JP2003077776A - セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置 - Google Patents

セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置

Info

Publication number
JP2003077776A
JP2003077776A JP2002041754A JP2002041754A JP2003077776A JP 2003077776 A JP2003077776 A JP 2003077776A JP 2002041754 A JP2002041754 A JP 2002041754A JP 2002041754 A JP2002041754 A JP 2002041754A JP 2003077776 A JP2003077776 A JP 2003077776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tray
ceramic
net
ceramic body
terminal electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002041754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3629007B2 (ja
Inventor
Akira Sasaki
昭 佐々木
Shinichi Sasaki
伸一 佐々木
Shintaro Kin
慎太郎 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2002041754A priority Critical patent/JP3629007B2/ja
Publication of JP2003077776A publication Critical patent/JP2003077776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3629007B2 publication Critical patent/JP3629007B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 端子電極となる電極ペーストを塗布したセラ
ミック素体を載せるトレー構造を工夫して、セラミック
素体に塗布、焼き付けで形成される端子電極の外観不良
を防止する。 【解決手段】 セラミック素体1に、金属粉を主成分と
する導電成分と有機バインダとを少なくとも含む電極ペ
ースト41を塗布し、焼き付けて端子電極を形成する場
合に、電極ペースト41の塗膜付きセラミック素体を保
持し搬送するトレー20を用い、トレー20はベース板
21に網22を固着し、少なくとも前記塗膜付きセラミ
ック素体を保持する側の前記ベース板20と前記網22
に前記セラミック素体1と前記塗膜とに反応しない材質
で表面被膜を形成するとともに、前記トレー20の網目
の1区画Dにつき1個の前記塗膜付きセラミック素体を
それぞれ収容して搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサ等のセラミック電子部品の端子電極焼付方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内部電極を有するセラミック電子部品は
端部に端子電極(外部電極)を有する。例えば、積層セ
ラミックコンデンサはグリーンシートを積層するが、内
部電極と、セラミック誘電体層とを、必要数だけ交互に
積層してグリーンシート積層体を構成する。次に、グリ
ーンシート積層体を、個々のグリーンチップに切断した
後、焼成する。
【0003】次に、グリーンチップが焼成され得られた
セラミック素体の両端に、導電成分及び有機バインダを
含む電極ペースト(導体ペースト)を塗布し、焼き付け
ることにより、内部電極の断層面と、電気的に接続する
端子電極を形成する。導電成分としては、例えば、銅粉
の形で他の組成物と混合された銅端子電極ペーストとさ
れて、セラミック素体の両端面に塗布された後、焼き付
け処理されて銅端子電極とされる。端子電極の焼き付け
に当たっては、内部電極の断層面が酸化して端子電極と
導通不良が生じないように、窒素(N)雰囲気中、つ
まり中性雰囲気中で、700℃〜900℃の温度範囲に
て焼き付けしている。
【0004】この焼き付け工程は、トンネル形状の焼成
炉をステンレス鋼線(例えばSUS316)でなるメッ
シュベルトが循環する構成にして、電極ペーストが塗布
されたセラミック素体をステンレス鋼線でなるメッシュ
で作製されたトレーにランダムに収容し、このトレーを
ステンレス鋼線でなる枠に載置して、その枠をメッシュ
ベルトに載せてトンネル形状の焼成炉を通過させて行
う。ところが、トレーにランダムに収容されたセラミッ
ク素体は端子電極同士の接触があるために焼結過程で付
着してしまう問題がある。ここで付着したセラミック素
体を強制的に剥がそうとすると、どちらか片方の端子電
極が部分的に剥がれてしまい、そのため図8のようなセ
ラミック素体1の両端部に形成された端子電極10の一
部に凹凸した傷11が残り、外観不良として歩留まりを
悪化させる要因になってしまう。
【0005】電極ペースト焼き付け後、バレルメッキ装
置等で、この端子電極上にニッケル電解メッキ層、錫
(Sn)もしくはその合金電解メッキ層を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うに端子電極になる電極ペーストが塗布されたセラミッ
ク素体は、ステンレス鋼線でなるメッシュで作製された
従来のトレーにランダムに収容されるが、セラミック素
体に塗布された端子電極が他のセラミック素体に塗布さ
れた端子電極に接触すると、接触した状態で焼き付けが
行われ、相互に付着してしまうことになる。
【0007】そこで、本発明の目的は、セラミック素体
に塗布された端子電極が他のセラミック素体に塗布され
た端子電極に接触することのないトレーとし、また、こ
のトレーはセラミック素体や塗布された電極ペーストに
対して無用な反応を生じることなく、さらに、セラミッ
ク素体を載置する作業が容易にできる構成とし、セラミ
ック素体に塗布、焼き付けで形成される端子電極の外観
不良を防止したセラミック電子部品の端子電極焼付方法
及び装置を提供することにある。
【0008】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係るセラミック電子部品の端
子電極焼付方法は、セラミック素体に、金属粉を主成分
とする導電成分と有機バインダとを少なくとも含む電極
ペーストを塗布し、塗布された電極ペースト塗膜から有
機バインダを除去する脱バインダを行い、還元雰囲気中
で前記塗膜中の前記導電成分を還元処理し、中性雰囲気
中で熱処理して前記セラミック素体に端子電極を形成す
る場合に、前記脱バインダ工程と前記還元処理工程と前
記熱処理工程とに、前記塗膜付きセラミック素体を保持
し搬送するトレーを用い、前記トレーはベース板に網を
固着し、少なくとも前記塗膜付きセラミック素体を保持
する側の前記ベース板と前記網には前記セラミック素体
と前記塗膜とに反応しない材質で表面被膜を形成してな
り、前記トレーの網目の1区画につき1個の前記塗膜付
きセラミック素体をそれぞれ収容して搬送することを特
徴としている。
【0010】本願請求項2の発明に係るセラミック電子
部品の端子電極焼付方法は、請求項1において、前記ベ
ース板と網がNiであり、前記網が固着された前記ベー
ス板面と前記網とにジルコニアを溶射して前記セラミッ
ク素体と前記塗膜とに反応しない表面被膜を形成したこ
とを特徴としている。
【0011】本願請求項3の発明に係るセラミック電子
部品の端子電極焼付装置は、金属粉を主成分とする導電
成分と有機バインダとを少なくとも含む電極ペーストを
端部に塗布して塗膜となしたセラミック素体を保持し搬
送するトレーと、該トレーを脱バインダ用炉、還元処理
用炉及び熱処理用炉の順に搬送する搬送手段とを備え、
前記トレーは、ベース板と網とを平面で重ね合わせて、
所定間隔をおいて複数点で固着し、前記網が固着された
前記ベース板面と前記網とに前記セラミック素体と前記
塗膜とに反応しない表面被膜を形成したものであって、
前記トレーの網目の1区画につき1個の前記塗膜付きセ
ラミック素体をそれぞれ収容して搬送することを特徴と
している。
【0012】本願請求項4の発明に係るセラミック電子
部品の端子電極焼付装置は、請求項3において、前記ベ
ース板と前記網がNiであって、点溶接で固着されてお
り、前記表面被膜がジルコニアで形成されてなることを
特徴としている。
【0013】本願請求項5の発明に係るセラミック電子
部品の端子電極焼付装置は、請求項3又は4において、
前記網目の1区画は、前記塗膜付きセラミック素体の長
手方向が横向きに入ることができない寸法であり、前記
トレーは前記網目の1区画に1個の前記塗膜付きセラミ
ック素体を当該素体長手方向が前記網目に縦に入る姿勢
で収容することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るセラミック電
子部品の端子電極焼付方法及び装置の実施の形態を図面
に従って説明する。
【0015】図1及び図2は本発明に係るセラミック電
子部品の端子電極焼付方法及び装置において使用するト
レーの構造及びセラミック素体の配置を示し、図3は1
枚のトレーの全体構成、図4及び図5はトレーの要部を
拡大して示す。また、図6は枠に複数のトレーを配置し
た様子を示し、図7はセラミック素体端部の電極ペース
ト塗膜を焼き付けるための脱バインダ用炉、還元処理用
炉、熱処理用炉、及び搬送手段の概略構成を示す。
【0016】まず、図1乃至図6を用いてトレー20に
ついて説明する。始めに、平面が正方形で材質がNi
(ニッケル)でなる薄い板と、材質がNi線でなる網を
板とほぼ同じ正方形に切り出し、Ni板をベース板21
として網22を正方形が重なるよう平面で重ね合わせ
て、所定の間隔と配置でベース板と網を点溶接する。続
いて、網22を点溶接したベース板21に対してジルコ
ニア(ZrO)を溶射でコートしてトレー20とす
る。
【0017】図3のように、前記点溶接Pの間隔と配置
は、例えば縦横方向共に等間隔であり、点溶接Pの周辺
部分は図4に拡大して示される。ベース板21に網22
を点溶接した個所は板21と網22が固着しているが、
点溶接されていない個所は板と網の間に隙間が生じ易
い。この隙間が後述するセラミック素体の保持におい
て、不都合なまで拡がらない程度に点溶接Pの配置を密
にするが、点溶接をした個所はセラミック素体を保持で
きないことから、点溶接Pの配置はなるべく疎にしてセ
ラミック素体の収容数を得ることにする。
【0018】また、前記ジルコニアの溶射は、図1に示
す如く、Ni板のベース板21とNi線の網22を点溶
接した側に実施し、この結果、ジルコニアは網22の周
りとベース板21の表面(網を配置した片側面)に表面
被膜23として付着する。ジルコニアは、ベース板21
の表面では網22の陰にあたる部分で付着が少なく、ま
た、網22のベース板21に向いた側も付着が少なく、
さらに図1に拡大して示す如くジルコニアが板と網の両
者に一体に付着している状態が部分的に見られるが、概
ねジルコニアの表面被膜23は均一に付着しており、ト
レー20としては充分に機能を果たすものである。ま
た、図5の網目部分の拡大写真図から判るように、網2
2にジルコニアを溶射した表面被膜23はセラミック素
体を点接触で保持する程度の凸凹な表面を有している。
こうして図1に断面を示す如くのトレー20が得られ
る。
【0019】なお、図3のように、1枚のトレー20の
全体の平面形状は、本実施の形態では正方形をしている
が、長方形あるいは任意の外形でもよい。しかし、本実
施の形態の正方形のトレー形状とすると、図6に示す如
くステンレス鋼線の枠30に複数枚を配置する構成にお
いて、配置の方向に制約が少なく不要に作業を難しくし
ないし、枠30の広さに効率よく配置することができる
利点がある。
【0020】図1及び図2のように、前記トレー20に
直方体状セラミック素体1の両端に端子電極10となる
べき電極ペースト41を塗布して電極ペースト塗膜を形
成したもの(つまり塗膜付きセラミック素体であり、以
後、チップ40と呼ぶ)を収容する。前記電極ペースト
41は金属粉(例えば銅等)を主成分とする導電成分と
有機バインダとを少なくとも含むものである。
【0021】図1及び図2はこのチップ40を収容した
状態を示し、ジルコニアの溶射で表面被膜23が形成さ
れたトレー20の網目の1区画Dに1個のチップ40を
収容するメッシュにしてあり、1区画Dにつき1個のチ
ップ40がそれぞれ収まる。ここで、1区画Dの底面は
ベース板21の表面被膜23を設けた面であり、4側面
は網22の表面被膜23で覆われた部分で構成されてお
り、ベース板21側の表面被膜23と網22側の表面被
膜23とは図示しないが隙間が生じている部分があり、
その隙間を気体が流通できるようになっている。また、
前記網目の1区画Dは、チップ40の長手方向が横向き
に入ることができない寸法であり、トレー20は前記網
目の1区画Dに1個のチップ40を当該チップ長手方向
が前記網目に縦に入る姿勢で収容する。
【0022】前記トレー20の網目にチップ40を収容
する方法は、ほぼ水平にしたトレー20の網22を備え
る面側にチップ40の集合体を載置し、トレー20をラ
ンダムな方向にやや傾ける動作を実行する。チップ40
の集合体はトレー20の網22を備える面上に拡がる過
程で、網目の1区画Dに1個づつ入り込む。既に入り込
んだチップ40があると2個は入らない。トレー20の
面全体に拡げた後にやや傾斜を強くして余りを取り除く
と、図1及び図2に示す状態に各網目に分散してチップ
40が収容されるようになる。この作業は比較的容易に
でき、チップ40に損傷を生じないで行えることも確認
できている。また、チップ40の長手方向が横にはこの
網目に入り込まない寸法関係にしてあり、チップ40は
各網目に長手方向を上下に向けて、換言すれば縦方向に
収容されている。チップ40の寸法が異なると異なるメ
ッシュのトレー20を用いることになる。
【0023】図7は、セラミック素体1の両端に電極ペ
ースト41を塗布してその塗膜を形成してなるチップ4
0を前述のようにトレー20に収容し、トレー20を搬
送し前記塗膜を焼き付けて端子電極を形成する工程を示
し、当該工程を実行するために、脱バインダ用炉50、
還元処理用炉60及び熱処理用炉70が順次設けられて
おり、さらにトレーの搬送手段として各炉の下方に左右
に長い搬送機構80を設けている。
【0024】前記脱バインダ用炉50、還元処理用炉6
0及び熱処理用炉70はトンネル形状であり、脱バイン
ダ工程、還元工程及び焼き付け工程を順に司るものであ
る。
【0025】前記搬送機構80はステンレス鋼線(例え
ばSUS316でなる)のメッシュベルトを有するベル
トコンベアであり、当該ベルトの上側を左から右方向
に、下側を逆に循環させる機構となっている。
【0026】そして、図6に示す如くステンレス鋼線
(例えばSUS316)の枠30にトレー20を複数枚
配置し、その枠30を前記搬送機構80のメッシュベル
ト上に載置することで、脱バインダ用炉50、還元処理
用炉60及び熱処理用炉70の順に各トレー20はメッ
シュベルトにより搬送される。
【0027】始めにチップ40を載せたトレー20は脱
バインダ工程を実行するための脱バインダ用炉50を通
過する。脱バインダ用炉50は、トンネル形状で入口カ
ーテンと出口カーテンとを有し(両カーテン共に空気の
下吹き付け併用)、両カーテン間の内部空間を加熱する
内部ヒータを具備するとともに、その内部空間に数10
0℃の加熱空気を導入している。この脱バインダ工程で
は、入口カーテンから炉50内部に入ったトレー20上
のセラミック素体1両端部の電極ペースト41に含まれ
る有機バインダを除去する熱処理を行い、この脱バイン
ダ工程により、有機成分であるバインダを充分に燃焼さ
せてしまう。例えば、金属粉が銅の電極ペーストにおい
て、脱バインダに最適な温度範囲は300℃〜600℃
である。この範囲より低いと有機バインダがカーボンと
して残り、この範囲より高いと銅が過酸化状態になり次
工程で還元しきれない。トレー20は出口カーテンを通
過しその温度が100℃以下になる。
【0028】次に、チップ40を載せたトレー20は還
元工程を実行するための還元処理用炉60を通過する。
還元処理用炉60は、トンネル形状で入口カーテンと出
口カーテンとを有し(両カーテン共に窒素(N)等の
非酸化性気体の下吹き付け併用)、両カーテン間の内部
空間を加熱する内部ヒータを具備するとともに、その内
部空間に数100℃の還元用の気体を導入し、還元雰囲
気としている。この還元工程では、入口カーテンから炉
60内部に入ったトレー20上のチップ40端部の電極
ペーストを脱バインダした端子電極になる部分を、還元
雰囲気中におき、還元処理する。還元雰囲気は、窒素
(N)と水素(H)の混合ガスを用いるとよい。特
に、水素(H)の濃度を1〜10%とする混合ガスで
よい結果が得られた。こうして、例えば、脱バインダ工
程で酸化した金属粉としての銅を還元することができる
が、金属成分が銅の場合、還元処理の好ましい温度条件
は300℃〜600℃であり、この範囲より低いと還元
しきれず、この範囲より高いとセラミック素体を部分的
に還元してしまう。トレー20は出口カーテンを通過し
その温度が100℃以下になる。
【0029】最後にチップ40を載せたトレー20は焼
き付け工程を実行するための熱処理用炉70を通過す
る。熱処理用炉70は、トンネル形状で入口カーテンと
出口カーテンとを有し(両カーテン間は窒素(N)等
の非酸化性かつ非還元性雰囲気に保持される)、両カー
テン間の内部空間を加熱する内部ヒータを具備する。こ
の焼き付け工程は、チップ40端部の電極ペーストの脱
バインダされ還元処理されて端子電極になる部分に、6
00℃〜900℃の温度範囲において、窒素(N )ガ
ス等の非酸化性かつ非還元性雰囲気(中性雰囲気)で熱
処理する。焼き付け時間の一例は80分程度であるが、
電気的特性に優れた緻密な構造の端子電極を得ることが
できる。そうして、トレー20は冷却され、出口カーテ
ンから出て来るときはほぼ常温になっている。
【0030】この後、トレー20から処理済みチップ4
0を空けて別の容器に移し、トレー20は図7の始めに
戻されて新規なチップ40を収容し再び循環する。別の
容器に移された処理済みのチップ40は、後工程のバレ
ルメッキ工程で端子電極上にニッケル電解メッキ層、S
nもしくはその合金電解メッキ層を形成される。
【0031】この実施の形態によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0032】(1) 端子電極になる電極ペースト41が
塗布されたセラミック素体、つまりチップ40は、それ
が接触する表面被膜23が全てジルコニアでなるトレー
20の網目の1区画Dに1個づつ入り保持される。つま
り、セラミック素体や電極ペーストに反応しない材質で
あるジルコニアで表面が覆われているので、トレー20
での保持に不都合は発生しない。また、1区画Dはチッ
プ40の長手方向を上下(縦)に向けて収容するので1
個だけ確実に入ることになり、チップ40同士が付着し
て、剥がすときに外観不良となる問題点を解消できる。
【0033】(2) トレー20に対するチップ40の供
給は、ほぼ水平にしたトレー20の網を備える面側にチ
ップ40の集合を載置し、トレー20をランダムな方向
にやや傾ける動作を実行することで1個づつ入り込ます
ことができる。この動作は人手による作業においても、
自動化する動作においても容易に行える動作である。
【0034】(3) 図5にトレー20の区画Dを拡大し
て示す如く、ジルコニアの溶射により表面被膜23が形
成された網目表面は、チップ40を点接触で保持する程
度の凸凹な表面であり、特に端子電極になる電極ペース
ト41が塗布された部分が接触しても各炉50,60,
70における雰囲気を遮断すること無く、端子電極を形
成するためのトレーとして適した保持をする。また、ト
レー20の網目の表面被膜23と底面のベース板21側
の表面被膜23間には、部分的に隙間が存在し、気体の
通過性が良好であり、各炉での処理において雰囲気が位
置により偏ることが少ない構成である。
【0035】(4) 以上の結果、トレー20上のチップ
40は、端子電極になる部分が相互に接触することな
く、かつ点接触に近い状態で保持され、雰囲気が位置に
より偏ることもないので、焼き付けを行っても端子電極
が相互に付着してしまうことなく、電気的特性に優れた
緻密な構造の端子電極を得ることができる。例えば、数
百乃至数千個のセラミック素体の両端に電極ペーストを
塗布し焼き付けて端子電極を形成してみると、従来の技
術では端子電極に付着不良を有するセラミック素体が2
0%くらい発生するが、本実施の形態では電極に付着不
良を有するセラミック素体が0.8%程度に減少し、不
良が約1/20以下に減少する大きな効果を得ることが
できた。
【0036】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、電極ペ
ースト塗膜付きセラミック素体の前記塗膜から有機バイ
ンダを除去し、還元雰囲気中で前記塗膜中の導電成分を
還元処理し、中性雰囲気中で熱処理してセラミック素体
に端子電極を形成する場合に、脱バインダ、還元処理、
及び熱処理に前記塗膜付きセラミック素体を保持し搬送
するトレーを用い、前記トレーはベース板に網を固着
し、少なくとも前記塗膜付きセラミック素体を保持する
側の前記ベース板と前記網には前記セラミック素体と前
記塗膜とに反応しない材質で表面被膜を形成した構造と
し、前記トレーの網目の1区画につき1個の前記塗膜付
きセラミック素体をそれぞれ収容して搬送する。これに
より、前記トレー上の塗膜付きセラミック素体は、端子
電極になる部分が相互に接触することなく、かつ点接触
に近い状態で保持され、雰囲気が位置により偏ることも
ないので、焼き付けを行っても端子電極が相互に付着し
てしまうことなく、電気的特性に優れた緻密な構造の端
子電極を得ることができる。そして、電極部分の付着に
起因する不良発生を従来の数10分の1に低減可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック電子部品の端子電極焼
付方法及び装置の実施の形態において用いるトレー及び
塗膜付きセラミック素体であるチップの収容状態を示す
側断面図である。
【図2】同じくチップ収容状態のトレーを上方よりみた
拡大斜視図である。
【図3】トレー全体の平面図である。
【図4】トレーの点溶接周辺部の拡大平面図である。
【図5】トレーの網目部分の拡大写真図である。
【図6】枠に複数枚のトレーを載置した状態を示す平面
図である。
【図7】本実施の形態において、脱バインダ用炉、還元
処理用炉及び熱処理用炉にトレーをメッシュベルトで循
環させる構成を示す説明図である。
【図8】セラミック素体に形成した端子電極の外観不良
の例を示す説明図である。
【符号の説明】 1 セラミック素体 10 端子電極 20 トレー 21 ベース板 22 網 23 表面被膜 30 枠 40 チップ 41 電極ペースト 50 脱バインダ用炉 60 還元処理用炉 70 熱処理用炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 慎太郎 秋田県由利郡仁賀保町平沢字前田151ティ ーディーケイ エムシーシー株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AA01 AB03 BC38 FG26 GG10 GG28 JJ03 JJ23 MM11 MM13 MM24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック素体に、金属粉を主成分とす
    る導電成分と有機バインダとを少なくとも含む電極ペー
    ストを塗布し、塗布された電極ペースト塗膜から有機バ
    インダを除去する脱バインダを行い、還元雰囲気中で前
    記塗膜中の前記導電成分を還元処理し、中性雰囲気中で
    熱処理して前記セラミック素体に端子電極を形成するセ
    ラミック電子部品の端子電極焼付方法であって、 前記脱バインダ工程と前記還元処理工程と前記熱処理工
    程とに、前記塗膜付きセラミック素体を保持し搬送する
    トレーを用い、 前記トレーはベース板に網を固着し、少なくとも前記塗
    膜付きセラミック素体を保持する側の前記ベース板と前
    記網には前記セラミック素体と前記塗膜とに反応しない
    材質で表面被膜を形成してなり、前記トレーの網目の1
    区画につき1個の前記塗膜付きセラミック素体をそれぞ
    れ収容して搬送することを特徴とするセラミック電子部
    品の端子電極焼付方法。
  2. 【請求項2】 前記ベース板と網がNiであり、前記網
    が固着された前記ベース板面と前記網とにジルコニアを
    溶射して前記セラミック素体と前記塗膜とに反応しない
    表面被膜を形成した請求項1記載のセラミック電子部品
    の端子電極焼付方法。
  3. 【請求項3】 金属粉を主成分とする導電成分と有機バ
    インダとを少なくとも含む電極ペーストを端部に塗布し
    て塗膜となしたセラミック素体を保持し搬送するトレー
    と、該トレーを脱バインダ用炉、還元処理用炉及び熱処
    理用炉の順に搬送する搬送手段とを備え、 前記トレーは、ベース板と網とを平面で重ね合わせて、
    所定間隔をおいて複数点で固着し、前記網が固着された
    前記ベース板面と前記網とに前記セラミック素体と前記
    塗膜とに反応しない表面被膜を形成したものであって、
    前記トレーの網目の1区画につき1個の前記塗膜付きセ
    ラミック素体をそれぞれ収容して搬送することを特徴と
    するセラミック電子部品の端子電極焼付装置。
  4. 【請求項4】 前記ベース板と前記網がNiであって、
    点溶接で固着されており、前記表面被膜がジルコニアで
    形成されてなる請求項3記載のセラミック電子部品の端
    子電極焼付装置。
  5. 【請求項5】 前記網目の1区画は、前記塗膜付きセラ
    ミック素体の長手方向が横向きに入ることができない寸
    法であり、前記トレーは前記網目の1区画に1個の前記
    塗膜付きセラミック素体を当該素体長手方向が前記網目
    に縦に入る姿勢で収容する請求項3又は4記載のセラミ
    ック電子部品の端子電極焼付装置。
JP2002041754A 2001-06-21 2002-02-19 セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置 Expired - Fee Related JP3629007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002041754A JP3629007B2 (ja) 2001-06-21 2002-02-19 セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001187993 2001-06-21
JP2001-187993 2001-06-21
JP2002041754A JP3629007B2 (ja) 2001-06-21 2002-02-19 セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003077776A true JP2003077776A (ja) 2003-03-14
JP3629007B2 JP3629007B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=26617320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002041754A Expired - Fee Related JP3629007B2 (ja) 2001-06-21 2002-02-19 セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3629007B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006013220A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Murata Mfg Co Ltd 積層型セラミック電子部品の製造方法
JP2008177188A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Tdk Corp チップ状電子部品用冶具
JPWO2021039047A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04
JPWO2021075357A1 (ja) * 2019-10-19 2021-04-22
WO2022176297A1 (ja) * 2021-02-22 2022-08-25 株式会社村田製作所 電子部品製造用のジグおよび電子部品の製造方法
WO2022176296A1 (ja) * 2021-02-22 2022-08-25 株式会社村田製作所 セラミック電子部品の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006013220A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Murata Mfg Co Ltd 積層型セラミック電子部品の製造方法
JP4654620B2 (ja) * 2004-06-28 2011-03-23 株式会社村田製作所 積層型セラミック電子部品の製造方法
JP2008177188A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Tdk Corp チップ状電子部品用冶具
JPWO2021039047A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04
WO2021039047A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04 株式会社村田製作所 チップ状電子部品用治具
JPWO2021075357A1 (ja) * 2019-10-19 2021-04-22
WO2021075357A1 (ja) * 2019-10-19 2021-04-22 株式会社村田製作所 チップ状電子部品用ジグ
CN114502325A (zh) * 2019-10-19 2022-05-13 株式会社村田制作所 片状电子部件用夹具
WO2022176297A1 (ja) * 2021-02-22 2022-08-25 株式会社村田製作所 電子部品製造用のジグおよび電子部品の製造方法
WO2022176296A1 (ja) * 2021-02-22 2022-08-25 株式会社村田製作所 セラミック電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3629007B2 (ja) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101527201B (zh) 层叠型电子部件及其制造方法
US8631549B2 (en) Method for manufacturing multilayer electronic component
JP4073183B2 (ja) Pbフリーはんだを用いた混載実装方法及び実装品
EP3297785B1 (en) Reflow oven liner with a substrate and an adhesive layer, and a method of treating the surface of a reflow oven
JP2003077776A (ja) セラミック電子部品の端子電極焼付方法及び装置
JP3562629B2 (ja) 端子電極を持つ電子部品の製造方法
CN203936494U (zh) 汽车用玻璃
WO2005123549A2 (en) Serial thermal processor arrangement
US4544091A (en) Target bonding process
JP4134661B2 (ja) 電子部品実装装置および電子部品実装方法
JPS58502078A (ja) 半導体装置の製造方法およびそうして得られる半導体装置
US6315189B1 (en) Semiconductor package lead plating method and apparatus
JP2003181631A (ja) 鉛フリーはんだを用いたフローはんだ付け方法およびその装置並びに実装構造体
CN108886003B (zh) 基板的制造方法
JP2572822B2 (ja) セラミック基板の焼成方法
JP2007194510A (ja) セラミック電子部品用冶具、及び、それを用いたセラミック電子部品の製造方法
JP3454170B2 (ja) 圧電素子の電極形成方法
JP3039240B2 (ja) チップ型電子部品の電極メッキ装置
US20230207517A1 (en) Manufacturing method for semiconductor device
CN117438322B (zh) 一种防止功率模块电镀后dbc部位变色的方法、治具
JPH09208330A (ja) セラミック製品の加熱用トレーの製造方法
JP3531794B2 (ja) セラミック電子部品の端子電極形成方法
JP2002026506A (ja) 半田付装置及びその半田付装置で用いる材料塗布部
JP2006310761A (ja) チップ状電子部品用トレー、その製造方法及びそれを用いたチップ状電子部品の製造方法
JPH0217601A (ja) チップ部品

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20041008

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041001

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Effective date: 20041001

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041209

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees