JP2003079989A - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Abstract
り、ドラム内の洗濯物の重量に応じてブレーキの強さを
変えて、貯液室の液量を正しく調節する。 【解決手段】 回転中心が水平又は傾斜した状態で回転
するドラムと、ドラムを回転させる駆動モータと、遠心
力によって内部に液体を貯留する貯液室と、ドラム内の
洗濯物の偏心荷重を検出する偏心荷重検出手段と、検出
された偏心荷重に対応して貯液室の液量を調節する制御
手段とを具え、回転するドラムにブレーキを掛けて、貯
液室の液量を調節するドラム式洗濯機において、ドラム
の回転を検知する慣性モーメント測定手段を具え、制御
手段は、慣性モーメント測定手段によって検知されたド
ラムの回転に基づいてドラムに作用する慣性モーメント
を算出し、貯液室の液量の調節を行なう際に、ドラムの
減速が一定となるように、算出された慣性モーメントに
応じて、ドラムに掛けるブレーキの強さを調整する。
Description
は傾斜した状態で回転するドラムを具えたドラム式洗濯
機に関するものであり、
うに、洗濯物を洗濯、脱水するドラム(91)を、水平又は
傾斜した状態で回転させる洗濯機である。ドラム(91)
は、外槽(92)の内部に回転自在に支持されており、外槽
(92)に配備された駆動モータ(93)とベルト(94)及びプー
リ(95)(95)を介して連繋され、駆動モータ(93)の駆動に
よって回転する。このドラム式洗濯機(90)では、特に脱
水の際に、遠心力作用によって濡れた洗濯物がドラム(9
1)の内周壁に偏在する結果、ドラム(91)に偏心荷重が生
じて、回転中心周りの重量バランスが不均衡となり、振
動や騒音の発生する問題があった。
に、ドラム(91)を支持する外槽(92)と洗濯機筐体(96)と
の間に、振動減衰ダンパ(97)やスプリング(97a)を配し
たものがある。さらに、偏心荷重の発生自体を抑えて、
振動と騒音の低減を図るため、ドラム端面に複数の貯液
室(98)を同方向に等間隔に設けると共に、荷重の偏心位
置を検出する手段(99)を配したものもある。貯液室(98)
の液量は、偏心荷重検出手段(99)で検出された偏心荷重
位置に応じて調節され、ドラム(91)の偏心荷重を相殺
し、振動や騒音を低減している。
(92)に加速度センサを配備し、外槽(92)の上下方向の加
速度を検知して、偏心荷重の位置を特定する洗濯機があ
った。
節する方法として、予め貯液室(98)にほぼ均一量の水を
供給しておき、偏心荷重位置がドラム(91)の回転中心の
真上近傍に達したときに、駆動モータ(93)を瞬間的に逆
回転させて逆転ブレーキを掛け、偏心荷重側の貯液室(9
8)内の水を自然落下させる方法がある。
の重量に関係なく同じ強さであったため、洗濯物の重量
が大きいときには、ブレーキの効きが悪く、偏心荷重の
位置からずれた貯液室(98)の水が減少してしまう。この
ため、貯液室(98)の液量調節を行なっても、偏心荷重の
重量バランスは補正されず、ドラム(91)の振動がさらに
増長する。
を検知することにより、ドラム内の洗濯物の重量に応じ
てブレーキの強さを変えて、貯液室の液量を正しく調節
できるドラム式洗濯機を提供することである。
に、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を収容し、回転
中心が水平又は傾斜した状態で回転して、洗濯物を洗
濯、脱水するドラムと、ドラムを回転させる駆動モータ
と、ドラムの周方向に等間隔に複数設けられ、ドラムの
回転によって生ずる遠心力によって、内部に液体を貯留
する貯液室と、ドラム内での洗濯物の偏在による偏心荷
重を検出する偏心荷重検出手段と、検出された偏心荷重
の位置及び大きさを求め、その位置及び大きさに対応し
て貯液室の液量を調節する制御手段とを具え、回転する
ドラムにブレーキを掛けて、貯液室の液量を調節するド
ラム式洗濯機において、ドラムの回転を検知する慣性モ
ーメント測定手段を具え、制御手段は、慣性モーメント
測定手段によって検知されたドラムの回転に基づいてド
ラムに作用する慣性モーメントを算出し、貯液室の液量
の調節を行なう際に、ドラムの減速が一定となるよう
に、算出された慣性モーメントに応じて、ドラムに掛け
るブレーキの強さを調整する。
濯物の入れられたドラムの回転、例えば、回転速度や回
転数を検知し、制御手段は、得られたデータからドラム
の慣性モーメントを算出する。ドラムの慣性モーメント
は、洗濯物の重量に応じて変化するから、貯液室の液量
調節の際に、ドラムの慣性モーメントに基づいて、ドラ
ムの減速が一定となるようにブレーキの強さを調整する
と、洗濯物の重量に拘わらず、同じ位置でドラムを減速
でき、偏心荷重の位置に対応して、貯液室の液量を調節
できる。
タの磁極の極性変化を検出することにより、ドラムの回
転を駆動モータの回転から検知できるから、慣性モーメ
ントも正確に測定される。正確に特定された慣性モーメ
ントの情報に基づいてブレーキ調整を行なうことによ
り、貯液室の液量が正しく調節され、ドラムの重量バラ
ンスの均衡化を図ることができ、振動及び騒音の低減を
達成できる。
配備されているホール素子を利用することによって、部
品点数の増加やコストの上昇を抑えることができる。
イブモータを用い、減速機構を介せずにドラムを直接駆
動モータの回転軸と接続することにより、ドラムと駆動
モータとの間に滑りが生じない。従って、駆動モータの
回転が、ドラムの回転と一致し、慣性モーメントをより
正確に測定することができる。
0)について説明する。図1は、本発明のドラム式洗濯機
(10)の全体構成を示す断面図である。ドラム式洗濯機(1
0)は、洗濯機筐体(12)の内部に、ダンパ(14)及びスプリ
ング(16)(16)を介して外槽(18)が支持されており、外槽
(18)の内部に円筒状のドラム(20)が回転可能に支持され
ている。図示のドラム式洗濯機(10)は、洗濯物を筐体(1
2)の上部から出し入れするタイプのものであり、筐体(1
2)及び外槽(18)の上面には、洗濯物を出し入れする洗濯
物投入口(22)(24)が開設されており、ドラム(20)の周面
にも外槽(18)の洗濯物投入口(24)と位置合わせ可能に洗
濯物投入口(26)が開設されている。各洗濯物投入口(22)
(24)(26)には、夫々、扉(図示せず)が取り付けられてい
る。なお、洗濯物投入口は、洗濯機の側面に設けてもよ
い。
り、周面に多数の通水孔(図示せず)が穿孔されており、
内周面には、洗濯物を掻き上げるバッフル(図示せず)が
複数突設されている。また、洗濯物投入口(26)と対向す
るドラム(20)の内周面には、洗濯物投入口(26)(扉を含
む)の重量バランスを保持するために洗濯物投入口(26)
の重さに対応した重量のバランサ(28)が配備されてい
る。ドラム(20)の両端中央には、回転軸(30)(32)が外向
きに突設されており、外槽(18)にベアリング(34)(34)を
介して回転自在に支持される。一方の回転軸(30)は、外
槽(18)の外側に配置された駆動モータ(50)(後述する)の
回転軸を兼ねている。
て複数の貯液室(36)が設けられている。各貯液室(36)
は、ドラム(20)の回転中心から等距離にあり、回転中心
に向けて開口している。ドラム(20)の一方の端面には、
回転中心の上側を通過する貯液室(36)から重力作用によ
ってこぼれ落ちる液体(後述する)が、下側の貯液室(36)
に進入しないように環状の遮蔽板(38)が突設されてい
る。ドラム(20)の他方の端面には、中空環状の流体バラ
ンサ(40)が取り付けられている。流体バランサ(40)の内
部には、空間体積の約半分程度の液体が入れられてい
る。流体バランサ(40)の内周面は、上述の遮蔽板を兼ね
ている。
(18)の内部に供給する給水管(図示せず)と、上記貯液室
(36)に液体(本実施例では水)を供給する注水管(42)、及
び、外槽(18)内の水を排出する排水管(44)が接続されて
いる。注水管(42)は、一端が給水設備(図示せず)に接続
されており、注水バルブ(46)(46)を介して、外槽(18)を
貫通した他端から、ドラム(20)の回転中心の真下位置に
ある貯液室(36)(36)に給水可能となっている。注水バル
ブ(46)(46)を開くと、下側の貯液室(36)に水が貯留す
る。また、排水管(44)は、一端が外槽(18)の下部に接続
され、排水バルブ(48)を介して、他端が外部の排水口
(図示せず)に接続される。排水バルブ(48)を閉じると外
槽(18)内に水が貯留し、排水バルブ(48)を開くと外槽(1
8)内の水が外部に排出される。
備される。駆動モータ(50)として、ダイレクトドライブ
モータを例示することができ、この場合、駆動モータ(5
0)の回転軸は、前述のとおり、ドラム(20)の回転軸(30)
を兼ねる。駆動モータ(50)は、後述する制御手段(72)に
よって制御され、外槽(18)に固定されたステータ(52)
と、ステータ(52)に回転自在に嵌まるロータ(54)から構
成される。図2に示すように、ステータ(52)は、複数の
コイル(56)を並べて構成され、ロータ(54)は、コイル(5
6)に接近して、複数の磁極を交互に並べて構成される。
コイル(56)に制御手段(72)から駆動電圧を印加すること
により、ロータ(54)は、正回転又は逆回転する。
ータ(52)のコイル(56)とは反対側に、磁極(58)に接近し
て1又は複数の磁極検出手段(60)が配備される。磁極検
出手段(60)として、ホール素子(62)を例示することがで
き、図2では、3つのホール素子(62)を等間隔に複数配
置している。ホール素子(62)は後述する制御手段(72)に
電気的に接続され、磁極(58)のうち、S極を検知すると
「High」、N極を検知すると「Low」を出力して(図4参
照)、制御手段(72)に送信する。
ット(64)が配備される。その他、洗濯機筐体(12)の外面
には、操作部(66)や表示部(68)(図3参照)を有する操作
パネル(70)を具える。
制御は、洗濯機筐体(12)の適所に配備された制御手段(7
2)によって行なわれる。制御手段(72)は、図3に示すよ
うに、マイコン(74)を主体として構成される。マイコン
(74)は、メモリ(図示せず)やカウンタ(76)(78)を含んで
おり、メモリには、各洗濯工程の運転プログラムや、各
種メモリテーブルが格納されている。制御手段(72)に
は、操作部(66)、表示部(68)が接続されている。操作部
(66)及び表示部(68)は、洗濯機筐体(12)に設けられた操
作パネル(70)から、使用者による操作に応じた入力信号
を制御手段(72)に与えると共に、操作に対応した情報や
運転状況に関連する状況を表示する。
を行なうバルブ駆動部(80)、駆動モータ(50)のインバー
タ制御部(82)と、ホール素子(62)に接続されたパルス測
定部(84)をさらに含んでいる。マイコン(74)は、回転速
度信号をインバータ制御部(82)に送出し、インバータ制
御部(82)は、この指示信号をPWM信号に変換して、P
WM信号に応じた駆動電圧を駆動モータ(50)に印加す
る。これによって、駆動モータ(50)は所望の回転速度で
正回転又は逆回転する。駆動モータ(50)が回転している
ときに、その回転方向とは逆方向に駆動モータ(50)を回
転させると、駆動モータ(50)に逆転ブレーキが作用す
る。
ホール素子(62)が磁極(58)の極性を検出することによっ
て出力するHigh信号とLow信号を受信し、受信された信
号のパルス間隔を測定して、洗濯物の偏心位置及び大き
さを特定すると共に、図8及び図9に示すように、ドラ
ムの慣性モーメントを測定する。
で測定される。ドラム(20)内に洗濯物が偏在していない
場合には、ロータの1回転中に、磁極検出手段(60)から
出力される信号のパルス間隔は一定となる。しかしなが
ら、ドラム(20)内に洗濯物が偏在する場合には、ドラム
(20)の回転速度が偏心荷重によって一様とはならず、図
4に示すように、1回転中で変化する。ドラム(20)の偏
心荷重(洗濯物)が回転中心の真上を通過するときには、
ドラム(20)に直接接続された駆動モータ(50)の回転速度
は最も遅くなり、磁極検出手段(60)から出力されるパル
スの間隔は長くなる。逆に、偏心荷重が回転中心の真下
を通過するときには、ドラム(20)及び駆動モータ(50)の
回転速度は最も速くなり、磁極検出手段(60)から出力さ
れるパルスの間隔は短くなる。従って、パルス間隔の広
狭から洗濯物の偏在位置が特定される。また、洗濯物の
偏心重量が大きいほど、ドラム(20)の回転速度のばらつ
きが大きくなる。従って、回転速度のばらつきを測定す
ることにより、偏在重量の大きさが特定される。上述の
通り、図4に示すように、回転速度はパルス間隔で換算
できるため、パルスの間隔の最大と最小との差から偏在
重量の大きさが判る。
ら出力されたパルスの間隔を測定し、マイコン(74)にて
偏心荷重の位置及び大きさを特定する。得られた洗濯物
の偏心荷重の位置及び大きさの情報、偏心荷重位置に近
い貯液室(36)の水量を、偏心荷重位置から遠い貯液室(3
6)の水量に対して相対的に減じ、偏心荷重を相殺して、
ドラム(20)の重量バランスの均衡化を図る。貯液室(36)
の水量を調節する方式には、排水式と給水式の2つの方
法がある。排水式は、ドラム(20)を回転しつつ偏心荷重
位置及び大きさを特定した後、注水バルブ(46)を開い
て、すべての貯液室(36)にほぼ均一量の水を供給して注
水バルブ(46)を閉じ、偏心荷重位置がドラム(20)の回転
中心の真上近傍に到達したときに、駆動モータ(50)を瞬
間的に逆回転させて逆転ブレーキを掛けて、偏心荷重側
の貯液室(36)内の水を自然落下させる方法である。な
お、偏心荷重位置を特定する際に、貯液室(36)に水を予
め貯留させておいてもよい。また、給水式は、すべての
貯液室(36)を予め空にしておき、ドラム(20)を回転さ
せ、偏心荷重位置を測定した後、偏心荷重位置がドラム
(20)の回転中心の真上近傍に到達したときに、駆動モー
タ(50)に逆転ブレーキを掛けると共に、注水バルブ(46)
を開いて、偏心荷重とは反対側に位置する下側の貯液室
(36)に水を供給する方法である。上記何れかの方法を採
ることにより、ドラム(20)の偏心荷重が相殺される。
ブレーキの強さが一定であると、ドラム(20)内の洗濯物
の重量によって、偏心位置からずれた貯液室の水が減少
してしまい、偏心荷重の重量バランスが補正されない。
従って、本発明では、ドラム(20)に作用する慣性モーメ
ントから、洗濯物の重量を測定し、逆転ブレーキの強さ
に反映するようにしている。
タ(50)を駆動し、所定の速度でドラムを回転させた後、
さらに高速まで加速した際の駆動モータ(50)の加速度合
い、或いは所定の速度でドラムを回転させた後、一定条
件で駆動モータ(50)に逆転ブレーキを掛けた際の駆動モ
ータ(50)の減速の度合い、等を検知し、予め測定された
データと比較することによって測定できる。慣性モーメ
ントを表わすパラメータとして、減速又は加速開始後の
所定時間後の駆動モータ(50)の回転速度や回転数、或
は、所定の回転速度に達するまでの時間を用いることが
できる。
駆動し、逆転ブレーキを掛けたときの駆動モータ(50)の
回転数の減少度合いを示すグラフである。図7に示すよ
うに、洗濯物の量が多いときには、ドラム(20)の慣性が
大きいから、一定時間後の駆動モータ(50)の回転数は大
きく、逆に、洗濯物の量が少ないときには、ドラム(20)
の慣性も小さくなるから、一定時間後の駆動モータ(50)
の回転数は小さくなっていることがわかる。つまり、ド
ラム(20)に作用する慣性モーメントを測定することによ
り、ドラム(20)内の洗濯物の総重量が測定できる。
素子(62)の出力パルス間隔をパルス測定部(84)で計測し
ている。図8は、100rpmで駆動モータ(50)を回転
し、0.1秒間、駆動モータ(50)に逆転ブレーキを掛け
たときのホール素子(62)からの出力パルスの間隔をグラ
フ化したものである。図中、0.6秒の位置からブレー
キが掛かり、パルス間隔が長くなり、回転数も低下して
いることがわかる。ブレーキを掛けてから0.07秒後
のパルス間隔を測定し、得られたデータを慣性パラメー
タに換算する。なお、偏心荷重が回転降下中か上昇中か
によって、駆動モータ(50)の回転に与える影響が異なる
ので、測定精度を高めるために、計測地点をずらして複
数回実施することが望ましい。図示の例は、180°ず
らして2回計測を行なったものであり、測定結果の平均
は10900μsecであった。
を、x軸にホール素子(62)のパルス間隔、y軸に慣性モ
ーメントをプロットしたもので、このデータに基づい
て、ホール素子(62)のパルス間隔と慣性モーメントの関
係式が得られる。図8のパルス間隔測定結果(1090
0μsec)を、図9の関係式に当てはめると、慣性モーメ
ントのレベルを3.8と見積もることができる。なお、
図9中、慣性モーメントのレベルとは、慣性モーメント
の大小を示すための参考値であって、この値が大きいほ
ど慣性モーメントが大きいことを意味するが、慣性モー
メントそのものの大きさを表わすものではない。
と、慣性モーメントの値に対応した逆転ブレーキの強さ
との関係を記憶しておき、得られた慣性モーメントか
ら、貯液室(36)の液量調節時に、駆動モータ(50)に作用
させる逆転ブレーキの強さを決定する。逆転ブレーキの
強さが決定されると、インバータ制御部(82)から、逆転
ブレーキの強さに応じた駆動電圧を駆動モータ(50)に印
加して、駆動モータ(50)を逆回転すればよい。上記のよ
うに、慣性モーメントに応じて、ブレーキの強さを調整
することにより、偏心荷重の位置に対応した貯液室(36)
の液量調節が可能となる。
について説明する。ドラム(20)に偏心荷重が発生し、振
動等を抑える必要が生ずるのは、特に、脱水工程である
ため、洗濯運転やすすぎ運転については説明を省略し、
脱水工程における制御手段(72)及び洗濯機(10)の動作に
ついて、図5及び図6のフローチャートに沿って説明を
行なう。
偏心荷重測定工程と、図6のステップ15〜17で示す
偏心荷重調整工程、及び、図5のステップ20に示す洗
濯物の高速回転脱水工程に大別することができる。偏心
荷重測定工程及び偏心荷重調整工程は、夫々、偏心荷重
の測定又は調整が正しく実行できなかった場合を考慮し
て、夫々試行回数に上限を設定し、その回数をマイコン
(74)のカウンタ(76)(78)にてカウントするようにしてい
る(ステップ7及びステップ18)。
パネル(70)の操作により、脱水工程が開始される(ステ
ップ1)。
測定工程の試行回数C1がカウントされるカウンタ(76)
をリセットする(ステップ2)。
(20)の回転数を約30rpmから100rpmまで徐々
に上げて(ステップ3)、ドラム(20)内に偏在する洗濯物
をほぐし、できるだけドラム(20)内で均等に分散させ
る。その後、偏心荷重測定工程が実行される。
ーメントから、ドラム(20)内の洗濯物の総重量(水重量
を含む)を測定する工程(ステップ4)と、偏心荷重の位
置及び大きさを測定する工程(ステップ5)を有する。ド
ラム(20)内の洗濯物の慣性モーメントは、後述するステ
ップ14(図6)で、逆転ブレーキを掛ける際の強さを決
定するために測定される。また、偏心荷重の位置及び大
きさの測定は、貯液室(36)の水量調節(図6のステップ
16)のために行なわれる。
ントを測定する(ステップ4)。ドラム(20)の慣性モーメ
ントは、駆動モータ(50)を駆動し、所定の速度でドラム
(20)を回転させた後、一定条件で駆動モータ(50)に逆転
ブレーキを掛けたときの駆動モータ(50)の所定時間後の
回転速度を検知することによって測定される。駆動モー
タ(50)の回転速度は、ホール素子(62)の出力パルス間隔
をパルス測定部(84)で計測することによって測定でき
る。なお、測定の詳細については、図8を参照して既に
説明したとおりであり、得られた回転速度の変化から、
慣性モーメントが算出される。
後、偏心荷重の位置と大きさを測定する(ステップ5)。
偏心荷重の位置及び大きさは、ドラム(20)、つまり、駆
動モータ(50)を所定の速度、例えば100rpmで回転
させ、約1.3周におけるホール素子(62)の出力パルス
間隔の変化を測定することによって検出できる。約1.
3周とするのは、1周では、測定開始時に出力パルスの
ピークがくると、偏心位置が特定しにくいためである。
約1.3周とすることによって、出力パルス中に極大点
を少なくとも一つ検出できる。図4は、ホール素子(62)
からの出力パルスと、対応する駆動モータ(50)の回転数
を示すグラフである。図4を参照すると、洗濯物がドラ
ム(20)の回転中心より上側に位置するときには、ホール
素子(62)から出力されたパルス信号の間隔t1、t2…が広
くなって、駆動モータ(50)の回転数が減少し、逆に、洗
濯物がドラム(20)の回転中心より下側に位置するときに
は、ホール素子(62)から出力されたパルス信号の間隔が
狭くなって、駆動モータ(50)の回転数が増大しているこ
とがわかる。これら相関関係から、ドラム(20)内の洗濯
物の偏心位置が特定される。また、駆動モータ(50)の1
回転におけるパルス間隔の最大と最小との差から、偏心
荷重の大きさも特定される。この場合、パルス間隔の差
と、偏心荷重の大きさとの関係は、予め実験によって測
定し、マイコン(74)のメモリに記憶しておく。
テップ5)により、ドラム(20)の慣性モーメントと、洗
濯物の偏心荷重の位置と大きさを求めることができる。
水量の調節によって行なわれるから、貯液室(36)の大き
さによって、相殺できる偏心重量の大きさに限度があ
る。そこで、偏心荷重が、貯液室(36)によって相殺でき
る大きさであるかどうかを判断する(ステップ6)。偏心
荷重の大きさが許容値Aを超えていると、偏心荷重を相
殺できないため、偏心荷重測定工程の試行回数C1をカ
ウントアップし(ステップ7)、試行回数C1が規定回数
Nに満たない場合には、再度、ステップ3に戻って、洗
濯物をほぐして、洗濯物をできるだけドラム(20)内で均
等に分散させ、再度偏心荷重測定工程を試みる。試行回
数C2がNを越えると、偏心荷重の調整はできないと判
断し、表示部(68)にエラー表示を行ない(ステップ9)、
脱水工程を終了する(ステップ21)。
ば、貯液室(36)の水量調節によって、偏心荷重を相殺で
きるため、ステップ10に進む。
か否かを判断する。偏心荷重の大きさが許容値B以下で
あれば、偏心荷重調整工程を行なわずに、高速回転脱水
(ステップ20)しても、偏心荷重による振動や騒音は殆
んど発生しないからである。従って、偏心荷重の大きさ
が許容値Bを越えたときのみ、図6に示す偏心荷重調整
工程に移る(ステップ11)。
6に示される。偏心荷重調整工程は、注水バルブ(46)を
開いて、すべての貯液室(36)が一杯になるまで、注水を
行なうことから始まる(ステップ12)。貯液室(36)への
注水が完了すると、注水バルブ(46)を閉じて、偏心荷重
測定工程の試行回数C2がカウントされるカウンタ(78)
をリセットする(ステップ13)。
ントに基づいて、逆転ブレーキの強さを決定し(ステッ
プ14)、洗濯物(偏心荷重)がドラム(20)の回転中心の
真上を通過するタイミングに合わせて、逆転ブレーキを
掛けて、ドラム(20)の偏心荷重側の貯液室(36)の水の一
部を自然落下させ、偏心荷重を調整する(ステップ1
5)。
心荷重が調整されたかどうかを、前述のステップ5と同
様の方法で再度測定し(ステップ16)、得られた偏心荷
重が許容値B(前述のステップ10参照)以下となってい
れば(ステップ17)、偏心荷重調整工程を終了し、高速
回転脱水(ステップ20)に移る。偏心荷重が許容値Bを
越えている場合には、偏心荷重調整工程の試行回数C2
をカウントアップし(ステップ18)、試行回数C2が規
定回数Mに満たない場合には、再度、ステップ15に戻
って、偏心荷重の調整を行なう。試行回数C2が規定回
数M以上であれば、ステップ7に戻る。
を約1000rpmで一定時間回転して、高速回転脱水
(ステップ20)を行ない、洗濯物を脱水する。洗濯物は
ドラム(20)内で偏心していないから、高速回転させて
も、振動は小さく、また、振動に伴う騒音も小さくでき
る。高速回転脱水が完了すると、脱水工程を終了する
(ステップ21)。
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例え
ば、本発明は、洗濯や脱水だけでなく、乾燥機能を具え
た洗濯機にも適用することができる。
る。
置関係を示す説明図である。
タの回転数の関係を示すグラフである。
る。
ーチャート図である。
び慣性モーメントの関係を示すグラフである。
されたホール素子のパルス間隔を示すグラフである。
メントのレベルとの関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 洗濯物を収容し、回転中心が水平又は傾
斜した状態で回転して、洗濯物を洗濯、脱水するドラム
と、 ドラムを回転させる駆動モータと、 ドラムの周方向に等間隔に複数設けられ、ドラムの回転
によって生ずる遠心力によって、内部に液体を貯留する
貯液室と、 ドラム内での洗濯物の偏在による偏心荷重を検出する偏
心荷重検出手段と、 検出された偏心荷重の位置及び大きさを求め、その位置
及び大きさに対応して貯液室の液量を調節する制御手段
とを具え、 回転するドラムにブレーキを掛けて、貯液室の液量を調
節するドラム式洗濯機において、 ドラムの回転を検知する慣性モーメント測定手段を具
え、 制御手段は、慣性モーメント測定手段によって検知され
たドラムの回転に基づいてドラムに作用する慣性モーメ
ントを算出し、貯液室の液量の調節を行なう際に、ドラ
ムの減速が一定となるように、算出された慣性モーメン
トに応じて、ドラムに掛けるブレーキの強さを調整する
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 【請求項2】 駆動モータは、ロータ側に複数の磁極を
交互に具え、ステータ側に複数のコイルを配しており、
慣性モーメント測定手段は、ロータの磁極に接近して配
置され、該磁極の極性を検出する磁極検出手段であっ
て、ドラムを所定条件で減速又は加速したときのロータ
の極性が変化する間隔を検知し、制御手段は、検知され
た極性の変化の間隔に基づいて、ドラムの慣性モーメン
トを算出する請求項1に記載のドラム式洗濯機。 - 【請求項3】 慣性モーメント測定手段は、ロータの磁
極に接近して配置された1又は複数のホール素子である
請求項1又は請求項2に記載のドラム式洗濯機。 - 【請求項4】 駆動モータは、回転軸がドラムの端面に
直接接続されている請求項1乃至請求項3の何れかに記
載のドラム式洗濯機。
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