JP6078783B2 - 洗濯機 - Google Patents

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本発明は、ドラムに投入された洗濯物の量である布量を検知するための布量センサを有する洗濯機および洗濯乾燥機に関する。
ドラム式洗濯機の構造の一例を図1に示す。この洗濯機本体1内には、防振構造を有するサスペンション構造(図示せず)によって水槽2が宙吊り状態に支持されている。水槽2内には、有底円筒形に形成されたドラム3が、その軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて支持されている。
水槽2の手前側には複数の貯留室を有するドーナツ状の流体バランサ15が設けられており、ドラム3と直結されている。水槽2の正面側にはドラム3の開口端に通じる衣類出入口4が形成され、洗濯機本体1の正面側の上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉5を開閉することにより、衣類出入口4を介してドラム3内に対して洗濯物を出し入れすることができる。
ドラム3には、その周面に水槽2内に通じる多数の透孔6が形成され、内周面の複数位置に衣類撹拌用の攪拌突起(図示せず)が設けられている。このドラム3は、水槽2の背面側に取り付けられたモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。
また、水槽2には、注水管路8及び排水管路9が配管接続され、注水弁及び排水弁(図示せず)の制御によって水槽2内への注水及び排水がなされる。
扉5を開きドラム3内に洗濯物及び洗剤を投入して、洗濯機本体1の前面上部に設けられた操作パネル10での操作により運転を開始させると、水槽2内には注水管路8から所定量の注水がなされ、モータ7によりドラム3が回転駆動されて洗濯工程が開始される。
ドラム3の回転により、ドラム3内に収容された洗濯物はドラム3の内周壁に設けられた攪拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。
所要の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路9から排出され、ドラム3を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽2内に注水管路8から注水してすすぎ工程が実施される。
このすすぎ工程においてもドラム3内に収容された洗濯物はドラム3の回転により攪拌突起により持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
また、モータ7の内部には、その回転状態を検知するために、モータの回転子(ロータ)の位置を検出する位置検出素子等で構成された回転検知部14が設けられている。
また、このドラム式洗濯機には、ドラム3内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、循環送風経路11により、水槽2内の空気を排気して除湿し、加熱して乾燥させた空気を再び水槽2内に送風ファン12にて送風するものである。
以上のような構成のドラム式洗濯機においては、ドラム3に投入された衣類等洗濯物の布量を検出し、布量に応じて洗濯時間等を決定している。特許文献1に開示された布量を
検出する方式の一例について、図7を参照して、以下に説明する。
布量の検出は、ドラム3を回転駆動するためのモータ7を制御する機能を有する制御回路(図示せず)により行われる。
洗濯を開始すると、まず、制御回路は、モータ7を始動し、回転検知部14からは検知出力が入力される。制御回路は、高性能可変速制御方式であるベクトル制御を利用する。
布量検知工程では、制御回路にてトルク寄与電流成分Iqを制御することによりモータ7に対して一定の角加速度α1で加速させ、所定の加速区間中にモータ7に通電される加速時電流値Iq1を検知する。
その後、制御回路はモータ7に対して一定の角加速度α2で減速させ、所定の減速区間中にモータ7に通電される減速時電流値Iq2を検知する。通電された加速時電流値および減速時電流値は、布量が多いときは大きく、布量が少ないときは小さい。このモータ7に通電された電流量が布量に比例することを利用して布量を検知する。
ここで布の重量をm、ドラム3の内周に分布する布の平均半径をr、ドラム3やモータ7の慣性モーメントをJdとすると、布を含めた回転系の慣性モーメントJは式(1)で求められる。
J=Jd+mr (1)
また、ドラム3の加速時の回転系のトルク運動方程式は、ドラムや回転軸などを有する摩擦トルクをTb、布を含めた回転系の慣性モーメントをJとすると、式(2)のように表される。
T1−Tb=J×α1 (2)
同様に、ドラム3の減速時の回転系のトルク運動方程式は式(3)のように表される。
T2−Tb=J×α2 (3)
式(1)〜式(3)から、摩擦トルクTbの成分を消去すると、式(4)が得られる。
T1−T2=(α1−α2)・(Jd+mr) (4)
式(4)より、布のドラム内周における平均半径r、加速時角加速度α1、減速時角加速度α2が一定の値である場合、加速トルクT1と減速トルクT2の差は、摩擦トルクTbには依存せず、布の重量mに比例することがわかる。
また、T1とT2は、Iq1とIq2から求められるため、モータ7を所定の角加速度α1で加速したときの電流値Iq1を測定し、その後、モータ7を所定の角加速度α2で減速してときの電流値Iq2を測定し、その差を求めることによって、摩擦トルクTbの値に関係なく布量を検知することができる。
特開2008−264329号公報
上記従来の布量検知方式を用いる場合には、所定の加速区間および減速区間の電流値を測定し、布量を検知する。しかしながら、衣類等の偏り状態により、所定区間内の電流値
が上下に変動し、布量判定値のバラツキが大きくなるため、布量の検知精度が低くなるという課題があった。
また、従来の布量検知方式において、流体バランサの状態によらずドラムの回転を上昇させてしまうので、ドラム3に直結する流体バランサの偏り(アンバランス分布)影響で、洗濯槽が大きく振動し、安定してドラムを立ち上げることができないという課題があった。
従って本発明は、上記従来の課題を解決するもので、布量判定値のバラツキを抑制するとともに、布量検知工程において流体バランサの偏り状態を低減し、安定した布量検知手段を有する洗濯機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容して回転運動を行うドラムと、前記ドラムを内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記水槽内に位置し前記ドラムに設けた流体バランサと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記モータに通電される電流を検知する電流検知手段と、前記モータの回転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記モータに加速トルクを発生させることで前記ドラムの回転を加速して、所定の加速区間において、前記ドラムの加速時角加速度α1を一定とするようにモータトルクを制御し前記ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の前記モータに通電される加速時電流値Iq1’を検知する第1の検知工程と、前記第1の検知工程の後に、前記モータに減速トルクを発生させることで前記ドラムの回転を減速して、所定の減速区間において、前記ドラムの減速時角加速度α2を一定とするようにモータトルクを制御し前記ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の前記モータに通電される減速時電流値Iq2’を検知する第2の検知工程とを有し、前記加速時電流値Iq1’と前記減速時電流値Iq2’に基づき、布量を検知する布量検知手段を有するものである。
これによって、衣類等の偏り状態による電流値の上下変動を相殺し、布量判定値のバラツキを抑制することができるため、簡単な構成で精度よく布量を検知することができる。
また、前記制御部は、前記モータを起動してから前記第1の検知工程までの間において、前記流体バランサのアンバランス状態をほぐす前記ドラムの低速回転区間を設けるものである。
これによって、流体バランサの偏り状態をほぐし、布量検知工程の起動をスムーズに立ち上げることができる。
本発明の洗濯機は、布量検知工程の起動をスムーズにし、衣類等の偏り状態による布量判定値のバラツキを抑制することができるため、精度よく布量を検知することができる。
従来例および本発明の実施の形態における洗濯機の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態における洗濯機の制御装置の概略構成を示す回路図 同、洗濯機に用いられる布量検知の動作を示す図 同、布量検知におけるベクトル制御を示すブロック図 同、布量検知の布量と電流値の関係を示す図 同、洗濯機に用いられる布量検知の動作を示すフローチャート 従来の洗濯機に用いられる布量検知の動作を示す図
第1の発明は、洗濯物を収容して回転運動を行うドラムと、前記ドラムを内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記水槽内に位置し前記ドラムに設けた流体バランサと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記モータに通電される電流を検知する電流検知手段と、前記モータの回転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記モータに加速トルクを発生させることで前記ドラムの回転を加速して、所定の加速区間において、前記ドラムの加速時角加速度α1を一定とするようにモータトルクを制御し前記ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の前記モータに通電される加速時電流値Iq1’を検知する第1の検知工程と、前記第1の検知工程の後に、前記モータに減速トルクを発生させることで前記ドラムの回転を減速して、所定の減速区間において、前記ドラムの減速時角加速度α2を一定とするようにモータトルクを制御し前記ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の前記モータに通電される減速時電流値Iq2’を検知する第2の検知工程とを有し、前記加速時電流値Iq1’と前記減速時電流値Iq2’に基づき、布量を検知する布量検知手段を有することにより、ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の電流値を布量判定値として用いることで、衣類等の偏り状態による電流値の上下変動を相殺し、布量判定値のバラツキを抑制することができるため、簡単な構成で精度よく布量を検知することができる。
の発明は、特に、第の発明の制御部は、前記モータを起動してから前記第1の検知工程までの間において、前記流体バランサのアンバランス状態をほぐす前記ドラムの低速回転区間を設けることにより、布量検知工程においてドラムの急な立上げ動作を避け、流体バランサの偏り状態をほぐし、布量検知工程の起動をスムーズに立ち上げることができ、精度よく布量を検知することができる。
の発明は、特に、第1または2の発明の電流検知手段は、前記ドラムの無負荷状態の加速時電流値Iq1’と減速時電流値Iq2’の差に基づき、布量の判定結果を補正することにより、モータ固有の誘起電圧を補正し、布量の検知精度を向上することができる。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明において、前記モータの巻き線温度を検出する温度検出手段を備え、前記布量検知手段は、巻き線温度に基づいて布量の判定結果を補正することにより、外部温度よる鎖交磁束ψa変動を補正し、布量の検知精度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に示すドラム式洗濯機において、モータ7の回転は、ベルト16を介してドラム3の回転軸17に固定されたプーリに伝達される。
水槽2の手前側にはドラムと直結するドーナツ状の流体バランサ15が設けられている。流体バランサは比重の大きな液体(例えば塩化カルシウム)が入った複数の貯留室を有し、径方向に複数に分離されると共に、仕切り板に連通孔を設けられており、洗濯物の偏りを検出すると共に、検出した洗濯物の偏りと反対側の貯留室へ注入する。
これにより、洗濯槽の中の洗濯物の偏心荷重が洗濯槽の上方にある場合は、流体を偏心荷重の反対側に移動させ、偏りを補正し洗濯槽の振動騒音を低減させる。
洗濯機としての基本的な動作は従来例と同様である。
図2は、本実施の形態における洗濯機の制御装置の概略構成を示す回路図である。図2に示す制御装置においては、商用電源20の交流電力を整流器21より整流し、チョークコイル22及び平滑コンデンサ23からなる平滑回路により平滑化された直流電力を駆動電力として、インバータ回路24によりモータ7を回転駆動する。
また、入力設定部25から入力される運転指示、及び各検知手段により検知される運転状態の監視情報に基づいてモータ7の回転を制御し、負荷駆動部26により給水弁27、排水弁28、送風ファン12、ヒートポンプ29の動作を制御する。
モータ7は、三相巻線7a、7b、7cを有するステータと、2極の永久磁石を有するロータとを備え、3つの位置検出素子30a、30b、30cを設けたDCブラシレスモータとして構成され、スイッチング素子24a〜24fにより構成されたPWM制御によるインバータ回路24により回転制御される。
位置検出素子30a、30b、30cが検出するロータ位置検出信号は、マイコンにより構成された制御部31に入力される。このロータ位置検出信号に基づいて、駆動回路32によりスイッチング素子24a〜24fのオン/オフ状態をPWM制御することにより、ステータの三相巻線7a、7b、7cに対する通電を制御してロータを所要回転数で回転させる。
制御部31は、3つの位置検出素子30a、30b、30cの検出出力が入力される回転数検知部33を有する。回転数検知部33は、3つの位置検出素子30a、30b、30cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出する。回転数検知部33の検知出力は布量検知部34に供給され、検出された回転数に基づき、以下に説明するように布量が検知される。
なお、回転数検知部33の検知出力はドラム3の回転数に対応するので、以下の説明においてドラム3の回転数は、回転数検知部33の検知出力により得られるものである。
本実施の形態における布量検知方式の特徴について、図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態における洗濯機に用いられる布量検知の動作を示しており、横軸は布量検知開始からの経過時間、縦軸は回転数である。
衣類がドラム3に投入され、図示しない入力手段により洗濯運転の開始指示が入力されると、制御部31は初めに低速回転工程を行い、続いて布量検知工程を行う。低速回転工程においては、モータ7に加速トルクを発生させることでドラム3を静止状態から起動して所定の回転数N1(例えば40rpm)まで加速する。次に低回転工程に引き続き布量検知行程を行う。
このように、ドラムの低速回転工程を行うことで、布量検知工程においてドラムの急な立上げ動作を避け、流体バランサの偏り状態をほぐし、布量検知工程の起動をスムーズに立ち上げることができ、精度よく布量を検知することができる。
布量検知行程は第1の検知工程と第2の検知工程からなり、布量検知を開始すると、所定の時間経過あるいは回転数到達後に、モータ7によって所定の加速度α1でドラム3の回転が加速するようベクトル制御し、回転数N1からN2まで加速させる第1の検知工程が行われる。
なお、回転数N1およびN2はオーバーシュート等を考慮し、洗濯機本体の共振回転数付近を避けることにより、水槽2の振動を低減することができる。この時、電流検知手段により、モータ7に通電される電流を検知し、第1の検知区間においてドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の電流値Iq1’の平均値または積算値を算出する。
このように、ドラム3が1回転(360度回転)する間の電流値Iq1’の平均値または積算値を用いることで、衣類等の偏り状態による電流値の上下変動を相殺することができる。従って、ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の電流値を布量判定値として用いることで、衣類等の偏り状態による電流値の上下変動を相殺し、布量判定値のバラツキを抑制することができる。
また、ドラム1回転の整数倍の回転区間の電流値を布量判定値として用いることで、ドラムの1回転毎におけるバラツキも抑制することができる。このように、ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の電流値を布量判定値として用いることで、簡単な構成で精度よく布量を検知することができる。
この第1の検知工程が終了した後に、ドラム3の回転数を減速に転じさせた上で、モータ7によって所定の加速度α2でドラム3の回転が減速するようベクトル制御し、回転数N3からN4まで減速させる第2の検知工程が行われる。
なお、回転数N3およびN4は回転数N1とN2同様、洗濯機本体の共振回転数付近を避けることにより、水槽2の振動を低減することができる。この時、電流検知手段により、モータ7に通電される電流を検知し、減速区間においてドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の電流値Iq2’の平均値または積算値を算出し、算出された電流値Iq1’とIq2’の差に基づき、布量を検知する。
ここで、モータの角加速度を一定に制御するため、高性能可変速制御方式であるベクトル制御を利用する。
図4は、布量検知におけるベクトル制御を示すブロック図である。
図4の制御ブロックにおいて、モータ7に通電される電流のうち、すくなくとも2相の電流と、ホールICなどによって得られるモータの回転位置信号を検知する。これらの信号を用いて、モータ7の電流を、トルク成分であるIqと磁束成分であるIdという直交する2つの電流に換算する。
その後、換算されたIqおよびIdと、指令されているIq*およびId*を比較したうえで、適切な制御ゲインP、Iなどを用いることによって、モータ7のIq、Idを制御することができる。
モータ7のトルクTは式(5)で表されることから、IqとIdを制御すれば、モータ
7のトルクTを制御可能である。
T=P(ψa・Iq+(Ld−Lq)IqId) (5)
なお、Pはモータ7の極対数、ψaは磁石による鎖交磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスを示す。特に、式(5)におけるψa・Iqはマグネットトルクを表しており、モータが発生するトルクの主成分である。
したがって、モータ7のトルクはIqによって主体的に制御することが可能である。また、Idがゼロではない場合、回転状態によってLdやLqが変化すると、トルクTの変動、あるいは布量の計算を行う時にトルクTを演算する場合に誤差を生じやすくなる。
つまり、IqとIdを一定に制御してもトルクTが一定にならない場合が存在することから、Idをゼロとし、Iqを一定に制御してモータ7のトルクを一定に制御することによって、布量の計算誤差を小さくすることが可能である。
T=P・ψa・Iq (6)
式(4)および式(6)より、モータトルク電流値と布量の関係は式(7)のように表すことができる。
P・ψa・(Iq1−Iq2)=(α1−α2)・(Jd+mr) (7)
布のドラム内周における平均半径rが一定値である場合、布量すなわち布の重量mに応じて電流値が変化することを示している。したがって、布の重量と電流値の変化の関係のみ把握し、図2の布量検知部34に演算用テーブルとして保存しておくことで、容易に精度良く布量を検知することができる。
図5は、布量検知の布量と電流値の関係を示す図であり、横軸は布量、縦軸は電流値の差を示した図であり、上式(7)を分かりやすく示すものである。
ところで、鎖交磁束ψaの大きさは、モータ7固有のものであり、製品の量産レベルで変動し、モータ電流値に影響を及ぼす。また、ロータの磁石は温度特性を持ち、外部温度により変動するため、式(7)の電流値に基づいて検知される布量の精度に影響を与える。
そこで、本実施の形態のドラム式洗濯機では、モータ固有の誘起電圧および外部温度よる鎖交磁束ψa変動を補正することで、布量の検知精度を向上する。
モータ誘起電圧の補正工程においては、製品組み立て時または製品設置時のドラム内の無負荷状態を利用して、モータ固有の誘起電圧の大きさを検知し、その誘起電圧の大きさに応じて補正が行われる。
具体的には、洗濯物が投入されていない状態において、ドラム内の無負荷状態時の布量検知工程を行い、加速時電流値Iq1’及び減速時電流値Iq2’の差を検知する。
次に、同状態においてモータ誘起電圧センター品を用いて求めた加速時電流値Iq1’及び減速時電流値Iq2’の基準値に基づきモータ固有の誘起電圧の大きさであるモータ誘起電圧補正係数を求める。
最後に、通常布量検知工程において得られる加速時電流値Iq1’及び減速時電流値Iq2’に対してモータ誘起電圧補正係数を割ることで、モータ固有の誘起電圧による布量判定値のばらつきを基準に戻し、布量の検知精度の低減を抑える。
温度補正工程においては、布量検知動作の開始直前に、図2に示されるロータの磁石に隣接する三相巻線7a、7b、7cの温度を検知して、実質的にロータの磁石の温度を検知し、それに応じた温度補正が行われる。
具体的には、布量検知動作の開始前に、モータ巻線に所定の温度検知用電圧が印加されるように制御し、そのとき電流検知部が検知する電流値を用いて、電流値と温度検知用電圧とからモータ巻線の基準抵抗値を算出し、モータ巻線の温度を検知する。
次に、モータ巻線温度(ロータの磁石温度)とロータの鎖交磁束ψaの対応関係に基づき、ロータの鎖交磁束ψaの変化率である温度補正係数を演算する。この温度補正係数を加速時電流値Iq1’及び、減速時電流値Iq2’の差に掛け合わせることにより、温度変化による布量判定値のバラツキを抑制する。
三相巻線7a、7b、7cの温度を検知するために、温度特性補正部35は駆動回路32を制御して、例えば、スイッチング素子24a、24dをオンとし、他のスイッチング素子はオフとして、三相巻線7a、7bに所定の温度検知用電圧を印加する。
インバータ回路24に供給される電圧を280Vとすると、スイッチング素子24dをデューティ比10%でオンさせれば、モータ7のU−V間に温度検知用電圧として約28Vが印加される。温度検知用電圧の印加により三相巻線7a、7bを流れる電流が、電流検知部により検知される。電流を流すのはU−V間に限らず、U−W間、あるいはW−U間に電圧を印加して電流検知を行っても良い。
図6は、本実施の形態における洗濯機に用いられる布量検知の動作を示すフローチャートである。
図6において、布量検知がスタートすると(ステップS1)、まず所定の電圧をモータ巻線に印加してモータ温度の検知し、温度補正係数を算出する(ステップS2)。
次に、制御部31は、所定の時間だけ、モータ7をゆっくり回転させ、ドラム3の低速回転工程を行う(ステップS3)。
所定の時間が過ぎたと判断すれば(ステップS4)、所定の一定加速度α1によりドラム3の回転数を上昇させ、回転数N1からN2に到達させるように制御する(ステップS5)。
ドラム3が回転数N2に到達したと判断すれば(ステップS6)、ドラム3が一回転する間の電流値Iq1’を算出し(ステップS7)、第1の検知工程を終える。
第2の検知工程では、所定の一定加速度α2にてモータ7の回転数の降下を開始させる(ステップS8)。
ドラム3が所定の回転数N3からN4に到達したと判断すれば(ステップS9)、ドラム3が一回転する間の電流値Iq2’を算出(ステップS10)する。
次にモータ電流値の差Iq1−Iq2に基づき、モータ誘起電圧補正(ステップS11)、および温度補正(ステップS12)を行う。
最後に、予め測定しておいた判定値Sと布量の関係から布量を求め(ステップS13)
、布量検知を終了する(ステップS14)。
以上のように構成された洗濯機の布量検知では、ドラムの起動をスムーズにし、かつ衣類等の偏り状態による布量判定値のバラツキを抑制するため、精度の高い布量検知が可能となる。
なお、本実施の形態では、モータ7の回転は、ベルト16を介してドラム3の回転軸17に固定されたプーリに伝達されるものとしているが、モータ7をドラム3の回転軸17に直接接続して駆動する構成としても同様の効果が得られる。
本実施の形態においては、ドラム式洗濯機について例示して説明を行ったが、本発明における洗濯機は、乾燥機能を有する洗濯乾燥機や、縦型の洗濯機においても、当然、適用できるものである。
本発明によれば、ドラムに投入された布量を、簡単な構成で精度よく検知して、適切な洗濯時間の設定や洗剤量の表示及び、適切な時間設定の脱水工程や乾燥工程を行うことが可能であり、家庭用、業務用の洗濯機および洗濯乾燥機に有用である。
1 洗濯機本体
2 水槽
3 ドラム
7 モータ
15 流体バランサ
31 制御部
34 布量検知部(布量検知手段)

Claims (4)

  1. 洗濯物を収容して回転運動を行うドラムと、前記ドラムを内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記水槽内に位置し前記ドラムに設けた流体バランサと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記モータに通電される電流を検知する電流検知手段と、前記モータの回転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記モータに加速トルクを発生させることで前記ドラムの回転を加速して、所定の加速区間において、前記ドラムの加速時角加速度α1を一定とするようにモータトルクを制御し前記ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の前記モータに通電される加速時電流値Iq1’を検知する第1の検知工程と、前記第1の検知工程の後に、前記モータに減速トルクを発生させることで前記ドラムの回転を減速して、所定の減速区間において、前記ドラムの減速時角加速度α2を一定とするようにモータトルクを制御し前記ドラムが少なくとも一回転分以上の整数倍回転区間の前記モータに通電される減速時電流値Iq2’を検知する第2の検知工程とを有し、前記加速時電流値Iq1’と前記減速時電流値Iq2’に基づき、布量を検知する布量検知手段を有する洗濯機。
  2. 前記制御部は、前記モータを起動してから前記第1の検知工程までの間において、前記流体バランサのアンバランス状態をほぐす前記ドラムの低速回転区間を設けることを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
  3. 前記電流検知手段は、前記ドラムの無負荷状態の加速時電流値Iq1’と減速時電流値Iq2’の差に基づき、布量の判定結果を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯機。
  4. 前記モータの巻き線温度を検出する温度検出手段を備え、前記布量検知手段は、巻き線温度に基づいて布量の判定結果を補正することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の洗濯機。
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