JP2002224573A - 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及びその製造方法

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JP2002224573A
JP2002224573A JP2001026857A JP2001026857A JP2002224573A JP 2002224573 A JP2002224573 A JP 2002224573A JP 2001026857 A JP2001026857 A JP 2001026857A JP 2001026857 A JP2001026857 A JP 2001026857A JP 2002224573 A JP2002224573 A JP 2002224573A
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zeolite
exhaust gas
catalyst
zsm5
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JP2001026857A
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Makoto Tsuji
誠 辻
Norihiko Aono
紀彦 青野
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Cataler Corp
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Cataler Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性をさらに向上させる。 【解決手段】ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部が
B,Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも一種の金属元
素で置換された置換ゼオライトに、Pt,Pd,Rh,Ir,Ag
及びCuから選ばれる少なくとも一種の触媒金属をイオン
交換担持した。置換ゼオライトは、SiO2とAl2O3とから
なる一般のゼオライトに比べて耐熱性が高いので、それ
を用いた触媒の耐久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の炭化水
素(HC)を低温域から吸着することができ耐久性に優
れ、特にディーゼルエンジンからの排ガス中のNOx を効
率よく浄化可能で耐久性に優れた排ガス浄化用触媒とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは、別名分子篩いとも称され
るように、分子の大きさに匹敵する孔径2nm未満のミク
ロ細孔を有し、吸着材として利用されるほか、触媒とし
て多くの反応に利用されている。また主成分であるアル
ミナ( Al2O3)の負電荷を中和するために陽イオンを含
み、この陽イオンは水溶液中で他の陽イオンと用意に交
換されるため、陽イオン交換体としても利用されてい
る。
【0003】ゼオライトのこのような性質を利用して、
近年、自動車の排ガス浄化用触媒への利用が検討され、
たとえば特開平3-232533号公報には、ゼオライトに白金
(Pt)やパラジウム(Pd)などの貴金属を担持した排ガ
ス浄化用触媒が開示されている。
【0004】ところがゼオライト自体は貴金属の担持性
が低く、担持量が少なくて酸化能が不十分となるという
不具合がある。またエンジンが冷間状態にある場合に
は、通常の運転時より燃料濃度の高い混合気が供給され
るため、排ガス中に含まれる炭化水素(以下、HCとい
う)量が多い。さらに貴金属は、約 300℃以上にならな
いと活性化せず、始動時など排ガス温度が低い場合には
排ガス中のHCを十分に浄化することができない。このた
めエンジンの冷間時や始動時などには、HCを特に効率よ
く浄化することが望まれている。
【0005】そこで近年では、ゼオライトをHC吸着材と
して用いることが行われている。例えば特開平5-317701
号公報には、SiO2/Al2O3モル比が所定範囲のゼオライト
をHC吸着材とすることが記載され、これを酸化触媒と併
用することが記載されている。これにより冷間時や始動
時などにおけるHCの浄化性能が向上する。
【0006】すなわち酸化触媒とゼオライトとを併用す
ることにより、低温域においてHCはゼオライトに一旦吸
着され、排出が抑制される。そして吸着されたHCは、ゼ
オライトが所定温度以上となるとゼオライトから放出さ
れ、近傍に存在する酸化触媒により酸化浄化される。し
たがって低温域から高温域まで、安定してHCを浄化する
ことができる。
【0007】また銅−ゼオライト触媒は、 300〜 500℃
の低温域でNOx 浄化活性を有することが知られている。
しかしながら銅−ゼオライト触媒では、排ガス中の水分
や硫黄酸化物が銅イオンに対して悪影響を及ぼし、排ガ
ス中の水熱共存条件下では耐久性が低いという不具合が
あった。
【0008】そこで特開平11−147041号公報には、ゼオ
ライト及び/または金属フェライトからなるマトリック
ス上または中に銅酸化物微粒子を分散させてなる排ガス
浄化用触媒が開示されている。この触媒によれば、金属
フェライトが銅酸化物の触媒活性を高めるとともにその
劣化を遅らせるので、NOx 浄化性能を長期間維持するこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来のHC吸着
材では、自動車の排ガスのような高温雰囲気に長時間曝
されると、ディーゼルエンジンの始動時など低温域にお
けるHC吸着能が低下するという不具合があった。また特
開平11−147041号公報に開示された触媒であっても、NO
x 浄化性能の耐久性が十分ではなく、さらなる耐久性の
向上が求められている。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、排ガス浄化用触媒の耐久性をさらに向上さ
せることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の排ガス浄化用触媒の特徴は、ゼオライト中のAl元素
の少なくとも一部がB,Ga,In及びTlから選ばれる少な
くとも一種の金属元素で置換された置換ゼオライトより
なることにある。置換ゼオライトには、Pt,Pd,Rh,I
r,Ag及びCuから選ばれる少なくとも一種の触媒金属が
イオン交換担持されていることが望ましい。
【0012】また本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、
ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部がB,Ga,In及
びTlから選ばれる少なくとも一種の金属元素で置換され
た置換ゼオライト粉末と、多孔質酸化物よりなる担体粉
末と、置換ゼオライト粉末及び担体粉末の少なくとも一
方に担持された触媒金属とからなることにある。触媒金
属はPt,Pd,Rh,Ir,Ag及びCuから選ばれる少なくとも
一種であり、少なくとも置換ゼオライトに担持されてい
ることが望ましい。
【0013】そして本発明の排ガス浄化用触媒の製造方
法の特徴は、ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部が
B,Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも一種の金属元
素で置換された置換ゼオライト粉末にPt,Pd,Rh,Ir,
Ag及びCuから選ばれる少なくとも一種の触媒金属をイオ
ン交換担持して金属担持置換ゼオライト粉末とする工程
と、耐火性材料からなるハニカム基材を用意し、金属担
持置換ゼオライト粉末を含むpH=8〜10のスラリーを用
いてハニカム基材表面にコート層を形成する工程と、よ
りなることにある。
【0014】
【発明の実施の形態】ゼオライトは一般にSiO2-Al2O3
であり、排ガス中などの水蒸気を含む高温雰囲気におい
ては骨格中のAlが析出してゼオライト構造が崩壊するこ
とが明らかとなった。そこで本発明では、ゼオライト中
のAl元素の少なくとも一部がB,Ga,In及びTlから選ば
れる少なくとも一種の金属元素で置換された置換ゼオラ
イトを用いている。これらの金属元素をAlと置換するこ
とにより耐熱性が格段に向上する。これは、これらの金
属元素とSi元素との相互作用が向上したためと考えられ
る。
【0015】ゼオライトとしては、ZSM5、ゼオライト
β、モルデナイト、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、
シリカライトなど各種構造のゼオライトを用いることが
できるが、三次元的な細孔をもち吸着性能に優れたZSM5
構造のゼオライトが特に好ましい。
【0016】B,Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも
一種の金属元素の置換量は、ゼオライト中のAl元素の一
部でもよいし、Al元素の全部を置換してもよいが、Alの
50〜100%の範囲を置換することが望ましい。置換量が5
0%より少ないと耐熱性がほとんど向上しない。
【0017】上記した置換ゼオライトは、天然には産出
しないので、合成によって製造される。置換ゼオライト
には、Pt,Pd,Rh,Ir,Ag及びCuから選ばれる少なくと
も一種の触媒金属がイオン交換担持されていることが望
ましい。これによりHC吸着能がさらに向上するととも
に、酸化活性の発現により触媒としても用いることが可
能となり、吸着したhcを酸化浄化することが可能とな
る。さらに還元活性も発現するため、NOx 還元型触媒と
しても用いることができるようになる。
【0018】この触媒金属の担持量は、置換ゼオライト
に対して 0.5〜10重量%とするのが望ましい。担持量が
0.5重量%より少ないと担持した効果が得られず、10重
量%より多く担持しても効果が飽和するとともにコスト
が増大する。
【0019】本発明の排ガス浄化用触媒は、粉末状態と
して、三元触媒、酸化触媒、NOx 選択還元型触媒、NOx
吸蔵還元型触媒などの粉末と混合して用いることができ
る。また、例えばハニカム基材にHC吸着材粉末のコート
層を形成したモノリス型吸着材とし、三元触媒、酸化触
媒、NOx 選択還元型触媒、NOx 吸蔵還元型触媒などの排
ガス上流側に配置してHC吸着材として用いることもでき
る。
【0020】本発明の排ガス浄化用触媒は、ゼオライト
中のAl元素の少なくとも一部がB,Ga,In及びTlから選
ばれる少なくとも一種の金属元素で置換された置換ゼオ
ライト粉末と、多孔質酸化物よりなる担体粉末と、置換
ゼオライト粉末及び担体粉末の少なくとも一方に担持さ
れた触媒金属とから構成されている。置換ゼオライト粉
末は、上記したHC吸着材と同様のものが用いられる。
【0021】多孔質酸化物よりなる担体粉末としては、
アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、シリカ−ア
ルミナなどが例示され、比表面積が大きく耐熱性に優れ
たγ-Al2O3が特に望ましい。
【0022】置換ゼオライト粉末と多担体粉末の混合比
率には特に制限がないが、担体粉末が10〜70重量%の範
囲とするのが望ましい。担体粉末がこの範囲より少ない
とコート層を形成するのが困難となり、触媒としての活
性が低下する不具合も発生する。また担体粉末がこの範
囲より多くなるとHC吸着能の低下により浄化性能も低下
してしまう。
【0023】触媒金属としては、従来の排ガス浄化用触
媒に用いられている貴金属あるいは卑金属を用いること
ができるが、Pt,Pd,Rh,Ir,Ag及びCuから選ばれる少
なくとも一種であることが望ましい。また触媒金属は、
置換ゼオライトに担持されていることが望ましい。これ
によりHC吸着能がさらに向上するとともに、酸化活性及
び還元活性の発現により触媒としても用いることがで
き、さらに高い浄化活性が得られる。
【0024】なお本発明の排ガス浄化用触媒は、粉末状
の触媒をオープンセルのハニカム基材にコートしてモノ
リス触媒として用いてもよいし、ペレット形状に形成し
てペレット触媒として用いることもできる。あるいはウ
ォールフローのDPFにコートして用いてもよい。また
ハニカム基材としては、コージェライトなどの耐熱性セ
ラミックスから形成されたもの、あるいはメタル箔から
形成されたものなどを用いることができる。
【0025】そして本発明の排ガス浄化用触媒の製造方
法では、ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部がB,
Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも一種の金属元素で
置換された置換ゼオライト粉末に、Pt,Pd,Rh,Ir,Ag
及びCuから選ばれる少なくとも一種の触媒金属がイオン
交換担持される。触媒金属をイオン交換担持するには、
ゼオライトはイオン交換されやすいので容易に行うこと
ができる。
【0026】次に、耐火性材料からなるハニカム基材を
用意し、金属担持置換ゼオライト粉末を含むpH=8〜10
のスラリーを用いてハニカム基材表面にコート層を形成
する。pH=8〜10とすることにより、金属担持置換ゼオ
ライト粉末から触媒金属が溶出するのを防止することが
でき、触媒金属が不均一に担持されるのが防止される。
pHが8未満であると活性が低下する。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0028】(実施例1)硝酸銀10重量部を20重量部の
脱イオン水に溶解し、アンモニアでpH8〜10に調整して
銀アンモニア錯体塩溶液を調整した。
【0029】次に、Al原子の一部がGaで置換されたZSM5
(以下、(Ga)ZSM5という)を用意した。この(Ga)ZSM5
は、日本化学工業(株)製の「Ga−ZSM5」(SiO2/Ga2O3
比が40)を用いた。
【0030】この(Ga)ZSM5の 100重量部を 100重量部の
脱イオン水に分散させ、上記の銀アンモニア錯体塩溶液
全量を投入して3時間以上撹拌した。その後 150〜 250
℃で12時間乾燥し、 500℃で焼成してAgイオン交換(Ga)
ZSM5を得た。
【0031】得られたAgイオン交換(Ga)ZSM5全量をイオ
ン交換水に投入し、塩基性シリカゾル(「スノーテック
スS」日産化学工業(株)製)を固形分で30重量部と、
γ-Al2O3粉末20重量部と、28%アンモニア水5〜10重量
部を添加して湿式粉砕してスラリーを調製した。このス
ラリーのpHは9である。
【0032】次に、コージェライト製の円筒状のハニカ
ム基材(オープンセル数約 400個/in2 ,直径 103mm,
長さ 155mm)を用意し、上記スラリーをコートした後、
250℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成して本実施例
の排ガス浄化用触媒を調製した。コート量はハニカム基
材1リットル当たり 200gであり、そのうち(Ga)ZSM5は
130g/L含まれ、Agは 8.3g/L含まれている。
【0033】(実施例2)(Ga)ZSM5の代わりに、Al原子
の一部がBで置換された(B)ZSM5(SiO2/B2O3比=40)
を用い、γ-Al2O3粉末の代わりにZrO2粉末を用いたこと
以外は実施例1と同様にしてAgイオン交換(B)ZSM5を調
製し、これを用いて実施例1と同様にして排ガス浄化用
触媒を調製した。コート量はハニカム基材1リットル当
たり 200gであり、そのうち(B)ZSM5は 130g/L含ま
れ、Agは 8.3g/L含まれている。
【0034】(実施例3)(Ga)ZSM5の代わりに、Al原子
の一部がInで置換された(In)ZSM5(SiO2/In2O3比=40)
を用い、γ-Al2O3粉末の代わりにSiO2粉末を用い、さら
に銀アンモニア錯体塩溶液の代わりにPtアンミンヒドロ
キシド溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてPt
イオン交換(In)ZSM5を調製し、これを用いて実施例1と
同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート量はハ
ニカム基材1リットル当たり 200gであり、そのうち(I
n)ZSM5は 130g/L含まれ、Ptは 2.0g/L含まれてい
る。
【0035】(実施例4)(Ga)ZSM5の代わりに、Al原子
の一部がBで置換された(B)ZSM5(SiO2/B2O3比=40)
を用い、γ-Al2O3粉末の代わりTiO2粉末を用い、さらに
銀アンモニア錯体塩溶液の代わりにPdアンミンヒドロキ
シド溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてPdイ
オン交換(B)ZSM5を調製し、これを用いて実施例1と同
様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート量はハニ
カム基材1リットル当たり 200gであり、そのうち(B)
ZSM5は 130g/L含まれ、Pdは 2.0g/L含まれてい
る。
【0036】(実施例5)(Ga)ZSM5の代わりに、Al原子
の一部がBで置換された(B)ZSM5(SiO2/B2O3比=40)
を用い、銀アンモニア錯体塩溶液の代わりにRhアンミン
ヒドロキシド溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に
してRhイオン交換(B)ZSM5を調製し、これを用いて実施
例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート
量はハニカム基材1リットル当たり 200gであり、その
うち(B)ZSM5は 130g/L含まれ、Rhは 2.0g/L含ま
れている。
【0037】(実施例6)(Ga)ZSM5の代わりに、Al原子
の一部がBで置換された(B)ZSM5(SiO2/B2O3比=40)
を用い、銀アンモニア錯体塩溶液の代わりにIrアンミン
ヒドロキシド溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に
してIrイオン交換(B)ZSM5を調製し、これを用いて実施
例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート
量はハニカム基材1リットル当たり 200gであり、その
うち(B)ZSM5は 130g/L含まれ、Irは 2.0g/L含ま
れている。
【0038】(実施例7)(Ga)ZSM5の代わりにAl原子の
一部がTlで置換された(Tl)ZSM5(SiO2/Tl2O3比=40)を
用いたこと以外は実施例1と同様にしてAgイオン交換(T
l)ZSM5を調製し、これを用いて実施例1と同様にして排
ガス浄化用触媒を調製した。コート量はハニカム基材1
リットル当たり 200gであり、そのうち(Tl)ZSM5は 130
g/L含まれ、Agは 8.3g/L含まれている。
【0039】(実施例8)(Ga)ZSM5の代わりにSiO2/Ga2
O3比=25のゼオライトβを用いたこと以外は実施例1と
同様にしてAgイオン交換(Ga)ゼオライトβを調製し、こ
れを用いて実施例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調
製した。コート量はハニカム基材1リットル当たり 200
gであり、そのうち(Ga)ゼオライトβは 130g/L含ま
れ、Agは 8.3g/L含まれている。
【0040】(実施例9)(Ga)ZSM5の代わりにSiO2/Ga2
O3比=30のモルデナイトを用いたこと以外は実施例1と
同様にしてAgイオン交換(Ga)モルデナイトを調製し、こ
れを用いて実施例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調
製した。コート量はハニカム基材1リットル当たり 200
gであり、そのうち(Ga)モルデナイトは 130g/L含ま
れ、Agは 8.3g/L含まれている。
【0041】(実施例10)硝酸銅20重量部を 100重量部
の脱イオン水に溶解し、アンモニアでpH10に調整して銅
アンモニア錯体塩溶液を調整した。
【0042】次に実施例1と同様の(Ga)ZSM5の 100重量
部を 100重量部の脱イオン水に分散させ、上記の銅アン
モニア錯体塩溶液全量を投入して、60〜80℃に加温しな
がら12時間以上撹拌し、濾過した後、 150〜 250℃で3
時間乾燥し、 500℃で焼成してCuイオン交換(Ga)ZSM5を
得た。
【0043】Agイオン交換(Ga)ZSM5に代えて、得られた
Cuイオン交換(Ga)ZSM5を用いたこと以外は実施例1と同
様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート量はハニ
カム基材1リットル当たり 200gであり、そのうち(Ga)
ZSM5は 130g/L含まれ、Cuは 6.8g/L含まれてい
る。
【0044】(比較例1)(Ga)ZSM5の代わりに、ZSM5
(SiO2/Al2O3比=40)を用いたこと以外は実施例1と同
様にしてAgイオン交換ZSM5を調製し、これを用いて実施
例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート
量はハニカム基材1リットル当たり 200gであり、その
うちZSM5は 130g/L含まれ、Agは 8.3g/L含まれて
いる。
【0045】(比較例2)(Ga)ZSM5の代わりに、ZSM5
(SiO2/Al2O3比=40)を用いたこと以外は実施例10と同
様にしてCuイオン交換ZSM5を調製し、これを用いて実施
例1と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート
量はハニカム基材1リットル当たり 200gであり、その
うちZSM5は 130g/L含まれ、Cuは 6.8g/L含まれて
いる。
【0046】(比較例3)ZSM5(SiO2/Al2O3比=40) 1
00重量部を脱イオン水に投入し、塩基性シリカゾル
(「スノーテックスS」日産化学工業(株)製)を固形
分で30重量部と、無機ファイバー(γ-Al2O3)20重量部
とを添加し湿式粉砕してスラリーを調製した。
【0047】次に、コージェライト製の円筒状のハニカ
ム基材(オープンセル数約 400個/in2 ,直径 103mm,
長さ 155mm)を用意し、上記スラリーをコートした後、
250℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成してコート層
を形成した。
【0048】その後、白金アンミンヒドロキシド溶液を
用いてコート層にPtを担持し、さらに 250℃で1時間乾
燥して排ガス浄化用触媒を調製した。コート量はハニカ
ム基材1リットル当たり 200gであり、そのうちZSM5は
130g/L含まれ、Ptは 2.0g/L担持されている。
【0049】(比較例4)γ-Al2O3粉末 100重量部を脱
イオン水に投入し、硝酸アルミニウム15重量部を添加し
湿式粉砕してスラリーを調製した。
【0050】このスラリーを用いたこと以外は比較例3
と同様にして排ガス浄化用触媒を調製した。コート量は
ハニカム基材1リットル当たり 200gであり、そのうち
γ-Al2O3は 130g/L含まれ、Ptは 2.0g/L担持され
ている。
【0051】<試験・評価>上記した各実施例及び各比
較例の排ガス浄化用触媒を、自然吸気副室噴射式ディー
ゼルエンジン(4気筒、3200cc)の排気系にそれぞれ装
着し、入りガス温度が 100℃から 450℃まで昇温速度35
℃/分で昇温する条件下において排出される排ガス中の
NOx 濃度をそれぞれ測定した。排ガス中のNOx 濃度は、
ガス分析計「MEXA9100」((株)堀場製作所製)を用い
て測定し、[数1]式によりNOx 浄化率を算出した。結
果を表1に示す。
【0052】またアイドル回転時に排出される排ガス中
のHC濃度を同様に測定し、[数1]式により吸着率を算
出した。結果を表1に示す。
【0053】
【数1】
【0054】また実施例2、実施例8、比較例1及び比
較例2の触媒を、自然吸気副室噴射式ディーゼルエンジ
ン(4気筒、3200cc)の排気系にそれぞれ装着し、入り
ガス温度 650℃で50時間の劣化処理を行った。劣化処理
後のそれぞれの触媒を用い、上記と同様にしてNOx 浄化
率を算出した。結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】表1より、各実施例の触媒は、比較例3及
び比較例4の従来の触媒に比べてNO x 浄化率とHC吸着率
が共に高く、低温域におけるHC吸着能に優れているとと
もに、ディーゼルエンジンからの排ガス中のNOx を効率
よく浄化できることが明らかである。
【0058】そして、例えば実施例1と比較例1を比較
すると、劣化処理前においてはNOx浄化率及びHC吸着率
にはほとんど差がみられない。しかしながら劣化処理後
には、実施例1は劣化処理前と同じNOx 浄化率が維持さ
れているのに対し、比較例1ではNOx 浄化率が著しく低
下している。これは実施例1において、ZSM5のAlの少な
くとも一部をGaに置換した(Ga)ZSM5を用いた効果である
ことが明らかである。実施例10と比較例2との比較から
も、同じことがいえる。つまり各実施例の触媒は、劣化
処理によっても性能の劣化がなく、耐久性にきわめて優
れている。
【0059】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によ
れば、ディーゼルエンジンの実際の運転領域において、
排ガス中のNOx を効率よく浄化することができる。また
アイドル回転時など低温域におけるHC吸着能に優れてい
るので、ガソリン、LPG、軽油など各種燃料を用いた
内燃機関の排気系に配置することで、HCの排出を大きく
抑制することができる。
【0060】そして耐熱性にきわめて優れているので、
高温耐久後にも初期と同等のNOx 浄化能が発現され、耐
久性が大幅に向上する。
【0061】また本発明の製造方法によれば、本発明の
排ガス浄化用触媒を容易かつ確実に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/10 B01D 53/36 104A Fターム(参考) 3G091 AA02 BA07 BA14 BA15 GA06 GB05W GB06W GB07W GB09W GB17W GB17X 4D048 AA06 AA18 BA03X BA04X BA06X BA07X BA08X BA11X BA12X BA17X BA30X BA31X BA33X BA34X BA35X BA41X BB02 EA04 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA02A BA02B BA03A BA04A BA04B BA05A BA05B BA07A BA07B BA13B BC17A BC17B BC18A BC18B BC19A BC19B BC31A BC31B BC32A BC32B BC71A BC71B BC72A BC72B BC74A BC74B BC75A BC75B BD03A BD03B CA03 CA13 CA15 DA06 EA06 EA19 EC22Y FA01 FA03 FB23 FC09 ZA03A ZA04A ZA06A ZA06B ZA11A ZA11B ZA19A ZA19B ZA35A ZA35B ZA36A ZA37A ZA38A ZA38B ZD01 ZE09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部
    がB,Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも一種の金属
    元素で置換された置換ゼオライトよりなることを特徴と
    する排ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記置換ゼオライトには、Pt,Pd,Rh,
    Ir,Ag及びCuから選ばれる少なくとも一種の触媒金属が
    イオン交換担持されていることを特徴とする請求項1に
    記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部
    がB,Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも一種の金属
    元素で置換された置換ゼオライト粉末にPt,Pd,Rh,I
    r,Ag及びCuから選ばれる少なくとも一種の触媒金属を
    イオン交換担持して金属担持置換ゼオライト粉末とする
    工程と、耐火性材料からなるハニカム基材を用意し、該
    金属担持置換ゼオライト粉末を含むpH=8〜10のスラリ
    ーを用いて該ハニカム基材表面にコート層を形成する工
    程と、よりなることを特徴とする排ガス浄化用触媒の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ゼオライト中のAl元素の少なくとも一部
    がB,Ga,In及びTlから選ばれる少なくとも一種の金属
    元素で置換された置換ゼオライト粉末と、多孔質酸化物
    よりなる担体粉末と、該置換ゼオライト粉末及び該担体
    粉末の少なくとも一方に担持された触媒金属とからなる
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  5. 【請求項5】 前記触媒金属はPt,Pd,Rh,Ir,Ag及び
    Cuから選ばれる少なくとも一種であり、少なくとも前記
    置換ゼオライトに担持されていることを特徴とする請求
    項4に記載の排ガス浄化用触媒。
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