JP2003071288A - 飽和炭化水素酸化触媒 - Google Patents

飽和炭化水素酸化触媒

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JP2003071288A
JP2003071288A JP2001261274A JP2001261274A JP2003071288A JP 2003071288 A JP2003071288 A JP 2003071288A JP 2001261274 A JP2001261274 A JP 2001261274A JP 2001261274 A JP2001261274 A JP 2001261274A JP 2003071288 A JP2003071288 A JP 2003071288A
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oxide
catalyst
powder
noble metal
oxidation catalyst
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Akira Morikawa
彰 森川
Akihiko Suda
明彦 須田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温域における飽和HCの酸化活性をさらに向上
させ、高温耐久性も向上させる。 【解決手段】触媒金属が担持された第1酸化物と、第1
酸化物より疎水性が高い第2酸化物と、を含む。担体へ
の水蒸気の近接が抑制されるため触媒金属への吸着が抑
制され、活性点の減少の抑制により飽和HCを効率よく酸
化して浄化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飽和炭化水素を酸
化して分解する触媒に関する。本発明の触媒は、自動車
排ガスの浄化、工場排ガスの浄化などに有用であり、酸
化浄化が困難とされているメタンの酸化浄化にも用いる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】炭化水素(以下HCという)の中でもオレ
フィン系HCは比較的酸化されやすいが、飽和HC類はオレ
フィン系HCに比べて酸化されにくく、中でもメタンは特
に酸化浄化されにくい。そこでメタンを浄化できる触媒
の開発が進められ、触媒金属としてパラジウム(Pd)が
有効であることがわかっている。そして例えば特開平11
−137998号公報には、アルミナ担体にPdと、Ru,Ir及び
Cuから選ばれる少なくとも一種が担持された、メタン浄
化能を示す触媒が開示されている。また特開平7-053976
号公報には、PdとCoの共沈物を触媒金属として用いたメ
タン酸化触媒が開示されている。
【0003】さらに特開2001−149787号公報には、貴金
属を担持した触媒層を含むゼオライトを主成分とし、さ
らに超高疎水性材料を含む触媒が開示されている。この
触媒によれば、排ガスが低温時に排出されるHC,CO,NO
x を、中でも特にHCを効率よく浄化することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
手段を用いても、低温域の排ガスにおけるHCの浄化はま
だ不十分であり、特に低温域においてメタンに対する浄
化活性が低いという問題があるため、さらなる低温活性
化の向上が求められている。
【0005】例えば特開平11−137998号公報に開示され
た触媒では、 700℃以上の高温耐久試験を行うとPdが大
きく粒成長し、活性の劣化が著しいという問題がある。
【0006】また特開平7-053976号公報に開示の触媒で
は、担体を用いていないためPdとCoの共沈物中の粒子が
粗大化し、とりわけ耐久試験後の活性低下が大きいとい
う不具合がある。また同公報には、共沈物にバインダー
を加えてスラリー状とし、ハニカム形状のアルミナ、マ
グネシア、コージェライトなどの耐火性基材に塗布して
から使用してもよいと記載されている。しかしこの場合
もPdとCoの共沈物は基材表面に乗っている状態であり、
酸化物担体上に担持されている状態ではないため、基材
と共沈物との間の相互作用が弱く粗大化による耐久試験
後の活性低下が著しい。
【0007】そして従来の触媒におけるメタンなどの飽
和HCの酸化反応においては、水蒸気とNOx の共存雰囲気
において触媒の活性が大きく低下することが明らかとな
っている。これは、水蒸気やNOx が触媒金属に吸着し、
これによって触媒金属の活性点が減少することに起因し
ていると考えられる。
【0008】特開2001−149787号公報に開示された触媒
では、超高疎水性材料を含んでいるため水蒸気による触
媒金属への吸着は抑制できると考えられる。しかしゼオ
ライトは一般に強い固体酸性を有しているため、NOx
触媒金属への吸着被毒を抑制することは困難であり、こ
のため飽和HCを効率よく酸化浄化することは困難であっ
た。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、低温域における飽和HCの酸化活性をさらに
向上させ、高温耐久性も向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の飽和HC酸化触媒の特徴は、触媒金属が担持された第
1酸化物と、第1酸化物より疎水性が高い第2酸化物
と、を含むことにある。第1酸化物より固体塩基性が高
い第3酸化物をさらに含むことが望ましく、第2酸化物
が第3酸化物を兼ねることが好ましい。また第2酸化物
は、全酸化物中に1〜50重量%含有されていることが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の飽和HC酸化触媒では、触
媒金属を担持した第1酸化物より疎水性が高い第2酸化
物を含んでいる。これにより水蒸気の近接が抑制される
ため触媒金属への吸着が抑制され、活性点の減少の抑制
により飽和HCを効率よく酸化して浄化することができ
る。またさらに第1酸化物より固体塩基性が高い第3酸
化物を含めば、NOx が第3酸化物に一時的に吸着できる
ため、NOx の触媒金属への吸着が抑制され、活性点の減
少の抑制により飽和HCをさらに効率よく酸化して浄化す
ることができる。
【0012】なお本発明にいう疎水性及び固体塩基性は
相対的なものであり、第2酸化物は第1酸化物より疎水
性が高ければ用いることができ、第3酸化物は第1酸化
物より固体塩基性が高ければ用いることができる。
【0013】第1酸化物としては、 Al2O3,ZrO2,Si
O2,TiO2,CeO2,MgO などから選ばれる一種又は複数種
混合して用いることができる。あるいはこれらから選ば
れる複数種の複合酸化物を用いてもよい。比表面積が大
きく耐熱性にも優れているγ-Al2O3(活性 Al2O3)が特
に好ましい。そして第1酸化物の比表面積は40m2/g以
上であることが望ましい。比表面積がこれより小さくな
ると、活性が低くなってメタンなどの酸化が困難とな
る。
【0014】第1酸化物として中実状の酸化物を用いて
もよいが、特開平11−314035号公報に開示されているよ
うな中空状酸化物を用いることが好ましい。中空状酸化
物を触媒金属の担体として用いれば、担体層内部へのガ
ス拡散性が向上し、かつ中空粒子内部を反応場として利
用できるため、担持されている触媒金属とガスとの接触
確率が向上し活性がさらに向上する。
【0015】また第2酸化物は第1酸化物より疎水性が
高いものであり、SiO2,TiO2, MgO, CaO,ZrO2などの
超高疎水性酸化物から選ばれる一種又は複数種混合して
用いることができる。あるいはこれらから選ばれる複数
種の複合酸化物を用いてもよい。
【0016】さらに第3酸化物は第1酸化物より固体塩
基性が高いものであり、 MgO, MgAl2O4,CeO2,Y2O3
Nd2O3,ZrO2などから選ばれる一種又は複数種混合して
用いることができる。あるいはこれらから選ばれる複数
種の複合酸化物を用いてもよい。
【0017】第1酸化物と第2酸化物は、同一酸化物を
用いることもできるし、別の酸化物から構成してもよ
い。また第2酸化物と第3酸化物も、同一酸化物を用い
てもよいし、別の酸化物から構成してもよい。しかしな
がら第1酸化物と第3酸化物は、NOx を第3酸化物に一
時的に吸着して第1酸化物との近接を抑制する必要性か
ら、それぞれ別の酸化物とする必要がある。
【0018】例えば第2酸化物に MgOあるいはZrO2を用
いる場合には、これらは固体塩基性を有する第3酸化物
でもあるので、第1酸化物は MgOあるいはZrO2より固体
酸性の強い Al2O3,TiO2などを用いることが必要であ
る。
【0019】疎水性を有する第2酸化物は、全酸化物中
に1〜50重量%含有されていることが望ましい。さらに
第3酸化物を含む場合には、第2酸化物と第3酸化物の
合計が全酸化物中に1〜50重量%とする。第1酸化物以
外の酸化物の含有量が全酸化物の1重量%未満では混合
した効果が発現されず、50重量%を超えて混合すると第
1酸化物の量が相対的に減少するために活性が低下して
しまう。
【0020】また第1酸化物,第2酸化物,及び第3酸
化物を含む場合には、第2酸化物と第3酸化物の重量比
は第2酸化物:第3酸化物= 0.2: 0.8〜 0.8: 0.2と
することが好ましい。重量比がこの範囲から外れると、
疎水性と固体塩基性のバランスが崩れていずれか一方の
特性が低下するために触媒金属の活性が低下してしま
う。
【0021】触媒金属はPd,Pt,Rh,Au及びIrから選ば
れる少なくとも一種の貴金属とすることができる。この
うち一種でもよいし複数種類を担持することもできる。
中でも飽和HCの酸化活性が特に高いPdが最も望ましい。
【0022】また遷移金属を複合担持することも好まし
い。貴金属と遷移金属を複合担持することにより、互い
の粒成長を抑制し合うため活性が向上するとともに高温
耐久性が向上する。また一部の貴金属と遷移金属とが複
合体を形成すると考えられ、貴金属の熱安定性が向上す
る。
【0023】さらに遷移金属は貴金属に比べ酸化物の安
定性が高く、貴金属酸化物が分解するような高温域では
遷移金属酸化物は格子酸素を放出するため、遷移金属酸
化物が貴金属近傍に存在することにより貴金属上に活性
酸素を供給でき、活性種である貴金属酸化物を安定化さ
せ、HCの酸化活性を維持できる。
【0024】この遷移金属はFe,Co,Ni,Sn,Mo,W,
Zn,V,Nb,Ta及びCrから選ばれる少なくとも一種であ
り、このうち一種でもよいし複数種類を担持することも
できる。中でもFe,Co,Ni及びSnから選ばれる少なくと
も一種が特に活性が高い。
【0025】貴金属の担持量は少しでも担持されていれ
ばそれなりの活性が認められるが、触媒全体の 0.5〜15
重量%の範囲とすることが望ましい。貴金属の担持量が
この範囲より少ないと飽和HCの酸化活性が低すぎて実用
的でなく、この範囲より多く担持しても活性が飽和する
とともにコスト面で不具合が生じる。
【0026】また遷移金属の担持量は、貴金属に対して
原子比で 0.1〜20倍の範囲とすることが望ましい。貴金
属に対して原子比で 0.1倍未満では担持した効果が得ら
れず活性が低く、貴金属に対して原子比で20倍を超えて
担持すると活性種である貴金属を被覆し貴金属の活性が
低下する不具合がある。
【0027】貴金属及び遷移金属を第1酸化物に担持す
るには、貴金属化合物の溶液及び遷移金属化合物の溶液
を用いて、従来の貴金属の担持法と同様に行うことがで
きる。例えば両溶液の混合物を第1酸化物粉末に含浸さ
せて担持する共含浸担持法、あるいは貴金属化合物溶液
又は遷移金属化合物溶液の一方を第1酸化物粉末に含浸
させた後、他方の溶液を含浸させる逐次含浸担持法など
を利用することができる。また場合によっては吸着担持
法を利用することも可能である。中でも共含浸担持法を
用いることが望ましい。これにより貴金属と遷移金属と
が接触した状態で担持される確率が高くなると考えら
れ、逐次含浸担持法に比べて高い活性が発現される。
【0028】貴金属を担持する場合には、貴金属を含む
化合物の溶液とヒドラジンを接触させることで還元反応
によって貴金属を析出させて担持する方法を用いること
も好ましい。この方法によれば、貴金属をさらに微細な
粒子として担持することができ、高温耐久性が一層向上
する。この方法を利用する場合、貴金属化合物溶液中に
第1酸化物を混合しておき、そこへヒドラジンを加えて
撹拌すれば、還元反応によって貴金属を第1酸化物上に
担持することができる。遷移金属はその後に担持すれば
よい。また予め遷移金属が担持された第1酸化物を貴金
属化合物溶液中に混合し、そこへヒドラジンを添加して
貴金属を担持することもできる。また貴金属化合物と遷
移金属化合物の混合溶液に第1酸化物を加えた後に、ヒ
ドラジンを加えてもよい。
【0029】なお還元剤はヒドラジンに限定されず、ヒ
ドラジン以外にも水素化ホウ素ナトリウム、リチウムア
ルミニウムハイドレート、ホルムアルデヒド,アセトア
ルデヒドなどのアルデヒド類、フルクトース,マルトー
スなどの還元性糖類(アルドース)、エタノールなども
用いることができる。
【0030】上記のようにして担持された貴金属は10nm
未満の微細な状態で第1酸化物に担持されている。そし
て遷移金属が近接して担持されているため互いの粒成長
が抑制され、例えば 800℃で5時間加熱する耐熱試験後
にも20nm程度となるだけであって、高温耐久後にも高い
活性を示す。
【0031】第3酸化物には、NOx の吸着を防止するた
めに貴金属あるいは遷移金属が担持されていない構成と
することが望ましいが、第2酸化物にはIr,Ni,Co,M
o,及びMnから選ばれる少なくとも一種を担持すること
もできる。このような金属を担持することにより、第1
酸化物上のPdへの水蒸気による被毒をより抑制でき、飽
和HCの酸化活性がさらに向上する場合がある。この第2
酸化物に担持される触媒金属の担持量は、触媒全体の50
重量%以下の範囲とすることが望ましい。触媒金属の担
持量がこの範囲より多くなると、飽和HCの酸化の活性点
となるPdの量が減少し、活性が低下する場合がある。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0033】(実施例1)市販の活性 Al2O3粉末(第1
酸化物)90重量部を用意し、所定濃度の硝酸パラジウム
水溶液の所定量を含浸後に蒸発乾固し 500℃で1時間焼
成して、Pdを5重量部担持したPd/ Al2O3粉末を調製し
た。このPd/ Al2O3粉末の全量と、 MgO粉末(第2酸化
物)10重量部を混合し、所定量の硝酸アルミニウム,擬
ベーマイト,純水を加えてスラリーを調製した。
【0034】そしてコージェライト製ハニカム基材( 3
5cm3,セル密度 400/in2 )を用意し、上記スラリーを
ウェットコートし 500℃で1時間焼成してコート層を形
成した。コート層の形成は必要に応じて複数回行い、ハ
ニカム基材1Lあたり 105gのコート層を形成した。コ
ート層にはPdが約5g担持されている。
【0035】(実施例2)市販の活性 Al2O3粉末(第1
酸化物)50重量部を用意し、所定濃度の硝酸パラジウム
水溶液の所定量を含浸後に蒸発乾固し 500℃で1時間焼
成して、Pdを5重量部担持したPd/ Al2O3粉末を調製し
た。このPd/ Al2O3粉末の全量と、 MgO粉末(第2酸化
物)50重量部を混合し、所定量の硝酸アルミニウム,擬
ベーマイト,純水を加えてスラリーを調製した。
【0036】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0037】(実施例3)市販の活性 Al2O3粉末(第1
酸化物)75重量部を用意し、所定濃度の硝酸パラジウム
水溶液の所定量を含浸後に蒸発乾固し 500℃で1時間焼
成して、Pdを5重量部担持したPd/ Al2O3粉末を調製し
た。このPd/ Al2O3粉末の全量と、 MgO粉末(第2酸化
物)25重量部を混合し、所定量の硝酸アルミニウム,擬
ベーマイト,純水を加えてスラリーを調製した。
【0038】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0039】(実施例4)実施例1と同様のPd/ Al2O3
粉末の全量と、ZrO2粉末(第2酸化物)10重量部を混合
し、所定量の硝酸アルミニウム,擬ベーマイト,純水を
加えてスラリーを調製した。
【0040】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0041】(実施例5)実施例1と同様のPd/ Al2O3
粉末の全量と、CeO2粉末(第2酸化物)10重量部を混合
し、所定量の硝酸アルミニウム,擬ベーマイト,純水を
加えてスラリーを調製した。
【0042】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0043】(実施例6)実施例1と同様のPd/ Al2O3
粉末の全量と、 MgAl2O4粉末(第2酸化物)10重量部を
混合し、所定量の硝酸アルミニウム,擬ベーマイト,純
水を加えてスラリーを調製した。
【0044】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0045】(実施例7)活性アルミナ粉末に代えて中
空アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にし
てスラリーを調製した。このスラリーを用い、実施例1
と同様のハニカム基材に同様にコート層を形成した。ハ
ニカム基材1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pd
は約5g担持されている。
【0046】なお中空アルミナ粉末は以下のようにして
調製した。
【0047】市販の硝酸アルミニウム9水和物を脱イオ
ン水に溶解させて作製した 0.1〜2モル/Lの硝酸アル
ミニウム水溶液を水相とした。
【0048】一方、有機溶媒には市販のケロシンを用
い、分散剤(太陽化学(株)製「サンソフトNo.818H
」)をケロシンに対して5〜10重量%添加して油相と
した。
【0049】水相と油相を、水相/油相=40〜70/60〜
30(体積%)となるように混合し、ホモジナイザを用い
て1000〜20000rpmの回転数で5〜30分間攪拌することに
より、W/O型エマルジョンを得た。なお、光学顕微鏡
観察の結果から、上記のエマルジョン中の水滴径は、約
1〜2μmであった。
【0050】上記で作製したW/O型エマルジョンを、
特開平11−314035号公報に開示の装置にて噴霧燃焼さ
せ、油相を燃焼させるとともに酸化物粉末を形成した。
この合成は、噴霧したエマルジョンが完全燃焼し、かつ
火炎温度が 650〜 750℃の一定温度になるように、エマ
ルジョンの噴霧流量、空気量(酸素量)などを制御した
状態で行った。
【0051】得られたアルミナ粉末は多数の内部空間を
もつ中空状をなし、その中空殻の厚さは10nmである。ま
たこの中空アルミナ粉末の一次粒子径は 500nmであり、
比表面積は55m2/gであった。一次粒子径は粉末SEM
像から50個の粒子の粒径を測定し、その平均値から求め
た。比表面積はBET法で測定した。
【0052】(実施例8)実施例1と同様のPd/ Al2O3
粉末の全量と、SiO2粉末(第2酸化物)10重量部を混合
し、所定量の硝酸アルミニウム,擬ベーマイト,純水を
加えてスラリーを調製した。
【0053】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0054】(実施例9)実施例1と同様のPd/ Al2O3
粉末の全量と、TiO2粉末(第2酸化物)10重量部を混合
し、所定量の硝酸アルミニウム,擬ベーマイト,純水を
加えてスラリーを調製した。
【0055】このスラリーを用い、実施例1と同様のハ
ニカム基材に同様にコート層を形成した。ハニカム基材
1Lあたり 105gのコート層が形成され、Pdは約5g担
持されている。
【0056】(比較例1)実施例1と同様のPd/ Al2O3
粉末の全量と、所定量の硝酸アルミニウム,擬ベーマイ
ト,純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを
用い、実施例1と同様のハニカム基材に同様にコート層
を形成した。ハニカム基材1Lあたり95gのコート層が
形成され、Pdは約5g担持されている。
【0057】<試験・評価>実施例及び比較例の各触媒
をそれぞれ評価装置に配置し、表1に示すモデルガスを
リーンガス2分/リッチガス2分、空間速度SV=10,000h
-1の条件で交互に流通させながら、1000℃で5時間保持
する耐久試験を行った。
【0058】そして耐久試験後の各触媒について、表2
に示すリーン定常モデルガスを空間速度SV=85,000h-1
の条件で流通させながら室温から12℃/分の昇温速度で
550℃まで昇温し、その間メタンの浄化率を連続的に測
定した。そしてメタンの50%浄化温度を算出し、結果を
表3に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】実施例1〜9と比較例1との比較から、各
実施例の触媒は耐久試験後もメタンを低温域から浄化で
きていることがわかり、これは疎水性を有する第2酸化
物を含有した効果であることが明らかである。
【0063】また実施例1と実施例3の比較より、第1
酸化物と第2酸化物の混合比には最適値があり、第2酸
化物を50重量%以下とするのが好ましいことがわかる。
【0064】さらに実施例1,実施例4〜9の比較か
ら、第2酸化物の疎水性あるいは固体塩基性度の違いに
よってメタンの酸化活性が異なることもわかり、最適値
があることが示唆される。
【0065】そして実施例1と実施例7との比較より、
Pdが担持される第1酸化物としては、中実 Al2O3より中
空アルミナの方が好ましいことが明らかである。
【0066】
【発明の効果】すなわち本発明の飽和HC酸化触媒によれ
ば、高温耐久後もメタンに代表される飽和HCを低温域か
ら効率よく酸化浄化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G091 AA02 AB02 BA01 BA15 GA06 GB01W GB05W GB06W GB07W GB10X GB17X 4D048 AA18 AB03 BA01X BA03X BA07X BA08X BA18Y BA19X BA20X BA31X BA41X BA42X BB02 4G069 AA03 BA01A BA01B BA02B BA04B BA05B BA06A BA06B BA13B BA20A BA20B BA47A BB02A BB06A BB06B BC05A BC10A BC16A BC22A BC33A BC35A BC40A BC43A BC43B BC44A BC51A BC54A BC55A BC56A BC59A BC60A BC66A BC67A BC68A BC69A BC71A BC72A BC72B BC74A BC75A CA02 CA03 CA10 CA15 EA19 FC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒金属が担持された第1酸化物と、該
    第1酸化物より疎水性が高い第2酸化物と、を含むこと
    を特徴とする飽和炭化水素酸化触媒。
  2. 【請求項2】 前記第1酸化物より固体塩基性が高い第
    3酸化物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載
    の飽和炭化水素酸化触媒。
  3. 【請求項3】 前記第2酸化物が前記第3酸化物を兼ね
    ることを特徴とする請求項2に記載の飽和炭化水素酸化
    触媒。
  4. 【請求項4】 前記第2酸化物は MgO, MgAl2O4,Ce
    O2,Y2O3, Nd2O3,及びZrO2から選ばれる少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項1に記載の飽和炭化水
    素酸化触媒。
  5. 【請求項5】 前記第2酸化物は、全酸化物中に1〜50
    重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載
    の飽和炭化水素酸化触媒。
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