JP2000246111A - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒の製造方法

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JP2000246111A
JP2000246111A JP11057310A JP5731099A JP2000246111A JP 2000246111 A JP2000246111 A JP 2000246111A JP 11057310 A JP11057310 A JP 11057310A JP 5731099 A JP5731099 A JP 5731099A JP 2000246111 A JP2000246111 A JP 2000246111A
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gel
exhaust gas
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Tatsuji Mizuno
達司 水野
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゼオライトを主成分とする被覆層を形成するこ
とでNOx 吸蔵材の硫黄被毒を防止し、かつ被覆層の剥離
を確実に防止する。 【解決手段】アルミナ源と、シリカ源と、多孔質酸化物
担体にNOx 吸蔵材が含まれてなる触媒粉末との混合液か
ら複合ゲルを形成し、複合ゲルを乾燥して乾燥ゲルと
し、次いで乾燥ゲルを焼成する。乾燥ゲルを形成する工
程を行うことにより、形成されるゼオライトからなる被
覆層2の基部1からの剥離が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの内燃
機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒
の製造方法に関し、詳しくはリーンバーンエンジンから
の排ガスを浄化するに最適な、NOx 吸蔵還元型の排ガス
浄化用触媒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】常時は酸素過剰のリーン条件でHC,COを
燃焼させるとともにNOx を吸蔵し、一時的にストイキ〜
リッチ条件とすることにより排ガスを還元雰囲気とし
て、NOxを還元浄化する排ガス浄化システムが知られて
いる。そしてこのシステムには、リーン雰囲気でNOx
吸蔵し、ストイキ〜リッチ雰囲気で吸蔵されたNOx を放
出するNOx 吸蔵材を用いたNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化
用触媒が用いられている。
【0003】例えば特開平5-317652号公報には、Baなど
のアルカリ土類金属とPtをアルミナなどの多孔質担体に
担持した排ガス浄化用触媒が提案されている。また特開
平 6-31139号公報には、Kなどのアルカリ金属とPtをア
ルミナなどの多孔質担体に担持した排ガス浄化用触媒が
提案されている。さらに特開平5-168860号公報には、La
などの希土類元素とPtをアルミナなどの多孔質担体に担
持した排ガス浄化用触媒が提案されている。
【0004】これらのNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触
媒を用いれば、空燃比をリーン側からパルス状にストイ
キ〜リッチ側となるように制御することにより、リーン
側ではNOx がアルカリ土類金属,アルカリ金属及び希土
類元素に吸蔵され、それがストイキ又はリッチ側で放出
されてHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化されるた
め、リーンバーンエンジンからの排ガスであってもNOx
を効率良く浄化することができる。このようにNOx の吸
蔵・放出作用をもつアルカリ土類金属、アルカリ金属及
び希土類元素を総称してNOx 吸蔵材という。
【0005】ところで、燃料中には微量ながら硫黄成分
が含まれ、これが燃焼時に酸化し、あるいは触媒上で酸
化されてSOx が生成する。このSOx は酸性であるため
に、NO x 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒においては、SO
x がアルカリ性のNOx 吸蔵材と反応して硫酸塩を生成す
るという現象が生じる。この結果、NOx 吸蔵材のNOx
蔵能力が失われ、NOx 浄化性能が低下する。この現象
は、NOx 吸蔵材の硫黄被毒と称されている。
【0006】NOx 吸蔵材は、NOx と反応して硝酸塩を生
成するが、SOx の存在下では硝酸塩より硫酸塩を生成し
やすいという性質がある。また一旦生成された硫酸塩
は、通常の運転条件では分解しにくいため、NOx 吸蔵元
素のNOx 吸蔵能が復活されにくい。したがってNOx 吸蔵
材は硫黄被毒によりNOx 吸蔵能が次第に消失し、耐久後
にNOx 浄化率が大きく低下するという問題があった。
【0007】このような不具合を解決するために、リー
ンバーンエンジンの排ガス流路の上流側にSOx を吸蔵す
る触媒を配置し、下流側にNOx 吸蔵還元型の触媒を配置
することが提案されている。この提案によれば、リーン
雰囲気において排ガス中のSO x は上流側のSOx 吸蔵触媒
に吸蔵されるため、下流側のNOx 吸蔵還元型触媒の硫黄
被毒が防止される。そしてストイキ〜リッチ雰囲気で
は、上流側及び下流側の触媒からそれぞれSOx とNOx
放出され、排ガス中の炭化水素によって還元浄化され
る。
【0008】ところが最近の研究により、リーン雰囲気
ばかりでなくリッチ雰囲気においても、NOx 吸蔵材とSO
x との反応が生じることが明らかとなった。したがって
上記の触媒構成においては、リッチ雰囲気で上流側の触
媒から放出されたSOx が下流側の触媒中のNOx 吸蔵材と
反応し、やはり硫黄被毒が生じるという問題がある。ま
た上流側と下流側にそれぞれ触媒を配置するため、触媒
の占める体積が大きくなりスペース面での問題もある。
【0009】そこで特開平10−258232号公報には、NOx
吸蔵材を含むコア部と、コア部表面に形成され貴金属を
含む担持層とよりなる粉末触媒が開示されている。SOx
はNO x に比べて拡散速度が小さいため、NOx は担持層を
通過するがSOx は担持層を通過することが困難であり、
リーン雰囲気ではSOx は担持層に吸着されてNOx 吸蔵材
の硫黄被毒が防止される。そしてストイキ〜リッチ雰囲
気では、SOx は担持層から離脱して放出されるので、リ
ーン雰囲気、ストイキ〜リッチ雰囲気ともにNO x 吸蔵材
とSOx との接触が回避されるため、NOx 吸蔵材の硫黄被
毒が防止されるこのような排ガス浄化用触媒の製造方法
としては、特開平10−258232号公報に開示されているよ
うに、NOx 吸蔵材の塩と第1の金属アルコキシドとが溶
液状態で混合された混合溶液を用意し、混合溶液から複
合ゲルを形成する。これを乾燥・粉砕してコア部粉末を
調製する。次に、第2の金属アルコキシドと貴金属イオ
ンとを含む溶液にコア部粉末を混合し、これをゲル化さ
せることでコア部粉末表面に担持層を形成することがで
きる。
【0010】担持層の厚さがあまり薄いと、SOx が担持
層を通過してNOx 吸蔵材と接触する確率が高くなるため
好ましくない。またあまり厚くなりすぎるとNOx の通過
が困難となって、NOx 吸蔵材への吸蔵が妨げられる。し
たがって担持層の厚さには最適範囲があり、コア部の粒
径の 1/100〜 1/2程度の範囲が好ましい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
排ガス浄化用触媒において、担持層にゼオライトを用い
ることが想起され、研究が行われた。ゼオライトからな
る担持層をコア部の粒径の 1/100〜 1/2程度の厚さで形
成するには、ウェットコート法などでは厚くなりすぎる
ために、水熱合成法にて形成しなければならないことが
わかった。
【0012】ところがアルミナ源とシリカ源とから複合
ゲルを形成する水熱合成法にて、アルミナなどを主成分
とする担体表面にゼオライト層を形成すると、担体とゼ
オライト層の界面で剥離が生じて使用に耐えないばかり
か製造も困難であることが明らかとなった。本発明はこ
のような事情に鑑みてなされたものであり、ゼオライト
を主成分とする被覆層を形成することでNOx 吸蔵材の硫
黄被毒を防止し、かつ被覆層の剥離を確実に防止するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の排ガス浄化用触媒の製造方法の特徴は、多孔質酸化
物担体と多孔質酸化物担体に含まれたNOx 吸蔵材とから
なる基部と、基部表面に被覆されゼオライトを主成分と
する被覆層と、よりなる排ガス浄化用触媒の製造方法で
あって、アルミナ源と、シリカ源と、多孔質酸化物担体
にNOx 吸蔵材が含まれてなる触媒粉末との混合液から複
合ゲルを形成する工程と、複合ゲルを乾燥して乾燥ゲル
を形成する工程と、乾燥ゲルを焼成する工程と、よりな
ることにある。
【0014】また本発明のもう一つの排ガス浄化用触媒
の製造方法の特徴は、担体基材と、担体基材表面に被覆
形成され多孔質酸化物よりなるコート層と、コート層に
担持されたNOx 吸蔵材と、コート層表面に被覆されゼオ
ライトを主成分とする被覆層と、よりなる排ガス浄化用
触媒の製造方法であって、NOx 吸蔵材を含むコート層を
担体基材表面にもつモノリス触媒をアルミナ源とシリカ
源とを含む混合液に浸漬し、その状態で混合液から複合
ゲルを形成して複合ゲルをコート層の表面に沈着させる
工程と、コート層の表面に沈着した複合ゲルを乾燥して
乾燥ゲルとする工程と、乾燥ゲルを焼成する工程と、よ
りなることにある。
【0015】
【発明の実施の形態】第1の発明の製造方法では、アル
ミナ源と、シリカ源と、多孔質酸化物担体に少なくとも
NOx 吸蔵材が担持されてなる触媒粉末との混合液から、
先ず複合ゲルが形成される。アルミナ源としては、アル
ミナゾル、アルミニウムの各種アルコキシド、アルミニ
ウムと各種酸との塩、アルミン酸塩、アルミニウムの錯
塩などアルコール又は水に可溶のアルミニウム含有化合
物、あるいはコロイド状のアルミナ微粒子を用いること
ができる。またシリカ源としては、シリカゾル、シリコ
ンの各種アルコキシド、ケイ酸、シリコンと各種酸との
塩、シリコンの錯塩などアルコール又は水に可溶のシリ
コン含有化合物、あるいはコロイダルシリカなどのシリ
カ微粒子を用いることができる。
【0016】また触媒粉末としては、アルミナ、シリ
カ、チタニア、ジルコニアなどの多孔質酸化物担体に、
少なくともNOx 吸蔵材を担持した触媒粉末が用いられ
る。NOx吸蔵材としては、アルカリ金属、アルカリ土類
金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種を用い
ることができる。中でもアルカリ度が高くNOx 吸蔵能の
高いアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一
方を用いるのが好ましい。
【0017】アルカリ金属としては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム
が例示される。アルカリ土類金属とは周期表2A族元素を
いい、バリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウムなどが例示される。また希土類元素
としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セ
リウム、プラセオジム、ネオジム、ジスプロシウム、イ
ッテルビウムなどが例示される。
【0018】多孔質酸化物担体とNOx 吸蔵材とは、物理
的に混合された状態でもよいが、多孔質酸化物担体とNO
x 吸蔵材とは結晶質あるいは非晶質の複合酸化物を構成
していることも好ましい。こうすることにより、NOx
蔵材が原子レベルで高分散されるため、NOx 吸蔵能が一
層向上する。触媒粉末には、NOx 吸蔵材とともに貴金属
を担持することが好ましい。貴金属としてはPt,Rh,P
d,Ir,Ruなどの少なくとも一種を用いることができ
る。
【0019】ところで、NOx 吸蔵材の硫黄被毒を一層抑
制するためには、触媒粉末の多孔質酸化物担体としてチ
タニア(TiO2)とアルミナ( Al2O3)とを併用した担体
を用いることが望ましい。アルミナにチタニアを添加す
ることにより、NOx 吸蔵材への硫黄酸化物の付着が一層
抑制されるとともに、排ガス雰囲気がリーンからストイ
キ又はリッチに変動したときのNOx 吸蔵材と硫黄酸化物
との反応生成物の分解・脱離が促進されるため、硫黄被
毒されたNOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能が復活し易い。
【0020】しかしながら、アルミナとチタニアとを単
に混合しただけの多孔質酸化物担体では、排ガス雰囲気
がリーンからストイキ又はリッチに変動したときのNOx
吸蔵材と硫黄酸化物との反応生成物の分解促進効果は充
分ではなく、排ガス温度が 600℃程度の高温耐久試験時
には多孔質酸化物担体に劣化が生じて耐久性に不足する
場合がある。
【0021】このような不具合を抑制するには、アルミ
ナとチタニアとの複合酸化物から多孔質酸化物担体を形
成することが望ましい。これにより耐久性が一層向上
し、NO x 吸蔵材の硫黄被毒が一層抑制される。多孔質酸
化物担体をアルミナとチタニアとの複合酸化物から構成
する場合には、モル比でTiO2/Al2O3=1/2〜1/9 の範囲と
することが望ましい。チタニアの量がこの範囲より少な
いとチタニアを添加した効果が小さくNOx 浄化能が低下
し、チタニアの量がこの範囲を超えると耐熱性が低下す
るためかNOx 浄化能が低下する。特に望ましい範囲はTi
O2/Al2O= 1/4〜 1/9である。
【0022】この触媒粉末を製造するには、多孔質酸化
物からなる担体粉末を用意し、吸着担持法や蒸発乾固法
など公知の担持法を用いてNOx 吸蔵材を担持する。また
貴金属を担持する場合には、NOx 吸蔵材の溶出を防止す
るためにNOx 吸蔵材より先に担持することが望ましい。
NOx 吸蔵材の担持量又は含有量は、多孔質酸化物担体1
モルに対して0.05〜10モルの範囲とすることが好まし
い。また貴金属の担持量も特に制限されず、従来のNOx
吸蔵還元型触媒の担持量と同様とすることができる。
【0023】複合ゲルを形成するには、アルミナ源、シ
リカ源及び触媒粉末の3種類とアルコールや水などの溶
媒とを混合して混合溶液あるいは混合分散液とし、ゾル
ゲル法や共沈法を用いて析出沈殿させることで行うこと
ができる。アルミナ源、シリカ源及び触媒粉末の混合割
合は、目的とする触媒の構成に応じて設定される。上記
3成分の混合順序は、触媒粉末を含有する複合ゲルが生
成する条件であれば特に制限なく、3成分を同時に混合
して複合ゲルを形成してもよいし、シリコンアルコキシ
ドの加水分解物をアルミナ源と触媒粉末の混合溶液に混
合するなど、予備反応を行わせたり、順に混合する方法
を採用することもできる。
【0024】また混合溶液あるいは混合分散液には、さ
らにテンプレート材やNOx 吸蔵元素を含有してもよい。
テンプレート材は形成されるゲルをゼオライト構造に結
晶させるためのものであり、例えばZSM-5を製造する場
合には、テトラプロピルアンモニウム、テトラプロピル
アンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアン
モニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロラ
イド、テトラエチルアンモニウム、1,3-ジアミノプロパ
ンなど、4級アンモニウム化合物の塩、水酸化物、酸化
物あるいは誘導体を用いることができる。
【0025】得られた複合ゲルは、次の工程で乾燥ゲル
とされる。このように乾燥ゲルとした後に焼成してゼオ
ライトを形成することで、理由は不明であるがゼオライ
ト層と触媒粉末との接合強度が格段に高くなり、剥離を
防止することができる。この乾燥工程は、複合ゲル中の
溶媒を除去する工程であり、溶媒の沸点以下の温度で行
うことが望ましい。溶媒が沸騰すると、形成されるゼオ
ライトに不定の孔が生成するため、SOx の吸着能や剥離
強度が低下する場合がある。
【0026】この乾燥ゲルは、触媒粉末表面にアルミニ
ウム水酸化物やシラノールなどの中間体が付着したもの
であり、次の焼成工程でゼオライト層が形成される。こ
の焼成温度は、テンプレート材など不要の有機成分が焼
失する温度以上で、かつゼオライトのアルミニウム成分
が脱離する温度以下の酸化性雰囲気で行う必要があり、
一般には大気中にて 400〜 800℃の温度で焼成される。
【0027】乾燥ゲルをそのまま焼成した場合には、ア
モルファス状のゼオライトが生成する場合があり、この
場合には不定の孔が存在するため、SOx の吸着能や剥離
強度が低下する場合がある。そこで、焼成工程に先立っ
て、水蒸気中で加熱・加圧して結晶化させる工程を行う
ことが望ましい。結晶化させることで、形成されるゼオ
ライトの細孔が均一となりSOx の吸着能及び剥離強度が
一層向上する。なお、この結晶化工程において、乾燥ゲ
ルに液状の水が接触しないように工夫することが望まし
い。液状の水と乾燥ゲルとが接触すると、結晶化が阻害
される、あるいは剥離強度が低下する場合がある。
【0028】形成されるゼオライト層には、さらに貴金
属を含むことが望ましい。貴金属を含むことにより、SO
2 の酸化反応が促進されSOx となってゼオライト層に吸
着されるので、SOx の排出を一層抑制することができ
る。この貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなどの少
なくとも一種を用いることができる。またゼオライト層
に貴金属を含有させるには、形成されたゼオライト層に
定法にて貴金属を担持してもよいし、複合ゲルを形成す
るための混合溶液又は混合分散液中に貴金属化合物を溶
解させておき、貴金属を含む複合ゲルを形成することも
できる。
【0029】このようにして得られた粉末状の触媒は、
コーディエライト製やメタル製のハニカム担体基材の表
面にウェットコート法などにてコートされ、モノリス触
媒として用いることができる。またペレット状に成形し
てペレット触媒として用いてもよい。上記発明では、そ
れぞれがゼオライト層をもつ粒子の集合体である粉末状
の触媒を製造したが、第2の発明は二層構造のコート層
をもつモノリス触媒を製造している。
【0030】この第2の発明では、先ずハニカム状の担
体基材表面に少なくともNOx 吸蔵材を担持したコート層
が形成される。この工程は、従来のNOx 吸蔵還元型触媒
の製造と同様に行うことができる。例えば、コーディエ
ライト製やメタル製のハニカム担体基材の表面にウェッ
トコート法などにてアルミナ粉末などからコート層を形
成する。次に吸着担持法や吸水担持法などにてNOx 吸蔵
材とを担持する。あるいは、担体粉末を担体基材の表面
にコートしてコート層を形成し、それにNOx 吸蔵材を担
持することもできる。またコート層に貴金属を担持する
場合には、NOx吸蔵材の溶出を防止するために、NOx
蔵材より先に担持することが望ましい。
【0031】次に、コート層を形成したモノリス触媒を
アルミナ源とシリカ源とを含む混合液に浸漬し、その状
態で混合液から複合ゲルを形成して複合ゲルをモノリス
触媒表面に沈着させる。アルミナ源及びシリカ源として
は、第1発明で例示したものを用いることができる。ま
た混合液には、さらにテンプレート材やNOx 吸蔵元素を
含有してもよい。
【0032】次の工程では、モノリス触媒表面に沈着し
た複合ゲルが乾燥されて乾燥ゲルとされる。この乾燥工
程は、複合ゲル中の溶媒を除去する工程であり、第1発
明と同様に溶媒の沸点以下の温度で行うことが望まし
い。この乾燥ゲルはアルミニウム水酸化物やチタン水酸
化物などの中間体からなり、次の焼成工程でゼオライト
層となる。
【0033】乾燥ゲルをそのまま焼成した場合には、ア
モルファス状のゼオライトが生成する場合があるので、
第1発明と同様に、焼成工程に先立って、水蒸気中で加
熱・加圧して結晶化させる工程を行うことが望ましい。
形成されるゼオライト層には、第1発明と同様に、さら
に貴金属を含むことが望ましい。貴金属を含むことによ
り、SO2 の酸化反応が促進されSOx となってゼオライト
層に吸着されるので、SOx の排出を一層抑制することが
できる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (実施例1)所定量のγ−アルミナ粉末に、所定濃度の
ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液の所定量を含浸さ
せ、蒸発乾固後焼成してPtを担持した。次いで所定濃度
の酢酸バリウム水溶液の所定量を含浸させ、蒸発乾固後
焼成してBaを担持した。得られたNOx 吸蔵還元型の触媒
粉末は、 Al2O3 180gに対してPtが 1.6g、Baが 0.3モ
ル担持されている。
【0035】次に、上記NOx 吸蔵還元型触媒粉末を用い
て、表1に示す組成にて室温で溶解混合し、この混合分
散液をA液とした。
【0036】
【表1】 なお、表1においてモノイソプロパノールアミンはテン
プレート材であり、ナトリウムメトキシドはpH調整のた
めに用いている。
【0037】一方、テトラエトキシシラン 2.5モルと水
7モルとを混合し、これをB液とした。B液では、テト
ラエトキシシランは加水分解によりシラノール中間体と
なっている。次に、図2に示すように、A液全量を攪拌
しながらB液全量を徐々に添加し、加水分解により複合
ゲルを形成した。
【0038】この複合ゲルを80℃に加熱し、溶媒が全て
蒸発するまで乾燥して乾燥ゲルを形成した。得られた乾
燥ゲルを耐圧容器に入れ、水蒸気を導入して密閉した状
態で 180℃にて 140時間保持した。これにより乾燥ゲル
が結晶化する。なお、このとき液状の水が乾燥ゲルと接
触しないように工夫した。
【0039】そして生成物を 500℃で3時間焼成し、粉
末状の触媒を得た。 (実施例2)実施例1で調製されたNOx 吸蔵還元型触媒
粉末を用いて、表2に示す組成にて80℃で溶解混合し、
この混合分散液をC液とした。
【0040】
【表2】 一方、コロイダルシリカ(「スノーテックスN40」日産
化学(株)製)を用いて表3に示す組成にて室温で30分
間攪拌混合し、この混合分散液をD液とした。
【0041】
【表3】 なおテトラエチルアンモニウム水酸塩はテンプレート材
であり、水酸化ナトリウムはpH調整剤である。
【0042】次に図3に示すように、C液全量とD液全
量及び40gの水を混合し、2時間攪拌して複合ゲルを形
成した。この複合ゲルを80℃に加熱し、溶媒が全て蒸発
するまで乾燥して乾燥ゲルを形成した。得られた乾燥ゲ
ルを耐圧容器に入れ、水蒸気を導入して密閉した状態で
180℃にて 144時間保持した。これにより乾燥ゲルが結
晶化する。なお、このとき液状の水が乾燥ゲルと接触し
ないように工夫した。そして生成物を 500℃で3時間焼
成し、粉末状の触媒を得た。
【0043】(比較例1)実施例1で調製されたNOx
蔵還元型触媒粉末を比較例1の触媒とした。 (比較例2)実施例1で調製されたNOx 吸蔵還元型触媒
粉末10gと、実施例2と同様のコロイダルシリカ23.6g
とを混合して混合粉末とした。一方、アルミン酸ナトリ
ウム0.85gと、テトラエチルアンモニウム水酸塩 85.54
gと、水 242gとを混合して溶解した。この溶液を攪拌
しながら、上記混合粉末全量を混合して5時間攪拌し、
複合ゲルを形成した。
【0044】この複合ゲルを耐圧容器に入れ、水蒸気を
導入して密閉した状態で 150℃にて144時間保持した。
そして生成物を 500℃で3時間焼成し、粉末状の触媒を
得た。 <試験・評価>実施例1、実施例2及び比較例2の触媒
粉末について、SEM,TEM観察を行ったところ、実
施例1及び実施例2の触媒粉末は、図1に示すようにNO
x 吸蔵還元型触媒からなり直径2〜3μmの基部1と、
基部1表面に付着した合成ゼオライト粒子2との2層に
なっている様子が観察された。一方比較例2の触媒粉末
では、NOx 吸蔵還元型触媒粉末と思われる粒径1〜2μ
mの比較的小さな粒子と、ゼオライトと思われる粒径3
〜4μmの比較的大きな粒子との混在が確認された。
【0045】次に、上記触媒粉末をそれぞれコージェラ
イト製ハニカム担体基材にウォッシュコートしてハニカ
ム触媒を調製した。コート量は 300g/Lである。それ
ぞれのハニカム触媒を実エンジンの排気系に装着し、触
媒入りガス温度を 600℃に保ちながら、空燃比A/F=
14で1分間とA/F=16で1分間を交互に繰り返して50
時間保持する耐久試験を行った。
【0046】耐久試験前後のハニカム触媒をそれぞれ実
エンジンの排気系に装着し、触媒入りガス温度を 600℃
に保ちながら、空燃比A/F=14で1分間とA/F=16
で1分間を交互に繰り返し、A/F=16のときのNOx
化率をそれぞれ測定した。結果を図4に示す。図4から
明らかなように、実施例1,2の触媒は比較例1,2に
比べて耐久試験後のNOx 浄化率が向上しており、これは
乾燥ゲルを形成する工程を設けた効果であることが明ら
かである。
【0047】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化用触媒の製
造方法によれば、ゼオライト層によってNOx 吸蔵材の硫
黄被毒が防止され、かつゼオライト層の剥離が防止され
た排ガス浄化用触媒を容易にかつ安定して製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で製造された触媒粉末の構成
を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例の製造方法を示すフローチャ
ートである。
【図3】本発明の第2の実施例の製造方法を示すフロー
チャートである。
【図4】実施例及び比較例で製造された触媒のNOx 浄化
率を示すグラフである。
【符号の説明】
1:基部(NOx 吸蔵還元型触媒) 2:合成ゼオライト粒子(被覆層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA06 BA03X BA06X BA07X BA08X BA11X BA31X BA32X BA41X BB02 4G069 AA01 AA08 BA01A BA01B BA02A BA02B BA04A BA04B BA05A BA05B BA07A BA07B BA38 BC01A BC08A BC13B BC41A BC71A BC72A BC74A BC75A BC75B CA03 CA08 CA13 EA01Y EA19 EB10 EE01 FA02 FA06 FB08 FB23 FB30 FB57 ZA01A ZA01B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質酸化物担体と該多孔質酸化物担体
    に含まれたNOx 吸蔵材とからなる基部と、該基部表面に
    被覆されゼオライトを主成分とする被覆層と、よりなる
    排ガス浄化用触媒の製造方法であって、 アルミナ源と、シリカ源と、多孔質酸化物担体にNOx
    蔵材が含まれてなる触媒粉末との混合液から複合ゲルを
    形成する工程と、 該複合ゲルを乾燥して乾燥ゲルを形成する工程と、 該乾燥ゲルを焼成する工程と、よりなることを特徴とす
    る排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 担体基材と、該担体基材表面に被覆形成
    され多孔質酸化物よりなるコート層と、該コート層に担
    持されたNOx 吸蔵材と、該コート層表面に被覆されゼオ
    ライトを主成分とする被覆層と、よりなる排ガス浄化用
    触媒の製造方法であって、 NOx 吸蔵材を含むコート層を担体基材表面にもつモノリ
    ス触媒をアルミナ源とシリカ源とを含む混合液に浸漬
    し、その状態で該混合液から複合ゲルを形成して該複合
    ゲルを該コート層の表面に沈着させる工程と、 該コート層の表面に沈着した該複合ゲルを乾燥して乾燥
    ゲルとする工程と、 該乾燥ゲルを焼成する工程と、よりなることを特徴とす
    る排ガス浄化用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合液にはさらに貴金属化合物溶液
    を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    排ガス浄化用触媒の製造方法。
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