JP2002166172A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
排ガス浄化用触媒Info
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Abstract
させる。 【解決手段】担体基材1と、担体基材1の表面に形成さ
れたメタン浄化触媒層2と、メタン浄化触媒層2の表面
に形成された疎水性コート層3と、から構成した。排ガ
ス中の H2Oは疎水性コート層3によってブロックされ、
メタン浄化触媒層2に近接するのが抑制されるため、 H
2Oによる被毒が抑制される。
Description
いられる排ガス浄化用触媒に関し、詳しくは低温域にお
けるメタンの浄化活性に特に優れた排ガス浄化用触媒に
関する。
が問題となり、二酸化炭素の排出量を低減することが課
題となっている。自動車においても排ガス中の二酸化炭
素量の低減が課題となり、燃料を酸素過剰雰囲気で希薄
燃焼させるリーンバーンエンジンが開発されている。こ
のリーンバーンエンジンによれば、燃費の向上により二
酸化炭素の排出量を抑制することができる。
は酸素過剰の燃料リーン条件で燃焼させ、間欠的に燃料
ストイキ〜リッチ条件とすることにより排ガスを還元雰
囲気としてNOx を還元浄化するシステムが開発され、実
用化されている。そしてこのシステムに最適な触媒とし
て、燃料リーン雰囲気でNOx を吸蔵し、吸蔵されたNO x
を燃料ストイキ〜リッチ雰囲気で放出するNOx 吸蔵材
を用いたNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒が開発され
ている。
のアルカリ土類金属とPtをγ-Al2O3などの多孔質酸化物
担体に担持した排ガス浄化用触媒が提案されている。ま
た特開平 6-31139号公報には、Kなどのアルカリ金属と
Ptをγ-Al2O3などの多孔質酸化物担体に担持した排ガス
浄化用触媒が提案されている。さらに特開平5-168860号
公報には、Laなどの希土類元素とPtをγ-Al2O3などの多
孔質酸化物担体に担持した排ガス浄化用触媒が提案され
ている。
比を燃料リーン側からパルス状に燃料ストイキ〜リッチ
側となるように制御することにより、排ガスもリーン雰
囲気からパルス状にストイキ〜リッチ雰囲気となる。し
たがって、リーン側ではNOxがNOx 吸蔵材に吸蔵され、
それがストイキ〜リッチ側で放出されて排ガス中に多量
に含まれる炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの還
元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンエン
ジンからの排ガスであってもNOx を効率良く浄化するこ
とができる。また排ガス中のHC及びCOは、貴金属により
酸化されるとともにNOx の還元にも消費されるので、HC
及びCOも効率よく浄化される。
域にあると、NOx 吸蔵還元型触媒に担持されている貴金
属の活性化温度に達するまでは、HCの浄化が困難である
という不具合がある。そこでHCの浄化活性に優れ低温域
からHCを浄化できるHC浄化触媒を、NOx 吸蔵還元型触媒
の上流側に、特に排ガス温度が高いエンジン直下に配置
することが行われている。このようなタンデム配置とす
ることで、低温域においてはHC浄化触媒でHCが浄化でき
るのでHCの排出が抑制される。またHCの酸化による熱が
排ガスによってNOx 吸蔵還元型触媒に伝えられるため、
NOx 吸蔵還元型触媒の昇温が向上し早期に触媒活性が発
現されるという効果もある。
してHCの酸化活性が高くリーン雰囲気においても劣化が
少ない、パラジウム(Pd)を担持したものが多く用いら
れている。
HC浄化触媒は、特に低温域において排ガス中のメタンに
対する浄化活性が低いという問題がある。したがって他
のHCを浄化できてもメタンを浄化できないために、低温
域におけるHCの浄化率に限界があり、さらなるHC浄化活
性の向上が求められている。
ものであり、低温域におけるメタンの浄化活性をさらに
向上させることを目的とする。
明の排ガス浄化用触媒の特徴は、担体基材と、担体基材
の表面に形成されたメタン浄化触媒層と、メタン浄化触
媒層の表面に形成された疎水性コート層と、よりなるこ
とにある。
した触媒からなることが望ましい。また疎水性コート層
は、ゼオライトの結晶が成長してなるゼオライト膜であ
ることが望ましい。このゼオライト膜は、メタン浄化触
媒層上にゼオライトの前駆体を析出させた後にゼオライ
ト結晶を成長させることで形成されることが望ましい。
さらに疎水性コート層はシリカライトからなることが望
ましく、疎水性コート層の厚さは20〜80μmであること
が望ましい。
によるメタンの浄化挙動について鋭意研究した結果、排
ガス中の H2Oが悪影響を与えていることを見出した。例
えば図1に示すように、 排ガス中にH2Oが存在すると、
H2Oが存在しない場合に比べて低温域におけるメタン浄
化活性が大きく低下し、 300℃以下ではメタンを浄化す
ることが困難である。
体に吸着しにくい種であるが、 H2Oが存在すると H2Oが
Pdあるいは担体に吸着することでメタンの吸着がさらに
阻害され、益々吸着しにくくなるのが原因であると考え
られる。
面に疎水性コート層を形成している。疎水性コート層は
疎水性であるために、排ガス中の H2Oは疎水性コート層
によってブロックされ、メタン浄化触媒層に近接するの
が抑制される。したがってメタン浄化触媒層が H2Oで被
毒されるのが抑制され、疎水性コート層を拡散したメタ
ンはメタン浄化触媒層に到達して効率よく浄化される。
ィエライトあるいはメタルなどから形成されたハニカム
基材など、従来用いられているものを用いることができ
る。
りなる担体に貴金属を担持したものが例示される。多孔
質酸化物としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、
シリカ、セリア、シリカ−アルミナなどが例示され、貴
金属としてはPt、Rh、Pd、Ir、Ruなどが例示される。中
でもアルミナにPdを担持した触媒が特にメタンの浄化活
性が高く、かつPdはリーン雰囲気でも粒成長しにくいの
で、好ましく用いられる。多孔質酸化物及び貴金属は、
例示したうちの一種でもよいし複数種類を併用すること
もできる。
は、触媒1リットル当たり 0.1〜50gとすることができ
る。特にアルミナにPdを担持したメタン浄化触媒におい
ては、Pdの担持量を触媒1リットル当たり1〜10gとす
るのが望ましい。貴金属の担持量が上記範囲より少ない
とメタンの浄化活性が低くて実用的でなく、上記範囲を
超えて担持しても浄化活性が飽和するとともにコストが
高騰する。
当たり50〜 200g形成することが好ましい。メタン浄化
触媒層がこの範囲より少ないとメタンの浄化活性が低く
て実用的でなく、この範囲を超えて形成すると圧損が大
きくなったりメタン浄化触媒層が剥離したりする場合が
あり好ましくない。
孔質酸化物粉末に貴金属を担持した触媒粉末を酸化物ゾ
ルなどのバインダとともにスラリー化し、それを担体基
材表面にウォッシュコートした後焼成する方法がある。
また担体基材表面に多孔質酸化物粉末からなるコート層
を形成し、それに貴金属を吸着担持あるいは吸水担持し
て形成することもできる。
に比べて疎水性が高く耐熱性の高いものであれば用いる
ことができる。例えばゼオライト、窒化ケイ素などが例
示され、中でもゼオライトの一種であり、メタン浄化触
媒層との付着性に優れるとともに、疎水性が特に高いシ
リカライトが特に好ましい。これらの粉末を単独で用い
てもよいし、複数種類の粉末を混合して用いることもで
きる。またこれらの粉末を含めば、アルミナなど他の粉
末を混合することもできる。
とすることが望ましい。20μmより薄いと H2Oをブロッ
クする効果が小さく、メタン浄化触媒の H2O被毒によっ
てメタン浄化活性が低くなってしまう。また80μmより
厚くなると、メタン浄化触媒層へメタンが拡散し難くな
るためメタン浄化活性が低下する。
上記した疎水性物質の粉末を酸化物ゾルなどのバインダ
とともにスラリー化し、それをメタン浄化触媒層の表面
にウォッシュコートした後焼成する方法がある。
長してなるゼオライト膜であることが特に望ましい。こ
のゼオライト膜は緻密であり、上記した粉末からなる疎
水性コート層に比べて H2Oが透過可能な細孔が少ない。
したがって疎水性がさらに向上し、メタン浄化触媒層の
H2O被毒をいっそう抑制することができる。
コート層に比べて薄くてよく、厚さ数μm〜数十μmの
範囲とすることが望ましい。数μmより薄いと H2Oをブ
ロックする効果が小さく、メタン浄化触媒の H2O被毒に
よってメタン浄化活性が低くなってしまう。また数十μ
mより厚くなると、メタン浄化触媒層へメタンが拡散し
難くなるためメタン浄化活性が低下する。
ために、 Al2O3含有量が少なくSiO2/Al2O3比(モル比)
が1000以上のハイシリカゼオライトが望ましく、シリカ
ライトからなることが特に望ましい。
にゼオライトの前駆体を析出させた後に、ゼオライト結
晶を成長させることで形成することができる。例えば、
少なくともシリカゾルにテンプレート材を加えてアモル
ファス状のゲルからなる前駆体を形成し、水熱合成によ
り結晶成長させた後焼成することで形成することができ
る。
ゾルでもよいしシリコーンアルコキシドを用いることも
できる。また硝酸アルミニウム、アルミナゾルあるいは
アルミニウムアルコキシドなどのアルミニウム源をさら
に添加してもよい。この場合は、形成されるゼオライト
においてアルミナが金属Al換算で0.04重量%以下となる
ように添加することが望ましい。アルミニウム源の添加
量がこれより多くなると、形成されるゼオライトのSiO2
/Al2O3モル比が1000未満となってしまう。
ライト構造に結晶させるためのものであり、例えばZSM-
5を製造する場合には、従来と同様にテトラプロピルア
ンモニウム、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキ
サイド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラ
プロピルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモ
ニウム、1,3-ジアミノプロパンなど、4級アンモニウム
化合物の塩、水酸化物、酸化物あるいは誘導体を用いる
ことができる。
沈法など公知の反応を利用することができる。なおシリ
カゾルとテンプレート材との比率によって、形成される
ゼオライト結晶の粒度分布を制御することができる。
が好ましい。水熱合成温度が 100℃に満たないとゼオラ
イト結晶の成長が困難となり、水熱合成温度が 170℃を
超えるとゼオライト結晶が粗大化してしまう。特に望ま
しいのは 120〜 150℃の範囲である。この水熱合成はゼ
オライト結晶を生成し成長させるために行うものであ
り、密閉容器内にて30分〜5日程度処理される。この
際、圧力は自圧もしくは加圧下のいずれかの方法で行う
ことができるが、通常は自圧で行われる。
燥工程が行われ、その後焼成される。焼成は一般に大気
中など酸化雰囲気下で行われ、その条件は例えば 600℃
で8時間加熱する程度の条件である。この焼成によりテ
ンプレート材が焼失し、純粋なゼオライト膜が形成され
る。
とも好ましい。これによりHCの浄化活性がさらに向上す
るとともにCO、NOx の浄化活性を向上させることができ
る。この貴金属としてはPt、Rh、Pd、Ir、Ruなど特に制
限されないが、三元活性の点からRhが特に好ましい。
てもよいし、ストイキ近傍雰囲気で用いられる三元触媒
あるいはリーン−リッチ変動雰囲気で用いられるNOx 吸
蔵還元型触媒などと併用することもできる。他の触媒と
ともに用いる場合には、本発明の排ガス浄化用触媒をエ
ンジン直下に配置し、その下流側に他の触媒を配置する
ことが望ましい。これにより低温域におけるメタンを含
むHCの浄化活性を特に高くすることができ、かつその反
応熱によって熱せられた排ガスが下流側の触媒に流入す
るので、下流側の触媒においても低温域からの浄化が可
能となる。
明を具体的に説明する。
基材にメタン浄化触媒層のみを形成した触媒を用意し
た。メタン浄化触媒層は、γ-Al2O3粉末にPdを担持した
触媒粉末からなり、ハニカム基材1リットル当たり 120
g形成されている。Pdの担持量は、ハニカム基材1リッ
トル当たり5gである。
とメタンを500ppm含むモデルガスと、 H2Oを全く含まず
メタンを500ppm含むモデルガスをそれぞれ流し、各温度
におけるメタン浄化率をそれぞれ測定した。結果を図1
に示す。
ルガスの場合には 300℃以下ではメタンを全く浄化でき
なかったのに対し、 H2Oを含まないモデルガスの場合に
は 200℃を超えた時点でメタンの浄化が始まり 300℃で
はメタン浄化率が60%にも達している。
Pdを担持した触媒によるメタンの浄化活性には、 排ガ
ス中の H2Oが大きく影響していることが明らかであり、
H2Oを含まない排ガスをメタン浄化触媒層に供給するこ
とが望ましいことがわかる。
形成された本実施例の排ガス浄化用触媒の模式図を図2
に示す。この触媒は、コーディエライト製のハニカム形
状の担体基材1と、担体基材1の表面に形成されγ-Al2
O3にPdを担持してなるメタン浄化触媒層2と、メタン浄
化触媒層2の表面に形成されシリカライトよりなる疎水
性コート層3とから構成されている。
媒の構成の詳細な説明に代える。
ジウム水溶液の所定量を含浸させ、蒸発乾固後 300℃で
1時間焼成して5gのPdを担持した。得られた触媒粉末
をアルミナゾル(固形分で40重量%)及び水と混合して
スラリーを調製した。
担体基材(直径30mm、長さ50mm、4ミル/ 400セル)を
用意し、上記スラリー中に浸漬し引き上げて乾燥後 300
℃で1時間焼成してメタン浄化触媒層2を形成した。メ
タン浄化触媒層2は担体基材1の1リットル当たり 120
g形成され、Pdは担体基材1の1リットル当たり5g担
持されている。
ライト粉末を用意し、アルミナゾル(固形分で40重量
%)及び水と混合してスラリーを調製した。そしてメタ
ン浄化触媒層2が形成された担体基材1をこのスラリー
中に浸漬し引き上げて乾燥後 300℃で1時間焼成して疎
水性コート層3を形成した。疎水性コート層3のコート
量は、担体基材1の1リットル当たり0〜 120gの範囲
で複数水準選択し、図3に示すように疎水性コート層3
の厚さが異なる11種類の触媒を調製した。
に示すようにメタンを500ppmと H2Oを10%含むモデルガ
スを用いてメタン浄化率をそれぞれ測定した。ガス流量
は30リットル/分とし、入りガス温度を室温から 600℃
まで20℃/分の速度で昇温しながら、各温度におけるメ
タン浄化率をそれぞれの触媒について連続的に測定し
た。そしてメタンを50%浄化できる温度(50%メタン浄
化温度)をそれぞれ算出し、結果を図3に示す。
m近傍で50%メタン浄化温度が最小値となり、厚さが薄
すぎても厚すぎてもメタン浄化活性が低下していること
がわかる。このようになる理由は、疎水性コート層3の
厚さが薄すぎると H2Oをブロックする効果が小さくな
り、メタン浄化触媒層2へ H2Oが吸着する被毒が生じる
ためと考えられる。また疎水性コート層3が厚すぎる
と、メタン浄化触媒層2へメタンが拡散し難くなるため
と考えられる。したがって図3より、疎水性コート層3
をもたない場合に比べてメタン浄化活性が高くなる範囲
として、疎水性コート層3の厚さを20〜80μmとするこ
とが望ましいことがわかる。
-Al2O3触媒粉末50重量部と、CeO2−ZrO2固溶体粉末50重
量部をアルミナゾル(固形分で40重量%)及び水と混合
してスラリーを調製した。次に実施例1と同様の担体基
材1を用意し、このスラリーを用いて実施例1と同様に
してメタン浄化触媒層を形成した。メタン浄化触媒層は
担体基材1の1リットル当たり 130g形成され、Pdは担
体基材1の1リットル当たり5g担持されている。
を用い、実施例1と同様にしてメタン浄化触媒層の表面
に疎水性コート層を形成した。疎水性コート層のコート
量は、担体基材1の1リットル当たり40gである。
に実施例1と同様にメタン浄化触媒層2を形成した触媒
を用意した。メタン浄化触媒層2は担体基材1の1リッ
トル当たり 120g形成され、Pdは担体基材1の1リット
ル当たり5g担持されている。
ロジウム水溶液の所定量を含浸させ、蒸発乾固後 300℃
で1時間焼成して1gのRhを担持した。そして実施例1
と同様のシリカライト粉末とこのRh/θ-Al2O3触媒粉末
とを重量比で1対1の割合で混合し、さらにアルミナゾ
ル(固形分で40重量%)及び水を混合してスラリーを調
製した。このスラリーを用い、実施例1と同様にしてメ
タン浄化触媒層2の表面に疎水性コート層を形成した。
疎水性コート層のコート量は、担体基材1の1リットル
当たり40gであり、Rhは担体基材1の1リットル当たり
0.5g担持されている。
触媒のうち、疎水性コート層3のコート量がゼロのもの
を比較例1の触媒とした。
に実施例1と同様にメタン浄化触媒層2を形成した触媒
を用意した。メタン浄化触媒層2は担体基材1の1リッ
トル当たり 120g形成され、Pdは担体基材1の1リット
ル当たり5g担持されている。
-Al2O3触媒粉末と、アルミナゾル(固形分で40重量%)
及び水を混合してスラリーを調製した。このスラリーを
用い、実施例1と同様にしてメタン浄化触媒層2の表面
にコート層を形成した。コート層のコート量は、担体基
材1の1リットル当たり40gであり、Rhは担体基材1の
1リットル当たり 0.5g担持されている。
3、比較例1及び比較例2の触媒について、実施例1と
同様にしてメタン浄化率を測定しメタン50%浄化温度を
算出した。結果を表2に示す。
は比較例1及び比較例2に比べて低温域におけるメタン
の浄化活性が高いことが明らかである。また比較例1と
比較例2とを比較すると、Rh/θ-Al2O3触媒粉末からな
るコート層をメタン浄化触媒層2の表面に形成してもほ
とんど効果が得られていない。これは、Rh/θ-Al2O3触
媒粉末からなるコート層は疎水性とはいえず、 H2Oがメ
タン浄化触媒層2の表面に吸着してメタン浄化活性を低
下させたためである。
ルミナゾル(固形分で40重量%)及び水を混合してスラ
リーを調製した。次にコーディエライト製のハニカム形
状の担体基材(容積 35cm3、4ミル/ 200セル)を用意
し、上記スラリー中に浸漬し引き上げて乾燥後 550℃で
1時間焼成して 4.2gのコート層を形成した。次いで所
定濃度の硝酸パラジウム水溶液の所定量をコート層に含
浸させ、乾燥後 450℃で1時間焼成してコート層にPdを
0.07g担持し、メタン浄化触媒層を形成した。
して、水酸化ナトリウム0.05モル、テトラプロピルアン
モニウムブロミド 0.1モル、蒸留水80モルの割合で混合
したスラリーを調製し、上記メタン浄化触媒層をもつ担
体基材にウォッシュコートして、室温にて1日間放置し
乾燥させた。これによりメタン浄化触媒層の表面には、
アモルファス状のシリカライト前駆体のゲルが形成され
た。
留水50gを入れ、メタン浄化触媒層の表面にシリカライ
ト前駆体のゲルが形成された担体基材をオートクレーブ
内の水面に接触しない位置に配置し、蓋をして 170℃に
加熱されたオーブン中で3日間保持した。この水熱処理
により結晶が成長し、シリカライト前駆体はZSM-5構造
のシリカライトとなる。
材を取り出し、蒸留水で洗浄して乾燥後 550℃で4時間
焼成し、テンプレートなど不純物を焼失させた。得られ
た触媒では、シリカライト層が 2.3g形成されていた。
市販のシリカライト粉末を用意し、アルミナゾル(固形
分で40重量%)及び水と混合してスラリーを調製した。
そしてこのスラリー中に実施例4と同様にしてメタン浄
化触媒層が形成された担体基材を浸漬し、引き上げて乾
燥後 300℃で1時間焼成して疎水性コート層を形成し
た。疎水性コート層中のシリカライト重量は 2.3gであ
る。
ったこと以外は実施例4と同様にしてメタン浄化触媒層
のみが形成された触媒を比較例3の触媒とした (比較例4)実施例4と同様の担体基材を用い、実施例
4と同様にしてメタン浄化触媒層を形成した。
して、水酸化ナトリウム0.05モル、テトラプロピルアン
モニウムブロミド 0.1モル、蒸留水80モルの割合で混合
したスラリーを調製し、上記メタン浄化触媒層をもつ担
体基材にウォッシュコートして、室温にて1日間放置し
乾燥させた後、 550℃で4時間焼成し、テンプレートな
ど不純物を焼失させた。得られた触媒では、ガラス質の
層が 2.3g形成されていた。
験室用モデルガス評価装置の反応管内部にそれぞれ設置
し、乾燥窒素気流中にて 150℃で15分間処理した後、表
3に示すモデル排ガスをSV=35,000/hで流通させなが
ら、触媒床温度を10℃/分の速度で室温から 600℃まで
昇温し、その間のメタンの浄化率を連続的に測定した。
そしてメタンが50%浄化される温度(メタン50%浄化温
度)をそれぞれ算出し、結果を図4に示す。
低温域からメタンを浄化できることがわかり、疎水性コ
ート層を形成するのが好ましいこと、ガラス質の層では
効果がなくかえってメタン浄化能が低下していることが
明らかである。そして実施例4の触媒は実施例5に比べ
てさらに低温域からメタンを浄化することができ、疎水
性コート層はシリカライト粉末よりシリカライト膜とし
て形成するのが望ましいことが明らかである。
れば、疎水性コート層によって排ガス中の H2Oによるメ
タン浄化触媒の被毒が抑制されるため、低温域から高い
メタン浄化活性が発現される。
関係を示すグラフである。
模式的に示す説明図である。
層の厚さとメタン50%浄化温度との関係を示すグラフで
ある。
50%浄化温度を示すグラフである。
疎水性コート層
Claims (6)
- 【請求項1】 担体基材と、該担体基材の表面に形成さ
れたメタン浄化触媒層と、該メタン浄化触媒層の表面に
形成された疎水性コート層と、よりなることを特徴とす
る排ガス浄化用触媒。 - 【請求項2】 前記メタン浄化触媒層は、アルミナにパ
ラジウムを担持した触媒からなることを特徴とする請求
項1に記載の排ガス浄化用触媒。 - 【請求項3】 前記疎水性コート層はゼオライトの結晶
が成長してなるゼオライト膜であることを特徴とする請
求項1に記載の排ガス浄化用触媒。 - 【請求項4】 前記ゼオライト膜は、前記メタン浄化触
媒層上にゼオライトの前駆体を析出させた後にゼオライ
ト結晶を成長させることで形成されることを特徴とする
請求項3に記載の排ガス浄化用触媒。 - 【請求項5】 前記疎水性コート層はシリカライトから
なることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の排
ガス浄化用触媒。 - 【請求項6】 前記疎水性コート層の厚さは20〜80μm
であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用
触媒。
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