JP2004306396A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置 Download PDF

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Kunihiro Miura
邦博 三浦
Shigeru Kanehara
滋 金原
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Abstract

【課題】ノズル近傍で加圧液室からのインクとリフィル室からのインクが2つの方向から流れ込んで合流するために、ノズルのメニスカスに対し外乱を与え、安定した噴射性能が得られない。
【解決手段】流路板1はノズル連通路5、加圧液室6、リフィル室10を形成し、リフィル室10はリフィル連通孔11を介してノズル連通路5の上流側で加圧液室6と連通し、また供給孔12を介して加圧液室6へのインク供給側と連通して、加圧液室6からのインクの流れとリフィル室10からのインクの流れが合流した後ノズル連通路5に至る。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ、インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−218788号公報
【特許文献2】特開平11−227202号公報
【特許文献3】特開2000−71443号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、加圧室、液室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを加圧する駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。なお、液滴吐出ヘッドとしては例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。
【0004】
インクジェットヘッドとしては、インク流路内のインクを加圧するエネルギーを発生する駆動手段として、圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどが知られている。
【0005】
ところで、インクジェットヘッドは記録媒体上のドットをインク滴により構成する関係上、インク滴のサイズを小さくすることにより、極めて高い解像度での記録、印刷が可能である。
【0006】
しかしながら、効率よく記録するためには、インク開口の数を多くする(ノズル数を多くする)必要があり、また、圧力室(加圧液室)を大きくする必要がある。このことは、ヘッドの小型化要請とは相反することである。このような相反する問題を解消するため、通常隣り合う圧力室を区画している壁(隔壁)を薄くすると共に圧力室の形状を長手方向に大きくして容積を稼ぐことが行われている。
【0007】
このような圧力室や圧力室にインクを供給するリザーバ室は、例えば駆動手段として圧電素子を用いたヘッドにおいては、振動板とノズル板の間隔を所定の値に保持する部材である液室形成部材(流路形成部材)に形成されているが、上述したように極めて小さく、しかも複雑な形状を備えた圧力室を形成する必要上、通常エッチング技術が使用されている。このような液室形成部材を形成する材料としては、感光性樹脂膜が使用されることが多いが、これは機械的強度が低いためクロストークや撓み等が生じ高い解像度を得ようとすると印字品質が低下するという問題がある。
【0008】
そこで、比較的簡単な手法で微細な形状を高い精度で加工が可能なシリコン単結晶基板の異方性エッチングを用いた部品製作技術、いわゆるマイクロマシニング技術を適用してヘッドを構成する部材を加工することが検討され、種々な技術や手法が提案されている。特に、結晶方位(110)の単結晶シリコン基板を液室形成部材(流路形成部材)に用いて、異方性エッチングを行い圧力室やリザーバを形成することが提案されている。
【0009】
単結晶シリコンシリコン基板を使用した液室形成部材は機械的剛性が高いため、特に圧電素子を駆動手段として使用する場合に、圧電素子の変形に伴うヘッド全体のたわみを小さくできるとともに、エッチングを受けた壁面が表面に対してほぼ垂直であるため圧力室を均一に構成することが可能であるという大きな利点を備えている。
【0010】
ところで、圧電素子を用いたヘッドに限らず、高速、高解像度が要求される近年のヘッドにおいては、チャンネルの狭ピッチ化は避けられず、これに伴うインクリフィル量の確保やクロストークや気泡の排出等の様々な課題を解決しなければならなくなっている。
【0011】
その中で、
【特許文献1】には流路板のノズル面及び加圧液室面の両側にリフィル液室を設け、インク吐出に対するインクのリフィル量を確保するようにしたヘッドが開示されている。また、
【特許文献2】には流路板のノズル面及び加圧液室面の両側にリフィル液室を設け、かつ、両液室を連通する連通孔がノズル面側に拡開するように形成することにより、気泡排出性を向上するヘッドが開示されている。さらに、
【特許文献3】には流路板のノズル面及び加圧液室面の両側にリフィル液室を設け、かつ加圧液室面に共通のリフィル液室を形成することにリフィル量を確保するようにしたヘッドが開示されている。
【0012】
このようなリフィル量の確保を目的とした従来のヘッド構成の一例について図15ないし図17を参照して説明する。なお、図15はヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図16は同ヘッドの流路形成部材の加圧液室側の平面説明図、図17は同ヘッドの流路形成部材のリフィル室側の平面説明図である。
【0013】
すなわち、このヘッドにおいては、流路形成部材501の両面にそれぞれ振動板502、ノズル板503を接合した構成とし、これらによって、加圧液室506及びリフィル室507を形成している。加圧液室506にはノズル板503のノズル504がノズル連通路505を介して連通している。この加圧液室506には振動板502の供給口508からインクが供給される。また、リフィル室507もノズル連通路505に連通し、このリフィル室506にも供給口508から供給孔509を介してインクが供給される。
【0014】
これにより、インク滴吐出後には加圧液室506とリフィル室507からインクがノズル連通路505に供給されることになってリフィル性を向上することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したヘッド構成にあっては、ノズル近傍で加圧液室からのインクとリフィル室からのインクが2つの方向から流れ込んで合流することになる。すなわち、図15において、供給口508から供給されたインクは加圧液室506に流れ込み、同図でノズル連通路505を介してノズル504に縦方向に流れ込み、一方、供給口508から供給孔509を介してリフィル室507に流れ込んだインクはノズル504に対して同図で横方向に流れ込むことになる。
【0016】
このように、ノズル近傍で異なる方向からのインクの流れが合流するために、ノズルのメニスカスに対し外乱を与えることとなり、安定した噴射性能が得られないという課題がある。
【0017】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、十分なリフィル量を確保し、安定した噴射性能が得られる液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドを製造するための製造方法、この液滴吐出ヘッドを一体化することで高い画像品質の画像を高速で記録できるようになるインクカートリッジ、このヘッド又はインクカートリッジを搭載することで高品質画像を高速記録できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズル連通路の上流側で加圧液室と連通するリフィル室を設けたものである。
【0019】
ここで、リフィル室は加圧液室とリフィル連通路で連通していることが好ましく、このリフィル連通路の流体抵抗値はノズル連通路の流体抵抗値よりも大きいことが好ましい。また、加圧液室及びリフィル室を形成する流路形成部材が面方位(110)のシリコン基板から形成されていることが好ましく、さらに、液体が流れる流路の壁面には酸化膜又は窒化チタン膜が形成されていることが好ましい。
【0020】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを製造する方法であって、加圧液室及びリフィル室を形成する流路形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して形成する構成としたものである。
【0021】
ここで、異方性ウエットエッチングはシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜、又はシリコン酸化膜、若しくはシリコン窒化膜をマスクとして行うことが好ましい。
【0022】
本発明に係るインクカートリッジは、本発明に係る液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したものである。
【0023】
本発明に係るインクジェット記録装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッド又は本発明に係るインクカートリッジを備えるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の液滴吐出ヘッドの実施形態に係るインクジェットヘッドについて図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
【0025】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路形成部材である流路板1と、この流路板1の下面に接合した振動板2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有する。これらによって、液滴であるインク滴を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通し、インク供給口9を介して共通液室8からインクが供給されるインク流路である加圧液室(加圧液室)6、ノズル連通路5の上流側でリフィル連通孔11を介して加圧液室6に連通し、インク供給口9に供給孔12を介して連通するリフィル室10を形成している。
【0026】
そして、振動板2の外面側(液室と反対面側)に各加圧液室6に対応して加圧液室6内のインクを加圧するための駆動手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子15を接合し、この圧電素子15をベース基板16に接合している。ベース基板16はチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶縁性基板を用いている。
【0027】
また、圧電素子15の間には加圧液室6、6間の隔壁部6aに対応して支柱部17を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子15と支柱部17して形成している。支柱部17も構成は圧電素子15と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
【0028】
さらに、振動板12の外周部はフレーム部材18にギャップ材を含む接着剤19にて接合している。このフレーム部材18には、共通液室8となる凹部、この共通液室8に外部からインクを供給するためのインク供給穴を形成している。このフレーム部材18は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
【0029】
ここで、流路板1は、、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を後述するようにドライエッチングによる深堀と水酸化カリウム水溶液(KOH)、TMAH液などのエッチング液を用いた異方性エッチングとを併用することで、ノズル連通路5、加圧液室6、リフィル室10、リフィル連通孔11、供給孔12となる凹部や穴部を形成したものである。
【0030】
そして、流路板1のインクに接する面(液流路の壁面)には酸化膜、窒化チタン膜或いはポリイミドなどの有機樹脂膜からなる耐液性薄膜18を成膜している。このような耐液性薄膜20を形成することで、シリコン基板からなる流路板1がインクに対して溶出しにくく、また濡れ性も向上するため気泡の滞留が生じにくく、安定した滴吐出が可能になる。
【0031】
振動板2は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。
【0032】
この振動板2は加圧液室6に対応する部分に変形を容易にするための厚みが2〜10μmの薄肉部(ダイアフラム部)21及び圧電素子12と接合するための厚肉部(島状凸部)22を形成するとともに、支柱部14に対応する部分及びフレーム部材18との接合部にも厚肉部23を形成し、平坦面側を流路板1に接着剤接合し、島状凸部22を圧電素子15に接着剤接合し、更に厚肉部23を支柱部17及びフレーム部材18に接着剤19で接合している。なお、ここでは、振動板2を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部21の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
【0033】
ノズル板3は各加圧液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとし、2列配置により300dpiとしている。
【0034】
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
【0035】
圧電素子15は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層31と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層32とを交互に積層したものであり、内部電極32を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極33、共通電極34に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子15の伸縮により加圧液室6を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子15に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子15に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
【0036】
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極33となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子15で導通した共通電極34となる。
【0037】
そして、圧電素子15の個別電極33には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル35を接続し、このFPCケーブル35には各圧電素子15に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極34は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル35のグラウンド(GND)電極に接続している。
【0038】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子15に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子15に積層方向の変位が生起し、振動板2を介して加圧液室6内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル4からインク滴が吐出される。
【0039】
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室6内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室6内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室8に流入し、共通液室8から供給口9を経て加圧液室6に流れ込んで充填されるとともに、共通液室8から供給口9、供給孔12を経てリフィル室10に流れ込み、更にリフィル連通孔11を介して加圧液室6に充填されるので、高速でインクリフィルを行うことができる。
【0040】
ここで、本発明におけるリフィル室構成について図4ないし図6をも参照して説明する。なお、図4はヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの流路板の加圧液室側の平面説明図、図6は同ヘッドの流路板のリフィル室側の平面説明図である。
【0041】
このヘッドにおいては、リフィル室10はノズル連通路5よりも上流側(加圧液室側)でリフィル連通孔11を介して加圧液室6に連通している。また、リフィル室10は加圧液室6へのインク供給側で供給孔12を介して加圧液室6に連通している。
【0042】
したがって、図4に示すように、供給口9より供給されたインクは加圧液室6に流れ込み、供給孔12を介してリフィル室10にも流れ込む。リフィル室10に流れ込んだインクはリフィル連通孔11を介して加圧液室6とノズル連通路5との間に流れ込む。これにより、加圧液室6のノズル連通路5側で加圧液室6からのインクとリフィル室10からのインクとが合流して、ノズル連通路5に至り、ノズル4に向かうことになる。
【0043】
このように、ノズル4に向かうインクの流れは一方向となるので、メニスカスに対し外乱を与えずに、十分なインクリフィル量を確保することができ、安定した噴射性能が得られ、高性能、高信頼性のヘッドが得られる。
【0044】
この場合、リフィル連通孔11の流体抵抗値はノズル連通路5の流体抵抗値よりも大きくすることが好ましい。例えば、リフィル連通孔11及びノズル連通路5の短手方向の長さが液室の長さと同等である場合、リフィル連通孔11の長手方向の長さLをノズル連通路5の長手方向の長さWより短くする。
【0045】
このように構成することで、液滴吐出時のリフィル室へのインクの逆流を低減させることができ、より安定した滴噴射特性を有するヘッドが得られる。
【0046】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態について図7ないし図9を参照して説明する。なお、図7はヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図8は同ヘッドの流路板の加圧液室側の平面説明図、図9は同ヘッドの流路板のリフィル室側の平面説明図である。
【0047】
このヘッドは、共通液室からの供給口9と加圧液室6の間に加圧液室6よりも幅の狭い流体抵抗部7を設けるとともに、供給孔12とリフィル室10の間にもリフィル室10よりも幅の狭い流体抵抗部13を設けたものである。これにより、加圧液室6で発生する圧力を効率よくノズル連通路5側に与えることができる。
【0048】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第1実施形態について図10及び図11を参照して説明する。
先ず、図10(a)に示すように、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板(シリコンウエハを用いる。)61を用意し、このシリコン基板61両表面に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜62a、62b及び厚さ0.15μmのシリコン窒化膜63a、63bを形成した。
【0049】
なお、使用するウエハの種類は両面研磨ウエハ、両面未研磨ウエハ、片面未研磨ウエハのいずれのウエハであっても良く、また比抵抗も揃っている必要はなく、例えばここでは、比抵抗0.1−100Ωcmのウエハを使用している。
【0050】
次いで、同図(b)に示すように、シリコン基板61のノズル板接合面側のシリコン窒化膜63a表面に、ノズル連通路5を形成するための開口と、リフィル流路(リフィル室10、リフィル連通孔11、供給孔12)を形成するための開口と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)を形成するための開口とを有するレジストパターン64aを形成した。
【0051】
そして、ドライエッチングを行って、シリコン窒化膜63aに、ノズル連通路5を形成するための開口65aと、リフィル連通孔11、リフィル室10及び供給孔12を形成するための開口66aと、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部を形成するための開口68をパターニングする。
【0052】
その後、同図(c)に示すように、シリコン基板61のノズル板接合面側のシリコン窒化膜63aを埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口と、リフィル連通孔11を形成するための開口と、供給孔12を形成するための開口を有するレジストパターン64cを形成し、ドライエッチングを行って、シリコン窒化膜63aの開口に連続してシリコン酸化膜62aにノズル連通路5を形成するための開口65と、リフィル連通孔11を形成するための開口66と、供給孔12を形成するための開口67をパターニングする。
【0053】
次に、同図(d)に示すように、シリコン基板61の振動板接合面側のシリコン窒化膜63b表面に、加圧液室6等を形成するための開口と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)を形成するための開口とを有するレジストパターン64bを形成する。
【0054】
そして、ドライエッチングを行って、シリコン窒化膜63aに、ノズル連通路5、加圧液室6及び供給孔12に対応する流路を形成するための開口70と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)を形成するための開口71をパターニングする。
【0055】
次いで、同図(e)に示すように、シリコン基板61の振動板接合面側のシリコン窒化膜63bを埋め込み、ノズル連通路5、リフィル連通孔11、供給孔12をを形成するための開口を有するレジストパターン64d形成し、ドライエッチングを行って、シリコン酸化膜62aにノズル連通路5を形成するための開口72、リフィル連通孔11を形成するための開口73、供給孔12を形成するための開口74をパターニングする。
【0056】
その後、図11(a)に示すように、レジストでシリコン窒化膜63aの開口を埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口、リフィル連通孔11を形成するための開口、供給孔12を形成するための開口を有するレジストパターン(マスク)75を形成した。このときのレジストの膜厚は8μmとした。
【0057】
そして、ICPドライエッチャーを使用して、シリコン基板61にノズル連通路5を形成するための深堀76、リフィル連通孔11を形成するための深堀77、供給孔12を形成するための深堀78を形成した。また、ICPエッチングはノズル板接合面側から行っている。
【0058】
次いで、同図(b)に示すように、マスク75を除去して、水酸化カリウム水溶液によりシリコン基板61の異方性エッチングを行ってノズル連通路5となる貫通孔81、リフィル連通孔11となる貫通孔82、供給孔12となる貫通孔83を形成した。
【0059】
その後、同図(c)に示すように、ウエットエッチングにより、シリコン酸化膜62a、62bのうちのリフィル室10に対応する部分及び加圧液室6等に対応する部分を除去する。
【0060】
そして、同図(d)に示すように、再度水酸化カリウム水溶液により、シリコン基板61の異方性エッチングを行って、シリコン基板61の一面側にノズル連通路5、リフィル連通孔11、加圧液室6、供給孔12に対応する凹部85、他面側にリフィル連通孔11、リフィル室10、供給孔12に対応する凹部87を形成した。ここで、シリコンの異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として溶液濃度30%のものを用いて、処理温度85℃で行った。なお、このとき肉抜き部88も形成される。
【0061】
そして、同図(e)に示すように、シリコン窒化膜63a、63b及びシリコン酸化膜62a、62bを除去し、ノズル連通路5、加圧液室6、リフィル室10、リフィル連通孔11、供給孔12を有する流路板1を得て、更に図示しないが、耐インク接液膜(耐液性薄膜)10としてシリコン酸化膜を1μmの厚さで形成した。
【0062】
このように、流路形成部材をシリコン基板から形成し、ドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要なノズル連通路、加圧液室、リフィル室、リフィル連通孔、供給孔などの流路を形成したので、精度よく加圧液室を形成することが可能となり、リフィル性に優れ、吐出特性にばらつきのないヘッドが得られた。
【0063】
また、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜をマスクとして異方性ウェットエッチングを行ったので、シリコン窒化膜膜、シリコン酸化膜をそれぞれエッチングのマスクとして使用することでき、寸法制御性に優れたヘッドが得られる。
【0064】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第2実施形態の製造工程について図12及び図13を参照して説明する。
先ず、図12(a)に示すように、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板(シリコンウエハを用いる。)101を用意し、このシリコン基板101両表面に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜102a、102bを形成した。
【0065】
なお、使用するウエハの種類は両面研磨ウエハ、両面未研磨ウエハ、片面未研磨ウエハのいずれのウエハであっても良く、また比抵抗も揃っている必要はなく、例えばここでは、比抵抗0.1−100Ωcmのウエハを使用している。また、シリコンウエハの厚さ寸法はそのままのノズル連通路の高さ寸法としているので600μm以下のウエハを使用した。
【0066】
次いで、同図(b)に示すように、シリコン基板101のノズル板接合面側のシリコン酸化膜102a表面に、ノズル連通路5を形成するための開口105aと、リフィル流路(リフィル室10、リフィル連通孔11、供給孔12)を形成するための開口106aと、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)を形成するための開口108aとを有するレジストパターン104aを形成した。
【0067】
そして、同図(c)に示すように、ドライエッチングを行って、シリコン酸化膜102aに、ノズル連通路5を形成するための開口105と、リフィル流路を形成するための開口106と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部を形成するための開口108をパターニングする。
【0068】
次に、同図(d)に示すように、シリコン基板101の振動板接合面側のシリコン酸化膜102b表面に、ノズル連通路5、加圧液室6、リフィル連通孔11、供給孔12を形成するための開口と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)を形成するための開口とを有するレジストパターン104bを形成する。
【0069】
その後、同図(e)に示すように、ドライエッチングを行って、シリコン酸化膜102bにノズル連通路5、加圧液室6、リフィル連通孔11、供給孔12を形成するための開口110と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)を形成するための開口111とをパターニングする。
【0070】
次いで、図13(a)に示すように、レジストでシリコン酸化膜102aの開口を埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口、リフィル連通孔11を形成するための開口、供給孔12を形成するための開口を有するレジストパターン(マスク)115を形成した。このときのレジストの膜厚は8μmとした。
【0071】
そして、ICPドライエッチャーを使用して、シリコン基板101にノズル連通路5を形成するための深堀116、リフィル連通孔11を形成するための深堀117、供給孔12を形成するための深堀118を形成した。また、ICPエッチングはノズル板接合面側から行っている。
【0072】
次いで、同図(b)に示すように、マスク115を除去して、水酸化カリウム水溶液によりシリコン基板101の異方性エッチングを行ってノズル連通路5となる貫通孔121、リフィル連通孔11となる貫通孔122、供給孔12となる貫通孔123を形成するとともに、シリコン基板101の一面側にノズル連通路5、リフィル連通孔11、加圧液室6、供給孔12に対応する凹部125、他面側にリフィル連通孔11、リフィル室10、供給孔12に対応する凹部127を形成した。ここで、シリコンの異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として溶液濃度30%のものを用いて、処理温度85℃で行った。なお、このとき肉抜き部128も形成される。
【0073】
そして、同図(e)に示すように、シリコン酸化膜102a、102bを除去し、ノズル連通路5、加圧液室6、リフィル室10、リフィル連通孔11、供給孔12を有する流路板1を得て、更に図示しないが、耐インク接液膜(耐液性薄膜)10としてシリコン酸化膜を1μmの厚さで形成した。
【0074】
このように、流路形成部材をシリコン基板から形成し、ドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要なノズル連通路、加圧液室、リフィル室、リフィル連通孔、供給孔などの流路を形成したので、精度よく加圧液室を形成することが可能となり、リフィル性に優れ、吐出特性にばらつきのないヘッドが得られた。
【0075】
また、シリコン酸化膜をマスクとして異方性ウェットエッチングを行ったので、マスク製作工程が非常に簡単かつ短工程であるので、低コストのヘッドが得られる。
【0076】
上記本発明に係る液滴吐出ヘッドの実施形態においては、圧力発生手段として積層型圧電素子を用いた例で説明しているがこれに限るものではなく、本発明は、それ以外にも、例えば静電力で振動板を変形させる静電型、あるいは熱エネルギーによってインクにバブルを発生させるサーマル型、音響波エネルギーによってインクを吐出する音響型、放電のエネルギーによってインクを吐出するスパークジェット型などにも適用することができる。
【0077】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドとインクタンクとを一体化したインクカートリッジについて図14を参照して説明する。
このインクカートリッジ(インクタンク一体型ヘッド)200は、ノズル孔201等を有する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッド202と、このインクジェットヘッド202に対してインクを供給するインクタンク203とを一体化したものである。
【0078】
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの信頼性はただちに全体の信頼性につながるので、上述したようにリフィル性に優れ安定した吐出特性が得られるヘッドを一体化することで、高画質記録が可能なインクカートリッジが得られる。
【0079】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドからなるインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同記録装置の斜視説明図、図16は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0080】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体211の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部212等を収納し、装置本体211の下方部には前方側から多数枚の用紙213を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)214を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙213を手差しで給紙するための手差しトレイ215を開倒することができ、給紙カセット214或いは手差しトレイ215から給送される用紙213を取り込み、印字機構部212によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ216に排紙する。
【0081】
印字機構部212は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド221と従ガイドロッド222とでキャリッジ223を主走査方向(図16で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ223にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド224を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ223にはヘッド224に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ225を交換可能に装着している。なお、上述したインクタンク一体型ヘッドである本発明に係るインクカートリッジを搭載するようにすることもできる。
【0082】
インクカートリッジ225は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0083】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド224を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0084】
ここで、キャリッジ223は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド221に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド222に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ223を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ227で回転駆動される駆動プーリ228と従動プーリ229との間にタイミングベルト230を張装し、このタイミングベルト230をキャリッジ223に固定しており、主走査モーター227の正逆回転によりキャリッジ223が往復駆動される。
【0085】
一方、給紙カセット214にセットした用紙213をヘッド224の下方側に搬送するために、給紙カセット214から用紙213を分離給装する給紙ローラ231及びフリクションパッド232と、用紙213を案内するガイド部材233と、給紙された用紙213を反転させて搬送する搬送ローラ234と、この搬送ローラ234の周面に押し付けられる搬送コロ235及び搬送ローラ234からの用紙213の送り出し角度を規定する先端コロ236とを設けている。搬送ローラ234は副走査モータ237によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0086】
そして、キャリッジ223の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ234から送り出された用紙213を記録ヘッド224の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材239を設けている。この印写受け部材239の用紙搬送方向下流側には、用紙213を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ241、拍車242を設け、さらに用紙213を排紙トレイ216に送り出す排紙ローラ243及び拍車244と、排紙経路を形成するガイド部材245,246とを配設している。
【0087】
記録時には、キャリッジ223を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド224を駆動することにより、停止している用紙213にインクを吐出して1行分を記録し、用紙213を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙213の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙213を排紙する。
【0088】
また、キャリッジ223の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド224の吐出不良を回復するための回復装置247を配置している。回復装置247はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ223は印字待機中にはこの回復装置247側に移動されてキャッピング手段でヘッド224をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0089】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド224の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0090】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、インクリフィル性に優れ、安定した滴吐出を行うことができるので、高速で、高画質記録を高速で行うことができる記録装置が得られる。
【0091】
なお、上記実施形態においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することできる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、リフィル室をノズル連通路の上流側で加圧液室と連通させたので、ノズル近傍での液体の流れによる外乱が低減し、リフィル性が向上するとともに、安定した滴吐出特性が得られる。
【0093】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、液室形成部材をシリコンで形成した本発明に係る液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、液室形成部材はドライエッチングによる深堀又はドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して形成する構成としたので、低コストで信頼性の高いヘッドを得ることができる。
【0094】
本発明に係るインクカートリッジによれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとインクタンクを一体化したので、高速で高画質記録が可能になる。
【0095】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、インクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジである構成としたので、高速で高画質記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図3】同ヘッドの液室短手方向に沿う要部断面説明図
【図4】同ヘッドのリフィル流路構成の説明に供する模式的断面説明図
【図5】同ヘッドの流路板の加圧液室側の平面説明図
【図6】同流路板のリフィル室側の平面説明図
【図7】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態の説明に供する模式的断面説明図
【図8】同ヘッドの流路板の加圧液室側の平面説明図
【図9】同流路板のリフィル室側の平面説明図
【図10】本発明に係る製造方法の第1実施形態の製造工程を説明する説明図
【図11】図10に続く工程を説明する説明図
【図12】本発明に係る製造方法の第2実施形態の製造工程を説明する説明図
【図13】図12に続く工程を説明する説明図
【図14】本発明に係るインクカートリッジの説明に供する斜視説明図
【図15】本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例を示す斜視説明図
【図16】同記録装置の機構部の側面説明図
【図17】従来のヘッドのリフィル流路構成の説明に供する模式的断面説明図
【図18】同ヘッドの流路板の加圧液室側の平面説明図
【図19】同流路板のリフィル室側の平面説明図
【符号の説明】
1…流路板、2…振動板、3…ノズル板、4…ノズル、5…ノズル連通路、6…加圧液室、8…共通液室、10…リフィル室、11…リフィル連通孔、12…供給孔、15…圧電素子、16…ベース基板、61…シリコン基板、62a…シリコン酸化膜、63a…シリコン窒化膜、200…インクカートリッジ、214…記録ヘッド。

Claims (9)

  1. 液滴を吐出するノズルがノズル連通路を介して連通し、このノズル連通路と反対側から液体が供給される加圧液室と、この加圧液室の液体を加圧する圧力を発生するための圧力発生手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル連通路の上流側で前記加圧液室と連通するリフィル室を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記リフィル室は前記加圧液室とリフィル連通路で連通していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記リフィル連通路の流体抵抗値は前記ノズル連通路の流体抵抗値よりも大きいことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記加圧液室及びリフィル室を形成する流路形成部材が面方位(110)のシリコン基板から形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記液体が流れる流路の壁面には酸化膜又は窒化チタン膜が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記加圧液室及びリフィル室を形成する流路形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 請求項6に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記異方性ウエットエッチングはシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜、又はシリコン酸化膜、若しくはシリコン窒化膜をマスクとして行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  8. インク滴を吐出するインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、前記インクジェットヘッドが請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. インク滴を吐出させて画像を記録するインクジェット記録装置において、請求項1ないしないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド又は請求項8に記載のインクカートリッジを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006068916A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Ricoh Printing Systems Ltd インクジェットヘッド
JP2008087475A (ja) * 2006-09-08 2008-04-17 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JP2012196976A (ja) * 2006-09-08 2012-10-18 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよびその製造方法

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