびBの粒径比(RA/RB):1.5〜20…(4) 球状無機粒子AおよびBの粒径分布の標準偏差:0.5未満…(5) 無機粒子の材質は、球状粒子の入手の容易さ、粒径調節
のし易さからシリカを選択するのがよい。シリカには凝
集粒子があるが、これは選ぶべきではない。
【0036】また、上記条件の好適な範囲を以下に記載
する。 平均粒径(RA):0・8〜2・4μm、さらに1・2
〜1・8μm 平均粒径(RB):0・05〜0・5μm、さらに0・
4〜1・0μm 球状シリカAおよびBの粒径分布の標準偏差:0.1未
満 粒子のアスペクト比(長径/短径)が1.2を超えるか
或いは1.0未満であると配向により滑り性が変化す
る。また、粒径分布の標準偏差が0.5を超えると感度
と滑り性即ち巻取り性の両立が困難となる。
【0037】平均粒径(RA)が3・0μmを超えると
感度低下を生じる上に製膜時に切断し易い。他方0.5
μm未満では滑り性が不足する。
【0038】平均粒径(RB)が0.05μm未満では
滑り性の改良効果が不足する。他方0.6μmを超える
と滑り性と感度の両立が困難となる。
【0039】粒径比(RA/RB)が20を超えるか或
いは1.5未満の場合は、感度と滑り性の両立が困難ど
なる。
【0040】球状無機粒子AおよびBの粒径分布の標準
偏差が0.5以上であると、フィルム中での粒子の分散
性が悪化し、未穿孔部分が生じやすくなる。
【0041】フィルム中の上記球状無機粒子の含有量は
合計量で0.01〜2重量%であることが好ましく、更
に0.1〜1.5重量%が好ましい。0.01重量%未
満では滑り性を改良することは困難であり、2重量%以
上ではフィルム製造に際して切断が多発し、安定に生産
することができない。
【0042】[弾性率]さらに本発明の感熱孔版印刷原
紙用ポリエステルフィルムは、引張弾性率が長手方向お
よび幅方向とも300kg/mm2以上、さらに320
kg/mm2以上であることが、孔版原紙の作業性、耐
刷性がより良好となり好ましい。
【0043】[添加剤]本発明の感熱フィルムには、閃
光照射する波長域に吸収ピークをもつ添加剤等を添加し
ても良い。多孔性支持体との接着性を向上させるため、
感熱フィルムの表面を、空気、炭酸ガス又は窒素ガス中
で、コロナ放電処理をしたものでも良い。
【0044】また、本発明の感熱フィルムに、潤滑剤、
界面活性剤を塗布又は練り込んだ場合、原紙との離形性
が改されるため、好適である。
【0045】[多孔性支持体]本発明の感熱孔版印刷原
紙用ポリエステルフィルムは多孔質支持体と貼り合せて
使用することができる。この多孔質支持体としては、特
に限定されないが、和紙、天具帖、合成繊維抄造紙、各
種織布、不織布などをその代表例として挙げることがで
きる。また、使用する多孔質支持体の坪量は、特に限定
されないが、通常は2〜20g/m2、好ましくは5〜
15g/m2程度のものが使用される。また、メッシュ
状シートを用いる場合は、20〜60μmの太さの繊維
を織ったものを使用するのが好ましく、また格子間隔が
20〜250μmのものを使用するのが好ましい。
【0046】本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステル
フィルムと多孔質支持体を貼り合せるのに使用される接
着剤としては、特に限定されないが、酢酸ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂をその代表例として挙げることができる。
【0047】[製造方法]本発明の感熱孔版原紙用ポリ
エステルフィルムは、同時二軸延伸されている必要があ
る。一軸延伸や未延伸のフィルムでは穿孔のムラを生
じ、印刷後も欠陥部分を生じる。逐次二軸延伸では2μ
m未満の感熱孔版に最適な厚みのフィルムの製膜におい
ては生産性が低下する。
【0048】同時二軸延伸機の縦方向の延伸機構には、
従来の方式であるスクリューの溝にクリップを乗せてク
リップ間隔を拡げていくスクリュー方式、パンタグラフ
を用いてクリップ間隔を拡げていくパンタグラフ方式が
ある。これ等には、製膜速度が遅いこと、延伸倍率等の
条件変更が容易でない等の問題があったが既にこのよう
な設備を所有する場合、これらの方法も本発明に用いる
ことができる。
【0049】他方、近年、リニアモーター方式の同時二
軸テンターが開発され、その製膜速度の高さ等から注目
を集めている。リニアモーター方式の同時二軸延伸で
は、これらの問題を一挙に解決できる。従って新規に同
時二軸延伸機を導入する場合にはこの方式の設備を使用
するのが好ましい。
【0050】また、同時二軸延伸では、逐次二軸延伸の
ように縦延伸ローラーを使用しないため、フィルム表面
の傷が少なくなるという長所がある。その他、逐次二軸
延伸ではポリエステル樹脂原料の場合、ベンゼン環又は
ナフタレン環の面がフィルム面と平行になりやすく、厚
み方向の屈折率nzが小さくなり、引裂き伝播抵抗が小
さく、層状剥離し易い。同時二軸延伸ではこれが改善さ
れる。
【0051】同時二軸延伸機には熱固定領域で縦弛緩で
きる構造のものがあり、150℃近辺の縦方向の熱収縮
率を加減できる。また、延伸中にボイドができにくいの
で熱伝導性が高く、そのため穿孔感度が高い。フィルム
と和紙を貼り合わせる際に収縮の小さいフィルムを得る
ことができる。70℃以下の熱収縮率を小さくできるの
でマスター(フィルムと和紙等を貼り合わせた印刷用原
紙)のカールが小さくできる。また、2μm以下の極薄
フィルムの生産において、逐次二軸延伸に比べ格段に安
定する。これらの特徴が孔版印刷原紙用フィルムへの要
求特性と合致するので、本発明においては同時二軸延伸
を実施する必要がある。
【0052】本発明でいう同時二軸延伸とは、フィルム
の縦方向、横方向に同時に配向を与えるための延伸であ
り、同時二軸延伸機を用い、フィルムの両端をクリップ
で把持しながら搬送して、縦方向および横方向に延伸す
る操作をいう。尚、ここで、フィルムの縦方向とはフィ
ルムの長手方向であり、横方向とはフィルムの幅方向で
ある。もちろん、縦方向と横方向の延伸が時間的に同時
に延伸されている部分があればよいのであって、従っ
て、横方向または縦方向に単独に先に延伸した後に、縦
方向と横方向とを同時に延伸する方法や、さらに同時二
軸延伸後に横方向または縦方向に単独に更に延伸する方
法なども本発明の範囲に含まれる。
【0053】本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステル
フィルムを製造するには、所定の不活性微粒子を含有さ
せた後、例えば通常の押出温度、すなわち融点(以下T
mと表す、多成分系の場合見かけの融点)以上(Tm+
90℃)以下の温度で溶融押出されたフィルム状溶融物
を回転冷却ドラムの表面で急冷し、未延伸フィルムを得
る。この工程でフィルム状溶融物と回転冷却ドラムの密
着性を高める目的で、フィルム状溶融物に静電荷を付与
する静電密着法が知られている。熱可塑性樹脂は一般に
溶融物の電気抵抗が高いため、上記静電密着が不十分で
ある場合がある。この対策として、本発明のフィルム用
樹脂がポリエステルの場合は、2官能性カルボン酸成分
に対し0.05〜40mmol%のエステル形成性官能
基を有するスルホン酸4級ホスホニウムを含有させるの
が好ましい。或るいは回転冷却ドラムの表面に水などの
液体を薄く塗布してもよい。
【0054】未延伸フィルムの端部と中央部の厚みの比
率(端部の厚み/中央部の厚み)は、望ましくは、1以
上、10以下であり、好ましくは1以上、5未満、さら
に好ましくは1以上、3未満である。前記厚みの比率が
1未満であるか、10を越えるとフィルム破れまたはク
リップ外れが多発するので好ましくない。
【0055】次いで、この未延伸フィルムを、同時二軸
延伸機に該フィルムの両端部をクリップで把持して導
き、予熱ゾーンで、(ポリエステルの場合Tg−10)
〜(Tg+70)℃に加熱し、一段階もしくは二段階以
上の多段階で、面積倍率10〜40倍の同時二軸延伸を
施し、続いて、(Tm−150)〜(Tm−30)℃の
温度範囲で定長熱固定を施した後、熱固定からの冷却過
程で、好ましくは50〜180℃の温度範囲で縦および
横方向に、好ましくは各方向に対して1〜10%の範囲
で弛緩処理を行う。その後、フィルムを室温まで、必要
なら縦および横方向に弛緩処理を施しながら、フィルム
を冷やして巻取り、目的とする同時二軸延伸フィルムを
得る。
【0056】尚、本発明では、フィルムの表面特性を付
与するため、例えば易接着性、易滑性、離型性、制電性
を付与するために、同時二軸延伸の前の工程で、熱可塑
性樹脂フィルムの表面に塗剤をコーティングすることも
好ましく行うことができる。
【0057】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、本発明における種々の物性値および特性
は以下の如く測定されたものであり、また定義される。 (1)融解ピーク温度Tmp(℃) (Tmp(mi
n)、Tmp(max)) フィルム10mgをTA Instruments T
hermal Analyst 2100型にセット
し、N2気流中で20℃/minの昇温速度で加熱し、
該フィルムの融解にともなう吸熱挙動を1次微分、2次
微分で解析し、ピークまたはショルダーを示す温度を決
定し、これを融解ピーク温度とする。
【0058】(2)フィルム厚さ(t) フィルムの厚さt(μm)は該フィルムの幅をW(c
m)、長さをL(cm)にサンプリングした時の重さを
G(g)、密度をd(g/cm3)としたとき、次式で
計算して求める。 t=10000G/(W・L・d)
【0059】(3)固有粘度([η]) o−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した値であり、単位は100cc/gである。
【0060】(4)面配向係数 フィルムの縦方向の屈折率(NMD)と横方向の屈折率
(NTD)、また厚み方向の屈折率(Nz)を求め下記式
により求める。 面配向係数=(NMD+NTD)/2−Nz なお、屈折率の測定は、アッベの屈折計を用いた。
【0061】(5)引張弾性率(ヤング率) フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして引張速度10mm/分、チャー
ト速度100mm/分でインストロンタイプの万能引張
試験装置にて引張り、得られた荷重−伸び曲線の立ち上
がり部の接線より引張弾性率(ヤング率)を計算して求
める。
【0062】(6)文字印刷の評価 (6−1)文宇の鮮明さの評価 JIS第1水準の文字を、文字サイズ3.0mm□の原
稿とし、ポリエステル紗でできた多孔性支持体と感熱フ
ィルム(実施例、比較例も同様にして)とを貼り合せた
ものを、閃光照射方式として「RISO名刺ごっこ”製
版・印刷機(理想科字工業(株)製)」を用いて、サー
マルヘッド穿孔方式として「デジタル印刷機PRIPO
RT SS950(リコー(株)製)」を用いて製版
し、印刷したものを、肉眼観察し下記の基準で評価す
る。尚、最終的評価は、各実施例・比較例とも、閃光照
射穿孔方式とサーマルヘッド穿孔方式のうち、評価結果
の悪い方を示す。 A:原稿と同様に見えるもの B:原稿と異なり線が部分的に切れたりくっついたりし
ているが判読は可能なもの C:ほとんど判読が出来ない状態まで切れたり、ついた
りしているもの
【0063】(6−2)文字の欠落の評価 (6−1)と同様の製版、印励を行い、文宇の欠け方を
評価し、下記の基準で評価する。 ○:欠落のないもの △:完全な欠落状態ではないが、わずかに(判読可能な
範囲で)欠落が認められるもの ×:明らかに欠けた部分のあるもので使用不能なもの
【0064】(6−3)文字の太さ斑の評価 (6−1)と同様の製版、印刷機を用いて、文字サイズ
4.0mm□の文字を印刷し、その印刷状態を内眼観察
し、下記の基準で評価する。 ○:太さ斑がなく外観が良いもので使用可能なもの ×:原稿の文宇に比べ、明らかに文字の太さ斑があり外
観が悪く使えないもの
【0065】(6−4)文宇の太さの評価 (6−3)と同じ方法で製版、印刷し、文字の太さの変
化について、肉眼観察し、下記の基準で評価する。 ○:太さの変化のないもの △:わずかに太くなったり、細くなったりしているが使
用可能なもの ×:原稿の文字の太さと比較し、明らかに太くなった
り、細くなったりしていて使用できないもの
【0066】(7)ベタ印刷の評価 (7−1)ベタ印刷の鮮明さの評価 1〜5mmφの黒丸(丸で中が黒くぬりつぶされたも
の)を原稿として用いて、前述の(6−1)と同様の製
版、印刷したものを下記の基準で評価する。原稿のサイ
ズを基準として、その輪郭の部分的な凹凸で判定した結
果、 ○:70μm以下の凹凸のものを鮮明なもの △:○と×の中間のもので方法によっては使用可能なも
の ×:原稿のサイズより250μm以上凹凸ができ、外観
が悪く不鮮明なもの
【0067】(7−2)ベタ印刷の原稿サイズとの対応
性 (7−1)と同様に印刷し、全方向(0°と180°、
45°と225°、90°と270°、135°と31
5°の位置で)のサイズを測定し、原稿のサイズと差の
絶対値を求めて下記の基準で評価する。 ○:70μm以下 △:70μmを超えて550μm未満(用途によっては
使用可能なもの) ×:550μm以上
【0068】(7−3)ベタ印刷の濃淡斑の評価 (7−1)と同様に印刷し、ベタ印刷の濃淡の斑がある
か、ないかを肉眼観察し、下記の基準で評価する。 ○:濃淡斑のないもの ×:濃淡斑のあるもの
【0069】(8)感度の評価 鉛筆硬度が5H、4H、3H、2H及びHの5種類を用
意し、押付け圧170gで文字を書いたものを原稿と
し、この原稿を用いて、その文字が判読できる最も硬度
の高い鉛筆硬度で評価した。5Hで書いた最も淡色の字
が判読できるものが最も高感度であり、より濃色の鉛筆
で書いた文字しか判読できないもの程低感度であると判
定する。
【0070】(9)耐久性の評価 前述の印刷機で感熱フィルムが破損するまでに刷れる枚
数(以下、耐刷枚教という。)で表す。
【0071】(10)損失弾性率のピーク温度 ORIENTEC社製RHEOVIBRON MODE
L DDV−01FPを用い、試料の大きさは5×40
mm、チャック間30mm、荷重2.0gf、測定周波
数11Hz、測定温度−10〜180℃、昇温速度3℃
/分の条件で測定する。そして損失弾性率は、いずれも
フィルムの縦方向と横方向の値の平均値で表すものとす
る。
【0072】(11)配向角 配向角はMD方向を基準とした配向角であり、フィルム
の面内のセンターから50mmずつTD方向に離れた箇所
をサンプリングして測定した全ての配向角についてあら
わす。
【0073】(12)100℃10分熱収縮率 フイルム試料の大きさ350mm×350mmのものの
縦および横方向につき中央部に300mmの距離をおい
て標点を付け、所定温度150℃に設定したテスター産
業製 熱風式恒温槽内に試料10枚を無緊張下に吊下
げ、30分間保持後取り出し、標点間の距離を再び測定
し、熱収縮率を下記の式により算出し、n=10の平均
値で表す。 熱収縮率=(L0−L)/L0×100 (但し、L0:原長(標点間の距離300mm)、L:
試験後の長さ(単位・mm))
【0074】(13)皺の評価 試料を二つに分け、一つは通常の方法でポリエステル紗
と貼り合せ、他の一つはA4版が採れる程度の狭幅にス
リットし、両端を幅出しローラーでニップするなどして
皺を極力入らないように入念にポリエステル紗と貼り合
せた。両者の感度評価を比較し、下記の基準で評価す
る。 ◎:差が無いもの ○:差が1H以下 △:差が2H ×:差が3H以上
【0075】(14)カール評価 試料をA4版が採れる程度の狭幅にスリットし、両端を
幅出しローラーでニップするなどして皺を極力入らない
ように入念にポリエステル紗と貼り合せる。その後サン
プルを、60℃×50%RH×3日径時後、サンプルを
次のように判断する。 ○:実用上可能なレベル ×:実用上不可能なレベル
【0076】(15)滑剤粒子の評価 (15−1)平均粒径 粒子表面に金属を蒸着してのち電子顕微鏡にて例えば1
万〜3万倍に拡大した像から面積円相当径を求め、次式
により算出する。平均粒径=測定粒子の面積円相当径の
総和/測定粒子の数
【0077】(15−2)粒径比 (15−1)において拡大像から長径および短径を求
め、次式により算出する。 粒径比=粒子の平均長径/粒子の平均短径
【0078】(15−3)粒径分布の相対標準偏差 (15−1)の測定値から次式により算出する。
【0079】
【数1】
【0080】上記式中、diは個々の粒子の面積円相当
径(μm)、Dは面積円相当径の平均値(μm)、nは
粒子の個数をそれぞれ表す。
【0081】(16)巻取り性 スリット時の巻取り条件を最適化後、幅1130mm、
長さ20000mの寸法で10ロールのスリットを実施
し、1週間放置後の、フィルムしわや巻姿の角張りの発
生状況による製品化可能ロール本数によって、以下の基
準によって巻取り性を評価する。 ◎:製品化可能ロール本数が9本以上 ○:製品化可能ロール本数が7〜8本 ×:製品化可能ロール本数が4〜6本 ××:製品化可能ロール本数が3本未満
【0082】(17)製膜性 フィルムを24時間連続で製膜したときのフィルムの製
膜状態を観察し、次の基準で評価する。 ◎:破断回数は0回/24時間であり、極めて安定な製
膜が可能 ○:破断回数は1〜3回/24時間であり、安定な製膜
が可能 ×:破断回数は4回以上/24時間であり、製膜が不安
【0083】[実施例1〜5、比較例1〜7]熱可塑性
ポリエステル樹脂原料として下記ポリマーを表1に示す
ように混合して用いた。 (a) ポリエチレンテレフタレート(固有粘度;0.6
5、PETと略記する) (b) ポリブチレンテレフタレート(固有粘度;1.1
0、PBTと略記する) (c) ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート(固有粘度;0.65、PENと略記する) (d) 2,6−ナフタレンジカルボン酸が6、12、18
mol%の割合で共重合されたポリエチレンテレフタレ
ート共重合体(固有粘度;それぞれ0.65、PET/
NDC6、PET/NDC12、PET/NDC18、
とそれぞれ略記する) (e) イソフタル酸が12、24mol%の割合でそれぞ
れ共重合されたポリエチレンテレフタレート共重合体
(固有粘度;それぞれ0.65、PET/I12、PE
T/I24とそれぞれ略記する) (f) ポリヘキサメチレンテレフタレート(固有粘度;
1.30、PHMTと略記する) 上記原料の重合時に表1に記載の無機滑剤を合計0.5
重量%添加して十分乾燥した後、押出機に供給し、使用
した樹脂組成に適した温度を245〜310℃から選択
して溶融押出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度
20℃のキャスティングドラムにて冷却固化し、未延伸
フィルムを作った。
【0084】この未延伸フィルムを、表2の条件にて二
軸延伸を施した後、一旦冷却した後70〜100℃で2
%弛緩しつつ熱処理を施した。
【0085】このようにして得られた厚さ1.5μmの
二軸延伸フィルムをポリエステル紗(ポリエチレンテレ
フタレート繊維よりなる)と貼り合わせ、製版・印刷機
にかけ評価した。その結果を表2、表3に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷原紙用ポリエステ
ルフィルムは、次のような優れた作用効果を発現する。
すなわち、該フィルムを用いた原紙は、(1)文字およ
びベタ印刷のいずれにも鮮明な製版、印刷が可能であ
る、(2)文字およびベタ印刷で太さ斑、濃淡斑のない
製版、印刷が可能である、(3)感度が著しく高い、
(4)皺が無く、安定して高感度を得られる、等の特徴
を有する。
【0090】また、2μm以下の極薄原反フィルムの生
産性が優れており、巻き姿が良好で印刷原紙への加工性
が優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 岡田 真一郎 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 2H114 AB23 AB25 BA01 DA47 DA56 DA57 EA02 EA05 GA34 GA38 4F071 AA43 AA87 AB26 AE11 AF20 AF43 AH19 4F210 AA24 AG01 AH81 AR06 AR12 QA02 QC07 QG01 QW12 4J002 CF061 DJ016 DJ017 FA086 FA087 FD176 FD177 GA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からな
    る厚さ0.2〜7μmの同時二軸延伸されたフィルムで
    あって、該フィルムをDSC測定したとき二つ以上の融
    解ピーク(ショルダーを含む)が存在し、損失弾性率
    (測定周波数:11Hz)の最も高温側のピーク温度
    (Te)が60〜100℃であり、該フィルムの面配向
    係数が0.120〜0.150の範囲にあり、かつフィ
    ルムの配向角(θ)と100℃10分間熱処理後の収縮
    率(S)の比が下記式(0)を満たし、かつ下記条件
    (1)〜(5)を全て満足する平均粒径が異なる2種類
    の球状無機粒子(A)および(B)を含有することを特
    徴とする感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。 0≦θ/S≦1.0…(0) 球状無機粒子AおよびBのアスペクト比(長径/短径)1.0〜1.2…(1) 球状無機粒子Aの平均粒径(RA):0・5〜3・0μm…(2) 球状無機粒子Bの平均粒径(RB):0・05〜0・6μm…(3) 球状無機粒子AおよびBの粒径比(RA/RB):1・5〜20…(4) 球状無機粒子AおよびBの粒径分布の標準偏差:0.5未満…(5)
  2. 【請求項2】 フィルムの引張弾性率が、長手方向およ
    び幅方向とも300kg/mm2以上であり、球状無機
    粒子Aが球状シリカである請求項1記載の感熱孔版印刷
    原紙用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの引張弾性率が、長手方向およ
    び幅方向とも300kg/mm2以上であり、球状無機
    粒子Bが球状シリカである請求項1記載の感熱孔版印刷
    原紙用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルムの引張弾性率が、長手方向およ
    び幅方向とも300kg/mm2以上であり、球状無機
    粒子AおよびBが共に球状シリカである請求項1記載の
    感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
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