JPH10157149A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH10157149A
JPH10157149A JP34057796A JP34057796A JPH10157149A JP H10157149 A JPH10157149 A JP H10157149A JP 34057796 A JP34057796 A JP 34057796A JP 34057796 A JP34057796 A JP 34057796A JP H10157149 A JPH10157149 A JP H10157149A
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jet recording
recording head
liquid jet
substrate
ink
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JP34057796A
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Junichi Kobayashi
順一 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一基板上に形成されたサイズや形状の異な
る複数の液体噴射記録ヘッドを精度良く分離分割するこ
とができる記録ヘッドの製造方法を実現する。 【解決手段】 〈100〉面または〈110〉面の結晶
方位をもつSiウエハー1を基板として、その上に複数
個の液体噴射記録ヘッドとしての機能素子及び液滴飛翔
構造4を形成し、その裏面の耐エッチングマスク層3を
フォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現
像)により所定の分離パターン7を形成するようにパタ
ーニングし、パターニングされた分離パターンからSi
ウエハー1をSi異方性エッチングして、所定の分離の
幅Woをもって、個々の液体噴射記録ヘッドに分離分割
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液吐出口から
記録液(インク)を液滴として吐出する液体噴射記録方
式に用いられる記録液小滴を発生させるための液体噴射
記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方式(インクジェット記録
方式)に用いられる液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
な記録液吐出口(オリフィス)、液流路及び該液流路に
配設された液体吐出エネルギー発生部を複数備えてお
り、液体噴射記録ヘッドにおいては、高品位の記録画像
を得るために、記録液吐出口から吐出される記録液小滴
をそれぞれの吐出口から常に同じ体積をもって同じ吐出
速度で吐出することができる形式が好ましく、特開平4
−10940号公報、特開平4−10941号公報及び
特開平4−10942公報に開示されているように、イ
ンク吐出圧力発生素子(電気熱変換素子)に記録情報に
対応して駆動信号を印加し、電気熱変換素子にインクの
核沸騰を越える急激な温度上昇を与える熱エネルギーを
発生させ、インク内に気泡を形成させて、この気泡を外
気と連通させてインク液滴を吐出させる記録方法及び液
体噴射記録ヘッドが知られている。
【0003】そして、この種の高品位の記録画像を得る
ための液体噴射記録ヘッドにおいては、電気熱変換素子
とインク液吐出口との距離が吐出するインク液滴の容量
を決定するものであって、この電気熱変換素子とインク
液吐出口との距離を可能な限り短くすることが望まれて
いるところであり、この距離を短くしてかつ正確に再現
よく設定することが必要である。
【0004】ところで、このような液体噴射記録ヘッド
の製造方法としては、種々の方式が採用されている。し
かしながら、記録ヘッドを個々に製造する方式では生産
性及び品質管理の面から好ましくなく、また図4に図示
するように、記録ヘッド22をウエハー21を基板とし
てその上に多数配列して作成し、これらを最終工程直前
の工程において個々の記録ヘッドに分離するという製造
方式も知られており、個々に分離する手段としては、半
導体製造方法において一般に用いられているダイシング
法による機械切断加工が採用されている(例えば、特開
平2−212162号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このダ
イシング法による切断分離は、基板を切削することによ
り切削粉を発生させるために、この切削粉に起因するご
みや汚れによる不良が懸念され、ごみや汚れを除去する
ための洗浄工程を必要とする。このために、記録ヘッド
をウエハー基板に多数配列して作成し、最終的にダイシ
ング法による切断分離加工を用いる液体噴射記録ヘッド
の製造方式は、記録ヘッドを同時に多数作成できるとは
いえ、工程数を増加させ、品質や信頼性においても満足
できるものではなかった。
【0006】さらに、ダイシング法による切断分離は、
図4に図示するように、その切断分離ラインが直線状で
あるために、個々に分離して完成される液体噴射記録ヘ
ッドは四角形状で同一サイズのものを配列しなければな
らず、基板に多数の記録ヘッドをレイアウトする際に碁
盤目状に配列することを必要とし、レイアウトの面で制
約を受け、サイズの異なる記録ヘッドを同時に作成する
ことができなかった。
【0007】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決の課題に鑑みてなされたものであって、同一基板
上に多数配列された液体噴射記録ヘッドを、基板から個
々の液体噴射記録ヘッドに分離する際に、精度良く、か
つ生産性、品質、信頼性の高い液体噴射記録ヘッドの製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】さらに、同一基板上にサイズや形状の異な
る多数の液体噴射記録ヘッドを同時に配置することがで
き、そして基板上への液体噴射記録ヘッドの配置・配列
(レイアウト)において、従来技術のような制約がな
く、任意にレイアウトすることができ、基板を無駄なく
使用することを可能とし、かつ製造コストを安価にする
ことができる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、Siウ
エハーを基板とし、その上に液体噴射記録ヘッドとして
のインク吐出圧力発生素子や電極等の機能素子及びイン
ク流路、インク液室、インク供給部等のインク液滴飛翔
構造を多数個形成した後に、個々の記録ヘッド単位に分
離して作成する液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
て、Si基板として〈100〉面または〈110〉面の
結晶方位をもつSiウエハーを用い、該Siウエハー上
に液体噴射記録ヘッドとしての機能素子及びインク液滴
飛翔構造を形成した後に、Si異方性エッチング法によ
って個々に分離することを特徴とする。
【0010】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法
は、Si異方性エッチングによる分離をインク供給口の
形成と同時に行なうことが好ましく、また、Si異方性
エッチングの開始面を液体噴射記録ヘッドの機能素子が
形成された面の反対側面から行なうことが好ましい。
【0011】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法は、Si異方性エッチングの停止層が、液体噴射
記録ヘッドの機能素子が形成された面側に形成されてい
ることが好ましく、また、Si異方性エッチングの停止
層が、機能素子を保護するための保護機能層を兼用する
ことが好ましい。
【0012】
【作用】〈100〉面または〈110〉面の結晶方位を
もつSiウエハーを基板として、その上に複数個の液体
噴射記録ヘッドとしてのインク吐出圧力発生素子や電極
等の機能素子およびインク流路やインク液室等の液滴飛
翔構造を形成し、そして、Si異方性エッチングの特性
を利用して、Siウエハーを個々の記録ヘッドに分離分
割するものであって、サイズや形状の異なる種々の記録
ヘッドを作成することができ、洗浄等の特別な工程を必
要とすることなく、量産性に優れている。
【0013】Si異方性エッチングによる個々の記録ヘ
ッドの分離分割と同時に個々の記録ヘッドのインク供給
口をも形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法の各工程を示す模式的断面図であり、図2は本発
明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に基づいて製造され
た液体噴射記録ヘッドの一例の模式的断面図である。
【0015】図2に図示する単一の液体噴射記録ヘッド
において、1は〈100〉面の結晶方位をもつSiウエ
ハーを基板として用いて、Si異方性エッチングによっ
てSiウエハーから分割された単一のSi基板であり、
その基板1には、インク供給口10がSi異方性エッチ
ングによって同時に形成されており、基板1の一面には
インク吐出圧力発生素子やそれらを駆動する信号を伝達
する電極等からなる機能素子(図示しない)、及びその
耐久寿命を向上させるための保護膜2を備え、さらにそ
の保護膜2にはノズル11及び吐出口12が形成されて
いる。
【0016】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法
は、このような構造をもつ単一の記録ヘッドを、基板と
しての〈100〉面または〈110〉面の結晶方位をも
つSiウエハーに多数個作成し、その後にSi異方性エ
ッチングの特性を利用してそれらを個々に分離分割して
単一の記録ヘッドを製造するものである。
【0017】以下、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法を図1に図示する各工程にしたがって詳細に説明す
る。
【0018】〈100〉面または〈110〉面の結晶方
位をもつSiウエハーを基板1として用い、その上に所
望のサイズや形状を有する多数の記録ヘッドを、各ヘッ
ドを分離するための分離幅を考慮して、レイアウトする
(図3にその一例を図示する)。なお、図1に図示する
実施例においては、基板1として、〈100〉面の結晶
方位をもつSiウエハーを用いている。
【0019】図3に図示するように所望のレイアウトに
沿って、各記録ヘッドとしてのインク吐出圧力発生素子
や電極等からなる機能素子(図示しない)を所定の数だ
けそれぞれ配置して形成する。そして機能素子にはその
耐久寿命を向上させるための保護膜2を形成する。この
保護膜2は、後述するSi異方性エッチングによりSi
基板をエッチングする際のエッチング停止層として機能
させるために、保護膜の材質としては、SiNまたはS
iO2 が好ましい。
【0020】そして、記録ヘッドの機能素子が形成され
ていない反対側の面(以下、単に「裏面」という。)に
保護膜2と同様のSiNまたはSiO2 を全面的に成膜
して、膜3とする。なお、裏面に成膜する膜3として
は、後述するSi異方性エッチングの際の耐エッチング
マスクとして機能させるためのものであって、Cr、M
o、W、Au、Pt等の金属膜とすることもできるが、
後述するように工程管理の面から、保護膜2と同じ材質
を用いることが好ましく、SiNを用いた場合にはその
膜厚が約1μmとなるように成膜する。
【0021】次に、記録ヘッドのノズル及び吐出口形成
部4を保護膜2に形成する(図1の(a)参照)。
【0022】これらは、通常のフォトリソグラフィー技
術を用いて従来の手法と同様に形成することができる。
【0023】次に、所望のパターンを設けたフォトマス
クを用いて、Si基板の裏面に形成されたSiN膜をフ
ォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)
によりパターニングして、フォトマスクに設けたパター
ンと相似のレジストパターン8を形成する(図1の(b
〜c)参照)。即ち、Si基板の裏面にフォトレジスト
5を塗布し(図1の(b)参照)、その後、所望のイン
ク供給口部パターンと個々の記録ヘッドに分離するため
の分離パターンを設けたフォトマスクを用いて露光して
現像する。かくしてフォトマスクに設けたパターンと相
似のインク供給口部パターン6と分離パターン7を備え
たレジストパターン8が形成される(図1の(c)参
照)。
【0024】なお、ここでフォトマスクの分離パターン
の幅及びレジストパターンの分離パターン7の幅Wmに
ついては後述するように記録ヘッドの所望の分離幅Wo
に基づいて算出することができる。また露光に際して
は、機能素子が形成されている表面と裏面を正確に位置
合わせすることが必要であって、本発明者は、フォトレ
ジスト5としてOFPR−800(東京応化工業)を約
2μm塗布し、機能素子が形成された表面のパターンを
認識して位置合わせが可能な露光装置を用いて所定のフ
ォトマスクを位置合わせして紫外線露光を行ない、前記
レジストを専用現像液にて所定の方法で現像を行なっ
た。
【0025】そして、このように形成されたレジストパ
ターン8を耐エッチングマスクとして、SiN膜3をエ
ッチングする(図1の(d)参照)。このエッチング方
法は公知のWetエッチング方法またはDryエッチン
グ方法によりエッチングすることができ、本発明者はD
ryエッチング方法により反応ガスとしてCF4 、O2
の混合ガスを用いてRIE(リアクティブイオンエッチ
ング)装置を使用した。
【0026】なお、SiN膜のパターニングに用いたレ
ジストは、通常は次工程で不要であるために剥離される
のが一般的であるけれども、ポジ型レジストを用いた場
合にはレジストは次工程のSi異方性エッチングの際に
エッチングと同時に除去することができることから、特
に剥離する必要はない。
【0027】次に、パターニングされたSiN膜3を耐
エッチングマスクとして、Si異方性エッチングを行な
う。エッチング液としては、一般に知られているTMA
H、KOH、NaOH等のアルカリ性エッチング液を用
い、この加熱した浴液にSi基板を浸漬させる。エッチ
ング液の濃度や加熱温度を適宜設定して最適なエッチン
グ速度やエッチング面の平滑性を得ることができる。
【0028】かくして、Si異方性エッチングされるS
i基板は、裏面からエッチングが進行し、表面側のSi
N膜(保護膜)2に達した段階でエッチングが完了する
(図1の(e)参照)。ここで、ノズル及び吐出口形成
部4が形成された表面側がSi異方性エッチングのエッ
チング液に対して耐性がない場合には、表面側を保護す
るための保護層を予め設けておくか、適当な治具等を用
いるべきである。
【0029】Si異方性エッチングが完了した後に、表
面のSiN膜2を、前記したSiNパターニングに用い
た方法と同様のDryエッチング方法により裏面側から
エッチングすることにより、個々のインクジェット記録
ヘッドが所定の分離幅Woによって分離分割され、分離
されたインクジェット記録ヘッドが多数得られる。この
際にインク供給口10も同時にエッチングされて、ノズ
ル11及び吐出口12と貫通する。
【0030】なお、表面側のSiN膜2のエッチングに
関連して、裏面のSiN膜3の膜厚を表面側のSiN膜
2の膜厚と等しくするか、または裏面のSiN膜3の膜
厚を若干厚く形成しておくことによって、先にエッチン
グ処理を行なう裏面のSiN膜3の除去状態を監視する
ことで、その後の裏面側から異方性エッチングにより露
出した表面側のSiN膜2の除去状態が判断可能とな
り、その工程管理を効率良く行なうことが可能となる。
【0031】また、レジストパターンの分離パターン7
の幅Wmやフォトマスクの分離パターンの幅について
は、Siウエハーにレイアウトされた複数の記録ヘッド
を個々の記録ヘッドに分離分割するための分離幅をWo
(例えば、約50μm)としたときに、レジストパター
ンの分離パターン7の幅Wmやフォトマスクの分割パタ
ーンの幅は、次のように算出して適宜設計することがで
きる。〈100〉面の結晶方位をもつSiウエハーは、
異方性エッチングによってV字状または逆台形状の開口
が形成されるために、Si異方性エッチングにおいて周
知の計算式
【0032】
【数1】 から、分離パターン7の幅Wmを算出することができ、
このWmに基づいて、レジストパターンやフォトマスク
の分離パターンを設計することができる。
【0033】以上の実施例においては、Si基板とし
て、〈100〉面の結晶方位をもつSiウエハーを用い
ているが、〈110〉面の結晶方位をもつSiウエハー
を用いても同様の手法によって記録ヘッドを分離するこ
とができる。ただ、〈110〉面の結晶方位をもつSi
ウエハーは、Si異方性エッチングによってほぼ垂直な
形状の開口幅が得られる点で相違し、レジストパターン
やフォトマスクは、その形状に対応した分離パターンや
インク供給口部パターンを設定したものを用いることと
なる。
【0034】本発明の製造方法は、Si基板として、
〈100〉面及び〈110〉面の結晶方位のいずれのも
のも用いることができるが、両者は異方性エッチング後
の分離端面及びインク供給口の形状において相違し、そ
れらは所望の形状に応じて適宜選択して用いることがで
きる。
【0035】このように、本発明の液体噴射記録ヘッド
の製造方法は、Si異方性エッチングの特性を利用し
て、基板としてのSiウエハーをSi異方性エッチング
することによって、従来のようなダイシング法により切
断分離することなく、多数のインクジェット記録ヘッド
を精度よく製造することができる。
【0036】次に、本発明の製造方法によって製造され
た液体噴射記録ヘッドを搭載した液体噴射記録装置につ
いて図5に基づいて説明する。
【0037】本発明の製造方法によって製造された液体
噴射記録ヘッドと同様の記録ヘッド103とインク容器
とを接合した記録ヘッドユニットを搭載したキャリッジ
101は、ガイド軸104および螺旋溝105aをもつ
リードスクリュ105に案内され、キャリッジ101上
には、インク容器カセット102を装着することが可能
である。
【0038】リードスクリュ105は、正逆回転する駆
動モータ106によって歯車列106a,106b,1
06c,106dを介して正逆回転され、その螺旋溝1
05aに先端部が係合したキャリッジ101に設けられ
ているピン(図示せず)を介してキャリッジ101を矢
印方向および反矢印方向へ往復移動させる。駆動モータ
106の正逆回転の切換は、キャリッジ101がホーム
ポジションにあることをキャリッジ101に設けられた
レバー115とフォトカプラ116とで検出することに
より行なう。
【0039】他方、被記録媒体である記録紙109は、
プラテン107に押え板108によって押圧され、紙送
りモータ110によって駆動される紙送りローラ(図示
せず)によって記録ヘッドに対向するように搬送され
る。
【0040】回復ユニットは、記録ヘッド103の吐出
口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除去し
て、吐出特性を正規の状態に維持するために設けられた
ものである。回復ユニットは、吸引手段(図示せず)に
連通されたキャップ部材113を有し、記録ヘッド10
3の吐出口をキャッピングして吸引することにより、吐
出口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除去す
る。また、回復ユニットとプラテン107の間には、案
内部材112に案内された記録ヘッド103の吐出口面
の走行経路上に向けて前進、後退するクリーニングブレ
ード114が配設されており、該クリーニングブレード
114の先端で前記吐出口面に付着した異物やインク滴
をクリーニングできるように構成されている。
【0041】本発明の製造方法によって製造された液体
噴射記録ヘッドは、特にインクジェット記録方式の中で
熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行な
うインクジェット記録方式において優れた効果をもたら
すものである。
【0042】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明による記録ヘ
ッドはこれらの基本的な原理を用いて行なうものが好ま
しい。この記録方式は所謂オンデマンド型、コンティニ
ュアス型のいずれにも適用可能である。
【0043】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換素子に、記録情報に対応して記
録液(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じ
る様な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの
駆動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。
このように記録液(インク)から電気熱変換素子に付与
する駆動信号に一対一的に対応した気泡を形成できるた
め、特にオンデマンド型の記録法には有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出孔を介して記録液(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた記録液
(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパル
ス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359
号明細書、同第4345262号明細書に記載されてい
るようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度
上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細
書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記
録を行なうことができる。
【0044】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
素子を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のにも本発明は有効である。
【0045】加えて、複数の電気熱変換素子に対して、
共通するスリットを電気熱変換素子の吐出口とする構成
を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネル
ギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成
を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた
構成を有するものにおいても本発明による記録ヘッドは
有効である。
【0046】さらに、本発明の製造方法によって製造さ
れた液体噴射記録ヘッドとしては、記録装置が記録可能
である記録媒体の最大幅に対応した長さのフルラインタ
イプの記録ヘッドがある。このフルラインヘッドは、上
述した明細書に開示されているような記録ヘッドを複数
組み合わせることによってフルライン構成にしたもの
や、一体的に形成された一個のフルライン記録ヘッドで
あっても良い。
【0047】また、本発明の製造方法によって製造され
た液体噴射記録ヘッドを搭載した液体噴射記録装置に、
記録ヘッドに対する回復手段や予備的な補助手段を付加
することは、記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換素子或はこれとは
別の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モード手段を
付加することも安定した記録を行なうために有効であ
る。
【0048】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明による記録ヘッドは極めて有効
である。
【0049】本発明による記録ヘッドにおいて、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0050】さらに加えて、本発明による記録ヘッドを
搭載したインクジェット記録装置の形態としては、コン
ピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであってよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体噴射
記録ヘッドの製造方法は、〈100〉面または〈11
0〉面の結晶方位をもつSiウエハーを基板として用い
て、基板上に多数配列された記録ヘッドを、Si異方性
エッチングの特性を利用して、個々に分離して単一の記
録ヘッドを作成するものであって、従来のようにダイシ
ング法により切断分離するものではないので、洗浄等の
特別な工程を付加する必要がなく、同一基板にサイズや
形状の異なる複数の記録ヘッドを配列して、精度良く、
容易に分離することができ、量産性に優れた安価な液体
噴射記録ヘッドを提供することができ、さらに、同一基
板上に個々の液体噴射記録ヘッドを任意なレイアウトで
配列可能であり、基板の効率的な使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の各工
程を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に基づ
いて製作された液体噴射記録ヘッドの一例の模式的断面
図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
てSiウエハー上に任意のサイズや形状のものをレイア
ウトした状態を示すSiウエハーの模式図である。
【図4】従来の記録ヘッドの製造方法において、ダイシ
ング方法による分離状態を示す模式図である。
【図5】本発明の製造方法によって製造された液体噴射
記録ヘッドを搭載した液体噴射記録装置を示す模式的斜
視図である。
【符号の説明】
1 Siウエハー(基板) 2 保護膜(SiN) 3 耐エッチングマスク層(SiN) 4 ノズル及び吐出口形成部 5 フォトレジスト 6 インク供給口部パターン 7 分離パターン 8 レジストパターン 10 インク供給口 11 ノズル 12 吐出口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siウエハーを基板とし、その上に液体
    噴射記録ヘッドとしてのインク吐出圧力発生素子や電極
    等の機能素子及びインク流路、インク液室、インク供給
    部等のインク液滴飛翔構造を多数個形成した後に、個々
    の記録ヘッド単位に分離して作成する液体噴射記録ヘッ
    ドの製造方法において、Si基板として〈100〉面ま
    たは〈110〉面の結晶方位をもつSiウエハーを用
    い、該Siウエハー上に液体噴射記録ヘッドとしての機
    能素子及びインク液滴飛翔構造を形成した後に、Si異
    方性エッチング法によって個々に分離することを特徴と
    する液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 Si異方性エッチングによる分離をイン
    ク供給口の形成と同時に行なうことを特徴とする請求項
    1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 Si異方性エッチングの開始面を液体噴
    射記録ヘッドの機能素子が形成された面の反対側面から
    行なうことを特徴とする請求項1または2記載の液体噴
    射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 Si異方性エッチングの停止層が、液体
    噴射記録ヘッドの機能素子が形成された面側に形成され
    ていることを特徴とする請求項3記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 Si異方性エッチングの停止層が、機能
    素子を保護するための保護機能層を兼用することを特徴
    とする請求項4記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 〈100〉面または〈110〉面の結晶
    方位をもつSiウエハーを基板として用い、基板の一面
    に、液体噴射記録ヘッドとしてのインク吐出圧力発生素
    子や電極等の機能素子を形成して、その上に保護膜、さ
    らにノズル及び吐出口を形成し、基板の他面に耐エッチ
    ングマスクとして機能する膜を成膜して、所望のパター
    ンからなるフォトマスクを用いてフォトリソグラフィフ
    ィー技術によりレジストパターンを形成して、エッチン
    グを行ない、パターニングされた膜を耐エッチングマス
    クとして、Si異方性エッチングを、Si基板の一面側
    の保護膜に達するまで行ない、そしてSi基板の一面側
    の保護膜をエッチングして、各液体噴射記録ヘッドを分
    離するようになしたことを特徴とする液体噴射記録ヘッ
    ドの製造方法。
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