JP2001239671A - ノズル形成部材、液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

ノズル形成部材、液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2001239671A
JP2001239671A JP2000050226A JP2000050226A JP2001239671A JP 2001239671 A JP2001239671 A JP 2001239671A JP 2000050226 A JP2000050226 A JP 2000050226A JP 2000050226 A JP2000050226 A JP 2000050226A JP 2001239671 A JP2001239671 A JP 2001239671A
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JP
Japan
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nozzle
forming member
layer
nozzle forming
ink
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JP2000050226A
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English (en)
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Takashi Ogaki
傑 大垣
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低コストで安定した液滴吐出が得られるノズ
ル形成部材を提供する。 【解決手段】 ノズル板44は、下地層となる金属層6
1上に吐出面を形成する高分子層62を接着剤を用いな
いで直接接合した積層部材をノズル基材として用いて、
ノズル45を形成する孔部61aをエッチングて、孔部
62aをレーザ加工により形成し、更に高分子層62の
孔部表面(吐出面)側に撥水性を有する撥水層63を形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノズル形成部材、液滴吐
出ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジ
ェット記録装置において使用するインクジェットヘッド
としては、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが
連通する加圧室、(インク流路、加圧液室、圧力室、吐
出室、液室等とも称される。)と、加圧室内のインクを
加圧する圧電素子などの電気機械変換素子、或いはヒー
タなどの電気熱変換素子、若しくはインク流路の壁面を
形成する振動板とこれに対向する電極からなるエネルギ
ー発生手段とを備えて、エネルギー発生手段で発生した
エネルギーで加圧室内インクを加圧することによってノ
ズルからインク滴を吐出させる。
【0003】ここで、ノズルを形成したノズル形成部材
としては、特開平1−108056号公報、特開平2−
121842号公報等に記載されているように、有機樹
脂材料からなるプレートにエキシマレーザーによってノ
ズルとなる孔(ノズル孔)を形成したもの、或いは、特
開昭63−3963号公報、特開平1−42939号公
報等に記載されているように、電鋳支持基板上にドライ
フィルムレジスト等の感光性樹脂材料を用いてノズル径
に応じたレジストパターンを形成した後、このレジスト
パターンを用いてニッケル等の金属材料を電鋳工法で析
出してノズルプレートを形成するものが知られている。
【0004】また、特開平8−34119号公報に記載
されているように、予めノズル孔を電鋳工法で形成した
金属層にエポキシ系接着剤で高分子層を積層したノズル
プレート基体を用いて、エキシマレーザーで高分子層に
ノズル孔に連通する孔部を形成したものも知られてい
る。さらに、特開平6−314704号公報に記載され
ているように、ノズル孔をプレス加工で形成したステン
レス鋼板の裏面側にニッケル電鋳を施して2層の金属層
で形成したものもある。
【0005】また、インクジェットヘッドにおいては、
ノズルから液滴化したインク(インク滴)を吐出飛翔さ
せて記録を行うため、ノズルの形状、精度等がインク滴
の噴射特性(インク滴吐出性能)に影響を与えると共
に、ノズル孔を形成しているノズル形成部材の表面の特
性がインク滴の噴射特性に影響を与える。例えば、ノズ
ル形成部材表面のノズル孔周辺部にインクが付着して不
均一なインク溜り(所謂濡れムラ)が発生すると、イン
ク滴の吐出方向が曲げられたり、インク滴の大きさにバ
ラツキが生じたり、インク滴の飛翔速度が不安定になる
等の不都合が生じることが知られている。
【0006】そこで、このようなインクジェットヘッド
のノズル孔形成部材の表面(インク吐出面)には、例え
ば特開平4−294145号公報にも記載されているよ
うに、電解ニッケルノズル、プレス穿孔金属ノズル、ポ
リカーボネイトなどの高分子材料をエキシマレーザーで
穿孔したノズルなどのノズル形成部材の表面に、フッ素
系高分子の塗装膜や共析メッキ膜を成膜して撥インク性
(撥水性)を持たせ、ノズル形成部材の表面の均一性を
高めて、インク滴の飛翔特性の安定化を図るようにする
ことが行われている(このほか、例えば特開平6−14
3587号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように単層構造のノズル形成部材にあっては、ノズル
に要求される撥水性、高精度ノズル、高剛性などノズル
に要求される機能をすべて実現することは困難である。
そこで、複層構造のノズル形成部材が提案されるのであ
るが、上述したように加圧室側に高分子層を形成したも
のにあっては、金属層に形成するノズル孔は電鋳工法を
用い、ノズル孔に連通する側孔部をレーザー加工するの
でコストが高くなり、また、ノズル形成部材の下層(イ
ンク流路形成部材と接合する層)が高分子層であるため
に、エネルギー発生手段から与えられる圧力波のロスが
大きくなる。
【0008】そこで、上述したように金属層の積層部材
からなるノズル形成部材もあるが、これは吐出面側金属
層にプレス加工でノズル孔を形成し、加圧室側金属層を
電析で形成するため、低コストで安定した液滴吐出が得
られるノズルを高密度に配置した大面積のノズル形成部
材を得ることが困難であるという課題がある。
【0009】また、液滴吐出ヘッドのノズルをノズル連
通路を介して加圧室に連通させる場合、ノズル連通路は
断面三角形状や方形状に形成されるため、円形のノズル
との間で液滴に乱れが生じて画像品質が低下することが
あるという課題がある。
【0010】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、低コストで安定した液滴吐出が得られるノズル
形成部材、液滴吐出ヘッド及び画像品質を向上したイン
クジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るノズル形成部材は、二層以上の積層部
材の下地層が金属層であり、エッチングで孔部が形成さ
れている構成としたものである。
【0012】ここで、金属層がコバール、フェルニコ、
SUS材又は銅材のいずれかであることが好ましい。こ
の場合、吐出面側層は高分子層或いは金属層であること
が好ましい。また、吐出面側層となる金属層は電析で形
成されていることが好ましい。さらに、吐出側層表面に
は撥水層が形成されていることが好ましい。
【0013】本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐
出するノズルと、このノズルがノズル連通路を介して連
通する加圧室と、この加圧室内のインクを加圧するエネ
ルギーを発生するエネルギー発生手段とを備え、ノズル
を形成したノズル形成部材が本発明に係るノズル形成部
材である構成としたものである。
【0014】ここで、ノズル形成部材のノズル連通路側
孔部は、ノズル連通路と略相似形状で、その流入側開口
部断面積がノズル連通路開口断面積の50%〜200%
の範囲にあることが好ましい。この場合、ノズル連通路
がシリコン基板を異方性エッチングして形成されている
ことが好ましい。また、ノズル形成部材のノズル連通路
を形成した部材との接合面には凹部が形成されているこ
とが好ましい。
【0015】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出するインクジェットヘッドが本発明に係
る液滴吐出ヘッドである構成としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機
構部の側面説明図である。
【0017】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、装置本
体1の下方部には前方側から多数枚の用紙3を積載可能
な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)4を抜
き差し自在に装着することができ、また、用紙3を手差
しで給紙するための手差しトレイ5を開倒することがで
き、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送され
る用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像
を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙
する。
【0018】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイ
ドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で
紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ1
3にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する
本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッ
ドからなるヘッド14をインク滴吐出方向を下方に向け
て装着し、キャリッジ13の上側にはヘッド14に各色
のインクを供給するための各インクタンク(インクカー
トリッジ)15を交換可能に装着している。
【0019】ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬
送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装
し、前方側(用紙搬送方向下流側)を従ガイドロッド1
2に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ
13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ1
7で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19と
の間にタイミングベルト20を張装し、このタイミング
ベルト20をキャリッジ13に固定している。また、記
録ヘッドとしてここでは各色のヘッド14を用いている
が、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘ
ッドでもよい。
【0020】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット
4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリク
ションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23
と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ
24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬
送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し
角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ロー
ラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0021】そして、キャリッジ13の主走査方向の移
動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙
3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材
である印写受け部材29を設けている。この印写受け部
材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ
送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32
を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ロ
ーラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部
材35,36とを配設している。
【0022】また、キャリッジ13の移動方向右端側に
はヘッド14の信頼性を維持、回復するための信頼性維
持回復機構(以下「サブシステム」という。)37を配
置している。キャリッジ13は印字待機中にはこのサブ
システム37側に移動されてキャッピング手段などでヘ
ッド14をキャッピングされる。
【0023】次に、このインクジェット記録装置のヘッ
ド14を構成する液滴吐出ヘッドであるインクジェット
ヘッドの一例について図3乃至図5を参照して説明す
る。なお、図3はインクジェットヘッドの長手方向の断
面説明図、図4は同ヘッドの短手方向の断面説明図、図
5は同ヘッドの流路部分の平面説明図である。
【0024】このインクジェットヘッドは、インク流路
基板41と、振動板42と、電極基板43と、ノズル板
44とを備え、液滴であるインク滴を吐出する複数のノ
ズル45、各ノズル45が連通する加圧室46、各加圧
室46にインク供給路を兼ねた流体抵抗部47を介して
連通する共通液室流路48などを形成している。
【0025】インク流路基板41は単結晶シリコン基板
を用いており、加圧室46及び共通液室流路48を形成
する凹部と、流体抵抗部47を形成する溝部と、ノズル
連通路49を形成する溝部とをエッチングで形成してい
る。このインク流路基板41に加圧室46の壁面の一部
をなす例えば導電性n型シリコン基板から形成した振動
板42を一体に設けている。
【0026】また、電極基板43は、n型又はp型の単
結晶シリコン基板を用いており、この単結晶シリコン基
板に熱酸化法などで酸化シリコン層(SiO2層)43a
を形成し、この酸化シリコン層43aに凹部51を形成
して、この凹部51の底面に沿って振動板42に対向す
る電極53を設け、振動板42と電極53との間にギャ
ップ54を形成し、振動板42と電極53とによって静
電アクチュエータを構成している。
【0027】なお、電極53表面にはSiO2膜などの酸
化膜系絶縁膜、Si34膜などの窒化膜系絶縁膜からな
る電極保護膜55を成膜しているが、振動板42の対向
面側に絶縁膜を形成することもできる。また、電極基板
43としてシリコン基板以外にも、ガラス基板、セラミ
ック基板等の絶縁物基板を用いることもできる。この場
合、前記凹部51はガラス基板、セラミック基板等の絶
縁部基板に形成する。
【0028】また、電極53は、反応性スパッタ法、C
VD法などによって形成できるチタン、タングステン、
タルタン等の金属とその窒化物、化合物等の高融点金
属、好ましくは窒化チタン、或いはP型又はN型の不純
物原子を含むシリコンからなる。
【0029】ここで、振動板42と電極53の対向面は
振動板短手方向で非平行状態としている。すなわち、電
極基板43の凹部51は底面を振動板短手方向で傾斜さ
せて形成し、この凹部51底面に電極53を形成するこ
とによって、振動板42の対向面に対して電極53の対
向面を傾斜させて非平行状態で対向させている。したが
って、振動板42と電極53との実効的な間隔(電極保
護膜55表面と振動板42との間隔:実効ギャップ長)
は、「0」から漸次増加するように変化する。
【0030】ノズル板44は、後述するように金属層と
高分子層とを直接接合した積層部材であるノズル基材を
用いてノズル45となる孔部を形成し、或いは、異種金
属層を積層した積層部材であるノズル基材を用いてノズ
ル45を形成し、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)
には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、
あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜
を形成している。また、インク流路基板41には共通液
室流路48にインクカートリッジ15からインクを供給
するためのインク供給穴56を有する連結部材57を接
合している。
【0031】このように構成したインクジェットヘッド
においては、振動板42を共通電極とし電極53を個別
電極として(逆でもよい。)、振動板42と電極53と
の間に駆動波形を印加することにより、振動板42と電
極53との間に静電力(静電吸引力)が発生して、振動
板42が電極53側に変形変位する。これにより、加圧
室46の内容積が拡張されて内圧が下がるため、流体抵
抗部47を介して共通液室流路48から加圧室46にイ
ンクが充填される。
【0032】次いで、電極53への電圧印加を断つと、
静電力が作用しなくなり、振動板42はそれ自身のもつ
弾性によって復元する。この動作に伴い加圧室46の内
圧が上昇し、ノズル連通路49を経て、ノズル45から
インク滴が吐出される。再び電極に電圧を印加すると、
再び静電吸引力によって振動板は電極側に引き込まれ
る。
【0033】この場合、振動板42には電極53との間
の実効的なギャップ長(保護膜56の厚みを除く長さ)
が短い部分、このヘッドでは振動板42と電極53とは
保護膜56を介して接触している(実効ギャップ長=
0)ので、この部分から変位を開始し、それに伴なって
漸次振動板42と電極53とのギャップ長が短くなる。
したがって、振動板42の変位開始位置のバラツキが低
減するとともに、駆動電圧を低電圧化することができ
る。
【0034】そこで、このインクジェットヘッドにおけ
るノズル形成部材であるノズル板44の詳細について図
6以降をも参照して説明する。ノズル板44の一例につ
いて図6を参照して説明する。このノズル板44は、下
地層となる金属層61上に吐出面を形成する高分子層6
2を接着剤を用いないで直接接合した積層部材をノズル
基材として用いて、ノズル45を形成する孔部61a及
び62aを形成し、更に高分子層62の表面(吐出面)
側に撥水性を有する撥水層63を形成したものである。
【0035】ここで、金属層61となる材料としては、
コバール、フェルニコ、SUS板、銅板のいずれかであ
ることが好ましい。これらの材料はシリコンと線膨張係
数の差が小さいので、インク流路基板41を前述したよ
うにシリコン基板で形成する場合に、接合が容易で、接
合信頼性が高くなる。
【0036】また、高分子層42の材料としては、ポリ
イミド、ポリエステル又はポリカーボネイトであること
が好ましい。これらの材料は安価で耐食性に優れてい
る。
【0037】このノズル板44を製造するには、図7に
示すように、先ず、同図(a)に示すように金属層61
と高分子層62とを直接接合したノズル基材の高分子層
62表面に予め撥水層63を形成(成膜)した部材71
を用いて、金属層61側面にノズル位置に対応した開口
を有するDFR等のレジストパターン73を形成する。
【0038】その後、同図(b)に示すように、金属層
61にスプレーエッチングを施して孔部61aを形成
し、高分子層62を露出させる。次いで、同図(c)に
示すように、金属層61側からレーザー光を照射してレ
ーザー加工により同図(d)に示すように高分子層62
に撥水層63を含めて孔部62aを形成する。
【0039】このように予め高分子層62表面に撥水層
63を形成しておき、金属層61側からレーザー光を照
射して穿孔することにより、撥水層63がノズル45内
に侵入することがなくなり、インクメニスカス位置を安
定させることができる。また、金属層61側からレーザ
ー光を照射して穿孔することにより、加工の際に生じる
テーパー角が噴射方向に向かって絞られる形状となり、
噴射効率が高く、噴射方向精度も向上したノズル板が得
られる。
【0040】この場合、撥水層63の厚みを0.01〜
5μmの範囲内とすることにより、撥水層63自体に吸
収帯を持たないレーザー光に対しても高分子層62の穿
孔と同時に撥水層63の穿孔を行うことができ、ノズル
形状を崩すことなく高精度のノズル加工を行うことがで
きる。
【0041】次に、ノズル板44の他の例について図8
を参照して説明する。このノズル板44は、二種類の金
属層64及び金属層65を積層した積層部材をノズル基
材として用いて、ノズル45を形成する孔部64a及び
65aを形成し、更に金属層65の表面(吐出面)側に
撥水性を有する撥水層63を形成したものである。この
ように金属層の積層部材を用いることでノズル板44の
剛性を高めることができる。
【0042】この場合、下地層となる金属層64に銅或
いはSUS材を用いて、この金属層64上に電鋳(電
析)によって孔部65aを有する金属層65を形成した
後、塩化第二鉄のスプレーエッチングによって金属層6
4に孔部64aを形成する。
【0043】次に、本発明の他の実施形態について図9
乃至図12を参照して説明する。なお、図9は同実施形
態におけるヘッドの要部を示す斜視説明図、図10は同
ヘッドの液滴吐出方向での斜視断面説明図、図11は同
ヘッドをの要部正面説明図、図12は同11の平断面説
明図である。
【0044】この実施形態では、インク流路基板41と
してシリコン基板を用いて異方性エッチングでノズル連
通路49を形成しているので、ノズル連通路49は断面
略三角形状に形成される。一方、インク流路基板41に
接合するノズル板44のノズル45は吐出面側を円形状
に形成するのが好ましいので、ノズル連通路49からノ
ズル45に至る部分で液の乱流が発生し易くなる。
【0045】そこで、ノズル板44の下地層82と吐出
層81との積層部材をノズル基板に用いて、吐出層81
に形成するノズル孔45aを円形状にするとともに、ノ
ズル連通路49に連続する下地層82のノズル孔45b
は、等方性エッチングで形成することによって、ノズル
連通路49と略相似形状の断面略三角形状に形成し、そ
の流入側開口部断面積がノズル連通路49の開口断面積
の80%程度になるように形成している。
【0046】このようにすることで、略三角形状のノズ
ル連通49からこれと略相似形状のノズル孔45bを経
て円形のノズル孔45aに至る流路が形成されるので、
液の乱流が低減され、スムーズなインク吐出を行うこと
ができる。
【0047】なお、下地層82及び吐出層81は前記実
施形態のように異種金属層の積層部材或いは、金属層と
高分子層の組み合わせとすることが好ましい。また、ノ
ズル孔45bの流入側開口部断面積はノズル連通路49
の開口断面積の50%〜200%の範囲内にすること
が、液の乱流を防止する上で好ましい。
【0048】また、このノズル板45では、図10及び
図12に示すように、インク流路基板41と接合する下
地層82の接合面には接着剤を逃がすための凹部83を
形成し、これにより接合強度を向上し、接合信頼性を向
上することができる。
【0049】なお、上記実施形態においては、本発明を
静電型インクジェットヘッドのノズル形成部材に適用し
た例で説明したが、インクジェットヘッド以外のノズル
形成部材にも適用することができ、またピエゾ型インク
ジェットヘッドやバブル型インクジェットヘッドなどの
ノズル形成部材にも適用することができ、さらにシリア
ル型インクジェット記録装置だけでなくライン型インク
ジェット記録装置にも適用することができる。また、液
滴吐出ヘッドとしてはインクジェットヘッド以外にも液
体レジストを吐出させるヘッドなどとしても用いること
ができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るノズ
ル形成部材によれば、二層以上の積層部材の下地層が金
属層であり、エッチングで孔部が形成されている構成と
したので、低コストで液滴吐出安定性に優れたノズル形
成部材を得られる。
【0051】ここで、金属層がコバール、フェルニコ、
SUS材又は銅材を用いることによって、ノズル形成部
材を接合する被接合部材をシリコン基板で形成したとき
の熱膨張率差が少なく、接合信頼性が向上する。この場
合、吐出面側層は高分子層とすることで安価で耐食性に
優れたノズル形成部材が得られ、金属層とすることでよ
り高い剛性を得ることができる。また、吐出面側層とな
る金属層は電析で形成することによって高精度ノズルを
大面積で形成することができる。さらに、吐出側層表面
には撥水層が形成されていることで、より安定した吐出
特性が得られる。
【0052】本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、液
滴を吐出するノズルと、このノズルがノズル連通路を介
して連通する加圧室と、この加圧室内のインクを加圧す
るエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備え、
ノズルを形成したノズル形成部材が本発明に係るノズル
形成部材である構成としたので、低コストで吐出安定性
に優れた液滴吐出ヘッドが得られる。
【0053】ここで、ノズル形成部材のノズル連通路側
孔部は、ノズル連通路と略相似形状で、その流入側開口
部断面積がノズル連通路開口断面積の50%〜200%
の範囲にあることで、ノズル連通路形成部材をエッチン
グ形成した場合でも液の乱流が低減して、液滴吐出特性
が向上する。この場合、ノズル連通路がシリコン基板を
異方性エッチングして形成されていることにより、低コ
ストでノズル連通路を含めたインク流路を形成する部材
を得ることができる。また、ノズル形成部材のノズル連
通路を形成した部材との接合面には凹部が形成されてい
ることで、接合信頼性、接合強度の向上を図れる。
【0054】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、インク滴を吐出するインクジェットヘッドが本発
明に係る液滴吐出ヘッドである構成としたので、画像品
質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略斜視説明図
【図2】同機構部の側面説明図
【図3】同記録装置のヘッドの振動板長手方向に沿う模
式的断面説明図
【図4】同ヘッドの振動板短手方向に沿う模式的断面説
明図
【図5】同ヘッドの流路を説明する模式的平面説明図
【図6】本発明に係るノズル板の一例を示す模式的拡大
断面図
【図7】図6のノズル板の製造工程を説明する説明図
【図8】本発明に係るノズル板の一例を示す模式的拡大
断面図
【図9】本発明の他の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの
模式的分解斜視図
【図10】同ヘッドの要部断面斜視説明図
【図11】同ヘッドの要部正面説明図
【図12】同ヘッドの要部断面説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…ヘッド、24…搬送ローラ、
33…排紙ローラ、41…インク流路基板、42…振動
板、43…電極基板、44…ノズル板、45…ノズル、
46…加圧室、47…流体抵抗部、48…共通液室流
路、49…ノズル連通路、53…電極、54…ギャッ
プ、61、64、65…金属層、62…高分子層、63
…撥水層。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を吐出するノズルを有する二層以上
    の積層部材からなるノズル形成部材において、前記積層
    部材は下地層が金属層であり、エッチングで孔部が形成
    されていることを特徴とするノズル形成部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のノズル形成部材におい
    て、前記金属層がコバール、フェルニコ、SUS材又は
    銅材のいずれかであることを特徴とするノズル形成部
    材。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のノズル形成部材におい
    て、吐出面側層が高分子層からなることを特徴とするノ
    ズル形成部材。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のノズル形成部材におい
    て、吐出面側層が金属層であることを特徴とするノズル
    形成部材。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のノズル形成部材におい
    て、前記吐出面側層が電析で形成されていることを特徴
    とするノズル形成部材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材において、前記吐出側層表面には撥水層が形
    成されていることを特徴とするノズル形成部材。
  7. 【請求項7】 液滴を吐出するノズルと、このノズルが
    ノズル連通路を介して連通する加圧室と、この加圧室内
    のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギー発
    生手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル
    を形成したノズル形成部材が前記請求項1乃至6のいず
    れかのノズル形成部材であることを特徴とする液滴吐出
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の液滴吐出ヘッドにおい
    て、前記ノズル形成部材のノズル連通路側孔部は、前記
    ノズル連通路と略相似形状で、その流入側開口部断面積
    がノズル連通路開口断面積の50%〜200%の範囲に
    あることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の液滴吐出ヘッドにおい
    て、前記ノズル連通路がシリコン基板を異方性エッチン
    グして形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかに記載の液
    滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル形成部材の前記ノズ
    ル連通路を形成した部材との接合面には凹部が形成され
    ていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 インク滴を吐出するインクジェットヘ
    ッドを備えたインクジェット記録装置において、前記イ
    ンクジェットヘッドが前記請求項7乃至10のいずれか
    に記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
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