JP2007230152A - ノズル板、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、液体収納容器及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電鋳工法によりノズル板を形成し、液室を構成する隔壁部材と接合する際に十分な接合性を得ることにより簡便な工法でノズル板を構成し、このノズル板を使用する液滴吐出ヘッド及びこれを搭載したインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】液滴を吐出する単一または複数のノズル孔9を有するノズル板14と、前記ノズル孔9のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁12と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板7とを備えている液滴吐出ヘッドに用いるノズル板において、その前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きい。
【選択図】図1
【解決手段】液滴を吐出する単一または複数のノズル孔9を有するノズル板14と、前記ノズル孔9のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁12と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板7とを備えている液滴吐出ヘッドに用いるノズル板において、その前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、液滴を吐出するノズル孔を有するノズル板、このノズル板を備えている液滴吐出ヘッド及びこの液滴吐出ヘッドを搭載する画像形成装置に関するものである。
インクジェット記録装置は、記録時の騒音が極めて小さいこと、高速印字が可能であること、インクの自由度が高く安価な普通紙を使用できることなど多くの利点を有している。
従来から、液滴吐出ヘッドを構成するインクジェットヘッドとして、加圧液室の壁面を構成する振動板のダイアフラム部を電気機械変換素子で変形させてインク液室(加圧液室)内のインクを加圧することによって、加圧液室に連通するノズル(インク吐出口)からインク滴を吐出するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
従来から、液滴吐出ヘッドを構成するインクジェットヘッドとして、加圧液室の壁面を構成する振動板のダイアフラム部を電気機械変換素子で変形させてインク液室(加圧液室)内のインクを加圧することによって、加圧液室に連通するノズル(インク吐出口)からインク滴を吐出するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1では、液室部材との接着性向上のためにノズル部材表面を微細な凹凸状の粗面とする方法が提案されている。電鋳工法によりノズル部材を製作する際、母材となる基板表面を薬品(酸)処理して微細な凹凸を付け(粗面化)、この凹凸に入り込んだレジストが完全に取りきれないように残すことでその表面に電析させるノズル部品表面も凹凸になるようにした方法が記載されている。
しかし、母材基板面内に均一にレジストを残すことは実際には困難であり、記載されている工法ではノズル板の両面に凹凸が形成されノズル板としてのインク吐出性能が不安定となる可能性が高く、またこれを具現化する為の工法にも無理があり現実的ではない。
しかし、母材基板面内に均一にレジストを残すことは実際には困難であり、記載されている工法ではノズル板の両面に凹凸が形成されノズル板としてのインク吐出性能が不安定となる可能性が高く、またこれを具現化する為の工法にも無理があり現実的ではない。
特許文献2では、ノズル、液室、振動板が一体形成されている。ノズル、液室一体形成の具体的工法の記載がなく、添付図面から推測すると2回のリソグラフィと電鋳処理によりノズルと液室を形成していると思われる。しかし、ノズル形状、液室形状ともに垂直な断面形状をしており、インクの吐出性能が不安定なヘッドとなっている。
また、そのインクジェットヘッドの製造方法においては、製造の過程でノズル、液室内を電鋳工法によってCuからなる犠牲層で埋める工程と、最終的にCuからなる犠牲層をエッチング法によって溶解する工程とを有している。
また、そのインクジェットヘッドの製造方法においては、製造の過程でノズル、液室内を電鋳工法によってCuからなる犠牲層で埋める工程と、最終的にCuからなる犠牲層をエッチング法によって溶解する工程とを有している。
特許文献3では、液室と振動板又は液室とノズルが電鋳金属で一体形成されている構成が提案されている。いずれの構成においても具体的な工法には触れられていないが、垂直形状の隔壁は高密度化において隔壁幅が狭くなっていくと電鋳層間の密着性が低下し、十分な密着強度が確保できず信頼性を十分に確保することが難しい。
特開2002−103615公報
特開平11−115182号公報
特開平11−105283号公報
しかしながら、上記従来技術では、それぞれに不都合があり、インク液室を有する材料との密着接合性を向上させたノズル形成部材を作製し、信頼性が高くかつ印字品質の良好な、インク漏れのない高密度インクジェットヘッドを提供するには問題があった。
そこで、本発明の目的は、電鋳工法によりノズル板を形成し、液室を構成する隔壁部材と接合する際に十分な接合性を得ることにより簡便な工法でノズル板を構成し、このノズル板を使用する液滴吐出ヘッド及びこれを搭載したインクジェット記録装置を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、電鋳工法によりノズル板を形成し、液室を構成する隔壁部材と接合する際に十分な接合性を得ることにより簡便な工法でノズル板を構成し、このノズル板を使用する液滴吐出ヘッド及びこれを搭載したインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板とを備えている液滴吐出ヘッドに用いるノズル板において、その前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きいノズル板を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板とを備えている液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板の前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きい液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板とを備えている液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板の前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きい液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記ノズル板が少なくとも2以上の複数の層から構成されている請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記ノズル板が電鋳工法により形成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記ノズル板がNi電鋳により形成されている請求項1乃至4のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記ノズル板及び前記隔壁が一体的に形成されている請求項1乃至5のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記ノズル板が電鋳工法により形成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記ノズル板がNi電鋳により形成されている請求項1乃至4のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記ノズル板及び前記隔壁が一体的に形成されている請求項1乃至5のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル板の成膜途中で電流密度ないしは光沢剤濃度を変化させて表面粗さを変化させる液滴吐出ヘッドの製造方法を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部を一体化した液体収納容器において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至6のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドである液体収納容器を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃6のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドである画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部を一体化した液体収納容器において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至6のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドである液体収納容器を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃6のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドである画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、液室側の表面粗さ>インク吐出面の表面粗さにより、接合面の表面積が大きくなり接合強度が上がる。裏面側の表面粗さは表面の表面粗さよりもある程度大きくすることで液室部材との接着の際、接着面積(表面積)を大きくすることができるので十分な接合強度を得ることが可能となる。このことによりこのノズル板を使用することで信頼性が高くかつ長期的に安定した性能を維持できる液滴吐出ヘッドを製作することができる。
また、電鋳工法により一体的にノズル板及び液室を形成する(接着層無しに連続的に形成する)際、簡便な工法でノズル板及び液室を構成する隔壁との密着強度を十分に確保し、これにより高密度化にも対応可能であり、かつ低コストで高信頼性かつ、高画質印字が可能な液滴吐出ヘッド、及びこの液滴吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を提供することが可能となる。
また、電鋳工法により一体的にノズル板及び液室を形成する(接着層無しに連続的に形成する)際、簡便な工法でノズル板及び液室を構成する隔壁との密着強度を十分に確保し、これにより高密度化にも対応可能であり、かつ低コストで高信頼性かつ、高画質印字が可能な液滴吐出ヘッド、及びこの液滴吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態における液滴吐出ヘッドを一部断面図で示している分解斜視図である。
本実施の形態は電鋳工法により形成したノズル板、液室を形成する流路(液室)基板、振動板及びPZTアクチュエータを組み合わせた液滴吐出ヘッドであり、インク液滴をアクチュエータ作成基板の表面側に設けたノズル孔から吐出させるフェースシュータタイプの例を示すものである。
図1において、基板1上には、ベースとなるSUS基板上に積層PZTアクチュエータ4及び液室固定柱5が交互に形成されている。基板2は振動板7となる薄い板状部が形成されている振動板基板であり、基板3は隔壁12を備え、液室(吐出室)11及び共通液室10が形成された液室基板であり、ノズル板であるノズル基板14には各液室に対応したノズル孔9が形成されている。
本実施の形態は電鋳工法により形成したノズル板、液室を形成する流路(液室)基板、振動板及びPZTアクチュエータを組み合わせた液滴吐出ヘッドであり、インク液滴をアクチュエータ作成基板の表面側に設けたノズル孔から吐出させるフェースシュータタイプの例を示すものである。
図1において、基板1上には、ベースとなるSUS基板上に積層PZTアクチュエータ4及び液室固定柱5が交互に形成されている。基板2は振動板7となる薄い板状部が形成されている振動板基板であり、基板3は隔壁12を備え、液室(吐出室)11及び共通液室10が形成された液室基板であり、ノズル板であるノズル基板14には各液室に対応したノズル孔9が形成されている。
図2は組み立てられた装置の一部を示す断面図である。図2では、便宜上、2つの吐出室のみ示してある。基板1は、ベースとなるSUS基板上に積層PZTアクチュエータ4及び液室固定柱5が形成されている。
図1に関連して上述したように、基板2は振動板7となる薄い板状部が形成されている振動板基板、基板3は隔壁12を備え、液室11及び共通液室が形成された液室基板であり、ノズル板14には各液室に対応したノズル孔9が形成されている。
図1に関連して上述したように、基板2は振動板7となる薄い板状部が形成されている振動板基板、基板3は隔壁12を備え、液室11及び共通液室が形成された液室基板であり、ノズル板14には各液室に対応したノズル孔9が形成されている。
図3は第1の実施の形態の液滴吐出ヘッドの作製手順を説明する断面図である。次に、作製方法、構成など実施例をあげて詳細に説明する。先ず、第1の実施の形態を図2及び図3、図4、図5を参照して説明する。
第1の実施の形態においてはNi電鋳法を用いて振動板基板2及び液室基板3及びノズル基板14を作成していく。先ずは、振動板基板2を製作する。母材となるSUS基板20上に振動板7となるNi薄膜7を電鋳工法を用いて成膜する(図3の(a))。
Ni薄膜7の膜厚は5μmとなるように電鋳鍍金条件を設定する。この時、母材となるSUS基板20表面に微細な凹凸を形成しておく。これによりNi薄膜7表面に微細な凹凸が転写され、後の組み立て工程で液室基板3との接合の際に接着剤のアンカ効果が得られることで十分な接合強度が得られるようになる。
第1の実施の形態においてはNi電鋳法を用いて振動板基板2及び液室基板3及びノズル基板14を作成していく。先ずは、振動板基板2を製作する。母材となるSUS基板20上に振動板7となるNi薄膜7を電鋳工法を用いて成膜する(図3の(a))。
Ni薄膜7の膜厚は5μmとなるように電鋳鍍金条件を設定する。この時、母材となるSUS基板20表面に微細な凹凸を形成しておく。これによりNi薄膜7表面に微細な凹凸が転写され、後の組み立て工程で液室基板3との接合の際に接着剤のアンカ効果が得られることで十分な接合強度が得られるようになる。
本発明の液滴吐出ヘッドはノズル基板14が電鋳法により形成されている。電鋳法はフォトリソグラフィ法を用いて、精度の高い版をレジストで形成しこれに対して金属材料を電析させるため精度の高い部品が安価に製作できる。これによりノズル寸法の安定化が可能であり、低コストの液滴吐出ヘッドが製作できる。
また、ここで使用する鍍金液は、膜応力が少ないスルファミン酸Ni液を用いており、スルファミン酸Ni(500g/L)、ホウ酸(30g/L)、1次及び2次光沢材(適量)、界面活性剤(適量)を加えた一般的に用いられている処方であり、Phは約4程度、液温は約50℃にコントロールされている。
また、ここで使用する鍍金液は、膜応力が少ないスルファミン酸Ni液を用いており、スルファミン酸Ni(500g/L)、ホウ酸(30g/L)、1次及び2次光沢材(適量)、界面活性剤(適量)を加えた一般的に用いられている処方であり、Phは約4程度、液温は約50℃にコントロールされている。
上記のように、本発明の液滴吐出ヘッドはノズル基板14がNi電鋳により形成されている。Ni電鋳には銅電鋳浴や硫酸ニッケル浴に比べて電着応力の低いスルファミン酸Ni浴が利用できる。
これにより高精度かつ反りの少ないノズル基板14を作成できる。また、厚膜形成時においても高速電鋳用高濃度スルファンミン酸浴を利用することで処理時間も短くできる。これにより信頼性の高い液滴吐出ヘッドが低コストで製作できる。
これにより高精度かつ反りの少ないノズル基板14を作成できる。また、厚膜形成時においても高速電鋳用高濃度スルファンミン酸浴を利用することで処理時間も短くできる。これにより信頼性の高い液滴吐出ヘッドが低コストで製作できる。
図3(a)において振動板7となるNi薄膜7を5μm厚さに成膜した後、振動板基板2上に膜厚20μmのレジスト21を塗布し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う(図3の(b))。このレジストパターンはPZTアクチュエータ4及び5と振動板基板2とを固定するための突起部6を形成するためのパターンである。
その後、レジストパターン21をマスクに突起部6となるNi6を25μm成膜(図3の(c))し、レジストパターン21を除去する(図3の(d))。SUS基板20から成膜したNi6、7を剥離し、このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行う(図3の(e))。この熱処理はNi6、7表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。
その後、レジストパターン21をマスクに突起部6となるNi6を25μm成膜(図3の(c))し、レジストパターン21を除去する(図3の(d))。SUS基板20から成膜したNi6、7を剥離し、このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行う(図3の(e))。この熱処理はNi6、7表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。
次に、ノズル基板14を製作する。母材となるSUS基板25上にレジスト膜26を1μm厚で塗布し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う(図3の(f))。このパターン26はインク吐出孔9を形成する部分に電鋳時のマスクとなるレジストが残るように形成されている。
このレジスト26をマスクとしてNi薄膜14を30μmの厚さで成膜する。成膜条件は先に述べたスルファミン酸Ni浴を用いた同条件で成膜する。Niはレジスト26面上にも等方的に成長するため、レジスト26面上(横方向に)にも29μm厚でせり出すように成膜され、吐出孔部9の形状が形成される(図4の(g))。
このレジスト26をマスクとしてNi薄膜14を30μmの厚さで成膜する。成膜条件は先に述べたスルファミン酸Ni浴を用いた同条件で成膜する。Niはレジスト26面上にも等方的に成長するため、レジスト26面上(横方向に)にも29μm厚でせり出すように成膜され、吐出孔部9の形状が形成される(図4の(g))。
本発明の液滴吐出ヘッドはノズル基板14が2以上の複数の層から構成されている。ノズル基板裏面側に表面粗さの大きな膜を成膜することでノズル基板裏面側(液室側)の表面粗さのみを個別に制御できる。
これによりノズル基板14と基板(液室部材)3との接着の際、接着面積(表面積)を大きくすることが容易となり十分な接合強度を得ることが可能となる。これにより信頼性の高い液滴吐出ヘッドを低コストで製作することができる。
さらに、先に述べた同一の鍍金浴で電流密度をあげた条件(1.5〜2倍)で約1μmのNi鍍金を成膜する。電流密度を上げることで、膜中への光沢剤の取り込み量が減り、白濁した表面粗さの大きな膜14aが成膜される(図4の(h))。その後、SUS基板25から成膜したNi14を剥離し、レジスト26をレジスト剥離液で除去する。
これによりノズル基板14と基板(液室部材)3との接着の際、接着面積(表面積)を大きくすることが容易となり十分な接合強度を得ることが可能となる。これにより信頼性の高い液滴吐出ヘッドを低コストで製作することができる。
さらに、先に述べた同一の鍍金浴で電流密度をあげた条件(1.5〜2倍)で約1μmのNi鍍金を成膜する。電流密度を上げることで、膜中への光沢剤の取り込み量が減り、白濁した表面粗さの大きな膜14aが成膜される(図4の(h))。その後、SUS基板25から成膜したNi14を剥離し、レジスト26をレジスト剥離液で除去する。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は電鋳工法で製作するノズル基板14の成膜途中で成膜条件を変化させ、その表面粗さを変化させることができる。新たな材料や工程を追加することなく、従来製法のまま処理条件を連続的に変化させることでノズル基板14の表面粗さを制御し、液室基板3との密着性を向上させることができる。これによって信頼性の高い液滴吐出ヘッドが低コストで製作できる。
このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行う(図4の(i))。この熱処理は先に述べた振動板基板2と同じでNi表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。
このようにノズル基板14を製作することによってインク吐出面側は母材のSUS基板25表面と同等の平滑な表面性が得られ、また、液室基板3との接合面側である裏面側は微細な凹凸を持った粗面とすることができる。これによりノズル基板14と液室基板3の接合面において接着剤のアンカ効果が得られ十分な接合強度を得ることが可能になる。
このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行う(図4の(i))。この熱処理は先に述べた振動板基板2と同じでNi表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。
このようにノズル基板14を製作することによってインク吐出面側は母材のSUS基板25表面と同等の平滑な表面性が得られ、また、液室基板3との接合面側である裏面側は微細な凹凸を持った粗面とすることができる。これによりノズル基板14と液室基板3の接合面において接着剤のアンカ効果が得られ十分な接合強度を得ることが可能になる。
次に、液室基板3を製作する。液室基板3はSUS板をプレス加工することによって形成する(図4の(j))。50μm厚のSUS板を液室形状に合わせた金型を用いて打ち抜き(プレス)加工を行い、液室基板3を製作する(図4の(k))。
次に、アクチュエータ基板1を製作する。アクチュエータ基板1は積層PZTシート29を母材となるSUS基板28上に貼り付け(図4の(l))、ダイシングブレード(図示せず)により縦に切断していく。
次に、アクチュエータ基板1を製作する。アクチュエータ基板1は積層PZTシート29を母材となるSUS基板28上に貼り付け(図4の(l))、ダイシングブレード(図示せず)により縦に切断していく。
本実施の形態では液室11が150DPIピッチ(169.3μmピッチ)で形成されているため、アクチュエータ基板1の積層PZTの切断は300dpiピッチ(84.65μmピッチ)で行われる(図5の(m))。300dpiのピッチで切断されたこれらのPZTシートを1つ置きに(交互に)駆動アクチュエータ4と液室固定柱5として利用する。
上記製法で作成したアクチュエータ基板1、振動板基板2、液室基板3及びノズル基板14を組み立てることで液滴吐出ヘッドを完成させる。各基板に設けられたアライメントマークを用いてアライメントを行い、接着剤により各基板同士を接合する(図5の(n))。
上記製法で作成したアクチュエータ基板1、振動板基板2、液室基板3及びノズル基板14を組み立てることで液滴吐出ヘッドを完成させる。各基板に設けられたアライメントマークを用いてアライメントを行い、接着剤により各基板同士を接合する(図5の(n))。
本実施の形態におけるノズル基板14及び振動板基板2は金属基板上に電解鍍金法により金属材料の鍍金膜を成膜した。本実施の形態では鍍金材料をNiとしているが、Cu、Cr、Ag、W、Pt、Pd(パラジウム)、Rd(ロジウム)などを含む一般的に電解鍍金により成膜できる材料はこの製法に適用することが可能である。
このノズルは金属であり、導電性の材料であるので、樹脂製のノズル等で起きるノズル面の帯電に起因する液滴吐出曲がりなどの異常も発生しにくい。
このノズルは金属であり、導電性の材料であるので、樹脂製のノズル等で起きるノズル面の帯電に起因する液滴吐出曲がりなどの異常も発生しにくい。
図6は組み立てられた全体装置を示す断面図である。図7は第2の実施の形態の液滴吐出ヘッドの作製手順を説明する断面図である。図6では、図2におけると同様に、便宜上、2つの吐出室のみ示してある。
第2の実施の形態を、図6及び図7、図8、図9を参照して説明する。本実施の形態においてはNi電鋳法を用いて振動板基板2及びノズル液室基板3を作成していく。先ずは、第1の実施の形態と同様の工程を経て振動板基板2を製作する(図7の(a〜e))(詳細は省略)。
第2の実施の形態を、図6及び図7、図8、図9を参照して説明する。本実施の形態においてはNi電鋳法を用いて振動板基板2及びノズル液室基板3を作成していく。先ずは、第1の実施の形態と同様の工程を経て振動板基板2を製作する(図7の(a〜e))(詳細は省略)。
次に、液室基板3を製作する。母材となるSUS基板25上にレジスト26を1μm厚に塗布し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う(図7の(f))。このパターンはインク吐出孔を形成する部分に電鋳時のマスクとなるレジスト26が残るように形成されている。
このレジスト26をマスクとしてNi薄膜14を30μm厚に成膜する。成膜条件は先に述べたスルファミン酸Ni浴を用いた第1の実施の形態と同条件で成膜する。Ni14はレジスト26上に等方的に成長するため、レジスト26上(横方向に)にも29μmせり出すように成膜され吐出孔部9の形状が形成される。
さらに、先に述べた同一の鍍金浴で電流密度をあげた条件(1.5〜2倍)で約1μmのNi鍍金を成膜する。電流密度を上げることで、膜中への光沢剤の取り込み量が減り、表面粗さの大きな膜が成膜される(図8の(g))。この上にさらにレジスト27を55μm塗布する(図8の(h))。
このレジスト26をマスクとしてNi薄膜14を30μm厚に成膜する。成膜条件は先に述べたスルファミン酸Ni浴を用いた第1の実施の形態と同条件で成膜する。Ni14はレジスト26上に等方的に成長するため、レジスト26上(横方向に)にも29μmせり出すように成膜され吐出孔部9の形状が形成される。
さらに、先に述べた同一の鍍金浴で電流密度をあげた条件(1.5〜2倍)で約1μmのNi鍍金を成膜する。電流密度を上げることで、膜中への光沢剤の取り込み量が減り、表面粗さの大きな膜が成膜される(図8の(g))。この上にさらにレジスト27を55μm塗布する(図8の(h))。
フォトリソグラフィ法により液室11及び隔壁12となる部分のパターニングを行う。レジスト27をマスクとしてNi鍍金を50μm成膜し(図8の(i))、その後、レジスト26及びレジスト27を同時に除去する(図8の(j))。SUS基板25から成膜したNiを剥離し、このNiシートを350℃のクリーンオーブン(空気雰囲気)内で、60分間熱処理を行い、液室基板3を得る(図8の(k))。
この熱処理は先に述べた振動板基板2と同じでNi表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。ここで2段階(2層)の電鋳めっきを行なう際に、めっき膜間の密着性が悪く膜浮き等の問題が発生することが多々ある。
この問題を改善し、膜間の密着性を向上するために、2層目めっき前の前処理として、塩酸処理やストライクめっき処理などが一般的に行なわれているが、工程数の増加や設備の増加により歩留り低下やコスト上昇を招いている。
この熱処理は先に述べた振動板基板2と同じでNi表面に酸化膜を形成し、インクに対するNi部品の安定性を高めるために行う処理である。ここで2段階(2層)の電鋳めっきを行なう際に、めっき膜間の密着性が悪く膜浮き等の問題が発生することが多々ある。
この問題を改善し、膜間の密着性を向上するために、2層目めっき前の前処理として、塩酸処理やストライクめっき処理などが一般的に行なわれているが、工程数の増加や設備の増加により歩留り低下やコスト上昇を招いている。
本実施の形態においては1層目めっき後に同一めっき浴中で表面粗さの異なる膜を表面に薄く成膜することで2層目めっきの密着性を向上させており、2層目めっき前の前処理を不要にしている。
また、本実施の形態では2層目めっきを所望の膜厚分のみ成膜する方法を述べたが所望膜厚+α成膜してCMP研磨法やバイト切削法により所望の膜厚まで削り戻すことで平坦な表面を得る方法も有効である。さらに、第1の実施の形態と同様の工程を経てアクチュエータ基板1を製作する(図8の(l)、図9の(m))(詳細は省略)。
上記製法で作成したアクチュエータ基板1、振動板基板2、ノズル液室基板3を組み立てることで液滴吐出ヘッドを完成させる。基板毎にアライメントを行い、各基板同士を張り合わせる(図9の(n))。
また、本実施の形態では2層目めっきを所望の膜厚分のみ成膜する方法を述べたが所望膜厚+α成膜してCMP研磨法やバイト切削法により所望の膜厚まで削り戻すことで平坦な表面を得る方法も有効である。さらに、第1の実施の形態と同様の工程を経てアクチュエータ基板1を製作する(図8の(l)、図9の(m))(詳細は省略)。
上記製法で作成したアクチュエータ基板1、振動板基板2、ノズル液室基板3を組み立てることで液滴吐出ヘッドを完成させる。基板毎にアライメントを行い、各基板同士を張り合わせる(図9の(n))。
本発明の液滴吐出ヘッドはノズル基板14及び液室隔壁12が一体形成されている。これによりノズル基板14と液室基板3の接合工程が不要になり、接合不良による歩留まり低下や工程削減が可能であり、低コストの液滴吐出ヘッドが製作できる。
また、成膜金属を電極として、さらその上に電解鍍金法により他の材料を成膜することができ、無電界鍍金に比べて成膜レートが高く、成膜材料の自由度も高い電解鍍金法により多層鍍金膜が形成できる。
鍍金形成部品の表面に使用液滴(インク)に対して耐性の高い膜や硬度の高い金属や合金(Ni−W合金、Ni−パラジウム合金、白金、ロジウム、銀等)を鍍金法により表面に保護膜として成膜することも可能であり、これによりさらに信頼性をあげることができる。表面保護膜は金属に限らず、CVD法による樹脂膜や熱処理による金属酸化膜でも良い。
また、成膜金属を電極として、さらその上に電解鍍金法により他の材料を成膜することができ、無電界鍍金に比べて成膜レートが高く、成膜材料の自由度も高い電解鍍金法により多層鍍金膜が形成できる。
鍍金形成部品の表面に使用液滴(インク)に対して耐性の高い膜や硬度の高い金属や合金(Ni−W合金、Ni−パラジウム合金、白金、ロジウム、銀等)を鍍金法により表面に保護膜として成膜することも可能であり、これによりさらに信頼性をあげることができる。表面保護膜は金属に限らず、CVD法による樹脂膜や熱処理による金属酸化膜でも良い。
第1及び第2の実施の形態で説明したプロセスフローで行っているリソグラフィ法は半導体製造で使用されている工法と同じであり、高い寸法精度でレジストパターニングを行うことが可能である。
また、ここで使用したスルファミン酸Ni電鋳浴は低応力のNi膜の成膜が可能であり、各種添加剤の添加により膜質の制御もし易いため安定した膜質の成膜が可能である。
このレジストパターンをマスクにスルファミン酸Ni電鋳により製作する部品も高い寸法精度で製作できるため安定した性能の液滴吐出ヘッドが歩留まり良く製造することができる。また、本実施の形態において述べた各種膜厚や条件はこれに限るものではない。
また、ここで使用したスルファミン酸Ni電鋳浴は低応力のNi膜の成膜が可能であり、各種添加剤の添加により膜質の制御もし易いため安定した膜質の成膜が可能である。
このレジストパターンをマスクにスルファミン酸Ni電鋳により製作する部品も高い寸法精度で製作できるため安定した性能の液滴吐出ヘッドが歩留まり良く製造することができる。また、本実施の形態において述べた各種膜厚や条件はこれに限るものではない。
本発明のノズル板14においては、ノズル板表面側(液滴吐出側)の表面粗さよりも、ノズル板裏面側(液室側)の表面粗さの方が大きく作られている。表面側の表面粗さは十分に小さく作られており、表面撥水層を形成して撥水性能を付与する際に、撥水性能が長期にわたり維持され易く、また、印字の際、ノズル表面に付着した不要なインク(液滴)をワイパーブレードで拭き取る際に拭き取り易く、インク(液滴)の安定した吐出性能を長期にわたり維持できる性能を有している。
さらに、裏面側の表面粗さは表面の表面粗さよりも或る程度大きくすることで液室部材(液室基板)3との接着の際、接着面積(表面積)を大きくすることができるので十分な接合強度を得ることが可能となる。このことによりこのノズル基板14を使用することで信頼性が高くかつ長期的に安定した性能を維持できる液滴吐出ヘッドを製作することができる。
さらに、裏面側の表面粗さは表面の表面粗さよりも或る程度大きくすることで液室部材(液室基板)3との接着の際、接着面積(表面積)を大きくすることができるので十分な接合強度を得ることが可能となる。このことによりこのノズル基板14を使用することで信頼性が高くかつ長期的に安定した性能を維持できる液滴吐出ヘッドを製作することができる。
図10は本発明に係るインクカートリッジを示す外観図である。次に、本発明に係るインクカートリッジ(液体収納容器)について図10を参照して説明する。このインクカートリッジ30は、ノズル9等を有する上記各実施の形態のいずれかのインクジェットヘッド31と、このインクジェットヘッド31に対してインクを供給するインクタンク(液体収容部)30aとを一体化したものである。
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの低コスト化、信頼性向上は、直ちにインクカートリッジ全体の低コスト化、信頼性向上に繋がるので、上述したように低コスト化、高信頼性化、製造不良低減することで、インクカートリッジの歩留まり、信頼性が向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの低コスト化、信頼性向上は、直ちにインクカートリッジ全体の低コスト化、信頼性向上に繋がるので、上述したように低コスト化、高信頼性化、製造不良低減することで、インクカートリッジの歩留まり、信頼性が向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
図11は本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置を示す斜視図である。図12は図11のインクジェット記録装置の機構部を示す側面図である。次に、本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置について図11、12を参照して説明する。
このインクジェット記録装置(画像形成装置)32は、本体内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ33、このキャリッジ33に搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド34、この記録ヘッド34へインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部35等を収納している。
インクジェット記録装置本体32の下方部には前方側から多数枚の用紙36を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)37を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙36を手差しで給紙するための手差しトレイ38を開倒することができる。
給紙カセット37或いは手差しトレイ38から給送される用紙36を取り込み、印字機構部35によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ39に排紙する。
このインクジェット記録装置(画像形成装置)32は、本体内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ33、このキャリッジ33に搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド34、この記録ヘッド34へインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部35等を収納している。
インクジェット記録装置本体32の下方部には前方側から多数枚の用紙36を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)37を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙36を手差しで給紙するための手差しトレイ38を開倒することができる。
給紙カセット37或いは手差しトレイ38から給送される用紙36を取り込み、印字機構部35によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ39に排紙する。
印字機構部35は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド40と従ガイドロッド41とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持している。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ33には記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ42を交換可能に装着している。
インクカートリッジ42は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド34へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド34へ供給されるインクを僅かな負圧に維持している。また、インクジェット記録ヘッドとしてここでは各色の記録ヘッド34を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の記録ヘッドでもよい。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ33には記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ42を交換可能に装着している。
インクカートリッジ42は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド34へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド34へ供給されるインクを僅かな負圧に維持している。また、インクジェット記録ヘッドとしてここでは各色の記録ヘッド34を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の記録ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ33は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド40に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド41に摺動自在に載置している。
そして、このキャリッジ33を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ43で回転駆動される駆動プーリ44と従動プーリ45との間にタイミングベルト46を張装し、このタイミングベルト46をキャリッジ33に固定しており、主走査モータ43の正逆回転によりキャリッジ33が往復動される。
一方、給紙カセット37にセットした用紙36を記録ヘッド34の下方側に搬送するために、給紙カセット37から用紙36を分離給装する給紙ローラ47及びフリクションパッド48と、用紙36を案内するガイド部材49と、給紙された用紙36を反転させて搬送する搬送ローラ50を備えている。
そして、このキャリッジ33を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ43で回転駆動される駆動プーリ44と従動プーリ45との間にタイミングベルト46を張装し、このタイミングベルト46をキャリッジ33に固定しており、主走査モータ43の正逆回転によりキャリッジ33が往復動される。
一方、給紙カセット37にセットした用紙36を記録ヘッド34の下方側に搬送するために、給紙カセット37から用紙36を分離給装する給紙ローラ47及びフリクションパッド48と、用紙36を案内するガイド部材49と、給紙された用紙36を反転させて搬送する搬送ローラ50を備えている。
さらに、かかる搬送ローラ50の周面に押し付けられる搬送コロ51及び搬送ローラ50からの用紙36の送り出し角度を規定する先端コロ52を設けている。搬送ローラ50は副走査モータ53(図11)によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ33の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ50から送り出された用紙36を記録ヘッド34の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材54を設けている。
この印写受け部材54の用紙搬送方向下流側には、用紙36を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ55、拍車56を設け、さらに用紙36を排紙トレイ39に送り出す排紙ローラ57及び拍車58と、排紙経路を形成するガイド部材59、60とを配設している。
記録時には、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙36にインクを吐出して1行分を記録し、用紙36を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙36の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙36を排紙トレイ39に排紙する。
そして、キャリッジ33の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ50から送り出された用紙36を記録ヘッド34の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材54を設けている。
この印写受け部材54の用紙搬送方向下流側には、用紙36を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ55、拍車56を設け、さらに用紙36を排紙トレイ39に送り出す排紙ローラ57及び拍車58と、排紙経路を形成するガイド部材59、60とを配設している。
記録時には、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙36にインクを吐出して1行分を記録し、用紙36を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙36の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙36を排紙トレイ39に排紙する。
また、キャリッジ33の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド34の吐出不良を回復するための回復装置61(図11)を配置している。回復装置61はキャップ手段、吸引手段、及びクリーニング手段を有している。
キャリッジ33は印字待機中にはこの回復装置61側に移動され、記録ヘッド34をキャッピング手段でキャッピングし、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
キャリッジ33は印字待機中にはこの回復装置61側に移動され、記録ヘッド34をキャッピング手段でキャッピングし、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド34の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。
これにより吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上し、製造不良が減少し、低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施の形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド(スポッタ)などの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。
これにより吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上し、製造不良が減少し、低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施の形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド(スポッタ)などの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。
図10乃至図12では動作原理を簡単に述べたが、第1及び第2の実施の形態に示した製造方法、構成も図10乃至図12のインクジェット記録装置に適用することもできる。また、第1及び第2の実施の形態に記載した膜厚等の数値はこれに限ったものではない。
7 振動板、9 ノズル孔(ノズル)、11 液室、12 隔壁、14 ノズル板(ノズル基板)、30 液体収納容器、30a 液体収容部、32 インクジェット記録装置(画像形成装置)、34 液滴吐出ヘッド、Ra 吐出室側の表面粗さ
Claims (9)
- 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板とを備えている液滴吐出ヘッドに用いるノズル板において、前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きいことを特徴とするノズル板。
- 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室を形成する隔壁と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板とを備えている液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板の前記吐出室側の表面粗さ(Ra)が液滴吐出面側の表面粗さよりも大きいことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズル板は少なくとも2以上の複数の層から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズル板は電鋳工法により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズル板はNi電鋳により形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズル板及び前記隔壁が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項4又は5に記載の液滴吐出ヘッドを製造する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル板の成膜途中で電流密度ないしは光沢剤濃度を変化させて表面粗さを変化させることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体収容部を一体化した液体収納容器において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至6のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体収納容器。
- 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至6のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP (1) | JP2007230152A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011173319A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
WO2017057063A1 (ja) * | 2015-09-28 | 2017-04-06 | 京セラ株式会社 | ノズルプレート、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置 |
-
2006
- 2006-03-02 JP JP2006056967A patent/JP2007230152A/ja active Pending
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