JP2006082448A - 液滴吐出ヘッドとインクカートリッジと画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッドとインクカートリッジと画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧力発生手段が設けられている基板の凹部に向かう液体を通過させるオリフィス部の精度を向上させ、それにより流体の抵抗値のバラツキを小さくして高精度にする。
【解決手段】 基板43とノズルプレート41との間に補助隔壁48を設け、その補助隔壁48と凹部43aとで液体を加圧する加圧液室46を構成する。また、オリフィス部40を補助隔壁48と基板43の凹部43aが形成されていない非凹部43bの表面あるいはその表面を覆う薄膜状の振動板54とノズルプレート41の内面との間で形成される隙間部分で構成する。それにより、オリフィス部を基板43に溝状の凹部で形成した場合に比べて、製造過程においてオリフィス部の精度がバラつきにくくなる。また、オリフィス部40を上記の構成にすることで、製造の難易度をさほど増やすことなく、加圧液室の流体抵抗値増加を抑えることができる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、液滴をノズル孔から吐出する液滴吐出ヘッドと、その液滴吐出ヘッドを有するインクカートリッジと、上記液滴吐出ヘッドを使用した画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来、インクの液滴をノズルから吐出させるようにした液滴吐出ヘッドとしては、例えば特許文献1に記載されているように、シリコン製の基板にノズルと、そのノズルに連通するインク流路と、そのインク流路に接するように配置した振動板と、その振動板に空間を隔てて対向配置した電極とを設け、その電極に電圧を印加して振動板を静電力により変形させてノズルからインク液滴を吐出させるようにしたものがある。
また、液滴吐出ヘッドには、例えば特許文献2に記載されているように、基板にインク流路とインク液室に対応する凹部とを形成し、その凹部を形成している斜面に電極を形成すると共に、その基板上に振動板部材を配置し、さらにその上にノズルプレートを重ねて配置し、そのノズルプレートに各ノズル(孔)を上記基板の各凹部に対応させてそれぞれ形成したものがある。
この、液滴吐出ヘッドは、電極に印加した電圧により発生する静電力により振動板部材の振動部を変位させ、それによりインク液室となる凹部内のインクをノズルから吐出させている。
特開2000−25226号公報 特開2002−316418号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているような液滴吐出ヘッドの場合には、性能を向上させるためにノズルピッチを高密度化すると加圧液室の幅が狭くなるため、それにより流体抵抗値が大きくなって振動板の駆動周波数が低下するようになるという欠点があった。そして、その駆動周波数の低下をさけるためには加圧液室の深さを深くすればよいが、そのようにすると製造が困難になるということがあった。
また、加圧液室の断面形状を垂直溝ではなくV字状の溝にした場合には、その溝の深さはV字溝の溝幅で決まってしまうため、ノズルの高密度化を実施すると溝幅、溝深さが共に小さくなって加圧液室の流体抵抗値が非常に大きくなり、振動板の駆動周波数が大幅に低下してしまうようになるということがあった。
さらに、特許文献2に記載されている液滴吐出ヘッドの場合には、インク液室にインクを送り込む流路のオリフィス部を、基板に形成した凹部の溝幅を絞ることにより形成した構成であるため、このオリフィス部を含む凹部を基板にマスクをして異方性エッチングにより形成すると、その異方性エッチングの性質から、オリフィス部の溝幅を絞った部分が後退して、その結果オリフィス部の長さがバラツキ易くなるという欠点もあった。そして、そのオリフィス部の長さがバラつくと、流体の抵抗値のバラツキも大きくなってしまうということがあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ノズルの高密度化に伴って加圧液室の幅を狭くした場合でも、製造上の難易度がさほど増すことなく、加圧液室の流体抵抗値増加を抑えることができるようにすることを目的とする。
また、製造が容易でありながら、圧力発生手段が設けられている基板の凹部に向かう液体を通過させるオリフィス部の精度を向上させることができ、それにより流体の抵抗値のバラツキが小さくなる高精度の液滴吐出ヘッドを提供することも目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、凹部に圧力発生手段を設けた基板と、上記凹部に対応する位置にノズル孔が形成されたノズルプレートとを備え、上記凹部に共通液室の液体をオリフィス部を介して供給し、上記凹部内の液体を上記圧力発生手段により加圧してノズル孔から液滴を吐出させるようにした液滴吐出ヘッドにおいて、
上記基板と上記ノズルプレートとの間に補助隔壁を設け、その補助隔壁と上記凹部とで液体を加圧する加圧液室を構成するようにしたものである。
そして、上記オリフィス部は、上記補助隔壁と上記基板の上記凹部が形成されていない非凹部の表面あるいはその表面を覆う薄膜と上記ノズルプレートの内面との間で形成される隙間部分で構成するようにするとよい。
また、上記補助隔壁は感光性樹脂で形成するとよい。
さらに、上記圧力発生手段は、対向する電極間に発生する静電力により振動板を変位させて上記凹部内の圧力を上昇させる静電アクチュエータにするとよい。
さらにまた、上記いずれかの液滴吐出ヘッドと、その液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクとを一体化したインクカートリッジを提供する。
また、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドに、上記いずれかの液滴吐出ヘッドを使用した画像記録装置も提供する。
さらに、異方性エッチングにより基板に凹部を形成する工程と、
上記凹部の隔壁に犠牲層プロセスにより空隙及び振動板を形成する工程と、
上記凹部に上記振動板が形成された基板上に感光性樹脂をコーティングする工程と、
上記コーティングされた感光性樹脂を露光/現像プロセスによりパターニングすることにより、上記基板上に補助隔壁を形成する工程と、
上記補助隔壁上にノズルプレートを形成する工程
とを実施する液滴吐出ヘッドの製造方法も提供する。
この発明による液滴吐出ヘッドとインクカートリッジ及び画像記録装置によれば、加圧液室を基板の凹部と補助隔壁の両方で構成しているため、ノズルの高密度化に伴って加圧液室の幅が狭くなった場合でも、補助隔壁により加圧液室の深さを深くすることができるので、製造の難易度をさほど増すことなく、加圧液室の流体抵抗値増加を抑えることができる。それにより、高密度で高駆動周波数の液滴吐出ヘッドを容易に得ることができる。
また、オリフィス部を補助隔壁と基板の凹部が形成されていない非凹部の表面あるいはその表面を覆う薄膜とノズルプレートの内面との間で形成される隙間部分で構成するようにした場合には、製造過程においてオリフィス部の精度がバラつきにくい構成になるので、流体の抵抗値のバラツキが小さい高精度の液滴吐出ヘッドになる。
さらに、この発明による液滴吐出ヘッドの製造方法を実施すれば、高い精度で液滴吐出ヘッドを容易に製造することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施例1〕
図1はこの発明の実施例1の液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを示す分解斜視図、図2は同じくその記録ヘッドを示す平面図、図3は図2のX−X線に沿う断面図、図4は図2のY−Y線に沿う断面図、図5は図1の記録ヘッドをインクジェットヘッドに使用した画像記録装置であるインクジェット記録装置の例を示す全体構成図、図6は同じくそのインクジェット記録装置の外観形状を示す透視図である。
なお、図3以降の各断面図において、薄膜等の薄肉部については断面であっても煩雑となるためハッチングの図示を省略している。
図5に示す画像記録装置であるインクジェット記録装置は、記録装置本体1の内部に印字機構部2を設けている。その印字機構部2は、主走査方向(図6の矢示A方向)に移動可能なキャリッジ3と、そのキャリッジ3に搭載した液滴吐出ヘッドでありインクジェットヘッドである記録ヘッド14と、その記録ヘッド14にインクを供給するインクタンク15等からなる。
記録装置本体1の下方には、記録紙Pを多数枚積載可能な給紙カセット(給紙トレイでもよい)4を、装置の前方側から抜き差し自在に装着している。また、記録装置本体1の図5で左方には、記録紙を手差しで給紙する際に開放して使用する手差しトレイ5を回動可能に設けている。したがって、記録紙Pは給紙カセット4と手差しトレイ5のいずれからも給送可能であり、そこから給送された記録紙Pは印字機構部2で所要の画像が記録され、その後で記録装置本体1の後面側(図5で右方側)に設けられている排紙トレイ6上に排出される。
印字機構部2のキャリッジ3は、記録装置本体1内に設けている図示しない左右の側板に横架した主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とにより、図6の矢示Aの主走査方向に摺動自在に保持されている。
そのキャリッジ3は、駆動プーリ18と従動プーリ19との間に張装したタイミングベルト20に固定されていて、駆動プーリ18は主走査モータ17により回転駆動されるようになっている。そして、その主走査モータ17の正逆回転により、タイミングベルト20が回動してキャリッジ3が主走査方向に往復移動する。
そのキャリッジ3には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクを充填した4つのインクタンク15を交換可能に装着している。そして、その各インクタンク15から各色のインクが記録ヘッド14に供給されるようになっている。
その記録ヘッド14についての詳しい説明は後述するが、図1に示すように、そこにはそれぞれノズルとして機能してインクを吐出する複数のノズル孔45が設けられていて、その各ノズル孔45からそれぞれ吐出されるインク滴の吐出方向を、図5で下方向としている。
各色用の各インクタンク15は、それぞれ図5で上方側に大気と連通する大気口を有し、下方側には記録ヘッド14へインクを供給する供給口を有している。また、内部にはインクが充填された多孔質体をそれぞれ有している。そして、その多孔質体の毛管力により、記録ヘッド14へ供給するインクを、わずかな負圧状態に維持している。
なお、この実施例における記録ヘッド14は、各色のインクに対応したヘッドをそれぞれ備えているが、1つのヘッドに各色のインク滴を吐出するノズルをそれぞれ設けたものであってもよい。
給紙カセット4は、前述したようにそこに記録紙Pを多数枚積載可能であるが、その給紙カセット4内に積載された記録紙Pは、給紙ローラ21により給送される際にフリクションパッド22により1枚に分離される。そして、その記録紙Pは、ガイド部材23により案内されて搬送ローラ24と、その搬送ローラ24の周面に押し付けられている搬送コロ25との間に反転されて送り込まれ、送り出し角度が先端コロ26により規定されて記録ヘッド14と印写受け部材29との間に搬送される。
なお、印写受け部材29は、用紙ガイド部材として機能するものである。また、搬送ローラ24は、図示しない副走査モータによりギヤ列を介して駆動されて回転する。
印写受け部材29の記録紙搬送方向下流側には、記録紙Pを排紙方向へ送り出すための搬送コロ31及び拍車32と、排紙ローラ33及び拍車34がそれぞれ設けられており、排紙経路を形成しているガイド部材35,36間を通して記録後の記録紙Pを排紙トレイ6上に排出するようにしている。
このインクジェット記録装置は、記録紙Pに記録を行うときには、キャリッジ3を図6の矢示A方向に移動させることにより画像信号に応じて記録ヘッド14を移動させ、印字位置で停止状態にある記録紙Pにインクを吐出して1行分を記録し、その後で記録紙Pを所定量だけ搬送して次の行の記録を行う。そして、その記録の終了信号、あるいは記録紙Pの後端が記録位置に到達したことを検知して出力された信号を入力すると、記録動作を終了させて記録紙Pを排紙させる。
なお、図6に示すように、キャリッジ3の移動方向の一方側端部の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド14のノズルとして機能するノズル孔45(図1参照)からのインク吐出不良を回復するための回復装置37を設けている。その回復装置37には、インクの吐出不良を防止するための手段として、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を、それぞれ設けている。
したがって、キャリッジ3はインクが乾燥してしまうと吐出不良を起こしてしまうので、印字待機中には回復装置37側に移動させてキャッピング手段により記録ヘッド14のノズル孔45をキャッピングすることによって、そのインクのノズル孔45を塞ぎ、それによりノズル孔45を湿潤状態に保つ。
また、記録途中等に記録と関係しないインクを吐出させることにより、全てのノズル孔45のインク粘度を一定に保つようにして、安定した吐出性能を維持するようにしている。
そして、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド14のノズル孔を密封し、チューブを通して吸引手段によりノズル孔45からインクと共に気泡等を吸い出し、ノズル孔45の出口部分に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去して吐出不良を回復させる。また、上記の吸引手段が吸引したインクは、記録装置本体1の下部に設置している図示しない廃インク溜に排出され、その廃インク溜内のインク吸収体に吸収される。
このように、このインクジェット記録装置は回復装置37を設けているため、インク滴吐出不良のない安定したインク滴吐出ができるので、良好な印字品質が得られる。
次に、記録ヘッド14について詳しく説明する。
記録ヘッド14は、図1に示すように整列状態に複数形成した各凹部43aにそれぞれ後述する圧力発生手段を設けた基板43と、補助隔壁48と、各凹部43aに対応する位置にノズル孔45がそれぞれ形成されたノズルプレート41とを備え、各凹部43aに図4に示す共通液室47内の液体をオリフィス部40を介して供給し、凹部43a内の液体を上記圧力発生手段により加圧してノズル孔45から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドである。
この記録ヘッド14は、基板43とノズルプレート41との間に補助隔壁48(図1に明示)を設けている。そして、基板43と補助隔壁48とノズルプレート41は、互いに接着により貼り合わせて一体にしている。
補助隔壁48は、図1に示したように櫛状部48aを有していて、その櫛状部48aと基板43に複数形成している各凹部43aとで、複数の加圧液室46をそれぞれ形成している。また、その補助隔壁48の櫛状部48aの先端側の櫛が形成されていない部分と、基板43の一部が貫通状態にある液室用凹部43cとで図4に示したような共通液室47を形成している。
そして、補助隔壁48と凹部43aとで液体を加圧する加圧液室46を構成すると共に、オリフィス部40を図7に示すようにノズルプレート41の内面と補助隔壁48と基板43の非凹部43bの表面を覆う薄膜状の振動板54(非凹部43bの表面にしてもよい)とで囲われた部分、すなわち加圧液室46と共通液室47との間の凹部が形成されていない非凹部43bの部分とノズルプレート41の内面と補助隔壁48との間で形成される隙間部分で構成している。
また、この実施例では、補助隔壁48を感光性樹脂で形成している。
各凹部43aにそれぞれ設けている圧力発生手段は、図3に示すように固定電極50の対向する電極間に発生する静電力により内側の振動板54を変位させて凹部43a内の圧力を上昇させる消費電力の小さな静電アクチュエータである。
そして、その静電アクチュエータをそれぞれ設けている基板43の各凹部43a間の隔壁43dの両側の壁面は、基板43の上面に対し概ね垂直な面となっており、その垂直な面に、下側から絶縁膜51、固定電極50、空隙49(図3で下面側は形成していない)、振動板54の順に積僧状態に形成している。
なお、図3に示した実施例では、振動板54の層は加圧液室46を構成している凹部43aの壁面全体を覆うように形成されているが、そのうち振動する部分は同図で左右の対向する面に位置する各振動板の部分であり、その部分はそれぞれ固定電極50との間に空隙49が形成されている。また、その振動板54の底部は固定電極50に固定されていて、振動しない部分となる。
なお、この実施例の記録ヘッド14は、図4に示したように固定電極50が加圧液室46の凹部43aよりも外の非凹部43bの平坦な面まで伸びており、その基板43の平坦面に電極取り出し用のパッド56を設けて、そのパッド56を固定電極50の端部に固定している。
基板43には、液室用凹部43cに連通する液供給口59が貫通状態に設けられていて、その液供給口59からオリフィス部40を介して加圧液室46に液の供給がなされる。そして、その加圧液室46に供給された液は、静電アクチュエータの振動板54が、振動板電極と固定電極50との間に発生する静電力により撓んで、その撓んだ振動板54の反発力によりノズルプレート41に形成されている多数のノズル孔45から、そのノズルプレート41の表面に略垂直な方向に吐出される。すなわち、この記録ヘッド14は、いわゆるサイドシュータ(フェースシュータ)の構成になっている。
なお、ノズルプレート41に形成しているノズル孔45は、多数(数十から数百)設けることが一般的である。また、ノズル孔45は、図1に示したノズル孔45の並び方向に直交する方向についても、複数並べるようにしてもよい。
また、振動板54の内側に形成する空隙49(図3)は、この実施例では犠牲層プロセスを用いて形成し、犠牲層除去孔は犠牲層の除去後に封止膜により封止するが、その詳しい説明については後述する。
次に、図8を参照して基盤の凹部に設けている静電アクチュエータについて、更に詳しく説明する。
静電アクチュエータを構成する振動板54は、その断面を図2のX−X線に沿う断面として図8に示しているように、振動板側絶縁膜54a,振動板電極54b,応力調整膜54c,犠牲層除去孔封止膜54dの4層構成になっている。
振動板絶縁膜54aは、振動板電極54bの固定電極50との短絡を防止する目的、及び犠牲層除去時の振動板電極54bを保護することを目的として設けている。すなわち、電極層が、犠牲層エッチング耐性が無い場合(この実施例では、犠牲層・電極層ともにポリシリコンを用いている)には、犠牲層除去時に電極層が保護膜で覆われている必要がある。
振動板電極54bは、例えばドープトポリシリコンを使用する。応力調整膜54c(窒化膜)は、酸化膜・ポリシリコンの圧縮応力をキャンセルし、振動板が初期状態(電極間に電圧印可していない状態)において撓んでしまうのを防止する働きをする。
犠牲層除去孔封止膜(酸化膜)54dは、犠牲層除去孔57を封止するための膜である。また、ダイシング時の振動板の割れ防止膜も兼ねている。これは、最表面が窒化膜の場合にはダイシング時に振動板が割れやすいが、窒化膜上に酸化膜を成膜することにより振動板の割れを防止することができる。
また、振動板54は、上記の4層構成で所望の剛性になるように、それぞれの膜厚が調整されている。
さらに、図8で凹部43aの左右の面から基板43の上面の一部までの所定の領域に、固定電極側絶縁膜52と振動板側絶縁膜54aの間に空隙49を形成し、それ以外の部分では、その固定電極側絶縁膜52と振動板側絶縁膜54aとを密着状態にして振動板固定部としている。そして、これらは犠牲層パターンの有無によって決められる。
この実施例の記録ヘッド14は、主要部各部の設計寸法を下記としている。
ノズルピッチ:63.5μm 400dpi(dot per inch)
基板溝開口幅:43.5μm(基板隔壁幅 20μm)
基板溝(凹部)深さ:50μm
補助隔壁開口幅:45.5μm(補助隔壁幅 18μm)
補助隔壁高さ:25μm
加圧液室長:600μm
この仕様における加圧液室部の流体抵抗計算値は次のようになる。
1.46×1013 Pa・s/m(補助液室無し時:2.91×1013 Pa・s/m
(いずれも液粘度:8mPa・s時)
このように、基板43に形成した凹部43aの溝深さの1/2の高さの補助隔壁48を基板43とノズルプレート41の間に設けることで、加圧液室46の流体抵抗値を約1/2にすることができる。
また、補助隔壁48の高さは、25μm程度といった、通常この型のヘッド(平面型のヘッド)で用いられる液室(隔壁)高さに比べ大幅に小さい高さで済むため、ヤング率の小さい樹脂材料を用いることが可能となる。
このように、この実施例による記録ヘッド14は、図4に示したように基板43とノズルプレート41の間に補助隔壁48を設け、オリフィス部40を補助隔壁48と基板43の凹部43aが形成されていない非凹部43bの表面(但し、この実施例では振動板54を非凹部43bの上面にまで設けているので、正しくは振動板54の表面)とノズルプレート41の内面との間で形成される隙間部分で構成するようにしたので、ノズルの高密度化に伴い加圧液室46の幅が狭くなった場合でも、オリフィス部の寸法精度のバラツキを小さくすることができる。
したがって、従来の記録ヘッドで補助液室を用いない構成のものではオリフィス部分で溝幅を狭くする必要があったため、そのような形状のものでは異方性エッチング時に、溝幅を絞った部分がエッチング時に後退していくことにより、その溝の長さがバラツキ易く、それにより加圧液室46の流体抵抗値が大きくなってしまうという欠点があったが、この記録ヘッド14によれば、そのような問題は生じない。
また、加圧液室46を凹部43aと補助隔壁48の両方で形成しているので、製造の難易度増加を抑えたまま加圧液室46の流体抵抗値の増加を抑えることができる。それにより、高密度で高駆動周波数のインク吐出ヘッドを得ることができる。
さらに、この記録ヘッド14は、通常の平面型の構成(振動板が基板と平行に形成された構成)のものに比べると、隔壁の高さは低くてもよいので、比較的剛性の小さい材料、例えば、感光性樹脂なども使うことが可能であり、容易に高精度の隔壁形成が可能である。
また、感光性樹脂にて補助隔壁48を形成する場合、基板43に凹部43aや振動板54等を形成した後、基板43上に感光性樹脂をコートし、露光/現像プロセスにより隔壁形成が可能であり、この場合、予め形成された隔壁を接着により基板43に接着するのに比べ、アライメント精度が高く接着材のはみ出しが無いので、高精度の加工が可能になる。
次に、液滴吐出ヘッドである上述した記録ヘッド14の製造方法について、その一例を図9乃至図22を参照して説明する。なお、説明の簡略化を図るため、図9乃至図22で各部に付す符号は、加工途上の形状のものであっても、便宜上完成時における各部品に付した符号を付して説明する。
まず最初の工程で、図9に示すように<110>シリコンからなる基板43の表面側に、フォトリソ・エッチングプロセスにより共通液室47となる液室用凹部43cを図10に示すように形成する。
その場合、高密度プラズマが得られるエッチャー、例えば、ICP(Inductive Coupling Plasma)エッチャー、を用いれば10μm/分以上のエッチレートで対レジスト選択比が100程度で、概ね垂直にシリコンをエッチングすることができる。
そこで、この実施例による製造方法では、基板43を2μm程度の厚みのレジストを用い、図10に示したように約100μmの深さのエッチングを行って共通液室47を形成する。
次に、基板43に、KOH水溶液またはTMAH水溶液等により異方性エッチングを行って、図11に示すように加圧液室46となる凹部43aをそれぞれ形成する。異方性エッチングでは、{111}面が現れるので、パターンの方向をうまく選ぶ設定をすることにより、隣接する凹部43a間の隔壁43dの壁面が、基板上面に対し垂直になるようにすることができる。
また、その壁面はエッチストップした{111}面であることから、極めて平坦な面が得られる。このようにして、異方性エッチングにより図11及び図12に示すように、基板43に凹部43aを形成する工程を実施する。
ところで、最初に共通液室47を形成する際に行ったドライエッチングで形成した壁面は、その表面の凹凸がやや大きくなった。しかしながら、共通液室47の壁面として使用するには十分な平坦性である。但し、この表面の凹凸は、アクチュエータを形成する壁面としては不十分であると考えられる。
なお、ドライエッチングの場合には、結晶方向の影響を受けないため、パターン方向を選ばず、ほぼ垂直な面を得ることが可能である。
次の工程では、凹部43aの隔壁に犠牲層プロセスにより空隙49及び振動板54を形成する。すなわち、図13及び図14に示すように、加圧液室46(図3,図4参照)となる凹部43aを形成した基板43上に、絶縁膜51、固定電極50、後に空隙49となる犠牲層58、振動板54をそれぞれ形成する。
そして、この実施例では、絶縁膜51に酸化シリコン膜を、固定電極50にリンドープのポリシリコンを用いる。また、図15に示すように、固定電極50上に固定電極側絶縁膜52として酸化シリコン膜を、犠牲層58としてポリシリコンを用いる。
さらに、その犠牲層58上には、振動板側絶縁膜54a(酸化シリコン膜),振動板電極54b(リンドープポリシリコン),応力調整膜54c(窒化シリコン膜)をそれぞれ形成し、それらによって積層状の振動板54となる部分を形成する。
次に、図16に示すように、犠牲層58をエッチングにより除去して空隙49を形成する。そして、その後で振動板54となる振動板側絶縁膜54a,振動板電極54b,応力調整膜54cが形成された凹部43aの部分の上に、犠牲層除去孔封止膜54dを図17に示すように成膜し、それにより犠牲層除去孔60(図15)も封止する。そして、この犠牲層除去孔封止膜54dが積層状態の振動板54の1層をなすようになる。
なお、この実施例では、犠牲層58の除去は、ポリシリコン膜を酸化膜に対して高選択比でエッチングすることができるTMAH水溶液を用いて行う。そして、エッチング後の乾燥時は、振動板の固着を防ぐためIPAに置換した後に乾燥させた。また、犠牲層除去孔封止膜54dとしては、LP−CVD法にて酸化シリコン膜を成膜する。
その犠牲層除去孔封止膜54dの成膜後には、図18及び図19に示すように凹部43aの振動板54が形成された基板43上に、後に補助隔壁48となる感光性樹脂をコーティングする工程を実施する。
その感光性樹脂としてはいろいろな材料があるが、この実施例ではワニス状の感光性エポキシ系材料(例えば化薬マイクロケム社製、商品名:SU−8)をスピンコートにてコーティングする。
他にも、スプレーコートによるコート方法やフィルム状の材料(例えばドライフィルムレジスト)をラミネートする方法等もある。
次に、そのコーティングされた感光性樹脂を露光/現像プロセスによりパターニングすることにより、図20及び図21に示すように、隔壁43d上に補助隔壁48を形成する工程を実施する。その際に使用する露光装置としては、通常MEMSで用いられるアライナーまたはステッパーを用いることで、±1μm以下の寸法精度・アライメント精度を容易に得ることができる。
次に、図22に示すように、基板43の裏面(図22で下側の面)からドライエッチングにより液供給口59を貫通状態に形成する。なお、この液供給口59を貫通させるには、他に周知技術であるレーザ加工、ウォータレーザ加工、サンドブラスト加工、機械加工(ドリル加工)等の方法を用いてもよい。
さらに、次の工程では、図3及び図4に示したように、別途作成したノズルプレート41を補助隔壁48上に接着剤により貼り付けることにより、記録ヘッド14を完成させる。
なお、ノズルプレート41の加工は、従来より行われている電鋳、レーザ加工、フォトリソ加工等で行うことができる。
また、この実施例では、補助隔壁48側に薄膜転写法にて接着剤を塗布し、そこにノズルプレート41を貼り合わせるようにしたが、例えば接着剤付きのフィルムをノズルプレート41に用いれば、ノズル孔45をレーザ加工で開口し、その後の接着材塗布工程を省略することもできる。
〔実施例2〕
図23はこの発明の実施例2の画像記録装置が有する液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを示す図1と同様な分解斜視図、図24は同じくその記録ヘッドを示す平面図、図25は図24のX″−X″線に沿う断面図、図26は同じくその記録ヘッドの加圧液室部付近を拡大して示す図8と同様な断面図であり、図1乃至図8と対応する部分には同一の符号を付してある。なお、この実施例においても、画像記録装置全体の構成は図5及び図6と同様であるため、その図示を省略する。
この実施例2の液滴吐出ヘッドである記録ヘッドは、ヘッド全体の構成の概要は実施例1と略同様であるが、実施例1では加圧液室46を構成する基板43の壁面が基板の上面に対して概ね垂直であったのに対し、この実施例2では図25及び図26に明示されるように、斜めに傾いていて、その傾いた壁面に振動板54、空隙49、固定電極50からなる静電アクチュエータを設けている点が、実施例1と異なる。
また、実施例1では基板43に<110>シリコンウェハを用いたのに対し、この実施例2では基板43′に<100>シリコンウェハを用い、異方性エッチングによりV溝形状の凹部43a′を形成している。
そのV溝形状の凹部43a′は、異方性エッチング以外の方法を用いて形成することも可能であるが、異方性エッチングを用いれば、容易に高精度なV溝を形成することができる。
なお、この実施例2の記録ヘッドの製造方法は、実施例1で説明した記録ヘッドの製造方法に対し、凹部43a′をV溝状にして、空隙49を形成するための犠牲層58のマスクパターンをV溝形状の凹部43a′の形状に合わせて変更するようにした点が異なるだけであるので、その説明を省略する。
この実施例2の記録ヘッドは、主要部各部の設計寸法を下記にしている。
ノズルピッチ:84.7μm (300dpi dot per inch)
V溝開口幅:70μm
V溝深さ:49.5μm
補助隔壁開口幅:70.7μm (補助隔壁幅14μm)
補助隔壁高さ:20μm
加圧液室長:600μm
この仕様における加圧液室部の流体抵抗計算値は次の値になる。
1.50×1013 Pa・s/m(補助液室無し時:6.78×1013 Pa・s/m
(いずれも液粘度:8mPa・s時)
このように、基板43′に形成した凹部43a′の溝深さの40%程度の高さの補助隔壁48′を基板43′とノズルプレート41の間に設けることで、加圧液室46の流体抵抗値を約1/4にすることができる。
また、補助隔壁48′の高さは、20μm程度といった、通常この型のヘッド(平面型のヘッド)で用いられる液室(隔壁)高さに比べて非常に小さい高さで済むため、ヤング率の小さい樹脂材料を用いることが可能となる。
〔実施例3〕
図27はこの発明の実施例3の画像記録装置が有する液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを示す図26と同様な断面図であり、図26と対応する部分には同一の符号を付してある。なお、この実施例においても、画像記録装置全体の構成は図5及び図6と同様であるため、その図示を省略する。
この実施例3の液滴吐出ヘッドである記録ヘッドは、実施例1及び2の記録ヘッドが、共に基板と補助隔壁とノズルプレートとが貼り合わせによる構成であったのに対し、この実施例3の記録ヘッドは、補助隔壁部61aとノズルプレート部61bとを一体に構成している点が異なる。
この実施例3の構成では、補助隔壁部61aとノズルプレート部61bとが一体化されたノズル・補助隔壁板61を基板43′に貼り付けるので、高精度アライメント・接着剤はみ出し量を抑えることが必要になるが、一方で材料として剛性の高い材料(この実施例では例えばニッケルを使用)を用いることで、補助隔壁の高さを高くすることができる。それにより、より加圧液室46′の流体抵抗を下げることができる。
このような一体構成のノズル・補助隔壁板(ノズルプレート)61は、例えば図28乃至図32に示すように、ニッケル電鋳を用いて形成することができる。
すなわち、最初のノズル形成用レジストマスクパターン形成の工程で、図28に示すように基板(例えばシリコン)63上に、半導体プロセスで用いられるような1μm程度のレジスト64をスピンコートした後、一般的なフォトリソプロセスにより、ノズル部分のパターンを形成する。
この製造方法では、パターンの大きさは所望のノズル径(先端部の径)よりも大きめの寸法にしておく。また、この場合には基板63の抵抗を下げるために、表面に低抵抗材料、例えば窒化チタンを成膜しておいてもよい。
次に、そのレジストパターンを形成した基板63上に、図29に示すように電気メッキによりニッケル(Ni)メッキ層65を成長させる(1回目のNiメッキ)。
それにより、導電体である基板(又はその基板上の低抵抗層)63上からニッケルメッキ層65が成長し、絶縁体であるレジスト上は等方的な成長により周囲から成長してきた表面形状が円弧状のニッケル層で覆われてくる。
このときのNiの厚みと、上記の工程でのレジストパターン径とにより、ノズル孔45′の孔径が決まる。この実施例3では、上記ノズル形成用レジストマスクパターン形成の工程で概ねφ86μm、厚さ1μmのレジストを形成し、その次の1回目のNiメッキの工程で概ね31μm厚のNi層を成長させるので、ノズル先端の直径は概ね26μm
(=86−(31−1)×2)となる。
次の隔壁形成用レジストパターン形成の工程では、1回目のNiメッキの工程で形成したノズル上に、図30に示すように隔壁形成用のレジストパターン66をフォトリソプロセスにより形成する。この場合、厚膜用の高粘度の液体レジストまたはドライフィルムレジストを用いる。
次に、その隔壁形成用のレジストパターン66上に、図31に示すように2回目のNiメッキ(電気メッキ)工程を実施し、ニッケルメッキ層65を更に成長させ、隔壁部65aを形成する。
さらに、次のレジスト剥離・分離の工程で、隔壁部65aの形成後に、レジスト剥離・Ni層の基板63からの剥離を行って、所望の大きさにする切断工程等を行うことで、図32に示したように隔壁部65aを一体形成したノズル・補助隔壁板61が完成する。
この実施例3では、断面形状が円弧状となるようなノズル部の形状としたが、図28に示した最初のノズル形成用レジストマスクパターン形成の工程で、レジスト厚み等を変更することで、ストレート状やテーパ状のノズル形状にすることができる。
〔インクカートリッジの実施例〕
ところで、記録ヘッドは、図33に示す記録ヘッド14のように、その記録ヘッド14にインクを供給するインクタンク15と一体化してインクカートリッジ10とし、図示のように各ノズル孔45が外側に位置するようにするとよい。そうすれば、記録ヘッド14とインクタンク15との間の取り付け寸法精度が向上すると共に、組付け工程も少なくなるので製造不良の減少とコストダウンが図れる。
そして、このようにインクタンク一体型のヘッドの場合には、ヘッドの性能及びコストは、ただちにインクカートリッジ全体の性能・コストにつながるので、上述したように高密度、高駆動周波数、低コストのヘッドを用いることで、ヘッド一体型インクカートリッジの高付加価値化及び低コスト化が図れる。
この発明は、液滴をノズル孔から吐出させる各種の液滴吐出ヘッドとして広く適用することができる。また、その液滴吐出ヘッドを有するインクカートリッジと、上記液滴吐出ヘッドを使用した画像記録装置として、広く適用することができる。
さらに、この発明による液滴吐出ヘッドの製造方法は、高い精度で液滴吐出ヘッドを製造する際の製造方法に適している。
この発明の実施例1の液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを示す分解斜視図である。 同じくその記録ヘッドを示す平面図である。 図2のX−X線に沿う断面図である。 図2のY−Y線に沿う断面図である。 図1の記録ヘッドをインクジェットヘッドに使用した画像記録装置であるインクジェット記録装置の例を示す全体構成図である。 同じくそのインクジェット記録装置の外観形状を示す透視図である。 図2のX′−X′線に沿う断面図である。
図3の基盤の凹部に設けている静電アクチュエータを更に詳しく説明するための断面図である。 基板を形成するブロック状の<110>シリコンを示す縦断面図である。 同じくそのブロック状の基板の表面側に共通液室となる液室用凹部を形成した状態を示す縦断面図である。 同じくその基板に異方性エッチングを行って加圧液室となる凹部を形成した状態を示す縦断面図である。 同じくその基板を凹部と液室用凹部を通る切断線で切断した状態を示す縦断面図である。 図12の工程の後に凹部の隔壁に犠牲層プロセスにより振動板等を形成した状態を示す縦断面図である。
同じくその基板を凹部と液室用凹部を通る切断線で切断した状態を示す縦断面図である。 図13の凹部の隔壁に形成した振動板の付近を拡大して示す断面図である。 図15の工程の後に犠牲層をエッチングにより除去して空隙をした状態を示す縦断面図である。 図16の凹部の隔壁に形成した空隙の付近を拡大して示す断面図である。 図17の工程の後に基板上に感光性樹脂をコーティングした状態を示す縦断面図である。
同じくその感光性樹脂をコーティングした基板を凹部と液室用凹部を通る切断線で切断した状態を示す縦断面図である。 同じくその感光性樹脂を露光/現像プロセスによりパターニングして基板上に補助隔壁を形成した状態を示す縦断面図である。 同じくその補助隔壁を形成した状態を凹部と液室用凹部を通る切断線で切断した状態を示す縦断面図である。 図21の工程の後に基板の裏面からドライエッチングにより液供給口を貫通状態に形成した状態を示す縦断面図である。 この発明の実施例2の画像記録装置が有する液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを示す図1と同様な分解斜視図である。
同じくその記録ヘッドを示す平面図である。 図24のX″−X″線に沿う断面図である。 同じくその記録ヘッドの加圧液室部付近を拡大して示す図8と同様な断面図である。 この発明の実施例3の画像記録装置が有する液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを示す図26と同様な断面図である。 図27のノズル・補助隔壁板をニッケル電鋳で形成する最初の工程を示す縦断面図である。
図28の次の工程でレジストパターンを形成した基板上に電気メッキによりニッケルメッキ層を形成した状態を示す縦断面図である。 図29の次の隔壁形成用レジストパターン形成の工程を示す縦断面図である。 図30の次の工程で隔壁形成用のレジストパターン上に2回目のNiメッキを実施する工程を示す縦断面図である。 完成した隔壁部が一体に形成されたノズル・補助隔壁板を示す縦断面図である。 記録ヘッドをインクタンクと一体化したインクカートリッジの例を示す斜視図である。
符号の説明
10:インクカートリッジ 14:記録ヘッド(液滴吐出ヘッド) 15:インクタンク 40:オリフィス部 41:ノズルプレート 43,43′:基板 43a,43a′:凹部 43b:非凹部 45:ノズル孔 46:加圧液室 47:共通液室 48:補助隔壁(感光性樹脂膜) 49:空隙 50:固定電極 54:振動板 58:犠牲層

Claims (7)

  1. 凹部に圧力発生手段を設けた基板と、前記凹部に対応する位置にノズル孔が形成されたノズルプレートとを備え、前記凹部に共通液室の液体をオリフィス部を介して供給し、前記凹部内の液体を前記圧力発生手段により加圧して前記ノズル孔から液滴を吐出させるようにした液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記基板と前記ノズルプレートとの間に補助隔壁を設け、該補助隔壁と前記凹部とで液体を加圧する加圧液室を構成するようにしたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記オリフィス部は、前記補助隔壁と前記基板の前記凹部が形成されていない非凹部の表面あるいはその表面を覆う薄膜と前記ノズルプレートの内面との間で形成される隙間部分で構成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記補助隔壁は感光性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記圧力発生手段は、対向する電極間に発生する静電力により振動板を変位させて前記凹部内の圧力を上昇させる静電アクチュエータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクとを一体化したことを特徴とするインクカートリッジ。
  6. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドに、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを使用したことを特徴とする画像記録装置。
  7. 異方性エッチングにより基板に凹部を形成する工程と、
    前記凹部の隔壁に犠牲層プロセスにより空隙及び振動板を形成する工程と、
    前記凹部に前記振動板が形成された基板上に感光性樹脂をコーティングする工程と、
    前記コーティングされた感光性樹脂を露光/現像プロセスによりパターニングすることにより、前記基板上に補助隔壁を形成する工程と、
    前記補助隔壁上にノズルプレートを形成する工程
    とを実施することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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