JP2003080594A - 二軸延伸芳香族ポリアミドフィルムの製造方法 - Google Patents

二軸延伸芳香族ポリアミドフィルムの製造方法

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JP2003080594A JP2001278332A JP2001278332A JP2003080594A JP 2003080594 A JP2003080594 A JP 2003080594A JP 2001278332 A JP2001278332 A JP 2001278332A JP 2001278332 A JP2001278332 A JP 2001278332A JP 2003080594 A JP2003080594 A JP 2003080594A
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stretching
polyamide film
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Kenta Nishihara
健太 西原
Masanori Sueoka
雅則 末岡
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の溶媒含有率と延伸倍率を採用した同時
二軸延伸法を用いることにより、引張強度、寸法安定
性、表面無欠点性などの特性がすぐれた二軸延伸芳香族
ポリアミドフィルムを得ること、かつ、芳香族ポリアミ
ドフィルムの延伸工程におけるフィルムの切断を防止
し、生産性を向上できる製造方法を提供すること。 【解決手段】 溶媒の含有量が5重量%未満である、芳
香族ポリアミドを含む重合体シートを、1.5〜4.5
倍の面倍率で長手方向と幅方向とに同時に連続延伸す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体のベ
ースフィルムやフレキシブルプリント基板、感熱転写リ
ボン、コンデンサなどに好適に使用できる二軸延伸ポリ
アミドフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸芳香族ポリアミドフィルムの製
造方法は、一般にロールによる縦延伸を行った後に横延
伸する逐次二軸延伸法が用いられている。しかしなが
ら、この方法では、ネックダウンが発生するため横方向
の厚み斑が悪いなどの問題があり、必ずしも満足できる
特性を有するフィルムを得ることが困難であった。
【0003】そこで、これらを解決するためにロール延
伸を行わない同時二軸延伸法を採用することが考えられ
たが、この方法は、逐次二軸延伸法に比べて機構が複雑
であるため、延伸工程において、製造条件によってはフ
ィルムの切断が発生して操業性を損ねてしまうことがあ
った。また、芳香族ポリアミドフィルムは一般に溶液製
膜法がとられるため、同時二軸延伸法を採用すると、延
伸と乾燥とが同時に進行し、各種物性の斑が生じやす
く、この斑がフィルムの切断につながることもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題を解決し、寸法安定性や表面無欠点性などの特
性に優れ、かつ、同時二軸延伸法を用いた場合でも、延
伸工程におけるフィルムの切断を防止できるとともに、
各特性の斑を低減できる二軸延伸芳香族ポリアミドフィ
ルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、溶媒の含
有量が5重量%未満である、芳香族ポリアミドを含む重
合体シートを、1.5〜4.5倍の面倍率で長手方向と
幅方向とに同時に連続延伸する二軸延伸芳香族ポリアミ
ドフィルムの製造方法によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用される芳香族ポリア
ミドとしては、次の式(1)及び/又は式(2)で表さ
れる繰り返し単位を有するものが好適である。 式(1):
【0007】
【化1】 式(2):
【0008】
【化2】 ここで、Ar1、Ar2、Ar3の基としては、例えば、
【0009】
【化3】 等が挙げられ、X、Yの基は、−O−、−CH2−、−
CO−、−CO2−、−S−、−SO2−、−C(C
32−等から選択することができる。
【0010】更に、これらの芳香環上の水素原子の一部
が、フッ素や臭素、塩素等のハロゲン基(特に塩素)、
ニトロ基、メチルやエチル、プロピル等のアルキル基
(特にメチル基)、メトキシやエトキシ、プロポキシ等
のアルコキシ基等の置換基で置換されているものが、吸
湿率を低下させ湿度変化による寸法変化が小さくなるた
め好ましい。また、重合体を構成するアミド結合中の水
素が他の置換基によって置換されていてもよい。本発明
に用いられる芳香族ポリアミドは、上記の芳香環がパラ
配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以
上、より好ましくは90モル%以上を占めていることが
好ましい。ここでいうパラ配向性とは、芳香核上主鎖を
構成する2価の結合手が互いに同軸または平行にある状
態をいう。このパラ配向性が80モル%未満の場合、フ
ィルムの剛性および耐熱性が不十分となる場合がある。
更に、芳香族ポリアミドが式(3)で表される繰り返し
単位を60モル%以上含有する場合、延伸性及びフィル
ム物性が特に優れることから好ましい。 式(3):
【0011】
【化4】 次に本発明のフィルムの製造方法について、以下説明す
る。
【0012】芳香族ポリアミドを、例えば酸クロリドと
ジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの非プ
ロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体
を使用する界面重合などで合成する。単量体として酸ク
ロリドとジアミンを使用するとポリマ溶液中で塩化水素
が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和
剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤を使用する
とよい。また、イソシアネートとカルボン酸との反応か
ら芳香族ポリアミドを得る場合には、非プロトン性有機
極性溶媒中、触媒の存在下で行うことができる。
【0013】本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得る
ためにはポリマの固有粘度ηinh(ポリマ0.5gを9
8重量%硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定
した値)は、0.5(dl/g)以上であることがフィ
ルムにした時の伸度が高くなるので好ましい。
【0014】粒子を添加する場合の添加方法としては、
粒子を予め溶媒中に十分スラリー化してスラリー液とし
た後、このスラリー液を重合用溶媒または希釈用溶媒と
して使用する方法や、製膜原液を調製した後に粒子を直
接添加する方法などがある。
【0015】製膜原液には溶解助剤として無機塩、例え
ば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、
硝酸リチウムなどを添加する場合もある。また、製膜原
液としては、中和後のポリマー溶液をそのまま用いても
よいし、一旦、ポリマーを単離後、溶剤に再溶解したも
のを用いてもよい。溶剤としては、取り扱いやすいこと
からN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒が好ましい
が、濃硫酸、濃硝酸、ポリリン酸等の強酸性溶媒を用い
てもかまわない。製膜原液中のポリマー濃度は2〜40
重量%程度が好ましい。
【0016】上記のようにして調製された製膜原液は、
いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行われる。溶液
製膜法には乾湿式法、湿式法などがあり、いずれの方法
で製膜しても差し支えないが、フィルムの表面性が良く
なることから乾湿式法がより好ましい。
【0017】乾湿式法で製膜する場合、製膜原液を口金
からドラムやエンドレスベルト等の支持体上に押し出し
て薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ、
支持体から剥離可能なフィルムを得る。
【0018】乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥
離されて次の湿式工程の湿式浴に導入され、脱塩、脱溶
媒が行なわれる。湿式浴組成は、ポリマーに対する貧溶
媒であれば特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒
/水の混合系を用いるのが、経済性、取扱いの容易さか
ら好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていて
もよい。
【0019】この際、フィルム中の不純物を減少させる
ために、浴組成は有機媒/水=70/30〜20/8
0、浴温度40℃以上であることが好ましい。さらに、
最後に40℃以上の水浴に通すことが有効である。
【0020】湿式工程を通ったフィルムは、続いて、同
時二軸延伸工程に導入される。ここで用いられるテンタ
ーは長手方向と幅方向とに自在にその間隔を制御しうる
クリップ群を備えており、縦延伸を長手方向クリップ間
隔の拡大で、横延伸をクリップが走行するレールの幅の
拡大で制御し、それぞれを同時に行うことで同時二軸延
伸を実現するものである。もちろん、ブロー延伸などに
より同時二軸延伸を行ってもよいが、以下、より延伸制
御の容易なクリップを用いた同時二軸延伸法について説
明する。
【0021】まず、テンター入り口でシートの両端をク
リップで把持し、テンター内の乾燥ゾーンに導入する。
ここで重要なことは、延伸を行う前にシートの溶媒含有
量が5重量%未満になるまで乾燥させることである。溶
媒含有量が5重量%以上の状態で延伸工程に入ると、乾
燥と延伸とが急速に同時に行われることになり、物性に
斑が生じたり、延伸工程中にシート(フィルム)が破断
しやすくなる。この溶媒含有量は少ない方がより好まし
く、0%付近まで完全に乾燥させることが望ましい。
【0022】また、上記の同時二軸延伸は、その面倍率
が1.5〜4.5となるように制御することも重要であ
る(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィル
ムの面積で除した値をいう)。この面倍率は、より好ま
しくは2〜4である。面倍率が1.5未満の場合は、フ
ィルムの弾性率が低くなる傾向があり、また、4.5よ
りも高い場合は、フィルムが脆くなってしまい実用的で
ない。
【0023】また、縦方向の倍率をEMD、横方向の倍率
をETDとしたとき、0.5≦EMD/ETD≦2を満足する
ように連続延伸することが好ましい。延伸倍率の比が上
記を満足しない場合、フィルム物性の縦と横とのバラン
スが悪くなり破断しやすくなる。
【0024】なお、本発明のフィルムは、積層フィルム
であってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香
族ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加
した後、積層する方法が一つの例として挙げられる。さ
らに3層以上の場合も同様である。これら積層の方法と
しては、たとえば、口金内での積層、複合管での積層
や、一旦1層を形成しておいて、その上に他の層を形成
する方法などがある。
【0025】次に、本発明の製造法によって得られる芳
香族ポリアミドフィルムの物性について説明する。
【0026】本発明の製造法によって得られる芳香族ポ
リアミドフィルムは少なくとも一方向の引張弾性率が7
GPa以上であることが好ましい。引張弾性率が7GP
a以上であると薄膜化しても取り扱いやすく、磁気記録
媒体とした場合にヘッドタッチが良好であり、電磁変換
特性が良好となる。また、引張弾性率が7GPa未満で
あると磁気テープとしての走行性が悪化する場合があ
る。フィルムの長手方向、幅方向共に、より好ましくは
すべての方向で8GPa以上であるとより好ましく、1
0GPa以上であると更に好ましい。
【0027】本発明のフィルムには、フィルムに滑り性
を付与するために粒子を含有させてもよい。含有される
粒子の粒径および含有量は用途により適宜選択されるべ
きであるが、その平均一次粒径は0.001〜2μmで
あることが好ましい。また、フィルムに含有される粒子
の含有量は0.001〜5wt%であることが好まし
く、さらに好ましくは0.05〜3wt%である。粒子
の粒径、含有量が上記の範囲より大きい、または多いと
磁気テープとしたときにはテープと磁気ヘッドとの密着
性や電磁変換特性が悪化しやすい。粒子の粒径、含有量
が上記範囲より小さい、または少ないとフィルムの走行
性が悪化しやすく、耐久性に劣る傾向がある。粒子の種
類としては、SiO2、TiO2、Al23、CaS
4、BaSO4、CaCO3、カーボンブラック、ゼオ
ライト、その他の金属微粉末などの無機粒子や、シリコ
ン粒子、ポリイミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポリ
スチレン粒子、テフロン(登録商標)粒子などの有機高
分子などが挙げられる。フィルムに滑り性を付与する手
法としては、粒子を添加する方法の他に、基材ポリマー
にPES(ポリエーテルスルホン)などの異種ポリマー
をブレンドし、この異種ポリマーを製膜工程中で突起形
成させる方法も用いることができる。
【0028】フィルムの表面粗さは、用途により適切な
設計がなされるべきであるが、磁気記録用途としてはR
pで2〜500nm、より好ましくは3〜300nm、
Raで0.1〜100nm、より好ましくは0.2〜5
0nm、Rzで2〜500nm、より好ましくは3〜4
00nmである。Rp、Ra、Rzの測定方法は、小坂
研究所製の薄膜段差測定器(ET−10)を用い、触針
先端半径0.5μm、触針荷重5mg、カットオフ値
0.08mm、測定長0.5mmの条件で5回測定し、
その平均である。
【0029】本発明におけるフィルムの吸湿率は3.5
%以下であることが好ましく、2.5%以下であること
がより好ましい。吸湿率が3.5%を超えると湿度変化
に対する寸法安定性が悪化し易く、カールやしわなどが
生じて平面性悪化を招いたり、磁気テープの電磁変換特
性が悪化することがある。吸湿率の測定方法はフィルム
を200℃で1時間乾燥後の絶乾状態の重量をW0 と
し、該フィルムを20℃、相対湿度75%中で48時間
吸湿後の重量をW1 として(W1−W0)/W0 に1
00を乗じた値で吸湿率(%)を表した。
【0030】本発明により得られるフィルムの伸度は1
0%以上であることが好ましく、より好ましくは20%
以上であるとテープが適度な柔軟性を持ち加工性に優れ
るので望ましい。
【0031】本発明のフィルムは、磁気記録媒体用ベー
スフィルムとしてのみならず、フレキシブルプリント基
板、感熱転写リボン、コンデンサーなどの用途にも用い
ることができる。
【0032】以上のようにして本発明のフィルムが得ら
れるがこれらに限定されるものではない。
【0033】
【実施例】[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の
方法に従って行った。 (1)厚み斑 安立電子(株)製マイクロ厚さ計により、幅方向に中央
から両端へ2cm間隔でフィルム厚みを測定し、厚みの
最大値から最小値を引いた値を求めた。ただし、測定点
は10点以上になるようにする。フィルムの幅が狭い場
合、測定点が10点以上となるように測定間隔を狭めて
測定を行う。これを長さ方向で10m以上の間隔で3カ
所測定し平均値を求める。
【0034】0.2μmを超えるものを×とした。 (2)工程安定性 フィルムを同一条件にて延伸する際、10時間以上延伸
工程で破れなかった物を○、破れた物を×とした。 (3)フィルム表面の傷 幅方向の中央部分および両端から5cmの部分、計3カ
所について、幅方向0.5cm×長さ方向5cmの長方
形にサンプリングし、圧空等で表面のゴミを十分取り除
いた後、ニコン(株)製微分干渉顕微鏡HFX−IIを
用いて、ベルトと接触しない表面を反射光で倍率340
倍で観察した。
【0035】幅1μm以上かつ長さ50μm以上の線状
に見えるものを傷とした。付着物はサンプルを回転させ
ると影の向きが変わることから区別できる。
【0036】傷がないものを○、1個/cm2以上傷が
あったものを×とした。
【0037】フィルム表面が観察しにくい場合は、裏面
に黒マジックを塗ったり、観察面にアルミ蒸着を行って
もかまわない。 (4)ヤング率、伸度 ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用
いて20℃、相対湿度60%において測定した。試験片
は幅10mm、長さ50mmで引っ張り速度は300m
m/分である。ただし、試験を開始してから加重が0.
98N(0.1kgf)を通過した点を伸びの原点とし
た。 (5)溶媒含有率 溶媒を含有したフィルムを約幅20cm、長さ20cm
に切り取りそのときの重量をG0として、200℃で1
時間乾燥後重量をG1として、(G0−G1)/G1に
100を乗じた値で溶媒含有率を表した。
【0038】以下に実施例に基づいて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでな
いことは言うまでもない。
【0039】[実施例1]脱水したN−メチル−2−ピ
ロリドンに80モル%に相当する2−クロルパラフェニ
レンジアミンと20モル%に相当する4、4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テルとを溶解させ、これに98.5モ
ル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加
し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行
い、ポリマー濃度が11重量%の芳香族ポリアミド溶液
を得た。
【0040】このポリマ溶液を5μmカットのフィルタ
ーで濾過した後、ベルト上に流延し、まず90℃の熱風
で2分間加熱を行った後、次に180℃の熱風で2分間
加熱し溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たポリマー濃度
40wt%のフィルムをベルトから連続的に剥離した。
次に湿式浴としてNMP/水=50/50、温度50℃
の湿式浴にフィルムを導入し5分間、残存溶媒と中和で
生じた無機塩や不純物の抽出を行なった後、さらに50
℃の水浴にフィルムを導入して2分間抽出を行った。
【0041】次にテンターで250℃30秒間の乾燥を
行い、290℃で1分間かけて面倍率1.56倍、EMD
/ETD=0.92になるように徐々に同時二軸延伸し
た。更に、定長下で320℃10秒間の熱処理を行った
後徐冷して厚さ4μmの芳香族ポリアミドフィルムを得
た。12時間最終フィルムを採取したが、破れは無かっ
た。得られた最終フィルムの物性を表1に示した。
【0042】[実施例2]面倍率4.00倍、EMD/E
TD=0.57にした以外は実施例1と同様に製膜して最
終フィルムを得た。12時間最終フィルムを採取した
が、破れは無かった。得られた最終フィルムの物性を表
1に示した。
【0043】[実施例3]テンターでの乾燥を行わず、
テンター内未延伸状態で溶媒含有率を4.8wt%にし
た以外は実施例1と同様に製膜して最終フィルムを得
た。12時間最終フィルムを採取したが、破れは無かっ
た。得られた最終フィルムの物性を表1に示した。
【0044】[比較例1]実施例1の芳香族ポリアミド
溶液を5μmカットのフィルターで濾過した後、ベルト
上に流延し、まず90℃の熱風で2分間加熱を行った
後、次に180℃の熱風で2分間加熱し溶媒を蒸発さ
せ、自己保持性を得たポリマー濃度40wt%のフィル
ムをベルトから連続的に剥離した。次に湿式浴としてN
MP/水=50/50、温度50℃の湿式浴にフィルム
を導入し10分間、残存溶媒と中和で生じた無機塩や不
純物の抽出を行なった後、さらに50℃の水浴にフィル
ムを導入して5分間抽出を行った。この間にロール間で
フィルムを長手方向に1.2倍延伸した。この時幅方向
に10%ネックダウンした。次にテンターで250℃3
0秒間の乾燥を行いフィルムを絶乾させ、290℃で幅
方向に1.44倍延伸しながら1分間の乾燥と熱処理を
行った後徐冷して厚さ4μmの逐次二軸延伸芳香族ポリ
アミドフィルムを得た。このフィルムの面倍率は1.5
6倍、EMD/ETD=0.92である。12時間最終フィ
ルムを採取したところ破れは無かったが傷の多いもので
あった。得られた最終フィルムの物性を表1に示した。
【0045】[比較例2]延伸前の250℃で、30秒
間乾燥する工程を省く以外は実施例1と同様に製膜して
最終フィルムを得た。12時間最終フィルムを採取した
が、その間に2回破れた。得られた最終フィルムの物性
を表1に示した。
【0046】[比較例3]面倍率を1.30倍にした以
外は実施例1と同様に製膜して最終フィルムを得た。1
2時間最終フィルムを採取したところ破れは無かった
が、ヤング率の低いものであった。得られた最終フィル
ムの物性を表1に示した。
【0047】[比較例4]面倍率を4.70倍にした以
外は比較例3と同様に製膜して最終フィルムを得た。1
2時間最終フィルムを採取したが、その間に1回破れ
た。得られた最終フィルムの物性を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明法によると、特定の溶媒含有率を
有する重合体シートを特定範囲の延伸倍率にて同時二軸
延伸することにより、引張強度、寸法安定性、表面無欠
点性などの特性がすぐれ、かつ、延伸工程におけるフィ
ルムの切断をも防止して生産性を向上できる芳香族ポリ
アミドフィルムの製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F210 AA29 AG01 AH33 AH36 AH38 AH81 AR20 QA02 QC07 QD01 QL01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒の含有量が5重量%未満である、芳
    香族ポリアミドを含む重合体シートを、1.5〜4.5
    倍の面倍率で長手方向と幅方向とに同時に連続延伸する
    二軸延伸芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 長手方向に所定の間隔にて配設された対
    向するクリップ群により重合体シートの両端部を把持し
    た後、各クリップ間の長手方向における間隔と対向する
    クリップ間の間隔とを同時に拡げることにより連続延伸
    を行う、請求項1に記載の二軸延伸芳香族ポリアミドフ
    ィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 長手方向の延伸倍率をEMD、幅方向の延
    伸倍率をETDとしたとき、0.5≦EMD/ETD≦2を満
    足するように連続延伸する、請求項1または2に記載の
    二軸延伸芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
JP2001278332A 2001-09-13 2001-09-13 二軸延伸芳香族ポリアミドフィルムの製造方法 Pending JP2003080594A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261263A (ja) * 2006-03-01 2007-10-11 Toray Ind Inc 一体化芳香族ポリアミドフィルムの製造方法およびフレキシブル回路基板

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JP2007261263A (ja) * 2006-03-01 2007-10-11 Toray Ind Inc 一体化芳香族ポリアミドフィルムの製造方法およびフレキシブル回路基板

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