JP2008266588A - 芳香族ポリアミド多孔質膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薄膜化に優れ、スリット性の良好な芳香族ポリアミド多孔質膜を提供すること。
【解決手段】 上記目的を達成するための本発明は、芳香族ポリアミドからなる、厚みが0.1〜50μmであり、多孔質膜の長手方向の1%応力(HMD)と幅方向の1%応力(HTD)の比(HMD/HTD)が、0.5≦HMD/HTD≦3であることを特徴とする芳香族ポリアミド多孔質膜である。
【選択図】 なし
【解決手段】 上記目的を達成するための本発明は、芳香族ポリアミドからなる、厚みが0.1〜50μmであり、多孔質膜の長手方向の1%応力(HMD)と幅方向の1%応力(HTD)の比(HMD/HTD)が、0.5≦HMD/HTD≦3であることを特徴とする芳香族ポリアミド多孔質膜である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる芳香族ポリアミド多孔質膜およびそれを用いた電池用セパレーターに関する。
従来、芳香族ポリアミド多孔質膜としては、例えば特許文献1,2,3には全芳香族ポリアミド繊維からなる不織布または紙状シートを電池用セパレーターに使用することが開示されている。しかし、不織布または紙状シートでは、実質的に50μm以下の薄い厚みで、なおかつ十分な強度を有するもので、しかも繊維などの有無などによる局部的な不均一が無く、加工時に繊維の離脱が無いものを工業的に製造することは困難である。
さらに、特許文献4では、ポリマー溶液に金属酸化物微粒子を分散させたものをキャストし膜を得た後、金属酸化物微粒子を溶解除去することを特徴とする、芳香族ポリアミド多孔質フィルムが開示されている。しかし、このフィルムでは、金属酸化物微粒子を完全に除去するに至っておらず、残存金属粒子による加工性の悪化、特にスリット性の低下が著しい。
特開平5−335005号公報
特開平7−78608号公報
特開平7−37571号公報
特開2001−98106号公報
本発明は、上記した従来の問題を解決し、薄膜化に優れ、スリット性の良好な芳香族ポリアミド多孔質膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、芳香族ポリアミドからなる、厚みが0.1〜50μmであり、多孔質膜の長手方向の1%応力(HMD)と幅方向の1%応力(HTD)の比(HMD/HTD)が、0.5≦HMD/HTD≦3であることを特徴とする芳香族ポリアミド多孔質膜である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、所望の空孔率、ガーレ値を有しつつ、高強度であり、スリット性に優れ、薄膜化が可能な芳香族ポリアミド多孔質膜が得られ、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる。
本発明の芳香族ポリアミドとしては、次の化学式(1)および/または化学式(2)で表される繰り返し単位を有するものが好適である。
化学式(1):
化学式(1):
化学式(2):
ここで、Ar1、Ar2、Ar3の基としては、例えば、次の化学式(3)〜(7)
化学式(3)〜(7):
化学式(3)〜(7):
などが挙げられ、X、Yの基は、
A群: −O−、−CO−、−CO2−、−SO2−、
B群: −CH2−、−S−、−C(CH3)2−
などから選択することができる。
A群: −O−、−CO−、−CO2−、−SO2−、
B群: −CH2−、−S−、−C(CH3)2−
などから選択することができる。
さらに、これら芳香環上の水素原子の一部が、フッ素や臭素、塩素などのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、メチルやエチル、プロピルなどのアルキル基(特にメチル基)、メトキシやエトキシ、プロポキシなどのアルコキシ基等の置換基で置換されているものが、吸湿率を低下させ湿度変化による寸法変化が小さくなるため好ましい。また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されていてもよい。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、上記の芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以上を占めていることが好ましく、より好ましくは90モル%以上を占めていることである。ここでいうパラ配向性とは、芳香核上主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸または平行にある状態をいう。このパラ配向性が80モル%未満の場合、高分子重合体多孔質膜の剛性および耐熱性が不十分となる場合がある。さらに、芳香族ポリアミドが下記化学式(8)で表される繰り返し単位を60モル%以上含有する場合、延伸性及び多孔質特性が特に優れることから好ましい。
化学式(8):
化学式(8):
ここで、p+qの値は1以上であることが好ましい。p+qの値が0であると、ポリマー溶液が液晶性を有することがあり、その時得られる膜の長手方向と幅方向の特性に大きな差が生じやすくなる。
本発明の膜の厚みは、0.1〜50μm、好ましくは1〜25μmであると本発明の効果である良好なスリット性が得られる。0.1μm未満であると、強度が不足し加工時に膜切れが起きやすくなる。50μmを超えると、加工時の外力による変形が大きくなり、厚み方向への割れが起きやすくなる。
本発明において、良好なスリット性を得るには、多孔質膜の長手方向の1%応力(HMD)と幅方向の1%応力(HTD)の比(HMD/HTD)が、0.5以上3以下、好ましくは0.75以上2.5以下、更に好ましくは1.0以上2以下である。なお、ここでいう1%応力とは、1%延伸した時の延伸方向の応力を示す。これは、スリット時にかかる微少な力による変形と、1%応力が対応するためである。1%応力の比が0.5未満であると切断部分に盛り上がりを生じて巻姿の悪化を招く。1%応力の比が3を超えると、スリット方向への裂けが起きやすくなる。ここでいうスリットとは、フィルムをロールに巻く際に不要な端部を長手方向に切ることをいう。
本発明における、多孔質膜の長手方向の1%応力は5MPa以上200MPa以下が好ましく、更に好ましくは10MPa以上100MPa以下である。5MPa未満であると、膜の伸び、縮みが起きやすく、スリット刃から切断面が離れ二度切りしたり、膜に弛みが発生し、切断線の歪みや、破れが起きやすくなる。200MPaを超えると、スリット方向への裂けが起きやすくなる。
本発明における、多孔質膜の幅方向の1%応力は5MPa以上100MPa以下が好ましく、更に好ましくは10MPa以上80MPa以下である。5MPa未満であると、スリット位置の直前に皺を生じやすくなり、破れが起きやすくなる。100MPaを超えると、スリット刃の寿命が短くなる。
本発明の方法によって得られる多孔質膜は、ガーレ値が0.5〜1,000sec/100ccであることが好ましい。本発明の製法によれば、たとえガーレ値が小さくとも、機械強度を維持することが可能であり、また、ガーレ値が大きくとも、好適な空孔率、空孔径を付与することが可能である。ガーレ値が0.5sec/100ccより小さいと、強度が著しく低下し、ガーレ値が1,000sec/100ccより大きいと、通気、通液の抵抗が大きく、フィルターやセパレーター等に現実的に使用することが困難となる。
本発明の方法によって得られる多孔質膜は、長さ方向、幅方向とも、破断伸度が5%以上であることが好ましい。破断伸度が5%未満であると、加工する場合、工程中での突起や張力の変動により容易に破断してしまうことがある。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に100%程度が限界である。
本発明の方法によって得られる多孔質膜は、少なくとも1方向の破断強度が20MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは50MPa以上である。破断強度が20MPa未満であると、加工する場合、工程中での突起や張力の変動により容易に破断してしまうことがある。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に1GPa程度が限界である。
本発明の方法によって得られる多孔質膜は、少なくとも1方向のヤング率が300MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは500MPa以上である。ヤング率が300MPa未満であると、加工する場合、工程中容易に変形してしまい、巻き取るために張力を上げざるを得なくなることがある。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に10GPa程度が限界である。
次に本発明の多孔質膜の製造方法について、代表例として、以下説明するが、これに限定されるものではない。
まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。この時、低分子量物の生成を抑制するため、反応を阻害するような水、その他の物質の混入は避けるべきであり、効率的な撹拌手段をとることが好ましい。また、原料の当量性は重要であるが、製膜性を損なう恐れのある時は、適当に調整することができる。また、溶解助剤として塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウムなどを添加しても良い。
単量体として芳香族ジ酸クロリドと芳香族ジアミンを用いると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの周期律表I族かII族のカチオンと水酸化物イオン、炭酸イオンなどのアニオンからなる塩に代表される無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、多孔質膜の湿度特性を改善する目的で、塩化ベンゾイル、無水フタル酸、酢酸クロリド、アニリンなどを重合の完了した系に添加し、ポリマーの末端を封鎖してもよい。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
本発明の多孔質膜を得るためにはポリマーの固有粘度ηinh(重合体1の0.5gを98重量%硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5(dl/g)以上であることが多孔質膜にした時のハンドリング性が良くなるので好ましい。
これらポリマー溶液は、そのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸などの無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。製膜原液中のポリマー濃度は2〜30重量%程度が好ましい。薄く、安定した多孔質特性の多孔質膜を効率良く得られることから、より好ましくは8〜25重量%、さらに好ましくは12〜20重量%である。
上記のようにして調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法により多孔質膜化が行われる。
多孔質膜を製造する場合、溶液をガラス板や、ドラム、エンドレスベルト等の支持体上に流延することによって、膜形状とした後、恒温槽に導入したり、ドライアイスや液体窒素などの冷媒を用いて支持体を冷却する等、種々の方法によって冷却することによりポリマーを析出させる。温度、溶液の組成、冷却する速度、時間など各種の条件によって一概には限定できないが、条件により得られる多孔質膜の特徴の一例を挙げると、0℃付近においては、空孔径の大きい貫通孔を有した多孔質膜が得られ、低温になるに従って、空孔径の小さい繊維状の高分子が網目状または、不織布状に重なっている多孔質膜が得られるため、このような傾向を踏まえ、適宜条件を変更して、目的の特性を有する多孔質膜を得ることが可能である。
上記冷却をした後、水を吸収させることにより、ポリマーの析出を促進させることができる。この時、水を吸収させる方法は、霧状の水を付着させる方法、水中に導入する方法、調湿空気中に導入する方法、いずれの方法でも差し支えないが、水の吸収速度、量を細かくコントロール可能である調湿空気中へ導入する方法が好適に用いられる。調湿空気中へ導入する場合、相対湿度で5〜100%に調湿された空気中であることが好ましい。この時の温度は−30℃〜80℃であると好適である。
ポリマー析出を終えた溶液(高分子膜)は、支持体から剥離されて、延伸工程に導入し、長さ方向へ延伸が施される。この時、剥離と延伸工程の雰囲気は、空気中、不活性ガス中、湿式浴中のいずれでもよいが、剥離を開始するときの温度が、ポリマー析出を終えた高分子膜の温度に対して、−50〜+50℃に調温されていることが好ましい。更に好ましくは−20℃〜+20℃である。このような温度のコントロールを行うことにより、長手方向の1%応力(HMD)と幅方向の1%応力(HTD)の比(HMD/HTD)を0.5≦HMD/HTD≦3とすることが可能となる。剥離時の高分子膜の温度に対して延伸温度が例えば50℃を超えて低いと、僅かな延伸を行ってもポリマー分子鎖が過度に長さ方向に配向してしまい、長さ方向の1%応力が著しく上昇する。この時の一例を具体的に挙げると、剥離・延伸時の温度がポリマー析出時と同じ条件にて行われた多孔質膜の1%応力が、長さ方向14MPa、幅方向13MPaであったものを、剥離・延伸時の温度をポリマー析出時の温度に対して−55℃にて行った以外同じ条件にて製膜した場合、長さ方向の1%応力が120MPa、幅方向の1%応力が4MPaとなり、極端な長さ方向への配向を示してしまう。また、この多孔質膜は長さ方向に裂けやすく、幅方向への延伸を行うことは困難であり、幅方向への延伸により1%応力のバランスを調整することが極めて困難となる。また、溶媒に溶解した状態で残っているポリマーが析出してしまい、開口部を塞ぎ、目的としたガーレ値を得にくくなる。剥離時の高分子膜の温度に対して延伸温度が50℃を超えて高いと、析出したポリマーの再溶解が始まり、自己支持性を失うことがある。この時延伸倍率は1.02〜3倍が好ましい。更に好ましくは1.05〜2倍である。
次に湿式工程の湿式浴に導入され、脱溶媒が行われる。浴組成は、ポリマーの溶解度が低ければ特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いるのが、経済性、取扱いの容易さから好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていてもよい。
次に湿式工程の湿式浴に導入され、脱溶媒が行われる。浴組成は、ポリマーの溶解度が低ければ特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いるのが、経済性、取扱いの容易さから好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていてもよい。
この際、多孔質膜中の不純物を減少させるために、浴組成は有機媒/水=70/30〜20/80、浴温度40℃以上であることが好ましい。さらに、最後に40℃以上の水浴に通すことが有効である。
脱溶媒を終えた多孔質膜は、テンター内で乾燥、熱処理が行われる。この時の温度は、高温時の寸法安定性が向上するため、より高温にて行われることが好ましいが、用いたポリマーの熱分解温度以下で行う必要がある。芳香族ポリアミドにおいては、350〜400℃において熱分解が行われるため、それ以下の温度で熱処理が行われる。好ましくは150〜320℃である。更に好ましくは150〜200℃である。また、この時幅方向への延伸が施されても良い。
本発明の高分子重合体多孔質膜は、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)ガーレ値
JIS−P8117(1998年)に規定された方法に従って測定を行った。試料の多孔質膜を直径28.6cm、面積645mm2の円孔に締め付ける。内筒により(内筒重量567g)、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが通過する時間を測定し、ガーレ値とした。測定装置として、B型ガーレデンソメーター(安田精機製作所製)を使用した。
JIS−P8117(1998年)に規定された方法に従って測定を行った。試料の多孔質膜を直径28.6cm、面積645mm2の円孔に締め付ける。内筒により(内筒重量567g)、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが通過する時間を測定し、ガーレ値とした。測定装置として、B型ガーレデンソメーター(安田精機製作所製)を使用した。
(2)空孔率
多孔質膜を100mm四方の正方形に切り取り、重量W(g)、厚みZ(mm)を測定した。使用したポリマーの比重H(g/mm2)を用いて、次式より空孔率を求めた。
多孔質膜を100mm四方の正方形に切り取り、重量W(g)、厚みZ(mm)を測定した。使用したポリマーの比重H(g/mm2)を用いて、次式より空孔率を求めた。
空孔率(%)=100−100×((W/H)/(1002×Z))
(3)厚み
関西アンリツ電子株式会社製電子マイクロメーター(検出器型番:K107C、触針半径1.5mm、触針荷重1.5g)を用いて、長さ方向に100mm間隔で5カ所測定した平均値を厚みとした。
(3)厚み
関西アンリツ電子株式会社製電子マイクロメーター(検出器型番:K107C、触針半径1.5mm、触針荷重1.5g)を用いて、長さ方向に100mm間隔で5カ所測定した平均値を厚みとした。
(4)破断伸度、破断強度、ヤング率、1%応力
JIS−K7127(1999年)に規定された方法に従って測定を行った。ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて25℃、相対湿度65%において測定した。試験片は幅10mm、長さ100mmで引っ張り速度は300mm/分である。
JIS−K7127(1999年)に規定された方法に従って測定を行った。ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて25℃、相対湿度65%において測定した。試験片は幅10mm、長さ100mmで引っ張り速度は300mm/分である。
(5)スリット性
多孔質膜原反を10mm幅にスリットし、100mの長さをパンケーキとして巻き取った。これを100回行い、100mに達するまでの裂け、破れの発生状況を下記基準で判定し、○、△を良好とした。
多孔質膜原反を10mm幅にスリットし、100mの長さをパンケーキとして巻き取った。これを100回行い、100mに達するまでの裂け、破れの発生状況を下記基準で判定し、○、△を良好とした。
(a)裂け、破れの発生回数
0回 :○
1〜5回 :△
6回以上 :×
このスリットした端部を顕微鏡で拡大して観察を行い、割れ、膨れの発生状況を下記基準で判定し、○、△を良好とした。
0回 :○
1〜5回 :△
6回以上 :×
このスリットした端部を顕微鏡で拡大して観察を行い、割れ、膨れの発生状況を下記基準で判定し、○、△を良好とした。
(b)割れの発生状況
割れの発生のまったく無いもの :○
割れが厚みの1/2以下のもの :△
割れが厚みの1/2を超えるもの :×
(c)膨れの発生状況
膨れの全く無いもの :○
膨れが5%以下のもの :△
膨れが5%を超えるもの :×
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。
割れの発生のまったく無いもの :○
割れが厚みの1/2以下のもの :△
割れが厚みの1/2を超えるもの :×
(c)膨れの発生状況
膨れの全く無いもの :○
膨れが5%以下のもの :△
膨れが5%を超えるもの :×
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施例1)
脱水したN−メチル−2−ピロリドンにジアミン全量に対し、80モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンとジアミン全量に対し、20モル%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これに98.5モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマー濃度が11重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液を水で再沈して芳香族ポリアミドポリマーとした。
脱水したN−メチル−2−ピロリドンにジアミン全量に対し、80モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンとジアミン全量に対し、20モル%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これに98.5モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマー濃度が11重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液を水で再沈して芳香族ポリアミドポリマーとした。
この芳香族ポリアミドポリマーを10重量%、N−メチル−2−ピロリドン90重量%の比率で溶解させ、均一に完全相溶したポリマー溶液を得た。
この溶液を5μmカットのフィルターで濾過し、口金より金属ベルト上に約100μmの膜状に流延した。流延されたポリマー溶液を、25℃、相対湿度80%に調整されたオーブン中に導入し、30分かけて析出を行い、自己保持性を得た膜を25℃、相対湿度65%に調整された雰囲気にてベルトから連続的に剥離し、長さ方向に1.05倍に延伸を行った。次に60℃の水槽内へ膜を導入して2分間浸漬し、残存溶媒の抽出を行なった。
つぎにテンターに導入し320℃で水分の乾燥と熱処理を行った。テンターでは膜の幅方向に1.20倍延伸を行った。
得られた多孔質膜の厚みは18μm、空孔率は46%、ガーレ値は386sec/100cc、伸度は長さ方向の1%応力は13MPa、幅方向の1%応力は25MPa、HMD/HTDが0.52であった。
次にこの多孔質膜をスリットし、パンケーキを作製した。この時のスリット性は、破れ、裂けが0回、割れ、膨れはまったく無く良好であった。
(実施例2〜7)
実施例1と同様にして得たポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。得られた多孔質膜の物性を表2に示した。
実施例1と同様にして得たポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。得られた多孔質膜の物性を表2に示した。
(比較例1)
実施例1と同様にして得たポリマー溶液を、5μmカットのフィルターで濾過し、口金より金属ベルト上に約100μmの膜状に流延した。流延されたポリマー溶液を、25℃、相対湿度80%に調整されたオーブン中に導入し、30分かけて析出を行い、自己保持性を得た膜を80℃、相対湿度65%に調整された雰囲気にてベルトから連続的に剥離し、長さ方向に1.05倍に延伸を行った。次に60℃の水槽内へ膜を導入して2分間浸漬し、残存溶媒の抽出を行なった。
実施例1と同様にして得たポリマー溶液を、5μmカットのフィルターで濾過し、口金より金属ベルト上に約100μmの膜状に流延した。流延されたポリマー溶液を、25℃、相対湿度80%に調整されたオーブン中に導入し、30分かけて析出を行い、自己保持性を得た膜を80℃、相対湿度65%に調整された雰囲気にてベルトから連続的に剥離し、長さ方向に1.05倍に延伸を行った。次に60℃の水槽内へ膜を導入して2分間浸漬し、残存溶媒の抽出を行なった。
つぎにテンターに導入し320℃で水分の乾燥と熱処理を行った。テンターでは膜の幅方向に1.20倍延伸を行った。
得られた多孔質膜の厚みは18μm、空孔率は48%、ガーレ値は367sec/100cc、伸度は長さ方向の1%応力は9MPa、幅方向の1%応力は27MPa、HMD/HTDが0.33であった。
次にこの多孔質膜をスリットし、パンケーキを作製した。この時のスリット性は、破れ、裂けが9回発生し、安定したスリットが困難であった。
(比較例2〜4)
比較例1と同様にして得たポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。得られた多孔質膜の物性を表2に示した。
比較例1と同様にして得たポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。得られた多孔質膜の物性を表2に示した。
(比較例5)
脱水したN−メチル−2−ピロリドンに、300モル%に相当する塩化リチウムを溶解した後、100モル%に相当するパラフェニレンジアミンを溶解させ、これに98.5モル%に相当するテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマー濃度が6重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液を水で再沈して芳香族ポリアミドポリマーとした。
この芳香族ポリアミドポリマーを5重量%、塩化リチウムを5重量%、N−メチル−2−ピロリドン90重量%の比率で溶解させ、均一に完全相溶したポリマー溶液を得た。
脱水したN−メチル−2−ピロリドンに、300モル%に相当する塩化リチウムを溶解した後、100モル%に相当するパラフェニレンジアミンを溶解させ、これに98.5モル%に相当するテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマー濃度が6重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液を水で再沈して芳香族ポリアミドポリマーとした。
この芳香族ポリアミドポリマーを5重量%、塩化リチウムを5重量%、N−メチル−2−ピロリドン90重量%の比率で溶解させ、均一に完全相溶したポリマー溶液を得た。
この溶液を5μmカットのフィルターで濾過し、口金より金属ベルト上に約180μmの膜状に流延した。流延されたポリマー溶液を、25℃、相対湿度80%に調整されたオーブン中に導入し、30分かけて析出を行い、自己保持性を得た膜を25℃、相対湿度65%に調整された雰囲気にてベルトから連続的に剥離し、長さ方向に1.05倍に延伸を行った。次に60℃の水槽内へ膜を導入して2分間浸漬し、残存溶媒及び残存塩の抽出を行なった。
つぎにテンターに導入し320℃で水分の乾燥と熱処理を行った。テンターでは膜の幅方向に1.20倍延伸を行った。
つぎにテンターに導入し320℃で水分の乾燥と熱処理を行った。テンターでは膜の幅方向に1.20倍延伸を行った。
得られた多孔質膜の厚みは17μm、空孔率は42%、ガーレ値は484sec/100cc、伸度は長さ方向の1%応力は35MPa、幅方向の1%応力は4MPa、HMD/HTDが8.75であった。
次にこの多孔質膜をスリットし、パンケーキを作製した。この時のスリット性は、破れ、裂けが12回発生し、安定したスリットが困難であった。得られた多孔質膜の物性を表2に示した。
本発明は、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる芳香族ポリアミド多孔質膜に関するが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
Claims (5)
- 厚みが0.1〜50μmであり、多孔質膜の長手方向の1%応力(HMD)と幅方向の1%応力(HTD)の比(HMD/HTD)が、0.5≦HMD/HTD≦3である芳香族ポリアミド多孔質膜。
- 多孔質膜の長手方向の1%応力が5MPa以上200MPa以下である、請求項1に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
- 多孔質膜の幅方向の1%応力が5MPa以上100MPa以下である、請求項1または2に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
- 多孔質膜のガーレ値が0.5〜1,000sec/100ccである、請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリアミド多孔質膜を用いてなる電池用セパレーター。
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JP2008057573A JP2008266588A (ja) | 2007-03-22 | 2008-03-07 | 芳香族ポリアミド多孔質膜 |
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JP2014141638A (ja) * | 2012-12-25 | 2014-08-07 | Toray Ind Inc | 芳香族ポリアミド多孔質膜および電池用セパレータ |
JP2015057460A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-03-26 | 東レ株式会社 | 芳香族ポリアミド多孔質膜および電池用セパレータ |
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2008
- 2008-03-07 JP JP2008057573A patent/JP2008266588A/ja active Pending
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