JP2015057460A - 芳香族ポリアミド多孔質膜および電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低空孔率ながら、イオン透過性の高い孔構造を有する芳香族ポリアミドを構成成分とする多孔質膜およびそれを用いた電池用セパレータを提供すること。
【解決手段】空孔率が30〜59%であり、セパレータ抵抗が400〜1,200Ω・mmである芳香族ポリアミド多孔質膜とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、芳香族ポリアミド多孔質膜に関するものであり、特に電池などの蓄電デバイスのセパレータとして好適に使用できる芳香族ポリアミド多孔質膜に関するものである。
リチウムイオン二次電池(LIB)などの非水系二次電池は、携帯機器用途を中心に広範に普及しており、現在もさらなる高容量化、高出力化、高安全化に向けた研究開発が進められている。それに伴い、セパレータにも優れたイオン透過性と耐短絡性とを両立する孔構造を有することに加え、耐熱性と化学的安定性を持ち、低空孔率で正負極間に存在する樹脂量が多いことなどの安全性が、高水準で求められている。
このような要求に対して、例えば特許文献1、2に芳香族ポリアミド(アラミド)などの耐熱性および化学的安定性に優れる樹脂からなる多孔質膜を、ポリオレフィン多孔質膜の片面または両面に設けた、いわゆる耐熱保護層(HRL)付セパレータが開示されている。しかしながら、このHRLの効果は限定的で、基材であるポリオレフィン層の収縮や溶融が起きた際に、セパレータ全体の収縮を有効に阻止できないことがある。
このことから、電池の安全性を高めるためには、耐熱性に優れる樹脂を主たる構成要素としたセパレータを使用することが好ましい。このような例として、芳香族ポリアミドからなる不織布あるいは多孔質膜が、例えば特許文献3〜5に開示されている。これらのうち、特許文献3は、不織布や紙様シートのセパレータとしての用途を開示した例であるが、不織布などは製法上、緻密な孔構造を得ることが困難で、セパレータとして使用した際に短絡などの懸念がある。一方、特許文献4、5は、溶液製膜により得られる芳香族ポリアミド多孔質膜を開示した例である。
特開2010−108753号公報 特開2011−210435号公報 特開平5−335005号公報 特開2003−201364号公報 特開2012−219103号公報
しかしながら、溶液製膜を適用する必要のある芳香族ポリアミド多孔質膜において、イオン透過性の高い、低抵抗な膜を得ようとした場合、従来の技術ではオレフィン多孔質膜に比べて空孔率の高い膜となる。そのため、強度や耐異物性、電池内で圧縮を受けた際の絶縁保持性などの点で課題がある。一方で、溶液処方や多孔化条件などで芳香族ポリアミドの凝集を促進させることで空孔率を下げた場合、多孔質膜のイオン透過性が悪化し、抵抗が高くなることがある。また、特許文献1、2において、耐熱保護層(HRL)の空孔率や耐熱性を制御するために無機フィラーを含有させているが、この方法を多孔質膜全体に適用して空孔率を下げた場合、フィラーが孔経路を閉塞させてイオン透過性が悪化したり、フィラーの凝集欠点により強度が低下したりする懸念がある。
以上のように、芳香族ポリアミド多孔質膜において、低空孔率化と低抵抗化とは相反する課題であり、これらを両立したセパレータを得るにはなお改良の余地を有する。
本発明は上記事情に鑑み、低空孔率ながら、イオン透過性の高い孔構造を有する芳香族ポリアミド多孔質膜およびそれを用いた電池用セパレータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成からなる。
(1)空孔率が30〜59%であり、セパレータ抵抗が400〜1,200Ω・mmである芳香族ポリアミド多孔質膜。
(2)空孔率が30〜59%であり、直径16mmの円形試料における膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗が0.10〜0.40Ω/μmである、上記(1)に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
(3)250℃における長手方向および幅方向の熱収縮率のいずれもが−0.5〜3.0%である、上記(1)または(2)に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の芳香族ポリアミド多孔質膜を用いてなる電池用セパレータ。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、低空孔率ながら、イオン透過性の高い孔構造を有する。そのため、リチウムイオン二次電池などの電池用セパレータに好適に用いることができる。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜を電池用セパレータとして用いた場合、低空孔率で単位厚みあたりの樹脂量が多いことにより、電池内に異物が混入した際や圧縮を受けた際にも優れた絶縁保持性が得られる。また、同時に、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜はイオン透過性の高い孔構造を有するため、電池用セパレータとして用いた場合、優れた電池特性が得られる。
セパレータ抵抗を測定する際に使用する等価回路である。図中、Wはワールブルグ・インピーダンスである。
本発明において用いることができる芳香族ポリアミドとしては、次の化学式(1)で表される繰り返し単位を有するものが好適である。
化学式(1):
Figure 2015057460
ArおよびArとしては、それぞれ単一の基であっても良いし、複数の基で、共重合体であっても良いが、ArおよびArのすべての基が、次の化学式(2)および化学式(3)〜(5)で表される基から選ばれた基であることが好ましい。
化学式(2):
Figure 2015057460
化学式(3)〜(5):
Figure 2015057460
また、Xとしては、−O−、−CO−、−CO−、−SO−、−CH−、−S−、−C(CH−などから選ばれた基を用いることができる。
ここで、化学式(2)は芳香族ポリアミドの剛直性に寄与する基であり、化学式(3)〜(5)は柔軟性に寄与する基である。
上記の芳香族ポリアミドとしては、すべてのArとArを合計したもののうち、化学式(2)の割合が、55〜85モル%であることが好ましく、60〜80モル%であることがより好ましい。化学式(2)の割合が55モル%未満であると、ポリマー自体の本質的な剛性が低下することにより、多孔質膜とした際に孔構造が粗大化しやすいことがある。また、ポリマー自体の耐熱性が低下するため、後述する条件で熱処理を施した場合、孔が閉塞してセパレータ抵抗が0.40Ω/μmを超過し、本発明の範囲内とならないことがある。化学式(2)の割合が85モル%を超えると、ポリマーの剛直性が高く、孔形成能が低下したり、得られる多孔質膜の靭性が低くなることがある。また、ポリマー自体の耐熱性が高くなるため、後述する条件で熱処理を施した際、厚み方向の収縮が小さくなる結果、空孔率が59%を超過し、本発明の範囲内とならないことがある。加えて、熱処理時にポリマーが結晶化を起こすことで、得られる多孔質膜が脆化することがある。
さらに、これらArおよびArにおける芳香環上の水素原子の一部が、フッ素、臭素、塩素などのハロゲン基;ニトロ基;シアノ基;メチル、エチル、プロピルなどのアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのアルコキシ基等の置換基で置換されているものが、溶媒への溶解性が向上するため溶液製膜法に適用しやすいこと、分子間凝集力が抑えられるため孔形成能が向上すること、および吸湿率を低下させることから好ましい。特に、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基などの電子吸引性の置換基を有すると、上述した置換基の効果に加え、電気化学的な耐酸化性に優れ、セパレータとして用いたときに正極側における酸化などの変質を防げるため好ましい。なかでも置換基としてハロゲン基がより好ましく、塩素原子が最も好ましい。また、重合体を構成するアミド結合中の水素が置換基によって置換されていてもよい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜(以下、単に多孔質膜ということがある。)は、多孔質膜中における上述の芳香族ポリアミドの含有量が70〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、80〜100質量%である。多孔質膜中の芳香族ポリアミドの含有量が70質量%未満であると、耐熱性が低下して熱収縮率が本発明の範囲内とならないことがある。また、後述する条件で製膜しても空孔率やセパレータ抵抗が本発明の範囲内に制御できないことがある。さらに、無機粒子などで空孔率を本発明の範囲内とした場合、粒子が孔経路を閉塞させてセパレータ抵抗が本発明の範囲内とならなかったり、粒子の凝集欠点により強度が低下したりすることがある。多孔質膜中における芳香族ポリアミドの含有量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)に、低角度レーザー光散乱光度計(LALLS)および示差屈折率計(RI)を組み入れることで測定できる。すなわち、多孔質膜を溶解させた溶液に対してGPC装置でサイズ分別し、その光散乱強度を、溶出時間を追って測定することで、溶質の分子量とその含有率を計算することができる。なお、GPCにより分離した各分子量物の同定が必要な場合は、核磁気共鳴法(NMR)およびフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)を組み合わせた構造解析により同定することができる。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜の厚みは、3〜30μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。さらに好ましくは12〜27μmである。厚みが3μm未満であると、強度が低く、加工時にフィルムの破断が起きたり、耐電圧性が低く、セパレータとして使用した際に電極間が短絡する可能性がある。厚みが30μmを超えると、セパレータとして使用した際にセパレータ抵抗の上昇により出力が低下したり、電池内に組み込める活物質層の厚みが薄くなり体積あたりの容量が小さくなることがある。本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜の厚みは、芳香族ポリアミドのポリマー構造、重合度、製膜原液濃度、製膜原液粘度、製膜原液中の添加物、流延厚み、多孔化条件、湿式浴温度、熱処理温度および延伸条件など種々の条件により制御することができるが、後述する製造条件により厚み方向に収縮させ、目的とする厚みに制御することが好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、空孔率が30〜59%であることが好ましい。より好ましくは30〜54%、さらに好ましくは30〜49%である。空孔率を上記範囲内とすることで、電池用セパレータとして使用したときに、充放電に必要な電解液量を空孔中に保持できるとともに、電池内に異物が混入したり局所的な圧縮を受けても、優れた絶縁保持性が得られる。空孔率が30%未満であると、電池用セパレータとして用いたときに、電解液の保液量が少なく、急速充放電を行った際に、リチウムイオンが溶媒和するのに十分な溶媒分子を補うことができず、分極を起こすことがある。また、充放電を繰り返した際に液枯れによる性能低下が起きることがある。空孔率が59%を超えると、電池用セパレータとして用いたときに、強度や耐異物性、圧縮を受けた際の絶縁保持性などが低下することがある。空孔率を上記範囲内とするため、前述の芳香族ポリアミドを使用し、多孔質膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、セパレータ抵抗が400〜1,200Ω・mmであることが好ましい。より好ましくは400〜1,000Ω・mm、さらに好ましくは400〜800Ω・mmである。セパレータ抵抗を上記範囲内とすることで、電池用セパレータとして使用したときに、イオン透過性が高く、優れた出力特性やサイクル特性が得られる。セパレータ抵抗が400Ω・mm未満であると、電池用セパレータとして使用した際に電極間の短絡が起き易くなることがある。一方でセパレータ抵抗が1,200Ω・mmを超えると、電池用セパレータとして使用したときに、イオン透過性が低く、出力特性の低下が起きたり、繰り返し使用した際に容量劣化が大きくなることがある。セパレータ抵抗を上記範囲内とするため、前述の芳香族ポリアミドを使用し、多孔質膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。特に本発明において空孔率とセパレータ抵抗とを両立させるにあたり、後述の方法でイオン透過性の高い孔構造を形成させた後、熱処理により所定の空孔率に制御する手法を採ることが、セパレータ抵抗を上記範囲内とする方法として好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、直径16mmの円形試料における膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗が0.10〜0.40Ω/μmであることが好ましい。より好ましくは0.10〜0.30Ω/μm、さらに好ましくは0.10〜0.20Ω/μmである。膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗を上記範囲内とすることで、電池用セパレータとして使用したときに、イオン透過性が高く、優れた出力特性やサイクル特性が得られる。膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗が0.10Ω/μm未満であると、電池用セパレータとして使用した際に電極間の短絡が起き易くなることがある。一方で膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗が0.40Ω/μmを超えると、電池用セパレータとして使用したときに、イオン透過性が低く、出力特性の低下が起きたり、繰り返し使用した際に容量劣化が大きくなることがある。膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗を上記範囲内とするため、前述の芳香族ポリアミドを使用し、多孔質膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。特に本発明において空孔率とセパレータ抵抗とを両立させるにあたり、後述の方法でイオン透過性の高い孔構造を形成させた後、熱処理により所定の空孔率に制御する手法を採ることが、セパレータ抵抗を上記範囲内とする方法として好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、ガーレ透気度が1〜500秒/100mlであることが好ましい。より好ましくは5〜300秒/100mlである。ガーレ透気度が1秒/100mlより小さいと強度が低下し、加工時にフィルムの破断が起きたり、電池用セパレータとして使用したときに電極間の短絡が起き易くなることがある。ガーレ透気度が500秒/100mlより大きいと、電池用セパレータとして使用したときに、出力特性の低下が起きたり、繰り返し使用した際に容量劣化が大きくなることがある。ガーレ透気度を上記範囲内とするため、前述の芳香族ポリアミドを使用し、多孔質膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、250℃における長手方向(MD)および幅方向(TD)の熱収縮率のいずれもが−0.5〜3.0%であることが好ましく、いずれもが−0.5〜1.0%であることがより好ましい。いずれかの熱収縮率が3.0%を超える場合、電池の異常発熱時にセパレータの収縮により、電池端部において短絡が起こることがある。熱収縮率を上記範囲内とするため、前述の芳香族ポリアミドを使用し、多孔質膜の製造条件、特に熱処理条件を後述の範囲内とすることが好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、長手方向(MD)および幅方向(TD)の破断点伸度がいずれも10%以上であることが好ましい。伸度が高いことにより、加工工程でのフィルム破れを低減することができ、高速で加工することが可能となる。また、電池用セパレータとして使用する際、電池の耐久性や安全性が確保できる。加工性、耐久性および安全性がより向上することから、破断伸度はいずれも20%以上であることがより好ましく、いずれもが30%以上であることがさらに好ましい。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に200%程度が限界である。破断点伸度を上記範囲内とするため、前述の芳香族ポリアミドを使用し、多孔質膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。
次に、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜の製造方法について、以下に説明する。まず、芳香族ポリアミドを、例えば、酸ジクロライドとジアミンを原料として重合する場合には、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合により合成する方法や、水系媒体を使用する界面重合で合成する方法等をとることができる。ポリマーの分子量を制御しやすいことから、非プロトン性有機極性溶媒中での溶液重合が好ましい。
溶液重合の場合、分子量の高いポリマーを得るために、重合に使用する溶媒の水分率を500ppm以下(質量基準、以下同様)とすることが好ましく、200ppm以下とすることがより好ましい。使用する酸ジクロライドおよびジアミンの両者を等量用いると超高分子量のポリマーが生成することがあるため、モル比を、一方が他方の95.0〜99.5モル%になるように調整することが好ましい。また、芳香族ポリアミドの重合反応は発熱を伴うが、重合系の温度が上がると、副反応が起きて重合度が十分に上がらないことがあるため、重合中の溶液の温度を40℃以下に冷却することが好ましい。さらに、酸ジクロライドとジアミンを原料とする場合、重合反応に伴って塩化水素が副生するが、これを中和する場合には炭酸リチウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどの無機の中和剤、あるいは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の有機の中和剤を使用するとよい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜を得るために、芳香族ポリアミドポリマーの対数粘度(ηinh)は、1.5〜3.5dl/gであることが好ましく、1.8〜3.0dl/gであることがより好ましい。
次に、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜を製造する工程に用いる製膜原液(以下、単に製膜原液ということがある。)について、説明する。
製膜原液には重合後のポリマー溶液をそのまま使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上述の非プロトン性有機極性溶媒や硫酸などの無機溶剤に再溶解して使用してもよい。芳香族ポリアミドを単離する方法としては、特に限定しないが、重合後の芳香族ポリアミド溶液を多量の水中に投入することで溶媒および中和塩を水中に抽出し、析出した芳香族ポリアミドのみを分離した後、乾燥させる方法などが挙げられる。また、再溶解時に溶解助剤として金属塩などを添加してもよい。金属塩としては、非プロトン性有機極性溶媒に溶解するアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウムなどが挙げられる。製膜原液中の芳香族ポリアミドの含有量は、5〜20質量%が好ましく、より好ましくは7〜15質量%である。
製膜原液には孔形成能を向上させる目的で、親水性ポリマーを混合してもよい。親水性ポリマーを混合する場合、その含有量は製膜原液100質量%に対して1〜10質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがより好ましい。製膜原液における親水性ポリマーの含有量が1質量%未満の場合、多孔質膜を形成する過程において、芳香族ポリアミド分子が凝集し、多孔質膜を製膜することが困難になることがある。含有量が10質量%を超える場合、得られる多孔質膜において、孔構造の粗大化や強度の低下が起きることがある。また、最終的に多孔質膜中の親水性ポリマーの残存量が多くなり、耐熱性や剛性の低下、親水性ポリマーの電解液中への溶出などが起きることがある。親水性ポリマーとしては、非プロトン性有機極性溶媒に溶解するポリマーのうち、極性の置換基、特に、水酸基、アシル基およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を含有するポリマーを用いることができる。このようなポリマーとして、例えば、ポリビニルピロリドン(以下、PVPと記すことがある。)、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン等が挙げられるが、芳香族ポリアミドとの相溶性が良いPVPを用いることが最も好ましい。PVPの重量平均分子量は、50万〜300万であることが好ましい。重量平均分子量が50万未満であると、低分子量のPVPが多孔質膜に残った場合、多孔質膜の耐熱性が低下したり、電池用セパレータとして使用した際にPVPが電解液中に溶出したりする恐れがある。重量平均分子量が300万を超えると、製膜原液の溶液粘度が高くなり過ぎることで多孔質膜を製膜することが困難になることがある。親水性ポリマーは重合後の芳香族ポリアミド溶液あるいは再溶解した芳香族ポリアミド溶液中に投入しても、単離した芳香族ポリアミドとともに非プロトン性有機極性溶媒中に投入して混練してもよい。
製膜原液には、多孔質膜中の芳香族ポリアミドの含有量が70質量%を下回らない限りにおいて、得られる多孔質膜の耐圧縮性や耐突刺性、耐熱性の向上、静摩擦係数の低減を目的に、無機粒子または有機粒子を添加してもよい。無機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム及びフッ化カルシウム等が挙げられる。有機粒子としては、例えば、高分子化合物を架橋剤を用いて架橋した粒子が挙げられる。このような架橋粒子として、ポリメトキシシラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合物の架橋粒子、アクリル系化合物の架橋粒子、ポリウレタン系化合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架橋粒子、フッ素系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの混合物が挙げられる。
上記のようにして調製された製膜原液を用いて、いわゆる溶液製膜法により、多孔質膜の製造が行われる。溶液製膜による多孔質膜の製造の方法として、代表的には湿式法、析出法などが挙げられるが、凝固浴を用いる湿式法では、形成される孔の粗大化や厚み方向の孔形状の不均一化が起きたり、孔間に隔壁が生じやすい場合がある。そのため、本発明の多孔質膜を得るには、孔構造を微細かつ均一に制御しやすい析出法で製膜することが好ましい。
析出法による多孔質膜の製造を行う場合、まず、製膜原液を口金やダイコーターを用いて、支持体上にキャスト(流延)し、製膜原液のキャスト膜を得た後、ポリマーを析出させて多孔質膜を得る。支持体の素材は、特に限定しないが、ステンレス、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂などが挙げられる。キャスト膜からポリマーを析出させる方法として、調温調湿雰囲気下でキャスト膜を吸湿させてポリマーを析出させる方法、キャスト膜を冷却することによりポリマーの溶解性を低下させて相分離または析出させる方法、キャスト膜に霧状の水を吹き付けてポリマーを析出させる方法などが挙げられる。冷却する方法ではポリマーの析出までに時間を要し、孔形状の不均一化が起きやすかったり、生産性が低下することがある。一方、霧状の水を吹き付ける方法では、表面に緻密な層が形成されることがある。これらのことから、調温調湿雰囲気下でキャスト膜に吸湿させる方法が、水の供給速度および量を任意に制御可能で、均質な多孔質構造を短時間で形成させることができることから好ましい。
本発明の多孔質膜の製造工程において、調温調湿雰囲気の容積絶対湿度は10〜180g/mとすることが好ましい。より好ましくは30〜100g/m、さらに好ましくは40〜90g/mである。また、この絶対湿度を満たす範囲内で、雰囲気の温度は20〜70℃、相対湿度は60〜95%RHとすることが好ましい。より好ましくは、雰囲気の温度は30〜60℃、相対湿度は70〜90%RHである。調温調湿雰囲気下での処理時間は0.1〜5分とすることが好ましい。
次に、析出させた芳香族ポリアミド多孔質膜を支持体ごとあるいは支持体から剥離して湿式浴に導入し、溶媒および親水性ポリマーや無機塩などの添加剤の除去を行う。浴組成は特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いることが、経済性および取扱いの容易さから好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていてもよい。湿式浴温度は、溶媒等を効率的に除去できることから、20℃以上であることが好ましい。浴温度の上限は特に定めることはないが、水の蒸発や沸騰による気泡の発生の影響を考えると、90℃までに抑えることが効率的である。導入時間は、1〜20分にすることが好ましい。この時、湿式浴中での多孔質膜の長手方向(MD)への延伸倍率は、0.60〜1.05倍であることが好ましい。また、幅方向(TD)については、把持することなく自由収縮させることが好ましい。延伸条件を上記範囲内とすることで、次工程の熱処理時において厚み方向の収縮が大きくなりやすく、空孔率を本発明の範囲内とすることができる。延伸倍率が上記範囲を超えると、膜中のポリマー分子鎖が面方向に配向することで次工程の熱処理時に厚み方向の収縮が小さくなる結果、空孔率が59%を超過し、本発明の範囲内とならないことがある。
次に、脱溶媒を終えた多孔質膜に、テンターなどを用いて熱処理を施す。この時、まず150〜210℃で予備乾燥を行った後、後述の高温熱処理を施すことが好ましい。ここで、予備乾燥はポリマー内部に取り込まれている水分を、高温熱処理前に取り除く目的で行う。予備乾燥温度が150℃未満であると、ポリマー内部の水分まで取り除くことができず、次工程の高温熱処理時に水分が突沸し、多孔質膜が発泡することで破断点伸度などの機械特性が低下することがある。一方で、予備乾燥温度が210℃を超えると、予備乾燥時に多孔質膜内部の水分が突沸し、機械特性が低下することがある。乾燥温度は上記範囲内において高い方が好ましく、より好ましくは180〜210℃である。
予備乾燥後の高温熱処理は270〜340℃で施すのが好ましい。より好ましくは、290〜320℃である。高温熱処理温度が270℃未満であると、厚み方向の収縮が小さくなり、空孔率が59%を超過し、本発明の範囲内とならないことがある。また、多孔質膜の耐熱性が不十分となり、熱収縮率が大きくなることがある。高温熱処理の温度が高いほど多孔質膜の空孔率は小さくなり、また、耐熱性が向上するが、温度が340℃を超えると、ポリマーの分解などにより、破断点伸度などの機械特性が低下することがある。
また、熱処理工程(予備乾燥および高温熱処理)において延伸あるいはリラックスを施してもよいが、多孔質膜の長手方向(MD)および幅方向(TD)への延伸倍率は、両方向とも0.90〜1.20倍であることが好ましい。延伸倍率を上記範囲内とすることで、厚み方向の収縮が大きくなりやすく、空孔率を本発明の範囲内とすることができる。延伸倍率が1.20倍を超えると、延伸の影響を強く受けるため、空孔率が59%を超過し、本発明の範囲内とならなかったり、孔構造が粗大化することがある。また、熱収縮率が大きくなることがある。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、低空孔率ながら、イオン透過性の高い孔構造を有する。そのため、リチウムイオン二次電池などの電池用セパレータに好適に用いることができる。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜を電池用セパレータとして用いた場合、低空孔率で単位厚みあたりの樹脂量が多いことにより、電池内に異物が混入した際や圧縮を受けた際にも優れた絶縁保持性が得られる。また、同時に、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜はイオン透過性の高い孔構造を有するため、電池用セパレータとして用いた場合、優れた電池特性が得られる。従って、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜をセパレータとして用いた二次電池は、小型の電子機器を始め、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの交通機関、産業用クレーンなどの大型の産業機器の動力源として好適に用いることができる。また、太陽電池、風力発電装置などにおける電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置としても好適に用いることができる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
実施例における物性の測定方法は次の方法に従って行った。
(1)厚み
定圧厚み測定器FFA−1(尾崎製作所社製)を用いて多孔質膜試料の厚み(μm)を測定した。測定子径は5mm、測定荷重は1.25Nである。厚みは100mm角の多孔質膜試料において任意に10点測定し、平均値を求めた。
(2)空孔率
100mm角の多孔質膜試料の厚み(μm;上記(1)により測定した値)と質量を測定し、多孔質膜の見かけの密度(かさ密度)dを求めた。これとポリマーの真密度dより、下式を用いて空孔率(%)を算出した。なお、本発明の実施例においては、芳香族ポリアミドの真密度を1.5g/cm、ポリビニルピロリドン(PVP)の真密度を1.2g/cmとして算出した。
空孔率(%)=(1−d/d)×100
(3)セパレータ抵抗
A.アルミラミネートセルによる評価
まず、多孔質膜試料を55mm×55mmに切り出した。
次に、測定用電極1として、厚み20μmのアルミシートを長辺50mm×短辺40mmに切り出した。このうち、短辺40mm×長辺の端10mmはタブを接続するためののりしろであり、有効測定面積は40mm×40mm(1,600mm)である。切り出したアルミシートののりしろ部の任意の位置に幅5mm、長さ30mm、厚み100μmのアルミ製タブを超音波溶接した後、溶接部を含むのりしろ部全体をカプトン(登録商標)テープで覆うことで絶縁処理を行った。
また、測定用電極2として、同上のアルミシートを長辺55mm×短辺45mmに切り出した。このうち、短辺45mm×長辺の端10mmはタブを接続するためののりしろである。切り出したアルミシートののりしろ部の任意の位置に幅5mm、長さ30mm、厚み100μmのアルミ製タブを超音波溶接した後、溶接部を含むのりしろ部全体をカプトン(登録商標)テープで覆うことで絶縁処理を行った。
以上の部材を、測定用電極1/多孔質膜/測定用電極2の順に重ね、測定用電極1の40mm×40mmの有効測定領域の全てが多孔質膜を隔てて測定用電極2と対向するように配置した。次にアルミラミネートフィルムに上記の(電極/多孔質膜/電極)試料を挟み込み、アルミラミネートフィルムの1辺を残して熱融着し、袋状とした。
袋状にしたアルミラミネートフィルムに、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)の混合溶媒に溶質としてLiPFを濃度1mol/Lとなるように溶解させた電解液を1.5g注入し、減圧含浸させながらアルミラミネートフィルムの短辺部を熱融着させてラミネートセルを作製した。
作製したセルについて、25℃雰囲気下、電圧振幅10mV、周波数10Hz〜5,000kHzの条件で交流インピーダンスを測定し、Cole−Coleプロットから図1の等価回路を用いてセパレータ抵抗Rs(Ω)を求めた。得られたセパレータ抵抗に有効測定面積1,600mmを乗ずることで、規格化したセパレータ抵抗(Ω・mm)を算出した。
試験値は評価用セルを5個作製し、セパレータ抵抗が最大、最小となるセルを除去した3個のセルの平均値とした。
B.コインセルによる評価
多孔質膜試料を直径24mmの円形に打ち抜き、下から直径16mmのSUS板、多孔質膜試料、直径16mmのSUS板の順に重ね、蓋付ステンレス金属製小容器(宝泉(株)製、HSセル、ばね圧1kgf)に収納した。有効測定面積は直径16mmの円形領域(201mm)である。この容器内にエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=3:7(体積比)の混合溶媒に溶質としてLiPFを濃度1mol/Lとなるように溶解させた電解液を注入して密閉し、コインセルを作製した。
作製したセルについて、25℃雰囲気下、電圧振幅10mV、周波数10Hz〜5,000kHzの条件で交流インピーダンスを測定し、Cole−Coleプロットから図1の等価回路を用いてセパレータ抵抗Rs(Ω)を求めた。得られたセパレータ抵抗を試料の厚み(μm;上記(1)により測定した値)で除することで、膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗(Ω/μm)を算出した。
試験値は、評価用セルを5個作製し、セパレータ抵抗が最大、最小となるセルを除去した3個のセルの平均値とした。
(4)ガーレ透気度
B型ガーレデンソメーター(安田精機製作所社製)を使用し、JIS−P8117(1998)に規定された方法に従って、多孔質膜のガーレ透気度(秒/100ml)の測定を行った。試料の多孔質膜を直径28.6mm、面積642mmの円孔に締め付け、内筒により(内筒質量567g)、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させ、空気100mlが通過する時間を測定することでガーレ透気度とした。
(5)250℃における熱収縮率
試料の多孔質膜を、幅10mm、長さ220mmの短冊状に切り取り、長辺を測定方向とした。長辺の両端から約10mmの部分に印をつけ、印の間隔をLとした。250℃の熱風オーブン中で10分間、実質的に張力を掛けない状態で熱処理を行い、25℃まで冷却した後の印の間隔をLとし、下式で熱収縮率(%)を計算した。フィルムの長手方向および幅方向にそれぞれ5回測定し、それぞれ平均値を求めた。
熱収縮率(%)=((L−L)/L)×100
(6)対数粘度 ηinh
臭化リチウム(LiBr)を2.5質量%添加したN−メチルピロリドン(NMP)に、ポリマーを0.5g/dlの濃度で溶解させ、ウベローデ粘度計を使用して、30℃にて流下時間を測定した。ポリマーを溶解させないブランクのNMPの流下時間も同様に測定し、下式を用いて対数粘度ηinh(dl/g)を算出した。
対数粘度ηinh(dl/g)=〔ln(t/t)〕/0.5
:ブランクの流下時間(秒)
t:サンプルの流下時間(秒)
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
(実施例1)
脱水したN−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社製)に、ジアミン全量に対して50モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン(日本化薬社製)と50モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(東京化成社製)を窒素気流下で溶解させ、30℃以下に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して99モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライド(日本軽金属社製)を30分かけて添加し、全量添加後、約2時間の撹拌を行うことで、芳香族ポリアミド(A)を重合した。得られた重合溶液を、酸クロライド全量に対して97モル%の炭酸リチウム(本荘ケミカル社製)および6モル%のジエタノールアミン(東京化成社製)により中和することで芳香族ポリアミドの溶液を得た。得られた芳香族ポリアミドの対数粘度ηinhは2.5dl/gであった。
次に、得られた芳香族ポリアミド溶液中にポリビニルピロリドン(PVP、BASF社製K90)および希釈用のNMPを加え、製膜原液中の芳香族ポリアミドおよびPVPの含有量が、それぞれ10質量%、4質量%となるように調製した。製膜原液は60℃で2時間撹拌を行うことで均一透明な溶液とした。
この製膜原液を、支持体であるステンレス(SUS316)ベルト上に膜状に塗布し、温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気中で、塗布膜が支持体から剥離可能になるまで処理した。
次に、塗布膜を支持体から剥離し、30℃の水浴に導入することで、溶媒およびPVP、中和塩などの抽出を行った。この湿式浴工程は定長(MD延伸倍率:1.00倍)、幅方向(TD)無把持で通過させた。
続いて、得られた含水状態の多孔質膜を、温度200℃のテンター室内に定長定幅で1分間導入して予備乾燥(処理I)後、290℃のテンター室内にて、定長で幅方向(TD)に1.05倍の延伸を施しながら、1分間の高温熱処理(処理II)を施し、多孔質膜を得た。
得られた多孔質膜の主な製造条件を表1、物性の評価結果を表2に示す。
(実施例2〜4および13、比較例1〜5)
製造方法を表1のとおりとすること以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(実施例5)
芳香族ポリアミド(B)を得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して30モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと、70モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(実施例6)
芳香族ポリアミド(C)を得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して70モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと、30モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(実施例7、8)
脱水したNMPに、ジアミン全量に対して80モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを窒素気流下で溶解させ、30℃以下に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して79モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライドを添加して、全量添加後、約1時間の撹拌を行った。次に上記溶液に、ジアミン全量に対して20モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンを添加し溶解させた。その後、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して20モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライドを添加して、全量添加後、約1時間の撹拌を行うことで、芳香族ポリアミド(H)の重合を完了した。得られた重合溶液を、実施例1と同様にして中和することで芳香族ポリアミドの溶液を得た。得られた芳香族ポリアミドの対数粘度ηinhは2.5dl/gであった。
次に、得られた芳香族ポリアミド溶液をNMPにより芳香族ポリアミドの濃度が11質量%となるように希釈して製膜原液とした。この製膜原液を用い、以降は実施例1と同様にして多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(実施例9、10、比較例11)
実施例7と同様に製造した芳香族ポリアミド(H)からなる製膜原液を用い、製造方法を表1のとおりとすること以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例7と同様にして重合および中和を実施し、芳香族ポリアミド(H)溶液を得た。次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリアミドが10質量%、アルミナ粒子AHP300(日本軽金属社製)が2.5質量%となるように、アルミナ粒子を分散させたNMPを添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。この製膜原液を用い、以降は実施例1と同様にして多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1と同様にして重合および中和を実施し、芳香族ポリアミド(A)溶液を得た。次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリアミドが10質量%、ポリエチレングリコール(第一工業製薬社製PEG300)が20質量%となるように、ポリエチレングリコールおよびNMPを添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。この製膜原液を用い、以降は実施例1と同様にして多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(比較例6)
芳香族ポリアミド(D)を得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して80モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと、20モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(比較例7)
芳香族ポリアミド(E)を得るためのモノマーを、ジアミン全量に対して50モル%に相当する1,3−フェニレンジアミン(東京化成社製)と50モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、および99モル%に相当するイソフタロイルクロライド(東京化成社製)とすること以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例1と同様にして得られた芳香族ポリアミド(A)溶液中に、シリカ粒子(日本アエロジル社製R972)、PVP(K90)および希釈用のNMPを加え、製膜原液中の芳香族ポリアミド、シリカ粒子、およびPVPの含有量が、それぞれ10質量%、5質量%、4質量%となるように調製した。
以降は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
(比較例9)
芳香族ポリアミドを得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して85モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと、15モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、芳香族ポリアミド(F)の溶液を得た。この溶液を水とともにミキサーに投入し、攪拌しながらポリマーを沈殿させて取り出した。取り出したポリマーを水洗し、減圧120℃下で24時間乾燥させ、芳香族ポリアミドを単離した。
得られた芳香族ポリアミドおよびPVP(K90)をNMP中に投入し、60℃で7時間撹拌することで均一透明な製膜原液を得た。それぞれの含有量は芳香族ポリアミド14質量%、PVP4質量%とした。
この製膜原液を、支持体であるステンレス(SUS316)ベルト上に膜状に塗布し、温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気中で、塗布膜が支持体から剥離可能になるまで処理した。
次に、塗布膜を支持体から剥離し、60℃の水浴に導入することで、溶媒およびPVPなどの抽出を行った。この湿式浴工程は定長(MD延伸倍率:1.00倍)、定幅(TD延伸倍率:1.00倍)で通過させた。
続いて、得られた含水状態の多孔質膜を、温度200℃のテンター室内に定長定幅で1分間導入して予備乾燥後、230℃のテンター室内にて、定長で幅方向(TD)に5%のリラックスを施しながら、2分間の熱処理を施し、多孔質膜を得た。
得られた多孔質膜の主な製造条件を表1、物性の評価結果を表2に示す。
(比較例10)
芳香族ポリアミドを得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して20モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと、80モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、芳香族ポリアミド(G)の溶液を得た。
次に、製膜原液中の芳香族ポリアミド、PVP(K90)、およびRO水が、それぞれ10質量%、5質量%、10質量%となるように調製し、60℃で2時間撹拌を行うことで均一透明な溶液とした。
この製膜原液を、支持体であるステンレス(SUS316)ベルト上に膜状に塗布し、温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気中で、塗布膜が支持体から剥離可能になるまで処理した。
次に、塗布膜を支持体から剥離し、30℃の水浴に導入することで、溶媒およびPVPなどの抽出を行うとともに、定幅で長手方向(MD)に1.20倍の延伸を施した。
続いて、得られた含水状態の多孔質膜を、温度150℃のテンター室内に導入し、定長で幅方向(TD)に1.20倍の延伸を施した。その後、定長定幅で温度280℃のテンター室内にて1分間の高温熱処理を施し、多孔質膜を得た。
得られた多孔質膜の主な製造条件を表1、物性の評価結果を表2に示す。
(比較例12)
芳香族ポリアミド(I)を得るためのジアミン全量を4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとする(つまり、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと2−クロロテレフタロイルクロライドとの2成分系芳香族ポリアミドとする)こと以外は実施例1と同様にして、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の物性評価結果を表2に示す。
Figure 2015057460
Figure 2015057460
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、低空孔率ながら、イオン透過性の高い孔構造を有する。そのため、リチウムイオン二次電池などの電池用セパレータに好適に用いることができる。本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜を電池用セパレータとして用いた場合、低空孔率で厚みあたりの樹脂量が多いことにより、電池内に異物が混入した際や圧縮を受けた際にも優れた絶縁保持性が得られる。また、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜はイオン透過性の高い孔構造を有するため、電池用セパレータとして用いた場合、優れた出力特性やサイクル特性が得られる。

Claims (4)

  1. 空孔率が30〜59%であり、セパレータ抵抗が400〜1,200Ω・mmである芳香族ポリアミド多孔質膜。
  2. 空孔率が30〜59%であり、直径16mmの円形試料における膜厚1μmあたりのセパレータ抵抗が0.10〜0.40Ω/μmである、請求項1に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
  3. 250℃における長手方向および幅方向の熱収縮率のいずれもが−0.5〜3.0%である、請求項1または2に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリアミド多孔質膜を用いてなる電池用セパレータ。
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