JP2007062251A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、記録液カートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、記録液カートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ノズル板と流路板の接合による接着剤のはみ出し、ノズルへの接着剤の流入等を防止するための工程が増加してコストが高くなる。
【解決手段】 ノズル4を形成したノズル板3とノズル4への連通路5及びノズル4が連通する液室6などを形成した流路板1とを接着剤接合し、流路板1のノズル板3との接合面1aの全面に微小な凹凸31を形成して接合面1aに接着剤32を塗布してノズル板3と流路板1とを接合したとき、接着剤32を微小な凹凸31内に入り込ませ、連通路5やノズル4内へのはみ出しを防止する。
【選択図】 図4

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、記録液カートリッジ、画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファックス/複写機複合機等の各種画像形成装置としては、記録液(例えばインク)の液滴を吐出する1又は複数の液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを用いて、被記録媒体(以下「用紙」というが、材質を紙に限定するものではなく、また、記録媒体、記録紙、転写材などとも称される。)に画像を形成(記録、印刷、印字、印写も同義で使用する。)するインクジェット記録装置が知られている。
このような液体吐出ヘッドを用いてより品質の高いカラー印刷を行おうとすると、一層高い解像度が要求されるため、流路(液室)を形成する流路形成部材(液室基板)の隔壁等のサイズが必然的に小さくなり、部材の加工や部材の組み立てに高い精度が要求される。そこで、具体的には、単結晶シリコン基板を流路形成部材に用いて、ドライエッチングや水酸化カリウム溶液を用いたウェットエッチングによって、ノズルが連通する液室や液室とノズルとの間の連通路(連通管ともいう。)を形成するようにしている。
さらに、高速・高解像度が要求される近年のインクジェット式記録ヘッドにおいては、各チャンネルの狭ピッチ化は避けられず、これに伴うクロストークの問題やノズル板と流路形成部材とを接着するときの接着剤のはみ出しなどの問題を解決するための各種提案がなされている。
例えば、特許文献1には、流路形成部材のノズル板との接合面又は振動板との接合面に外部とは連通しない例えば<111>面で囲まれている閉じられた凹部をエッチングなどで形成して、接着剤の逃がし部とすることが記載されている。
特開2004−160827号公報
その他、流路形成部材とノズル板とを接着剤接合するときの接着剤の液室内へのはみ出しの防止に関しては、ノズル板に液室基板との接着面に凹部を形成し接着剤の逃げ部とすること、ノズル板のノズル孔回りに接着剤の逃げ溝をレーザー加工により形成することなどを知られている。
また、クロストークの問題に対しては、シリコン液室基板を研磨により薄くすることにより各液室の隔壁の剛性を高めることが知られている。
ところで、インクジェット方式の画像形成装置において、印字品質の向上と共に低コスト化が大きな課題となっている。上述した特許文献1に記載のヘッドにあっては、接着剤の逃げ部となる凹部は、流路パターン形成と同時に行われるため当該工程のみを考えれば加工コストは必要ではないものの、パターン形成工程そのものがない場合には、この接着剤の逃げ部を形成することができず、別工程で行なわなければならないためにコストの低減を図ることができないという課題が生じることになる。
また、その他のノズルをシリコン基板で形成して接着剤の逃がし部を形成したり、あるいは、レーザー加工で逃がし溝を形成したりすることは、高価な設備が必要となってコストが高くなる。
さらに、クロストークの問題に対してシリコン液室基板を研磨により薄くする方法にあっては、液室パターン面を研磨するためチッピングなどの不良による歩留まり低下、コストコストアップを生じることになる。
また、クロストークの問題とノズル板と流路形成部材の接着に伴う問題は、それぞれ個別の課題であるが、印字品質の向上を図る上ではこれらの問題を同時に解決しなければならないことである。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ノズル板と流路形成部材の接着剤接合による接着剤のはみ出しがなく、かつクロストーク防止のために流路形成部材の厚さを薄くすることとを同時に達成することができる液体吐出ヘッド、その製造方法及びこの液体吐出ヘッドを備えた記録液カートリッジ、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、流路形成部材のノズル板との接合面には微小な凹凸が略全面に形成されている構成としたものである。
ここで、流路形成部材が面方位(110)のシリコン基板であることが好ましく、また、微小な凹凸が<111>面を含むことが好ましい。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、本発明に係る液体吐出ヘッドを製造する製造方法であって、流路パターンが形成された流路形成部材に対して、ノズル板との接合面以外をエッチング保護膜で覆い、ウエットエッチングでノズル板との接合面を所望の基板厚さになるように加工して、ノズル板との接合面に微小凹凸を形成する構成とした。
ここで、流路形成部材を形成するシリコンウェハは、流路形成部材が所望の基板厚さに形成された時点においてもウェハエッジ部が元の厚さであることが好ましい。
本発明に係る記録液カートリッジは、液滴を吐出する本発明に係る液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに記録液を供給する記録液タンクを一体化したものである。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッド又は本発明に係る記録液カートリッジを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、流路形成部材のノズル板との接合面には微小な凹凸が略全面に形成されている構成としたので、微小な凹凸間が接着剤の逃がし部となるとともに、微小な凹凸は、クロストーク防止のためにエッチングなどで流路形成部材の基板厚さを薄くするときに形成でき、低コスト化を図ることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法によれば、流路パターンが形成された流路形成部材に対して、ノズル板との接合面以外をエッチング保護膜で覆い、ウエットエッチングでノズル板との接合面を所望の基板厚さになるように加工して、ノズル板との接合面に微小凹凸を形成するので、流路形成部材の微小な凹凸形成と基板厚さを薄くすることとを同時的に行なうことができて、低コスト化を図れる。
本発明に係る記録液カートリッジ、本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、信頼性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図5を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板で形成した流路形成部材である流路板1と、この流路板1の下面に接合した振動板2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通する加圧液室6、加圧液室6にインクを供給するための液供給室である共通液室8にインク供給口9を介して連通する加圧液室6に比して小さな断面をもつ液体供給路であるインク供給路7を形成している。このヘッドでは、連通管5、加圧液室6及びインク供給路7を「流路」とする。
そして、振動板2の外面側(液室と反対面側)に各加圧液室6に対応して加圧液室6内のインクを加圧するための駆動手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子12を接合し、この圧電素子12をベース基板13に接合している。ベース基板13はチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶縁性基板を用いている。
また、圧電素子12の間には加圧液室6、6間の隔壁部6aに対応して支柱部14を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子12と支柱部14して形成している。支柱部14も構成は圧電素子12と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
さらに、振動板12の外周部はフレーム部材16にギャップ材を含む接着剤17にて接合している。このフレーム部材16には、共通液室8となる凹部、この共通液室8に外部からインクを供給するためのインク供給穴18を形成している。このフレーム部材16は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板1は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を後述するようにドライエッチングによる深堀と水酸化カリウム水溶液(KOH)、TMAH液などのエッチング液を用いた異方性エッチングとを併用することで、ノズル連通路5、加圧液室6、インク供給路7となる凹部や穴部を形成したものである。また、流路板1のノズル板3との接合面1aには、後述するように、微小な凹凸を形成している。
振動板2は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。
この振動板2は加圧液室6に対応する部分に変形を容易にするための厚みが2〜10μmの薄肉部(ダイヤフラム部)21及び圧電素子12と接合するための厚肉部(島状凸部)22を形成するとともに、支柱部14に対応する部分及びフレーム部材16との接合部にも厚肉部23を形成し、平坦面側を流路板1に接着剤接合し、島状凸部22を圧電素子12に接着剤接合し、更に厚肉部23を支柱部14及びフレーム部材16に接着剤17で接合している。なお、ここでは、振動板2を2層構造のニッケル電鋳で形成している。
ノズル板3は各加圧液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
圧電素子12は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層31と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層32とを交互に積層したものであり、内部電極32を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極33、共通電極34に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子12の伸縮により加圧液室6を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子12に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子12に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極33となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子12で導通した共通電極34となる。
そして、圧電素子12の個別電極33には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル35を接続し、このFPCケーブル35には各圧電素子12に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極34は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル35のグラウンド(GND)電極に接続している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子12に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子12に積層方向の変位が生起し、振動板2を介して加圧液室6内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル4からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室6内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室6内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室8に流入し、共通液室8からインク供給口9を経てインク供給路7を通り、加圧液室6内に充填される。
そして、この液体吐出ヘッドにおいては、図4に示すように、流路板1のノズル板3との接合面1aの全面に微小な凹凸41を形成している。
したがって、図4(a)に示すように、接合面1aに接着剤42を塗布し、同図(b)に示すように、ノズル板3と流路板1とを接合したとき、接着剤42の濡れ性が向上し、接着剤42は微小な凹凸41内に入り込み、連通路(連通管)5やノズル4内にはみ出すことがなくなる。これにより、ノズル板の接着不良が低減して、歩留まりが向上する。
ここで、流路板1の微小な凹凸41は、流路板1をシリコン基板から形成し、シリコン基板の<111>面を含む凹凸とすることにより、流路板1のノズル板3との接合面全面に均一に形成することができ、ノズル板3との接着剤接合における信頼性が向上し、歩留まりが向上し、低コスト化を図ることができる。
そこで、本発明に係る製造方法の第1実施形態を適用した上述の流路板1の製造工程について図5及び図6を参照して説明する。
先ず、図5(a)に示すように、厚さ400umの面方位(110)のシリコン基板201(シリコンウエハ)に、厚さ1.5μmのシリコン熱酸化膜202及び厚さ0.1μmのCVD窒化膜203を形成する。
ここで、窒化膜203としては、LP−CVD膜が最も品質(異方性エッチングマスク耐性)が高く、所望寸法の制御に有利であるが、その他の熱CVD膜、スパッタ膜、プラズマCVD膜などを用いることもできる。また、シリコン熱酸化膜202についても同様に熱CVD膜、スパッタ膜、プラズマCVD膜などを用いることができる。
次に、図5(b)に示すように、液室6、インク供給路7などの室面パターンの形状にレジストのパターニングを行ってレジストパターン204を行い、その後、窒化膜ドライエッチングを行って、窒化膜203による液室パターンを形成する。
そして、図5(c)に示すように、連通管(連通路)5の形成パターンの形状にレジストのパターニングを行ってレジストパターン205を形成し、酸化膜ドライエッチングにより、シリコン熱酸化膜202に連通管形成パターンを形成する。なお、エッチングはウエットエッチングでも行なうことができる。
次に、図5(d)に示すように、前記工程でのレジストパターン204、205をドライアッシング装置で除去した後、連通管部形成のためのレジストパターン206を形成し、ICPドライエッチャーを使用してシリコン基板201のディープエッチングを行って掘り込み107を形成した。
このとき、ICPエッチング深さは所望の基板厚さ(流路板1の厚さ)と同じとする。例えば、シリコン基板201から形成する流路板1の厚さを150μmとすると、必要なICPエッチング深さは150μmとなる。
そして、図5(e)に示すように、前記工程でのレジストパターン206をドライアッシング装置で除去した後、酸化膜202をマスクとして、水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性ウエットエッチングを行い、シリコン基板201に<111>面で囲まれた連通路5となる連通管部208を形成する。なお、エッチング溶液としては、水酸化カリウム水溶液以外にも、例えば、NaOH、TMAH、ヒドラジンなどを用いることができる(以下の説明でも同様であるので繰り返さない。)。
次に、図6(a)に示すように、液室形成パターンの窒化膜209をマスクとして、希フッ酸により酸化膜202のウェットエッチングを行なう。これにより、液窒形成部210のシリコン基板面が露出する。
そこで、図6(b)に示すように、再度水酸化カリウム水溶液により所望の深さまでシリコン基板201の異方性エッチングを行って液室部211(液室6、インク供給路7など)を形成する。このとき、連通管部208の底部は既に<111>面によるテーパ面が形成されているため、連通管部208の深さはほとんど変化しない。これにより、液室パターン形成が完了する。
その後、図6(c)に示すように、液室パターン形成が完了した液室面に、水酸化カリウム水溶液に対するマスク膜となるCVD酸化膜212を形成する。CVD酸化膜212に代えて、スパッタ膜、熱酸化膜でもよい。
そして、図6(d)に示すように、シリコン基板201(シリコンウエハ)を反転し、裏面の窒化膜203及び酸化膜202をドライエッチング装置にてエッチバック処理により除去し、シリコン基板面213を露出させる。
そして、図6(e)に示すように、再度、水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性エッチングを行い、露出したシリコン基板面213の全面エッチングを行なう。この全面エッチングされる面は流路板1においてはノズル板3との接合面となる。このとき、エッチング量は所望の流路板厚さになるよう設定する。ここでは、元のシリコン基板201の厚さ400μmに対し、所望の流路板厚さを150μmとしたので、250μmのエッチングを行なう。
これにより、シリコン基板201は所望の流路板厚さに形成されるとともに、全面エッチングされたノズル板3との接合面には微細なシリコン面方位による凹凸214(凹凸41に相当)が同時に形成される。つまり、シリコン基板201から所望の流路板厚さにする工程とノズル板3との接合面全面に微細な凹凸を形成する工程を同じ工程で行なうことができる。
このとき、液室部211は、上述したようにCVD酸化膜212でマスクされているので、形成が完了した液室部211のパターンは水酸化カリウム水溶液によりエッチングされることなく形状を維持できる。
その後、図6(f)に示すように、希フッ酸による酸化膜212全面除去、熱リン酸により窒化膜203全面除去、更に希フッ酸による酸化膜202全面除去を順に行なう。これにより、所望の厚さt1(ここでは150μm)でノズル板3との接合面には微細な凹凸面214が形成された流路板1が形成され、シリコン基板201としてはシリコンウエハを用いているので、シリコンウエハ内に複数の流路板1が配列された状態で完成する。
次に、図示しないが、耐インク膜やインクや接着材の濡れ性向上対策として熱酸化膜を成膜する。ここでは、熱酸化膜としたが窒化チタン(TiN)膜、ポリイミド膜又はポリパラキシレンなどを蒸着してもよい。
その後、ウェハ内に配列された各流路板1をダイシング又はブレーキングなどにより個別に切断する。これにより個々の流路板1が完成する。
次に、本発明に係る製造方法の第2実施形態を適用した流路板1の製造工程について図7及び図8を参照して説明する。
先ず、図7(a)に示すように、第1実施形態と同様、厚さ400umの面方位(110)のシリコン基板301(シリコンウエハ)に、厚さ1.5μmのシリコン熱酸化膜302及び厚さ0.1μmのCVD窒化膜303を形成する。
次に、図7(b)に示すように、連通管形成パターンの形状にレジストのパターニングを行ってレジストパターン304を形成し、その後、窒化膜ドライエッチングを行って窒化膜303の連通管形成パターンを形成し、さらに窒化膜303をマスクにフッ酸で酸化膜202の連通管形成パターン305を形成する。このとき、窒化膜303及び酸化膜203をドライエッチングで連続エッチングすることにより連通管形成パターン形成することもできる。
そして、図7(c)に示すように、液室形成パターンの形状にレジストのパターニングを行ってレジストパターン306を形成し、窒化膜ドライエッチングにより窒化膜303の液室形成パターンを形成する。
次に、図7(d)に示すように、連通管部形成のためのレジストパターン307を形成し、ICPドライエッチャーを使用してシリコン基板301のディープエッチングを行って掘り込み308を形成する。このとき、ICPエッチング深さは所望の基板厚さ(流路板1の厚さ)と同じとする。例えば、シリコン基板301から形成する流路板1の厚さを150μmとすると、必要なICPエッチング深さは150μmとなる。
そして、図7(e)に示すように、前記工程でのレジストパターン307をドライアッシング装置で除去した後、酸化膜302をマスクとして、水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性ウエットエッチングを行い、シリコン基板301に<111>面で囲まれた連通路5となる連通管部309を形成する。
次に、図8(a)に示すように、液室形成パターンの窒化膜310をマスクとして、希フッ酸により酸化膜302のウェットエッチングを行なう。これにより、液窒形成部311のシリコン基板面が露出する。
そこで、図8(b)に示すように、再度水酸化カリウム水溶液により所望の深さまでシリコン基板301の異方性エッチングを行って液室部312(液室6、インク供給路7など)を形成する。このとき、連通管部309の底部は既に<111>面によるテーパ面が形成されているため、連通管部309の深さはほとんど変化しない。これにより、液室パターン形成が完了する。
次に、図8(c)に示すように、熱リン酸により窒化膜303を全面エッチング後に、液室面に水酸化カリウム水溶液に対するマスク膜となるCVD酸化膜313を形成する。CVD酸化膜に代えて、スパッタ膜、熱酸化膜でもよい。
次に、図8(d)に示すように、シリコン基板301を形成しているシリコンウェハを反転し、裏面の酸化膜302をドライエッチング装置にてエッチバック処理により除去しシリコン基板面313を露出させる。
そして、図6(e)に示すように、再度、水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性エッチングを行い、露出したシリコン基板面314の全面エッチングを行なう。この全面エッチングされる面は流路板1においてはノズル板3との接合面となる。このとき、エッチング量は所望の流路板厚さになるよう設定する。ここでは、元のシリコン基板301の厚さ400μmに対し、所望の流路板厚さを150μmとしたので、250μmのエッチングを行なう。
これにより、シリコン基板301は所望の流路板厚さに形成されるとともに、全面エッチングされたノズル板3との接合面には微細なシリコン面方位による凹凸315(凹凸41に相当)が同時に形成される。つまり、シリコン基板301から所望の流路板厚さにする工程とノズル板3との接合面全面に微細な凹凸を形成する工程を同じ工程で行なうことができる。
このとき、液室部312は、上述したようにCVD酸化膜313でマスクされているので、形成が完了した液室部211のパターンは水酸化カリウム水溶液によりエッチングされることなく形状を維持できる。
そして、図8(f)に示すように、希フッ酸による酸化膜313、302の全面除去を行なうことで、所望の厚さt1(ここでは150μm)でノズル板3との接合面には微細な凹凸面315が形成された流路板1が形成され、シリコン基板301としてはシリコンウエハを用いているので、シリコンウエハ内に複数の流路板1が配列された状態で完成する。
次に、図示しないが、耐インク膜やインクや接着材の濡れ性向上対策として熱酸化膜を成膜する。ここでは、熱酸化膜としたが窒化チタン(TiN)膜、ポリイミド膜又はポリパラキシレンなどを蒸着してもよい。
その後、ウェハ内に配列された各流路板1をダイシング又はブレーキングなどにより個別に切断する。これにより個々の流路板1が完成する。
次に、本発明に係る製造方法の第3実施形態を適用した流路板1の製造工程について図9及び図10を参照して説明する。
先ず、図9(a)に示すように、第1実施形態と同様、厚さ400umの面方位(110)のシリコン基板401(シリコンウエハ)に、厚さ1.5μmのシリコン熱酸化膜402、厚さ0.1μmのCVD窒化膜403及び厚さ0.8μmのポリシリコン膜404を形成する。
次に、図9(b)に示すように、ウェハエッジ部に所望量405のエッジカバーレジストパターンのパターニングを行ってレジストパターン406を形成し、これをマスクにポリシリコン膜404及び窒化膜403のドライエッチングを行い、ポリシリコン膜404及び窒化膜403のエッジカバーパターンを形成した。ポリシリコン膜404及び窒化膜403は、SF系のエッチングガスに対して選択比は1に近いのでエッチング装置を変えることなく連続エッチングが可能である。
そして、図9(c)に示すようにシリコン基板401を形成するシリコンウエハを反転し、連通管形成パターンの形状にレジストのパターニングを行ってレジストパターン407を形成し、ポリシリコン膜404及び窒化膜403のドライエッチングを行なう。次に、レジストパターン407をドライアッシング装置で除去し、ポリシリコン膜404をマスクに酸化膜ドライエッチングにより酸化膜402に連通管形成パターン408を形成した。ポリシリコン膜404は、酸化膜402に対してCF系ガスを用いたドライエッチングにおいては高い選択比を有するので、酸化膜ドライエッチングのマスク膜とすることができる。
次に、図9(d)に示すように、液室パターン形成のためのレジストパターン409を形成し、ポリシリコン膜404及び窒化膜403のドライエッチングを行って、ポリシリコン膜404及び窒化膜403の液室パターンを形成する。
次に、図9(e)に示すように、連通管部形成のためのレジストパターン410を形成し、ICPドライエッチャーを使用してシリコン基板401のディープエッチングを行い掘り込み411を形成した。このとき、ICPエッチング深さは所望の基板厚さ(流路板1の厚さ)と同じとする。例えば、シリコン基板401から形成する流路板1の厚さを150μmとすると、必要なICPエッチング深さは150μmとなる。
次に、図10(a)に示すように、前記工程でのレジストパターン410をドライアッシング装置で除去した後、水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性エッチングを行い<111>面で囲まれた連通管形状部412を形成した。このとき、ウェハ最表面のポリシリコン膜413も水酸化カリウム水溶液により除去される。
次に、図10(b)に示すように、液室形成パターンの窒化膜414をマスクとして、希フッ酸により酸化膜402のウエットエッチングを行なう。これにより、液窒形成部415のシリコン基板面が露出すると共に、裏面側も図9(b)でパターニング行なう。ウェハエッジ部以外の部位416においてもシリコン基板面が露出する。
そして、図10(c)に示すように、再度、水酸化カリウム水溶液により所望の深さまでシリコン基板401の異方性エッチングを行って液室部417を形成する。このとき、シリコン基板401の裏面のシリコン基板露出面418も同様の深さでエッチングされる。このときのエッチング量は、例えば90μmとする。
次に、図10(d)に示すように、熱リン酸により窒化膜403を全面エッチングした後に、液室面に水酸化カリウム水溶液に対するマスク膜となるCVD酸化膜419を形成した。CVD酸化膜に代えて、スパッタ膜でもよい。
そこで、図10(e)に示すように、再度水酸化カリウム水溶液によりシリコンの異方性エッチングを行い裏面の露出したシリコン基板401面の全面エッチングを行なう。この全面エッチングされる面は、流路板1においてはノズル板3との接合面となる。このとき、エッチング量は所望に流路板厚さになるよう設定する。ここでは、シリコン基板401の厚さ400μmに対し所望の流路板厚さは150μmとしたので、前記図10(c)の工程でのエッチング量90μmを差し引き残り160μmのエッチングを行なう。
これにより、シリコン基板401は所望の流路板厚さに形成されるとともに、全面エッチングされたノズル板3との接合面には微細なシリコン面方位による凹凸420(凹凸41に相当)が同時に形成される。つまり、シリコン基板401から所望の流路板厚さにする工程とノズル板3との接合面全面に微細な凹凸を形成する工程を同じ工程で行なうことができる。
このとき、液室面は上述したようにCVD酸化膜419でマスクされているので、形成が完了した液室パターンは水酸化カリウム水溶液によりエッチングされることなく形状を維持できる。
そして、図10(f)に示すように、希フッ酸による酸化膜402の全面除去を行なう。これにより、シリコンウェハの流路板1は所望の流路板厚さt1(ここでは150μm)で、ノズル板3との接合面には微細な凹凸420が形成された流路板1がウェハ面内に配列された状態で完成し、かつウェハ周辺部のカバーパターニング部はシリコン基板の元の厚さt0(ここでは400μm)が維持された状態となる。
これによりウェハ周辺でウェハ強度が保たれた薄いシリコン基板が完成することとなり、基板が薄くなることでの次工程への搬送方法の問題などが解決される。
次に、図示しないが、耐インク膜やインクや接着材の濡れ性向上対策として熱酸化膜を成膜する。ここでは、熱酸化膜としたが窒化チタン(TiN)膜、ポリイミド膜又はポリパラキシレンなどを蒸着してもよい。
その後、ウェハ内に配列された各流路板1をダイシング又はブレーキングなどにより個別に切断する。これにより個々の流路板1が完成する。
ここで、この第3実施形態について図11に実際のシリコンウエハ上での状態で説明する。なお、図11(a)はシリコンウエハの平面説明図、図(b)は図11(a)のA−A線に沿う断面説明図である。
シリコンウエハ401内には複数の流路板1が一体に形成され、この流路板1の部分では所望の流路板厚さt1までエッチングされているが、ウェハエッジ部分405はウエハ401の元の厚さt0のまま維持される。
このように、流路形成部材を形成するシリコンウェハは、流路形成部材が所望の基板(流路形成部材)厚さに形成された時点においてもウェハエッジ部が元の厚さである構成とすることにより、後工程においての良好な搬送性を確保することができる。つまり、ウェハ全体を流路形成部材の所望の厚さまで薄くした場合、後工程においてウェハ搬送が難しくなる。そこで、流路形成部材が形成されないウェハエッジ部をウエハ基板の元厚さに保つことにより、ウェハの流路形成部材の厚さを所望の厚さまで薄くした場合においてもウェハ全体としての剛性を確保でき後工程において良好な搬送状態を得ることができる。
次に、本発明に係る記録液カートリッジについて図12を参照して説明する。
この記録液カートリッジ80は、ノズル81等を有する本発明に係る液体吐出ヘッド82と、この液体吐出ヘッド82に対して液体(記録液)を供給する液体(記録液)タンク83とを一体化したものである。
このように液体タンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの性能はただちに記録液カートリッジ全体の性能につながるので、前記の流路形成部材を有する液体吐出ヘッドを使用することにより、低コストで高画質、高速記録に対応できる記録液カートリッジを得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えた本発明に係る画像形成装置の一例について13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図14は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して図14で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する独立した4個の本発明に係る液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成した記録ヘッド107を主走査方向に沿う方向に配置し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。なお、ここでは独立した液体吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
記録ヘッド107を構成する本発明に係る液体吐出ヘッドとしては、加圧液室内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて記録液の膜沸騰を利用するいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータなどを使用できる。
キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108にはインク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体(用紙)112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、図14のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
また、図14に示すように、搬送ローラ127の軸には、スリット円板134を取り付け、このスリット円板134のスリットを検知するセンサ135を設けて、これらのスリット円板134及びセンサ135によってエンコーダ136を構成している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
また、キャリッジ103の前方側には、図13に示すように、スリットを形成したエンコーダスケール142を設け、キャリッジ103の前面側にはエンコーダスケール142のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ143を設け、これらによって、キャリッジ103の主走査方向位置を検知するためのエンコーダ144を構成している。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、図14に示すように、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156を配置している。
この維持回復機156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット155内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行なった後、排紙トレイ154に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構155側に移動されて、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行なう。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能を維持する。
このように、この画像形成装置は本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質、高速記録を行なうことができる。
なお、上記各実施形態では本発明に係る画像形成装置としてプリンタ構成で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの一例を示す分解斜視図である。 同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの流路板とノズル板との接合部分の拡大説明図である。 本発明に係る製造方法の第1実施形態を適用した流路板の製造工程の説明に供する断面説明図である。 図5に続く工程の説明に供する断面説明図である。 本発明に係る製造方法の第2実施形態を適用した流路板の製造工程の説明に供する断面説明図である。 図7に続く工程の説明に供する断面説明図である。 本発明に係る製造方法の第3実施形態を適用した流路板の製造工程の説明に供する断面説明図である。 図9に続く工程の説明に供する断面説明図である。 同実施形態をシリコンウエハ上での状態で説明する説明図である。 本発明に係る記録液カートリッジの一例を示す斜視説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。 同じく要部平面説明図である。
符号の説明
1…流路板
2…振動板
3…ノズル板
4…ノズル
5…連通路
6…液室
8…共通液室
12…圧電素子
13…支持基板
41…微小な凹凸
42…接着剤
103…キャリッジ
107…記録ヘッド

Claims (7)

  1. 記録液の液滴を吐出するノズルが形成されたノズル板と、前記ノズルが連通する流路を形成する流路形成部材とを接合した液体吐出ヘッドにおいて、前記流路形成部材の前記ノズル板との接合面には微小な凹凸が略全面に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流路形成部材が面方位(110)のシリコン基板であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流路形成部材がシリコン基板から形成され、前記微小な凹凸が<111>面を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを製造する製造方法において、流路パターンが形成された流路形成部材に対して、前記ノズル板との接合面以外をエッチング保護膜で覆い、ウエットエッチングで前記ノズル板との接合面を所望の基板厚さになるように加工して、前記ノズル板との接合面に微小凹凸を形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記流路形成部材を形成するシリコンウェハは、前記流路形成部材が所望の基板厚さに形成された時点においてもウェハエッジ部が元の厚さであることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 液滴を吐出する液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに記録液を供給する記録液タンクを一体化した記録液カートリッジにおいて、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする記録液カートリッジ。
  7. 記録液の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備えて被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド又は請求項6に記載の記録液カートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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