JP2007276149A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、液体収容容器、液体吐出装置、画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、液体収容容器、液体吐出装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】滴吐出安定性や気泡排出性を高めつつノズルを高密度配置しようとすると、液室間隔壁の振動板側の幅が狭くなり、液室間隔壁と振動板の接合面積を十分に確保することが難しくなる。
【解決手段】液滴を吐出するノズル4を有するノズル板1Aと、ノズル4に連通する液室6を形成し隣接する液室6を隔てる隔壁10を有する液室部材1Bと、液室6の1つの壁面を形成する振動板12とを備え、液室6間の隔壁10は電鋳によるNi金属で形成され、隔壁10の厚みが振動板12から離れるにしたがって連続的に薄くなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、液体収容容器、液体吐出装置、画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液体吐出ヘッドから液体を吐出する液体吐出装置を用いたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、液体吐出ヘッドを記録ヘッドに用いて、記録紙等の被記録媒体(以下「用紙」とも称するが、材質を紙に限定するものではなく、記録媒体、媒体、転写紙、転写材、被記録材などとも称される。)に液体である記録液としてのインク滴を吐出して記録(画像形成、印写、印字、印刷なども同義語で使用する。)を行なうものである。
ところで、液体吐出ヘッドとしては、例えば、数μm〜数十μmの大きさの液滴を吐出するノズル、このノズルが連通する液室(吐出室、圧力室、流路などとも称される。)、液室の壁面を形成する振動板と、振動板を介して液室内の記録液を加圧する圧電素子などの圧電アクチュエータとを備える圧電型ヘッド、液滴を吐出するノズル、このノズルが連通する液室、液室の壁面を形成する振動板と、振動板に対向する電極との間で生じる静電力で振動板を変位させて液室内の記録液を加圧する静電アクチュエータとを備える静電型ヘッドなどが知られている。
ここで、液室及び各液室を隔てる液室間隔壁を形成する液室部材(あるいは、液室形成部剤、流路部材、流路形成部材とも称する。)の材料や液室の形状としては、以下のようなものがある。
特許文献1には、流路形成部材を電鋳法によって形成し、かつ、液室間隔壁の幅を階段状に形成することで、液室の液室幅を、振動板と接合される側を狭く、ノズル板と接合される側を広くすることが記載されている。つまり、この特許文献1のヘッドでは、液室間隔壁の幅は振動板側が厚く、ノズル板側が狭い、階段状に形成され、振動板側との接着面積は広くなっている。
特開平10−193605号公報
特許文献2には、ノズル、液室、ダイアフラム(振動板)を接着剤を用いずに一体化形成することが記載されている。このヘッドは、製造の過程でノズル、液室内を電鋳法によってCuからなる犠牲層で埋める工程と、最終的にCuからなる犠牲層をエッチング法によって溶解する工程とを有することで形成される。
特開平11−115182号公報
特許文献3には、液室の形状を、振動板からノズル側に沿って先細り形状とすることが記載されている。
特開平07−156389号公報
特許文献4には、振動板と液室間隔壁を電鋳金属で一体的に形成すること、さらにはノズル形成部材と液室間隔壁を電鋳金属で一体的に形成することが記載されている。このヘッドでは液室間隔壁は垂直壁となっている。
特開平11−105283号公報
特許文献5には、ノズル基板を複数回の電鋳により形成するとともに、ノズルに連通する連通孔をノズルに対して先細形状に形成し、かつノズルと連通孔を形成する各層の内周面の界面に隙間がないように形成することが記載されている。
特開2002−001966号公報
特許文献6、7には、流路形成部材を単結晶シリコン基板のエッチングで形成することが記載されている。これらのヘッドでは、液室間隔壁は、シリコン基板の結晶面方位で規定される角度を持った傾斜面が現出するために、振動板側が広く、ノズル板側が狭い形状に形成される。
特開2001−287359号公報 特開2001−177123号公報
特許文献8には、シリコン基板から形成するが、液室間隔壁を垂直壁としたものが記載されている。
特開2002−292868号公報
ところで、画像形成装置における高画質化を達成するための1つの方策として、液滴を吐出する液体吐出ヘッドのノズル(ノズル)を高密度に配置することがある。ここで、ヘッドのノズルを高密度に配置するために、ノズルが連通する液室(流路)も高密度に配置しなければならない。他方、振動板を備える液体吐出ヘッドにあっては、液室形成部材と振動板との接合面積を十分に確保し、また、液室間隔壁の剛性を十分に確保しなければ、駆動時に非駆動のノズルにも影響が及ぶという相互干渉を生じるおそれがある。
ここで、上述した特許文献1に記載のヘッドにあっては、高密度化に従い細くなる液室間の隔壁形状を振動板側で広く、ノズル側で狭く、二段階の形状にして、隔壁と振動板との接着面積を大きくし、振動板と液室の接着不良問題を低減しているが、工数が多く、また液室形状が複雑になり液室内の気泡が抜けにくい構造となるため、コスト、信頼性の面で問題が残っている。
特許文献2に記載のヘッドにあっては、ノズル、液室、振動板が一体形成されているが、ノズル形状、液室形状ともに垂直な断面形状をしており、インクの吐出性能が不安定なヘッドとなっている。
特許文献3に記載のヘッドにあっては、Ni電鋳からなる液室が振動板側からノズルに沿って先細り形状になっており、これによりインク吐出安定性や気泡排出性を高めているが、振動板側の隔壁幅が狭くなり、ノズルピッチが高密度化されていき、隔壁幅が狭くなっていくと、振動板との接着部の面積が小さく十分な接着強度を得ることが難しくなる。この場合、十分な接着強度を得るために隔壁幅を広くすると、液室が狭くなり、インク流路としての流体抵抗が高くなり高速駆動ができなくなる。
特許文献4に記載のヘッドにあっては、液室と振動板または液室とノズルが電鋳金属で一体形成されているが、液室間隔壁は垂直形状となっているため、高密度化を図る上で隔壁との接着部材間での十分な接着面積が確保できず信頼性を十分に確保することができない。
特許文献5に記載のヘッドにあっては、電鋳法によりノズル基板を形成し、さらにノズルに連通する連通孔をノズルに対して先細形状に形成しているため、液室間隔壁と振動板との接着面積が十分に確保できず、信頼性を確保できない。
一方、特許文献6、7に記載されているように単結晶シリコン基板を液室形成部材に用いたヘッドにあっては、液室間隔壁は、シリコン基板の結晶面方位で規定される角度を持った傾斜面が現出するために、振動板側が広く、ノズル板側が狭い形状に形成される。
しかしながら、シリコン基板で液室形成部材を形成することは、材料自体のコストが高く、また工法的にも複雑な工法をとる必要があり、部品自体のコストがさらに高くなるという課題がある。
また、シリコンのエッチングで液室を形成する場合、シリコンの結晶面方位によって液室間隔壁の傾斜角が一定角度(45度)に規定されるため、液室の幅を確保しようとすると、液室間の距離を離す必要があり、チップサイズが大きくなり、高密度化を図ることができない。また、同じ理由により、液室の深さを深くするほど不可避的にチップサイズが大きくなり、液室の集積度も落ちてしまうことになる。さらに、テーパの角度が決まってしまうことにより、パターンによらず全面で同一のテーパ形状となってしまうため、流体抵抗等の設計が困難になるという課題が生じている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、液室間隔壁と振動板の接合面積を十分に確保しながら、高密度化にも対応可能であり、かつ、低コストで、高い信頼性が得られる液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを一体化した液体収容容器、液体吐出装置、画像形成装置、この液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、隔壁は金属材料で形成され、隔壁の少なくとも一部の厚みが振動板から離れるにしたがって連続的に薄くなっている構成とした。
ここで、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が45度よりも大きな構成とすることが好ましい。また、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が1つの隔壁において変化している構成とできる。また、複数の隔壁を備え、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が異なる複数種の隔壁を有する構成とできる。また、隔壁は電鋳法により形成され、隔壁にはNi、Cu、Cr、Ag、W、Pt、Rh及びPdのいずれかの金属を含むことが好ましい。
また、ノズル板は導電性を有する構成とできる。また、ノズル板は金属成分を含む構成とでき、この場合、ノズル板は電鋳法により形成され、隔壁にはNi、Cu、Cr、Ag、W、Pt、Rh及びPdのいずれかの金属を含む構成とできる。また、ノズル板と隔壁とが一体形成されている構成とできる。また、ノズル板は材質の異なる複数の層を有する構成とできる。また、隔壁は材質の異なる複数の層を有する構成とできる。
本発明に係る液体収容容器は、本発明に係る液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部とを一体に備える構成としたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、フォトレジストを用いた電鋳法により、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が1つの隔壁において変化している構成、或いは、複数の隔壁を備え、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が異なる複数種の隔壁を有する構成とする液体吐出ヘッドを製造する液体吐出ヘッドの製造方法において、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度を他の部位よりも大きく形成する部位、に対向する位置のレジストパターンには露光マスク上で解像限界以下のスリットパターンを入れて、スリットパターンによりレジストパターン上に浅い溝を形成する構成としたものである。
本発明に係る液体吐出装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッド又は液体収容容器を備える構成としたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、隔壁は金属材料で形成され、隔壁の少なくとも一部の厚みが振動板から離れるにしたがって連続的に薄くなっている構成としたので、液室間隔壁と振動板の接合面積を十分に確保しながら、高密度化にも対応可能であり、かつ、低コストで、高い信頼性が得られる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法によれば、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度を他の部位よりも大きく形成する部位に対向する位置のレジストパターンには露光マスク上で解像限界以下のスリットパターンを入れて、前記スリットパターンによりレジストパターン上に浅い溝を形成する構成としたので、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が1つの隔壁において変化している構成、或いは、複数の隔壁を備え、前記隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が異なる複数種の隔壁を有する構成とする液体吐出ヘッドを製造することができる。
本発明に係る液体収容容器によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、ヘッド一体型液体収容容器の低コストを図れ、高い信頼性が得られる。
本発明に係る液体吐出装置、画像形成装置によれば、少なくとも本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高密度化を図れ、また高画質画像を形成することができるようになる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板と液室部材とを一体化したノズル液室基板1と、振動板基板2と、アクチュエータ基板3とを積層接合して構成している。
ノズル液室基板1は、金属材料を用いて電鋳法によってノズル板1Aと液室部材1Bとを一体形成したもので、液滴を吐出するノズル4と、ノズル4が連通する液室6と、液室6に連通する流体抵抗部7と、流体抵抗部7を介して各液室6に記録液を供給する共通液室8とを有している。そして、液室部材1Bは液室6を形成するとともに各液室6を隔てる液室間隔壁10を形成している。
振動板基板2は、電鋳法によって金属材料で形成され、液室6に対応する部分を薄膜とした振動板12と、この振動板12の液室6と反対側の面に形成した凸部13と、共通液室8に記録液を供給するための供給口14とを有している。
アクチュエータ基板3は、SUSなどのベース基板15上に積層型圧電素子からなるアクチュエータ16及び支柱部17を設けている。このアクチュエータ基板3のアクチュエータ16及び支柱部17は振動板7の凸部13と接着剤などで接合される。ここで、アクチュエータ16及び支柱部17となる圧電素子は、積層型圧電素子部材をベース基板15に接合した後、ダイシングソーなどによって溝加工を施すことによって分割して形成したものである。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて複数のアクチュエータ16に20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加することによって、パルス電圧が印加されたアクチュエータ16が変位して振動板基板2の振動板12をノズル4方向に変形させ、液室6の容積(体積)変化によって液室6内の液体を加圧することで、ノズル4から液滴が吐出される。そして、液滴の吐出に伴って液室6内の圧力が低下し、このときの液流れの慣性によって液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、アクチュエータ16への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室8から液室6内に記録液が充填され、次の駆動パルスの印加に応じて液滴がノズル4から吐出される。
なお、液体吐出ヘッドは、上記の押し打ち以外にも、引き打ち方式(振動板7を引いた状態から開放して復元力で加圧する方式)、引き−押し打ち方式(振動板7を中間位置で保持しておき、この位置から引いた後、押出す方式)などの方式で駆動することもできる。
ここで、この液滴吐出ヘッドにおける液室間隔壁10を含む液室部材1Bは、金属材料で形成し、図2に示すように、厚み(液室6の並び方向の幅)が振動板12から離れるにしたがって連続的に薄くなっている形状、すなわち、隔壁10の壁面10aが振動板側からノズル板側に向って連続的に傾斜するテーパ形状に形成している。
このように液室間隔壁を金属材料で形成し、この隔壁の少なくとも一部の厚みが振動板側から離れるにしたがって連続的に薄くなっている形状とすることによって、液室間隔壁と振動板の接合面積を十分に確保しながら、高密度化にも対応可能となり、しかも、低コスト化、高信頼性化を図ることができる。
この点について、本発明のように金属材料(電鋳)で隔壁を形成する場合と、シリコンで隔壁を形成する場合とを比較して、図3(金属の場合)及び図4(シリコンの場合)を参照して説明する。
まず、シリコン(Si)で形成する場合、材料自体のコストが高く、また工法的にも複雑な工法をとる必要があり、部品自体のコストがさらに高くなるという問題がある。また、Siのエッチングで液室6を形成する構成では、図4(a)に示すように、隔壁10´の傾斜面のテーパ角(傾斜角:ノズル4が形成された面と隔壁10´の壁面10´aとがなす角度)θが、Siの面方位により一定角度(45度)に決まってしまうため、液室6の幅を確保しようとすると、液室6、6間の距離を離す必要があり、チップサイズが大きくなり、高密度化ができない。
しかも、同じ理由により、ノズル4の高密度化を図ろうとすると、図4(b)に示すように、隔壁10´の下部(振動板基板と接合する部分)が広くなってぶつかり合い、実質的に振動部分を形成することができない。さらに、図4(c)に示すように、液室6の深さを深くするほど不可避的にチップサイズが大きくなり、振動部分を形成できなくなり、液室6の集積度も落ちてしまうことになる。
また、傾斜面のテーパ角θが決まってしまうことにより、パターンによらず全面で同一のテーパ形状となってしまうため、流路内の流体抵抗等の設計が困難である(後述する図9(b)、(c)のように液室6の隔壁の壁面のテーパ角θを変えることができない。)。
これに対して、本発明のように金属材料で形成することによって、材料費が安く、工程的にもSiの場合の1/3程度で済み、コストを低く抑えることができる。
また、電鋳で形成することにより、レジストの収縮や露光、現像条件を管理することで、隔壁の角度を任意に形成することが可能である。このため、図3(a1)、(a2)のいずれの形状の隔壁10でも形成することができ、また、図3(b)に示すように隔壁10の壁面とノズル4が形成された面となす角度(傾斜角、テーパ角)θを大きくすることによって、高密度にノズル4を配置する場合、図3(c)に示すように液室6の深さを深くする場合など、Siでは形成できない場合でも容易に形成することができる。
また、後述図9に示すように、同じ液室6内でも異なる角度をもった隔壁10を形成することが可能であり、例えば寸法精度の要求される流体抵抗部のみ隔壁を立てて形成し、形状精度を向上することもできる。これらはシリコンでは決してなしえない効果である。
さらに、金属(電鋳)で形成した場合、本実施形態のようにノズル板を基板として電鋳することでノズル、ノズル板と液室部材とを一体形成して、ノズル板と隔壁を一体に形成することができ、部品点数、接合工程を減らす効果もある。
次に、上記第1実施形態に係る液体吐出ヘッドを製造する製造方法の一例について図5ないし図7を参照して説明する。
先ず、図5を参照して振動板基板2の製作について説明する。図5(a)に示すように、母材(電鋳支持基板)となるSUS基板20上に振動板12となるNi薄膜を電鋳工法を用いて成膜する。このときのNi薄膜の膜厚は5μmとなるように電鋳鍍金条件を設定している。
ここで使用する鍍金液は、膜応力が少ないスルファミン酸Ni液を用いており、スルファミン酸Ni(500g/L)、ホウ酸(30g/L)、一次及び二次光沢材(適量)、界面活性剤(適量)を加えた一般的に用いられている処方であり、Phは約4程度、液温は約50℃にコントロールされている。
続いて、図5(b)に示すように、振動板12となるNi薄膜上に、膜厚20μmのレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う。このレジストパターン21は、PZTアクチュエータ16及び支柱部17と振動板基板2を固定するための凸部(突起部)13を形成するためのパターンである。
その後、図5(c)に示すように、レジストパターン21をマスクに凸部13となるNi膜を25μm成膜し、同図(d)に示すように、レジストパターン21を除去する。
そして、SUS基板20から成膜したNi膜シートを剥離し、このNi膜シートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行って、振動板基板2を完成する。なお、熱処理はNi表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。
次に、ノズル液室基板1の製作について図6を参照して説明する。図6(a)に示すように、母材となるSUS基板25上にレジストを1μm塗布し、フォトリソグラフィ法によりノズル4を形成するためのパターニングを行ってレジストパターン26を形成する。このパターン26は、電鋳時にノズル4を形成する部分のマスクとなる。
そして、図6(b)に示すように、レジストパターン26をマスクとしてノズル板1AとなるNi鍍金を30μm成膜する。成膜条件は前述したスルファミン酸Ni浴を用いた同条件で成膜する。Niはレジストパターン26上に等方的に成長するため、レジストパターン26上に(横方向に)も29μmせり出すように成膜され、ノズル4の形状が形成される。
さらに、図6(c)に示すように、全面にレジスト27を55μm塗布し、図6(d)に示すように、フォトリソグラフィ法により液室6及び隔壁10となる部分のパターニングを行ってレジストパターン28を形成する。
このとき、露光・現像条件を最適化することにより隔壁10となる部分に対応して傾斜(テーパ)が付くようにする。マスクとなるレジストパターン28に傾斜が付くようにポジレジストを用いて、且つ、露光量を最適値より多く(オーバードーズ)することによって、図8にも示すように、レジストパターン27にテーパ28を付ける。
この場合、図9に示すように、レジストパターン形成後に120〜150℃程度の温度でベークすることにより、レジスト内の溶剤を揮発させ、レジストをシュランク(収縮)させて、レジストパターン27にテーパ28と異なる傾斜角のテーパ29を付けることができる。このとき、テーパ29を付けたくないような部分には、マスク上で解像限界以下のスリットパターンを入れ浅い、溝30を形成しておくことで、レジストシュランクを防ぐことが可能であり、1つの液室6内で流体抵抗を部分的にコントロールすることなどができる。
このように、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度を他の部位よりも大きく形成する部位に対向する位置のレジストパターンには露光マスク上で解像限界以下のスリットパターンを入れて、スリットパターンによりレジストパターン上に浅い溝を形成する構成とすることによって、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が1つの隔壁において変化している構成、或いは、複数の隔壁を備え、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が異なる複数種の隔壁を有する構成とする液体吐出ヘッドを容易に得ることができる。
図6に戻って、図6(d)に示すように、レジストパターン27をマスクとして隔壁10を含む液室形成部1Bとなる鍍金を50μm成膜する。その後、図6(e)に示すように、レジスパターン26、27を同時に除去する。そして、図6(f)に示すように、SUS基板25から成膜したNi膜シートを剥離し、このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行ってノズル液室基板1を完成する。なお、この熱処理は、前述した振動板基板2と同じでNi表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。
次に、アクチュエータ基板3の製作について図7を参照して説明する。図7(a)に示すように、積層圧電素子シート31をSUS基板15上に貼り付け、ダイシングブレードによって積層圧電素子シート31を分割して、図7(b)に示すように、アクチュエータ16となる部分と支柱部17となる部分を形成する。本実施形態では液室6を150DPIピッチ(169.3μmピッチ)で形成するため、アクチュエータ基板3の積層圧電素子シート31の切断は300DPIピッチ(84.65μmピッチ)で行っている。
上述したようにして製作した、ノズル液室基板1、振動板基板2、アクチュエータ基板3を組み立てることで液体吐出ヘッドを完成する。各基板1〜3に設けられたアライメントマークを用いてアライメントを行い、接着剤により各基板同士を接合する。本実施形態では、ノズル板と液室形成部材とを一体化したノズル液室基板としているので、接合回数は2回になってコスト低減を図れる。
また、隔壁を金属材料で形成し、傾斜面(テーパ)を付けて振動板側からノズル板部側に向かって連続的に狭くなる形状に形成しているので、ノズルの高密度化を図りつつ振動板側との接合面積を広くして接合強度を増すことができている。この場合、本実施形態のようにノズルを形成するノズル形成部材と液室を形成する液室形成部材とを一体形成することによって、ノズル側の隔壁幅を狭くしても接合不良の問題は発生せず、液室体積を広げることができ、またノズル基板と液室基板の接合工程も省けるのでコストの削減も図れる。
また、隔壁の幅が段階的に変化している場合は、隔壁の角部に気泡が溜まりやすく滴吐出特性に悪影響を及ぼすが、隔壁の幅が連続的に変化しているので、液室内で気泡が溜まったりすることがなく気泡排出性も良好な液室となる。
また、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が1つの隔壁において変化している構成とすることによって、液室の流体抵抗を部分的にコントロールすることができ、滴吐出効率に優れた液室を構成することができる。また、複数の隔壁を備える場合に、隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が異なる複数種の隔壁を有する構成とすることで、液室の隔壁と流体抵抗部の隔壁とを備えて、寸法精度の要求される流体抵抗部のみは隔壁の壁面を立てて形成することで形状精度を向上することなどもできる。
なお、上記実施形態においては、電解鍍金法により金属材料の鍍金膜を成膜して少なくとも液室及び隔壁を形成する液室基板をNi膜で形成しているが、これに限るものではない。例えば、Cu、Cr、Ag、W、Pt、Pd(パラジウム)、Rd(ロジウム)など、一般的に電解鍍金により成膜できる材料はこの工法に適用することが可能である。
また、成膜金属を電極としてさらその上に電解鍍金法により他の材料を成膜することができ、無電界鍍金に比べて成膜レートが高く、成膜材料の自由度も高い電解鍍金法により多層鍍金膜が形成できる。また、鍍金形成部品の表面に使用液滴に対して耐性の高い膜や硬度の高い金属や合金(Ni−W合金、Ni−パラジウム合金、白金、ロジウム、銀など)を鍍金法により表面に保護膜として成膜することも可能であり、これによりさらに信頼性をあげることができる。なお、表面保護膜は、金属膜に限らず、CVD法による樹脂膜や熱処理による金属酸化膜でも良い。
また、本実施形態のプロセスフローで行っているリソグラフィー法は半導体製造で使用されている工法と同じであり高い寸法精度でレジストパターニングを行うことが可能である。このレジストパターンをマスクにNi電鋳により製作する部品も高い寸法精度で製作できるため安定した性能の液滴吐出ヘッドが歩留まり良く製造することができる。また、本実施形態において説明した各種膜厚や条件はこれに限るものではない。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板51と、液室部材(液室基板)52と、振動板基板2と、アクチュエータ基板3とを積層接合して構成している。液室基板52はNi電鋳法を用いて形成したもので、この液室基板52上に樹脂製のノズル板51を接合している。
ここで、ノズル板51と液室基板52との組み立て部材の製作について図11を参照して説明する。
図11(a)に示すように、母材となるSUS基板60上にレジストを55μm塗布し、フォトリソグラフィ法により液室6及び隔壁10となる部分のパターニングを行ってレジストパターン61を形成する。このとき、露光・現像条件を最適化することにより隔壁10に傾斜(テーパ)が付くようにするのは前記第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法で説明したと同様である。
そして、図11(b)に示すようにレジストパターン61形成後のベークでレジスト内の溶剤を揮発させレジストをシュランク(収縮)させレジスト形状にテーパ63を付ける方法も前述したと同様である。その後、図11(c)に示すように、このレジストパターン61をマスクとして液室基板52となるNi鍍金を50μm成膜し、図11(d)に示すようにレジストパターンを除去する。なお、電鋳の成膜条件は前述したスルファミン酸Ni浴を用いた同条件で成膜する。
その後、図11(e)に示すように、成膜したNi膜シートを剥離し、このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行って液室基板52を完成する。
次いで、液室基板52上にポリイミドシート64を貼り付ける。ロールコーターを用いて液室基板51表面に接着剤を約2μm塗布し、真空ラミネータで張り合わせる。その後、図11(f)に示すように、エキシマレーザーによりポリイミドシート64にNi液室基板52側からノズル4を開ける。
このようにして製作したノズル板51と液室基板52とを接合した部材に、振動板基板2及びアクチュエータ基板3を、アライメントマークを用いてアライメントを行い、接着剤接合を行って液体吐出ヘッドを完成する。
本実施形態においては、ノズル板を樹脂(ここでは、ポリイミドシート)で構成しているので、ノズル加工を簡便なレーザー加工で行うことができる。
次に、本発明に係る液体収容容器について図12を参照して説明する。なお、図12は同液体収容容器の一例を示す斜視説明図である。
この液体収容容器90は、ノズル91を有する本発明に係る液体吐出ヘッド92と、この液体吐出ヘッド92に液体としての例えば記録液を供給する液体収容部93とを一体に備えている。
これによって、液室間隔壁と振動板の接合面積を十分に確保しながら、高密度化にも対応可能であり、かつ、低コストで、高い信頼性が得られる液体吐出ヘッドを備える液体収容容器を構成することができ、液体収容容器の低コスト化、高信頼性化を図ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置でもある本発明に係る画像形成装置の一例について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図14は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する独立した4個の本発明に係る液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成した記録ヘッド107を主走査方向に沿う方向に配置し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。なお、ここでは独立した液体吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108にはインク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体(用紙)112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された加圧コロ125A及び先端加圧コロ125Bとを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置されている。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、図14に示すように、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156を配置している。
この維持回復機156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット155内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構155側に移動されて、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能を維持する。
このようにこの画像形成装置においては本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備えるので、装置全体の低コスト化、高信頼性化を図れるとともに、高密度ノズル配置による高品質の画像を形成することができるようになる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置、液体吐出装置にも適用することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態を示す分解斜視図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの作用効果の説明に供する断面説明図である。 比較例のヘッドの作用説明に供する断面説明図である。 同ヘッドの振動板基板の製造工程の説明に供する断面説明図である。 同ヘッドのノズル液室基板の製造工程の説明に供する断面説明図である。 同ヘッドのアクチュエータ基板の製造工程の説明に供する説明図である。 (a)は同ヘッドの隔壁形成用パターンの説明に供する平面説明図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面説明図、(c)は(a)のB−B線に沿う断面説明図である。 (a)は同ヘッドの隔壁形成用パターンの他の例の説明に供する平面説明図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面説明図、(c)は(a)のB−B線に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態の説明に供する液室短手方向の断面説明図である。 同ヘッドのノズル板と液室基板とを接合した部材の製造工程の説明に供する断面説明図である。 本発明に係る液体収容容器の一例の説明に供する斜視説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。 同じく要部平面説明図である。
符号の説明
1…ノズル液室基板
1A…ノズル板
1B…液室部材
2…振動板基板
3…アクチュエータ基板
4…ノズル
6…液室
7…流体抵抗部
10…隔壁
12…振動板
16…アクチュエータ部
17…支柱部
103…キャリッジ
107…記録ヘッド

Claims (15)

  1. 液滴を吐出するノズルを有するノズル板と、前記ノズルに連通する液室を形成し隣接する液室を隔てる隔壁を有する液室部材と、前記液室内の液体に圧力を加える振動板とを備える液体吐出ヘッドにおいて、前記隔壁は金属材料で形成され、前記隔壁の少なくとも一部の厚みが振動板から離れるにしたがって連続的に薄くなっていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が45度よりも大きなことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が1つの隔壁において変化していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、複数の前記隔壁を備え、前記隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度が異なる複数種の隔壁を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記隔壁は電鋳法により形成され、前記隔壁にはNi、Cu、Cr、Ag、W、Pt、Rh及びPdのいずれかの金属を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板は導電性を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板は金属成分を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項7に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板は電鋳法により形成され、前記隔壁にはNi、Cu、Cr、Ag、W、Pt、Rh及びPdのいずれかの金属を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板と前記隔壁とが一体形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板は材質の異なる複数の層を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記隔壁は材質の異なる複数の層を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部とを一体に備えることを特徴とする液体収容容器。
  13. フォトレジストを用いた電鋳法により請求項3又は4に記載の液体吐出ヘッドを製造する液体吐出ヘッドの製造方法において、前記隔壁の壁面とノズルの形成された面とのなす角度を他の部位よりも大きく形成する部位、に対向する位置のレジストパターンには露光マスク上で解像限界以下のスリットパターンを入れて、前記スリットパターンによりレジストパターン上に浅い溝を形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 液体吐出ヘッドから液体を吐出させる液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし11のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  15. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置において、請求項1ないし11のいずれかに記載の液体吐出ヘッド又は請求項12に記載の液体収容容器を備えることを特徴とする画像形成装置。
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