JP2003072088A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置

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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14411Groove in the nozzle plate

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】シリコン基板を各チップにダイシングによって
分離する方法では、切子がチップに付着したり破損した
りする問題がある。そこでエッチング方法があるが、ウ
エハからのチップ分離の強度が十分でなく、ウエハの面
方位が限定されるなど、取り扱い性、製造歩留まりが悪
い。 【解決手段】液滴吐出ヘッドの製造は、シリコンウェハ
を異方性エッチングして複数の構造体を形成するととも
に、複数の構造体の間に異方性エッチングで微小な多角
形のパターンを並べたチップ分離線を入れて、このチッ
プ分離線から個々の構造体に分離する構成とした。ここ
でウエハ30のチップ31、31間に小さな平行四辺形
のパターン32bを並べて形成し、溝32bと各溝32
b間の不連続部分33bでチップ分離線34bを構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴吐出ヘッド及びその
製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジ
ェット記録装置において使用する液滴吐出ヘッドである
インクジェットヘッドとしては、インク滴を吐出するノ
ズルと、このノズルが連通する液室(加圧液室、圧力
室、吐出室、インク流路等とも称される。)と、液室内
のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備
えて、圧力発生手段で発生した圧力で液室内インクを加
圧することによってノズルからインク滴を吐出させる。
なお、液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを
液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液
滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下で
はインクジェットヘッドを中心に説明する。
【0003】このようなインクジェットヘッドとして
は、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素
子を用いて液室の壁面を形成している振動板を変形変位
させることでインク滴を吐出させるピエゾ型のもの、液
室内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用い
てインクの膜沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出
させるバブル型(サーマル型)のもの、液室の壁面を形
成する振動板(又はこれと一体の電極)とこれに対向す
る電極を用いて静電力で振動板を変形させることでイン
ク滴を吐出させる静電型のものなどがある。
【0004】ところで、従来のインクジェットヘッドに
おいては、液室や各液室に連通する共通液室などを形成
する構造体としての液室形成部材或いは流路形成部材と
して、感光性樹脂、樹脂モールド、金属、ガラスなどの
材料を用いている。しかしながら、樹脂の液室は剛性が
小さいので、近傍の液室間でクロストークが発生し易
く、良好な画像品質が得られないという問題を生じてい
た。また、金属やガラスなどは、剛性が大きくクロスト
ークの問題は小さいが、他方、加工が難しく、特に近年
のインクジェットヘッドは高画質化のために高密度化の
要求が高まってきており、このような要求に応えるのは
困難になってきている。
【0005】そこで、例えば特開平7−132595号
公報、特開平7−276626号公報などに記載されて
いるように、液室や共通液室をシリコン基板(シリコン
ウエハ)の異方性エッチングで形成することが知られて
いる。シリコンは、剛性が高く、しかも異方性エッチン
グを用いることによって微細な加工が可能であり、特
に、(110)面方位のシリコンウェハを用いることに
よって、垂直な壁面を形成することができるので、液室
を高密度に配置することができる。
【0006】このようにシリコンを液室形成部材に用い
た場合、シリコン基板(シリコンウエハ)上に、複数の
ヘッドチップに対応する液室や共通液室を形成し、これ
を各チップ毎に分離する必要がある。
【0007】従来、シリコン基板を各チップに分離する
方法としてはダイシングが一般的である。また、ダイシ
ングによる切子の付着の問題を解消するため、例えば特
開平10−157149号公報に記載されているよう
に、シリコンウエハに所定の分離パターンマスクを形成
して、異方性エッチングを行ってV字溝で各チップに分
離する方法、或いは特開平5−36825号公報に記載
されているように、シリコンウエハに第1、第2のV字
溝を形成し、これらの第1、第2のV字溝に応力を集中
させてウエハをへき開して各チップに分離する方法など
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】先ず、ダイシングによ
って分離する方法は、水をかけながらブレードを高速で
回転して切断したときに切子がチップに付着するという
問題がある。この切子は、硫酸過水や塩酸過水などの酸
洗浄、アンモニア過水などのアルカリ洗浄、アセトンや
アルコールなどの有機洗浄などの化学的洗浄、あるいは
超音波、水圧などの物理的洗浄でも完全に除去すること
は難しい。一番有効なのはブラシなどによる洗浄である
が、マイクロマシン分野における微細な立体構造体が形
成されたものに関しては、隙間に入り込んだ切子がとれ
きれない、あるいは構造体が破損してしまうなどといっ
た問題がある。
【0009】従前、シリコン基板で形成するデバイスと
しては半導体素子が一般的であるが、そのような半導体
素子は平面構造なので切子が隙間に入り込むこともな
く、またブラシなどの物理的な力が加わっても損傷する
ことはなく、特に問題を生じていなかった。また、半導
体素子ではデバイスの機能的な内部構造、配線などのプ
ロセスが完了した後に分離するので、多少切子がチップ
に残ったとしてもデバイス機能としては問題なかった。
これに対して、マイクロマシン分野においては、チップ
分離後に組み立て、配線などのプロセスを行うことが多
く、切子が残ることは大きな問題となる。
【0010】あるいはまた、ダイシングでは切断時の水
の水圧で微細な構造体が破損するといった問題がある。
さらに、ウェハを固定するのに、真空チャックが用いら
れているが、構造体を形成して強度が弱くなったウェハ
をこの真空チャックからはずすとき破損の原因となり、
歩留まりの低下の問題となっていた。また、切断したチ
ップがばらばらにならないように裏面にダイシングテー
プを貼ることがあるが、このダイシングテープを貼る
時、あるいははがす時にも破損の原因となっていた。こ
の場合、UV光照射や熱処理によって粘着力が低下する
ダイシングテープを用いれば、はがす時の破損は少なく
なるが、このようなテープは高価であり、コストアップ
となってしまうという問題もある。
【0011】また、マイクロマシン分野においては、シ
リコン基板と、ニッケル、SUSなどの金属基板、パイ
レックス(登録商標)などのガラス基板、アルミナなど
のセラミックス基板などと積層構造にすることがある。
製造工法からみれば、ウェハサイズで積層した後にチッ
プに分離したほうが効率的である。
【0012】しかしながら、ダイシングのブレードの種
類は材料によって最適化するので、異種材料の積層基板
をダイシングしようとすれば、切断できなかったり、ブ
レードやサンプルを破損したり、切断線幅が広くなった
り、ブレードの寿命が短くなったりといった問題があ
る。さらに、ダイシングでは一直線にしか切断できない
ので、マイクロマシン分野における比較的大きなチップ
サイズでは、ウェハ内のチップ取り数が少なくなってし
まい、コスト高になるといった問題がある。
【0013】そこで、上述したようにダイシングによる
切子の付着の問題を解消するためエッチングで分離する
方法が提案されているのであるが、このうち、V字溝で
エッチング貫通して分離線を形成して分離する方法にあ
っては、各チップはマスク用のSiN膜だけでつながっ
ている状態になるので、エッチング後のウェハの強度が
非常に弱く、取り扱い性が悪くなり、またチップに分離
する前に破損してしまい、製造歩留まりが悪く、ヘッド
のコストが高くなるという課題がある。
【0014】また、シリコンウエハに第1、第2のV字
溝を形成する方法にあっては、V字溝を貫通させずに形
成しているので、エッチング後もウェハの強度は維持さ
れるが、ウェハの厚さバラツキによってV字溝の残し部
分の厚さが異なり、厚さの薄いウェハでは強度が小さく
なって破損したり、厚さが厚いウェハでは残し部分が厚
すぎて分離できなかったり、或いは、分離する際、V字
溝からずれた線で分離されてしまうなど、製造歩留まり
が悪く、ヘッドのコストが高くなるという課題がある。
【0015】さらに、これらの各方法に共通して、(1
00)面方位のウェハを用いた場合、V字溝の直線はウ
ェハ内で互いに直交する方向に形成できるチップ分離に
適用できるが、(110)面方位のウェハでは垂直にエ
ッチングされる方向はウェハ内で互いに70.5°の角
度をなしているので、長方形のチップを切り出すことが
できなくなる。マイクロマシン分野では、垂直に異方性
エッチングが可能な結晶面方位(110)のウェハを用
いることが多く、そのような場合には、上述した方法で
は分離することができなくなるという課題がある。
【0016】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、歩留まりを向上してコストを低減できる液滴吐
出ヘッド及びその製造方法、液滴吐出ヘッドを一体化し
たインクカートリッジ、並びに液滴吐出ヘッドを搭載し
たインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、シリコンからなる
構造体はシリコンウェハ内に形成した複数の構造体の間
に異方性エッチングで入れられた微小な多角形のパター
ンで分離されたものである構成としたものである。
【0018】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、シリコンウエハを異方性エッチングして複数の構造
体を形成するとともに、複数の構造体の間に異方性エッ
チングで微小な多角形のパターン並べたチップ分離線を
入れて、このチップ分離線から個々の構造体に分離する
構成としたものである。
【0019】ここで、(110)面方位のシリコンウェ
ハに入れる個々の構造体に分離するための<112>方
向のチップ分離線は<112>方向に長い多角形のパタ
ーンを並べることが好ましい。この場合、多角形のパタ
ーンの幅は1μm以上であることが好ましい。
【0020】また、(110)面方位のシリコンウェハ
に入れる個々の構造体に分離するための<111>方向
のチップ分離線は70.5°の角度を持つ平行四辺形の
パターンをこの平行四辺形のパターンの高さより大きな
ピッチで並べることが好ましい。この場合、隣り合う平
行四辺形のパターンによって形成されるブリッジの長さ
が0.5〜100μmであることが好ましい。また、隣
り合う平行四辺形のパターンによって形成されるブリッ
ジの幅が1〜50μmであることが好ましい。さらに、
平行四辺形のパターンの高さは、異方性エッチングの深
さをTとしたとき((√6)T−0.35)μm〜
((√6)T−70)μmの範囲内であることが好まし
い。
【0021】さらに、(110)面方位のシリコンウェ
ハに入れる個々の構造体に分離するための<111>方
向のチップ分離線は70.5°の角度を持つ平行四辺形
のパターンをこの平行四辺形のパターンの高さより小さ
なピッチで並べることが好ましい。この場合、隣り合う
平行四辺形のパターンによって形成されるブリッジの長
さが0.5〜100μmであることが好ましい。また、
隣り合う平行四辺形のパターンによって形成されるブリ
ッジの幅が1〜50μmであることが好ましい。さら
に、平行四辺形の高さは、異方性エッチングの深さをT
としたとき((√6)T+0.7)μm〜((√6)T
+35)μmの範囲内であることが好ましい。
【0022】さらにまた、本発明に係る液滴吐出ヘッド
の製造方法において、シリコンウェハ内の構造体の配列
を千鳥配列とすることが好ましい。また、シリコンウェ
ハのチップ分離線を構成するパターンは表裏両面からの
異方性エッチングで形成することができる。
【0023】さらに、シリコンウエハを異方性エッチン
グした後に各構造体に分離し、その後構造体を他の基板
と接合することができる。また、シリコンウエハを異方
性エッチングした後に他の基板と接合し、その後各構造
体に分離することができる。さらに、シリコンウエハを
他の基板と接合した後、シリコンウエハを異方性エッチ
ングし、その後各構造体に分離することができる。
【0024】本発明に係るインクジェットヘッドは、イ
ンク滴を吐出するノズルが連通する液室を形成する構造
体は本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造され
たものである。
【0025】本発明に係るインクカートリッジは、本発
明に係るインクジェットヘッドとこのインクジェットヘ
ッドにインクを供給するインクタンクを一体化したもの
である。
【0026】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッド
を搭載したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る液滴吐出
ヘッドとしてのインクジェットヘッドの第1実施形態に
ついて図1乃至図5を参照して説明する。なお、図1は
同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの振動板長
手方向に沿う模式的断面説明図である。
【0028】このインクジェットヘッドは、液室を形成
する構造体としての第1基板である流路基板1と、この
流路基板1の下側に設けた第2基板である電極基板3
と、流路基板1の上側に設けた第三基板であるノズル板
4とを重ねて接合した積層構造体であり、これらによ
り、複数のノズル5が連通するインク流路でもある液室
6、液室6に流体抵抗部7を介して連通する共通液室8
などを形成している。
【0029】流路基板1には、液室6及びこの液室6の
底部となる壁面を形成する振動板10、各液室6を隔て
る隔壁11を形成する凹部、共通液室8を形成する凹部
などを形成している。
【0030】この流路基板1は、(100)面方位の単
結晶シリコン基板(シリコンウエハ)に振動板となる厚
み(深さ)に高濃度不純物であるボロンを拡散し、この
高濃度ボロンドープ層をエッチングストップ層として異
方性エッチングを行うことにより、液室6となる凹部等
を形成するときに所望の厚さの振動板10を得たもので
ある。なお、高濃度P型不純物としては、ボロンの他、
ガリウム、アルミニウム等も用いることができる。ま
た、高濃度ボロンドープ層にはボロン以外にシリコンよ
りも格子定数の大きな原子、たとえばゲルマニウム(G
e)を含むことによって、ボロンによる引っ張り応力を
低減することができる。
【0031】また、流路基板1としては、ベース基板と
活性層基板とを酸化膜を介して接合したSOI(Silic
on On Insulator)基板を用いることも可能である。
この場合には、活性層基板を振動板10として用い、ベ
ース基板に液室6や共通液室10となる凹部を彫り込
む。
【0032】電極基板3には、凹部14を形成して、こ
の凹部14の底面に振動板10に所定のエアギャップ1
6を置いて対向する電極15を形成し、この電極15と
振動板10によって、振動板10を静電力で変形させて
液室6の内容積を変化させるアクチュエータ部を構成し
ている。この電極基板3の電極15上には振動板10と
の接触によって電極15が破損するのを防止するため、
例えば0.1μm厚のSiO2などの絶縁層17を成膜し
ている。なお、電極15を電極基板3の端部付近まで延
設して外部駆動回路と接続手段を介して接続するための
電極パッド部15aを形成している。
【0033】この電極基板3は、ガラス基板、又は表面
に熱酸化膜3aを形成した単結晶シリコン基板上に、H
F水溶液などでエッチングにより凹部14を形成し、こ
の凹部14に窒化チタンなどの高耐熱性を有する電極材
料をスパッタ、CVD、蒸着などの成膜技術で所望の厚
さに成膜し、その後、フォトレジストを形成してエッチ
ングすることにより、凹部14にのみ電極15を形成し
たものである。この電極基板3と流路基板1とは陽極接
合、直接接合などのプロセスで接合している。
【0034】ここで、電極15は、例えばタングステン
サイド膜とポリシリコン膜の2層構造、或いは、金、通
常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるA
l、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN等の高融
点金属、不純物をドープした多結晶シリコン膜なども用
いることができる。
【0035】この例では、電極15は、シリコン基板に
エッチングで形成した深さ0.4μmの凹部14内に窒
化チタンを0.1μmの厚さにスパッタし形成し、その
上にSiOスパッタ膜を0.1μm厚みで絶縁層17
として形成している。したがって、このヘッドにおいて
は、電極基板3と流路基板1とを接合した後のエアギャ
ップ16の長さ(振動板10と絶縁層17表面との間
隔)は、0.2μmとなっている。
【0036】また、ノズル板4にはノズル5、液体抵抗
部7となる溝、共通液室8へ外部からインクを供給する
ためのインク供給口19を形成し、吐出面には撥水処理
を施している。このノズル板4としては、例えば、Ni
電鋳工法で製作しためっき膜、シリコン基板、SUSな
どの金属、樹脂とジルコニアなどの金属層の複層構造の
ものなども用いることができる。このノズル板4は流路
基板1に接着剤にて接合している。
【0037】このように構成したインクジェットヘッド
においては、振動板10を共通電極とし、電極15を個
別電極として、ドライバIC(駆動回路)から選択的に
振動板10と電極15との間に駆動電圧を印加すること
によって、振動板10と電極15との間に発生する静電
力によって振動板10が電極15側に変形変位し、この
状態から振動板10と電極15間の電荷を放電させる
(駆動電圧を0にする)ことによって振動板10が復帰
変形して、液室6の内容積(体積)/圧力が変化し、ノ
ズル5からインク滴が吐出される。
【0038】このインクジェットヘッドにおける液室
6、共通液室8を構成するシリコン基板からなる流路基
板1は本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法を適用し
て製作している。そこで、本発明に係る液滴吐出ヘッド
の製造方法の第1実施形態について図4及び図5を参照
して説明する。なお、図4は上記ヘッドの流路基板1の
シリコンウェハ20での配置図、図5は図4における1
チップ分の拡大説明図である。
【0039】この例は、シリコンウェハ20上に流路基
板1のチップ(構造体)21を8個配置した例である。
各チップ21間には細い溝22を形成している。この細
い溝22は、共通液室8や液室6を形成するのと同様
に、異方性エッチングによる掘り込みで形成したもので
ある。
【0040】この場合、上述したように振動板10を形
成するために高濃度ボロン拡散層を形成しているので、
ここでは、細い溝22はシリコンウエハ20を貫通せ
ず、振動板10の厚さだけ残っている。また、細い溝2
2は断続的に形成しており、不連続部分(ブリッジ)2
3によってチップ21はばらばらにならずに保持されて
いる。なお、不連続部分23の幅はチップの大きさ、ウ
ェハの大きさなどにより、チップがばらばらにならない
ための幅とする。これらの細い溝22のパターンと不連
続部分23とを並べることでチップ分離線24を構成し
ている。
【0041】したがって、各チップ21間は細いブリッ
ジ23でつながっているので、わずかな力を加えること
により、チップ分離線24に沿って各チップ21に分離
することができる。細い溝22は振動板10と同じ厚さ
分を残して貫通していないが、その残っている部分の厚
さは非常に薄いので、簡単に分離することができる。
【0042】また、溝幅をさらに細くすると溝22はV
溝形状となるが貫通はしない。このとき、V溝の残り
(=(厚さ)−(V溝深さ))を小さくしておくこと
で、簡単な力によって分離することができる。V溝の残
りの厚さは溝幅によって調節することができる。また、
溝部分をV溝で止めて貫通させない場合は溝22は必ず
しも断続的にする必要はない。
【0043】このようにシリコンウエハに各チップ間に
細い溝を形成して、応力を加えてチップを分離すること
によって、ダイシング時のように切子が付着することが
なくなる。この場合、チップを分離したとき、わずかに
ブリッジの破片が発生することがあるが、それはダイシ
ング時に発生する細かい切子と違って比較的大きいの
で、チップ分離後の軽い洗浄により除去できる。また、
水圧や真空チャックなどの力も加わらず、ダイシングテ
ープなども必要ないので、歩留まりが向上する。
【0044】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法の第2実施形態について図6及び図7を参照して説
明する。なお、図6はシリコンウェハ30内のチップ配
置図、図7は図6における1チップ分の拡大説明図であ
る。
【0045】ここでは、流路基板1を(110)面方位
のシリコン基板(シリコンウエハ30)を用いて形成し
ている。(110)面方位の基板を使っているので、液
室6は平面形状で平行四辺形に、共通液室8は図中縦方
向は結晶面に沿っていないので鋸状に形成される。ま
た、(110)面方位の基板の異方性エッチングでは、
液室6間の隔壁が垂直な(111)面が現れるようにパ
ターニングすることで、液室6間の隔壁が垂直となり、
高密度に液室6を配置することができる。
【0046】前記実施形態と同様に、各チップ31間に
は平面形状が平行四辺形の溝(パターン)32a,32
bを形成している。図中で横方向(<112>方向)の
溝32aは、液室6と同じ方向なので垂直な(111)
面で細長い溝となる。この溝32aと各溝32a間の不
連続部分(ブリッジ)33aによってチップ分離線34
aを構成している。
【0047】一方、図中で縦方向(<111>方向)は
結晶方向と一致していないので、縦の溝を形成すること
ができない。そこで、小さな平行四辺形の溝(パター
ン)32bを並べて形成し、溝32bと各溝32b間の
不連続部分33bでチップ分離線34bを構成してい
る。この場合、平行四辺形のパターンが小さすぎると、
(111)面のテーパが入りV溝でエッチングが停止し
てしまうので、シリコンウェハの厚さを考慮して平行四
辺形の溝32bの大きさを決める必要がある。
【0048】なお、チップ分離線34a、34bを構成
する溝32a、32bの形状については、図7の例に限
られるものではなく、例えば、図8に示すように、平行
四辺形の向きを図7とは反対側の向き、すなわち、液室
6の平行四辺形パターンと反対向きの平行四辺形パター
ンとすることもできる。また、図9に示すように、平行
四辺形パターンではなく、平面形状で六角形の溝(パタ
ーン)にすることもできる。
【0049】ここで、チップ分離線34a、34bはで
きるだけ細いほうがウェハ内のチップの取り数が多くな
るので、分離線34a、34bの幅はできるだけ細いほ
うがよい。
【0050】このとき、(100)面方位のシリコンウ
ェハを用いた場合には、分離線を構成する溝のウェハ厚
さ方向の断面は図10に示すようになる。なお、ウエハ
の両面にはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからな
るエッチングマスク層25が成膜される。
【0051】このシリコンウエハにおいては、異方性エ
ッチングによりθ=54.7°の(111)面のテーパ
が入り、テーパがぶつかったところでエッチングが停止
する。テーパがぶつかるときの掘り込みの深さTと溝幅
Lの関係は、L=√2T、で表され、厚さAのウェハを
貫通させるためには、溝幅Lは、Lmin=√2A以上で
あればよい。また、貫通させずにわずかな量bだけ残し
たい場合には、溝幅Lは、L=√2(A−b)とすれば
よい。
【0052】また、(110)面方位のシリコンウェハ
を用いた場合の図7における横方向の溝32aのウェハ
厚さ方向の断面は図11に示すようになる。(110)
面方位のウェハでは(111)面の垂直壁が形成され、
原理的には溝幅はいくらでも細くできる。しかし、異方
性エッチング時に気泡が発生しその気泡が細い溝になか
に閉じ込められるとエッチング液が溝の中に供給されな
くなりエッチングが進まなくなる。溝の中に気泡が閉じ
込められないためには、溝幅Lは3μm以上必要であ
る。また、超音波を加えるなどして溝の中の気泡を強制
的に排出させる手段を用いた場合には、溝幅Lが1μm
以上の幅であれば、エッチング可能となる。
【0053】一方、(110)面方位のシリコンウェハ
を用いた場合の図7における縦方向(<111>方向)
の分離線34bを構成する溝32bは、横方向のような
細い溝32aとすることができない。そこで、縦方向の
分離線34bの幅を細くする構成について詳細に説明す
る。
【0054】まず、(110)面方位のシリコンウェハ
においても斜め方向のテーパが形成される。(110)
面方位のシリコンウェハの異方性エッチングにおいては
図12(a)、(c)に示すような2種類の平行四辺形
のパターンと同図(b)に示すような六角形のパターン
が得られる。この他にも同図中で左右の形状が異なる組
み合わせの四角形、台形や五角形も形成することができ
るが、左右の組み合わせだけなのでここでは説明を省略
する。
【0055】この図12はV溝が形成されたとき同じ深
さとなるときの3つの形状を示したものである。これら
のなかで幅Wが一番小さくなるのは、同図(a)に示す
70.5°の角度を持つ平行四辺形のパターンであり、
幅はW0となる。したがって、この70.5°の角度を
もつ平行四辺形の溝(パターン)32bを並べて分離線
34bを形成することによって、分離線34bの幅Lを
狭くすることができる。
【0056】そこで、平行四辺形のパターンの溝を縦に
並べて分離線を構成するときの2つの平行四辺形の配置
の関係の第1例について図13を参照して説明する。こ
の例は、平行四辺形のパターン32bの高さHを平行四
辺形のパターン32bの配列のピッチPよりも小さくし
た場合である。2つの平行四辺形のパターン32bがブ
リッジ33bで部分的につながっている形状を得るに
は、平行四辺形のパターン32bが重なっている領域Δ
が存在しなければならない。
【0057】同図より、エッチング深さTの時の最小の
分離線幅Lは、次の(1)式で決まる。ウェハを貫通さ
せるためにはエッチング深さTをウェハ厚さよりも大き
くすればよい。
【0058】
【数1】
【0059】また、平行四辺形のパターンの高さHは、
次の(2)式で決まる。
【0060】
【数2】
【0061】ブリッジの幅tは、必要な強度に応じて任
意に決めることができる。ブリッジの幅tはエッチング
後にウェハ搬送やハンドリングに絶えうる強度を持ち、
かつチップ分離の時には容易に分離可能な寸法であるこ
と、かつ、ウェハ面積を有効に利用でき、一般的なチッ
プ分離方法であるダイシングの分離幅よりも同等以下で
あることが好ましい。よって、ブリッジの幅tは1〜5
0μm、ブリッジの長さΔは0.5〜100μm、好ま
しくは、幅tは5〜30μm、長さΔは2〜50μmで
ある。ブリッジは幅tのほかに(111)テーパ面も含
まれるが、テーパーの影響を考えて設計値を決定すれば
よい。
【0062】また、平行四辺形のパターンの高さHは、
((√6)T−0.35)μm〜((√6)T−70)
μm、好ましく((√6)T−1.4)μm〜((√
6)T−35)μmである。
【0063】次に、平行四辺形のパターンの溝を縦に並
べて分離線を構成するときの2つの平行四辺形のパター
ン配置の関係の第2例について図14を参照して説明す
る。この例は、平行四辺形のパターン32bの高さHを
平行四辺形のパターンの配列のピッチPよりも大きくし
た場合である。同図よりエッチング深さTの時の最小の
分離線幅Lは、次の(3)式で決まる。ウェハを貫通さ
せるためにはエッチング深さTをウェハ厚さよりも大き
くすればよい。
【0064】
【数3】
【0065】また、平行四辺形のパターン32bの高さ
Hは、次の(4)式で決まる。
【0066】
【数4】
【0067】前記同様、ブリッジの幅tはエッチング後
にウェハ搬送やハンドリングに絶えうる強度を持ち、か
つチップ分離の時には容易に分離可能な寸法であるこ
と、かつウェハ面積を有効に利用でき、一般的なチップ
分離方法であるダイシングの分離幅よりも同等以下であ
ることが好ましい。よって、ブリッジの幅tは1〜50
μm、ブリッジの長さεは0.5〜100μm、好まし
くは、幅tは5〜30μm、長さεは2〜50μmであ
る。
【0068】この配列方法では、前記第1例の配列方法
よりも分離線幅LはΔだけ小さくすることができる。ま
た、このΔは略幅tであるので、平行四辺形のパターン
の高さHは((√6)T+0.7)μm〜((√6)T
+35)μm、好ましくは((√6)T+7)μm〜
((√6)T+21)μmである。
【0069】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法の第3実施形態について図15を参照して説明す
る。なお、同図はウエハ上におけるチップ配置を示す平
面図である。この実施形態は、チップ31を千鳥状に配
置することによって図6の例よりも1枚のウエハから取
出すチップ取り数を多くしている。すなわち、上述した
チップ分離線34a、34bを用いることでウエハ上で
のチップ配列の自由度が向上し、一直線の分離線でしか
チップを分離できないダイシングによる分離方法に比べ
て、同じ大きさのウェハから2チップ分多くとることが
できる。
【0070】また、この場合、縦方向は一直線なので、
縦方向のみダイシングを用いて分離することもできる。
後の工程で、チップのエッジを使って突き当てで位置決
めするときなどはダイシングで分離したエッジの方が精
度がよく、横方向の分離線はエッチングを使っているの
でチップの取り数は多くできる。
【0071】次に、シリコンウエハの両面からエッチン
グを行う例について図16及び図17を参照して説明す
る。なお、各図はシリコンウェハのウェハ厚さ方向の断
面説明図である。
【0072】図16は前記に示したとおりの片面からの
エッチングで溝を形成した場合を示したものである。こ
のとき、テーパ−角θは(100)面方位のシリコン基
板を用いたときは54.7°、(110)面方位のシリ
コン基板を用いたときは35.3°となる。これに対し
て、図17は両面にエッチングマスクパターン28を形
成して両面からエッチングを行ったものである。両面か
らエッチングを行うとウェハを貫通までの掘り込みの深
さは、片面からのエッチングの半分でよい。そのため、
溝幅M2も幅M1の半分となり、分離線幅を細くするこ
とができる。
【0073】この場合、両面からのテーパがぶつかって
から更にエッチングを行うと、テーパがエッチングされ
はじめ、開口部が大きくなってくる(図17(b))。
最終的にはテーパは完全になくなる(図17(c))。
テーパがなくなることで、チップ間をつなぐブリッジ3
3bは細くなり、より分離しやすくなる。
【0074】また、図18に示すように、ウエハの一方
の面(上面)のエッチングマスクパターン28aは図1
7と同じにし、他方の面(下面)のエッチングマスクパ
ターン28bはブリッジに対応するパターンを入れない
で形成し、このマスクパターン28a、28bを用いて
シリコンウエハをエッチングすると、最終的にブリッジ
33bは基板(ウエハ)30の厚さよりも薄いものが得
られ、チップを分離することがより容易になる。
【0075】次に、流路基板1と電極基板2などの別の
基板と積層する場合について説明する。第1の方法は、
図19に示すように、シリコンウエハ(基板)に異方性
エッチングを施して、各チップの液室、共通液室ととも
にチップ分離線を形成し、その後、このチップ分離線に
沿って各チップに分離し、それぞれ分離したチップを電
極基板などにチップ単位で接合する。
【0076】このようにすれば、チップ分離線パターン
を両面からエッチングする方法を使うことができ、分離
線を細くすることができてウェハ面積を有効に使うこと
ができる。
【0077】第2の方法は、図20に示すように、シリ
コンウエハ(基板)に異方性エッチングを施して、各チ
ップの液室、共通液室とともにチップ分離線を形成し、
その後、各チップに分離せずに、電極基板やノズル板な
どの他の基板とウェハサイズのまま接合する。電極基板
やノズル板がパイレックスなどのガラス、アルミナなど
のセラミックス、ニッケル・SUSなどの金属の場合が
ある。
【0078】この場合、このように異種材料を積層した
ものを同時に切ることは困難であるが、シリコン基板は
ブリッジのみの分離線が入っているので、ほかの基板を
切ることによってシリコン基板は容易に分離される。
【0079】次に、第3の方法として、図21に示すよ
うに、ウェハサイズで他の基板、電極基板やノズル板な
どと接合し、その後、エッチングを施す。そして、シリ
コンウエハに形成したチップ分離線で前同様に分離す
る。
【0080】この方法によれば、上記第1、第2の方法
ではエッチングにより強度が弱くなったものをハンドリ
ングしなければならなかったのに対して、接合した後に
エッチングを施すので、積層基板となっており、強度が
強くハンドリングで破損することも少なくなる。
【0081】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2
実施形態に係るインクジェットヘッドについて図22及
び図23を参照して説明する。なお、図22は同ヘッド
の分解斜視説明図、図23は同ヘッドの液室長手方向に
沿う断面説明図である。
【0082】このインクジェットヘッドは、単結晶シリ
コン基板で形成した流路形成基板(液室基板)41と、
この流路形成基板41の下面に接合した振動板42と、
流路形成基板41の上面に接合したノズル板43とを有
し、これらによってインク滴を吐出するノズル45が連
通する流路(インク液室)である加圧液室46、加圧液
室46に流体抵抗部となるインク供給路47を介してイ
ンクを供給する共通液室48を形成している。
【0083】そして、振動板42の面外側(液室46と
反対面側)に各加圧液室46に対応して駆動手段として
の積層型圧電素子52を接合し、この積層型圧電素子5
2はベース基板53に接合して固定し、この圧電素子5
2の列の周囲にはスペーサ部材54をベース基板53に
接合している。
【0084】この圧電素子52は、圧電材料層と内部電
極とを交互に積層したものである。この場合、圧電素子
52の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液
室46内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子
52の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液
室46内インクを加圧する構成とすることもできる。ベ
ース基板53及びスペーサ部材54には共通液室48に
外部からインクを供給するためのインク供給口49を形
成する貫通穴を形成している。
【0085】また、流路形成基板41の外周部及び振動
板42の下面側外縁部をエポキシ系樹脂或いはポリフェ
ニレンサルファイトで射出成形により形成したヘッドフ
レーム57に接着接合し、このヘッドフレーム57とベ
ース基板53とは図示しない部分で接着剤などで相互に
固定している。なお、ヘッドフレーム57は2つの部品
に分けているが1つの部品で構成することもできる。
【0086】さらに、圧電素子52には駆動信号を与え
るために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若し
くはワイヤボンディングでFPCケーブル58を接続
し、このFPCケーブル58には各圧電素子52に選択
的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバI
C)59を実装している。
【0087】ここで、流路形成基板41は、結晶面方位
(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶
液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異
方性エッチングすることで、各加圧液室46となる貫通
穴、インク供給路47となる溝部、共通液室48となる
貫通穴をそれぞれ形成している。この場合、各加圧液室
46は隔壁によって区画される。
【0088】振動板42はニッケルの金属プレートから
形成したもので、エレクトロフォーミング法で製造して
いる。また、ノズル板43は各加圧液室46に対応して
直径10〜30μmのノズル45を形成し、流路形成基
板41に接着剤接合している。このノズル板43として
は、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミ
ド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、
及びそれらの組み合わせからなるものを用いることがで
きる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)に
は、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あ
るいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を
形成している。
【0089】このように構成したインクジェットヘッド
においては、圧電素子52に対して選択的に20〜50
Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電
圧が印加された圧電素子52が積層方向に変位して振動
板42をノズル45方向に変形させ、加圧液室46の容
積/体積変化によって加圧液室46内のインクが加圧さ
れ、ノズル45からインク滴が吐出(噴射)される。
【0090】そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室
46内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性
によって加圧液室46内には若干の負圧が発生する。こ
の状態の下において、圧電素子52への電圧の印加をオ
フ状態にすることによって、振動板42が元の位置に戻
って加圧液室46が元の形状になるため、さらに負圧が
発生する。このとき、インク供給口49から共通液室4
8、流体抵抗部であるインク供給路47を経て加圧液室
46内にインクが充填される。そこで、ノズル45のイ
ンクメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のイ
ンク滴吐出のために圧電素子52にパルス電圧を印加し
インク滴を吐出させる。
【0091】この場合、流路形成基板41は、前記第1
実施形態と同様にシリコンウエハにチップ単位で液室4
6、共通液室48などを形成し、各チップ間に異方性エ
ッチングで微小な多角形のパターン溝を入れ、これを並
べることでチップ分離線を構成して、このチップ分離線
で個々の流路形成基板に分離形成したものである。
【0092】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3
実施形態のインクジェットヘッドについて図24及び図
25を参照して説明する。図24は同ヘッドの分解斜視
説明図、図25は同ヘッドの流路形成基板の斜視説明図
である。
【0093】このインクジェットヘッドは、流路形成部
材である第1基板61と、この第1基板61の下側に設
けた発熱体基板である第2基板62とを備え、これらに
よりインク滴を吐出する複数のノズル64、ノズル64
が連通する液流路である加圧液室流路66、加圧液室流
路66にインクを供給する共通液室流路68などを形成
し、インクは第1基板61に形成したインク供給口70
から供給されて、共通液室流路68、加圧液室流路66
を経て、ノズル64より液滴として噴射される。
【0094】流路形成部材である第1基板61は、シリ
コンウエハにノズル64、加圧液室流路66、共通液室
流路68を各チップ単位で形成し、各チップ間に異方性
エッチングで微小な多角形のパターンを入れ、これを並
べることでチップ分離線として、このチップ分離線から
チップに分離形成したものである。第2基板62には発
熱抵抗体(電気熱変換素子)71と、この発熱抵抗体7
1に電圧を印加するための共通電極72及び個別電極7
3が形成されている。
【0095】このように構成したインクジェットヘッド
においては、個別電極73に選択的に駆動電圧を印加す
ることによって発熱抵抗体71が発熱して加圧液室流路
66のインク中にバブルが発生して圧力変化が生起し、
このインク中の圧力変化によってノズル64からインク
滴が吐出される。
【0096】次に、本発明に係るインクカートリッジに
ついて図26を参照して説明する。このインクカートリ
ッジ80は、ノズル81等を有する上記実施形態のいず
れかのインクジェットヘッド82と、このインクジェッ
トヘッド82に対してインクを供給するインクタンク8
3とを一体化したものである。
【0097】このようにインクタンク一体型のヘッドの
場合、ヘッドの歩留まり不良は直ちにインクカートリッ
ジ全体の不良につながるので、上述したように切子残な
どによるインク滴吐出不良が低減することで、インクカ
ートリッジの歩留まりが向上し、ヘッド一体型インクカ
ートリッジの低コスト化を図れる。
【0098】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドである
インクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装
置の一例について図27及び図28を参照して説明す
る。なお、図27は同記録装置の斜視説明図、図28は
同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0099】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッ
ジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェット
ヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給
するインクカートリッジ等で構成される印字機構部11
2等を収納し、装置本体111の下方部には前方側から
多数枚の用紙113を積載可能な給紙カセット(或いは
給紙トレイでもよい。)114を抜き差し自在に装着す
ることができ、また、用紙113を手差しで給紙するた
めの手差しトレイ115を開倒することができ、給紙カ
セット114或いは手差しトレイ115から給送される
用紙113を取り込み、印字機構部112によって所要
の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ1
16に排紙する。
【0100】印字機構部112は、図示しない左右の側
板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と
従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方
向(図28で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、この
キャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、
マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を
吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェ
ットヘッドからなるヘッド124を複数のインク吐出口
を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方
向を下方に向けて装着している。またキャリッジ123
にはヘッド124に各色のインクを供給するための各イ
ンクカートリッジ125を交換可能に装着している。
【0101】インクカートリッジ125は上方に大気と
連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへイン
クを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多
孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジ
ェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持
している。
【0102】また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘ
ッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出する
ノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0103】ここで、キャリッジ123は後方側(用紙
搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に
嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッ
ド122に摺動自在に載置している。そして、このキャ
リッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査
モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動
プーリ129との間にタイミングベルト130を張装
し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に
固定しており、主走査モーター127の正逆回転により
キャリッジ123が往復駆動される。
【0104】一方、給紙カセット114にセットした用
紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給
紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ロ
ーラ131及びフリクションパッド132と、用紙11
3を案内するガイド部材133と、給紙された用紙11
3を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送
ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及
び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を
規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ1
34は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0105】そして、キャリッジ123の主走査方向の
移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された
用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙
ガイド部材である印写受け部材139を設けている。こ
の印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙
113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送
コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排
紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車1
44と、排紙経路を形成するガイド部材145,146
とを配設している。
【0106】記録時には、キャリッジ123を移動させ
ながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動するこ
とにより、停止している用紙113にインクを吐出して
1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記
録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記
録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を
終了させ用紙113を排紙する。この場合、ヘッド12
4を構成する本発明に係るインクジェットヘッドはイン
ク滴噴射の制御性が向上し、特性変動が抑制されている
ので、安定して高い画像品質の画像を記録することがで
きる。
【0107】また、キャリッジ123の移動方向右端側
の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良
を回復するための回復装置147を配置している。回復
装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手
段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこ
の回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘ
ッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
ることにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、
安定した吐出性能を維持する。
【0108】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でヘッド124の吐出口(ノズル)を密封し、
チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに
気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等
はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復され
る。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された
廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のイ
ンク吸収体に吸収保持される。
【0109】このように、このインクジェット記録装置
においては本発明を実施した低コストのインクジェット
ヘッドを搭載しているので、低コスト化を図れる。
【0110】なお、上記実施形態においては、液滴吐出
ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明
したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドと
して、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴
吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐
出ヘッドなどの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液滴
吐出ヘッドによれば、チップの間に形成した異方性エッ
チングによる微小な多角形のパターンでチップ毎に分離
した構造体を備えているので、ダイシングに伴なう不具
合が防止され、また、ウェハの搬送やハンドリングのた
めの十分な強度を保つことができ、かつ分離の際も容易
に正確に分離でき、歩留まりが向上し、低コスト化を図
ることができる。
【0112】ここで、(110)面方位のシリコンウェ
ハの<112>方向のチップ分離線を<112>方向に
長い多角形のパターンを並べて構成したので、細い溝で
チップを分離できウェハ面積を有効に使うことができ
る。この場合、多角形の幅のパターンは1μm以上であ
るのでエッチング中に気泡の取り込みによるエッチレー
トの低下を防止できる。
【0113】また、(110)面方位のシリコンウェハ
の<111>方向のチップ分離線を70.5°の角度を
持つ平行四辺形のパターンを平行四辺形のパターンの高
さより大きなピッチで並べて構成することで、(11
0)面方位のウェハにおいても長方形のチップを切り出
すことができる、また分離線の幅を小さくすることがで
きる。
【0114】この場合、隣り合う平行四辺形のパターン
間によって形成されるブリッジの長さを0.5〜100
μmとすることでエッチング後のウェハの強度を十分に
保つことができ、またチップ分離の際に容易に正確にチ
ップに分離できる。また、隣り合う平行四辺形によって
形成されるブリッジの幅を1〜50μmとしたのでエッ
チング後のウェハの強度を十分に保つことができ、また
チップ分離の際に容易に正確にチップに分離できる。さ
らに、平行四辺形のパターンの高さを、異方性エッチン
グの深さをTとしたとき((√6)T−0.35)μm
〜((√6)T−70)μmとすることで、エッチング
後のウェハの強度を十分に保つことができ、またチップ
分離の際に容易に正確にチップに分離できる。
【0115】また、(110)面方位のシリコンウェハ
の<111>方向のチップ分離線を70.5°の角度を
持つ平行四辺形のパターンを平行四辺形のパターンの高
さより小さなピッチで並べることで、(110)面方位
のウェハにおいても長方形のチップを切り出すことがで
き、また分離線の幅を小さくすることができる。
【0116】この場合、隣り合う平行四辺形のパターン
によって形成されるブリッジの長さを0.5〜100μ
mとすることで、エッチング後のウェハの強度を十分に
保つことができ、またチップ分離の際に容易に正確にチ
ップに分離できる。また、隣り合う平行四辺形のパター
ンによって形成されるブリッジの幅を1〜50μmとす
ることで、エッチング後のウェハの強度を十分に保つこ
とができ、またチップ分離の際に容易に正確にチップに
分離できる。さらに、平行四辺形のパターンの高さを、
異方性エッチングの深さをTとしたとき、((√6)T
+0.7)μm〜((√6)T+35)μmとすること
で、エッチング後のウェハの強度を十分に保つことがで
き、またチップ分離の際に容易に正確にチップに分離で
きる。
【0117】さらに、シリコンウェハ内のチップの配列
を千鳥配列とすることで、シリコンウェハ内のチップの
取り数を多くすることができ更に低コスト化を図れる。
また、チップ分離線を表裏両面からエッチングして形成
するので、片面からのエッチングで形成する場合に比べ
てチップ分離線の幅を小さくすることができる。
【0118】また、異方性エッチングの後、チップに分
離し、その後ほかの基板と接合することで、チップ分離
線を両面からのエッチングで形成することができ、異方
性エッチングの後、ほかの基板と接合し、その後チップ
に分離することで、チップ分離線を両面からエッチング
で形成することができ、また、ウェハ単位でプロセスを
流すことができ、さらに、ほかの基板と接合した後、異
方性エッチングを施し、その後チップに分離すること
で、ウェハ単位でプロセスを流すことができ、基板の強
度が大きく歩留まりを高くできる。
【0119】本発明に係るインクジェットヘッドによれ
ば、インク滴を吐出するノズルが連通する液室を形成す
る構造体は本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製
造されたものであるので、低コスト化を図れ、信頼性を
向上することができる。
【0120】本発明に係るインクカートリッジは、本発
明に係るインクジェットヘッドとこのインクジェットヘ
ッドにインクを供給するインクタンクを一体化したの
で、低コスト化を図れ、信頼性を向上することができ
る。
【0121】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、インク滴を吐出する本発明に係るインクジェット
ヘッドを搭載したので、低コスト化を図れ、安定して高
画質記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第1実施形態の
インクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図
【図3】同ヘッドの振動板短手方向に沿う断面説明図
【図4】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第1
実施形態の説明に供するウエハ上でのチップ配置を示す
平面説明図
【図5】図4の1チップサイズ分の拡大説明図
【図6】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第2
実施形態の説明に供するウエハ上でのチップ配置を示す
平面説明図
【図7】図6の1チップサイズ分の拡大説明図
【図8】同実施形態の他の例を説明する1チップサイズ
分の拡大説明図
【図9】同実施形態の更に他の例を説明する1チップサ
イズ分の拡大説明図
【図10】(100)面方位のシリコンウェハを用いた
場合の溝の断面説明図
【図11】(110)面方位のシリコンウェハを用いた
場合の図7の横方向の溝の断面説明図
【図12】異方性エッチングによるパターンを説明する
説明図
【図13】2つの平行四辺形のパターンを並べるときの
第1例を説明する説明図
【図14】2つの平行四辺形のパターンを並べるときの
第2例を説明する説明図
【図15】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第
3実施形態の説明に供するウエハ上でのチップ配置を示
す平面説明図
【図16】片面からの異方性エッチングで分離線を構成
するパターンを形成する例の説明に供する断面説明図
【図17】両面からの異方性エッチングで分離線を構成
するパターンを形成する例の説明に供する断面説明図
【図18】両面からの異方性エッチングで分離線を構成
するパターンを形成する他の例の説明に供する断面説明
【図19】構造体を他の基板と接合する場合の製造方法
の第1例の説明に供するフロー図
【図20】構造体を他の基板と接合する場合の製造方法
の第2例の説明に供するフロー図
【図21】構造体を他の基板と接合する場合の製造方法
の第3例の説明に供するフロー図
【図22】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態
のインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図23】同ヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図
【図24】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態
のインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図25】同ヘッドの流路形成基板の斜視説明図
【図26】本発明に係るインクカートリッジの斜視説明
【図27】本発明に係るインクジェット記録装置の機構
部を説明する斜視説明図
【図28】同記録装置の側面説明図
【符号の説明】
1…流路基板、3…電極基板、4…ノズル板、5…ノズ
ル、6…液室、8…共通液室、15…電極、30…ウエ
ハ、31…チップ、32a、32b…パターン(溝)、
33a、33b…ブリッジ、34a、34b…チップ分
離線。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンから形成した構造体を備えた液
    滴吐出ヘッドにおいて、前記構造体は、シリコンウェハ
    内に形成した複数の構造体の間に異方性エッチングで入
    れられた微小な多角形のパターンで分離されたものであ
    ることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 シリコンから形成する構造体を備える液
    滴吐出ヘッドの製造方法において、シリコンウエハを異
    方性エッチングして複数の構造体を形成するとともに、
    前記複数の構造体の間に異方性エッチングで微小な多角
    形のパターンを並べたチップ分離線を入れ、このチップ
    分離線から個々の構造体に分離することを特徴とする液
    滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの製造
    方法において、(110)面方位のシリコンウェハに入
    れる個々の構造体に分離するための<112>方向のチ
    ップ分離線は<112>方向に長い多角形のパターンを
    並べた構成であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の液滴吐出ヘッドの製造
    方法において、前記多角形のパターンの幅は1μm以上
    であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの製造
    方法において、(110)面方位のシリコンウェハに入
    れる個々の構造体に分離するための<111>方向のチ
    ップ分離線は70.5°の角度を持つ平行四辺形のパタ
    ーンをこの平行四辺形のパターンの高さより大きなピッ
    チで並べた構成であることを特徴とする液滴吐出ヘッド
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液滴吐出ヘッドの製造
    方法において、隣り合う前記平行四辺形のパターンによ
    って形成されるブリッジの長さが0.5〜100μmで
    あることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の液滴吐出ヘッド
    の製造方法において、隣り合う前記平行四辺形のパター
    ンによって形成されるブリッジの幅が1〜50μmであ
    ることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至7のいずれかに記載の液滴
    吐出ヘッドの製造方法において、前記平行四辺形のパタ
    ーンの高さは、異方性エッチングの深さをTとしたとき
    ((√6)T−0.35)μm〜((√6)T−70)
    μmの範囲内であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの製造
    方法において、(110)面方位のシリコンウェハに入
    れる個々の構造体に分離するための<111>方向のチ
    ップ分離線は70.5°の角度を持つ平行四辺形のパタ
    ーンをこの平行四辺形のパターンの高さより小さなピッ
    チで並べた構成であることを特徴とする液滴吐出ヘッド
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の液滴吐出ヘッドの製
    造方法において、隣り合う前記平行四辺形のパターンに
    よって形成されるブリッジの長さが0.5〜100μm
    であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の液滴吐出ヘ
    ッドの製造方法において、隣り合う前記平行四辺形のパ
    ターンによって形成されるブリッジの幅が1〜50μm
    であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至11のいずれかに記載の
    液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記平行四辺形の
    パターンの高さは、異方性エッチングの深さをTとした
    とき((√6)T+0.7)μm〜((√6)T+3
    5)μmの範囲内であることを特徴とする液滴吐出ヘッ
    ドの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項2乃至12のいずれかに記載の
    液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記シリコンウェ
    ハ内の構造体の配列を千鳥配列とすることを特徴とする
    液滴吐出ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項2乃至13のいずれかに記載の
    液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記シリコンウェ
    ハのチップ分離線を構成するパターンを表裏両面からの
    異方性エッチングで形成することを特徴とする液滴吐出
    ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項2乃至14のいずれかに記載の
    液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記シリコンウエ
    ハを異方性エッチングした後に各構造体に分離し、その
    後構造体を他の基板と接合することを特徴とする液滴吐
    出ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項2乃至14のいずれかに記載の
    液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記シリコンウエ
    ハを異方性エッチングした後に他の基板と接合し、その
    後各構造体に分離することを特徴とする液滴吐出ヘッド
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項2乃至14のいずれかに記載の
    液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記シリコンウエ
    ハを他の基板と接合した後、シリコンウエハを異方性エ
    ッチングし、その後各構造体に分離することを特徴とす
    る液滴吐出ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 インク滴を吐出するノズルが連通する
    液室を形成する構造体を備えたインクジェットヘッドに
    おいて、前記構造体は前記請求項2乃至17のいずれか
    に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたもので
    あることを特徴とするインクジェットヘッド。
  19. 【請求項19】 インク滴を吐出するインクジェットヘ
    ッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するイ
    ンクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、
    前記インクジェットヘッドが請求項18に記載の液滴吐
    出ヘッドであることを特徴とするインクカートリッジ。
  20. 【請求項20】 インク滴を吐出するインクジェットヘ
    ッドを搭載したインクジェット記録装置において、前記
    インクジェットヘッドが請求項18に記載のインクジェ
    ットヘッドであることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
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