JP2007191692A - 芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温下で発生する気体の量を抑制し、特に、フィルム表層に別の層を形成する回路基板や粘着テープ等のベースフィルムとして好適に用いることができる芳香族ポリアミドフイルムを提供する。
【解決手段】ヘリウム雰囲気下で23℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの気体発生量が1.5wt%未満であることを特徴とする芳香族ポリアミドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリアミドフイルムおよびその製造方法に関し、特に回路基板や粘着テープ等のベースフィルムとして好適に用いることができる芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法に関する。
従来からポリイミドフィルムや芳香族ポリアミドフィルムは工業材料として広く用いられており、例えば、磁気記録媒体、フレキシブルプリント基板、コンデンサー、プリンターリボン、音響振動板、太陽電池等のベースフィルムとして広く用いられている。
しかしながら、ポリイミドフィルムは優れた耐熱性を有するものの、剛性が十分ではなく、薄膜化が困難であり、近年求められている小型化・軽量化の要求に十分対応することは困難であった。
一方、芳香族ポリアミドフィルムは剛性に優れるため薄膜化が可能である。また、耐熱性にも優れ、これらの優れた特徴を活かす用途に使用されることが多いことから、加工時に高温にさらされたり、最終製品として高温下で長時間使用されることが多い。フィルム中にはフィルムを構成する主成分のポリマー以外に、吸湿により空気中の水分を含有していたり、製造工程で発生する副生成物や添加物が残存していることがある。このような含有物の中には高温下で蒸発するものがあり、フィルム表層に別の層を形成する用途、例えば、金属層を形成する回路基板や粘着層を形成する粘着テープ等の用途では、高温下でフィルム中の水分等が蒸発し、上部の層が膨らんだり、剥がれたりするなどの問題があった。また、蒸発する気体の中には高温下で金属層やポリマーと反応し、これらを劣化させる場合があった。
これら問題については、従来、芳香族ポリアミドフィルムの吸湿率を規定した例が提案されており(例えば、特許文献1〜3参照)、また、塩化メチレンによる抽出物量を規定した例が提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。これらは、フィルム中に含まれる芳香族ポリアミド以外の含有物を規定した例であるが、高温下で発生する気体の量を抑制するには必ずしも十分とは言えないものであった。また、175℃までのアウトガス量を規定した例が提案されており(例えば、特許文献6参照)、さらに、フィルムの熱処理条件を制御して300℃でのアウトガス量を抑制する例が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、これらのフィルムを用いてもハンダリフロー工程やレーザー加工時にフィルムがさらに高温下にさらされることがあり、発生するガスによりポリマーや金属が劣化する問題があった。
特開平2−84328号公報 特開平2−112935号公報 特開平3−60181号公報 特開平8−212538号公報 特開平9−717670号公報 特開2002−322297号公報 特開2004−18743号公報
本発明は、上記した従来の問題を解決し、高温下で発生する気体の量を抑制し、特に、フィルム表層に別の層を形成する回路基板や粘着テープ等のベースフィルムとして好適に用いることができる芳香族ポリアミドフイルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため以下の構成を採用する。すなわち、
ヘリウム雰囲気下で23℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの気体発生量が1.5wt%未満である芳香族ポリアミドフィルムである。
本発明によれば、耐熱性と機械強度に優れ、高温下で発生する気体の量が抑制されるため、特に、フィルム表層に別の層を形成する回路基板や粘着テープ等のベースフィルムとして有用である芳香族ポリアミドフィルムを提供することができる。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、ヘリウム雰囲気下で23℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの気体発生量が1.5wt%未満である。1.5wt%以上の場合、気体発生量が多いため、フィルム上部に金属層や粘着層を形成した場合、高温下でこれらの層が膨らんだり、剥がれたりすることがある。また、発生する気体によりポリマーや金属層が腐食される場合がある。フィルム上部に形成した層への影響がより小さくなることから、気体発生量は、より好ましくは1.3wt%未満、さらに好ましくは1.1wt%未満である。気体発生量は少ないほど好ましいが、現実的には0.1wt%が下限である。気体発生量を上記範囲内とするためには、フィルムの製造時に、後述する高温熱処理工程を行い、分子中に閉環構造および/または架橋構造を含有させることが効果的である。
なお、通常観察される発生気体としては、例えば、塩化水素ガス、水蒸気、窒素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、などがある。もちろん、本発明において規定する気体はこれらに限定されない。
さらに、本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、ヘリウム雰囲気下で23℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの塩化水素ガスの発生量が0.18wt%未満であることが好ましい。0.18wt%未満であると、ポリマーや金属層の腐食を低減することができるが、より好ましくは、0.16wt%未満、さらに好ましくは、0.14wt%未満である。塩化水素ガスの発生量を上記範囲内とするためには、フィルムの製造時に、後述する高温熱処理工程を行い、分子中に閉環構造および/または架橋構造を含有させることが効果的である。また、原料中のクロル基等の塩素原子の量を少なくすることも有効であるが、塩素原子の量が少なすぎると吸湿率が大きくなり、水分の吸脱着に伴う寸法変化が大きくなる場合がある。
ここでいう気体発生量は、試料を23℃、68%RH(相対湿度)で48時間放置した後、ただちに測定装置にセットし、15分間ヘリウムガスを流した後、TG(Thermogravimetry)装置にMS(Mass Spectrometry)装置を直結して、重量減少を追跡すると同時に、加熱時に試料から発生する気体の質量数ごとの濃度変化を温度変化の関数として追跡するTG−MS法で測定する。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、23℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの寸法変化の絶対値が1%以下であることが好ましい(測定方法については、後述する)。なお、絶対値が1%以下とは、−1%〜+1%の範囲という意味であり、−符号は収縮を、+符号は膨張を意味する。
23℃から300℃までの寸法変化の絶対値が1%を超えると、フィルム単体をハンダ浴など高温下で加工したときに平面性が悪化する場合がある。上記した寸法変化の絶対値はより好ましくは0.5%以下(−0.5%〜+0.5%)、さらに好ましくは0.2%以下(−0.2%〜+0.2%)である。寸法変化の絶対値を上記範囲内とするためには、フィルムの製造時に、後述する高温熱処理工程を行い、分子中に閉環構造および/または架橋構造を含有させることが効果的である。
さらに、本発明の芳香族ポリアミドフィルムを銅などの金属と積層してハンダ用途に用いる場合は、23℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときのフィルムの寸法変化は0%以上1%以下であることがより好ましい。銅は高温下で若干熱膨張するため、銅とフィルムの積層体のカールを抑制するためにはフィルムの寸法変化もこれに合わせることが好ましい。フィルムの寸法変化が0%未満または1%を超えるとカールが発生する場合がある。カールがより効果的に抑制できることから、上記の寸法変化はより好ましくは0%以上0.5%以下、さらに好ましくは0%以上0.2%以下である。寸法変化の絶対値を上記範囲内とするためには、フィルムの製造時に、後述する高温熱処理工程を行い、分子中に閉環構造および/または架橋構造を含有させることが効果的である。また、フィルムの吸湿率が大きいと、高温下で水分を放出したときフィルムの寸法変化が0%未満となる場合があるため、吸湿率を低く保つことも重要であり、分子中にクロル基やメチル基などを導入することが有効である。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、吸湿率が2.5%以下であることが好ましい。吸湿率が大きいと、高温雰囲気下で使用したとき、吸湿している水分の放出により基材フィルムが収縮し、回路基板として用いたとき平面性が悪化する場合がある。また常温での使用においてもフィルムの吸湿に伴う寸法変化により平面性が悪化する場合がある。吸湿率はより好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.3%以下である。吸湿率は低いほど好ましいが、現実的には0.2%が下限である。芳香族ポリアミドフィルムは、アミド結合部分に水分が吸着し易いため吸湿率が大きくなることが多いが、吸湿率を上記範囲内とするためには、分子中にクロル基やメチル基などを導入し、立体障害により水分を吸着させにくくすることが有効である。後述する高温熱処理工程を行い、フィルム密度を向上させることも効果的である。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、厚みが1μm以上20μm以下であることが好ましい。20μm以下で使用することにより、薄膜化、軽量化の要求に応えることができる。本発明のプラスチックフィルムは引張弾性率が非常に高いため、上記のような薄膜でハンダ用途に使用しても良好な平面性を維持することが可能である。厚みは使用する用途に応じて適宜選択されることは言うまでもないが、より好ましくは1μm以上10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下である。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、23℃における引張弾性率が9GPa以上20GPa以下であることが好ましい。より好ましくは10GPa以上20GPa以下である。引張弾性率が9GPa未満であると、薄膜化したときのフィルム強度が不足するため、該フィルムからなる金属層との積層体を高温下で使用したとき、フィルムと金属層の寸法変化の差から生じる応力に抵抗できず、カールなど平面性悪化が発生する場合がある。引張弾性率が20GPaを超えるとフィルムの引張伸度が低下し、ハンドリングが困難になる場合がある。
また、本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、23℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの線膨張係数が0ppm/℃以上40ppm/℃以下であることが好ましい。一般にフレキシブルプリント基板に用いられる金属層の線膨張係数は10〜30ppm/℃程度である。従って、芳香族ポリアミドフィルムの線膨張係数が40ppm/℃を超えると、ハンダ用途に用いたとき、フィルムの膨張が金属層の膨張より大きくなり、平面性が悪化する場合がある。また、線膨張係数が0未満の場合も同様に、金属層は膨張するのに対しフィルムは収縮するため平面性が悪化する場合がある。線膨張係数はより好ましくは5ppm/℃以上35ppm/℃以下、さらに好ましくは10ppm/℃以上30ppm/℃以下である。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、少なくとも一方向の引張破断伸度が5%以上であることが好ましい。引張破断伸度が5%未満であると、ハンドリング性が低下したり、靭性が低下しフレキシブルプリント基板として使用できない場合がある。引張伸度は、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは10%以上である。引張破断伸度は大きいほど好ましいが現実的には300%が上限である。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、下記化学式(1)で示される構造単位を有する芳香族ポリアミドを含んでいると、芳香族ポリアミドフィルムがもつ高い引張弾性率と、耐熱性を実現できることからことが好ましい。
化学式(1):
Figure 2007191692
、X :水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、上記の芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の50モル%以上、より好ましくは80モル%以上を占めていることが好ましい。ここでいうパラ配向性とは、例えば、芳香環上主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸または平行にある状態をいう。このパラ配向性が50モル%未満の場合、フィルムの剛性および耐熱性が不十分となる場合がある。
また、下記化学式(4)で表される構造単位を40mol%以下の割合の共重合させると、フィルムの靱性・伸度が向上し、ハンドリング性が向上する。
化学式(4):
Figure 2007191692
〜X :水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
Y :下記化学式(5)〜化学式(10)から選ばれる
化学式(5)〜化学式(10):
Figure 2007191692
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、下記化学式(2)および/または化学式(3)で示される構造単位を有していると、高温下での寸法安定性および耐食性が向上するため好ましい。
化学式(2):
Figure 2007191692
:水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
化学式(3):
Figure 2007191692
、X、X :水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
上記、化学式(2)に示す構造体の存在は、13C固体NMR(核磁気共鳴法)の150ppm近傍のピーク(5員環構造の炭素)から、確認できる。また、化学式(3)に示す架橋構造の存在は、136ppm部分の強度低下および118〜120ppm部分の強度増加により確認できる。また、定量化には前期ピークの面積または、環化および/または架橋に伴い脱離した分子のガス量をTG−MS法で測定することにより、定量可能である。
上記構造単位をポリマー中に含有せしめる方法は特に限定されず、芳香族ポリアミドフィルムを高温処理によりアミド結合の一部を閉環および/または架橋させたり、化学的に閉環および/または架橋させたり、また、上記構造単位を含むモノマーを原料に使用して共重合させる方法をとることができるが、生産効率が良く、かつ、フィルム物性のムラも少ないことから、高温処理する方法が好ましい。
次に、以下に本発明において好ましく用いられる芳香族ポリアミドやその組成物の製造方法、およびフレキシブルプリント基板用フィルムとして好ましく用いられる芳香族ポリアミドフィルムの製造方法、およびフレキシブルプリント基板の製造方法の例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
芳香族ポリアミド溶液、すなわち製膜原液を得る方法は種々の方法が利用可能であり、例えば、低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法などを用いることができる。低温溶液重合法つまりカルボン酸ジクロライドとジアミンから得る場合には、非プロトン性有機極性溶媒中で合成される。このとき、後に述べる環化反応および/または架橋反応を生じやすくさせるため、ベンゼン環に置換基を含有するモノマーを用いることが好ましい。特にジアミン側のベンゼン環に置換基を含有すると環化反応および/または架橋反応が生じやすくなるため、より好ましい。このとき、低分子量物の生成を抑制するため、反応を阻害するような水、その他の物質の混入は避けるべきであり、効率的な攪拌手段をとることが好ましい。
芳香族ポリアミド溶液は、単量体としてカルボン酸ジクロライドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、基材フィルムの湿度特性を改善する目的で、塩化ベンゾイル、無水フタル酸、酢酸クロリド、アニリン等を重合の完了した系に添加し、芳香族ポリアミドの末端を封鎖してもよい。
本発明の芳香族ポリアミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独または混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。さらにはポリマーの溶解を促進する目的で溶媒には50重量%以下のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩を添加することができる。
本発明のフィルムを得るためには芳香族ポリアミドの固有粘度(芳香族ポリアミド0.5gを硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好ましい。上限は、特に限定されないが現実的には5.0以下である。
本発明の芳香族ポリアミドには、耐熱性向上、表面形成、加工性改善などを目的としてフィルムに対し50重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有させてもよい。表面形成を目的とした添加剤としては例えば、無機粒子ではSiO、TiO、CuO、MnO、NiO、Al、CaSO、BaSO、CaCO、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ゼオライト、その他の金属微粉末等が挙げられる。また、好ましい有機粒子としては、例えば、架橋ポリビニルベンゼン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子等の有機高分子からなる粒子、あるいは、表面に上記有機高分子で被覆等の処理を施した無機粒子等が挙げられる。
次にフィルム化について説明する。上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。
製膜原液としては、中和後の芳香族ポリアミド溶液をそのまま用いてもよいし、また、一旦、芳香族ポリアミドを単離後、有機溶媒に再溶解したものを用いてもよい。また、製膜原液中の芳香族ポリアミドの濃度は2重量%以上40重量%以下が好ましい。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は例えば、室温〜220℃、60分以内の範囲で行うことができる。
またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルトの表面はできるだけ平滑であれば表面の平滑なフィルムが得られる。上記の乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、脱塩、脱溶媒などが行なわれる。
フィルムを支持体から剥離するときの芳香族ポリアミドの濃度は30重量%以上60重量%以下であることが好ましく、40重量%以上50重量%以下であることがより好ましい。芳香族ポリアミドの濃度が30重量%未満の場合は、フィルムの自己支持性が不十分で破れやすくなることがあり、60重量%を超える場合は、延伸が充分に行えない場合がある。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、支持体から剥離されて湿式工程に導入される間に、ゲルフィルムの状態でフィルムの長手方向に延伸されることが好ましい。延伸倍率は1.05倍以上4倍以下が好ましく、さらに1.05倍以上2倍以下が好ましい。長手方向の延伸倍率が1.05倍未満では長手方向の引張弾性率が不十分なことがあり、4倍を超えると伸度の低いもろいフィルムとなることがある。また、湿式工程を通さずにそのまま剥離したゲルフィルムに熱処理を行うと、表面が大きく粗れたり、カールが発生することがある。
湿式工程を経たフィルムは水分を乾燥後、フィルムの幅方向に延伸が行われる。
幅方向の延伸倍率は0.8倍以上4倍以下であることが好ましく、より好ましくは1.05倍以上2倍以下である。幅方向の延伸倍率が0.8倍未満では幅方向の引張弾性率が不十分なことがあり、4倍を超えると伸度の低いもろいフィルムとなったり、長手方向のヤング率が大きく低下することがある。
延伸温度は150℃以上400℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以上350℃以下、さらに好ましくは220℃以上320℃以下である。延伸温度がこの範囲より低いと延伸時にフィルムが破れやすく、かつカールが大きくなることがある。また高すぎると分子が配向しにくくなり引張弾性率が不十分なことがある。さらに、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷することは有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却することが有効である。
延伸は延伸倍率として面倍率で0.8〜8(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.8〜4である。
次に上述のフィルムに、高温熱処理工程、加熱延伸工程を施すとよい。
(高温熱処理工程)フィルムを高温処理すると前述した化学式(2)で示す構造単位をポリマー主鎖中に形成することができる。この高温処理は、前述した延伸工程に続けて行ってもよいし、一度フィルムを巻き取って、別の装置で行っても良い。
高温処理条件は350℃以上500℃以下の温度で3分以上3時間以下加熱処理することが好ましい。350℃未満では閉環および/または架橋が起こらない場合があり、500℃を超えるとポリマーが分解してフィルムがもろくなる場合がある。また、熱処理時間が3分未満では化学式(2)で示される構造単位中に含まれる環化構造、および/または、化学式(3)で示される構造単位中に含まれる架橋構造が形成されず、高温下での寸法安定性が不十分な場合があり、3時間を超えるとフィルムがもろくなったり、生産性が低下する場合がある。
また、高温熱処理中はフィルムが軟化して伸び、自重により弛んだり、装置内の風によりばたつき、装置の熱源などと接触してフィルムが破れる場合がある。この場合、フィルムの伸びにあわせて、実質的にフィルムに張力がかからない状態で1.05倍以上5.0倍以下の倍率で幅方向に延伸を行いながら熱処理を行うことが好ましい。
(加熱延伸工程)また、高温熱処理後に延伸区間を設け延伸を行うと、高温熱処理時に悪化したフィルムの平面性を改良することができる。このときの延伸温度は150℃以上400℃以下であることが好ましい。150℃未満ではフィルムが破断する場合がある。400℃を超えると、フィルムが軟化しすぎるため延伸しても平面性が改良しない場合がある。生産性と平面性のバランスがより良くなることから、延伸温度は200℃以上350℃以下がより好ましく、220℃以上300℃以下の温度であることがさらに好ましい。延伸を行う時間は、1秒以上1分以下であることが好ましい。1秒未満であると延伸速度が速いため、フィルムが破断する場合がある。1分を超えると生産性が低下する場合がある。延伸倍率は1.05倍以上4倍以下であることが好ましい。1.05倍未満であると、十分な平面性が得られない場合がある。4倍を超えるとフィルムが破断し生産性が低下する場合がある。平面性改善と生産性の観点から、延伸倍率は1.05倍以上2倍以下であることが好ましく、1.1倍以上1.6倍以下であることがより好ましい。
高温熱処理工程に用いる装置のフィルム搬送方法はテンター方式であることが好ましい。熱処理温度が高く、処理中のフィルムが軟化するため、ロール搬送方式やフローティング搬送方式では、加熱炉前後の巻き出しロールと巻き取りロール間にかかる張力により、フィルムの平面性が悪化する場合がある。テンターは、ピンテンター、クリップテンターなどいずれの方法を用いても良いが、高温下での破断が改善されることから、クリップテンター方式であることが好ましい。
高温熱処理工程に用いる装置の加熱方式は、ロール加熱方式、熱風加熱方式、遠赤外線加熱方式、または、これらを併用する方法を用いることができるが、生産性およびフィルムの平面性が良いことから、波長2〜20μmの遠赤外線を用いた加熱方式であることが好ましい。また、遠赤外線加熱方式と熱風加熱方式の併用方式であってもよい。上記波長領域の遠赤外線を用いることにより、芳香族ポリアミドフィルムを効率よく熱処理することが可能となる。熱風のみによる加熱方式を用いると、熱風の風速によりフィルムが延伸され、平面性が悪化したり、フィルム面内の寸法安定性にムラが生じる場合がある。また、ロール加熱等により加熱物体からの直接伝熱により熱処理を行うと、加熱物体表面の転写によりフィルム表面があれたり、熱処理ムラによりフィルム面内の寸法安定性にムラが生じる場合がある。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは単層フィルムに限定されるものではなく、積層フィルムであっても良いし、ガスバリヤ性の付与、耐溶剤性の改良、表面硬度の改良などの目的で各種下塗りやコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、グロ−放電処理、火炎処理などの表面処理を施した複合フィルムであってもよい。
また、上記した本発明の芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、直接または中間層を介して金属層を形成した積層体としてもよい。この積層体としては、例えば、フレキシブル回路基板や、TAB基板などが挙げられる。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムを用いてフレキシブル回路基板を得る場合には、従来のポリイミドフィルムの場合と同様の方法で行なうことができ、フィルムに直接、金属層を形成しても、中間層を介して金属層を形成してもよい。プラスチックフィルムに直接金属層を設けて電気回路を形成する方法としては、メッキ法、蒸着法によって金属層を積層した後にエッチング法によって回路形成する方法や、銅ペースト、銀ペースト、カーボンペーストなどをスクリーン印刷する方法等を用いればよい。中間層を介する場合は、銅箔、アルミ箔などの金属層を接着剤によって積層すればよい。あるいはこれらの組合せなどがあり特に限定されない。電気回路はプラスチックフィルムの片面のみに形成されていても両面に形成されていてもよい。
電気回路形成後は、必要に応じてスルーホール加工を行ない、カバーフィルムの積層、レジストインクの塗布、穴あけ加工、外形打抜き加工などを行ないフレキシブルプリント基板が得られる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)引張弾性率・破断伸度
ロボットテンシロンRTA100(オリエンテック社製)を用いて、温度23℃、相対湿度65%において5回測定し、平均値を求めた。ただし、試験片は幅10mmで長さ50mmの試料とした。引張速度は300mm/分である。但し、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
(2)フィルム厚み
マイクロ厚み計(アンリツ社製)を用いて測定した。製膜したフィルムの幅方向に等間隔に5点測定し、平均値を求めた。
(3)寸法変化
温度23℃、相対湿度65%に24時間静置させたフィルムをTMA/SS6000(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、23℃から400℃まで昇温速度10℃/分で測定し、23℃から300℃までの(各温度における)試料寸法変化、試料寸法変化率、およびその絶対値を求めた。測定時の加重は120g/mmとし、サンプルの初期長は15mm、幅は4mmとした。
(4)吸湿率
20cm四方のフィルムを200℃の熱風オーブン中でフィルム中の水分がなくなるまで2時間置き、このときのフィルム重量wを秤量した。次にこのフィルムを温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中で48時間静置し、フィルム重量wを秤量し、以下の式からフィルムの吸湿率を求めた。なお、測定は2回行い平均値を求めた。
吸湿率(%)={(w−w)/w}×100
(5)耐腐食性評価
内寸150mm四方のSUS製の枠にフィルムを4辺固定し、フィルムの中央部に5cm四方、厚み0.5mmの銅片を乗せ、300℃の熱風オーブン中で10分間熱処理した。熱処理後、フィルムと銅との接触部分のうち、フィルムが変色した面積の割合A(%)を観察し、以下の基準で評価した。
○:A≦1
△:1<A≦10
×:10<A
(6)平面性評価
JIS−C−6471(1990)に従い、サンプルを105℃で1時間調整後、280℃のハンダ浴に5秒間浮かべてハンダテストを行った。
サンプルは5cm四方とし、実施例に記載の方法でフィルムの片面に銅を積層したフィルムについてハンダテストを行った。
ハンダテスト後のフィルムを水平な平面上に置き、水平面からフィルムが浮き上がった部分の面積の割合B(%)を測定し、平面性を以下の基準で評価した。
○:B<5
△:5≦B<10
×:10≦B
(7)5員環構造および架橋構造の同定と定量
化学式(2)で示される構造単位中の環化構造の存在は、Bruker社製AVAMCE400にてフィルムの13C固体NMR測定を下記条件で行い、150ppm近傍のピークにより確認した。また、化学式(3)で示される構造単位中の架橋構造の存在は、136ppm部分の強度低下および118〜120ppm部分の強度増加により確認した。
測定核:10kHz
コンタクトタイム:2ms
パルス繰り返し時間:5s
データー点:10,000ポイント
スペクトル幅:71kHz
また、環化および/または架橋に伴い脱離した塩化水素ガスの量をTG−MS法で定量した。表には塩化水素が全て環化に伴い発生したとして計算した、化学式(2)で示される構造単位の含有量を記載した。塩化水素ガス量は、試料を23℃、68%RH(相対湿度)で48時間放置した後、ただちに測定装置にセットし、15分間ヘリウムガスを流した後、TG(Thermogravimetry)装置にMS(Mass Spectrometry)装置を直結して、気体全体の発生量を測定すると同時に、加熱時に試料から発生する気体の質量数ごとの濃度変化を温度変化の関数として追跡するTG−MS法で塩化水素ガスの発生量を測定した。
(実施例1)
脱水したN−メチル−2−ピロリドンに85モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンと15モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これに98.5モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマー濃度が11重量%の芳香族ポリアミド溶液aを得た。
上記芳香族ポリアミド溶液aを押し出し機で幅50cmの口金に供給し、表面が鏡面状のステンレス製ベルト上に流延速度1.5m/分で流延した。この流延されたポリマー溶液を145℃で3分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己支持性を発現した重合体シートを支持体から剥離した。続いて剥離したフィルムを水槽内へ5分間通し、残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行なった。この後、温度280℃の熱風オーブン中で幅方向に1.05倍の延伸を行いながら熱処理を行った。こうして芳香族ポリアミドフィルムAを得た。
更に芳香族ポリアミドフィルムAを、クリップ搬送方式を用いたテンターに導入し、遠赤外線加熱により400℃で10分間、幅方向に1.05倍の延伸を行いながら高温熱処理し(高温熱処理工程)、続けて270℃で30秒間、幅方向に1.1倍の延伸を行いながら熱処理を行い(加熱延伸工程)、厚み9μmの芳香族ポリアミドフィルムBを得た。NMR測定より5員環構造および架橋構造が生成していることを確認した。芳香族ポリアミドフィルムBは耐腐食性が良好であった。
また、上記芳香族ポリアミドフィルムBの片面にコロナ処理を行い、ついで真空槽内にセットして銅の薄膜を付着させた後、電気メッキで銅を5μmの膜厚で形成して金属層積層フィルムCを得た。金属層積層フィルムCの平面性評価は良好であった。得られたフィルムの物性および評価結果を表2に示す。
(実施例2〜5)
実施例1において、遠赤外線加熱の熱処理温度と時間を表1に示す条件に変更する以外は実施例1と同様に製膜を行い、芳香族ポリアミドフィルムおよび金属層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性および評価結果を表2に示す。
(実施例6)
濃度99.5%の濃硫酸にポリパラフェニレンテレフタルアミドを窒素雰囲気下60℃で溶解し、ポリマー濃度12重量%の製膜原液を調製した。粘度は5,000ポイズであった。
上記製膜原液(ポリマー溶液)をバーコーターでガラス板上に流延し、絶対湿度31g(水)/kg(乾燥空気)の90℃の空気中に14秒間保った後、110℃の熱風を吹きつけるゾーンの中を4秒間で通過させて、光学等方性の透明なドープを得た。このドープをガラス板と共に5℃の水中に導入し凝固させた後、水洗、5重量%水酸化ナトリウム水溶液による中和、水洗を繰返し自己支持性のゲルフィルムを得た。
さらにこのゲルフィルムを280℃の熱風オーブン中で1分間熱処理して芳香族ポリアミドフィルムを得た。続いて400℃の遠赤外線オーブン中で10分間熱処理し(高温熱処理工程)、その後270℃のオーブン中で手動延伸機を用いて流延方向と垂直方向に1.1倍の延伸を行った(加熱延伸工程)。加熱延伸工程に要した時間は30秒間であった。厚み9μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。フィルム単体での寸法変化は負であった。また、実施例1と同様の方法で金属層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性および評価結果を表2に示す。フィルムと金属層の高温下での寸法変化が異なるため、積層フィルムが若干カールした。
(実施例7)
実施例1において、遠赤外線オーブンの代わりに熱風オーブンを用いる以外は実施例1と同様に製膜を行い、芳香族ポリアミドフィルムおよび金属層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性および評価結果を表2に示す。熱風オーブンによる熱処理中に、熱風によりフィルムの平面性がやや悪化したため、平面性評価サンプルの平面性も若干低下した。
(実施例8、9)
実施例1において、遠赤外線オーブンでの熱処理温度と時間を表1に示す条件に変更する以外は実施例1と同様に製膜を行い、芳香族ポリアミドフィルムおよび金属層積層フィルムを得た。実施例8では高温熱処理後に延伸を行わなかったため、芳香族ポリアミドフィルムの平面性がやや悪化し、金属層積層フィルムの平面性評価が△となった。実施例9では高温熱処理後の延伸温度が高く、芳香族ポリアミドフィルムの平面性がやや悪化し、金属層積層フィルムの平面性評価が△となった。
(比較例1)
実施例1において、400℃の高温熱処理を行う前の芳香族ポリアミドフィルムAを用い、実施例1と同様の方法で金属層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性および評価結果を表2に示す。
(比較例2〜5)
実施例1において、遠赤外線オーブンでの熱処理温度と時間を表1に示す条件に変更する以外は実施例1と同様に製膜を行い、芳香族ポリアミドフィルムおよび金属層積層フィルムを得た。ただし、比較例5については芳香族ポリアミドフィルムの熱処理温度が高く、ポリマーの劣化に起因してフィルムが破れ、サンプルを得られなかった。比較例2〜4で得られたフィルムの物性および評価結果を表2に示す。比較例2および3では熱処理時間が短いため、また、比較例4では熱処理温度が低いため、十分な耐腐食性、および平面性が得られなかった。
Figure 2007191692
Figure 2007191692

Claims (11)

  1. ヘリウム雰囲気下で23℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの気体発生量が1.5wt%未満である芳香族ポリアミドフィルム。
  2. ヘリウム雰囲気下で23℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの塩化水素ガスの発生量が0.18wt%未満である、請求項1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  3. 23℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの寸法変化の絶対値が1%以下である、請求項1または2に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  4. 23℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱したときの寸法変化が0%以上1%以下である、請求項3に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  5. 吸湿率が2.5%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  6. 下記の化学式(1)で示される構造単位を有する芳香族ポリアミドを含んでいる、請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルム。
    化学式(1):
    Figure 2007191692
    、X :水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
  7. 芳香族ポリアミドが下記の化学式(2)で示される構造単位を有している、請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルム。
    化学式(2):
    Figure 2007191692
    :水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
  8. 芳香族ポリアミドが下記の化学式(3)で示される構造単位を有している、請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルム。
    化学式(3):
    Figure 2007191692
    、X、X :水素、ハロゲンまたは炭素数1〜3の炭化水素基
  9. 溶媒と芳香環に置換基を有する芳香族ポリアミドとを含む製膜原液を支持体上にキャストし、溶媒を除去して自己支持性フィルムを得る工程と、この自己支持性フィルムを350℃以上500℃以下の温度で3分以上3時間以下加熱する高温熱処理工程と、150℃以上400℃以下の温度で1秒以上1分以下加熱しながら1.05倍以上4倍以下の倍率で延伸を行う加熱延伸工程とを有する芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  10. 熱処理工程を、遠赤外線加熱方式または遠赤外線加熱方式と熱風加熱方式との併用方式によって行う、請求項9に記載の芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルム、または、請求項9または10に記載の製造方法により得られた芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、直接または中間層を介して金属層が形成されてなる積層体。
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